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【リレー小説】えなりの奇妙な冒険〜冨樫の遺産編第15部

1 :作者の都合により名無しです:03/12/02 23:10 ID:VGaMG5Rt
これはえなり2世の数奇な運命を追った奇妙な冒険である

前スレからの続き、行くぜ!!
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1067586160/


2 :作者の都合により名無しです:03/12/02 23:11 ID:VGaMG5Rt
過去ログとか
第1部http://ebi.2ch.net/ymag/kako/1005/10056/1005603546.html
第2部http://ebi.2ch.net/ymag/kako/1006/10062/1006290865.html
第3部http://comic.2ch.net/ymag/kako/1008/10088/1008862285.html
第4部http://comic2.2ch.net/ymag/kako/1022/10224/1022478173.html
第5部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1043128803/l50
第6部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1050213697/l50
第7部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1054732518/l50
第8部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1056214706/l50
第9部Ahttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1056986536/l50
第9部Bhttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1057574190/l50
第10部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1059402962/l50
第11部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1061047834/l50
第12部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1062766295/l50
第13部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1065342319/l50
第14部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1067586160/l50
(非)公式ログページ
http://isweb43.infoseek.co.jp/novel/enari2nd/(〜8部)
http://mypage.naver.co.jp/komaking/enari-house2.htm(9部〜)

少年ジャンプいた@したらば(関連スレ・現在4つ)
http://jbbs.shitaraba.com/comic/31/

ネタ相談所・えなりの奇妙な冒険を語るスレ(※ネタバレ注意)
http://jbbs.shitaraba.com/comic/bbs/read.cgi?BBS=31&KEY=1059562987

↓キャラクターを忘れたり展開が掴めなくなったらこちら
冨樫の遺産の登場人物について整理するスレ
http://jbbs.shitaraba.com/comic/bbs/read.cgi?BBS=31&KEY=1058562255
えなり人物テンプレ専用サイト
http://members2.tsukaeru.net/redman/index.html

3 :ルール!:03/12/02 23:15 ID:VGaMG5Rt
ルール!
それはここに書き込む際の最低限のルールである!

・過去ログを見てストーリーの流れくらいは把握しておくこと!
・リアル故人は出さないこと! なぜなら不謹慎だし色々あるからだ!
・漫画のキャラをあんまり出すな! ここのメインはあくまで漫画家だ!
・相談するのは自由だが、ルールを守り自分の書きたい物を書こうな!
・先人の意思をなるべく尊重しよう!壊すにも壊すルールがあるのさ!
・誤字脱字の訂正は必要最小限にとどめよう!投稿前に内容確認!

4 :妖(あやかし)たちのホームルーム 1/7 (14部>>370より):03/12/02 23:28 ID:4U/hTbHa
 さながら教師、でなければ塾の講師の如く、麻宮は板書きしながら説明を始める。
「まずは……今、一番表面に出ている勢力……」
 かつかつと、チョークが黒板によって削られ、小気味良い音を立てながら、
漢字二文字を黒板に刻み付ける。それは、トーナメントを開催した張本人。
今もなお、パクリという禁じられた力でもって全てを支配せんとする覇王の名。
「そう、『矢吹』だ」
 かつっ。チョークで矢吹の名を書き終えると、麻宮は皆のほうに向き直って、告げる。
「言わずと知れた現・集英社の首領……が、それだけでは飽き足らず……と、言った所か。
自らの地位を揺るがぬものとする為に、此度、トーナメントを開催した」
 そこで一旦、言葉を切る。皆がこちらの話に耳を傾けているか、確認する為だ。見渡してみると、
幸い、皆それぞれ思い思いの態度を取ってはいるものの、話だけはちゃんと聞いてくれているらしかった。
「奴が恐ろしいのは本人のその能力だけではない。何より恐ろしいのは……奴が持つ、
その膨大な人脈だ。ざっと調べてみても、奴がどこまで手を回しているかようとして知れない……が」
 再び、麻宮はチョークを手に取る。白ではなく、赤のチョークをだ。
その赤のチョークで、ためらいも無く“矢吹”の二文字に打ち消し線を引くと、麻宮は話に戻った。
「差し当たって、我等が気にする相手では無いと……少なくとも、俺はそう、考える。
あくまで、奴は今回の争乱の舞台を提供したスポンサーでしかない、とな」

5 :妖(あやかし)たちのホームルーム 2/7:03/12/02 23:29 ID:4U/hTbHa
「あ、でも……」
 一息ついたところで、河下がおずおずと手を挙げた。麻宮がそちらに視線を移し、目で促すと、
河下はこくりと頷いてから話し始める。
「私が……以前、トーナメントの審判のお仕事をしてた時……一度だけ矢吹さ……いえ!
矢吹に……会った事があります。仕事中の……視察だとか、何とかで……」
 一字一句、思い出すようにして言葉を紡ぐ河下。その口調には、どことなく怯えのようなものが感じられた。
「あの時の威圧感……忘れようも有りません……!そして彼はそんな怯える私に気付いたのか、こう言いました……
『真っ青に青ざめるほどこわがらなくてもいいじゃあないか……安心しろ……安心しろよ……河下』
当時、そういった“力”とは無縁の私にも分かりました……あれは、到底、無視できるような相手じゃありません!」
「右に同じじゃ。ワシも一応、前はトーナメントの審判をやっておったからな……
矢吹とは、対面した事がある。……いや、今、思い出してもゾッとするわ。あれは、並じゃあないぞ……」
 河下に続き、小林が漏らした。
「成る程な……確かに、それはそうかも知れん。だが俺も、決して奴を軽視している訳ではない。
ただ、こちらから積極的にアプローチする必要のある相手では無い、そういう事だ」
 二人の発言を聞いてなお、麻宮はそう言い捨てる。そして黒板をタン、と拳で軽く叩き、再び解説を続けた。
「対応は向こうから接触してきた時に限って考えれば良い――それよりも、だ。
最初にも言っただろう?今、ことに関わっているのは矢吹だけではない。それこそ無数の漫画家たちが、
そして数々の勢力が関わってきているのだ。良いか?――説明を続けるぞ」
 そうしてまた麻宮は黒板に向かう。再度、静かな教室にかつかつと言う音が響いた。
「次はこいつら……」

6 :妖(あやかし)たちのホームルーム 3/7:03/12/02 23:30 ID:4U/hTbHa
「KIYUについてだ」
 忌むべき四文字とも称される、KIYUの文字が黒板に記された。
「こいつらの事については不明な事が多すぎる……だが、あえて主観で語らせてもらおう。
我等が宿敵“神”を主神とするのなら、さしずめKIYU――キユは、現代に黄泉返った“破壊神”……そんな所だろう」
「……ぞっとしないな」
 高田が苦々しげに呻いた。
「……ああ。奴等曰く、その目的は『週間少年ロック創刊』だそうだが、それもどこまでが真実なのか怪しいものだ……
聞く話によれば、KIYUの腹心、岡本倫はそれとはまた別の事を企んでいるらしいしな」
「確かな情報だぜ。任務中にあちこち飛び回ってた時、方々でそんな噂を聞いたからな」
 不敵な笑みを浮かべて、伊藤がそう、付け加えた。
「とにかく、色々な意味で油断のならない奴等だ。『PSYCLOPS』なる独自の部隊を保有しているとの情報もあるしな。
奴等がいつ動き出すかは分からないが……今後の事を考えれば、交戦する機会も恐らくはあるだろう。皆、注意して欲しい」
 その“交戦”という単語に、近く訪れるであろう大戦の空気を感じ取ったためだろうか、
各々の間に緊張に似たものが走り抜けた。
「……いいか、続けるぞ。次は……ある意味では、我々に近いともいえる奴等かもな」
 麻宮の講義は続く。
「『不死の王』平野率いる、最後の大隊……知ってる者も居るだろうが、吸血鬼や戦闘狂の集団だ」
 例にならって、平野の名が黒板に刻み付けられた。
「我等が“妖”なら奴等は“鬼”だ。その目的は単純明快……飽くなき闘争。永遠の戦争。
尽きる事の無い破壊。平野はただひたすらにそれを求めている」
「成る程、俺達に似てるってのは、限りなく闇に近い、その性質って訳か……」
 高田が所在なげに虚空を見つめながら、低く漏らした。
すると伊藤がどことなく脳天気な口調でそれに続く。
「なあ、向こうも言ってみりゃあ、俺達と同じバケモンなんだろ?
なら、ここはバケモン同士、同盟とか出来ないもんかな」
「同盟……か。あまり考えた事は無かったが……」
 腕を組み、顎に手を当て、麻宮は思案を巡らそうとすると、
「難しいと思いますよ」

7 :妖(あやかし)たちのホームルーム 4/7:03/12/02 23:31 ID:4U/hTbHa
 声が発せられる。その声の主は、河下と小林のすぐ後ろの席に座った、大暮であった。
「大暮。難しいというのはどういう理由からだ?」
 すかさず、麻宮が問い掛ける。大暮は眼鏡の鼻当てを人差し指でグイッと押し上げると、それに答えた。
「『同盟』と言ったのでしょう?なら、それに必要なものは、『同じ目的』あるいは『利害の一致』です。
しかし彼等にはこの二つのどちらを用いても同盟の材料とはなり得ない――そういう事です」
 そこで一息入れると、真面目な表情は崩さぬまま、大暮は続けた。
「彼等に目的なんてものは存在しません。いや、言うなれば手段が目的……ですか。
彼等は、何の為でもなく戦い、その戦う事を目的としているのです。
なので同じ目的の為に同盟を組む、なんて事は不可能。目的が無いのですから。
……では、利害の一致ならどうでしょう?これも、答えはノーです。僕達にとっての利とは、
神の使徒たち、あるいは神の殲滅。害となるのは他の組織による横槍と言った所でしょう。
それに対して、彼等の利は闘争の空気、あるいは場を得る事。害となるのは……ひょっとすると無いかもしれません。
自らの身体が朽ちる事さえも望む……彼等は、恐らくはそういう奴等です」
「……まさしく、狂戦士だな」
「ええ。獣相手に交渉するようなものではないですかね。
何らかのコネでも無い限り同盟は難しいだろう、これが僕の考えです」
 そして、幾許かの間が空く。麻宮はふぅ、と軽く息を漏らした。
「……まぁ、どちらにせよ、今決められる事ではあるまい。この件は、一時保留としておこう。
――さて、仕切り直すぞ。次は評議会についてだが……困った事に、ここに関しては極端に情報が少ない」
「情報が無い?おいおい、そりゃないだろ」
 麻宮の発言に伊藤が冗談っぽく突っ込む。
「いや……本当の話だ。評議会という組織は、表舞台に出る事無く、ずっと裏で暗躍を続けて来たからな。
ここ最近の動きと言えば、『四霊』と呼ばれる者達が出張ったくらいか……」
 仕方ない、といった表情で麻宮が嘆息するが、それだけ行うとすぐさま気を取り直す。
「さ、おさらいは次で最後だ……」

8 :妖(あやかし)たちのホームルーム 5/7:03/12/02 23:33 ID:4U/hTbHa
「……言うまでも無く、皆、分かっているだろうが……そう、ゴッドハンド――」
 突然、教壇に拳が振り下ろされる。鈍い、ごずっ、という音がした。
「――我等の敵だ」
 それまで淡々と話していた麻宮が、突如、感情をあらわにする。
その表情には、怒りと恨みが重なり合って浮かんでいた。
 そして他の十二使徒も彼同様、思うところがあるのだろう。
皆、それぞれが様々な想いでもって、『我等の敵』というその言葉を受け止めていた。
「今まで……矢吹、KIYU、最後の大隊、評議会と挙げて来たが――ゴッドハンド。
真に我等が戦うべき相手は、まさしく、奴等に相違ない」
 それだけ言い終えると、いささか冷静さを取り戻したのか、麻宮はまた先程までの調子に戻る。
「……前大戦時と比べれば、奴等の数も増えた。特に、横山光輝……奴は、
その配下として『横山十傑集』『五虎神』を備えるに至っている。……いずれ劣らぬ、強豪揃いだ。
勿論、それらを従える横山、さらには他のゴッドハンドの面々も、皆、一騎当千の実力者なのは言うまでも無い」
 場を、沈黙が支配する。それは、言葉だけの情報に過ぎなくとも、
彼等ゴッドハンドの事を各々が胸に刻み付けるには、全く以って十分事足りる空気であった。
「――いずれ、大会が終幕する。それは恐らく、同時に開戦の狼煙となるはずだ。その時になれば、
きっと妖魔王様もお目覚めになられるに違いない。皆……十分に覚悟する事だ。戦いの日は……近い」
「戦い……そうよね、わたしたち、戦わなきゃいけないんだよね……」
 戦う。改めて提示されたその単語に、河下が反応した。
「……怖いか」
「……ごめんなさい。でも、わたし、麻宮さんみたいに強くないから……他のみんなみたいに、強くないから……
ゴッドハンドの事、わたしは最近目覚めたばっかりで、思い出しきれない。……でも、きっと、すごく強いんでしょう?
……わたしなんかが、ちゃんと役に立てるかどうか……足手まといにならないか、心配で……」

9 :妖(あやかし)たちのホームルーム 6/7:03/12/02 23:39 ID:4U/hTbHa
 河下の口から、堰を切ったように言葉が流れ出す。今までうっすら感じてはいても、
決して表に出す事の無かった不安が、今になって、急にあふれてきたのだ。
 悲壮感に包まれた河下の言葉。そのまま教室を重苦しい雰囲気が覆うかと思われた矢先、
その雰囲気を払拭するかのように、声が上がった。
「あれだ。君は、まだ自分の役割ってものが理解しきれて無いんじゃないかなぁ」
 発言は教室の後ろ側――八房のものだった。
「や……役割?」
 河下がはっと後ろを振り返り、思わずそう聞き返す。頬杖つき、微笑を浮かべながら八房は答えた。
「そ。役割。何も十二使徒に求められるのは戦闘力が全てでは無いって事さ。
だってそうだとしたら――ああ、こうやって引き合いに出す事を前もって謝らせて頂くと――日向子先生なんか、
はっきり言ってしまえば戦闘能力なんか皆無な訳だし」
 突然、自分の名が挙がった事に対して、杉浦は軽く微笑むだけでそれに応えた。
「だけど、正面切って戦うだけが能って訳じゃない。力が無いなら、力のある者を操れば良いし、
言葉でもって相手を惑わしても良い――ああ、日向子先生は後者だね。
彼女の言葉には、いわゆる“言霊”ってヤツが混じってる」
 そこまで聞いて、河下は、ふと、杉浦を見やる。すると杉浦は、
やはり先程と変わらぬ様子で河下に微笑みかけてみせた。
「いいかい。僕等が本来、持ちうる力ってのはさ、もっと、こう、ネガティブなものなんだよ。
人が心の奥底に仕舞い込んでいたり、押し留めてたりするもの。欲望。羨望。恐怖。悪意。秘密。
そういった『負の部分』をくすぐってやること。それが、魑魅魍魎、妖怪悪鬼を束ねる妖魔王様が配下」
 八房の眼鏡が、にわかに妖しく光を反射する。
「僕等『十二使徒』の在り方だとは思わないかい?」
「――――っ!」
 瞬間、河下の全身に冷たいものが走った。冷や汗が頬を伝い、思わず鼓動も早くなる。
何故、そう感じたのか、河下は結局、理解するだけの余裕を得る事が出来なかった。

10 :妖(あやかし)たちのホームルーム 7/7:03/12/02 23:41 ID:4U/hTbHa
「……ま、それは確かだな。でも、実際問題、俺達だけでは手駒が少ないのは事実に違いない。
だからこそ、今、『十本刀』の形成を進めているんだろう?あの男の様子はどうなんだ、八房」
「ああ、和月さん、でしたっけ。いやぁ、どうにもあのお人は我が強くていけませんね。
“間引き”を終えたと思ったら、そのまま何処かへ行っちゃいましたよ」
 問い掛けに対して、八房が答える。麻宮は、嘆息一つ、瞼を閉じて唸った。
「……はぁ……しょうがないな、全く……」
「高橋さんも居る事です。おいおい増えていきますよ」
「……そうである事を、願うよ」
 ここには居ない、『怨みの門』の門番に呼び掛けたつもりで、麻宮は言葉を紡いだ。
「なぁ、ところで、朝飯ってまだかな?俺、腹減っちまったよ」
 と、今までの雰囲気を全く無視して、机に突っ伏した伊藤が呻く。
「……お前、鍋は嫌だとか言ってなかったか?」
「あ?いーじゃねーか、気にすんなって」
「ったく、どこがデリケートなんだか……」
「んー、そんな事言ったっけなぁ」 
 すかさず高田が突っ込むが、それを意に介す事無く伊藤が答える。
二人がそんなやりとりをしていると、廊下からガラガラという音が聞こえてきた。
「良かったな。どうやら丁度飯の時間が来たようだ」
 目の前の伊藤に、麻宮がそう、呼び掛け、そして締めに入った。
「さあ、考えなければならない事、やらなければならない事はまだまだある。
だが、とりあえず今朝はここまでだ。それから、今日は『表』で動きが無い以上、
各々、好きに動いて構わないものとする――勿論、迂闊に動いて己を危険に晒さない限りでな」
 そこまで言い終えて、一拍置く。
 喉を濡らし直すと、麻宮は宣言した。
「それでは――これにて朝の会を終了する」
 示し合わせたかのように、鐘の音が響いた。

11 :王大人:03/12/02 23:48 ID:51R7LN57
それでは始めぃ!!

12 :とある異世界にて:03/12/03 08:41 ID:7jrdXbHr
矢吹「暑いな。」
丸い体と4本の足、1本の腕と一つ目の生き物が住む町の離れにて、矢吹はそう呟いた。
彼はそこで、変な生き物として追われる身であった。
??「ようやく……見つけました。」
その後に、無精髭が生え始めている、若い男が立つ。
矢吹「ほう……。その声は”ビクトリーファイブ”の長谷川裕一君かね?」
長谷川「………ええ、そうです。」
そう答えてから、長谷川が少し驚愕の声を上げる。
長谷川「何故わかったのです?」
矢吹「月を破壊すれば、嫌でも、私の耳に入ってくるよ。しかし君もよく私がこの世界がわかったな。」
長谷川「わかりませんでした。」
矢吹「え??」
長谷川「ですから、あなたを捜しては別の世界に飛んで!あなたを捜しては別の世界に飛んで!!
     あなたを捜しては別の世界に飛んで!!!あなたを捜しては別の世界に飛んで!!!!
     ………十年近くかかった……もうやだこんな仕事。」
呆然とする矢吹に長谷川がぼやく。
矢吹「……その為だけに来たのか?」
長谷川「いえ……あなたに一つ聞きたい事があるんです。」
二人の間に冷たい空気が流れる。
長谷川「サンライズ内の『許されざりし裏切者』について……。」
矢吹「……良いだろう手間賃代わりだ。教えてやろう。」
矢吹はそう言って、煙草を取り出した。

13 :給食タイム:03/12/03 12:36 ID:qLJMvtua
朝のHRが終わると、十二使徒たちは森野の作った鍋料理をつっつき始めた。
全員が、思い思いのペースで具を口に運ぶ。
見てくれはちょっと……いやかなりすごいが、味は確かだ。
ゲテモノは美味と相場が決まっているのだ。
河下「キャ―――ッ!」
なかには、その外見に絶句して失神寸前の者もいたりするが、それは気にしない。
森野「伊藤、肉ばかり喰うなギャ。ほらほら、そこもう煮えてるギョ!
   こら、しらたきはまだ入れるんじゃねーギャ!!」
鍋奉行・森野が、やかましく仕切るが、大半の者たちは聞いていない。
大暮「いいですか、鍋はちゃんとバランス良く野菜も食べなきゃダメですよ」
ニンジンが苦手な小林の皿に、大暮がポイポイとニンジンを放りこんでいく。
田口「……朝から鍋というのも………悪くない」
ぽつりと呟いた田口が、無造作に具を口に放り込む。
森野「あ〜〜、そんなに一気に頬張ったら火傷す……」

田口「熱っ、熱――――――――――――――――――っ!!」

森野「…………言わんこっちゃねえギャ」

そんなこんなで、朝食の時間は終わった。
食事のあとの、しばし穏やかな時間が流れていた。
そのとき、教室の窓から、一羽の『鳥らしき』影が入ってきた。
一直線に高田の肩に止まったその鳥は奇妙な事に、頭部が人間のそれである。
高田の使い魔にしてダチンコ『タクヒ』である。
高田「どうした、タクヒ?」
すると、高田の耳元でタクヒの口がぼそぼそと動く。
それを黙って聞いていた高田が、やがて愉快そうな笑みを浮かべながら、呟いた。
高田「『チャンピオンRED』の付近で、ガンダム同士の戦いだと? 興味深いな」


14 :作者の都合により名無しです:03/12/03 14:42 ID:B3H+F6p0
(´-`).。oO(チャンピオンREDの『付近』って何処だろう)

15 :作者の都合により名無しです:03/12/03 14:48 ID:AHjie2hb
(´-`).。oO(チャンピREDってのが施設名らしいですよ。ってどんなやねんw)

16 :赤き実験場:03/12/03 15:18 ID:qLJMvtua
河下「『チャンピオンRED』……ってなんですか?」 
高田の独り言を聞きつけた河下が恐る恐る、質問する。
高田がその独特な真紅の目を向けただけで、河下は威圧感に竦み上がりそうになるが、
当の高田は気にした様子でもなく、自分の知る限りの事を語り始めた。
高田「『チャンピオンRED』とは、元々は【秋田書店】の発行した雑誌の事だが、
   現在では、チャンピオンREDはすでに廃刊してしまって、存在しない。
   従って、ここで言うチャンピオンREDとは、当時の編集部を指す」
河下「(怖い人だと思ってたけど……粗暴な人ではなさそう……)」
高田「しかし、『チャンピオンRED』は【秋田書店】の無為無策ぶりを露呈した雑誌だった。
   当初は、実力派を集めた精鋭雑誌となるはずだったが、
   無能編集は雑誌のカラーも定めず、ただ有名作家を取り入れる事に血眼になった。
   その結果、『チャンピオンRED』は硬派なんだか、ヲタ向けなんだか、
   どの読者層を狙っているのか、さっぱり分からない雑誌になってしまった。
   そのあまりの無軌道ぶりは、『チャンピオンの核実験場』とまでうたわれた程だった。
   結局、人材は凄かったものの、最後まで迷走を繰り返し、雑誌は廃刊した。
   そこで描いていた作家も散り散りになり、皆古巣に帰っていった」
河下「じゃあ、今では『チャンピオンRED』は存在しないんじゃ……」
すると、横合いから別の声がとんだ。麻宮である。
麻宮「ところが、それが『ある』のだ」
河下「麻宮さん?」
高田「そう言えば、お前も関係者だったっけな」
河下「へぇ……そうだったんですか」
麻宮「昔の話だ」
話を振られると、麻宮は自嘲気味に笑った。あまり思い出したくない事らしい。
沈黙を気まずく思ったのか、河下が話題をふる。
河下「…あの……続き、いいですか? チャンピオンREDがまだ『ある』って……」
麻宮「……ああ、その通りだ。雑誌は廃刊したが、当時の『編集部』だけは残っている。
   編集部は【秋田書店】からは隔離された場所にあった……それが今でも現存する。
   そして、そこには未だに『RED』の生え抜き……
   いわゆるデビュー組が数名、潜伏しているとの噂なのだ」


17 :赤き実験場:03/12/03 15:48 ID:qLJMvtua
河下「デビュー組!?」
麻宮「私のようないわゆる外来の作家ではなく……REDでデビューを果たした、
   純粋培養のRED作家たちだ。ヤツらは数は少なく、経験も浅い連中だが、
   ヤツらは揃いも揃って、かなりぶっとんだ連中だった。
   その力は、並の漫画家のそれを、ある部分では遥かに凌駕していた。
   連中は、他に連載する雑誌がある作家がREDを見捨てたなか、最後まで廃刊に抵抗した。
   そして、あげくの果てには、雑誌とその命運を共にしたという……」
河下「そんな……」
自分の連載する雑誌に作家生命まで賭けられる。それは河下の想像を絶する『覚悟』だった。
麻宮「しかし、それは表向きで……今でもヤツらは生き残り、RED編集部跡地の廃虚に潜伏し、
   地下活動を続けているという噂が、流れていた。
   てっきり、都市伝説とばかり思っていたのだが……」
そこで麻宮は言葉を切る。緊張を帯びながら、河下が麻宮の後を受けて言った。
河下「今でも実在する……というのですか、その人たちが?」
河下は半信半疑だった。そんな劣悪な環境で、人が何年も活動できるものだろうか?
麻宮「真偽のほどは分からん……が、偶然とも思えん。
   REDは実は、ゴッドハンドと繋がりが深い雑誌だった。
   横山十傑集のうち、岡田と石渡という実力派の2人を輩出しているし、
   ゴッドハンドの永井豪や、石川賢も関係している。
   私がREDに関わっていたときは、まだ私は目覚めていなかったから、
   事実に気付いたのは、ごく最近のことではあるが」
河下「…………」
麻宮「……そしてゴッドハンドは、『ガンダム』を始めとするスーパーロボットの、
   ほとんどを占有している勢力だ。
   そのREDのすぐ近くでガンダム同士が交戦していた……全く無関係とも思えん」
高田「残党がゴッドハンドとつながってるっていうのか?」
麻宮「分からん。因果関係は不明だ。……しかし、調べてみる価値はあるだろうな。
   万が一、残党とゴッドハンドが繋がっていたりすれば、さらに厄介な敵が増える事になる。
   いずれにせよ、不確定要素は断っておくべきだろう。そのガンダムの詳しい機種は分かるか?」


18 :赤き実験場:03/12/03 16:25 ID:qLJMvtua
高田「一機は、ジョニーロジャーをマークした、接近戦仕様のものらしい。
   もう一機が、全身を赤くペイントしたガンダムだったそうだ」
スーパーロボットにはあまり造詣が深くない高田には、細かい機種名までは分からない。
麻宮「ジョニーロジャー……そちらは十中八九『クロスボーンXシリーズ』だ。
   確か、ゴッドハンド配下に、それを操る者がいたと記憶している。名前は忘れたが……」
高田「いずれにせよ、これでゴッドハンドの関与は確実というわけか」
麻宮「いや、まだそう断定するのは早い。気になるのは、その交戦していたという赤いガンダムの事だ。
   恐らく、その赤いガンダムは『レッドフレーム』……
   そして現在、それを操れる者は、私の知る限りただひとり……」
そこで麻宮は一旦息を切ると、おもむろに続けた。

麻宮「『反逆者(トリーズナー)』 戸  田  泰  成 」

その名を、麻宮が口にした、まさにそのときだった。

 リ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ

獣が唸るような、不気味な音色が、教室に響き始めた。

19 :ライオンさん:03/12/03 19:48 ID:fMX3rnxa
温泉宿のすぐそばにある小さな休憩所。旅行者は豊かな自然に囲まれて、体も心も癒される。
そこのベンチにちょこんと座っている女の子がいた。彼女は忙しく動き回っていたので少々疲弊していたのだ。
「はあーいいなあ、木の緑って…体の奥の方がすぅ〜ってなる」
天野こずえは森林光を一身に受けながらわずかな暇を利用して疲れを癒していた。
大口の仕事が急に入って一気に忙しくなった。松椿荘との打ち合わせ、にわのとの打ち合わせ、ルート、書類作成などなど…。
「………あれ?」
天野は急に目をゴシゴシと擦る。何か…木の上に【見えざるもの】が見えたような気がした。
天野は『第二の瞳』を持っている。それは、人に見えないものが見えてしまう眼――――。
「あのっ……!!」
「わっ!!?」
声をかけられた男は驚いたようでバランスを崩し木から落ちた。そして尻からドスンと落ちた。痛そうだ。
「あてて…お嬢ちゃん、おれが見えるのかい?」
彼はライオンの面を被っていた。子供騙しのキャラクター劇なんかでよく見かけるような、ディフォルメされたやつだ。
「私、人に見えないものが見えちゃうんです。あなたは幽霊? それとも…精霊?」
「幽霊…かな」
「声の感じ、おじさん?」
「おいおいっおじさんは止めてくれよ、こう見えても、バリバリ若いんだぜ。Tシャツのセンスいいだろ?」
『バリバリ』とか使ってる時点でそんなに若いとは思えないし、Tシャツは無地だが、優しい天野はそれをスルーしてあげた。
「どこからここへ来たんですか?」
「どこから…う〜ん……」
「思い出せないんですか」
たまにある。あまりに大きな衝撃を心に受けて死んだ場合、色々なことを忘れてしまうことがあるのだ。
この人の場合、何か、凄惨を極めることがあったのかもしれない。
そんなことを考えていると、突然天野の胸ポケットの携帯が震えた。にわの様からだ。
「あっ…私、もう行かなくちゃ。最後に、名前を…」
「名前? …『ライオン』でいいよ」
「ライオンさん…? あはっ、素敵な名前ですねっ! それじゃまた会えたらいいですね!!」
そう言って彼女は急ぎ走り去っていった。再び、苛烈な作業の渦に入る。

「どこから、か………ホント、どこから来たんだろうな…僕は」

20 :最悪なる者:03/12/04 12:01 ID:+hZFahMe
ガモウ「カッ!」
乙「うわぁぁあああああああ!」
ガモウの髪の毛から謎の怪光線が発射されて、乙が吹き飛ぶ。
ガモウ「まだ生きているか……さっさと死ねば楽な者の!」

事の起こりは、血の後を調べた時に起こった。
青山「……ほんとに調べたのか?あの片眼鏡。」
ぼやきながらも、青山は血の後を辿る。
乙「ダイイングメッセージだけで調査したのかも……。」
青山「んなあほな……。」
乙「それにあの血の文字、少し新しかったですよね。誰かが後に書いたのかも……。」
??「ふふふふふ……そこまで気づかれては仕方が無い。」
乙「誰だ!」
次の瞬間、乙の体が空を舞う。
ガモウ「まさか、調べる人物がいたとはな……ちょっと曇り空だったのがまずかったか。
     晴れていたのなら、貴様等が探しに来る事は無かったものの。」
乙「何を言っている!」
クレイジー・ダイアモンドを発動させ、凄まじい勢いでガモウに殴りかかるが………。
乙「うっ……あっ……。」
突如落ちてきた鉄板が乙の頭上を叩いた。
青山「一体何が起きたんだ!」
乙「わからない……一体何をしたんだ?」
ガモウ「”何もしていない”……何もしなくても私の勝利は揺るがない。」
乙「なら……『逃げる』!」
青山の腕を掴んで乙が走ろうとした瞬間であった。ズルッ!血に足を取られて乙が倒れる。
ガモウ「無駄な事を……例えどんな格好であれ!私の勝利は揺るがない!
     私には”幸運”がついている!例え何があろうと!私を殺す事はできない!」
青山「油断大敵だぜ!!」
超高速でガモウにサッカーボールが向かうが、まるで当たらずに青山に跳ね返ってくる。
ガモウ「無駄無駄無駄無駄ぁ!!」
哄笑が通路に木霊した。

21 :魔人、目覚める:03/12/04 12:40 ID:H2m9qy64
 リ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ ン


小林「な…何事じゃ…!?」
野獣が啼くような唸りが、教室中にこだまする。
学校中を、殺気が覆い尽くしていく。
高田「ほう…」
八房「へぇ…」
伊藤「ヒュウ♪」
大気を軋ませるような妖気の奔流に、他の使徒たちも感心する。
そのなかで、河下は恐怖に打ち震えていた。

??「と………だ?」
なぜなら、その殺気を放出しているのは、自分のすぐ近くに座した男。
すでに眼鏡は外され、いつの間にか眼帯が『右』から『左』へ移動している。
長い白髪が、妖気にざわめき、その目が異様な気配を帯びる。
河下「そ…そんな……私の『淫夢』から自力で……ッッ!!」
そう、その殺意の主が名は、大暮維人。
今までの『クレイト』ではない、正真正銘、『魔神』としての『グレイト』が覚醒したのだ。
麻宮「龍眼……」
河下「え?」
ぽつりと呟いた麻宮を、河下が振り返る。
麻宮「古来中国では水晶眼ともいい、
   天地人、全ての“氣”と交流(アクセス)する事で、過去を読み、未来を予測し、
   千里の彼方の地での出来事をリアルタイムで“観る”能力……
   何も知らずに脳内パラダイスで遊興に耽っていたのが、今の一言で目覚めたらしいな……」
河下「え……」
麻宮「戸田……どうやら因縁アリか。ならば、これを渡す時が来たようだ……」
そう言った麻宮の手には、いつの間にか、1本の長大な日本刀が握られていた。


22 :呪われた男:03/12/04 13:32 ID:ti5lG7lA
影船で川原たちと仲良くテレビ観戦していたにわのは、
天野に連絡しそこねてた用件があったのを思い出し携帯を取り出そうとする・・・が、
携帯は森に返したためドラゴンレーダー型の選手用モバイルのみこれは審判組の持つ、
審判用モバイルがないと通信できないいわゆる子機。電話機能はない。
仕方なく、他の連中の荷物と共に自分の携帯を取りに行く事にした。

    ふぃよよよよん(効果音)   ――懐かしのCブロック・裏御伽控え室。
 「ううっ、さすがにこう何度も時空移動するとくたびれるじゃん・・・なんか寒いし(ズ)」
Tシャツを羽織り皆の手荷物を手際よく集めるにわの。便利な副将は雑用係でもあった。
スエードの巾着鞄からマイ携帯を見つけ、さっそく天野に電話を入れる。
 「ごめんにぇー何度も〜。えっと明日の朝食なんだけどね、試合前だからあっさり目で〜〜うん〜」
おわびに今度天野にケーキをおごる約束をして電話を切る。
ふと。背後に冷たいものを感じ、にわのは青ざめながら振り向く。そこには・・・

ドアノブ周りに黒い沁み。人間のものより数倍大きい手形。  鬼。   「・・・!?」
 
     ――鬼を描く漫画家は鬼に祟られる。有名な噂だ――

“鬼退治の英雄の子孫”の漫画を描いていたにわのは鬼に奇縁のある男。
岡野以外にも何らかの形で鬼の呪いを受けている漫画家がいるが、彼もそのひとり。
にわのは慌てて目をこすりもう一度ドアを見るが、そこにはもう何もなかった。
代わりに彼の愛用品・どぶろく入りのとっくりがドア近くの机の上にあった。
・・・鬼の妖力の残滓を匂わせたとっくりが。

 「ハニャ?今のはいったいナンジャラホイ。まこリンさっぱりわかりませんぜ」
首をかしげつつ、全員の荷物を背負ったにわのはとっくりを腰に下げ再び時空の海に突入した。

彼は気づかなかった。鬼の呪いがとっくりにかけられているのを。
とっくりの内部が≪鬼麹亜空間≫と呼ばれる無限の酒をたたえる空間に変化しているのを。
呪われた酒が、彼を彼の捨てた修羅道に連れ込もうとしているのを。
心優しい男を恐ろしい鬼に変えようとしているのを。

23 :魔人、目覚める:03/12/04 13:36 ID:H2m9qy64
それは野太刀というにしても、あまりに長大すぎるシロモノだった。
少なくとも、河下の身長はゆうに超えている。
一体、どう扱うのか、そもそも抜く事ができるのかさえ怪しい。
しかも別の意味で妖しいのが、その刀自体が、大暮の妖気に共鳴し、震えているのだ。

麻宮「式刀『霊毀』(ちょくとう『れいき』)。
 
   陰陽・呪禁果ては道教まで呪式体系の総てを、
   1本の刀に封じ込めた呪的テクノロジーの結晶!!
   持った者の“力”に呼応し、あるいは雨を降らせ、あるいは……人を殺す。
   あれこそ、大暮の誇る最強の武器にして、ヤツの制御装置でもある」
河下「制御装置?」
麻宮「この刀を持たねば、大暮は『龍眼』の暴走に堪えきれんのだ」
手渡された『霊毀』を受け取ると、大暮は無言のまま、

 ズ ラ ア ッと、一気に抜き放った。
たちまち、その刃に触れた大気が帯電したように、蒼白く輝く。
その凄絶なまでの美しさに、河下は全身が総毛立つのを感じた。
“剣気迫る”とは、まさしくこういう刀の事を言うのだろう。
河下は、そう思わずにはいられなかった。
麻宮「主の目覚めに、喜びうち震えているか……」
『霊毀』に見蕩れていた河下だが、ふと気付いた。
大暮の片目が、こちらを見ていたことに。
河下「(え…?)」
恐怖を感じる間もなく、刃が一閃した。

     し・・・・・・ん・・・・

その瞬間、辺りが奇妙なほどに静まりかえった。
鼓膜をえぐるような静寂。
まるで、世界からあらゆる『音』が断絶されたかのようであった。


24 :魔人、目覚める:03/12/04 13:37 ID:H2m9qy64
河下「あ……れ……生き……て…る……?」
大暮の刀は、河下から30センチは離れた空間で制止していた。
自分の首が胴から泣き別れになっていない事を知り、河下は戸惑う。
麻宮「『音断ち』の剣……久しぶりだというのに見事な腕だ、大暮」
大暮「へへ……そいつはどうも」
器用に刀を納めると、大暮があらためて河下に向き直る。
思わず、竦み上がる河下だったが、大暮の対応は意外なものだった。
大暮「なァんだよ、彼女? びびっちゃったか?」
呵々と笑うと、河下の頭をからかうようにポンポンと軽く叩く。
河下「え? え?」
初対面の時と比べ、あまりの変貌ぶりに河下は狼狽する。
大暮「冗談だよ、冗談・ ホントに仲間の首、斬り飛ばすワケねーだろ? イッツ、ジョーク!」
河下「は…はあ……」
大暮のハイテンションぶりに戸惑う河下。その横合いから、非難まじりの声が飛ぶ。
小林「こら、この強姦魔! 貴様、いったいどういうつもりじゃ!」
かつて、あわや貞操を脅かされた小林が、口泡とばして叫ぶ。
河下「(バ…バカ、ゆき! そんな刺激したら……)」
惨劇を予想し怯える河下だが、大暮の対応はまたしても意外だ。
大暮「おーおー、昨日は悪かったな! なんせ、目覚めたばっかでタマっててよ。
   ま、青少年の青き暴走ってことで水に流してくれや」
そう言うと、大暮は馴れ馴れしく河下の肩に手を回し、耳元で囁く。
大暮「ま…アンタを味わうのは、またの機会にしとくぜ」
河下「んな…ッ!」
思わず赤面して振り返るが、大暮の呆れるほど快活な笑顔に毒気を抜かれる。
河下「(理解できない…この男……いったいどーいう奴なのかしら……)」
河下にとって、大暮はまさに未知の生物であった。

25 :魔人、出陣:03/12/04 15:03 ID:H2m9qy64
河下「もう……放して!!」
いつまでも肩に回された手を、邪険に振払う。
河下の手は見事にスカり、その時には大暮はすでに河下から2メートルは離れた位置にいた。
大暮「お〜、怖い怖い」
笑いながら、大暮が教室を出ていこうとする。それを麻宮が呼び止めた。
麻宮「待て、“お前”は非常用の人格のはず……それがなぜ表に出て来た?」
ピタリ、と大暮の足が止まる。麻宮を見る大暮の目に、河下はあらためてゾッとした。
ついさっきまでの戯けた雰囲気はまるで失せている。
睨まれるだけで背筋が凍りつくような殺意に満ち満ちていた。
麻宮「どうした、答えろ大暮」
大暮「くっ…く、くっくっく…」
その唇が引きつれるような笑みに歪み、それは狂笑となった。
大暮「は はは は はっ は は あはは !!!!」
つい数瞬前まからは想像もつかぬテンションの変化に、河下と小林は圧倒される。
大暮「……はあ…」
ようやく笑いの収まった大暮が、したたるような毒気を吐き出した。
大暮「麻宮、テメェな。ウゼェよ」

      ぞ   わ  っ

麻宮の表情が険しくなる。両者共、さっきまでとはまるで別人のような殺気だ。
大暮「チイッとばかし友達ごっこに付き合ってやってりゃチョーシくれてグダグダとノベやがって!!
   なに 人を見下したよーなツラで俺を憐れんでやがるんだよ!!」
吼えると、場の空気が一気に熱を帯び、2人の間で湯気のような妖気がはじけとんだ。


26 :魔人、出陣:03/12/04 17:39 ID:H2m9qy64
妖気が風となり、麻宮のマントの裾をはためかせた。
持ち上がったマントの下に、1本の反りの入った剣がはいてあるのが見えた。
麻宮の愛刀――『朱鳳刀』。
その柄に、麻宮の手が添えられる。
大暮が、抜き身の『霊毀』を肩にかつぐ。
一色触発の空気に、河下の顔が青ざめた。オロオロと周りを見渡す。
しかし、他の使徒たちは、高田や伊藤のように面白がって見ている者、
小林のように河下と同じくどうする事も出来ないでいる者、
田口や闇藤田のように無関心を決めこんでいる者、とおよそ頼りになりそうになかった。
杉浦など、「火事と喧嘩は江戸の花ですから…」などと言って、呑気に茶など啜っている。
困り果てた河下が、もう一度2人の方を見た瞬間、両者は動いていた。
大暮が大上段に振りかぶり、麻宮が居合いの構えで腰の剣を鞘走らせる。
そのとき。ピタリ、と2人の動きが同時に止まっていた。
2人の間の、ちょうど人間1人分の空間に、ふわりと立っている男がいた。
男が両手を伸ばし、振りかぶった大暮の手と、剣を引き抜きかけていた麻宮の手をそれぞれ、ポンと叩いて、こう言った。
??「ストップ。そこまで」
場違いに穏やかな声が響くと、麻宮と大暮が剣を納め、充分な距離をとっていた。
それを確認してから、男――八房が溜めていた息を吐き出した。
八房「死ぬかと思いましたよ」
ほっとしたように言った。
ささくれた空気は、その声に融かされるように霧散していった。
その一連の顛末を、河下と小林は目を丸くして見つめていた。
河下「(す…すごい……あんなあっさりとあの2人を止めるなんて…)」
高田「(奴め……この俺にも奴の動きは見えなかった……やはり喰えない男だ)」
その様子を、まったく違う視点で見る男もいる。
いつか、八房と手合わせしてみたい。――高田は、そう思わずにはおれなかった。
さて、そんな周囲の反応をよそに、八房は言った。
八房「2人が喧嘩したら、この教室は一瞬で塵になってしまいますからね。
   まったく、お二人とももう少し、自嘲してくださいよ」
その声音は、やはり戦場という世界など想像もできないような、穏やかさであった。

27 :魔人、出陣:03/12/04 17:59 ID:H2m9qy64
八房「大暮も短気ですが、麻宮さんも負けず劣らず短気ですからねえ。
   特に、自分の血を見たときの麻宮さんの周囲20kmには近寄りたくないですね」
穏やかに笑うと、八房はそのままどこかへと消えていった。
毒気を抜かれた大暮と麻宮はため息をつくと、それぞれ踵を返す。
離れ際、大暮の背に、麻宮の声がかかった。
麻宮「戸田か……どうやら因縁アリといったところのようだな」
大暮「まァな。直接怨みがあるわけじゃねえが、
   奴との決着は中途半端で終わっちまってる。ケリをつけときてえのさ」
麻宮「しかし、まだチャンピオンREDの近くにいるのが、戸田と決まったわけではないぞ」
大暮「いや、いる……。俺の『龍眼』には、奴の姿がはっきりと見えている」
大暮が言うのだから、間違いはないのだろう。麻宮はそう考え、沈黙した。
高田「フッ……、お前の能力にそっくりな力を持つ男を思い出すな」
大暮「そりゃ、岡田のことか」
高田「さすが、元十傑集だけはあるな」
からかうような高田の言い方に、大暮の表情が険しくなる。
大暮「死にてえのか、テメェ…、ありゃまだ俺が目覚めてなかった時のハナシだ」
高田「そうカリカリするな。お前が裏切り者だとは、誰も言っていない」
大暮「ケッ……」
高田「(楽しみだな、岡田……お前と殺し合うときが……)」
あわや死闘という現場に立ち合わせ、血が疼いてしまったらしい。
立ち上がると、高田もまた教室を出ていった。
大暮「じゃあ、俺もちょっくら行ってくらあ」
そう言って出ていこうとした時、小柄な影がその後ろに続いた。
闇藤田「待て、我も行こう。同行させてもらうぞ」
デイバッグを背負い、野球帽をかぶった少年が、言った。
大暮「お前も……?」
さも、うっとおしそうに言う大暮に、闇藤田は言う。
闇藤田「戸田には、我も興味があってな、一人占めはさせぬよ。
    それに、もし戸田とチャンピオンREDに関係があったらどうする?
    いくらなんでも、うぬだけでは手に余ろう」

28 :魔人、出陣:03/12/04 18:13 ID:H2m9qy64
しばらく沈黙があったが、やがて大暮が折れた。
大暮「ちっ、しゃあねえな。でも、アイツは俺の獲物だぞ」
闇藤田「それは早い者勝ちだな」
そんなやりとりをしながら、2人は教室を出ようとする。
その時、何か固い物をはじくような澄んだ音が、2人の後方で鳴った。
振り返ると、空中で一枚のコインがクルクルと回転しているのが眼に映った。
蛍光灯の光にキラリと反射したコインは、空間を撫でるように動いた手の中に吸い込まれ、
その男の、もう片方の手の甲にパシリと置かれた。

コインは裏だった。

コインの主は、肩に羽織っていた黒い学ランを翼のように翻すと、大暮と闇藤田に近付き、こう言った。
??「……俺も行く」
ガラス玉のように透き通った瞳に映った大暮が、わずかに驚く。
大暮「田口……珍しいな」
名を呼ばれた田口は、首を人形のようにククッと曲げ、言う。
田口「俺はどっちでも良かったんだ……だから、コインを投げた。
   表だったら、ここに残る。裏だったら――」
そこで息をきり、続けた。
田口「お前たちと共に、このゲームに乗る」
バリバリと頭を掻くと、大暮がため息まじりに呟いた。
大暮「物好きなヤツ等ばっかだな、お前等は。ま、三人もいりゃ充分だろ。出発するか」

こうして、三体の妖(あやかし)が、赤き核実験場へと出陣した。
それを見送った麻宮は、ぼそりと呟く。
麻宮「なんで、うちの連中は揃いも揃って、落ち着きがないんだ……」
疲れたように、椅子のひとつに腰掛けた。

←TO BE CONTINUED

29 :最悪なる者:03/12/04 20:08 ID:+hZFahMe
乙(駄目だ………こいつの能力は『無敵』だ!『無敵』すぎる!)
絶望に瀕しながら、乙は逃げる方法を探すが、100%逃げられる方法はない。
ガモウ「ふん……どうやって逃げようかとか考えてるんじゃないだろうな。」
青山「逃げる?あんた相手に逃げる理由なんてねえ!」
そう言って、青山はキック力増幅シューズのパワーをMAXまで上げる。
乙「駄目だ!青山さん!!」
次の瞬間、近くにあったバケツが光り輝き、ガモウに向かっていく。
顔面に当たってはずであった。だがガモウは何事もないように立っており、バケツは後の方へへ飛んでいき、
壁に跳ね返り、青山へ再び向かう。
青山「そんな!」
次の瞬間、乙が青山の前に立ち、バケツを受け止め吹き飛ばされる。
ガモウ「私は今二つの幸運を味わった……一つは!バケツの回転によって、バケツが当たらなかった事!
     そしてもう一つは……怪我を治すべき人物が消えた事だ!」
乙(さてこれからどうなるか……1:頭の回る僕達は解決策を思いつく。2:荒木先生か誰かが助けに来る。3:助からない現実は非情である。)
乙(僕が○をつけたいのは2だ……だがアメコミみたいに『じゃじゃじゃーん!まってましたー!!』と登場するのは期待できない!)
乙「となると!答えは1だな!!」
ふらふらと立ち上がりながら、乙が叫ぶ。
ガモウ「なにが1かは知らんが……。もう良い!我が『ギルガメッ手』の手で滅ぶと良い!!」
そう叫び、ガモウが腕を二人に向ける。
??「待ちな………。」
その時、空間に声が響いた。

30 :作者の都合により名無しです:03/12/04 22:34 ID:xsFPmw3J
おお〜こういう不条理バトルって大好き
これこそえなりスレの真骨頂だと思う
さすがの荒木もこいつには苦戦しそうだな

31 :作者の都合により名無しです:03/12/04 22:38 ID:ZEtIlAC9
まあ真骨頂ってかえなりはこのごった煮感がいいよな。バトルコメディエロシリアスギャググロなんでもござれだし。

32 :作者の都合により名無しです:03/12/05 00:02 ID:wvGS/GMb
さてきたのはだれか?

33 :鬼人vs奇人:03/12/05 00:49 ID:ZutVkxDY
 「怖ぇなあ……」
TV画面の向こうで繰り広げられる怪物同士の死闘。
それを観て、そう呟いたのは、やはり1個の修羅。
 「どっちが?」
横で腕組みをするスーツ姿の巨漢が訊いた。修羅は答えた。
 「どっちも……」
こめかみに冷や汗を伝わせながらも、その貌を彩るものは、やはり物騒な笑み。

 「くくく……俺の目の前にいるのが“そうなのか”」
亀裂の走った腕骨の痛みを確かめながら、板垣が言う。
 「おまえの中で育った押さえられない化物……。 見た目は人間でも、怪物……」
鬼の双眸が、眼前の化物を睨みつけた。
 
 「 エ  ア  マ  ス  タ  ー 」

そして、鬼の前で、化物は答える。
 
   「  そ   う   だ  」

鬼が破顔する。
 「面白え…なら俺はその“エアマスター”を倒す快感を手に入れる…ってワケだ」
ギヌ、と凄まじい覇眼から、眼光がたばしった。
それを狂気はしった眼で受け止めるヨクサル。
両者が、まるで散歩でもするかのように歩み寄る。緊張が高まる。
そして、2人が間合いに入った瞬間――
眼光が疾ったのは同時だった。
2人の拳が、交差した。
肘が、手刀が、2本の腕から繰り出される、ありとあらゆる打撃の応酬が始まった。
観客が湧いた。
一瞬にして不可視の領域と化した、両者の攻防。
時折、舞い上がる血飛沫だけが、確かにそこに死闘があることを告げていた。

34 :鬼人vs奇人:03/12/05 01:34 ID:ZutVkxDY
両者の顔面が裂け、血風が舞う。
息が触れあうような超至近距離で展開される、目まぐるしい攻防。
苛烈な打ち合いを観る福本の背を汗が濡らす。
 「何の意地だ…。お互い足を止めて、同時に撃って、クリーンヒットしない…そして引かない…」
それは単なる技術だとか、力だとか、速度だとかを競うものではない。
己の規範、矜持、積んできたもの……
ありとあらゆるものを、根こそぎ絞り出し、根こそぎ比べあう――これはそういう闘いだった。
だが、拮抗はすぐに破れた。
1人が、深く裂かれた顔面から血の尾をひきながら、後ずさった。
 「ヨクサルが退いたっ」
森が叫んだ。拳の勝負では、板垣に軍配が上がった。
 「地に足つけた殴り合いだったら、板垣は圧倒的だ……
  ボクシングでやっても……俺は勝てる気がしないな……」
技来が唸るように言ったのを受けて、福本が呟いた。
 「意地の張り合いは…板垣恵介の勝ちか……」

 「両足つけて俺を倒したいのか? ムシが良すぎるぜ」
多少、苛立ったように板垣は吐き捨てる。
 「飛べ……お前らしい闘い……それじゃなきゃ、無理だぜ」
ザッザッと、板垣が小刻みにステップを踏む。
 「こっちはそろそろお遊びは終わりだ……全開で行かせてもらおう」

     ド  ク  ン !!

板垣の腕に、顔面に、禍々しい血管が浮き上がっていく。
エンドルフィン。
人体に限界以上の能力を発揮させる、禁断の脳内麻薬。
それが板垣の全身をかけめぐる。
格闘の魔人は、遂にその力を解放させ始めた。

35 :許されざりし裏切者:03/12/05 08:45 ID:x1kHi4m8
矢吹「『許されざりし裏切り者』の正体は”そんな人物はいない”が正解だな。」
長谷川「え!?」
あまりの台詞に長谷川が驚愕する。
矢吹「あの時の私のパクリパワーを確認する為の実験台と言うのが現状だ。
    つまりあの時にサンライズ内には裏切者はいなかったと言う事だよ。」
長谷川「矛盾している!だったら何故あの時僕達が、富野さん達を奪い返すとわかったんです!?」
矢吹「……あれは、吉崎が少々派手に動いていたからな……。警戒の為、兵を動かしていたのだよ。」
長谷川「……もう少し、地味に動いてくれよ……。」
矢吹「まあ、あの後の乗っ取りは楽だったな。”裏切り者”がいると言う情報で内部でごたごたが連続してたからな。
    その時、ついでに高橋留美子を配下にしたのだがな……。」
あまりの事に倒れ込んでいる長谷川に矢吹が解説を行う。
矢吹「その時のごたごたで、まあ版権関係を完璧に押さえる事ができたのだが……。」
長谷川「……なるほどね……。」
そう言って、笛を吹き、車を召還する。
矢吹「どうもしないのか?」
長谷川「ええ、今の所はですけどね。」
長谷川(それに炭素生命体から恒星生命体、恒星生命体から炭素生命体に二度の移植をして体力が落ちてますからね。)
軽く心の中で思ってから、長谷川は矢吹を車の中に押し込んだ。

36 :人間とは:03/12/05 12:29 ID:ZutVkxDY
 「さぁ、飛べ」
全身に血管を浮き立たせる板垣に、ヨクサルはヤブ睨みのまま近付いていく。
再び間合いが詰まった。板垣の顔に一層の怒りが沸き立つ。
 「しつけぇ…な。この間合いじゃ、俺に分があるぜ、勝てねぇよ」
ヨクサルの唇の片側がわずかに吊り上がり、挑戦的な微笑を刻んだ。

 
 「(その意地はどこから湧く…)」
口元を手で隠しながら、福本が心中で呟く。
 「同じ感覚を持つ同志だから…という事か。
  この二人の戦いは、野球とは別の“たまらない”ものがあるな」

――人はあまりにも似た部分を他人の中に見た時、
  まず自分を見てるようで恥ずかしさを覚える…

――そして…

――似たその相手を徐々に徐々に消し去りたいと思うほど

     嫌    悪    す    る

 「(この二人の戦いは)」
手をどけた口元が、喜悦の笑みに歪む。

     真    っ    さ     ら   だ



37 :帝王帰還:03/12/05 12:31 ID:x1kHi4m8
鹿児島………
長谷川「こっから先は、自分で歩いていって下さい。」
矢吹「ご苦労だった。」
そう言って、矢吹は停泊中の自らの船へと歩いていく。
矢吹「しかし……船の数が増えてないか?」
矢吹艦、無礼戸、よくわからん虫型宇宙船に多分福本の船……。
矢吹「まあかまわんが……。」
ちらりと後を振り向いた時、そこにはもはや長谷川の姿はなかった。

長谷川「これで休める。」
ぐったりとした顔で、長谷川がコンソールに顔を乗せる。
次の瞬間、横山からの連絡が入る。
横山「長谷川裕一、命令です……。」
長谷川「……こんどはなんですか?」
横山「”鉄人”を連れて、とある場所に向かって下さい。詳しい事は付属のレポートを読んで下さい。」
長谷川「……了解です。」
彼に休息の時は与えられないらしい。
横山「それと……『もう一つの富樫ファイル』ですが……。」
長谷川「かなり時間がありましたんで、直しておきました。」
横山「ほう!」
長谷川「ですけど中身は見ていません……見るのが怖いんで。」
ここに書いてあるのは、何かはわからない。もしかしたら……見た瞬間に発動する罠とかが仕掛けられてるかもしれない……。
横山「それは、近くの温泉にでも隠しといて下さい。後々誰かに取りに行かせますので……。」
長谷川「わかりました……。」
そう言って、長谷川は通信機のスイッチを切った。

38 :人間とは:03/12/05 12:34 ID:ZutVkxDY
――ココ(矢吹艦)では“それ”が見られる  人間の基の姿

――人の精神と肉体は

――人は
――精神は  
――肉体は

――人とは
――人間とは

――人間
――人間とは

    ど  こ  ま  で  戦  え  る  っ !!!!

     
       見    せ    て    く    れ


       見    せ    て    み    ろ  !!!!!




39 :作者の都合により名無しです:03/12/05 12:36 ID:ZutVkxDY
わ・・・わずか5分の間に・・・・無念・・・(ガクッ)

40 :作者の都合により名無しです:03/12/05 13:00 ID:r//ymWj+
( ´∀`)ワハー

41 :作者の都合により名無しです:03/12/05 15:32 ID:q4MrMOZC
あっさり帰還しやがった・・・
ついでだから慰労会キャンセルして本戦進めるか?ネタ振った人も書く気ないみたいだし

42 :作者の都合により名無しです:03/12/05 15:39 ID:r//ymWj+
慰労会ですかい?書く気満々ですがヨクサル戦終了待ちですよぅ。
会は昼だけどまだ数時間あるし、それまでにカレーとしっと軍団と他伏線と・・・
15部テンプレ終わらせないとね  _| ̄|○

43 :作者の都合により名無しです:03/12/05 15:49 ID:ZutVkxDY
ヨクサル戦書いてる者だけど、別に、待ってる必要ないよ。
観戦してるヤツらも好きに動かしちゃって一向にサムワン。
慰労会やってる片手間、酒の肴みたいで観戦という扱いにすればいいし。

44 :作者の都合により名無しです:03/12/05 15:51 ID:r//ymWj+
あの方々何時間試合やるつもりですか('A`)

まあそちらはともかく準備は必要なんで〜
でもま、ちょっとだけ小話でも入れましょうかね・・・

45 :作者の都合により名無しです:03/12/05 16:04 ID:q4MrMOZC
色々忙しいのね、すまんかった
でも慰労会やるとして「つかみ」が書けないからな・・・まっつーてのもわからんし
板垣&ヨクサル&カレー軍団は遅れて到着でもいいと思ふ(いつ終わるのかわからんよ奴ら)
愚痴ってるだけなのもなんなので、俺もちと書くか・・・

46 :作者の都合により名無しです:03/12/05 16:08 ID:r//ymWj+
つかみは考えていますでご安心。
影船が港についたらそろそろ来る頃だなと思ってください〜♪

47 :作者の都合により名無しです:03/12/05 16:10 ID:r//ymWj+
(´-`).。oO(カレー執筆中)

48 :作者の都合により名無しです:03/12/05 16:13 ID:ZutVkxDY
しかし、板垣vsヨクサルを他の人が始めたときは、
「俺以外にも格闘系書ける人が現れた」と喜んだものだったが、
結局、書いてるの俺だけかよ・・・まあ、愉しいからいいんだけんども。

つーか、流れを阻害しちまったみてーでスマン。

49 :作者の都合により名無しです:03/12/05 16:21 ID:r//ymWj+
いえこっちも楽しみにしてるんですよ〜(書けなくてごめんなのです)
流れは水物なのでお気に召さずに・・・

50 :華麗なる挑戦:03/12/05 16:24 ID:r//ymWj+
 「やっぱさ」
 「あん?」
 「朝っぱらから・・・カレーっていうのがまずいんじゃないかな〜とか・・・」
 「ああん?文句クソたれるのはその口かよ。いらねえなら皿返せ!」

不毛な会話が、芳香漂う広場で広げられる。相変わらず自分たち以外に食べる者がいない、
かわいそうな寸胴鍋の特製カレーのお膝元。お店が開けそうなぐらいに大量に煮込まれたそれは、
ルーの表面にふつふつと黄金色の泡を浮き立たせながら、まだ見ぬお客様を待ち続けていた。
妖魔王陣営の≪朝から鍋物≫も微妙だが、こちらは刺激物でもある分嫌う人はとことん嫌う。
しかしそれとは関係なく、実は野球場の選手たちは怪物同士の乱舞で腹を満たし、
球場をあとにしたものはカレーの存在に気づいていないというだけなのであるが。

武井の膝の上では、静かにキツネの子供が眠りつづける。
尾田はキツネに気を遣っているのか、タバコの煙の風下に移動している。

広場に通りがかる人の影。
彼はカレーに気づき、そういえば最近豪華な食事も飽きたなと考え始めた。
昨日辺り呪いの食堂でトンデモ料理を食わされ、店に放火した記憶は綺麗に振り払っている。
大量にあるなら一杯ぐらい・・・と思い至ったところで自分のネームバリューに気づく男。
財布を捜すがあいにくカードしかない。タダでおごってもらうのはかなり気恥ずかしい。
仕方がないので男は近くのコンビニに走り、サングラスとガーゼのマスクを買い込んだ。
料理人の後姿を発見。いざ、突入。

 「オホン!やあやあーそこのお兄さん方。朝からとても芳醇な香りを堪能させていただいてるよ。
 実は自分はとあるグルメ雑誌の編集部員なんですけどね、ちょいと取材がてら味見〜〜・・・を?」
 「?」
サングラスの男は料理人の顔を見た途端に固まり、慌てて視線を逸らす。
そっぽを向かれた男――尾田は一瞬不思議に思うがすぐに破顔しいそいそとお皿に山盛りのご飯を盛る。
 「えーマジ!?ねっねったくさん食べて行きやがってくださいよー?お金はいらねえぜ!」
男の手の上に5人前はある超山盛りカレーが載せられた。・・・・サングラスの男、ピンチ?
 「ふん・・・この私の前に立ち塞がるとはいい度胸だな。全て食らい尽くしてくれるわぁ!!」死闘・開始!!

51 :言葉など意味はない:03/12/05 17:12 ID:q4MrMOZC
えなりはあだちと渡辺を連れ立って、温泉に行くメンバーを探していた。
先程一緒に温泉に行こうと盛り上がっていた浅野りんも発作を起こしどこかへ行ってしまった。
いや・・・それがいるのだ――えなりは物陰から突き刺すような視線を感じていた。
浅野「・・・・・・・・・」
えなり(・・・怖い・・・・何なんだろうあの人・・・・気付かない振りをしていたほうがよさそうだな・・・)
勤めて背後を気にしないように捜索を続けるえなり。
と、前方に和服に身を包んだ禿頭の男。
えなり「あ、宮下さん!」
衣装こそぼろぼろになっているものの、その顔は先程まで激しい戦いがあったことを感じさせない威風堂々とした物だった。
やっとメンバーを見つけたえなりは宮下に慰労会の案内が来ていることを告げる。
えなり「――というわけで今までの戦いの疲れを癒すためにも、みんなで温泉ってのもいいと思うんですが」
宮下「わしがジャンプ五聖人宮下あきらである!」
えなり「宮下さん、どうします?」                 宮下「わしがジャンプ五聖人宮下あきらである!」
えなり「いや、あの宮下さん?温泉に行くのかどうか・・・」  宮下「わしがジャンプ五聖人宮下あきらである!」
えなり「だ、だからYesかNoで・・・」                宮下「わしがジャンプ五聖人宮下あきらである!」
えなり「あの・・・・・・」                        宮下「わしがジャンプ五聖人宮下あきらである!」
えなり「 温 泉 行 く の か 行 か ね ー の か ど っ ち な ん だ よ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ッ ! ! 」
えなりはキレた。
宮下「 わ し が ジ ャ ン プ 五 聖 人 宮 下 あ き ら で あ る ! ! 」
宮下も負けじと怒号を張り上げる。

この後十数分ひたすら問答を繰り返し、
諦めたえなりの後を宮下がついて来た事でようやく、宮下も『温泉に行く気らしい』ということが判明する。
  「わしがジャンプ五聖人宮下あきらである!」
宮下あきら――己の意思を言葉ではなく行動で示す漢。

えなり「・・・それくらい口で言ってくださいよ・・・・・・」

52 :華麗なるお誘い:03/12/05 20:28 ID:r//ymWj+
  カカカカ――!!(○条キャラの笑い声ではない)

光速でスプーンを動かしカレーをむさぼるサングラスの男。
片耳にかけたマスクに黄色い汁が飛ぶ。よほど空腹だったのか?、
そんな食べ方。見守る武井や尾田は目を丸くする。
気がつくと男の皿はすっかり綺麗に。
 「美味い!実に満足だ。して尾・・・じゃなかったシェフ。おかわり頂こうか」
 「おう!まだまだあるぜー、どんどん食ってけー記者のおっさん」
尾田は上機嫌で追加のカレーを2人前ほど皿に盛った。
男はカチンと来たが黙っておいた。その代わり別の質問をする。
 「ところでこの美味なるカレーは不思議な魅力がある。材料はなんなのだ?」
 「熊」
 「ぶっ」
あっさり言われて口からスプーンを飛ばす男。尾田は指折り言葉を続ける。
 「それとブルーベリージャムだろ?あとアザラシ肉と納豆ペーストとトドの缶詰と雑煮パックと」
 「もういいもういい聞きたくない」ふるふると首を振りながら泣きそうな声で男が遮る。
 「そんなに変か?溢れ出す獣臭さを香辛料でだなー」
 「や〜め〜ろぉぉ〜〜」
中身はアレでもすこぶる美味いらしく、男は悔しさに顔を歪めながらおかわりを食している。そこへ、
 「いい香りがするじゃん」「あーカレーじゃないですかぁ」「こんなところで食ってねえで球場来いよ」
口々にしゃべりながら、先ほどまで敵対していたチャンピオンチームの面々が顔を出した。
鈴木ダイの話によると現在球場で【おもしろいもの】が見れるらしい。親切な伯林が、
何体か屈強そうなしゅーまっはを出してカレー鍋セットを球場内に運んでくれる事になった。
気づかずカレーを食べていた男は、ふと我にかえるとしゅーまっはに担がれ球場に連行されていた。

 (・・・気まずい)
男はカレーを食べ終えたが、尾田に気に入られ帰らせて貰えない。
気がついたら三塁側ダグアウトの一番いい席に座らされている。周りはカレーを食べつつ、
板垣と柴田の熱戦を愉しんでいる。男も余裕があれば見物しただろうが無理だった。
カレーの売れ行きに満足した尾田が、ふと思い出したように男に語りかける。
 「なあおっちゃん名前教えてくれよ。よければ俺らの関係者とか言って、温泉行かねーかぁ?」
 「・・・・  え??」

53 :餓狼伝AIR:03/12/05 20:28 ID:ZutVkxDY
ヨクサルの右手が動いていた。
きれいに指先をそろえたヨクサルの抜き手が、板垣の喉に向かって疾っていた。
手加減のいっさいない攻撃であった。
常人なら悪くしなくとも、即死の攻撃である。
強烈な閃光に似た手刀だった。
板垣は、それを、かわしもしなかった。いや、かわしたのだ。
ヨクサルの手刀が空を切っていたからである。
しかし、ヨクサルには、板垣が、その手刀をかわす動きをしたようには見えなかった。
板垣は、手刀をかわすのではなく、逆に板垣が手刀を放つと同時に、前にでてきたのであった。
ぐい、と前に出た。
攻撃のための動きであった。
その攻撃のための動きが、そのまま手刀をかわす動きになっているのである。
どういう攻撃が来るのか?
そう思った時には、板垣の右足が、ヨクサルの腹に向かって、真ッ直ぐに伸びてきた。
前蹴りであった。
ためらいのない、気持ち良すぎるくらいの真っ直ぐな攻撃だ。
そのシンプルな、しかし真っ直ぐな攻撃を、しかしかわしようがない。
真ッ直ぐで、真ん中であった。
自分の身体の中心から、ほんのわずかでもどちらかに、その攻撃がずれていたら、
なんとか、左右へはじくなり逃げるなりの動きもとれようが、それは、真っ直ぐで、真ん中すぎた。
ヨクサルは戦慄した。
これほどシンプルで、かわしようのない攻撃を、これまで受けたことがなかった。
ヨクサルは、両拳で頭部をはさむようにガードしていた。
その両肘のすぐ下に、板垣の蹴りが入ってきたのである。
腹だ。
強烈なパワーが、そこにぶつかってきた。
腹筋が、はじけそうになった。
腹に、何かの爆発がおこったようであった。
後方に飛ばされていた。


54 :餓狼伝AIR:03/12/05 20:29 ID:ZutVkxDY
衝撃が、あった。腹に、ひとつ。背に、ひとつ。
腹筋が爆ぜたような、灼熱の痛みが、板垣の蹴りをまともに喰らったのだと、
球場の外野フェンスに叩きつけられたのだと、ヨクサルに教えていた。
目の前に、板垣が立っていた。
右足が、あがった。
右の、ロー。
それに合わせて、ヨクサルはタックルを試みた。
来ない。
ローじゃなかった。板垣の蹴りが、変化した。
わかったのはそれだけだ。どう変化したかはわからない。
中腰の俺の顔面に、ローを入れに来るはずの板垣の右足が消えていた。
上だ。
俺の頭上に、板垣の右足があった。
速い。
とてつもなく疾い。
下から上まで移動する、その途中がヨクサルには見えなかった。
上に、高くあがった板垣の右足が見えたと思った、その瞬間――
後頭部に、落ちてきた。
板垣の右足の踵だ。これも見えなかった。途中がない。
上に板垣の右足があったと思った次の瞬間には、もう、後頭部に衝撃を受けていたのである。
踵落とし。
ヨクサルは、左手を、落ちてくる踵と、自分の頭との間に差し込むだけで、手いっぱいであった。
他のことは、できなかった。覚えているのは、それだけだ。
次に、ヨクサルが認識したのは、膝をついている自分の右横から、こめかみに向かって、板垣の左足がふっ飛んでくるところだった。
右手を持ちあげて、庇う。
衝撃。
また、意識がふっ飛んだ。

  


55 :餓狼伝AIR:03/12/05 20:30 ID:ZutVkxDY
                      った。
  った。
  った。
  った。
                     った。


板垣
                          糞。
     
         
         た。
        った。
       だった。
      いだった。
     だいだった。
    うだいだった。
   ほうだいだった。
  れほうだいだった。
 られほうだいだった。
やられほうだいだった。             
おれは、板垣にやられほうだいだった。
身体が動かない。
これほどと思うほど、動かない。
舌で、下顎の骨を押すと、動く。どこかにヒビが入っているらしい。
痛い。顔が熱を持っている。顔の下半分が、ぼうっと熱を持ったようにふくらんでいる。
いつ、どこで、どういう技で、この顎のダメージを負ったのか。
脇腹が痛い。アバラが折れているところだ。
しかし、なんだってこんなにトンマでのろまな動きしか俺はできないのか。


56 :餓狼伝AIR:03/12/05 20:31 ID:ZutVkxDY
おれには、もう、武器がない。
板垣には、おれを倒すことのできる武器がある。
勝てない。
おれがやっているのは、ただ、負けを先に延ばしていることだけだ。
こんな男に、どうしておれが勝てると思ったのか。
豹の前に出た、犬っころのようなものだ。
おれの尾は、もう、見えないくらいに深く股の間に隠れてしまっている。
どうやって勝つ?
この凄い男に。
勝てない。
負けたくない。
負けたくない。
負けたくない。
燃えて真っ赤に焼けた石炭を噛むように、ヨクサルはそう思った。
負けたくない。
しかし、勝つ方法がわからない。
擦り減るほど歯を噛んで、歯軋りをする。
負けたくない。
頭でそう思う。
脳でそう思う。
眼でそう思う。
鼻でそう思う。
口でそう思う。
歯でそう思う。
舌でそう思う。
喉でそう思う。
肩でそう思う。
胸でそう思う。
腹でそう思う。
心臓でそう思う。
胃でそう思う。


57 :餓狼伝AIR:03/12/05 20:32 ID:ZutVkxDY
背骨でそう思う。
腸でそう思う。
腰でそう思う。
き○○までそう思う。
脚でそう思う。
膝でそう思う。
臑でそう思う。
踝でそう思う。
踵でそう思う。
足の小指の先の爪のそのまた先の先でそう思う。
髪の毛の先でそう思う。
顎の痛みでそう思う。
全身でそう思う。
思っている。
負けたくない。
歯を軋らせる。
心臓を軋らせる。
心だって、何だって軋らせる。
負けないためならば。
勝たせてくれとは言わない。
負けたくない。
口から、内臓をひり出しそうになるくらい切実にそう思っている。
どうすればいいか。
どうすればいいか。
ヨクサルは泣き出しそうな顔をしていた。
口を歪めていた。
眼を歪めていた。
心を歪めていた。
おれは、この男に負ける。
どうすればいいのか。


58 :餓狼伝AIR:03/12/05 20:36 ID:ZutVkxDY
左腕だって。
左腕をちょっと曲げてやれば、この板垣がギブ・アップしてくれるか?
するわけはない。
どうすればいいのか。
“負けぬことだ……”
声がした。
誰か。
山口貴由の声だったか。
“この先を見たいのなら、負けぬことだ。ヨクサル”
負けたくない。
どうすればいいのか。
どうすればいいのか。
どうすればいいのか。
ある。
ヨクサルは、それに気づいた。
ある。
パンチではない。
パンチでは板垣は倒れない。
蹴りでもない。
関節技でもない。
投げ技でもない。
組み技でもない。
しかし、ある。
ヨクサルは、それに気づいた。
それは――


59 :餓狼伝AIR:03/12/05 21:17 ID:ZutVkxDY
猛々しいものが、自分の肉体の中で、駆けまわっている。
跳ねている。
狂ったように暴れている。
凶暴なその力に、突き動かされている。
ちぎれそうだった。
自分の肉体がである。
自分の筋肉が。
自分の細胞のことごとくが。
骨髄が、ぶちぶちと音をたてて沸騰している。
自分の肉をみりみりと突き破って、何ものかが、出て来ようとしているようであった。
本来の自分が、姿を現そうとしている。
ちぎれそうだった。
筋肉が。
ちぎれる。
ちぎれる。
獣を繋いでいる鎖が。
その、圧倒的な力に、身をまかせてしまいたい。
狂いそうなほどの量の力が、獣に姿を変えて、自分の肉体の中から、姿を現そうとしている。
恐怖。
この獣が姿を現したら、自分はどうなってしまうのか。
自分で、自分の肉体をコントロールしきれるのか。
ああ――
この男が。
この獣を自由にしようとしているのは、おれではない。
板垣恵介だ。
この板垣恵介という男が、この獣を解き放とうとしているのだ。
あの男が、打撃を加えてくるたびに、その痛みが、この獣を育てあげてゆくのである。


60 :餓狼伝AIR:03/12/05 21:36 ID:ZutVkxDY

ただ、もう――
自分の肉体が、いくらも、もたないのはわかっていた。
自分の肉体は、もう、この獣を繋ぎとめておけない。
かまわない、と思う。
もう、かまわない。
自分の意識の底に、暗い欲望が潜んでいる。
人間が、どこまで凶暴になれるのか、どこまで獣になれるのか。
それを、この、ファイトを見つめているやつらに見せつけてやりたい。
三浦にもだ。
原にもだ。
山口貴由にも、森恒二にも、矢吹健太朗にも、川原正敏にも、ゆでたまごにも、技来にも、福本にも、
そして、この板垣恵介にも。
そして、この柴田ヨクサルにも。
その時――
ハイキック。
いきなり来た。
右の蹴り。
それが、ヨクサルの脳から、ほとんどあらゆる思考や感情の一切を、頭蓋骨の外へとはじき出していた。
歓喜――
ヨクサルは、恍惚の表情を浮かべた。
解き放たれた。
鎖が、切れたのだ。

ぶつん……


61 :餓狼伝AIR:03/12/05 21:37 ID:ZutVkxDY
山口貴由は、すぐ近くでそれを見ていた。
板垣恵介の右足が跳ねあがって、柴田ヨクサルの左のこめかみを蹴るのを――
美しい蹴りであった。
その蹴りは、山口がこれまでに見たものの中で、最も美しい弧を描き、柴田ヨクサルのこめかみに吸い寄せられていった。
闘いの中に、こういう光景があるのだ。
めったに見られることではない。
計算して生まれるものではなく、生もうとして生めるものでもない。
闘う者同志が、常に、ぎりぎりの状況で互いの技を殺し合い、攻め合ってゆく。
そういうせめぎ合いの中に、何の障害物にもぶつからずに、
白い海鳥が上昇気流に乗ってゆくような速度で、ふわりと、いとも軽々と、
板垣恵介の右足は風に乗って、ヨクサルの頭部を叩いたのだ。
ふわり……
と、羽毛が落ちるように、柔らかく、ヨクサルの身体は、前のめりに地に沈んでいた。
それは――――
格闘技を知る者なら、誰でもわかる、誰でも確信する――――
二度と起きない倒れかた――
「勝負あり」の倒れかた
その倒れかたをした者は、絶対に起きあがれない。

刹那。
板垣の顔面を射抜くものがあった。
叩きつけるものがあった。
ひしゃぐものがあった。
打ち貫くものがあった。

 「 飛 ぉ べ !!  エ  ア  マ  ス  タ  ー !!!! 」

怪鳥のような声が、獣の喉を突き破り、ひしりあげた。
悪鬼が、天を舞っていた。
空を舞う、美しき獣が、天に躍っていた。

  エ  ア  マ  ス  タ  ー  完  全  覚  醒  !!!!!

62 :えなり救済計画:03/12/06 01:14 ID:6Re/gdcH
えなり「さて、あと誰を誘いましょうか?」
えなり達四人は、空中闘技場の通路を適当に歩きながら適当にだべっていた。
無論、背後からの視線は無視しながら。
宮下「うむ、わしらだけと言うのもなんだからのう。
  尾田達を誘ってみたらどうだ?」
えなり「ああ、そう言えばみんながいましたねぇ。
   尾田さん今ご飯作ってたんでしたっけ?」
宮下「うむ、すっかり忘れていたのう」
はっはっは、と完璧なごやかムードの四人。
そんなこんなで彼等はDブロックに向かいはじめた。
とその時、
えなり「あ」
えなりは一言呟くと辺をきょろきょろと見回し。
えなり「すいません、ちょっとお手洗いに行ってきます」
宮下「そうか。じゃあわしらは先に行っているぞ」
そう言って彼等は通路を真っ直ぐに歩いていった。
そしてえなりは反対方向のトイレへと向かった。

…………
えなり「ふぅ」
手をハンカチで拭きながら、えなりがトイレから出てきた。
えなり「ちょっと遅くなっちゃったな。
   あんなにしぶといとは思わなかったから……
   早く追い掛けないと」
ハンカチをポケットにしまい三人を駆け足で追い掛ける。
えなり「Dブロックってこっちだったよな。ここを右に…」
曲がる。しかし三人の姿は見えない。

63 :えなり救済計画:03/12/06 01:16 ID:6Re/gdcH
えなり「ひょっとしてもうDブロックについちゃったのかな…。早くしないと」
再び道を、こんどは左に曲がる。そして右に、左に。
えなり「……あれ?」
えなりは頭を捻った。いくらなんでももういい加減三人の姿が見えてもいいころだが…
えなり「こっちで……あってるよね?」
自問。あたりを見渡し、道を確認する。
道に覚えはある――と思う。多分。
でもこの空中闘技場の通路って大体同じ形をしてるからな…
えなりは何となく嫌な予感がした。
えなり「ひょっとして……道に迷った?」
異常なほど広大なこの空中闘技場の中で、えなりは迷子の迷子の主人公になってしまった。
えなり「どうしよう…どっかに案内でもあればいいんだけど…」
しかしそんなものはどこにもない。えなりは頭を抱えた。
えなり「色んな施設がある癖に変なとこで不親切なんだよな……」
えなりはとりあえず誰かいないか辺を歩いて探しはじめる。
しかし誰もいない。
えなり「ああもう、こういう時に限って浅野さんもいないしー!」
??(…えなり…えなりよ…)
えなり「なんで誰もいないんだよ! 宮下先生だって待っててくれればいいのにさ!
   どんどん先に行っちゃうなんてひどいよ!」
??(えなり……えなり……)
えなり「だいたいみんな僕のこと軽く見過ぎなんだよ。主人公だよ? 主人公!
   主な人の役と書いて主人公!
   本来なら話のベースになるべき人なんだよ!」
??(えなり……おい、えなり…!)
えなり「なのにみんな僕のことおいてけぼりで……まるで自分が主人公だみたいなノリだし。
   僕の個性が薄いからって、いくらなんでもあんまり――」

??( 人 の 話 を 聞 け い !! )

そのあまりの大声に、辺の空気が大きく振動した。

64 :えなり救済計画:03/12/06 01:18 ID:6Re/gdcH
えなり「うわぁ!! !? だ、誰!?」
??(やっと気付いたかこの馬鹿もんが)
えなり「誰? 誰? どこにいるの?」
??(おまえの後ろだ、えなりよ)
えなり「なんで僕の名前を知って…うわぁ!!」
あまりの驚きにえなりはその場で飛び跳ねた。黒いもやもやがそこにあった。
その中央に顔のようなものがある。どうやらそこから声を出しているようだ。
??(驚きすぎだえなりよ。わたしだ、わたし)
えなり「わたしって言われても…………? あれ? その顔と声は、も、もしかして……」
えなりはごくりと唾を飲んだ。黒いもやもやに震える指を差し、大声で叫んだ。
えなり「と、と、と、と、父さん!!」
そう、そこにいたのはまぎれもない、えなり二世の父親、えなり一世だった!!

えなり1(久しぶりだな、えなりよ)
えなり2「なんで父さんがこんなとこに……たしか交通事故で死んだはずじゃあ…」
えなり1(死んだとも。だからこんな姿になってるんじゃないか)
えなり2「……幽霊なの?」
えなり1(そういうことだ)
えなり2「フーン……ところで父さん、なんで僕のことえなりって呼ぶの? 自分もえなりなのに」
えなり1(あまり気にするな。それよりわたしが幽霊で出てきたのに思ったより反応が薄いな)
えなり2「前に幽霊見たことあるからね。それより父さん、一体どうしたの?」
えなり二世の問いに、えなり一世の顔がマジになった。
えなり1(…そうだな、いろいろ話したいが時間もないしな。本題に入ろう)
突然の変化に、えなり二世も思わず息を飲む。
えなり1(えなりよ……さっきお前自信が言っていたが、最近のお前はどうも調子が悪いらしいな)
どき。えなり二世の心臓が鳴る。
えなり2「……聞いてた?」
えなり1(ああ、ばっちりとな)
えなり2「…………」
気まずそうに黙るえなり。
えなり一世はちょっと間を空けてから、上の空間に手をかざした。
えなり1(主人公であるお前が、なぜ主人公として見られないか分かるか?)

65 :えなり救済計画:03/12/06 01:20 ID:6Re/gdcH
えなり2「え? いや、分かんないけど…」
えなり1(これを見ろ)
えなり一世が手をかざした場所に、なにか映像が写し出された。そこに現れたのは……

戸田「脱出のハイブリット!!!!」
戸田だった、誰かと戦っている戸田がそこに写し出された。
えなり2「彼は…」
えなり1(戸田泰成……反逆を貫き、多くの敵との死闘を続ける男だ)
戸田「なに…勝った気になってンだ…手前はよ……。
   闘士の資格だかなんだか知らねえが、相手が確実に死ぬまでよ…
   勝利…を確信するんじゃねえよ……バカヤロウ!!」
えなり2(彼は常に戦い続けている。そして、倒されることに反逆し続けている。
    えなりよ、今のお前に、こんな真似ができるか?)
えなり1「………………」
えなり二世は何も言わない。一世はかまわずに、映像を変えた。
次に現れたのは――

安西「そうだな……。全部、おまえの言う通りだよ、椎名」
暗く悲しい瞳で呟くその男は、かつてパクリ四天王と呼ばれた男の一人、安西信行だった。
えなり1(安西信行。過去の自分に苦悩し、それでもそこから逃げずに戦う男だ)
安西「俺にはパクリ漫画家として生きた記憶しか残ってない……。
  真っ当に藤田さんのアシやってた頃なんか、もうあまりに昔すぎて覚えてもいない。
  気付いたときには、俺は勝手にヤサぐれて、どん底まで堕ちちまってたよ。
  パクった……殺した……この空っぽの頭からもあふれでてしまう数のネタを……人を……」
えなり1(彼は闇の過去と常に戦っている。もはやとりかえしのつかない過去だ。
    だが、彼は苦悩しながらも常に過去と戦いを続けている。
    えなりよ、お前にそのような過去と戦うだけの覚悟はあるか?)

66 :えなり救済計画:03/12/06 01:20 ID:6Re/gdcH
えなり2「……分からないよ父さん」
えなり二世は下を向いて答えた。
えなり2「僕は戸田でも、安西でもない。反逆の心なんて持ってないし、
    必要以上に暗い過去もない。せいぜい姉さんが矢吹に捕まってるってくらいだけど…
    姉さんのことだからなにか考えがあるんだろうし…
    僕には彼らほどの覚悟を持つ理由はないよ」
えなり二世は下を向いたまま肩を震わせた。
えなり一世は彼の近くにより、その肩に手を置く。
えなり1(えなりよ、わたしが言いたいことは違うのだ。
    よく彼らを見ろ。彼らは主人公たる何かを持っているのだ。
    だが今のお前はそれを持っていない。それは何か――分かるか?)
えなり2「彼らが持っていて……僕が持っていないもの?」
えなり1(そうだ。彼らが持っていてお前にないもの。
    それは――熱き心だ)
えなり2「熱き心?」
えなり1(そう、魂からくる熱い心だ。最近のお前は、何かと引き腰だったり、
    すぐにびびったりしている。これではダメだ。
    昔のお前なら、そんなことはなかっただろう)
えなり2「昔の……僕?」
えなり1(そうだ。昔のお前はもっと熱い魂を持っていた。
    初心に還るのだ、えなりよ。昔の熱き魂を持っていたお前に)
えなり2「初心……初心……」
何度か呟いてから、えなり二世は父に向かって顔を上げた。
えなり2「分かりました父さん!!」
えなり1(分かってくれたか!)
えなり2「ええ、つまり、SEX描写でリレーをしろということですね!?」
えなり1(……戻り過ぎだ馬鹿者)
父の想いは、微妙に息子に届いていなかった。

67 :えなり救済計画:03/12/06 01:22 ID:6Re/gdcH
えなり1(……とにかく、今のお前に足りないものは魂の熱さなのだ。
    それさえ加われば、お前は主人公として返り咲くことができるはずだ)
えなり2「ありがとう父さん……なんとなくだけど、分かったような気がするよ」
えなり1(…そうか…)
えなり一世がフッと笑う。しかしその時、
えなり2「父さん! 体が……!」
えなり一世の体が、だんだんと薄くなってきた。
えなり1(どうやら時間のようだな)
えなり2「時間って? 一体どういうこと……?」
えなり1(我が家に伝わる降霊法でな。
    現世から呼び出すのではなく、あの世から現世に戻ってくる術なのだ。
    わたしはその術を使ってここにもどって来たのだが……
    この術の欠点は、一時間しか現世にいられないことなのだ。
    しかも一時間経つと、幽体であるわたしは、この世からもあの世からも消滅してしまう…)
えなり2「そんな、父さん!!」
えなり1(しかし心配するな。わたしとてただでは消えん。
    お前に、わたしの持つすべての力を渡そう)
えなり一世は、息子の肩に手を置いた。
えなり1(…お前には、空手くらいしか教えてやることができなかったな……すまなかった)
えなり2「そんな……ことないよ」
自分の頬に涙が流れたことに、えなり二世は気付かなかった。
えなり一世は息子に笑いかけ――息子に自分の力を送った。
えなり1(えなりよ、最後にこれだけは聞いておけ。
    例の大会参加漫画家達の慰労会。
    そこから何か暗い力を感じた)
えなり2「慰労会から? 一体なにが…」
えなり1(分からん。だが、なにかとてつもないことを企んでいるはずだ。
    えなりよ、気をつけろ。そのことに気がついている者は少ない。
    下手をしたら、わたし達ふたりだけかもしれん)


68 :えなり救済計画:03/12/06 01:23 ID:E9VonM8q
えなり2「そんな……」
えなり1(えなりよ、お前がその企みを止めるんだ。
    それができるのは今そのことを知っている者、そうお前だけなのだ!!
    やってくれるな?)
えなり2「……はい」
えなり二世の答えに、父は満足そうに頷いた。
えなり1(それでこそわたしの息子だ。
    後は頼んだぞ……そして、お前の姉のことも…………)
えなり一世は全ての力を息子に送り――そしてそのまま消滅した。
えなり2「父さん……」
えなり二世は、えなり一世が先ほどまでいた場所をずっと見つめながら。
その場で叫んだ。
えなり2「とうさぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
巨大な通路に、えなりの叫び声が響き渡った。


えなり「父さん……後のことはまかせてください」
えなりは父の想いを胸に抱いたまま、その場から去ろうとした。
しかしその時。
??「ずいぶんと感動的な対面だったじゃないか」
えなり「誰だ!!」
声のした方を振り向き、えなりは肩をすくめた。
えなり「なんだ、やられ役か」
小栗「やられ役って言うな!!」
その場に現れたのは、今まで何度も何度も何度も倒され続けた悲惨な男、小栗かずまたその人だった。
えなり「で、今度はどうやって復活したんだ? サイボーグ化とか?」
小栗「ふん、サイダネを使っただけよ。悪霊のサイダネをね。
  悪霊になって戻ってきたってわけさ」
ホラーチックな顔で笑う小栗。
小栗「お前らにはさんざんやられたからな……一番恨みがあるのは荒木だが。
  まずはお前から呪い殺してやるわ!!」

69 :えなり救済計画:03/12/06 01:24 ID:E9VonM8q
小栗はえなりに向かって飛びかかった!
しかしえなりは動揺せずに、フッと余裕の笑いを見せる。
えなり「父さん、力を借ります」
えなりは力を右手に込めた。それは彼にとって久々の技――
えなり「超・肉変砲!!」
右手から発射されたそれが、小栗に向かって飛んでいった。
小栗「馬鹿め!! 肉変砲は相手の肉体を変化させて破壊する技。
  幽体である俺には痛くも痒くもないわ!!」
えなり「さあ、どうかな」
えなりが不敵に笑う。
そして、肉変砲が小栗の体に着弾した。
小栗「だからどうということ――え?」
小栗が疑問の声を上げた。
肉変砲が着弾したとたん、彼の体が膨張し始めた。
小栗「ば、バカな……そんな…何故!?」
えなり「超・肉変砲は普通の肉変砲と違い、相手の体だけでなく、
   相手の霊体も同時に破壊するのだ。
   つまりこれで死んだ者は、二度と復活することができない!!」
小栗「そ…そんなーーー!!」
叫びも空しく。小栗の霊体はそのまま破裂して完全に消滅した。
えなり「父さん、後のことは任せて下さい。
   僕は主人公として…えなり二世として…漫画家世界を救ってみせます」


結局、えなり一世は息子に言わなかった。自分は本当は交通事故で死んだわけではなく、
矢吹健太郎に殺されたということを……

70 :作者の都合により名無しです:03/12/06 01:25 ID:e1D7mDQt
ヽ(´∀`≡´∀`)ノ カズマター

71 :作者の都合により名無しです:03/12/06 07:17 ID:UcBXFRvt
おおー小栗とか初期のノリっぽくてなつかすぃ。

72 :旋風は止まらず:03/12/06 08:19 ID:CUZlsTYK
??「待ちな………。」
空間に声が響いた。
ガモウ「何者だ!何処にいる!!」
そう言って、ガモウがスカウターを入れる。
ガモウ「戦闘力1000……2000……4000……8000……。」
ボウン!!次の瞬間、スカウターが爆破する。
ガモウ「何!戦闘力が9500を超えているだと!だがどれほど戦闘力が高くても、天が晴れて……いない!」
空を見上げて、幸運の星を探すが、雲に隠れていて見えない。
??「てめえの行動に……天がないてんのさ……。」
ガモウ「だが……私がそれだけだと思うな!『ギルガメッ手』!!」
腕の先からエネルギー波が発射され、謎の男を攻撃する。
ガモウ「わはははははははは……私はラッキーがなくてもこのくらいのパワーは……。」
どこからともなく風が吹き始める。煙の中から影が現れる。
ガモウ「貴様!何者だ!!」

    天 が 呼 ぶ    地 が 呼 ぶ    人 が 呼 ぶ
     悪 を う て よ と    俺 を 呼 ぶ
      聞 け ! 悪 党 !!   俺 は 正 義 の 戦 士 仮 面 ラ イ ダ ー !!

73 :旋風は止まらず:03/12/06 09:47 ID:CUZlsTYK
ガモウ「ふん!だが少々苦戦した方が勝った時の喜びも大きいという物!」
そこまで言ってガモウはライダーに向かって走り出す。
ガモウ「とりゃあああああああ!」
ライダー「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
ライダーもまた、ガモウから二人を引き離すように走り出す。
青山「追いかけよう!」
乙「ええ!ぐっ!!」
バケツの衝撃をもろに食らったのか、乙が倒れ込んだ(ちなみにこの後全治三日と判断される。)。

ガモウとライダーは甲板の上で、戦いを続けていた。
ライダー「ライダァァァァァチョォォォォプ!!」
ガモウ「何故だ!何故?我ら、突き抜けた漫画家に勝てるぅぅぅぅぅぅぅぅ。」
吹き飛ばされて、ガモウが叫ぶ。次の瞬間ガモウの目からライダーの姿は消えていた。
ライダー「ライダァァァァァァ。」
そして見える、ガモウの幸運の星……。
木城「聞こえますが?ガモウ?あなたの目の前に聖石を持った男がいるはずです。その男は何者……。」
ライダー「卍キィィィィィィィィィィィク!!」
通信に気を取られ、ガモウが気を抜いた瞬間であった。キックが直撃をしてガモウを吹き飛ばした。
ガモウ「そんな……貴様が!突き抜けなかったミスクリエーション(出来損ない)がぁぁぁぁぁ!」
そしてガモウは……急降下で海面に叩き付けられ……バラバラとなった。

74 :旋風は止まらず:03/12/06 10:21 ID:CUZlsTYK
ガモウ「……ふう。まさかこんな所で『スーパースターマン』の再生能力に助けられるとはな。」
そう言って、ガモウはゆっくりと立ち上がった。
木城『まあまあの結果ですね。』
通信機から声が聞こえる。
木城『簡単な通信を聞いてみると、手塚殺人事件の犯人はあなたと言う事になって、
    ヒラマツは執行猶予付きで釈放、あなたは先の戦いで死亡という事になったらしいのですが……。』
ガモウ「それの何処がまあまあの結果じゃぁぁぁ!」
木城『まあ、これがあなたの単独犯と言う事になったそうです。私達にとってはそれだけでも十分ですよ。』
ガモウ「……ふん。」
木城『それに、あのライダーが『聖石』を持ってるという事がわかっただけでも十分です。
    ううん、カレープリンはあまりおいしくないですね。』
ガモウ「で、これから私はどうすればいいのだ?」
木城「あなたの幸運は、誰にも負けません。その幸運は次の大戦のために十分役に立つでしょう。
    と言う事で基地にもどっといて下さい。」
ガモウ「わかった……。」
通信を切って、ガモウはその場を立ち去った。

75 :作者の都合により名無しです:03/12/06 15:17 ID:qIjxHX9T
>>72-74
前から思ってたけど展開急ぎすぎじゃないか、君?
もうちょっと戦いの駆け引きみたいな物を考えてくれれば読み応えもあるんだが・・・
あっさり過ぎて読んだ後何ものこらんよ

76 :作者の都合により名無しです:03/12/06 15:43 ID:Vs57CKDF
確かに、ラッキーという不条理をどう撃ち破るかを期待していただけにな・・・
どっちかというと、初期のノリに近いな
なんのヒネリもなく、ほとんどの勝負がワンパン決着だった、あの頃に・・・

77 :できました:03/12/06 16:15 ID:KiDKNqKq
冨樫の遺産の登場人物について整理するスレ・キャラテンプレ15部対応ページ
http://jbbs.shitaraba.com/comic/bbs/read.cgi?BBS=31&KEY=1058562255&STARTEND=572-628

追加訂正よろ

78 :旋風は止まらず:03/12/06 16:23 ID:CUZlsTYK
>75 >76
すいません、なるべく早く温泉編に移行したかったから、ついつい急ぎすぎてるみたいです。
島編が濃すぎたからか、かなりあっさり風味にしてしまいました。
実はもう一つネタがあったけど、そっちはかなり濃すぎて、ちょっと書くと不評かなと思ってあきらめていました。
そっちの方は、伝説編で書いてみたいと思います。

79 :作者の都合により名無しです:03/12/06 23:59 ID:vHkbqeqx
読む側としてはアッサリの方が読みやすくて断然いいんだがな…

80 :作者の都合により名無しです:03/12/07 00:03 ID:V9iDe6BN
いや、あまりにもあっさりしすぎてもあれだが…
まあ初期よりは濃いしこれくらいなら別にいいんじゃないか?
濃いヤツ書く人もいればアッサリしたヤツ書く人もいて

81 :3年J組 地獄先生:03/12/07 01:02 ID:coo/5gYz
救急車のサイレンがいくつも駆け抜ける。途中通報を受け一台が離脱。
別れた一台はバケツに当たって気絶中の若者と付き添いの少年を拾って去り、
残りは一般用の飛行機や飛行艦が停留する発着場に向かっていった。

 「お前たち・・・なんでもいいから早く降りてくれ」
睨み合う松沢とあんど、もみ合う椎名と皆川、眠りの国の住人三浦と樋口、
特訓中の松江名と青山広美、そこらで暴れる雷句と三上等、
よくわからない環境の蟲船レダルーバ新艦長・岡野は頭を抱える。
空腹だろう白い蟲に栄養補給をしたかった。というかこれ以上の騒動はごめんだ。
 「カレーの神様よォォォ!しっとの炎を消さんとする悪魔の使徒に兄貴の鉄槌をぉぉ!」
 「むぅぅぅん!人の恋路を邪魔する外道は、我がいなりに包まれ朽ち果てるがよいわ!」
 「リーダー離せ!俺を離してくれぇ!ね?ね?離してくれないと俺泣いてスネますよ?」
 「スネるってお前、目がどっか泳いでいるじゃないか!信用ならん!絶対何かする顔だ!」
ぎゃーぎゃー。森の携帯で呼んだ救急車が近くに来ている音も聞こえない。
小学校教師・岡野は、この手の環境には慣れている。
元々裏御伽もうるさいのが多いのでかなり耐性はあるはずだ。
しかし。 限度ってぇものが。 ある。
岡野の顔に陰がかかる。真倉が彼に近づき、ポンと肩を叩く。頷く岡野。
左手に戻る真倉。岡野、深呼吸。吐く。目を瞑る。唱える。

 「宇宙天地・與我力量・降伏群魔・迎来曙光・吾人左手・所封百鬼・尊我号令・
  只在此刻・天地混沌・乾坤蒼茫・人世蒙塵・鬼怪猩狂・天空海闊・鬼面仏心・
  鬼哭啾々・霊感散消おおお!!・・・鬼の手よっ!!今こそその力を示せぇぇ――!!」

       ご  う  ぅ わ ぁ ぁ  ぁ  あ あ ぁ っ ! ! 

鬼の手解放ハイパーモード!10%・・・20%・・・30%・・・みるみる巨大・変形・凶悪化する左手。
急激に上昇する邪気。三浦が瞬時に飛び起き巨剣に手を伸ばす。隣の樋口が支えを失い転がって起床。
岡野のあまりの変貌ぶりに、さしもの松沢や椎名も動きを止める。岡野の目が金色に光る。
 「お前たちケンカは外でやれぇ―――!!」

文字通り鬼教師の一喝に乗員退避。岡村達は無事救急車に搬入された。めでたし。

82 :作者の都合により名無しです:03/12/07 01:16 ID:aF1ZWaOW
描写のことではなくてライダー登場→対決→ヒラマツ釈放まで、
一気にやっちゃったのが気に入らないんじゃないか?>展開早すぎ
バトルも推理も話の流れだけで消化されちゃったから・・・・

83 :作者の都合により名無しです:03/12/07 11:40 ID:V9iDe6BN
http://wibo.m78.com/clip/img/15133.jpg

84 :餓狼伝AIR:03/12/07 15:44 ID:4xQHHHaF
華麗に着地を決めたヨクサルが、茫とした瞳で、ゆらゆらと揺らめいている。
ヨクサルの、連続蹴りを、まともに浴びた板垣が、血を巻いて跳ね起きた。
その瞬間、板垣は烈風のように走り出していた。
 「しゃっ!」
鋭い呼気をほとばしらせ、板垣が右の爪先をおもいきり上に跳ねあげる。
跳んだ。
ヨクサルの長身がである。
板垣の右の爪先は空を裂いた。
空気に焦げ臭い擦過痕を残すような強烈な一撃であった。
蹴りが、空を切った。
ヨクサルの身体が、軽々と宙に浮いて、板垣の蹴りをかわし、上から、板垣の脳天に右足の踵を落としてきた。こんな一撃をくらったら、頭蓋骨が陥没する。
両眼は飛び出し、おふくろが見たって誰だかわからないような顔つきになる。
両腕をクロスさせて、それを受ける。
強い衝撃。
次は?
読めない。
左膝か。
顔に向かって吹っ飛んでくる岩の塊のような膝。
宙から、立て続けに右足と左膝の攻撃を仕掛けてくるなぞ、こいつの体重の半分のやつだって、めったにできやしない。
頭上でクロスされた両腕を、わずかに落とし、両肘で受ける。
今度はおれの番だ。
こいつが着地する、その時が、勝負だ。
渾身の力を込めて、左足で蹴りにゆく。
たとえ、羆であろうが、この蹴りをくらったら、立ってはいられまい。
板垣の左足がヨクサルを激しく叩いた。ほとんど手応えがなかった。
板垣の蹴り足に、片手で倒立していた。
空中で、板垣の脚を利用し、さらに跳躍していた。
重力がないもののように、軽々と舞った。



85 :餓狼伝AIR:03/12/07 15:44 ID:4xQHHHaF
顔面に向かって、堅く尖ったものが飛んできた。
ヨクサルの、肘だ。回転力を、目一杯きかせた、肘。
両腕を交差させて、それを受けた。
衝撃が、降ってきた、ふたつ。真上からの、連続蹴りだ。それを片腕で受けた。
強烈な、痺れ。受けた腕を振り上げた。
その勢いを利用して、ヨクサルはさらに高く舞った。鮮やかに、体を入れ替え、さらに上空へ。
それはもはや、猿の域ではなかった。鳥であった。
――空の、支配者。
ヨクサルの右脚がうねるように跳ねた。
次が左脚であった。
次が右脚であった。
次が左脚であった。
次が右脚であった。
華麗な攻撃であった。
いつまで跳んでいる?
いつまで飛翔(と)んでいる?
まだだった。
まだだった。
こんなに!?
こんなに!?
ヨクサルは降りなかった。
ヨクサルは墜りなかった。
凄いぞ、ヨクサル。
凄いぞ、ヨクサル。
お前は、何処に届いている?
お前は、何処に到達(とど)いている?
その時、板垣は、ふっと、左の耳に風の音を聴いたような気がした。
次の瞬間、板垣は、頭部に衝撃を受けた。
それで、板垣の意識は、頭から外へはじき出されてしまった。




86 :餓狼伝AIR:03/12/07 15:45 ID:4xQHHHaF
強烈な一撃だった。何があったのか。
俺が、右へサイドステップするのと同時に、ヨクサルが、身体を空中で左に回転させ、
右足の蹴りを右の回し蹴りに変化させて、俺の後頭部を追ってきたのである。
それが、俺の後頭部を叩いたのだ。
一瞬、意識が途絶えた。意識がもどった時には、俺は、片膝をついていた。
ぐうっと、俺の顔面に向かって、床が近づいてくるのを、俺は、寸前で踏みこたえた。
顔面に踵が打ち込まれた。
鼻頭であった。
みしり、と骨の軋む音がした。
そのただ一撃の蹴りで、板垣の巨体は、宙に打ちあげられていた。
たて続けにキックをくらっていた。
背中にふたつ、ボディにもふたつ。合わせて四つの強烈な打撃を受けていた。
神技に近い。
何をされているのかわからない。まるで、わからない。
――強い。
と思った。
おそろしく強い。
ごろごろと地面を転がった。そのまま、地面に仰向けになった。
気持ち良いくらい、手を抜かない攻撃であった。
慈悲と呼べるものが、まるでなかった。
仰向けになった途端に、顔を踏みつけられた。
凄い衝撃であった。一瞬、頭蓋骨が、歪んだようであった。
地面にあたっている後頭部が、ごりんと音をたてた。
――こうでなくっちゃあ。
板垣は思った。
――ケンカはこうでなくっちゃあ。
倒れたからって殴るのをやめちゃいけないよな。
これがケンカだよな。
板垣の血にまみれた唇が、かすかに微笑していた。



87 :餓狼伝AIR:03/12/07 15:46 ID:4xQHHHaF
口の中に、堅いものがあった。
折れた歯で、あった。
それを大量の血と共に板垣は吐き出した。
次は腹であった。
きれいに踵を打ち下ろされた。
血を吐き出したばかりの口の中に、苦いものがこみあげた。
胃液だった。
大量に吐いた。
次が胸であった。
ああ、肋骨が折れたな、と思う。
これだ、と板垣は思った。
ヨクサルに打ちのめされながら、板垣は思った。
俺の求めていたケンカはこれなんだ。
おもしろい――
と、板垣は思った。
この男、おもしろい。
ヨクサルが放つ攻撃は、ただ全力。全力! 全力!! 全力だ!!!
“鬼”は受け止めた。その力を。その力は“鬼”の中に喜びを育てた。
その喜びに、“鬼”は耐えられない。本気の殺意を爆発させずにはいられない!!
そして、“それ”は爆発した――――。

それは、ヨクサルがもう一度、板垣の顔面を踏みつけにいった、その瞬間だ。
ヨクサルの足に、鋭い痛みが跳ねた。
何か、刃物のようなもので、切り裂かれたような激痛。
ヨクサルが、反射的に飛び退った。
左足から、夥しい鮮血が、噴水のように噴き出していた。
血まみれの板垣が、のそりと立ち上がり、何かを吐き出した。
重く、湿った音をたてた“それ”を見て、観客は絶句した。
ヨクサルのアキレス腱。その周囲を、根こそぎえぐりとったような、肉片であった。

88 :作者の都合により名無しです:03/12/07 20:33 ID:NDWZiXgH
いずれこの小説にも現れるのだろうか・・・
『ポプラ社の刺客』が(笑)
コミックブンブンでたし・・・

89 :作者の都合により名無しです:03/12/07 21:00 ID:+9WpsJ/1
ひとりは既に死んでるッスよw

90 :作者の都合により名無しです:03/12/07 21:04 ID:RAujGxy3
ギャグで復活可能だが、恨みの門でもいいかも。

91 :作者の都合により名無しです:03/12/07 22:41 ID:Q2P/uYWw
>90
死んだんじゃなくてあいつタイムスリップして45億年前にいったし・・・。

92 :作者の都合により名無しです:03/12/07 23:10 ID:VALijdIJ
んじゃあちょっくら呼び戻しますか(謎

93 :さよならは突然に:03/12/08 03:44 ID:cR0L/l4n
うるさい乗員を根こそぎ追い出し、無事蟲船を発進させた岡野。
南九州の暖かい海流に浮かばせ、蟲が海中の魚介類を食べ始めたのを確認し一息つく。
矢吹艦の方では福本達がPCを抱えたまま空港の待合室に向かい、
他の連中はそれぞれ行動しているようだ。12時までに桜島港と言うが、
恐らく何名かはレダルーバに同乗を申し込んでくるだろう。
まだ数時間もある。岡野は疲れが出たのか大きくあくびをした。
新しい身体に不慣れなせいもあろうか。
・・・元の身体を失った直接の原因である、チーム・タフのリーダー猿渡。
彼もまた静かにこの船を立ち去っていた。岡野が船員を叩き出す少し前の事だ・・・。


青山広美は暇と有り余る体力を持て余しているらしく、
師匠・松江名に稽古をつけてもらっていた。
 「いいかい青山君。闘いの勝敗を決めるものはね、体力でも根性でもないんだよ」
などと話しかけながら青山の関節を取っては外し極めては外し、身体に教え込む松江名。
そして青山が10回目のギブアップをした時、彼らに近づく者がいた。猿渡だ。

岡野は小うるさい乗員に注意をしようと、
運転席から選手達の所へ来た際に3人と遭遇した。
猿渡に思うところのある岡野だが、とりあえず様子見に回る。猿渡が青山に言った。
 「青山よ、島でひとりっきりで修行するより何倍も有益のようやな。
 ・・・ガチもええけど、もっといやらしい闘い方も教わった方がええで。ま、達者でな」
らしくない言葉。らしくない微笑。青山の心に冷たい汗が流れる。

 「さ、猿渡先生!まさか・・・もう」
 「せや。チーム・タフは解散や。馬場には悪い事したが、もう碌に面子も残ってへんしな。
 橋本は死に、川原は去り、ヒラマツは捕まり・・・まあさっき釈放されたらしいがな。
 石渡は今頃どないなってんのか心配やろうけど、あれの事や。
 ピンピンしてるはずやで。あんた松江名言うたな、青山によろしゅう稽古つけたってや。
 後は・・・もう会う事もあらへんやろうが・・・強うなれよ、青山」

包帯の隙間から覗いた猿渡の、ひび割れたスペア眼鏡を通した右目が寂しく微笑んでいた。

94 :さよならは突然に:03/12/08 03:45 ID:cR0L/l4n
呆然とする青山に背を向け、猿渡は緩やかな足取りで搭乗口に向かう。
思わず後を追った岡野に猿渡は振り向かぬまま声をかける。
 「お前らとの闘い、無駄にはせえへんで。
 それと、魂まで鬼に喰らい尽くされるなよ・・・ワシみたいに、な」
岡野が返答する間もなく“人ならぬ人”は静かに蟲船から去っていった。


現在。静かな蟲船の中。
 「あの人には妖怪・オカルト漫画家の能力を無効化する特性がついているんだったな(10部)。
 克さんが言うには鬼に変身して松本を倒したらしいが、それとは関係あるのだろうか?
 それに彼はこれからどこへ行くのだろう。まるで・・・」
それ以上は口に出せなかった。岡野は運転席に腰掛け、軽く溜息をつく。
無駄にはしない。どこかに闘いに往くのだろう。
そして彼はもう帰ってこないつもりなのだろう。
≪鬼≫に好かれる漫画家の素質は、鬼を描くか・・・鬼になるか。あるいは両方か。
猿渡は恐らく両方だ。彼の魂までが鬼の寵愛を受けている。鬼の末路には――――地獄しかない。

 「鬼か。人間にとって漫画家にとって、鬼とは一体何なのだろうな」
岡野はスペアの皮手袋に覆われた小さな左手を天にかざす。
少年形態になっても、鬼の呪いからは逃れられなかった。
この乱世、無力な人の身では生き抜く事も辛かろう。
しかしそれでも・・・岡野剛は最期まで人として生きたかった。
命を賭して彼の生命と尊厳を救った真倉のためにも。

ふと、人の気配。岡野は咄嗟に背もたれ越しに背後を窺う。
 「鬼とはだなあ、オカノ君。この井上雄彦みてーなツラをしたナイスガイなんスよ」
腰に刀を2本下げた独特のスタイルの、着物姿で赤いリーゼントの男がのそりと姿を現した。
好奇心のあまり長らく船内でさ迷い、今しがたようやく艦橋に戻ってきたのだ。
 「井上?お前いたのか」岡野が目を丸くする。
それには答えず、井上はジャンプ時代の同期に向かって自嘲気味に笑いかけた。
 「空はでっかくて、人はちっぽけで、鬼は醜くて、そしてオレはあきらめの悪い鬼の子だ」
 「井上・・・?」

95 :おはようも突然に:03/12/08 03:46 ID:cR0L/l4n
井上雄彦の心の中にいつまでも巣食う、橋本以蔵の歪んだ笑顔と生首。
それが橋本の幻術とも知らず、井上は赤く赤く染まった心の光景の中に立ち止まっていた。
 「殺し合いの・・・螺旋。鬼って奴は人の心が生み出したマボロシでもあり、
 人の心をエサにして生きるイキモノでもある。奴らが求めているものはオレらと同じもの。
 “読者”だ。鬼の伝説を誰も信じなくなったら終わりだ。だから奴らは闇に動き、
 漫画家にとりついてコロシなんざさせるんだ。螺旋は回る・・・鬼を中心にな」
井上の不思議な言葉を、岡野は黙って聞くしかなかった。


ところかわって矢吹艦内の空港。
特に行く当てのない連中は、福本が選手用にと借り受けた、
VIP用待合室で仮眠を取ったり朝食を取ったり治療を続けたり、
モニターで野球場の乱戦やそれまでの試合のハイライトを見ていた。
わずか数時間前の血戦が夢か幻のように思えて、
大きなソファに座る樋口は小さく首を振った。
・・・三浦の姿はここにはない。他にも何名か消えているが樋口には関係のないこと。
再度預かる羽目になった三浦のマントを、彼女は膝掛けにして再び夢の国へ向かった。
採光ガラスの向こうに美しい空と海を眺めながら。

そして空港にとどまる戦艦無礼ド内では。
 「サボるなァ荒木ぃぃ!俺の辞書にサボるの文字はあってもお前にこの辞書はやらんっ!!」
 「うるせえぞ島本!今さらあの男に何を言っても無駄だ!諦めて働け」
 「ああ海が見たい。休みたい。またイタリア行きたいな・・・日本は窮屈だから嫌いだ。
 でもウォークマンは好きだがね。どれ、ビートルズのゲット・バックでも聴くか(ガチャリ)」
 「「(ど、どこから出したッ!?)」」
島本・車田・荒木の豪華トリオは、戦艦無礼ドに突入した際のドサクサで温泉を破壊してしまい、
荒川や高橋留美子等の女性陣にさんざいびられた挙句無礼ド内のお掃除なぞさせられていた。
生物然としたレダルーバと違い典型的なSF漫画っぽいデザインの無礼ドだが、
部隊運営はほぼ全部が人力活動。掃除も炊事も乗務員の仕事であった。

96 :おはようも突然に:03/12/08 03:46 ID:cR0L/l4n
モップや雑巾片手に有名漫画家3人がせっせと働く悲しき姿(一人サボり)。
トリオが掃除をしている廊下には荒川が看視者として立ち睨みを効かせている。
戦場で燦然と光り輝いてる彼らの、この姿を敵に見られたら失笑は免れまい。
まさしく笑止千万。

 「・・・駄目だ、精神的に限界だぜ・・・誰でもいい、俺をここから出す理由をよこせ・・・」
車田の視線が宙を彷徨い始めた。このままではアナザーディメンションなんぞ使いかねない。
そこにいきなり現れる荷物だらけの男。車田は思わず後じさりした。
 「誰だ!?」
 「・・・はれ?また間違えちゃったモン?」
風邪を引いたのか、時空ワープの照準が定まらないにわのであった。

 「車田せんせー生きてたモン♪荒木センセは野球場ぶりー。あっちは熱血野郎の島本先生じゃん?」
 「にわのか!あれから無事Dブロックに行けた。色々あったがお前はどうだ?裏御伽勝ったんだろ」
天の助けとばかりに駆け寄る車田。イヤホンで曲を聴きつつ二本指を立てて挨拶する荒木。
妙な男の闖入に驚く島本。(何だあの荷物男は?まるでカバン怪人のようだ!)謎の思考に入る。

2人はしばらく情報交換していたが、にわのは思い出した顔でポケットから金色の小物を取り出した。
 「あんねー、これさっき船で本宮せんせーが『せっかくたくさんあるのに誰も、
 着ても貰ってもくれねえから似合いそうな車田に渡せ』ってさ!学ラン変身バッヂ!」
なんでも“ムーンプリズムパワー・メイクアップ”と唱えると素敵な事になるらしい。
車田は勢いに押されてそれを受け取る。そしてこっそり脱出計画を持ち出そうとするが、
ふとにわのが車田の肩越しに荒川を発見し、なぜか顔を赤くして謝り出した。

 「うわー!あの時の裸のねーちゃんだモン!シャワー覗いちゃってすまねーデシ。ソーリー!」
 「・・・・・・え?」

2秒後に荒川の鋼鉄の右腕が高速で唸りを上げ、
すんででワープした荷物男のいた位置の壁を べ こ ん と破壊した。
車田は無言でバッヂをしまい、いそいそと雑巾を絞り始めた。

自分も一緒に覗いてた事は、墓までの秘密だ。

97 :ポプラの木の下で:03/12/08 12:34 ID:Ao0x82Qn
 「あー危なかったモン・・・ってまた変な場所じゃーん!」
遁走中の荷物男・にわのは再度ワープに失敗、今度は戦艦空港近くの魚市場に来た。
真下の豊かな海で獲れた魚介類は矢吹艦住人の食卓の友。
市場の一番忙しい時間は過ぎていたが、ぼちぼち賑わっている。
そこに忽然と現れる荷物男は相当不自然な図。にわのは慌ててきびすを反し・・・
敷地内を走る冷凍トラックに轢かれた。「ぎにょーる!?」

 「うう、島出てからケチつきっぱ・・・ (ガバッ)は!ボクはいったい」
にわのが意識を取り戻すと、そこは市場近くの公園のベンチ。
青い空の下、ポプラの植樹が自然の風に揺れる。荷物を確認するが無事。
脳天の出血も閉じていた。隣でねじりハチマキの男が笑っている。
 「よぉ!あんたよく生きてんな!テレビで見たぜ、裏御伽の人だろ?明日大丈夫かあ?」
快活そうな男は典型的な日本的魚屋スタイルの若者だった。
左頬の十字キズがよく似合う元気な男。にわのは礼を言い、しばらくおしゃべり。
若者は魚屋の三代目で、これから魚を買いつけ別府の温泉宿に大量注文の魚を届けに行くとの事。
轢き逃げトラックの現場を目撃し、その後5台ぐらいにぶつけられた、
ボロ雑巾を拾って現在に至る。平謝りのにわの。
 「なかなか移動がうまくいかなくってー。一回地球創世記まで遡っちゃって大変だったホ」
と魚屋にウィンク。魚屋は与太話と思い、はっはっはと笑いながらにわのの肩を叩く。

 (・・・ス 狭いッス・・・ 俺を出すッス〜)
鞄の山から聞こえる呻き声。にわのがなんとなく荷物の山を漁り出す。
 「ゲ!?見た事ない袋が増えてる。サツに届けてくるモン!兄ちゃんまたいつかねー」
にわのは手荷物を全部抱えて館内派出所に向かった。魚屋は笑顔で大きく手を振った。

魚屋の許に近づく黒い影。魚屋は冥い気配に息を飲む。
 「あの袋を手に入れて来る。この時代から消え去った気配があったが・・・甦った。
 至高のアーティファクトを手に入れるためならあれにすら頼るよ・・・ククク」
 「いがらし先生・・・」

影の名はいがらしみきお。魚屋の名は漫画家・牧野博幸。そして袋の中身は・・・。
 「岩村俊哉。稀代のホモ野郎にして狂気のガンダム乗り。我が野望のために現世に舞い戻ったか」

98 :華麗なる乱入者:03/12/08 13:32 ID:Ao0x82Qn
謎の小袋をとっとと警察に預けたにわのは、今度こそ目的地・
影船に向かってワープを始めた。本人の預かり知らぬところで騒乱の種を蒔く、
トラブルメーカーの旅路は続く。

同じ病院に担ぎ込まれた、岡村・澤井・許斐そして乙。
全員の治療も済み、軽症の乙は岡村達の眠る6人部屋を聞き出し足を運んだ。
島の闘いはあまりに犠牲が大きすぎた。
死者も生者も、心と身体に深い傷を負わされた。
乙は誰かと話したいと思い、部屋を出て院内の公衆電話に向かう。
しかしポーチの中の財布には札しかなかった。
 (崩すの面倒だな・・・またどっからか僕を捜して、駆けつけてくれないかな・・・上遠野)
乙は廊下の黒い長ソファに腰掛け、人工の緑に囲まれた窓の外に視線を移した。

こちらはDブロック野球場。
カレーの香りに包まれたベンチ裏。
匿名希望のサングラスの男は、尾田に名前だの温泉だの言われて混乱していたが、
直後始まるヨクサルの空中乱舞に場の全員が心奪われ幸い返事をせずに済んだ。
 (温泉?そのような企画が裏で動いていたとはな。実に羨ましい・・・できれば行きたい。
 しかし正体を隠し切れるならばともかく、私の顔や気配を知っている者に出会えば・・・。
 そもそもトーナメント主催者がこんなところで何カレー食ってんだ状態だし、
 この隙にやはりここから脱出すべきだろう。よし!温泉はまた今度だ!)
男は決意をし、誰も聞いていない中「トイレトイレ」などと言いながらベンチ裏の扉から抜け出した。

 「ふう、異世界から帰る早々騒動に巻き込まれるとは・・・な?」
サングラスを外そうとしていた男は、廊下の向こうから響く二種類の奇声と破壊音が、
こちらに近づくのを察知して再度装備しなおす。  ・・・ドドドドドドド・・・!!

 「カレーじゃあ!俺は半径50キロ以内のカレーの匂いを嗅ぎ分けられるのだぁ!食わせろぉぉ!」
 「待てーい変態!まだ勝負の決着はついておらんぞ、逃げるつもりか嫉妬に狂った外道よッッ!!」
それは勝負中にカレーに誘われ球場にやって来た松沢夏樹と、それを追うあんど慶周。
サングラスの男は壁にひっついて筋肉台風をやり過ごし・・・どっと疲れが出て近くの椅子に座った。
嗚呼、どうして漫画家は馬鹿ばかりなのだろうな。男は小さく呟いた。

99 :冥王の名:03/12/09 14:54 ID:Hp9NarAW
梅澤「よーし!作戦はこれで良し!」
そこまで言うと、梅澤は報告書をまとめ見た。
1:とりあえずは、ここで夕食を食べさせる。
2:途中で酒の一気飲み大会を開かせる。
3:大会が開かれたらいきなり乱入して、にわのと勝負をする。
梅澤「あいつへの復讐はこれでよしと!後は奴(にわの)が来るのを待つだけだ。」
??『慰労会の妨害工作ですか?それでしたら少し協力しますよ』
突如、通信機から声が聞こえてくる。
梅澤「木城か?何か裏で色々やってるみたいじゃねえか。答えろ……宇野に命じて何をしていた?」
木城『『魔王の欠片』の事ですか?ここで奪っておけば、色々研究できそうですからね。』
梅澤「色々のところが気になるが……まあ良い。で協力できるとか言っていたが、具体的にはどういう事だ?」
木城『いえ、そこでトライアスロンが行われると聞いてですね……。その参加選手の中に、皆川がいましてね……。」
梅澤「ああ、そうかい……好きにしな。」
そこまで言ってから、梅澤は自分の作戦の為の下準備をする。
木城「はい、では好きにさせていただきます。ああそうそう、50メートルプリンを作ったのですが、なかなか食べ手がいませんでして……。」
梅澤「俺はいらん、じゃあな。」
一方的に通信を切って、梅澤は連絡を切った。

木城「うーん、しかしやっぱりARMS細胞は興味深いですね。」
戸土野「それは良いとして、こちらのパワーアップはどうなっている?」
木城「ああ、大丈夫です。まだまだアイディアを纏め中ですので、まとまったらすぐにでもしますよ、
    ゴールドフレームの強化も完成してますし、後はあなたが最強になればいいのですよ。」
戸土野「そりゃ良いな!……誰だ?そこにいるのは!!」
その声に反応して木城が後を振り向くが誰もいない。
木城「誰もいませんよ。」戸土野「そんな!」
木城「きっと幻を見たのですよ。」戸土野「……そうだな。荒木と戦って疲れてるんだろうな。」
否……そこには何かがいた。そしてその後には巨大な文字が書かれていた。
”神”が作りし、『地獄の神』の名を冠する物。全てを打ち砕く物……。
??「………彼等はいつ裁くのだろう……。」
その男は……消えるかのように歩き始めた。

100 :それは旅景色の向こうから:03/12/10 01:41 ID:Tvzio29I
 「俺様の作戦は完璧だ・・・奴は試合やら幹事やらで相当ヘタっているはず。
 そこへ周りを煽って先に酒を飲ませ、弱った所に俺様が乱入!この条件なら、
 さしもの肝臓バカに対してもイーブンだろう!ギャハハハ、待っていやがれー!」

早朝の会議からいつの間にやら龍形態なんぞに変身して、
鹿児島から別府は≪松椿別館≫に先回りしていた梅澤一行。
作戦立案は移動と平行して行われた。
バスガイドである天野と未だ起きない高橋しん、
そして死体からたぶん一応復帰した福地は、
後発隊として鹿児島に置いてきた。梅澤は松椿別館の屋上で、
北九州の海を眼下に見ながら来るべき念願成就の時を祝って高笑いした。

やや時を遅くして、超高速ジェット魚屋3輪トラックが九州沖から別府に飛んできた。
矢吹艦魚市場で大量に魚介を買いつけた魚屋・牧野の車だ。
松椿はガンガン系列の作家がよく利用する伝統の温泉宿なのだ。
(2部かそこらでガンガン連中が宴会していた場所と関係があるかは不明)
トラックの中には大量の新鮮な海の幸。そして・・・。

 「いがらし先生、別府についたぜ。新しい“ポプラの刺客”・・・やっぱり、
 なぜかどうしてもガンガン系のコネになっちまうんでしょうかねえ?」
 「今は一人でも人材が欲しいからな。どんなルートでも使う。
 この≪松椿≫なら散り散りになったガンガン系列作家の情報が入るかも知れん。
 魚屋としてお前がここで働いているのを知った時は感動を覚えたよ。さあ、行こうか」

薄ら笑いを浮かべて牧野を促すいがらし。彼の目的は――-

101 :それは旅景色の向こうから:03/12/10 01:49 ID:Tvzio29I

 「貞本〜、余はそこはかとなく疲れた。まんじゅうが恐いぞ茶が恐いぞよー」
 「じゃかましい!キサマはおとなしく宿屋の従業員に成りすましてろ、木村!」

旅館の裏側で聞こえる男同士の言い争い。
トラックの助手席の窓を開けて座る、いがらしの動きが止まった。

目的が。いた。 ふたりとも。

いがらしは一旦逃がしてしまった彼らを捜すために、
旧知の仲間達を集めようとしていたのだ。

世界を破滅に導く力・アーティファクト(工芸品)“レッド”。
ジャングルに覆われた小島の≪カナンの遺跡≫。
その向こうにあるはずの。
それを手に入れられる男――貞本。
それの核になるだろう存在――木村。
いがらしのどす黒い情念が狂喜となって彼の全身を覆う。

 「今日は・・・・・・最高の宴会になりそうだ・ね」

詳しい事情を知らされていない善良な魚屋牧野は、
いがらしの三日月型の笑い顔に、ただただ恐怖を覚えるばかりであった。
平和なはずの温泉慰労会の行方は・・・果たして?

102 :盤上は彼等の思うままに:03/12/11 11:40 ID:dEarHw/T
「ご苦労様です・・・と言いたいですが、私は鈴木信也を始末するよう頼んだはずですが?
ほったに問われて佐倉は返す言葉が見つからなかった。
しばらく口篭りようやく出た言葉はつたないものだった。
「し、始末はしたわ・・・殺してないだけで。           
本来なら殺すつもりだった。しかし、いざその時を迎えると・・・到底無理だった。
自らの道徳心と生まれながらにして刷り込まれた本能が人殺しを強く拒否する。命は軽い物ではない。
すでに非日常のドアに手を掛けているというのに佐倉はまだ日常にすがっていた。だが、それが普通なのだ。
誰が佐倉を責めれようか。佐倉は今の今までただの一般人として暮らしていたのだ。
「いいでしょう。確かに貴方の言うとおりですね。しかし、その後ろの人は突然暴れたりはしないのですか?
そういわれると佐倉は自分の後ろに立つ人物に視線を映す。鈴木信也―――と呼んでいいのか佐倉は少し躊躇した。
本来ならダークスにとりつかれた者は人格が大きく変わるが自我は残っている。だが、鈴木信也という人格は既に
破壊されてしまった。故にここにはただ鈴木信也と呼ばれた肉の塊が残っているにすぎない。果たしてこれは人なのか?
「それは大丈夫よ。それより、あの手紙の中身は本当なの?
哲学的な疑問はとりあえず横に置いておく事にした。どうせ答えなどでない。
「ええ本当です。遠くない未来、漫画界は血で血を拭う戦乱の時代を迎えます。
 そして生き残れるのはごく少数。最早止める手立てはありません。
「で、でも私は助かるんでしょ?だって手紙にはそう書いてあったじゃない!
「それは貴方の方が良く知っているでしょう?あのドラゴンの能力はそれを可能にするはずです。
あのドラゴン―――佐倉はそう言われて頭の中で該当をするドラゴンを探し出した。センコークーラー、コーカオー
シンセイバー、コーバクコンオー、グアンクー、ダイナモスパーク、チガンドウジン・・・違う、どれもそんな能力なんか無い。
パルレ、ルビーン、ザフィーア、オパール・・・・だめ、四神龍達でもない。あと他にそんなドラゴンなんて・・・・
「あっ、ジ―――

103 :盤上は彼等の思うままに:03/12/11 11:43 ID:dEarHw/T
「思い出したようですね。そう、そのドラゴンなら戦乱の世を回避できるでしょう。
佐倉がそのドラゴンの名前を言い切る前に、ほったはそれを遮った。そして、佐倉の表情はじょじょに沈んでいった。
「ダメ・・・あの子は使えない。まだ・・・私の力じゃ。せめて『神竜石』があれば別だけど・・・
自分の作品の能力さえ満足に使えない。そんな自分の力の無さが佐倉は情けなかった。鈴木の言う通りだ。力が無い。
だが、ほったは優しく微笑んで言った。
「その石は・・・矢吹が持っているのでしょう?
そう・・・だから絶対に手に入らない。
「我が名は帰書文・ほったゆみ。相手に契約内容を絶対に守らせる宝貝。我が創造主の名は・・・矢吹健太郎。
「えっ、まさか・・・!
「偶然では有りません。こうなるべくしてなったのです。そして我々は戦乱の世を回避するのもまた同じ。
「それじゃ・・・なんで『アレ』が要るの?
「それも道々話しましょう。さぁ、行きましょう。矢吹の元へ。盤上は我等の思うままに。
ほったによって歪められた空間にぽっかりと穴が開いている。それは栄光への道なのかそれとも・・・・

104 :訪れし者は・・・?:03/12/11 17:33 ID:WrInYIuZ
光原「困ったことになったわ」
紅茶で口を潤すと光原は呟いた。

小畑「・・・・・・・・・」
藤崎「・・・・・・唐突に何の脈絡もなく現れるのう、おぬし」
とあるファミレスの店内。
物思いに耽っていた小畑はともかく、藤崎でさえどの瞬間に光原が現れたのかわからない。
いつのまにか小畑の横に腰掛け、紅茶まで注文している。
あまりに自然な光原の態度に二人とも呆気に取られていた。
光原「あら?驚かせてしまったかしら?それより――」
藤崎「ここで会ったが百年目!のこのこ現れるとはダアホがーっ!!
   小畑先生見ていてくだされ!」
懐からメガホンのようなものを取り出した藤崎はテーブルから身を乗り出し、光原に向かって叫ぶ。

藤崎『 動 く な っ ! 光 原 伸 ! ! 』

その声に店内にいた客達が何事かとこちらを向く。
店員「お客様、困ります。店内ではあまり大声など出さないよう・・・」
注文を運んできた店員がテーブルにチーズケーキを置きながら藤崎に注意する。
小畑「す、すいませんっ!よく言って聞かせますので・・・
   こらっ、こんな所で大声出しちゃダメじゃないか藤崎君!!」
慌ててかわりに謝る小畑。
しつけがなっていなさそうな少年の外見はしていても心は大人。
身内の非常識な行動を咎めるのは年長者として当然のこと。
光原「少しは公共マナーというものを学んだ方がいいわね。
   小畑先生を見習いなさい、藤崎先生」
チーズケーキをぱくつきながら、非難の目を向ける光原。

藤崎「なんでやねん・・・・・・」
手抜き顔になり固まっている藤崎。
その言葉には二つの意味が込められていた。

105 :訪れし者は・・・?:03/12/11 18:06 ID:WrInYIuZ
一つは自分の行動で周りから一斉に非難を受けたこと。
これはまあ、不特定多数の人が訪れるファミレスという場所で、
軽はずみなことをしたものだと自覚しているので、甘んじて受け入れるとしよう。
問題は二つ目。
光原「それよりも、あなた達に話があるのよ」
藤崎(そんな馬鹿な・・・!?)
メガホン、正しくは宝貝『吸名棍』の呪縛が効かなかったこと――
それは問題ではない。
なぜならそれは藤崎の推測があっていれば当然のことなのだから。
光原がいつのまにか注文していたチーズケーキを食べようとしたとき――
問題はそこだ!
チーズケーキが問題なのではない。
光原がまたしても代金を藤崎達につけようと言うのなら多少は問題だが、些細なことだ。
客と店員と小畑の非難の目を受けながらも藤崎は見逃さなかった。
あの時光原は髪の間――位置的に恐らくは耳であろう――に手を突っ込み、
これ見よがしにテーブルの上に置いた物があった。

耳栓。

・・・・・・・
え?耳栓!?
たかが耳栓で神経攪乱系の宝貝の力を防ぎきれるはずもない。
ならばフェイクか?
――この女があくまで光原本人であり、宝貝が効かなかったのは『耳栓をしていたから』――
そう思わせるための。
いや、しかしそんな単純な手をこの女(?)が使うであろうか?
藤崎が相変わらずの手抜き顔で思考を巡らせていると、ふと当の光原と眼が合った。
その瞬間、光原は藤崎の頭の中を見透かしたかのように口を開いた。
問題の答えは恐ろしく単純な手だった。
――あくまで光原の言葉が真実ならば――だが。

光原「アウターゾーンから取り寄せた耳栓は強力だったわ」

106 :訪れし者は・・・?:03/12/11 18:48 ID:WrInYIuZ
藤崎「ぬうう〜〜おのれぇ〜〜〜〜〜本当は男の癖に〜〜〜」
忌々しげな目で光原を睨む藤崎。
光原はその視線を涼しげな目で受け流していたが、やがて意を決したように語りだした。
――あらぬ方向をむいて。
光原「私はこの世界――いやこの『スレ』と言った方があなた達には通りがいいわね――
   に於いて『アウターゾーンの案内人ミザリィ』というキャラを借りて存在しているわ。
   しかし、私が現実世界と同じ様に『男』の姿を取ったとして・・・
   その時誰の姿を借りたら言いの?
   作者本人?
   胸ポケットに人形を入れている刑事?
   それとも毎回、不条理に巻き込まれるさえない少年?
   あるいはろくでもないことを考えて結局最後は空しく死んでいくむさい中年男?
   ほら、ろくなのがいないでしょ?
   これじゃいまいちイメージが沸かないでしょ?
   沸いたとしても一発ネタで終わってしまうわ。
   だから、私は女――
   ミザリィのキャラ、ポジションを演じていた方がこの『スレ』的に相応しいとおもうのよ」

藤崎「どこに向かって話し掛けておるのだ、おぬし」
何もない宙空に向かって喋り続ける光原を不信に思い藤崎が聞く。
光原「アウターゾーンの彼方よ」
小畑「ここから見ればあっちがアウターゾーンなのか」
小畑が何気なく口を開く。別に何を意図してでもない。
藤崎「なるほど蝶の夢を見ているつもりが、
   本当の自分は実は蝶で、人間の夢を見ているのではないかという哲学的な・・・・
   ええ〜〜〜〜い!どうでもよいわ〜〜!!」
光原「そ、どうでもいいのよ本当の姿なんて。あなたの言う通りね。
   ということで今まで通り『女』を演じさせてもらうわ」
何か腑に落ちない藤崎だったが――
藤崎「勝手にしてくれ・・・」
光原「ふふふ、さしずめあなたに対してはダッキちゃんを演じさせてもらうわ」
藤崎「・・・わしを弄んで楽しむつもりかい」

107 :訪れし者は・・・?:03/12/11 19:32 ID:WrInYIuZ
小畑「そろそろ本題に入ってもらおうか。もともとそのために来たんだろ?
   『困ったこと』とは一体なんだ」
エスプレッソを一口啜り、あくまで光原を警戒したまま尋ねる小畑。
藤崎は固執しているが、光原の本当の姿など自分には関係ない。
重要なのは『こいつが何しに現れたのか』ということ。
それは聞いて置いたほうがいい、と思った。
光原「そうね、最初は1、2レスで終わる予定だったけど脱線してしまったわね。
   本題に入るわ」
光原はカップを置くと二人に向き直る。
小畑も藤崎も心なしか緊張した面持ちで光原の言葉を待った。

光原「・・・実は私が開けた『九竜神火罩』のセキュリティホールを介して、
   真島と接触を持った者がいるのよ」
藤崎「は?なに?私が開けた?
   私が開けた『九竜神火罩』のセキュリティホールと言ったかおぬしぃ〜〜〜!!」
藤崎は面食らった。
あの時『化血陣』の中で何もしていないはずはないと思ったが、まさかそんなことをしていたとは・・・
小畑「落ち着け藤崎君!俺も何かしているだろうとは思っていたが・・・
   今重要なのはそこじゃない・・・重要なのは――」
光原「接触した人物が『誰』で『何』をしようとしているのか。
   やってしまったことは仕方ないわ」
藤崎「おぬしが言うのかそれを・・・
   どうやって仙界最硬の『九竜神火罩』に細工したのだ!言え!言うのだ!!」
光原「私は真島の封印を不完全にすることによって、
   真島に勝ったつもりのあなたたちが右往左往する姿を見て楽しむつもりだった。
   事実、私の思惑通り真島はその『穴』を通して召喚獣を操り『魔王の欠片』収集を続けている」
藤崎「・・・シカトかい」
光原「当然、逆に真島と接触する奴がいるとは思ってたけど、
   正直こんなに早く奴等が動くとは予想外だったわ・・・」

108 :訪れし者は・・・?:03/12/11 20:16 ID:WrInYIuZ
光原「接触してきた相手に動けない真島が何を求めるのか――」
そこで光原は言葉を句切り紅茶を口にする。
光原「・・・自分の体を自由にすること――つまり藤崎先生の抹殺。
   ついでに『帰書文』からの開放も望むかもしれない――小畑先生の身も危険ね。
   間違いなくあなた達に刺客が送られてくるわよ。
   接触した相手本人、あるいはその息のかかった者が――」
小畑・藤崎「!」
小畑「真島の封印を不完全にしておいて・・・言ってることが矛盾していないか?
光原「キユ様があなた達をスカウトしたいと言っていたのは本当よ。
   だからあなた達が死ぬ可能性が高くなるのは望むところではないの。
   真島自身が直接攻撃してくるのならば問題はなかった。
   確かに真島は強力な力を持っているけど、小畑先生と藤崎先生ならば十分に切り抜けられる。
   なぜなら彼の弱点は――」
藤崎「その知能の低さだのう。奴の行動は常に穴がある」
光原「その通り。圧倒的な力でねじ伏せるだけが戦いではないわ」
小畑「――!そういうことか・・・つまり真島に接触した相手と言うのは――」
光原「真島並の力を持ちつつ、知略に長ける相手。そいつらは――!」
突然光原が立ち上がる。この慌て振り、何かを察知したようだ。
光原「 遅 か っ た 」
藤崎・小畑「・・・・・・・・・・」
しばし沈黙が流れる。
やがて光原はテーブルの二人を振り返り――
光原「じゃ一応警戒するようには言ったから、後はがんばってね」
そう言うと光原の姿は現れた時と同じように唐突に消えた。
藤崎「待てーーーーーぃ!!不安な言葉を残して消えるでないーーー!!」
小畑「と、とりあえず店から出よう。他の客達も巻き込むことになってしまう」
藤崎「あのタイミング・・・あやつ、追い詰められたわしらを観察して楽しむつもりだな・・・」
二人は勘定(予想通り光原の分も含まれていた)を済ませ店を出る。

店を出ると藤崎は空を見上げて呟いた。
藤崎「空が狭い・・・・・・」

109 :訪れし者は・・・?:03/12/11 20:33 ID:WrInYIuZ
光原「みなさん、こんにちは。
   アウターゾーンの案内人・光原伸です。
   藤崎先生と小畑先生の下に刺客として訪れし者は・・・?
   はたして誰でしょうね?
   真島の配下?
   CLAMPの配下?
   それとも本人?
   あるいはまったく別の誰か・・・
   その答えは『アウターゾーン』の彼方・・・
   あなた達によって示されるでしょう。
   それにしても藤崎先生の呟いた『空が狭い』
   原作では現れたのはあの人でしたね。
   この『スレ』でははたして・・・?」

110 :ここが世界の最果てだ:03/12/11 21:11 ID:G5q0MmP6
そこは、広大な空間だった。
何もないだだっ広い空間に、三人の人影が脈絡もなく、いきなり放り出された。
??「う わ ぁ ぁ ぁ ッ !!」

        ベ   シ  ャ  ン  !!

悲鳴じみた叫びと、重い物体が床に激突する音が、連続した。
??1「い…痛たたた………って、ここは!?」
したたかに打ちつけた尻をさすりながら、小柄な影は怪訝そうに呟いた。
??2「チッ、ワケのわかんねえとこに迷いこんじまったな…」
背の高い影が、その悪魔のような風貌をさらに歪めて吐き捨てる。
??1「あ、稲垣。僕達、生きてんのかな?」
稲垣「当り前のことぬかすな、この糞(ファッキン)チビ!!」
背の高い影――稲垣が、相棒の小柄な少年――村田に言う。
二人はお互いの無事を確認してから、周囲を見渡す。
すぐ近くに、気絶している石渡治の姿があった。
三人を『誘拐』した、刃森の姿はどこにも見当たらない。
村田「石渡さんも無事みたいだね。でも、ここはどこだろう?」
稲垣「俺に聞いても分かるわけねえだろ。しかし……」
あらためて自分達の置かれた状況を確認し、その異様さに稲垣はゾッとする。
正真正銘、何もない空間。どこか未来的な、ドーム型の広大な広場。
稲垣「何か知らんがヤバい臭いがプンプンしやがる……それでいて気配ひとつ感じねえ……この状況は危険だぜ」
機関銃の安全装置を外し、村田と背中合わせになり、臨戦体勢に入る稲垣。
こんな状況下にあって、いまだに呑気に気絶している石渡に、稲垣は舌打ちする。
苛立ちを隠すように、稲垣は叫んだ。
稲垣「おい、誰かいねーのか!? この糞ヤロー共!!」
そう叫んだ、そのときだった。
??「これは失礼した」
慇懃な声と共に、奇妙なグラスをかけた白衣の男が現れた。
木城ゆきとである。木城は言った。
木城「ようこそ、我らが居城、この世の最果てへ」

111 :ここが世界の最果てだ:03/12/11 21:48 ID:G5q0MmP6
木城「はじめまして。私は、KIYU様に付き従う者、木城ゆきとと言います」
稲垣「俺は、稲垣理一郎だ」
いきなりスライドしてきた床から現れた木城に、稲垣が名乗り返した。
木城「存じてますよ。そちらの相方は、村田雄介先生。アイシールド作者のお二方ですね。
   若手のジャンプ連載陣のなかでは、まぎれもなくトップクラス」
稲垣(武器は持ってねえみてえだな……)
油断なく銃口を構えながら、稲垣が聞いた。
稲垣「それより、KIYUとか言ったな……そりゃもしかして『あの』KIYUか…?」
村田「もしかしなくても、他にいないじゃんよ〜〜」
集英社の悪夢、KIYU。その眷属を名乗る木城。緊張が高まる。
木城「おっと、そう緊張しないで下さい。実はですね。
   貴方がたが来てしまったのは、こちらのミスでして…」
稲垣「ミス?」
木城「はい。今回、来ていただくのは、石渡さん、おひとりだけのはずだったんですよ」
稲垣「石渡?」
木城「はい…!?」
そこまで言ったとき、木城は異常に気付いた。続いて、稲垣たちも。
先程まで気絶して倒れていたはずの石渡が、いつの間にか忽然と消えている。
では、石渡はどこへ――?

??「動くな」
冷たい、声がした。木城の背後から。
次の瞬間には、木城は後ろから、腕をねじ上げられていた。
??「ハロー」
背後に立つ、軍服の男が言った。台詞とは裏腹の、冷たい気配。
いつの間にか、石渡治が、木城を制していた。
石渡「質問に答えてもらおう。なぜ、俺を狙う? 何が目的だ?」
冷え冷えとした殺意を滲ませながら、石渡が言った。

112 :ここが世界の最果てだ:03/12/11 22:05 ID:G5q0MmP6
村田「い…いつの間に?」
稲垣「ヤロー、わざと気絶したふりして、隙をうかがってやがったな」
石渡の迅速な行動に、感嘆する村田と、舌打ちする稲垣。
二人をいっこだにせず、石渡は尋問をつづける。
石渡「答えろ。なぜ、俺を狙った?」
ねじ上げられる腕の痛みに冷や汗を浮かべながら、木城が答えた。
木城「いえ、誤解しないでください。貴方に危害をくわえるつもりはありません。ただ…」
石渡「ただ?」
木城「貴方の裡にある、『ある物』が必要なのですよ」
石渡「ある物?」
そのとき、木城はふっと笑みを浮かべた。
木城「魔王の欠片……」
石渡「!?」

稲垣「おい、気をつけろ! やべえぞ!!」

稲垣が叫ぶのと同時、凄まじい振動音が空間をつんざいた。

         ヴ   ン   ン   !!!!

石渡「!!!」
刹那、とてつもない振動の塊を身体の一点に叩きつけられ、石渡が吹っ飛んだ。
壁に叩きつけられ、そのまま床にくずれおち、動かなくなる。
かろうじて生きてはいるようだが、その全身は瞬時にズタボロにされていた。
ねじ曲げられていた腕をポキポキと伸ばすと、一息ついた後、木城が呟いた。
木城「用心深いのはいいですが…私なら敵かも知れない者に、いきなり触れたりしませんけどね」
稲垣「糞ヤロー!!」
即座に、稲垣が銃口を木城に向け、引き金を引き絞ろうとした瞬間。
四角いゼリー状の物体が、稲垣と村田の身体を包み込んだ。

113 :ここが世界の最果てだ:03/12/11 22:23 ID:G5q0MmP6
木城「周波衝拳(ヘルツェアハオエン)……かなり手加減したのですが、一撃とはね。
   やはり、先の戦いで、すでに相当のダメージを負っていたようですね。
   ま、私の腕をひねりあげた罰とでも思ってください」
ピクリとも動かず、今度こそ完全に気絶した石渡を見下ろし、木城は呟いた。
木城「ですが、おかげで仕事はラクでした。『魔王の欠片』のひとつは我が掌中に。そして…」
暗い笑みを浮かべながら、木城は言う。
木城「『ツヴァイ』で突き抜け、週刊サンデーを追い出された貴方もまた、
  『つきぬけし漫画家』としての才能を持っている……貴方自身も私達は欲しい。
  貴方は、私のいい『患者』になってくれそうですね」
そう言うと、木城はゼリー状の物体に閉じ込められ、動けなくなっているアイシールドコンビの方に歩み寄った。
村田「うわああ、なんだこれ!?」
稲垣「糞、動けねえ!!」
うろたえる村田と、毒づく稲垣に、木城は説明する。
木城「この物理的強度もさることながら、攻性ナノマシンのエネルギーを奪い、
   活動速度を一万分の一にしてしまう、対ナノポリマー。内側から破ることは不可能です」
稲垣(完敗だ…手も足も出なかった……!! こんなマヌケなポーズで…糞!!)
木城「先程も言った通り、貴方がたはただの漫画家。我らには不要な存在。魚の餌にでもなりなさい」

その宣告を最後に、キューブに封印された稲垣と村田は、排出穴から海面に吐き出された。

114 :華麗なる乗っ取り:03/12/11 22:34 ID:R+PvF9rq
??「矢吹君、矢吹君」
矢吹「あれっ、まだ居たんですか?『N星人』さん。」
N星人「いや、さっきまで別のところに飛んでたんだが戻ってきたんだ。まだまだ君のことが心配なんだよ。」
矢吹「大丈夫ですよ、何せ『万物の創造主たる矢吹健太郎』の作品は『全てオリジナル』なんですから。」
N星人「それがわかれば十分だよ。
    それより矢吹君、さっき『カレー』がどうとかと聞こえなかったかい?」
矢吹「ああ、それなら球場のほうでカレーを振舞ってる人が居るんです。
    私もさっき御馳走になりましたよ。」
N星人「なにィィィ?」
矢吹「どっどうしたんですか?」
N星人「矢吹君、私はカレーがすきだ。
    矢吹君、私はカレーが好きだ。
    矢吹君、私はカレーが大好きだ…」
矢吹「えっ?」
N星人「きのこカレーが好きだ、グリーンカレーが好きだ、カシミールカレーが好きだ。
    というかカレーならなんでも好きだ…」
矢吹「なんなんですか、いきなり…」
N星人「矢吹君、私はそのカレーが食べたい。」
矢吹「えっ?」
N星人「そうだ!矢吹君、少しきみの体を借りよう。」
矢吹「ぇえ え っ ! ? 」 

次の瞬間、矢吹の意識は深い闇の中へと沈んでいった。


115 :作者の都合により名無しです:03/12/11 22:42 ID:ji+dJjgg
>>114
こういう、脈絡もなく突然巻き起こる意味不明な急展開は大好きだ!

116 :作者の都合により名無しです:03/12/11 22:49 ID:yoxuDV5R
カレー魔人キター(゚∀゚)マッテタゼ

117 :フィールド・オブ・トキワ荘:03/12/12 13:58 ID:X4aDrhmw
宇野はKIYU陣営と戻る為、バイクを走らせていたら、ケルベロスからの通信が入った。
熊谷『宇野、大変だ!』宇野「どうした?」
熊谷『平野がDVD見て、雑草取って、机を置いて世界の危機なんだ!』宇野「………は?」
有賀『わかりやすく言うとな……。』
横から割って入った有賀が説明した。

少し前
有賀「フィールド・オブ・ドリームスか……それなりに楽しめたな。」
トイレでうんうんうなっている三峯を除き、ケルベロスは映画を見ていた。
熊谷「暇つぶしにはなったな。平野……平野?」
なにやら変な雰囲気をかもしだしつつ、平野はふらふらと歩き始め、それにつられるかのようにケルベロスはぞろぞろと移動し始めた。

矢吹艦公園
ぶつぶつと言いながら、平野はなにやら公園の芝刈りを始めた。
高橋「………何をするつもりなんだ?」
気になって、有賀がちょこちょこと近づいてみると、平野はぶつぶつと何かを喋っていた。
平野「手………藤………石………。」
そう言いながら、切り開いた草の上に机を置こうとする。
有賀「 ア ト ミ ッ ク フ ァ イ ヤ ー ! ! 」
次の瞬間、有賀の腕から灼熱の息吹が発せられ、机を焼き尽くした。
平野「何をするんだ!!暑いじゃないか。」
有賀「>>3のルールに思いっきりぶつかるような真似は止せ!」
平野「ここでは無理か……ならば他の場所でやらせてもらおう!」
次の瞬間、平野の姿が消えた。
熊谷「しまった!」
有賀「安心しろ!発信器をうちこんどいた!何処にいるかすぐわかる!」
高橋「準備が良いな。では早めに追いかけるとしよう。」
そこまで言うと、ケルベロス勢は反応を追って矢吹艦を追いかけ回す事となった。

有賀『と言う事だ!お前も手伝え!』
その声を聞いて宇野は頭を抱えた。どうしてこう問題を起こす事が上手いのだろうかと。

118 :華麗なる変態:03/12/12 17:22 ID:DG/ZPcxf
N星人にのっとられたサングラスの男――矢吹。
選手・関係者用の通路をふらふらと歩き、元いた三塁ダグアウトへと向かう。
しかし・・・最後の扉を開ける事はできなかった。
壁一枚隔てた向こうにカレーの楽園があるのに!
扉の隙間からえもいわれぬ方向が鼻腔をくすぐるのに!
邪魔するものは二匹の狼、覆面を被った変態筋肉野郎ども!!

狼の片方・・・レスラースタイルで自前のチャンピオンベルトを巻き、
白地の額に「しっと」の文字、赤い炎をかたどった模様を両目の周りに入れたマスクの男。
奴が楽園の向こうに飛び込まんと扉を開けようとすると、
もう片方の狼・・・女物のパンティの股間部分を鼻の上に回して被る究極の行為を、
さも当然のように行う変形ブリーフ(ちまき絞り)と編みタイツの男。
 
 「ひどいやおたんちん!どーしてもワシのカレーパラダイスを奪うつもりだなキサマ!!」
 「悪党に帰る楽園などない!帰るのはこの私の母なるおいなりさんの中だウェルカム!!」

しっと一文字のマスクを被った男――松沢夏樹。
なぜか吉崎観音♂のパンツを被った男――あんど慶周。
N星人が嫌そう〜〜な目で睨むのもいとわず、彼らの戦いは始まった・・・!

 「先手必勝!食らえ変態秘奥義・マッハスピーンバンデージ!!」
いつの間にか手にした荒縄の端を腰に巻きつけていたあんどが、縄のもう片端を松沢に向かって投げる。
先端におもりがついており、松沢の首から上にグルグル巻きつく。「な、何を!?」
松沢の質問には答えずあんどはフィギュアスケート選手ばりに回転し縄を巻き上げる!
一瞬にして距離が縮まるあんどの腰と松沢の顔!
 「うぎゃああ!?」「哈っ!」 ギュルルル―― ガシィィッ!!
慣性の法則でしばらく松沢を腰正面ぶら下げながら回転するあんど。やがてゆっくり静止する。
ぶらんと垂れ下がる松沢。あんどは勝利を確信し勝ち名乗りを上げようとした・・・しかし。

119 :華麗なる変態:03/12/12 17:24 ID:DG/ZPcxf
どこからか聞こえる・・・謎の、声。
あんどは胸と腰を突き出したセクシーポーズを解除し声の元を捜す。
声は小さく、呪詛のうめきのようだ。
ぶつぶつ・・・ぶつぶつ・・・声は徐々に大きくなってゆく。
 「そこか!」あんどがガバッと顔を自分の股座に近づける。荒縄の下から聞こえる――それは!

 アニキ  アニキ  アニキアニキ  アニキアニキアニキアニキ  「アニキあにき兄貴ィィ―――――!!!」

松沢夏樹!! 「何ィ!?変態秘奥義を食らってなお意識を保つかっ!?」
あんどは腰を前後左右に揺さぶって松沢の首を絞めにかかるが、声は大きくなる一方。
焦るあんどに向かって伸びる松沢の太い両腕!あんどの腰に回り“熊殺し!の体勢に入る・・・
と思いきや、松沢は自らあんどのちまきを自らの顔に押し当てる!
 「な!?自ら死にに来たかしっとの王よ!」ならばとばかりにあんどは床を蹴り、
全体重を松沢の首にかけて且つ太ももを締める。荒縄とのダブルコンボに常人ならとっくに瀕死だ。
しかし突然あんどが苦しみ始めた。荒縄からプスプスと煙が出始める。縄が燃えたのだ!

 「しっとの心は父心!しっとマスクスーパーモォォーード!!」松沢の目から炎が発した!
 「ぐわぁぁーー!」荒縄が一瞬にして燃え尽き、あんどは熱さにたまらず首から足を離す!
床にダンッと背中を打ちつけ、あんどは目の前でしっとの炎を燃やす男が只者でないことを知る。
なぜこの男には秘奥義が通用しない?たじろくあんどの前に炎のオーラをまとった松沢がにじり寄る。
 「よくもやってくれたな・・・」炎をまとった狂人は姿勢を下げると一呼吸であんどの懐に潜る!
 「クッ、疾い!!」とっさに空手蹴りを出すもあんどの右足首は松沢の左掌に収まりそして――

松沢、頬を赤らめ、あんどのおいなりさんを・・・自ら撫で回す!!
 「いいモン持ってるじゃねえッスか・・・兄貴☆」三日月のように反り返る松沢の微笑んだ瞳が潤む。
そう、ヤツは精神の一定ラインを超えるとオナゴ好きからアニキ好きモードに変化するのだっ!!
変態秘奥義は却って逆効果なのだっっ!!

 「来やがれ兄貴!あんたもカレーもこの拳で手に入れるゥ!」「くぅっ、この真性変態め!」

 (どっちもどっちだ)扉近くで立ち往生する、N星人は心でツッコミを入れた。

120 :餓狼伝AIR:03/12/13 00:56 ID:+C9dfbCp
それは、異様な闘いであった。
これまで、誰も見たことのなかった闘いであった。
その闘いは、様々なものを、それを観た人間たちの心にもたらした。
嫌悪。
興奮。
夢? 
悪夢。
熱狂。
拒否。
観た人間が、心に抱いている闇、あるいは宗教、あるいは信念。
あるいは遠い昔に捨て去った夢。
それが何であるかで、そのもたらされたものは様々であった。
しかし――
唯ひとりの例外なく、おこったことがあった。
それは、その闘い、あるいは事件を目撃した者の心に、それが、石にうがたれた弾痕のように、一生消えぬものを刻みつけたということであった。

 「華麗な空中殺法もしめェだなァ。ああ?」
ピンク色の肉の覗く、切れた唇に笑みを作りながら、板垣が言った。
 「俺のこれからの攻撃は左脚に集中するだろうし、残る右足ももらうつもりだ。ここからは地獄だぜ……」 
そろり、と板垣が囁いた。
 「やさしさのつもりか?」
 「やさしくはねぇだろう。『狙う』と言ってるんだからな」
ヨクサルが、板垣を睨んだ。暗い淵を思わせる、瞳であった。
 「ケンカ好きの不良(ガキ)やチンピラがキレてるのとはワケが違うよな。
  俺をここまで引っぱったのは、ゆでたまごとオマエだぞ」
 「――」
 「オレの頭の中が、今、どうなってるか見せてやりたい…オレの頭ン中、想像してみろよ」
 「――」
 「今  こ の 状 態 で  左 脚 が 何 だ っ て ?」


121 :餓狼伝AIR:03/12/13 00:57 ID:+C9dfbCp
 「超美人100人だって、いずれババァ100人だ。旬は逃すな。もう長生きなんて、いらん」
己の言葉に煽られたか、ヨクサルの内圧が高まっていく。
 「“今の俺”に会えた。おまえは、幸せモンだ。理性を一つだけ残すなら」

  “ 板  垣   お  ま  え  を  倒  す ”

 「残りの理性がもどってこなくても 俺は  “俺 に な る”」
ヨクサルが言った途端に、
ふうっ、
と、ヨクサルの肉体から、気配が消えていた。
 「行け、オレ…」
強い笑みが、ヨクサルの唇に浮いていた。
つ、
つ、
つ、
 と、心もち足をひきずりながら、しかし左のアキレス腱をやられているとは思えぬ足どりで、ヨクサルが、前に出てきた。
ヨクサルは、すうっと風に乗るように、前に出てきた。
間合いに――
入るその寸前に、
 「てえっ!」
気合いと共に、板垣は、右足で前蹴りにいった。
当らない。
右足が空を、切った、
とん、
と、懐に入られていた。


122 :餓狼伝AIR:03/12/13 00:58 ID:+C9dfbCp
板垣は、驚愕していた。
まるで、これは――
羽毛のようではないか。
微風の中にある羽毛を蹴りにゆくと、蹴りにいった足の巻きおこす風に乗って、羽毛が動いて足には当らず、かえって内側に入り込んできてしまう――
それに似ている。
左右の肘。当らない。
ふっ、と板垣の顔が沈んで、板垣の身体がヨクサルの身体に密着していた。
滑るような迅さで、ヨクサルの背後に回る。
太い蛇が、ヨクサルの顎の下に潜り込んだ。
首を極められた。
ヨクサルが、首を極められた途端に、回転(まわ)った。エスケープ。
衝撃。
肘。
それが板垣の頬にヒットする。
倒れない。
板垣が、血の塊りと一緒に、白い歯を地面の上に吐き出した。
一瞬のその隙に合わせ、ヨクサルが前に踏み出した時――
逆に、板垣もまた、逃げずに、ヨクサルに向かって肘を打ち込んできているではないか。
なんという衝撃。
めちっ、
と、鼻が潰れた。
止まりかけていた鼻からの血が、それでまた激しく流れ始めた。
鼻での呼吸ができない。
糞。
鼻の奥にからんでいるものを、鼻からの息で、外に出す。
右の鼻の穴から、ずるりと出てきた大量の血が、床の上に音をたてて落ちた。
赤い、というより、どすぐろい、半分塊りかけたゼリー状の血だ。
観客が、可愛い悲鳴をあげる。
板垣の服も、ヨクサルの服も真っ赤だった。


123 :餓狼伝AIR:03/12/13 00:59 ID:+C9dfbCp
入った。
入れられた。
いい角度だ。
鼻頭がかっと熱くなる。
どうだ。
まだだ。
ならば、もうひとつの肘を。
同じ手を続けてくうほど間抜けじゃない。
かわされた。
かわした。
いかん。
懐に入って。
入られた。
顎に。
板垣の顔が、一瞬天を向いた。懐に入りざま、ヨクサルの右肘が、真下からその顎をとらえたのだ。板垣の身体が、後方に傾いてゆく。
 ああ、天井が見える。危ない。このまま仰向け倒れたら、マウントをとられてしまう。床に後頭部を打ったら、一瞬、隙ができてしまう。だから、そうなる前に、右手を先に床について、衝撃を柔らげてやらねば。
しかし、今、天井に向かって登ってきたものは何だ。今、自分の視界に入ってきたあれは? 踵だ。誰の? おれのじゃない。とすればあれは、ヨクサルの踵ということになる。
それが天井いっぱいにまで登りきり――どういうことだ、その踵がおれの上に落ちてくるじゃないか。おれの顔へ。
そうか。仰向けに倒れてゆくおれの顔面を追って、凄い勢いで、ヨクサルの踵が打ち下ろされてくるところか。あんなものを顔面にくらってしまったら、もう、自分は立てないだろう。
いけない。どうすればいいのか。このまま顔面に足の踵を打ち当てられ、そのまま踏みつけにされてしまうじゃないか。
あの踵と、床との間に、おれの頭部が挟まれることになるのか。そうなったら、場合によっては、死をも覚悟せねばならない。いや、死を覚悟することはできない。覚悟したら、助かるものも助からなくなる。
 「ぬわっ!」
板垣は声をあげた。


124 :餓狼伝AIR:03/12/13 01:00 ID:+C9dfbCp


顎に。
入れてやった。
肘を。
やつが顔面を天井に向かってさらけ出し、仰向けに倒れ込んでゆく。
チャンスだ。
その顔面に、真上から踵を打ち下ろしてやる。
踵で蹴り下ろし、さらに加速がついて床に後頭部を打ちつけたやつの顔を、そのまま踏み潰してやれ。
いいぞ。
ヨクサル。
このやり方なら、一発でカタがつく。
足を上に蹴りあげ、次に踵を、やつの顔面に向かって打ち下ろしてやるんだ。
どうだ。
ほら。
顔に――
もう、ヨクサルの踵がぶつかる。
おれの仇。
山口の仇。
踵が、やつの鼻骨を陥没させるかと見えた時、
 「ぬわっ!」
やつが声をあげた。

板垣は、右腕で頭部をかばいながら、倒れる途中で身を反転させた。
 「ぬわっ!」
恐怖のため、背中の筋がひきつっている。
頭部を庇った肘に、踵が当る。
横身になって、左肩から床の上へ倒れ込んだ。



125 :餓狼伝AIR:03/12/13 01:11 ID:+C9dfbCp
強い衝撃。
いけない。
このままでは、ヨクサルが、自分の上に馬乗りになってくる。
仰向けになって、ガードポジションを取る体勢にならなければ。
そして、仰向けになった時、板垣は見た。
今、まさに、自分の顔面に対して踵が凄い勢いで打ち下ろされてきているのである。
おかしい。
さっきかわしたはずなのに。
凄い勢いで、一瞬のうちに思考が疾り抜ける。
さっきのは、捨て技か!?
二度目のこの踵が本命だったのか。
顔面に、強い衝撃があった。
めじっ!
という音が、響く。
暗黒。
意識を失っていた。
それも、一秒かそこらだ。
しかし、その間に、おれの上に跨がっている者がいる。
いつの間に、こういう体勢になったのだ。
ヨクサルが、おれの上でマウントを取っているなんて。
拳が、板垣の顔面に向かって打ち下ろされてきた。
一発。
二発。
三発。
四発。
五発。
六発。
七発。
八発。
九発……
無限に続く、圧倒的な散打だった。

126 :餓狼伝AIR:03/12/13 01:42 ID:+C9dfbCp
大方、勝負は決したかのように見えた。
血まみれのヨクサルに、一方的にぶちのめされる板垣。
そのとき、板垣の口から、血混じりに弱々しい声が紡がれた。
 「もう、やめ……」
そう言ったときだった。
一刹那の間。
確かな、空白。
その隙を、板垣の狡猾なる戦闘脳は見逃さなかった。
ヨクサルの顔に平手を押し当てる。
ヨクサルは、口の中に、冷たい金属の感触を感じた。
4,5個の、何か小さくて細い、棒状の金属。
――何だ!?
その瞬間、ヨクサルの視界が、恐ろしいスピードで回った。
板垣の腰が、爆ぜた。
そう思えるほどの、驚異的なバネであった。
ヨクサルの身体が、宙に弾け飛んでいた。
顔面に、掌が添えられる。
まわっている。
まわっている。
まわっている。
まるで、宇宙飛行士の無重力訓練のように、ヨクサルの身体が空中で、高速で回転していた。
おそろしい光景だ。
激しく流れゆく視界の中に、板垣の右足の踵が落ちてくるのが見えた。
死!?
その瞬間、ヨクサルは死を予感した。
板垣がヨクサルの顎を真上から踏み抜いた。
遠心力を最大に生かして、硬い床の上へ。

        バ    ァ    ン   !!!!

花火にも似た、凄まじい残響音がこだました。


127 :作者の都合により名無しです:03/12/13 11:33 ID:dT8EO2tL
板垣が武器使っちゃったか…。
なんか違和感あるなぁ。

128 :餓狼伝AIR:03/12/13 12:14 ID:+C9dfbCp
場内は、痛いほどに静まりかえっていた。
目の前で起こった惨劇が、いまだに信じられないのだ。
仰向けに横たわったヨクサルの顔面から、ブスブスと白煙が吹きこぼれている。
ヨクサルの口に放り込まれた物は、拳銃の銃弾であったのだ。
板垣は、漫画家であり、格闘家であると同時に、戦争屋でもある。
作業用のナイフ。記念品としての銃弾。
そのようなものは、今でも持ち歩いている。
しかし。
それを戦闘に使用したことは、かつて一度もありはしなかった。
素手のみで戦闘し、素手のみで完勝する。
それこそが、板垣の誇りであり、生き方であった。
なのに。
俺は、何をした!?
いかに追い詰められていたとはいえ、板垣のやったことは許せるものではない。
誰が許さないのか?
今さらながら、漫画家同士の闘いにルールなど、ない。
刃物、重火器、魔法、超能力、ギャグ……すべてOK。
ルールを決めるのは、闘っている者同士なのだ。己の中の規範が、ルールを決めるのだ。
板垣の場合、それは“素手である”ことであった。
素手。格闘。
いかなる不条理、非現実、超常的な能力を相手にしようとも、自らは素手。
それが。
なんだ、この様は。
神々しい闘いを。至福の一時を。
俺は、最低な方法で終わらせてしまった。
 「ファイトじゃない……殺し合いなんだよ」
吐き出された言葉は、虚しかった。
己の誇りを汚してしまった。神聖な闘いに、泥を塗ってしまった。
板垣は、泣きそうな顔をしていた。
そのとき。
死体のように横たわるヨクサルの指が、かすかに、動いた。

129 :朝から大騒動:03/12/13 21:36 ID:yJ8bq8Wa

 「オカノ君、どーした?」
 「いや・・・レダルーバが海中で変なものを食べたとか霊波が来てな」
 「変なものぉ?好き嫌いがあるのかこの蟲わ」
 「大方、船の残骸や漂流物やらを口に入れてしまったのだろう。艦に戻って取ってやるか」


矢吹艦。平和な朝のひとときを、けたたましいサイレンがかき乱す。
今度は消防車やパトカーも混じっている。騒音はまっすぐ空港へ向かう。
窓の外を眺めていた乙は、空港の方向から黒い煙が立ち昇っているのを見た。
 「物騒だなあ・・・また船の方で事件とかなければいいけど」
乙のいる病院からも救急車が数台飛び出した。
その中に眼鏡をかけた少年探偵がいるのを乙は知らなかった。

無敵戦艦無礼ド内医務室。
山田医師の治療を受けていた草場道輝と橋口たかしは、
やっと意識を取り戻したらしくそれまでの経緯の説明をベッドの上で受けていた。
 「はぁ、なんだかわからんけど・・・ありがとうございましたぁ」呑気な顔と声の草場。
 「フン、この私ともあろう者が不意打ちで瀕死とは。精進せねばな」しかめっ面で呟く橋口。
山田はにこやかな顔で彼らの容体をチェックすると、2人に外出の許可を出した。

2人は無礼ド内の通路に出たが、よく考えたら初めての場所。
どこに何があるのか全然わからない。とりあえず近くの窓から外を覗く草場。
 「はー広いなあ、あっちこっちに飛行機があるぞ。おや?橋口君ちょっと」
チョイチョイと橋口を引き寄せる。嫌そうな顔で草場の視線を追う橋口。と。
 「ふむ火事ではないか。多くの人間が火事場に向かっているな。
 ここからだとまるで人がゴミの(ゲフンゲフン)や、物騒だな」なぜか言葉を濁す橋口。
ふと気づくと先ほど別れた山田が医療器具を担いで慌ててこちらに走ってくる。

 「2人とも、一緒に来てくれないかい?空港近くの派出所付近で、
 原因不明の大爆発が起きて・・・近辺の医師に協力要請が出た。人手が必要なんだ」
草場と橋口は顔を見合わせた。物騒な、話だ。

130 :餓狼伝AIR:03/12/13 22:10 ID:+C9dfbCp
まったく素晴らしい。闇の中で、俺は思った。
俺は、俺の中に、自分では押せないスイッチを持っている。
そのスイッチが押されると、俺は愛したいのに――
相手はみんなぶっ飛んでた。
嫌な事、全部忘れられるなら、それがいい。
人生をリセットできるなら、もっといい。
だけど――
嫌な記憶ほど、結び目がしっかりした。
 「鯉のぼりのようにハタハタとついてくる」
騒ぐ声が聴こえた。うるさい。俺の声が、聴こえじゃないか。
 「でも――」
俺は、相手を見た。俺を、唯一、満足させてくれる男を。
 「板垣は、俺をぶっ飛ばす事ができるんだ」

観客が、轟々と、騒いでいた。
顔面を火薬で吹き飛ばされ、顔の半分近くは焼けただれ、血まみれとなったヨクサルが、立ち上がっていた。
ゾンビのように立つヨクサルを、板垣は驚嘆しながら眺めていた。

ヨクサル。
おまえに、心から感謝したい。
よくぞ、立ちあがってくれた。
あのまま立ち上がってくれなかったら、俺は、この闘いに悔いを残すところだった。
最悪の、ぎりぎりの、一歩手前で、おまえは救ったんだ。
俺を。
そして、この闘いを。
そんな、おまえの克己心に、愛すら感じる。
俺が女だったら、今すぐでも、おまえの前に足を開いているところだ。
だが、知っているだろう、ヨクサル?
好きな相手とだって、おれはこういう場に立てるんだってことを。
再び訪れた、至福の時間に、板垣は震えた。

131 :餓狼伝AIR:03/12/13 22:10 ID:+C9dfbCp
板垣の顔から、すうっと表情が消えていった。
気持ちが悪いくらいの、無表情になった。
乾いた眼で、ヨクサルを見た。
板垣が、背を向けた。
地を、蹴る。
同時に、ヨクサルが身を沈めた。
その頭上を、とてつもない勢いで、風圧がかすめていく。
ソバット。
粗い。
ヨクサルは、そう判断した。
頭で考えたのではない。
それは、肉体の意志だ。
刹那のひらめき。
着地際に、ヨクサルが仕掛けようとした。
動きが、本人の意思とは関係なく、止まった。
何が、あったのか!?
足の甲だ。
その部分を、板垣の右足の踵が、ごりん、と縫い止めている。
大雑把から、いきなり小技かよ。
思考したときには、ヨクサルは動いていた。
板垣の腕をかいくぐり、懐へ。
!??
ヨクサルの身体が、舞っていた。
投げられていた。
懐に入り込む勢いを、そのまま逆用されたのだ。
背に、衝撃。
フェンスの、それもかなり高い位置に、投げつけられたのだ。
重力に引かれ、ヨクサルの身体がずり落ちていく。
それが、止まった。
板垣の拳が、ヨクサルの身体を、フェンスに釘付けにしていた。


132 :餓狼伝AIR:03/12/13 22:12 ID:+C9dfbCp
凶暴な、風。
暴風のように、板垣の異様な肉体が疾った。
凶暴なエネルギー。
高圧の爆発。
そういうものを止めるのは、もはや、技術ではなかった。
それと同等のパワーを持ったエネルギーしかそれを止めることはできない。
いきなり――
連打。
嵐のような連打。
連打。
連打。
連打。
打つ。
打つ。
打つ。
打つ。
打つ。
打つ。
打ち続ける。
打ち続ける。
打ち続ける。
拳。
シンプル極まりない、拳の連打。
拳が、ヨクサルを襲う。
拳が、ヨクサルを打つ。
その夥しい拳圧が、ヨクサルを、フェンスに釘付けにする。
ヨクサルは、ガードをした。
しかし、そのガードの上から、拳はヨクサルの身体を打った。ヨクサルの顔を打った。
ここさえ凌げれば。
しかし、板垣の連打は、長かった。
いつしか、ヨクサルは打たれるままになった。


133 :餓狼伝AIR:03/12/13 22:14 ID:+C9dfbCp
無呼吸連打。
ひたすらに全力疾走。
パンチを出し続ける。
そして、それを支える無尽蔵のスタミナ。
巨大なエンジンのように、太い板垣の上半身が動き続ける。
太い肩や、腕や、胸の筋肉が動き続ける。
怒りではない。
恐怖ではない。
板垣を動かしているのは、そのような感情ではなかった。
憎しみでもない。
哀しみでもない。
シンプルな、暴力。
純粋な暴力。
暴力の結晶体。
混ざりものがない。
他の感情は一切混じらない。
暴力への飢え。
渇望。
己れの拳が生み出す暴力に、酔う。
酒のように暴力を痛飲する。
暴力に酔う。
板垣の内部に、この暴力という灯りが、あかあかと点って、板垣自身の肉を、骨を、思想を、その内部から照らしている。
観客が、この板垣の行為に共鳴し始めていた。
板垣の肉体が発し続ける思想に、観客の内部にあるものが呼応する。
板垣によって、観客の内部から次々に引きずり出されてくるものがある。
全力で動く。
動き続ける。
その技術を越えたところにあるもの――


134 :餓狼伝AIR:03/12/13 22:15 ID:+C9dfbCp
板垣の行為は、美しかった。
板垣の闘いは、美であった。
もっと行け。
もっと。
もっと叩け。
叩き続けろ。
板垣の肉体に、観客の魂が憑依した。
板垣が表現しているものに、観客も酔った。
これは、酒であった。
板垣という酒に板垣自身が酔っているように、観客もまた、板垣という酒に酔った。
観客の騒ぎが、最高潮になった。
轟々という音をたてて、会場が、巨大なエンジンと化したように鳴り続けている。
叩く。
殴る。
叩く。
殴る。
ヨクサルの膝が曲がった。
ヨクサルの頭部が、下がってゆく。
ゆっくりと、ヨクサルの長身が沈んでゆく。
しかし、ヨクサルは、まだ板垣を睨んでいる。
血みどろの、血のぬかるみの中から、ヨクサルを見あげている。
沼の底から獲物をねらう爬虫類の眼だ。
まだ、眼が闘っている。
「ぶ ぐるふっ ぐふゥっ ふ ぐるっ」
ずたずたに千切れた顔面から、血の飛沫が泡となって吹きこぼれている。
鼻から、どろりとした血が噴き出す。
「けえっ!」
板垣は、ヨクサルの顔面に、右脚の踵を、おもいきり踏み下ろした。
フェンスが砕け、そのなかにヨクサルは叩きこまれていた。




135 :餓狼伝AIR:03/12/13 22:16 ID:+C9dfbCp
板垣が足を引き抜いた。
しかし、まだ、ヨクサルは板垣を睨んでいた。
板垣の足に、まだヨクサルがしがみついていた。
ヨクサルは、板垣の足にしがみつき、ずるずるとその身体をすべり落ちてゆく。
ヨクサルの頬が、するすると、滑らかに板垣の太股の上を滑ってゆく。
そのとき、
がちん、
と、音がした。
それは、牙が噛み合う音に似ていた。
牙が、鳴っていた。
しかし、その音はすぐに、さらなる轟音にかき消された。

ビシ…

亀裂が、走っていた。
まるで、蜘蛛の巣のように。
球場すべての床を、這うように。
その蜘蛛の巣の中心に、ヨクサルの足が陥没していた。
震脚。
八極拳における、基本の技法。
“八極”とは、“大爆発”の意である。
その爆発の、すべての起点となる火薬が、その足には込められていた。
眼光が、疾っていた。
ふいに、ヨクサルの肉体が、動いた。
板垣恵介に向かって。
正面から。
そして――
そして、山口貴由は、それを見たのであった。




136 :餓狼伝AIR:03/12/13 22:17 ID:+C9dfbCp
それは、タックルではなかった。
似てはいるが、非なるもの。
プロレスでも、アマレスでもない。
八極拳――
立ち合いで、肩から相手にぶつかってゆく、技。
いや、この時、ヨクサルがやったのは、技を超えたものだ。
武器にしたのは、拳や、足や、肘や、頭――身体の一部ではない。
自らの肉体の全てを丸ごとひとつの武器としたもの。
人の大きさをもった砲丸。
どのような技も、止めようがない。
前蹴りを出そうが、パンチを入れようが、それは受け手に向かって飛んでくる砲丸を止める力にはなり得ない。
いくら相手の肉体に、蹴りや拳が当たっても、それによって相手の骨が砕けようとも、相手の肉体――砲丸を止める力にはなり得ない。
板垣は、それを、かわさなかった。
かわせなかった。
喰らった。
背後のフェンスまで、およそ、三メートル。
その距離を、宙に浮かされたまま、板垣恵介の肉体は飛ばされていた。
渾身の力を込めた、神憑り的な柴田ヨクサルの鉄山靠だった。
これ以上はない。
よけようがない。
自分の肉体に残っている体力を、これで根こそぎ使ってしまってもいい。体力のひとしずくまで。
そういう、一撃であった。

地響きが、起こった。




137 :餓狼伝AIR:03/12/13 22:18 ID:+C9dfbCp
何かが、凄い力によって、堅いものが破壊される音。
ちぎれ、割れ、砕ける音だ。
凄い勢いで、フェンスを粉々に砕き割り、板垣がその瓦礫のなかに埋められていた。
鈍く、しかし鋭い、不気味な音。
板垣は動かなかった。
ヨクサルは、立っていた。
血みどろで、顔面を、肉体を、あらゆる部分を破壊されて、なお――
「はあああああ――」
そこで、はじめて、柴田ヨクサルは、大きく息を吐いた。
「へひい」
「はふう」
「へひい」
「はふう」
ヨクサルが呼吸を繰り返す。
その横で、山口が、小刻みに身体を震わせている。
「とてつもねえ、化物だったな…」
ヨクサルがつぶやいた。
その声が震えていた。
その通りだと、山口は思った。
しかし、その化物を倒したおまえはどうなんだとも思った。
やがて、山口は眼を閉じ、静かにヨクサルの肩を叩いた。
おまえの勝ちだ――
その声が、怒濤のような歓声に消されてヨクサルの耳にすら届かない。
観客のほとんどが立ち上がっていた。
嵐のような歓声だ。
しかし、ヨクサルは、その歓声に応えようともしない。
歓声に気づいてさえいないのかもしれなかった。

「何が起こったんだ!?」
福本伸行は、立ち上がって絶叫していた。



138 :餓狼伝AIR:03/12/13 22:19 ID:+C9dfbCp
「すげえな……あいつ」
ぶるぶると興奮で震える本宮の横で、修羅が戦慄していた。


(やるな)
蛮勇なるものでさえ、その身の震えを抑えることができない。


「いっ、板垣っ、板垣っ。 ブ っ 飛 ん だ ぞ !!!」
森と技来が、あまりにも信じられない光景に、大声をあげて吼えた。
「板垣…」
控え室のモニターで、すべての次第を観ていた福本が、ふと呟いた。
「よし、ココに行ってみるか」


「勝ったのか?」
血まみれのまま、立ち尽くすヨクサルに、山口が訊いた。
「ああ、勝った」
言ったのは、ヨクサルだ。
山口は、冷や汗を浮かべて、戦慄していた。
今までどこにいたのか分からない、富沢ひとしも戦慄していた。
「ま…しかし、ココにブチ当たった衝撃たるや…俺は好きだぜ、こういうわかりやすいの…」
砕けた壁を見ながら呟く山口の声と、ヨクサルが嘔吐する音が、重なった。
「壁に当たったのは関係ない」
「関係あるだろう」
上着を手渡しながら、山口が言った。ヨクサルが、それを否定する。
「俺の最大の勁の一撃だ。触れた瞬間に意識は頭から飛び出してる」
肩で息をしながら、ヨクサルは、動かなくなった板垣が埋まっているはずの、瓦礫の向こうを見つめていた。




139 :餓狼伝AIR:03/12/13 22:20 ID:+C9dfbCp
福本が、その場にやってきた。
森も技来も一緒だ。
「福本…」
山口が、言った。
ヨクサルが、感情のこもらない眼で、福本を見た。
「………………」
「うわ〜〜〜〜」
福本が、沈黙したまま、暗い穴の向こうを見つめた。
森が、呆れ半分、驚き半分といった具合に、言った。
そのとき。
ガラ…
瓦礫の崩れる音が、かすかに聴こえた。穴の向こうから。
動くはずはない。
もう動かない。
それが、人の肉体の常識であった。
一秒。
二秒。
三秒……
もぞり、と、板垣の身体が動いた。
瓦礫に腰かけたまま、板垣が、ゆらりと向きなおった。
暗い穴の中で、にいっと板垣が笑った。
人の常識の外に、この板垣恵介の肉体はあるのか。
他の者たちは、その光景に、ただただ絶句していた。
ただひとり、ヨクサルだけが、静謐を保っていた。
己の一撃への信頼は揺るがない。
「立てるのか?」
立ち上がろうとしない板垣に、ヨクサルが言った。
「きいたなァ……」
凄まじい笑みであった。
その笑みを崩さぬまま、板垣は、まぎれもなく、この言葉を告げたのだ。
「おまえの勝ちだ」


140 :エピローグ:03/12/13 22:54 ID:+C9dfbCp
「もう一度、戦ってくれ」
瓦礫に腰かけたまま、板垣は言った。
わずかに目をしばたかせた後、満身創痍のヨクサルが、板垣を見下ろし、訊く。
「今か」
「いや」
板垣は、かぶりを振り、
「決勝だ」
そう言った。
沈黙するヨクサルの目に、信じられないものが映った。
板垣の腰がゆっくりと浮き、揺らめきながら、立ちあがっていた。
限界まで見開かれた眼の中の、小さくなった黒眸で、ヨクサルは眼前の鬼を凝視した。
「バンチチーム」
立ち上がって、板垣が言う。
「おまえらと、決勝でまみえたい」
そろりと、刃物を抜くような、台詞であった。
その瞬間、呆気にとられていた場内の温度が、再び沸点へと達していた。
まだ準決勝も始まらぬうちから、板垣のその宣戦布告に、観客は蠢く。
板垣は、じろりと、福本を一瞥すると、その脇を通り過ぎていく。
去り際の板垣の背に、ヨクサルが言った。
「おまえは人間なのか?」
「ヒトに決まっている」
間髪入れずに答えたのは、福本だ。
しかし、板垣は言った。
「人間の域は超えている」
戦慄と、歓喜と、何か圧倒的な熱を残し、鬼は去った。
ヨクサル達は、鬼が嗤(わら)う異形の背中を、ただ見つめるだけだった。



141 :エピローグ――蠢く者たち――:03/12/13 23:00 ID:+C9dfbCp
観客席上段。
そこに、一部始終を、しかし他の観客たちとは違った視点で見つめている男がいた。
拳法着に身を包み、静謐な気をただよわせる、その男。
板垣やヨクサルが炎ならば、その男はさしずめ大気だ。
形のない、しかし確かにそこに存在するもの。
状況次第で、刃物にも、猛毒にも変化するもの。
その男の印象とは、そのようなものだ。
「あれが柴田ヨクサル……そして板垣恵介ですか。たまりませんね」
唇に、微笑をためたまま、男は呟いた。
「あの二人……ぜひ私の手で壊してみたい。私が、今より、さらに強くなるために」
男が呟きながら、踵を返した。
長髪が、なびく。
「『氣法師』としての私が、さらに高い境地に達し、『仙人』になるため……」
もう一度、球場を振り返り、男は言った。
「貴方たち二人は、私が殺します」
そして、男の姿は、大気に溶け込むように、その場から失せていた。

影船。
「結局、どっちが勝ったんだ?」
本宮が、釈然としない顔で言う。
「さあ、それはあの二人が決めることさ」
細い目をつむったまま、川原が言った。
「ただし」
川原の表情の変化に、本宮は驚いていた。
両眼を開け、川原が言った。
「そうそう、奴らの脚本通りには、いかせん…さ」
「勝てるか? 板垣に」
本宮が訊くと、川原は薄く笑って――
「圓明流千年の歴史に、敗北の二文字はない……よ」
修羅が、笑っていた。

142 :事件現場は騒然と:03/12/13 23:33 ID:yJ8bq8Wa
爆発現場らしい矢吹艦内派出所(Dブロック最寄)では人がごった返していた。
負傷者の治療のため駆けつけた山田達は眼前の光景に息を飲む。

 「ガス爆発・・・か?建物があったはずの場所に何もない。あるのは」
言葉を切り、破壊の中心部から周囲を見渡す山田貴敏。
あるのは黒焦げの破片とうごめく負傷者の山。それを救助する人々。
大惨事にもかかわらず死者はいないようだ。それがまた不気味でもある。
 「おいおっちゃん!大丈夫かよ」
青ざめた顔の草場が近くに倒れている警察官を起こす。
いったいここで何があったのか、詰問口調で橋口が問う。
警察官は苦しそうにうめく。
 「・・・袋を、たかが袋ひとつ持ち帰るために何百人も巻き込んで・・・あの男・・・」
 「袋?」山田達3人は視線を交わした。人災だ。何者だろうか。

同時期、空港の構内にアナウンスが流れる。
空港近辺の爆発はテロの可能性もあるので一時空港の離陸・着陸を制限するとの事。
VIP室にいる島脱出組は、度重なる騒動に辟易していた。
福本一行が化け物達の≪約束≫をその眼で見届けていた頃。
 「じゃかあしいわ!」食事中の安永がスピーカーに文句をつける。
眠っていた内の何名かも、雰囲気のざわつきで起き出した。
安眠の時はいつになったら訪れるのだろう。

無礼ド内の下層では熱血黄金トリオが休憩時間をもらって給湯室で休んでいた。
車田や島本が湯飲みでお茶をすする中、荒木はまたどこから調達したやら、
ウェッジウッド・ハンティングシーン絵柄のティーカップで、
アプリコットジャムの入ったロシアンティーなんぞをひとり嗜んでいる。
島本は色々ツッコみたくてうずうずしているが、車田は既にあきらめている。
お茶請けのせんべいをボリボリ噛み砕きながら無言の時を過ごす。

それぞれの時が、流れていった。

143 :警察の調書より:03/12/13 23:34 ID:yJ8bq8Wa
 ≪目撃例1≫ 雷句誠
大好物であるブリの匂いにつられて彼が魚市場に迷い込んだのは、
にわのが市場のトラックに轢かれて牧野に助けられた頃より少々後の事だ。
市場のオヤジに気に入られ無料で魚入りのスチロール箱をもらい、
近くの公園ベンチで楽しく頬張っていた頃『それ』は起きたとの事。

 「いきなりいくつものビルたちがドカーンと吹き飛んだのだ。
 ガスの臭い?そんなものはなかったぞ。わたしの鼻に間違いはないのだ!」

 ≪目撃例2≫ 皆川亮二・椎名高志
行方不明になった雷句を捜していた2人。椎名は不満たらたらだった。
あれから三浦は姿を消したが、その隙に樋口にコナかけておこうと目論んでいたのだ。
それを察知したのか皆川は椎名を引っ張って無理やり捜索隊に入れた。
ついでに、皆川は無礼ドの荒川にお使いを頼まれていた。
頼まれたらイヤと言えない性格の皆川。彼女に手渡されたメモを読みつつ、
雷句がいそうな場所の把握に努め・・・魚市場を発見したのが爆発事件の直前。

 「はい、派出所と周辺のビル一帯が一瞬にして閃光に包まれました。
 しかし熱量はそれほど感じなかったですね。あれは・・・そう、魔法に近いかな」
 「俺は見たぜ!あの爆発の中から誰か歩いて出てきたんだ!呑気によぉ。
 それでそいつが近くに乗りつけた車に乗って去ってったんだ。変な形のトラックだった」

 ≪目撃例3≫ 岡野剛・井上雄彦
変なものを飲み込んでしまったレダルーバを空港に引き上げようとしていた彼らは、
空港近くの爆発とほぼ同時にそこから飛び立った、謎の乗り物を真上から目撃した。
彼らが空港に着陸して間もなく管制塔から離発着一時停止の報が入る。
現在は岡野がレダルーバの口を開けさせて、体内からブロック状のゼリーに包まれ意識を失った、
謎の男2人(方や隠密・方や「中の人」なので正体が判別されていない)を、
井上と共に引っ張り出して救出している現場だった。こちらにも救急車が必要のようだ。

 「ジェットエンジン付きの3輪トラック?だったような。あれは目立つな」
 「西の方に飛んでったぜ。九州に逃げたんじゃないスかね」

144 :ウォッチャーズ:03/12/13 23:56 ID:9ygSnQO6
そこは神の陣営の拠点のひとつ、TVに映る板垣とヨクサルの闘いを観戦していた二人の男。
『ゴッドハンド』永井豪、そして『三闘神』武論尊。
「板垣……情けねえ野郎だ」
吐き捨てるように言う永井に、武論は渋い顔をしつつも反論した。
「そう言うな。エアマスターと言ったか……。目醒めた邪鬼、あれもまたヒトを超えたモノなのだから」
夢枕の……三闘神の肉体の持つポテンシャル、それを引き出しきれぬままでは、いかに板垣でも分が悪い。
だが、その武論の言葉に永井は更に苦々しい表情になる。
「そんなことを言ってるんじゃねえ。確かに板垣は大した奴さ、それは認める。だが……」
それでやっと、永井が言いたいことに武論は気づかされた。
敗北寸前に追い込まれた板垣。
勝利を求める貪欲な闘争本能はそれに耐えられず、無意識の内に銃弾を使わせたのだろう。
想像でしかない。が、その想像に間違いはないと武論は確信している。
しかし、永井はそのことに納得がいかないようだった。
「野球ん時といい、今の闘いといい、ヤツのやり方は気にいらん」
永井の脳裏には、野球の際の板垣と藤沢の対決が浮かぶ。
グラウンドに現れたもう一人の鬼、『球鬼Z』との闘いは板垣に軍配が上がった。
しかし、催眠術という姑息な手段を使用し、正面からの勝負を避けた結果、だ。
「お前は言ったな。三闘神の肉体が完全に使えるようになった時、板垣は俺たちの仲間になると」
無言で頷く武論に対し、永井はフン、と鼻で笑うと続けて言った。
「仲間だと? お断りだね。もしヤツが俺の目の前に現れるようなことがあれば……潰す」
並の漫画家であれば、それだけで死に至りかねない殺気を武論に向ける永井。
だが、動じる様子のない武論に舌打ちすると、再びTVに視線を向ける。
「それにしても、こんなヤツらが出遭ってしまうんだからな。世の中広いんだか狭いんだか」
茶化すように言う永井を、武論は真剣な目で見つめつつ、心の中で呟く。
(永井、板垣が我々の前に現れるのは、そう遠い日ではないかも知れんぞ)
同じ三闘神の肉体を持つ武論は気づいていた。
この闘いを経て、板垣が三闘神の肉体、その力を急速に使いこなしつつあることに。

145 :負けるな少年探偵さん:03/12/14 12:07 ID:99zF792B
証言者5人が一堂に集められた。
救助作業が一段落した爆発現場近くに、漫画家達は並んで屹立している。
先ほど岡野たちが救助した連中は岡村達と同じ病院に搬送された。
5人の前に警察や刑事が向き合って、彼らの証言をまとめた。
――大柄の刑事の背後からゆっくり現れる小さな人影。
不似合いな程に大きな眼鏡をかけた小学生ぐらいの少年は、5人を指差し宣言した。

青山 「犯人はこの中にいる!!」
一同 「「いねーーーーーよっ!!!!」」

冷たい風が、吹いた。


それはともかく。
一仕事終えた山田医師一行。山田は他のサンデー作家の治療のため無礼ドに帰還する。
久々に外気を吸って気分がいい草場と橋口は、それぞれ少し自由行動をする事にした。
現在は特にする事も無い。スプリガン所属(メンバーは皆川・椎名・河合・橋口・草場+井上・雷句)
だが隊長もいない事だし一休みだ。Bブロック予選で金田一に食われたのも遠い昔(4部)。
 「ちょっと待て。過去ログをざっと見たが4部は消費に8ヶ月かかっているぞ。
 梅雨前に始まってクリスマスと正月まで迎えている。なかなか面白い発見だ」
 「どっち向いてしゃべってるんだ橋口?」
 「フフフこの激動の一年、ようやっと巡って来た出番だ!私はハジけたい!目立ちたいぞ!」
 「みっともないなー。あ、隊長や椎名達がおるよ。おーいみんな〜〜」
草場がにこやかに警察たちの輪の中に入ると。

青山 「何ィ!?なら犯人は誰なんだ、クソォ!このまま迷宮入りになんかしないぞ!!」
岡野 「怒る暇があったら犯人乗せて消えたトラックの目撃情報でも得たらどうだ」
青山 「ちくしょう!それはミスリードに違いない。犯人はまだ近くにいる!!」
皆川 「おい誰か青山をなんとかしてくれー!」

青山は今までにいろいろありすぎてちょっとアレな状態であった。
 「・・・負けた、かな」橋口が遠い眼をした。

146 :重要参考人(予定)牧野の考え:03/12/14 13:07 ID:KrlubY9h
「それではここで別れるとするか」
「え!?ちょっ・・・いがらし先生」
いがらしはそう言うとトラックから降り、どこえともなく消えてしまった。
「何だったんだ?・・・。」
魚屋牧野は思い出した。さっきの出来事を・・・。

あれは公園でいがらし先生とあったあとだ。
いがらし先生は『あの袋を手に入れて来る』といっていったん俺の元を去った。
魚市場で魚を買い付けたあとトラックに棚入れしてるときだった。
爆発が起きたのは・・・・・・・。
なにしろ起きた方向ってのはさっきいがらし先生が向かった方向だったから驚いた。
俺は急いで3輪トラックで向こう行こうとしたのだが、途中で袋を持ったいがらし先生と会ったんだ。
「大丈夫ですか!!?」「ああ・・・平気だ・・・。」
先生を病院に連れて行こうと思ったが、何故か俺が<<松椿別府別館>>に魚を届けることを知ってて、
そこにつれて行くように言ったんだ。そこで仲間達を集めようって・・・。
あの時のいがらし先生何故か無傷だった。
そういえば昔念賀流って言う忍者の流派で修行したとかしないとか、その事が何か関係してるかの知れない。
それにあんまり信じたくないがあの爆発の原因はもしかして・・・。

「ま、考え込んでもしょーがねー。俺は俺の仕事をするか。」
トラックから降りた牧野は荷台から鹿児島で買いつけた魚を旅館に渡すため、後ろの扉を開けていた。
「そう言えばいがらし先生が持ってきたあの袋はどこいった?先生が持っていったのか。」
と思ったらトラックの中に袋があるのを発見した。


147 :証拠隠滅?:03/12/14 13:08 ID:KrlubY9h
(・・・ッス 寒いッス 誰か助けるッス)
しかもしゃべってる・・・袋の中から・・・誰かいる・・・。
「お、おい大丈夫か!!」
袋を開けてみると中から凍りついた岩村俊哉が出てきた。
「う・・・動けないッス・・・」
「まってろ今その氷を溶かしてやるから、久しぶりに使うとしますか
 ド ラ ク エ ・ ワ ー ル ド ! 」
かつてドラクエ4コマで培った能力を発動させ、周りの世界を変えてしまった。
「いくぞ!メラミ!!」
牧野の手から火の玉が放ちだし、岩村の氷を溶かしていくそして・・・
「熱いッス!燃えてるッス!火の玉状態ッス!!!」
火の玉状態になった岩村はトラックに向かって走っていった。
「うわ!ばか!!何してるんだ!!」
トラックの前方の方から火がつき始めた。
「あーっ この野郎火をつけやがって・・・あ〜あ!!
魚 魚 魚 魚 魚 魚 魚!!!」

後方から魚を出来る限り魚を出した後にはヒャダルコで消火したトラックと黒焦げの岩村俊哉がいた。
「ふ〜何とか無事ッス!」
「おうっ!てめえ俺のトラックどーしてくれるんだコラァ!!」
「何のことッス。あっ、焼き魚のにおいがするッス。」
岩村はシラをきっている。
「あのトラックはなァ俺の

 じーちゃんの代から大事に使ってきた使ってきた

 由緒ある逸品でな――――――――――――――――――!!!!」
別府の空に牧野の声が響いた。

148 :作者の都合により名無しです:03/12/14 20:40 ID:s7eVow+Q
矢吹艦公園。有賀の招集により霞の如く湧き出た影、また影。
陰鬱な気を撒き散らし現れたのは、強化型川三番地、200体。
安らぎを与える場所であった公園が、墓場にも似た静謐な冷気漂う『死地』と化す。

有賀「我らは己らに問う 汝ら何ぞや」
川「「我らは大隊(バタリオン) 最後の大隊なり!!」」
有賀「ならば最後の大隊よ 汝らに問う 汝らの手に持つ物は何ぞや」
川「「丸メガネと『HELLSING』アニメDVDなり!!」」
有賀「ならば!! ならば最後の大隊よ 汝ら何ぞや!!」
川「「我ら 漫画家にして 漫画家にあらず
   我らダメ人間なり
   ダメ人間の群れなり
   ただ伏して 編集に許しを請い
   ただ伏して 次号の連載を踏み倒す者なり
   丸メガネで 不死の王をおびき寄せ
   DVDで 不死の王のトラウマを引きずり出す者なり
   我ら大隊なり

   最後の大隊(ラストバタリオン)なり!!

   されば我ら 徒党を組んで あのダメ人間の首根っこを掴み
   七百四十万五千九百二十六の罵詈雑言を浴びせかけるなり」」
有賀「殺してもかまわん!奴を、平野耕太を止めろぉっ!!」
川「アポカリプス ナウ!!」」

149 :作者の都合により名無しです:03/12/14 20:47 ID:4oRv88MZ
あーあw

150 :作者の都合により名無しです:03/12/14 21:54 ID:eXLGD0B1
すげぇw
個人的にはもうちょっと長いほうがよかったが。

151 :夢の守り人1:03/12/14 21:59 ID:pTptOiA2
 「ありがとうございましたー」
女性店員の挨拶を背で聴きながら、2人の漫画家がコンビニの自動ドアをくぐった。
ひとりは、銀髪を襟足まで伸ばした男、安西信行。
ひとりは、ブロンドの長髪をなびかせる女、荒川弘。
珍しい取り合わせだった。
なぜ、この2人が一緒に行動しているのか?
いきさつはこうである。

30分程前――
それは無礼ドで風呂掃除をさせられていた黄金トリオが、ようやくの休憩をもらった時であり、
空港付近で原因不明の爆発事故が起こった時であり、
板垣対ヨクサルの乱闘が決着した時であり、
また、暴走する平野をめぐって、使徒ならぬ死徒たちが状況を開始した時でもあった。
さて、その時刻。
安西は、Bブロックのとある広場で、黙々と筋トレに励んでいた。
それは、修練というより、単に押し寄せる不安を紛らわせる為のものだったのかも知れないが、安西は一心不乱にそれを続けていた。
そこに、荒川が唐突に現れ、こう言ったのだ。
「話があるから、ちょっと付き合って」

そして、現在。
安西「ほらよ」
荒川「ありがと」
店を出るや、安西が缶コーヒーを投げ渡した。
それを、荒川が手袋をした右手でキャッチした。
まだかなり熱いはずだが、荒川は眉ひとつ動かさない。
右腕が、機械鎧(オートメイル)の義手なのだから、当り前ではあるが。
安西「で、俺に話ってなんだ?」
缶のフタを開けながら、安西が言った。

152 :夢の守り人2:03/12/14 22:44 ID:pTptOiA2
返事は、なかなか返ってこなかった。
荒川は、何も言わず、ただ俯いて沈黙をつづけている。
いつもは歯に衣着せずに、淡々と言葉を紡ぐ唇が、この時に限っては重かった。
それは、何か言いたい事があるが、どう切り出せばいいか迷っているといったふうであった。
その内容については、安西には大方の察しはついていた。
だが、本人が言い出すまで待っていた方がいいだろうと思い、安西は沈黙を守る。
ふと、荒川を見た。
安西「(それにしても…こいつ、意外と……)」
普段の彼女とは、違う装い。
その身を包むのは、いつもの野暮ったい白衣ではなく、薄手のブラウスとスリットの入ったロングスカートだ。
おかげで、細身ではあるが、メリハリのきいた見事なプロポーションがくっきりと浮き出ている。
いつもは無造作にアップにしてまとめているブロンドは、今はストレートにして、風になびくままにしていた。
そんな姿を眺めているうちに、安西は過去に荒川の入浴を不可抗力とはいえ、覗いてしまったことを思い出す。
あの時の、玉のような水滴に濡れ光る彼女の見事な肢体がまざまざと脳裏に浮かんでしまい、安西は慌てた。
安西「(やべ…思い出しちまった…)」
そのとき、荒川が言った。
荒川「高橋先生のこと……貴方はどう思う?」
その台詞に、安西がハッと我に返った。
やはり、その事か。
予感が的中し、安西の胸に苦い思いが満ちた。
高橋留美子は、荒川にとっては、怨敵とも言える存在である。
かつて、同人軍艦で起こった悲劇。荒川が、『友』を失った事件。
荒川に、『真理』を求める果てしない道程へ進む事を余儀なくさせた、きっかけ。
その最大の元凶が、誰あろう、サンデーの女帝・高橋留美子であった。

153 :夢の守り人3:03/12/14 23:07 ID:pTptOiA2
安西は、荒川がなぜ自分に相談したのか、理解していた。
現在、サンデーのメンバーで、高橋留美子が洗脳されていた頃の詳細を知る者は、ほとんどいない。
というより、洗脳されていたこと自体、知らない者も多い。
サンデーで、留美子の犯した罪の全てを知る者は、かつて同じように矢吹に与していた安西だけである。
その当時は、顔をつきあわせた事はなかったが、ケルベロス隊長だった安西は、
『魔空艦・零寒』による、同人軍艦襲撃事件の大筋を知っている。
そのときに、えなりの姉が犠牲となったことも。
そのえなり姉が、荒川の『人体錬成』によって復活したことは後で知った。
代償として、荒川が右腕と左脚を失ったことも。
安西「(まいったな…)」
安西は、荒川には返し切れないほどの恩がある。
取り引きだったとはいえ、自分が殺してしまった師匠・藤田和日郎を甦らせてもらったのだから。
一方、高橋留美子も、安西にとってはかけがえのない、大事な人だ。
その恩人ふたりの間には、重く、暗い闇がわだかまっている。
思えば、無礼ドで、留美子と顔をつき合わせたときの、荒川の反応は尋常ではなかった。
留美子の方も、その時の自らの行いを覚えていたらしく、一言も口をきかなかった。
ふたりの板挟みになり、安西は頭を抱えたくなる。
銀髪をぐしゃぐしゃと掻きむしると、安西は聞いた。
安西「まだ…恨んでるのか? あの人のこと…」
すると、荒川がため息をついて、言った。
荒川「正直…わからないわ。洗脳されていたことは理解してる。
   あの時の高橋先生は、今と比べれば、明らかに異常だった。
   あれが、本当の高橋先生じゃないことは理解してる……けれど」
荒川「それで、あの人の罪が消えるわけじゃないわ……そして、私の罪も…」

154 :作者の都合により名無しです:03/12/14 23:24 ID:F5VS38VH
荒川と安西のコンビも意外と新鮮味あるのお。

155 :夢の守り人4:03/12/14 23:49 ID:pTptOiA2
安西「罪か…」
誰よりも深い、それを抱える安西には、荒川の抱える闇が理解できた。
いや、おそらく自分しか分からないだろう。
荒川「高橋先生が憎いんじゃない……」
ぽつぽつと千切るように、言葉を紡ぐ。
荒川「高橋先生と接することで、嫌でも自分の罪と向き合わされる…それが私は怖い。
   私は、今でも、熟睡できた試しがない。
   えなり姉が…彼女があんな身体になったのは、私のせいなんだ…
   彼女は食べる事も、話す事も、痛みを感じる事もできないんだ…
   彼女、きっと私を恨んでるでしょうね……」
安西「……」
荒川「そう考えると、たまらなく怖くなる……だから一日も早く、私が元に戻してやらなきゃ…」
ここで、男なら黙って肩でも何でも抱きしめてやるところなのかも知れない。
しかし、それは自分の役目ではないし、そんなことは彼女の方からお断りだろう。
どうにもならない現実が、2人を苛んでいた。
荒川「…知ってるかしら」
安西「何を?」
荒川「夢っていうのはね…呪いなのよ。その呪いを解く為には、夢を叶えるしかない。
   そして、夢を叶えられなかった者は、永遠に呪われ続ける…」
安西「……」
荒川「私には夢があったわ。錬金術の究極の到達点。『真理』を探究する夢…
   でも、それはもう、私にとって呪いでしかない。どんな犠牲を払っても、
   絶対に到達しなければならない、目的。私の生きる、唯一の意味…」
気まずい沈黙がおりる。
それは永遠に続くかと思われたとき。
安西が、口を開いた。

156 :夢の守り人5:03/12/15 00:12 ID:dtH2Gqq7
安西「藤田先生が言ってた……夢を持つと、時々すごく切なくなったり、
   時々すごく熱くなったりするってな……。
   あんたにとって、それはそうじゃないのか」
荒川「……」
今度は、荒川が沈黙する番だった。安西は続ける。
安西「俺には夢がない……漫画に対して、何の夢も志しも持ってはいなかった。
   そして、俺はこれからもそれを持つことはないだろうな。
   他人の夢を汚して生きてきた俺には、もはやそんな事は許されない…」
荒川「……」
しかし、安西は、それに続く言葉を、強く吐き出した。
安西「だがな、他人の夢を守ることはできる!」
荒川「!!」
その言葉に、荒川は衝撃を受けていた。強い眼で、安西を睨むように見る。
安西「漫画への夢は、他の奴が見てくれる。漫画界は、他の奴が受け継いでくれる。
   だから、俺はそいつらを守る。最後まで生き続けて、守り続けてやる!」
そう言い放った瞬間、荒川の右拳が飛んだ。
それを、安西がなんとか受け止める。
荒川「だったら、私は貴方のやることを最後まで見届けてあげるわ」
挑戦的に、荒川が言った。
荒川「そんな大層な大言を吐いたからには、中途半端は許さないわよ」
それを、安西は笑みで返した。
安西「上等だ。よく見とけ、俺の戦いを!」
そのときだった。
2人の足下に、何かが突き立ったのは。
荒川「名刺?」
そう、それは一枚の名刺だった。
次の瞬間、まばゆいハイビームの光が、あたりに満ちた。   


157 :狂鬼と幽鬼:03/12/15 00:35 ID:dtH2Gqq7
??「よおーっ、よおーっ、見せつけちゃってくれるねェ――! 
   ハクい女(スケ)とお楽しみかい? 色男!! ヒューヒューッ」

  ヴオオヴオオオオオオオオオオ!!!!!

腸を揺さぶるような、凄まじい排気音が、場を席巻した。
いつの間にか、周囲を異形の集団が取り囲んでいる。
それは、バイクに見えた。しかし、その姿はあまりにも異常だ。
前方のライトの部分が、突撃槍のように凶暴に突き出ている。
しかも、それに跨がる者たちは、なんとそれぞれに頭を割り開いたように脳ミソが剥き出しになっており、その顔面のいたるところからは太い管が生え、バイク自身に接続してある。
どいつも、眼だけが異様な輝きを帯びていた。
??「俺たち“串刺し特攻隊”の前でラブシーンとはいい度胸だなっ、テメエよおっ!」
他の連中より、さらに狂った眼をした特攻服姿の男が、叫んだ。
その男が乗っているバイクは、他とは比較にならないほど巨大で、そして禍々しい。
まるで戦車……いや、それはもはや恐竜だ。
竜の牙のような槍が、ハイビームを反射し、唸るように鈍い光を放つ。
??「頼まれたんでな…この【山本賢治】の『ニードルビット=シケイダー』が…
   テメエをアスファルトのシミにしてやっからよおっ!!」
凄まじいまでの殺気に、2人は身構えた。
この山本という男……普通じゃない。それを、2人は感じた。
山本「 急  加  速  っ !! 」
刹那、山本のニードルビット=シケイダーが、凄まじい速度で突進してきた!
安西「(速ええっ!!)」

     ド          ボ   !!!

そう知覚したときには、シケイダーの槍が、安西の胴体を串刺しにしていた。

158 :狂鬼と幽鬼:03/12/15 01:08 ID:dtH2Gqq7
安西「ぐあああああああッッッ!!」
胴体を真正面から串刺しにされ、安西が絶叫した。
いかな『不死者しろがね』であるとはいえ、相当なダメージだ。
とめどもなく、鮮血が溢れだす。
山本「つきあってもらうぜ、地獄のドライブに!!」
荒川「安西先生!!」
安西「来るなッッ!!」
血を噴き出しながら、安西が叫ぶ。
その叫びは、あっという間に遠ざかる。
シケイダーが、安西を串刺しにしたまま、猛スピードで走り去ったからだ。
 「隊長につづけえっ!」「オウッ」
その後を、脳ミソを剥き出しにした、異形の特攻隊が追う。
おそらくは、山本の能力によって、洗脳された者たちだろう。
山本「このニードルビット=シケイダーについて来いっ!
   真夜中の狂い咲きサンダーロードをどこまでもなっ!!」
そうして、あっという間に、安西と山本の姿は、荒川の視界から消え去った。
荒川「! いけない…! 今の安西先生は能力を使えないっ! 追わなくては…っ!」
そう言って、後につづく特攻隊の一台に飛びつこうとする。
だがそのとき、荒川の背すじを鋭い殺意が貫いた。
その殺気に、荒川は追うタイミングを逸した。特攻隊は、全て走り去ってしまう。
荒川「誰…!?」
かみつくように、周囲を睥睨し、言った。
??「ブラボー」
茶化すような声が、背後から聴こえた。
荒川が振り返る。
そこに、全身をロングコートで包んだ者が立っていた。


159 :作者の都合により名無しです:03/12/15 01:40 ID:EM6vu0t3
おおっ!!

160 :作者の都合により名無しです:03/12/15 01:41 ID:w68L3HKw
助けて貧乏な人ー!

161 :時の迷い子:03/12/15 12:50 ID:4RcCx8Mo


 月の女神である妻は、うまく事を運んだであろうか。

 もうひとつのファイル。そろそろ解明された頃だろうか。

 神は太陽、人は大地、魔は月の子。全ては母の胎内(なか)から生まれた。
 
 しかしぼくは誰の子でもない。誰の緒も繋がらない・・・。


変態同士の闘いを泣く泣く見守るN星人は、
美味しそうなカレーの匂いをうらめしそうに手でかき集めていた。
 (そういえば昔はよく妻にカレーを作ってあげていたなあ。
 忙しい時は近所のデリバリーを開拓して美味しいカレー屋にありついたものだ。
 長いこと拘束されていたし、宇宙ではレトルトカレーだったし、
 作りたてのカレーなんて本当に久々だったのに)
目をつぶり、心の中でブツクサ文句を言う。
 (こいつら消してドア開けるのはボクの美学に反するしなあ。誰かカレー持ってこないかな)
 (あいよー!カレーライス一丁お届けするモーン)
 (やあありがとう。って誰だい君は)
 (いや〜さんざん道に迷って野球場やら他人の回想シーンやらに入り込んじゃって。
 カレーいっぱいもらったからおすそ分けするだス♪でわシーユーアゲインだモーン)
 (とっとと帰れ)

N星人がふと目を開けると、両手には山盛りのカレー皿とスプーンが。
 「今のは誰なんだ!?」と叫びつつも、とりあえずカレーは食べる朝のミステリーであった。


 「ま、また道を間違えたモン。早く荷物降ろして休みたいじゃん・・・。
 あ、あんど君と松沢先生はトライアスロン選手に登録しとこっと。はーちかれたび〜〜」


162 :作者の都合により名無しです:03/12/15 15:46 ID:o7UOqnmn
・・・あんな戦いの側で食欲があるのか。さすが斜め45度。
ていうか、≪時空の狭間で遊ぶ男≫とは言え、まこリンどこまででるんだYO!
イカス〜〜〜〜(;´Д`)

163 :作者の都合により名無しです:03/12/15 21:32 ID:lz5lNHRw
マコリンは完璧にジョーカー扱いだね。

164 :作者の都合により名無しです:03/12/15 21:37 ID:F+DEXkSC
ピエロですから

165 :歴史の証人:03/12/15 23:03 ID:F+DEXkSC
トイレに行った際に迷子になってしまったえなりは、
父との融合を経り小栗の屍を越えて鋼のような強い意志を得た。
その両の眼(まなこ)にたぎる炎は来るべき動乱の時代を見据える。
この全身から噴出す衝動は何だ?悪を倒せと僕を呼ぶのか?
えなりは自分の手の平から蒸発する熱気を感じ取った。

 「僕は・・・闘わねばならない!歴史の証人になるんだ!最後まで生き抜かねばならないっ!!」
少年は、吼えた。

眼前の風景に変化がおきたのはその直後。
突如廊下中央の空中に、四角い縁のような亀裂が入ったのだ。
 「な、なんだ!?」
えなりの驚きには構わず空間が歪み、気がつくと四角い縁の中に戸のようなものが浮かんでいる。
それは“どこ○○ドア”に似ていたが・・・形状は横引きの、ふすま。
やがて完全に姿を現したふすまがスラリと音を立てて開く。思わず身構えるえなり。と。

 「この『どこでもふすま』は実に便利だのう。彼奴に返すのが惜しくなるよ、ははは」
ふすまから顔を出したのは、身の丈6尺をゆうに超える偉丈夫。
 「は・・・原哲夫先生!?」えなりは丸い目をさらに丸くした。
 「えなり君か、久しぶりだな。息災か?」にこやかに返事をする原だが、
えなりの方には笑顔を見せる理由がなかった。なぜならば原は敵チームの人間であり、そして―――

 「ま、前はよくも僕の冨樫ファイルを奪ったな!?どこへやったんですか!!」
えなりは懐から名刺のような紙を取り出すと原の足元に投げつけた。
カードに書かれた文字は。

     『冨樫ファイル、確かに頂きました。 CAT'S EYE』

 「北条先生に奪わせたあのファイル!忘れたとは言わせませんよ!?」
あの時の悔しさが込み上げてきたえなり、拳をわなわなと震わせる。

かつての悲劇を・・・果たして読者の誰が覚えていようか?

166 :歴史の証人:03/12/15 23:04 ID:F+DEXkSC
http://ebi.2ch.net/ymag/kako/1006/10062/1006290865.html(2部682-683)
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1008862285/315-(3部)  ←悲劇

 「だ、誰ですか?そこを通してください。急いでるんです!」
 「ふっ…北条司…五聖人と呼ばれし者の一人だ」

 「その格好にあきれとるだけだレオタード男。フロッピーを返せ!」
 「それはできん相談だな。これさえあれば、俺たちの雑誌はあと10年は続けられるのだ!」

 「すみません武内さん。ファイル・・・盗られちゃったんですけど」
 「・・・・は?」

 「原と北条にはとても勝てない・・・」
 「ダメじゃんダメじゃん!そんな弱気じゃ世界のプリマドンナにはなれないモーン」
 「うわぁあぁ!今の声は一体誰だっ、僕の回想シーンに紛れ込むなー!」

えなりが雲形のフキダシをビリビリと引き裂いて中の人を追い払った。※漫画的表現
ようするに当時週刊バンチを存続させる(力を得る?)ため北条司が、
えなりの持つ『富樫ファイル』を盗んだのだ。そして原はバンチチームのリーダー格だった。
 「・・・結局バンチは廃刊、主目的は大会優勝賞金10億、そしてネオバンチ(仮)創刊。
 しかし何よりも俺は良き闘いがしたい。えなり少年よ、強くなったか?」
 「ファイルはどこですか!?」えなりは顔を真っ赤にして怒鳴る。

 「その話は北条から聞くがよい。ただあいつは今・・・。
 それはともかく俺は野球場の乱闘を見物に来たのだが、近くに乗りつけるのが精々でな。
 やはり持ち主でないと完璧に使いこなせないらしいな」
言いながらふすまを閉め、ひょいと小脇に挟む原。小腹を立てているえなりだが、
ふっと何かを思い至り・・・数瞬の逡巡の後、原を睨みつけながら声を出す。

 「強くなったかと聞きましたよね。僕は、強くなりたいです。
 温泉慰労会の連絡が行ってると思いますけど、僕はたぶんそこで闘わなくちゃならない。
 原先生。ファイルの事は置いておきます。僕と一回・・・・手合わせ、願います」

167 :作者の都合により名無しです:03/12/15 23:11 ID:F+DEXkSC
ん?原さんとえなりって直接会ってなかったかも・・・
えーと原さんの方から一方的に知ってるって感じでよろしゅう(アセ

168 :作者の都合により名無しです:03/12/15 23:14 ID:dtH2Gqq7
えなりの無謀な勇気に乾杯!
がんばれ、主人公。
ついでに、戦いをもう一個、投下しまつ。

169 :鋼vs武装:03/12/15 23:14 ID:dtH2Gqq7
??「勘がいいな。ブラボーだ」
全身をくまなくロングコートで覆った男が言った。
昔見た、洋画を思い出させる、前時代的なファッション。
高い襟と、目深にかぶった帽子のおかげで、素顔さえ判然としない。
声の調子で、なんとか男だという事が分かる。
??「荒川弘……鋼の錬金術士!!」

     ぞ   わ  っ

隠された闇の向こうで、底光りするような眼光がたばしったのを見た瞬間、
荒川は、全身の毛が逆立つような悪寒を感じていた。
荒川「(この男……!)」
自分が今まで相対してきた敵の中でも、桁外れの邪気を感じる。
その量と、その質の高さに、荒川は戦慄を禁じ得ない。
荒川「あなた、何者? なんで私たちを狙うの?」
動揺を、強靱な精神力で封じ込め、荒川は問う。
??「ほう、大した胆力だな、小娘。そいつもブラボーだ」
男はその問いを無視して、言った。
荒川「やるしかない…ってわけね」
荒川が胸の前で、パン、と両掌を合わせた。
鋼鉄の義手の一部が錬成され、鋭いナイフへと変貌をとげる。
荒川「その“小娘”に倒されても、文句言わないでね」
??「ふむ…両の手を合わせる事で輪を作り、循環させた力で錬成する訳か…」
荒川「(この男からは逃げられそうもない…でも、早くしなければ、安西先生が危ない…一刻も早く、ここを切り抜けなければ…)」
“時間制限”が、荒川を焦躁させた。その間隙を、男は見逃さない。
??「どれ…」
声を置き去りに、男の姿が消滅した。次の瞬間、男は荒川の眼前に出現している。
??「手並み拝見」
荒川「(速……っ)」
拳の矢が、荒川へ飛んだ。


170 :鋼vs武装:03/12/15 23:15 ID:dtH2Gqq7
信じ難い速度で、男は一気に間合いを踏み越えてきた。
疾い。今まで、戦ってきた相手の中では、間違いなく段違いの速さだ。
その男の体捌きが生み出す動きの軌跡が、荒川には見えなかった。
身の毛がよだつような風圧を、咄嗟の反射神経で、かわした。
素早く回避する荒川に、無数の拳が、躍りかかってくる。
荒川「(この男…拳法家!?)」
マシンガンのように繰り出される猛撃を、荒川がかろうじて捌く。
荒川「(一発一発が、速く、重い!! でも…)」
男の攻撃は確かに凄まじいが、攻撃一辺倒だ。
荒川「(……ここぞというところで大振りになる。ここだ!!)」
攻撃をかわしざま懐に入り、右掌で男の胸部に触れた。

     バ      シ      ン  !!

『人体破壊』
錬金術の錬成過程は大きく分けて、「理解」「分解」「再構築」の3つ。
それを二番目の「分解」の過程で止める事により、破壊の武器と化す。
その必殺の一撃が、ロングコートの男に炸裂した。
会心の手応えに、荒川は勝利を確信する。
だが、その確信はなおも平然と佇む男の姿によって、驚愕へと塗り替えられる。
次の瞬間!
  
       ド        ン    !!!

肉も骨も、バラバラになるような痛苦だった。
実際に、骨が数本、べキベキとへし折れる音が、体内で反響する。
男の拳撃が、荒川の腹部をぶち抜いていた。
大量の血を吐き出しながら、荒川の華奢な身体が、軽々と吹っ飛ばされ、壁に叩きつけられた。




171 :鋼vs武装:03/12/15 23:16 ID:dtH2Gqq7
荒川「がはあっ!」
火球のような呼気を、荒川は吐き出した。
胸元が、口から吐き出された血で、真っ赤に染まる。
打ちつけられた壁を支えに、荒川はふらつきながら倒れるのを堪えた。
??「ほう、『二重の極み』を喰らって、まだ立ってられるたぁな。
   咄嗟に飛び退る事で、致命傷を免れたってわけか。つくづくブラボーだ」
荒川「(ぐぅ…なぜ? 『人体破壊』は完全に極まったはず…!?)」
激痛に冒された意識の淵に、その光景は飛込んできた。
男の胸元……さきほど荒川が触れた部位から、何かキラキラとした細かい金属片がこぼれ落ちている。
荒川「そ…それはまさか……」
??「衝撃に対し、瞬時に金属硬化。そして再生!
   防護服(メタルジャケット)の武装錬金…『シルバースキン』!!
   伊達や酔狂でこんな格好してると思ったか?」
荒川「( 思 っ て た ! )」
心中で突っ込みを入れつつも、荒川は驚愕していた。
荒川「(私と同じ錬金術士…! それも戦闘に特化した…!!)」
それに加えて、今の身のこなし。自分など及びもつかぬ体術の使い手だ。
荒川「ただ者じゃないわね……一体、誰なの!?」
すると、男がおもむろに帽子をとり、素顔をさらした。
??「そんなに気になるなら、同じ錬金術士に敬意を表して、見せてやるよ。とくと拝むがいいぜ」
その素顔を見て、荒川は絶句した。
男の顔は、真っ白な包帯で、くまなく覆われていたからだ。
包帯の隙間から、異様に光る眼が覗いた。
荒川「そんな…貴方は……まさか……」
??「何をそんなに驚いてるんだ? そう、俺は――」
いつの間にか取り出したキセルをくゆらせながら、男は不敵な笑みを浮かべた。

「 【和  月  信  宏】……天下をとる男さ」

172 :作者の都合により名無しです:03/12/15 23:23 ID:Ds+cRIrb
和月・・・・
すっかりカコヨクなりやがって・・・・

173 :作者の都合により名無しです:03/12/15 23:39 ID:iocgbQXT
まったくだ。脂肪を燃やして戦ってた頃と同一人物には思えんw

174 :鋼vs武装:03/12/16 01:07 ID:AbI+MlkP
荒川「和月信宏……貴方は、大会の最中に尾田栄一郎と戦い、死んだはずでは…
   それがなぜ、こうして生きていて、しかも私たちを……」
和月「粋じゃねぇな。細かい理由なんぞ、どうでもいいだろう。
   俺はただ、同じ錬金術を取り扱う漫画家として、
   お前とやってみたかっただけさ。ま、もっとも本命は安西だったんだが…」
荒川「安西先生を?」
和月「ああ、あいつには昔、随分とひでぇメに合わされてなあ…」
どこか遠い眼をして、和月は過去に思いを馳せる。

  
  和月「・・・アツイ・・アツイ・・」
  安西「非非非、このデブ、道端で半分食われて、死にかけてたんで
     俺がとどめをさして俺の炎にしてやったぜ。ぎゃははは」
  和月「・・・アツイ・・アツイ・・タスケテクレ」       (3部 147)


和月「ちっ!」
思い出したくもない過去を回想してしまい、和月は唾を吐き捨てた。
和月「……とにかく。意趣返ししようと思ってたんだが、どこの馬の骨とも分からん奴に攫われちまったしな…」
荒川「あの男と、貴方は無関係だと言うの!?」
和月「ま、そういうこった。安西は、俺の獲物だ。あのイカレ野郎ごと喰い殺す」
愉しそうに、和月が紫煙を吐き出す。
荒川「だったら、私なんて放っておいて2人を追い掛けたら?」
むろん、これは誘いだ。言葉で、相手の心に隙を作る。
しかし、和月は。
和月「殺人鬼が、目の前の獲物を黙って逃がす訳ねぇだろう?」
破顔(にぃぃ)…と、イイ笑顔で、和月が笑う。ぞっとするような笑みだ。
和月「いざ、参る!」
荒川の死闘が、始まった。

175 :戦鬼の徒:03/12/16 01:24 ID:7tG8jNcG
山本「ヒャアッヒャッヒャッヒャァァァァーーーーーーーーッ!!
   このまま、地獄までドライヴと洒落込もうぜ、兄ちゃん!!」
シケイダーの槍に安西を突き刺したまま、山本は国道を爆走していた。
後ろには脳みそをはみ出した異形の特攻隊が続いていた。
男1「ヒャハーーー!隊長、その男どうします?」
男2「細切れにして、みんなの土産にしましょうや!」
男3「いーや!全身の皮を剥いて、塩水の中で蛸踊りをさせましょうぜ!」
男4「お前らセンスねえな!今は手足もぎ取ってサメの餌にするのが流行りだぜ!」
口々に残酷な殺し方を言い合う特攻隊員。
山本「くくく・・・まあ、そう焦るなって。なあ、兄ちゃんはどんな死に方がお望みだ?」
安西「て・・てめぇ・・ぐっ・・・・・」
胴体を刺し貫かれた安西は、満足に言い返すこともできなかった。
代わりに口から出るのは、どす黒く濁った命の水、血液だけであった。
山本「あーん、なになに?腹を空かした鼠に、毎日一センチずつ食い殺されるのがイイだってぇー?
   そりゃあケッサクだぁ!ヒャァハッハッハッハーーー・・・・」
勝手なことを言い放ち、大声を上げて笑う山本は、前方の道路で妙なものが道を塞いでいるのに気がついた。


176 :戦鬼の徒:03/12/16 01:25 ID:7tG8jNcG
山本「ハッハッハーーー・・・・ン?なんだありゃ?」

      ギ ュ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ

恐らくバイクと思われるものが、後輪を外側にして、道路の真ん中で
大きく円を描きつつ高速で回っていた。
余りのスピードのため、バイクが何十台もあるように見えた。

      キ ュ キ ュ キ ュ キ ュキ ュ キ ュ キ ュ キ ュ キ ュ 

さすがの偉業の特攻隊も、あまりの異様な光景にバイクを止めて呆然と眺めた。
そのなか、平然とそのバイクと思われるものは回り続ける。

ゴ オ !

止まった。
異様なバイクが止まった!
回転の摩擦で出来た炎の円の中、中央線に沿うように真っ直ぐと。


177 :戦鬼の徒:03/12/16 01:27 ID:7tG8jNcG
山本「なんだ、あいつは・・・」
その男は、登場の仕方も異様なら、姿かたちも異様であった。
鎧武者のコスプレのような格好で、スズキの傑作二輪"KATANA"に跨り、右手には日本刀を持っていた。
一瞬の静寂の後、山本はその男がニヤリと笑ったように見えた。
山本「!!、来るぞ!!」
ドギュルルル!!
爆音を弾かせ、男がバイクごと突っ込んできた。
山本「ちい!!お前ら飛べ!!」
異様な悪寒に襲われた山本は、バイクから一気にジャンプした。
部下の特攻隊員も、隊長の指示通りに飛び上がった。
首から上だけ・・・・。
山本「!!」
瞬く間に"KATANA"に乗った男は、特攻隊員の首を切り飛ばし、宙に舞わしていた。
戦慄と恐怖が山本の五体を駆け巡る。次々と部下の首を刈るその男を見て、山本は思わず叫んだ。
山本「こいつは・・・・サ・・サムッ・・・・」

サ ム ラ イ ダ ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ! !

戦 鬼  「す ぎ む ら し ん い ち」 参 上 !


178 :作者の都合により名無しです:03/12/16 02:01 ID:5PvFJWIT
カコイイ!!!

179 :華麗なる狂王:03/12/16 14:01 ID:6WxcrKyq
 「カモン兄貴!そのいい形の胸板が俺のハートをそそるぜ〜」
 「私とは別方向の変態に出会うとはな。秘奥義に頼らずとも、倒す!」
変態合戦in球場関係者通路。
距離をとり重心を下げ敵の襲来に備えるあんどだが、松沢の方は完全に受け身体制だ。
両腕全開広げ、まるで恋人を胸元に呼び寄せるよう。罠だ。
あんどは数mの距離を縮める事ができず、じりじりと時が過ぎる。
充満する香辛料の香りが身体に染みつく。
朝食抜きの松沢の腹の虫がギッチョンと鳴いた。
先に動いたのは、あんど。
彼は何かを見つけたのだ。それは――

 「松沢よ、空腹だろう?私は既に食べているから元気だ。
 よかったら・・・モーニングサービスだ、私が馳走しよう!」
あんどが1ステップで最高速に達し、残像を残して松沢の横をすり抜ける。「!?」
松沢が左右を見回す間にあんどは既に元の位置に戻っていた。手に何かを持ちながら。

 バーーーン 「おお!さ、皿一杯のカレーじゃないスか兄貴ぃぃ!!」松沢が狂喜する。

 「ふっふっふ、このカレーが欲しいか?欲しいだろう」
あんどが右手に乗せた皿を八の字に揺らす。松沢の首も八の字に回る。
 「カレーが欲しいか?ならば・・・くれてやる!!」
あんどは海老反りになり、股間のいなりにホカホカカレー皿をセット!レディゴー!
 「兄貴ぃぃぃぃーーー!!」目の色変えて松沢は兄貴カレーに特攻!
 「さあカレーを食らうがいい!それと同時に私の技を食らう事になるがなーーーー!!」
 「ぼくのカレーに何さらすんじゃボケぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
突如2人の間に入り皿を奪い返すサングラス男!彼は血の涙を流して咆えた。
 「なぜキサマは、何も考えず!感じずにカレーにこんな真似が出来るんだ!答えろ!!」
 「邪魔立て無用!このカレーは私が借り受けたのだ」あんどの叫びも男には聞こえない。
 「カレー カレー カレーだ!ぼくはカレーが欲しいんだよ!
 もう・・・カレーを失うのは絶対にイヤだ!カレーを凶器に使う男はぼくが許さない!!」

  予 知 し よ う  キ ミ は 華 麗 に 踊 り 狂 っ て 死 ぬ ――男が冷たく宣言した。

180 :彷徨える毛根の貴公子と:03/12/16 16:24 ID:6WxcrKyq
 さわいくん・・・ さわいくん・・・ おきてくれ・・・
 (うくく・・・体が動かん。残念だが私はここまでだ。なんだかとっても死ぬっぽい!)

 しぬ? かわいそうに・・・ きみのともだちは これからえんかいなんだってさ
 (宴会?ジャンプのお酌大王を自負するこの私がそんなもんに出たら、過労で本当に死んでしまう!)

 いいじゃないか ぼくはひとりぼっちなんだよ ぼくのこえは きみにしかきこえない・・・
 (テメー・・・誰だ?)

 またいつか ゲームボーイであそぼうよ それまでぼくを・・・ わすれないで・・・
 (ああ。誰だかわからんがこのキング・オブ・ハジケリスト澤井が約束しよう!)

 やくそくだぞ・・・ だから・・・ しぬなよな・・・  ・・・

 「よろしい見てなさい!宴会は、私が盛り上げる!!(くわわっ)  ・・・おや?夢か」

白いベッドの上。澤井は全身包帯ぐるぐる巻きの姿で目を覚ました。
病院の六人部屋は岡村と許斐、そして先ほど知らない男2名が収容され人口密度が高くなっていた。
夢を見ていたらしい澤井は、どうやら筋肉痛のピークを超えた自分の体に感謝した。
 「どんな小さな活躍の場も逃さない!!なぜなら私は魚雷澤井だから!!」
テンションを一気に上げる澤井。しかしよく考えたら“宴会”の話自体夢なのだ。
自分の言動にちょっぴり照れてしまったその時、澤井の声を聞きつけ乙が病室に戻ってきた。
 「あれ?澤井さん宴会の事知ってたんですか?桜島に12時の集合なんですよ」
乙がきょとんとした声を出す。

 「ほう夢とシンクロかはたまた私の徳の高さか。お酌はともかくぜひ参加したいものだ。しかし」
澤井がチラッと岡村達を見やる。彼らは未だ意識が戻らない。時計の針は10時半過ぎていた。
 「岡村さん達が心配ですか?そうだ、温泉地に真船先生が最高の医療スタッフを、
 派遣してくれるそうですよ。起きたら来たがるかも知れませんし、先に搬入しちゃいましょうよ」

こうして乙の提案の元、病院側の許可を得、岡村と許斐を救急車に担ぎ込み4人は空港へと運ばれていった。
病室には昏々と眠る男2人――キューブから救出された村田と稲垣が残された。

181 :変態バトル、面白れー!:03/12/16 18:15 ID:AbI+MlkP
バベルの塔――

蛭田「いやいや、およびですかね、横山様?」 山原「口を謹め、蛭田」
横山「まあまあ、よく戻ってくれました、蛭田」
宮下あきらとの戦闘中、同じ五虎神である前川たけしに強引に連れ戻された蛭田は、横山に謁見していた。
横山の両脇には、片や虎の顔を肩にあしらった精悍な美丈夫、片や黒いマントに身を包んだ、金髪の男が立っている。
一方は、五虎神筆頭である山原義人。一方は、十傑集のひとり、岡田芽武である。
蛭田「で、なんでしょう、火急の用事ってのは?」
お楽しみを邪魔された格好の蛭田は、内心不機嫌だったが、横山の前ではそれをおくびにも出すわけにはいかない。つとめて平静に、恭しく言った。
すると、横山は羽扇で口元を隠すいつものポーズをとりながら、切り出した。
横山「実はですね。どうも、矢吹艦で行われている大会の参加選手達の間に、不穏な動きがあるらしいのですよ」
蛭田「…と、言うと?」
横山「なんでも、各ブロック上位チームのメンバーが集まって、親睦と団結を深める為の集いだとか」
蛭田「いやいや、いいですね。俺もあやかりたいですよ」
横山「蛭田、事はそう、呑気なものではありません」
今ひとつ緊張感のない蛭田に、横山は教え子を諭す教師のような口ぶりで説明する。
横山「これまで勝ち残ったチームは、どれも一筋縄ではいかない、強者ばかりです。
   といっても、今までの彼らは目先の戦いに囚われ、バラバラでした。
   しかし、彼らの間に、もし意思の統一が起こり得るとしたら……」
蛭田「なるほど、由々しき事態ってことですね」
さすがに蛭田も馬鹿ではない。横山の言わんとしている事をすぐに理解した。
横山「左様。我らの驚異になるやも知れません。そこで、蛭田。貴方の能力が必要です
  
   裏 千 葉 流 秘 伝  『 傀  儡  の  舞  い 』 
   
   久々に見せてもらいましょう」

182 :“牙”をとぐ者たち:03/12/16 19:18 ID:AbI+MlkP
横山「『傀儡の舞』……別名・乱世の舞とも言われる、人心操作の舞。
   かつては時の権力者を自在に操り、乱世を操作したまさに悪魔の舞踊」
蛭田「あれを、使えと? 下手したら、大パニックになりますよ」
横山「構いません。私が大会を黙認しているのは、彼らが互いに相争うことで、
   彼らの牙を研ぎ澄まし、その魂を鍛え上げる為……
   その為に、彼らにはもっともっと歪み合い、憎しみ合ってもらわねばならないのです」
その台詞に、蛭田は肩をすくめた。
蛭田「いやいや、恐ろしいお方だ・ 分かりました。
   命じられた以上、至上に美しい滅び…『滅美』を演出してやりますよ」
横山「頼みましたよ」

用件がすむと、蛭田は岡田に向き直り、声をかけた。
蛭田「よう、岡田ちゃん。水島新司とっ捕まえたんだって? 大手柄だな」
岡田「――私の『黒眼(ブラックアイ)』の中に広がる『無限(ゼロ)』に、
   『彼』の肉体と魂を封じこめました。お館様が任意の刻を指定するまで…
   『彼』の肉体は私と共にあり続けます……
   それまで…私は全力で彼の全てを守りましょう」
すると、横山が自嘲的に笑った。
横山「かつての友を道具のようにして来るべき闘いのためにとっておく……
   牙をとがらせ噛みちぎる用意をする…聖なる闘いのようには見えませんね」
岡田「お館様……」
横山「貴方はどう考えます……『マスク・ザ・RED』」
横山にしては珍しい問いに、岡田はしばし考え、そして答えた。
岡田「昔…私にとって1番大切な『友達』が言っていました。
   『全てを守る為に生きるのなら己の牙をみがくことに恐怖することは無意味』
   『己の心に刃を置き 汚れていると知っていながらも――全てを守る為に“牙”をむくのだ』

   『 己  の  心  を   鬼  と  化  し  て  も 』
                                      」

183 :そして……新たなる“牙”:03/12/16 20:58 ID:AbI+MlkP
場に、厳粛な雰囲気が漂っていた、そのときだった。
いきなり広間の扉が弾けるように、乱暴に開け放たれ、血風連の男が飛込んでくる。
血風連「し…失礼いたします、横山様!!」
山原「何事だ、騒々しい!!」
血風連の狼狽ぶりを、山原が叱咤する。
その剣幕に竦み上がりそうになる血風連だったが、気を取り直し、横山に進言する。
血風連「一大事です! バベルの塔最下層の牢獄が……破られています!!」

その瞬間、刻が氷結した。

横山「今……なんと言いました?」
横山が、心持ち震える声で言った。
よく見ると、羽扇を持つ手までもが、かすかに震えている。
この、全てにおいて超然とし、森羅万象を見通す神算鬼謀の男が、これほどの動揺を見せるとは!
あらためて事態の異常性を思い知ったか、血風連の顔は死人のように青ざめている。
血風連「は…はっ! 
    最下層のセキュリティレベル5(最高レベル)の牢獄が破られています。
    破られたのは内側からです。当然ながら、中はもぬけの空です!!」
    しかも、横山様の愛馬…【赤兎】の姿もありません!!!」
ガタガタと震えながら、血風連の男は言った。それを聞いた横山は、痛いほどに沈黙している。
山原、蛭田、岡田の顔には、あからさまな動揺と…そしてはっきりとした恐怖があった。
山原「ま…まさか……あの化物が……」
蛭田「まだ…生きてやがったのか……や…野郎…」
岡田「お館様……本当にあの男が!?」
三人が唸っていると、いきなり横山が足早に歩き始めた。
山原「横山様!!」
横山「この目で確かめます」
あっという間に広間を出ていった横山を、三人が急いで追う。
バベルの塔は、突如として未曽有の事態を迎えた。


184 :そして……新たなる“牙”:03/12/16 20:59 ID:AbI+MlkP
バベルの塔最下層――

そこで横山たちが見たものは、無惨に破壊された、数十トンはあろうかという分厚い鉄の扉だった。その内部には、根元から引きちぎられた、幼児の頭ほども太さがある鉄鎖が転がっている。
岡田「こ…これは……」 蛭田「この頭抜けた手口……間違いねえ、奴だ」
山原「まさか、本当にあの怪物が……」
三人が背後で呻いていると、横山はぽつりと漏らした。
横山「どうやら最悪の事態が発生したようですね……山原」
山原「はっ!」
横山「五虎神および、十傑集総員に通達。総掛かりで『あの男』を捕らえなさい」
有無を言わさぬ口調に、山原が身じろいだ。
山原「全員……あの男が向かった場所に!?」
横山「そう、あの怪物が封印から解き放たれ、
   真っ先に目指す場所といえば、ただひとつ…戦場しかあり得ません。
   だとするなら、現在最大の激戦地である『矢吹艦』しかない。
   今、あの男があそこで暴れれば、大会そのものが破壊される恐れがあります。
   そうなる前に、総力を挙げて、あの男を捕えなさい」
それだけを言い残すと、横山は再び、足早に歩き出しながらテレパシーを飛ばす。
横山「(下手をすれば、五虎神、十傑集の総力を挙げても、あの男の捕獲は危うい。
    ここは、念には念を入れておく必要があるでしょう)」
そう考えてるうちに、目当ての相手との連絡がとれた。
横山「【武論尊】さんですか? 実は折り入って、仕事をお願いしたいのですよ。
   そうです、貴方ほどの方でなければ勤まらない仕事です」
そこで息を切り、横山は自分にとっても、衝撃の事実を告げた。
横山「あの男が、私の愛馬【赤兎】と共に姿をくらましました。目標は矢吹艦です。
   ええ、そうです。あの怪物が脱出しました。
   十傑集最後の1人にして、忌むべき反逆の徒…

   純  一  戦  士  【 王    欣    太 】  が  」  

185 :作者の都合により名無しです:03/12/17 03:51 ID:853D1aA6
基本的に面白い漫画を描けば描くほどカコイイ奴として登場するようだな。
確かに武装錬金は面白い、和月」がカコヨクなって再登場するわけだ。

186 :えなりVS原哲夫:03/12/17 17:33 ID:Wwg13tFA
対峙する二人の男。えなり二世と原哲夫。
互いに構えをとりながら、まったく微動だにしない。
えなりの頬に、ひと粒の汗が流れた。
数分前――えなりの言葉からこれは始まった。

えなり「僕と一回・・・・手合わせ、願います」
えなりの言葉に、原哲夫の表情が一変する。
親しみを感じる笑顔から、戦士のそれへと。
原 「……本気か?」
原哲夫の恐ろしいまでの眼光に、えなりは自分の血が引いていくのを感じた。
ひょっとしたら自分は今、とてつもないことを言ったのではないのか?
相手の威圧感で麻痺した脳を必死に働かせて現状の再確認をする。

自分と面と向かっているその戦士は――ジャンプ五聖人の一人であり、
ジャンプ黄金期に武論尊と共に北斗の拳で一世を風靡した伝説の男――
原哲夫なのである。自分とは全てにおいてレベルが違う。
その男に、なんと自分は戦いを挑んだのだ。
車田正美や、北条司と肩を並べるその男に――

187 :えなりVS原哲夫:03/12/17 17:36 ID:Wwg13tFA
自分の顔が冷や汗まみれになっているのが分かった。
自分が今、とんでもないことを言ったのを自覚する。
しかし――
えなり「……お願いします」
彼は引くわけには行かなかった。
強くならねばならないのだ。今よりもっと。
その為には、今ここで引くわけにはいかない――
原哲夫は目をつぶった。そして一言。
原 「……いいだろう」
答える。そして続ける。
原 「何故君がそこまでして強くなりたいのか――くわしいことは今は聞かん。
  それは君の拳で語ってもらおう」
えなり「あ、ありがとうございます」
原 「ただし!」
原哲夫の声が通路中に響き渡った。
あまりの大声に、えなりは思わず耳を塞いだ。
原哲夫が全身から闘気が吹き出した。
上半身の筋肉が膨れ上がり、革のベストが音をたてて破れていく。
原 「手加減などという器用なことは出来ん。
  そのつもりで、かかってこい」

188 :えなりVS原哲夫:03/12/17 17:37 ID:Wwg13tFA
最初に動いたのは、意外にも原哲夫だった。
猛烈な勢いでえなりとの間合いを詰め、その剛拳をえなりに放つ。
原 「ほぁた!!」
えなりがそれをかわせたのは、まさに奇跡だった。
原哲夫の姿が消えた瞬間、警戒していた彼は、
ぎりぎりのタイミングでバックステップして難を逃れたのだ。
原哲夫の拳から発生した風がえなりの頬を撫でる。
恐らく、秘孔を突かれようが突かれまいが、一撃でもくらったらお終い。そんな予感がした。
原 「ほぉぉあたぁ!!」
二発目の攻撃はえなりの予想より遥かに早く、速かった。
蹴りがえなりの腹に食い込む。
唾と胃液を吐き出しながら、えなりの体は数メートルほど吹っ飛んでいった。
えなり「あ……がぁ……っ!!」
腹を押さえて転がり回るえなり。下手をしたら内臓を傷めているかもしれない。
父との融合がなければ、この程度ではすまなかっただろう。
原哲夫は特に表情をかえずに、えなりに向かってゆっくりと歩いてくる。
えなりは視界の端にそれを捕らえ、
えなり(殺ら……れる――!!)
えなりは必死に立ち上がった。脂汗が頬から滴り落ちる。
えなり「……く…らえ…! …肉変…砲!!」
えなりの拳からエネルギーの塊が、原哲夫に向かって飛んでいく。
原哲夫は避けるそぶりすら見せない。
当たる――そうえなりが確信した瞬間だった。
原 「ほぁぁっ!!」
闘気――原哲夫の周囲を舞う闘気が一瞬爆発し、えなりの肉変砲を消し飛ばした。

189 :えなりVS原哲夫:03/12/17 17:38 ID:Wwg13tFA
えなり「……………………」
えなりは痛みも忘れ唖然とした。
強くなる――どころではなかった。
手も足もでない。
父から受け継いだ力――それを持ってしても、
えなりと原哲夫の力は天と地ほどの差があった。
原 「もう…終わりか?」
えなりの近付きながら、言う。
えなりは――動けなかった。

原 「もう終わりか!? えなりよ!!」

原哲夫が闘気を天井へと向かって飛ばした。
闘気は天井の壁を吹き飛ばし、そこに巨大な穴をつくり出した。
力が違い過ぎる――
天井に出来た大穴を見上げながら、
えなりは脱力感に襲われにへたり込んだ。

原 「天を見よ!」

原哲夫が空に向かって指をさす。
原 「天を見よ、えなりよ! そこに貴様の運命がしるされている!!」
大穴から覗く空。えなりはその先を見上げた。
そして――見てしまった。
決定的な、それを――
原 「やはり……見えてしまったのだな……あれが」
えなりは答えない。ただそれをジッと見つめる。
原 「天に浮かぶ凶兆。北斗七星の横で小さく光るその星が」
えなりの瞳には、もはやそれしか映っていなかった。

原 「死兆星が――」

190 :座布団全部取っちまえ:03/12/17 17:44 ID:qWaiY518
  温泉唱歌 さく:うた 松沢夏樹     (注)温泉唱歌は120番まであります

1  ハァ〜温泉温泉温泉だ〜 あついぜあついぜもォサイコー
   湯気のむこーにハゲ一匹 マジマジマジでチョーベリグー!
  (チョベリグってゆーな! ザブトン全部とっちまえ!!)

2  ハァ〜温泉温泉温泉よ〜 つれないあの子は今日も笑う
   笑うカドには犬一匹   そりゃーそーだろ温泉だもの
  (ミソ汁でフロ入って   出なおしてきやがれ!!)
                                    
松沢 「兄貴のラブカレーを返したまえグラサン男!でないとおじちゃん君にハァハァしちゃうぞ!!」
冨樫 「それはぼくへの宣戦布告かい?いっとくけどぼくは邪魔者に慈悲はかけないよ」
あんど「予言とやらを見てみたいものだな、ところで今の歌はなんなのだ?」
松沢 「戦艦無礼ドの温泉を客に壊された艦長(ワシ)の魂の叫びよ!カレーと兄貴と温泉はワシの命!」
冨樫 「それとこれの何が関係あるんだ」
あんど「そもそも私たちは何のために闘っているのかわからなくなってきたが」
松沢 「バカこくでねぇ!ワシはカレー温泉に兄貴たちと漬かれればそれでええんじゃ!」
冨樫 「たちって何だ!ぼくを混ぜるな!カレーは食べるものだ!」
あんど「何でもいいから早く闘わねば温かいカレーが冷めてしまうぞ青年よ」
冨樫 「ええい何が悲しくて股ぐらなんぞに乗っかったカレーを取り合わねばならんのだ」
松沢 「俺は兄貴の温もりがつまった素敵カレーならどんぶり10杯はイケるぜぇぇ!!」
あんど「だが断る!!」
冨樫 「とっとと倒して新しいカレーをもらいにいってやる!」
松沢 「何!?隣のカレーはよく客食うカレーだとぉ!?」
冨樫 「わけわからんわ!」
あんど「行くぞ変態秘奥義ジャンピングオイナリプレスホールドぉぉ!!」
冨樫 「ぼくにかけるなー!!」
松沢 「ワシにかけてくれ!!」
あんど「遠慮するな青年よ!!」
冨樫 「遠慮ちゃうわボケナスどもー!!」

          誰 か こ い つ ら 通 報 し て く れ ! ! _| ̄|○

191 :作者の都合により名無しです:03/12/17 17:45 ID:qWaiY518
あ、苗字間違えてた(゚∀゚) うちゅーじんのまちがいー

192 :トラブルトライアングル:03/12/17 20:54 ID:qWaiY518
迫り来るあんどの股間、咄嗟に矢吹のクレジットカードに念を込めるN星人(バレバレだが匿名)。
勝手の違う肉体だが闘わねばならない。鋭利な刃物と化したカードを指に挟み、斬りつける。
 「・・・!!」とっさに腰をひねり攻撃をかわすあんど、そのまま後ろ回し蹴りに入る。
しかしあんどの蹴り足はカード一枚で止められ逆に弾かれる。
反動を利用しバック転で下がるあんどに目視できぬ速さでN星人が迫り、あんどの胸部に一撃!
引き締まった胸板に流れる一筋の赤い液体。「やるな、青年よ!」しかし・・・

 はらり。 カードはあんどのチャームポイントを保護するちまきの布まで切ってしまった!

 「!!!!」追加の攻撃の手が止まるN星人。その顔にはなぜか・・・困惑の色が浮かんでいた。

 (なんだ・・・?身体が言う事を聞かない。前に出ようとしない。
 この肉体が・・・矢吹君が、あんど慶周に対し本能的に恐怖を感じている・・・?)
青ざめ冷汗を流すN星人。ふと彼の脳裏に――矢吹の記憶映像がフラッシュバックした。(6部)


  「…今までいろんな奴が私に挑んできたが…あんど慶周!おまえが現れるとは、少々予想外だったぞ!」

  「矢吹!貴様の愚劣なる数々の行為!断じて許せん!この正義の変態仮面、あんど慶周が成敗してくれるっ!!」

  「変態揃いの元祖ジャンプチームの中でも輪を掛けて色モノの貴様がっ…正義を語るな!!」

  「くっ……!うおおおおおおおっ!!な、生温かいっ!!なんという恐ろしい攻撃だ!
   もし、まともに食らったなら……!俺はきっと精神が破壊されて死んでしまう!!」

  「どうした矢吹!お楽しみはこれからだぞ!!」


 「身体が覚えていると・・・彼の恐怖を骨身に刻み込んでいるというのか、矢吹君。
 ふ・・・カレーは別の誰かに捜してもらうかな。一口だけ食べれたし・・・でも」
ナニの露出も構わず堂々仁王立ちのあんどをサングラス越しに睨み、N星人は額の汗をぬぐった。
 「でも、ただじゃあ帰らないよ」N星人は目を瞑り・・・開けた。

193 :戦鬼の徒:03/12/18 02:28 ID:32eotU8W
山本「やべえ・・・・こいつは本格的にやべえ・・・・・」
危険を察知し、いち早く飛び上がって難を逃れた山本は、少し離れた茂みに着地し、身を隠しつつ様子を伺っていた。
眼前では、すぎむらしんいち・・・いや、サムライダーの凶刃が次々と部下の首を刈り取っていた。
辺りはすっかりと、死体が漂って来る血臭と、サムライダーの全身から発する狂気によって、
地獄の空間へと様変わりしている。
山本「逃げるか・・・・。いや、全部を見終わってからでも遅くはねえな」
山本には、自慢の忍術がある。いざとなったら、いつでも逃げ出せる自身はあった。
それより問題なのは、サムライダーが安西をどうするかであった。
どうもあの鬼は、安西を助けるようなそぶりを見せない。
ただ、ひたすらに血刃を振るい、嬉々として殺戮を楽しんでいるようだ。
もし、その気があったのなら、最初に突っ込んできたときに、さっさと安西を槍から引き抜いてから、
後ろに乗せて逃げればよかったのである。
安西のほうも、今もってサムライダーに助けを求めるようなことはしていない。
少なくとも、安西にとってもサムライダーは味方ではないのだろう。
いや、それどころか、あの鬼は安西にとっても敵なのかもしれない。
なにより、安西の顔・・・・恐怖に歪むあの顔がそのことを物語っていた。


194 :戦鬼の徒:03/12/18 02:30 ID:32eotU8W
安西「やべえ・・・・こいつは本格的にやべえ・・・・・」
安西の五体を、山本にシケイダーの槍で貫かれまま、地獄のドライヴをした以上の恐怖と焦りが駆け巡っていた。
眼前では、血の海となった道路に、脳味噌はみ出したままの生首がゴミくずのように転がっていた。
今も殺戮は続いている。
山本だけなら、まだ逃げる余地はあった。
しかし、この男・・・いや地獄の使者とも言うべきこの鬼からは、生存への一縷の望みすら切り刻む狂気が発せられていた。
安西「なんで・・・俺ばかり・・・こん・・な・・目に・・・・・」
泣き言を言う安西。しかし同時に、過去の自分の姿が頭に思い浮かんできた。
安西(しゃあねえな・・・・。自業自得だ・・・)
今の自分の境遇に対する諦めのような思いが、槍を引き抜く手を止めた。
だが・・・・
安西「終れねぇ!だからこそ、こんなところで終れねえんだよ!!」
一瞬のためらいを吹き飛ばし、安西はいっきに槍から体を引き抜いた。
ドサッ!
槍の支えを失い、地面にどっと倒れこむ安西。血は止め処なく流れ落ち、頭から思考能力を奪っていく。
それでも、何とか起き上がり、山本のバイクに手をかける。
安西(このバイクで・・・逃げるか・・・・・)
一縷の望みをかけて、体を引きずるようにして座席に向かう安西。
視界は、異常に狭くなっており、近くで燃えているはずのバイクの爆発音が何故か小さく聞こえた。
顔を上げることも儘ならず、ナメクジのような遅さでバイクに乗ろうとする安西は、あと少しで座席というところで、
周りの状況が先ほどまでとは違っていることに気がついた。
聞こえない。さっきまで、あれだけ喚き散らされていた特攻隊員の悲鳴が聞こえない。
出血のため、聴覚が死んだわけではない。まだちゃんとバイクの燃える音は聞こえる。
安西(おい、もう・・・誰もいねえのかよ・・・・)
視覚は半分以上死んでいて、役に立たない。
耳を澄まし、状況を確認する。
キキィ・・・・・


195 :戦鬼の徒:03/12/18 02:34 ID:32eotU8W
すぐ目の前というような位置で、何かが止まるような音が聞こえた。

顔を上げる。

暗闇のトンネルのような視界。

目を凝らし前を見る。

足下には、炎に照らされた暗い影。

血が凍る。

全身が震える。

恐怖と絶望が、現実と幻覚を同時に見せていく・・・・・


196 :戦鬼の徒:03/12/18 02:45 ID:32eotU8W
スズキのバイク・・・・・                         振り上げられた刀・・・・・
          悪鬼・・・・・           悪魔・・・・・
  振り下ろされる日本刀・・・・・            生首・・・・・                        サムライ・・・・
暗い瞳                                      滴り落ちる血・・・・・
             炎・・・・           狂気・・・・・
               悪夢・・・・・                        燃えるバイク・・・・
 赤黒い鎧・・・・・                        首のない死体・・・・・
                        死神・・・・                                 
                                 死・・・・・
                                  ・
                                  ・
                             オレハシヌノカ・・・・
                                  ・
                                  ・
               ―――――なぁ、安西クン。キミは描きたいモノはあるかい?―――――
                                  ・
                                  ・
                             フジタセンセイ・・・・
                                  ・
                                  ・
安西「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

その時、すぎむらしんいちの日本刀は黒い長髪となった、安西の獣の槍によって叩き折られていた。    

197 :戦鬼の徒:03/12/18 03:40 ID:32eotU8W
安西(死ねネエよ!)
安西が獣槍を振るう。しかし当たらない。
槍の力で血は止まったが、半死人であることは変わりなかった。
しかし、安西は死ぬことが許されなかった。

―――――貴方がもし地獄に堕ちるなら、私も堕ちるでしょうね。だから、心配することはないわ―――――
   ―――――貴方の罪は、私も背負ってあげる。貴方はもう、ひとりではないのだから―――――

安西(留美子さん、あんたまで地獄に連れて行くわけにはいかねえよ・・・・)
ふらふらのまま、再び槍を振るうが、やはり余裕でよけられる。
すぎむらは、KATANAから降りて山本のバイクに手を突っ込み、どういう原理かそれを原料に再び日本刀を作り出していた。
しかし構わず、安西は槍を振るう。

        ―――――いいか、安西! 真剣勝負を決するのは技でも体格でもない!―――――
―――――性根だッ。人間の魂だッ。闘志が残っている限り、地を嘗めてもそれは敗北ではない!―――――
          ―――――敗北とは、『心が折れる音を聞くこと』を言うのだッ!―――――

安西(おっさん、あんたの言ってたことわかってきたぜ!)


198 :戦鬼の徒:03/12/18 03:42 ID:32eotU8W
段々と、槍を振るう安西の速度が速くなる。
すぎむらも、安西の槍を刀で受けるようになっていた。

―――――そんな大層な大言を吐いたからには、中途半端は許さないわよ―――――

安西(見てろよ荒川!お前の夢、お前たちの夢、みんな俺が守ってやる!)
安西の槍の速度が、尋常ではなくなっていた。
唸りを上げて襲いかかる獣の槍に、すぎむらは防戦一方となってきた。

安西(おれは、死ぬことすら許されない罪を重ねてきた!だから!)

だから・・・

だから・・・

だから・・・

安西「      俺       は      生      き      る      !      !       」


安西の獣の槍が、すぎむらの胸を貫いた。


199 :えなりVS原哲夫――本能――:03/12/18 06:17 ID:u8hAXfuG
死兆星。
その星が見えるものにはその年の内に死が訪れると言う。
それが今、えなりの頭上に――!
えなり「あ、あれが僕の運命・・・!?」
真昼だと言うのにはっきりと見えるその冷たい輝きに、
えなりはただその身を震わせることしか出来なかった。

原 「そうだ、その運命からは何者も逃れ得ぬ」
えなり「う・・・うっ・・・」
絶望か――――天を見上げたままのえなりの眼から溢れ出すものは。
えなり「うわ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
突如えなりの眼がぐるんと原を捉えたかと思いきや、号泣しながら原に踊りかかった。
完全に理性を欠いている。
小栗のような三下相手ならいざ知らず、相手は黄金の五聖人原哲夫。
やけっぱちの攻撃など通用するはずもない、
格好の的――――「どうぞ、殺してください」と言っている様なものだ。
原 「やけを起こしたか・・・所詮その程度・・・・・・
   見損なったぞえなり!!・・・ほわたっ!!」
原の豪拳がえなりの原を貫く。
えなり「ぐぶ・・・っ!!」
口と腹部から大量の血を噴出し吹っ飛ぶえなり。
えなり「ああ〜〜気持ちいい〜〜〜〜〜」
その体の状態からは不釣合いな言葉を洩らしながらえなりはのた打ち回る。
その顔は恍惚の表情だ。

そしてそれを無表情で見据える原。
原 「北斗有情拳・・・この拳にかかった者は死ぬ間際に天国を感じると言う・・・
   死の運命にある者を苦痛と共にあの世へ送るのもまた不憫・・・
   せめて快楽の中で旅立つがいい・・・・・・」
無表情だが無感情ではない、その眼には微かだが確かに感情があった。
これは哀れみ?
――――いや、悲しみだ。

200 :えなりVS原哲夫――本能――:03/12/18 06:18 ID:u8hAXfuG
五聖人―――原哲夫は戦闘狂ではない。
確かに血沸き肉踊る戦いの場に身を置いていたいと思ってはいるが、
その考え方はいわゆる戦闘狂とは異なる。
漢(おとこ)を見たいのだ――――。
自分が心から惚れられるほどの熱き血潮の通う真の漢(おとこ)を――――。
えなり少年は後数秒のうちに肉体を内部から破壊され絶命するだろう。
――――ここまでする必要があったのか?
彼の眼にはまだ小さく、頼りないながらも熱き心が芽生え始めていた。
――――ここまでする必要があったのか?
Aブロック決勝で見えた小林よしのりは言った――「おまえは傲慢だ」と。
確かにその通りかもしれない。
――――ここまでする必要は・・・・・・なかった!
まだ明日ある若者の夢を・・・命まで奪う必要はなかった。
戦いの中で死に行く運命ならば、戦いの場から遠ざけるだけで良かったのではないか?
えなり「ああ〜〜〜いい〜〜〜もっとぉぉ〜〜き、きてぇ〜〜〜〜!!」
原 「えなり少年よ・・・」
苦悩する原は、悲しみを湛えた眼で薄気味悪い喘ぎ声を出しながら痙攣するえなりを見た。
その瞬間原は驚愕した。
原 「こ、こやつ・・・!なんと・・・!!」

    『勃 起』 し て い る ! ! !

有情拳の快楽に身をゆだねるえなりの股間が激しく隆起していたのだ!!

突如現れた克・亜紀が解説を始める。
克 「自然界で動物のオスは命尽きるときに射精するという。
   また事故などでグシャグシャになった重体患者でもその下半身はギンギンに硬くなっていると聞く。
   生存本能――――。
   『たとえ死すとも子種は残そう』という生存本能が『男』を立(勃)ち上がらせるのだ。

   そ れ は 明 日 へ 繋 が る 魂 の 連 鎖 !
   ほ と ば し る 熱 き 血 潮 の 滾 り ! ! 」

201 :えなりVS原哲夫――本能――:03/12/18 06:19 ID:u8hAXfuG
原 「うっ・・・くぅ・・・!」
狼狽する原。
本来ならいくら快楽を伴うとはいえ北斗有情拳をうけて『勃ち上がる』などありえない。
肉体を内部から破壊されているのだから・・・
しかし・・・原が目を見開き驚愕しているのはそこではなかった。
原 「な ん と 立 派 な モ ノ を ・ ・ ・ !
   見抜けなんだ、この原の眼をもってしても・・・
   まさかこれほどとは・・・・・・!!」

大きさ。
原はえなりの持つモノの大きさに驚愕、その眼は股間に釘付けになっていた。

克 「それぞれの機関のデータによりまちまちだが、
   一般的に成人男性のモノのサイズは平均13.5センチとされている。
   えなり君の怒張したモノのサイズは実に平均の1.5倍!!
   原先生が眼を見張るのも無理はない!」
端から見るとちょっとやばい原を余所に克が解説を続ける。
――――二人の戦いを邪魔しないよう物陰に隠れて小声で、だが。
解説の意味などあってないような物だが、そこは自身の専門分野。
いても立ってもいられなかったのだろう。
克 「では何故肉体を破壊されながらも勃起できるのか?
   その謎に迫ってみよう」
克が両の人差し指と親指を組み合わせ、絵描きや写真家がやるように『枠』を形作る。
その『枠』内にえなりを捉え神経を集中させていく。
克の眼に写るえなりの体が・・・皮膚が徐々に、徐々に透けていく。
克の『視覚』があらゆる遮蔽物を透過しえなりの内部を『観』ているのだ。

克 「秘技・・・『 断 面 図 』 」

克の『視覚』がえなりの深部に到達した。

202 :えなりVS原哲夫――本能――:03/12/18 06:20 ID:u8hAXfuG
ドクン ドクン

――えなり体内深部――
(ああ〜〜気持ちいい〜〜ん。
 いや!快楽に溺れている場合じゃない!!
 秘孔を突かれた事による経絡の乱れはッ!ぁぁっ。
 トーナメントが始まる前に使えなくなったはずなのに、
 いつのまにかまた使えるようになっていた『波紋』で正し!肉体の破壊を食い止める!ハフゥ)
克 「むうっ!波紋を帯びた血流が細胞へ活力を送ってゆく。
   肉体の破壊は止まり逆に再生を始めている!」

(腹部をぶち抜かれた傷は『スリーベースヒット』で無理矢理塞ぐ!アハァン)
克 「『肉』のスタンドを発現、傷口を埋めてゆく!
   イチモツに気を取られている原先生は気付いていない!」

(くぅっ!この快感も経絡を正すまでの辛抱だ・・・チンポー!
 原さんは致命の秘孔を突ききってはいなかった・・・ソコハダメェェェ!
 あの時無意識のうちに『スリーベースヒット』を出して防御していたのかもしれない・・・ィャァァァァ!
 本能がそうさせたのか・・・僕の本能が「生きろ」と言っているのか。
 父さんが「戦え」と言っているのか・・・ァァァァァァッ!!
 だからこそ僕の未熟な波紋でも経絡の流れを正せるし、まだこうして生きていられる。
 それに考えたらムカッ腹が立って来たぞ・・・!ァアア
 なんで「手加減できない」からって、いきなり殺す気で攻撃してくるんだ!イッ
 いくら死兆星が見えたからといって・・・死ぬ運命だからってそれに従う義理なんかない!イッ
 これはぼくの『えなり真拳』で一泡吹かせてやらなきゃ気がすまない!!イッッ
 見てろよ原哲夫!!イクゥゥゥゥゥッ!!)

えなりの眼が静かに開いた。
――――熱い闘志を秘めて。

えなり「 僕 は 運 命 を 乗 り 越 え る ! ! ! 」

203 :えなりVS原哲夫――本能――:03/12/18 06:21 ID:u8hAXfuG
秘技『断面図』を使いえなりの体内の様子を見ていた克は嘆息した。
克 「なんと!押し寄せる快感の波に飲まれながらも、これだけのことをしてのけるとは!
   そして肉体の修復が進んだことにより血流の勢いが増し、『硬度』が・・・・・・!!」  
えなりの魔羅はその『硬度』を著しく上昇させつつあった。
――えなり2世は未だ身もだえしながら考える。
えなり(とはいえ・・・どうやって原さんに一泡吹かせるか・・・
    パワーだけなら五聖人クラスの鈴木信也を敗った時はどうしたっけ・・・
    相手の虚を突き最大の一撃を放つ・・・これしかないか・・・)
ちらりと原を見るえなり。
えなり(ん?原さんそんな驚いた顔して・・・どこを・・・って僕の股間じゃん!!
    うわっ!なんでこんなギンギンに・・・・・・はっ!
     こ れ だ ! ! )
――原哲夫はえなり2世のイチモツを見ながら思考する。
原 (この貫禄!我がバンチチーム随一の大きさを誇る北条にも劣らぬ!!
   漢(おとこ)の器はイチモツの大きさで決まると言っても過言ではない・・・
   ならばこのえなり少年の器は・・・!!)
――――死なせるわけにはいかない。
そう思い原がえなりに駆け寄ろうとした瞬間!

       ビ ッ グ ・ マ グ ナ ム
えなり「 俺 の 魔 羅 は 世 界 イ チ ィ ーーーーーーー!!! 」

仰向けの状態から腰のバネで跳び上がり、
ありえない程に肥大したイチモツ――――ビッグ・マグナムが原に迫る!!
その腰の爆発的な瞬発力はまさにマグナムの如し!
原 「ぬおおおおっ!!」
完全に虚を突かれた原にこれをかわす術はあるのか!?
克 「!!なんと巨大な鬼棍棒!!『スリーベースヒット』を股間に集中させたのか!!
   えなり君!その眼!その熱い眼光!君はまだ勝負を諦めてはいないのか!!
   『男』を立ち上がらせるのは生存本能――――。
   ならば『漢』を突き動かすのは――――
       闘  争  本  能  !  !  !  」

204 :作者の都合により名無しです:03/12/18 08:15 ID:Q/rZsHya
えなりのチャームポイントが黒岩先生になった――(ノ∀`)!!!

205 :ただいまとおかえりと:03/12/18 12:23 ID:RxgrUER3
「今度こそ帰れるといいなぁ・・・よし、次はここっ!(パッ) ああっ空中!?」(どっしーん!)

「あいたたた・・・あ!本宮せんせー♪こんちパパさん、ごきげんいかがかなっ?」
「たった今悪くなったところじゃ!とっとと俺の上から降りろ、にわの!」
「いや〜あよーやっと影船に戻れましたよ。川原せんせーはおトイレかモン?」
「テレビが終わってから甲板に行っちまった。ともかく重いっつうの、その荷物と尻をどけやがれ!」
「まこリンなんばーわーん!!」
「こンのアホだらぁ!!」

「どこかな〜。あ、いたいた。川原センセ♪」
「・・・」
「看板の高台に寝っ転がってひなたぼっこ?いいなーまこリンも混ぜちくりゃ」

「おー遥かなる我が故郷鹿児島が彼方に見えるモン〜。海はいいじゃん〜」
「・・・カレーくさいな」
「野球場でごちそーになったホ。ついでにDの選手たちに温泉来るように伝えたモン。
 乱闘やってた柴田クンや板垣サンはどっかに行っちゃったじゃん。温泉来るのかなー?」
「・・・」
「・・・強いね、あのヒトたち。ボクが見た時にはもう終わってたけど」
「・・・」
「どっちと闘いたいの?なーんてヤボな事は聞きませんよーだ」
「・・・なら聞くなよ」
「ふっふっふ。ま、のんびり休んでちょーらいな。ボクはケナゲに頑張りますで!」
「・・・怠け癖のある男は俺以外にもひとりいたはずだがなあ」
「世界がへーわになったら遊び倒すからだいじょーび」
「ふうん。・・・そういやあ俺の選手登録はどうなっていたっけなあ」
「えっと、ボクが一時期島の運営を乗っ取ってた隙にこっそり書類を書き換えといたモン。
 本当は主催者の許可がないとできないんだけど、リタイアして選手登録抹消された、
 敵選手も勝利チームのスカウトで復活できるぞよ〜」
「職権乱用だな」

「んま!なんとでもお言い! ・・・・裏御伽にお帰りなさーい、川原せんせー♪」

206 :誓いの咆哮:03/12/18 21:51 ID:l3YCf4av
チャンピオンRED付近――

レッドフレームのコクピットで、戸田は目を覚ました。
戸田「あ〜あ、よっく寝たな……さてと、そろそろ行くか」
行く、と言ってもあてはない。
大会はもう敗退したし、とりあえず矢吹はボコった。
残る敵リストに記された名を、ひとつひとつ思い出す。
戸田「岡田……あの野郎、水島までかっさらって行きやがって……あいつは俺がボコるんだぞ!!」
戸田にとって、漫画界の行く末など、別段興味もない。
そのテの堅苦しい考えは、他の奴に任せとけばいい。
自分は、ただ気に入らない相手を、自分が許せないと思う相手をブン殴る。
水島――『野球の神』だか何だか知らねえが、気に入らない。
一時代を築いたかどうだか知らないが、そういったいわゆる『権威』というものには虫酸が走る。
野郎の魂に、俺の拳を刻みつけてやる……歯軋りするほどにそう思う。
その機会を邪魔した男――岡田もまた許せない。
奴の正体など、どうでもいい。
戸田にとって、岡田もまた、敵リストの一角に過ぎなかった。
真島ヒロ。平野耕太。
奴らには借りがある。奴らを生かしておいては、報われない魂がある。
その魂は、この拳に宿り、今もそいつらを噛み千切らんと、牙を打鳴らす。
そして――
戸田「永井ィィ……」
永井豪。
自らの魂に、決して消える事のない屈辱を刻みつけた男。
あの怪物に押された、目に見えぬ焼き印が、戸田を凶暴にさせる。
このままでは、終われない。絶対の強さを、手に入れなければ。
戸田「そして、奴の魂に刻んでやる。俺の名を、戸田泰成という名を!!」
砂漠のド真ん中で、狂拳が吼えていた。




207 :空を舞う牙:03/12/18 22:23 ID:l3YCf4av
吼える力を、足に溜める。一歩を踏み出す、糧とする。
わずかでも、自分に止まる事は許されない。
止まったなら最後、その時が自分の終わる時だ――
レッドフレームを起動させる。
その瞬間、レーダーが捉えたものは――

戸田「高熱源反応、急速接近!? ヤベえ、回避が間に合わ……」

      ズ          ド    !!!!

刹那、太陽のフレアーかと思うほどの、とてつもない規模の炎が、レッドフレームのコクピットを直撃した。戦艦の主砲すら凌ぐであろう、その一撃は、一瞬にしてレッドフレームの胴体を貫通し、蹂躙し、焼きつくした。

その上空を、影が舞う。
太陽が砂漠に落とした影は、片腕に三枚の翼を生やしていた。
その影の主――戸田の視界に、高速で迫る物体があった。
鮫の目をしたその男は、猛速でレッドフレームの腕を『滑走』してくる。

     ト リ プ ル フ ィ ン モ ー シ ョ ン
 戸田「 三   枚   羽   発   動  !!! 」

翼が空を裂き、戸田は天を翔る。
しかし、もう一方の男は、その動きを一笑にふした。
??「くっだらねえ!! これがおまえの“道”か!?」

     ・  ・  ・  ・  ・  ・ 
     魅  せ  て  や  る  よ  ・・・・・・・・!!

牙が、吼えた。

208 :空を舞う牙:03/12/18 22:44 ID:l3YCf4av
戸田「攻速のォォ! シェルブリットォォォッッッ!!!!」

戸田の牙――その必殺の鉄拳が唸った。
唸りは、空を引き裂き、真っ直ぐに目標へと突っ走った。
だが――

敵の“牙”は、空中にあって、不可能な動きを見せた。
いや、『魅せた』。
まるで、そこに見えない“道”があるかのごとく、牙を空に躍った。

         ア ギ ト
       A  G  I  T  O
       
ラ イ ド フ ア ー
R i d e f a ll

ブ ラ ッ デ ィ ロ ー ル
B l o o d y r o ll
       
ソ ウ ル  ワンサウザンドエイティラブ
       s o u l 1800°         

その様は、さながら天空を泳ぐ鮫が、哀れな獲物を喰らうがごとしだった。
男の足に履かれた牙――エア・トレック――その硬質な牙が、戸田を幾重にも切り刻んだ。
まさに鮫の牙に蹂躙されたごとくに、その身を引き裂かれた戸田の身体が、翼を失い、落ちる。
血煙が、まるで“道”を作るように、奇妙な螺旋の軌跡を描いた。
戸田の身体が、砂漠に墜ちた。
砂が、血を吸っていく。

209 :作者の都合により名無しです:03/12/19 07:42 ID:u+/6tQyV
おお〜〜三大主人公のバトルは三者三様の味があっておもしろい!!

210 :使徒、襲来:03/12/19 13:09 ID:0W5iCxp1
??「どうしたよ、もう終わりか? テメエの“道”魅せてみろよォ」
レッドフレームの肩に乗った男――大暮が、血まみれで突っ伏す戸田を見下ろす。
すると、戸田が寝床から這い出るように、むくりと起き上がった。
戸田「痛ェじゃねェかよ…………」
血混じりの唾を吐き捨て、戸田が凶暴な笑みを浮かべた。
大暮「へっ、相変わらずタフなヤローだ。また会えて嬉しーぜ? 戸田ァ」
戸田「あん時のローラーブレード野郎か……何で生きてんのか知らねェが……」
天にかざした手を、指を人指し指から順番に折りながら、拳を形作っていく。
戸田「気がすむまで、何度でもブン殴ってやるぜ」
大暮「言っとくが、あん時ゃ、おまえに負けた訳じゃないぜ、俺ァ…」
2人の緊張が高まった、その瞬間――

         し          か

抵抗感なく物体を切り裂いたような、鋭利な音が鳴った。
その次の瞬間、胴体に大穴の空いたレッドフレームは、真っ二つに両断されていた。
戸田「なにッ!?」
大暮「ちっ!」
大暮が、舌打ちしながら、慌ててレッドフレームから飛び下りた。
爆発し、炎上するレッドフレーム。その炎をバックに、新たな影が揺らめいた。
??「困るな、2人だけの世界を作っちゃ……」
それは、異様な鎌を持った、見た目小学生くらいの少年だった。だが、戸田はその外見に騙されない。
恐ろしい程の妖気が、その少年の全身から発散されているからだ。
戸田「なるほどな……あの炎はテメエの仕業か……」
??「ふうん、少しは使えるみたいだな。でも、我の敵じゃないなァ」
戸田「御託をのべてんじゃねーぜ。名乗りな」
??「十二使徒のひとり、『妖狐・和日郎』」
戸田「オーケー、刻んだ! そんじゃ始めるか。テメエら2人まとめてな!」




211 :使徒、襲来:03/12/19 13:10 ID:0W5iCxp1
戸田「 開 戦 の シ ェ ル ブ リ ッ ト !! 」
自慢の鉄拳を、闇藤田の顔面に叩きつける。
しかし、闇藤田が嘲るような笑みを浮かべると――

       ギ  ョ  ム  !!

戸田「なッ!?」
今、放った拳に等しい力が、戸田の身体を吹っ飛ばした。
身を捻り、砂漠に轍を刻みながら、両足を踏ん張る。
闇藤田「いい拳打だが、効かないなァ……」
戸田「ちっ、『力』を体外に反射させんのか……小賢しい技だぜ」
闇藤田「ふん、岡田ごときに不覚を取ったおまえが、我に勝てるとでも思ったか?」
戸田「やってみなくちゃわかんねえぜ」
闇藤田「フン」
戸田「お前ら2人は、俺にケンカを売った。だったら買ってやるぜ。値下げはなしだ」
すると、大暮と闇藤田の2人は、笑みの形に頬肉を歪めた。
闇藤田「『2人』…? 間違ってるな、反逆者よ」
戸田「!!??」

     ぱらららららららららららららら !!!

古いタイプライターのような音がした瞬間、戸田は横っとびに銃弾をかわしていた。
マシンガンの弾が、着弾し、砂埃をたてる。
戸田が銃弾が飛んできた方向を向くと、黒い学ランを翼のように纏った、オールバックの男が駆けてくるのが見えた。
戸田「ちっ、もうひとり!」
男――田口のガラス玉のような眼が、戸田を映した。
その手に握られた箱のようなサブマシンガン――イングラムM10の銃口が、持ち上がった。




212 :使徒、襲来:03/12/19 13:11 ID:0W5iCxp1
戸田「 絶  影 !! 」
 
  ぱららららららら!!

古いタイプライターのような銃声と、戸田の叫びが重なった。
一瞬で再構成されたアルター『絶影』の鞭が、イングラムの銃弾を跳ね返す。
同時に疾ったもうひとつの鞭が、田口の手を打ち据え、イングラムを飛ばした。
その瞬間、戸田が田口に向かって疾走する。田口もすかさず、腰の拳銃を抜く。
戸田「おせえッ!」
だが、いち早く跳躍した戸田が、その拳銃を蹴り飛ばす。
砂に拳銃が落ちるのと、戸田の拳が疾るのと、どちらが速かったか。
唸る拳を、田口は紙一重でかわし、懐にもぐりこんだ。
まるで、武術の達人のような、洗練された動き。
いまだに宙空にある戸田の腹に、両掌がそえられる。

        パ    ァ   ァ    ン  ッ !!

戸田「ぐっ!!」
田口の『発勁』が炸裂し、戸田は凄まじい勢いで吹っ飛ばされた。
血反吐を吐きながら、戸田は思った。
戸田「(こいつら…強え……! 1人ずつでも手こずる奴らが……3人!)」
その有り様を見た闇藤田がため息をつく。
闇藤田「なかなか出来るが……所詮、我ら3人を前にしては、敵ではないな」
大暮「ケッ、だから言ったんだ。しょうがねえ、せめてとどめは俺にやらせてもらうぜ」
闇藤田「好きにしろ」
闇藤田は興味が失せたように言った。田口も、ただ無表情にたたずんでいる。
そして、大暮が、『霊毀』の長大な刃を抜き放つ。
大暮「あっけねえ幕切れだったが……ま、これで終わり……っと」
倒れたままの戸田に、死の刃が振り下ろされた。




213 :使徒、襲来:03/12/19 13:11 ID:0W5iCxp1
大暮「俺たちと戦りあった事を後悔しろ!
   もうてめェには、その拳を抜くヒマは…………無えッ!!」

    ドォ――――ン !!

大暮の牙が、振り下ろされた。場に、静寂が降りる。
その光景に、その場の全員の眼が集中していた。

??「抜くヒマがない?」

それは、戸田の声ではなかった。大暮の声でも、闇藤田でも、むろん田口でも。

??「違うな。 抜 く ま で も ね え ん だ 」

戦場に、男の声は凛として響いた。
大暮が、驚愕の眼差しで、目の前の男を凝視している。
大暮「バカな…オレの『霊毀』を、木刀の柄じりで受けやがった……」
『霊毀』の刃は、船の櫂のような巨大な木刀の柄によって阻まれていた。
それを握るのは、学ラン姿の、野獣のような眼をした男だ。
次の瞬間、その木刀が横なぎに一閃し、大暮が飛び退ってかわした。

??「たった1人の男に3人がかりかよ。いかにも腐れ漫画家が考えそうな事だぜ」
戸田「おまえ……」
よろめきながら立ち上がる戸田を、男は横目で見ながら、視線は大暮に飛ばす。
??「このガキにゃ、まだ聞きてえことがあるんでな。てめえらにくれてやるわけには、いかねえのよ」
ほとばしるような眼光が使徒たちを睥睨し、野獣の気がたちのぼった。

   
         由   利   聡    推    参   !!!!

214 :不安と期待と温泉と:03/12/19 13:28 ID:UrUnUWrk
  『 ピンポンパン♪
 トーナメント選手・関係者の皆様にお知らせします。温泉慰労会に参加を予定されている方、
 午前11時にDブロック空港から集合場所への連絡船が出航致します。お早めに集合ください。
 それ以外の交通手段はCブロック空港から特別に無料でセスナをご用意いたしておりますが、
 数に限りがありますのでご注意ください。なお現在Dブロック空港は、
 付近の爆発事故のため特別警備体制を取っており混雑しております。ご了承ください。
 手荷物で銃器や火器を持ち込む場合は他者や一般人に迷惑をかけないようにしてください。
    ピンポンパン♪』

“連絡船”船長の岡野は艦内案内所に空港内線で電話を入れ、アナウンスをしてもらった。
銃火器の持ち込みを許可したのは幹事・にわの。
レダルーバで慰労会の細かい打ち合わせをしていた際、少々もめた一件である。

 「どーせ禁止しても持ち込む輩もいるだろーしね。それに肉体派多いし関係ないかと」
 「だからってわざわざ危険物を持ち歩かせなくても」
 「岡野クン。今日明日に温泉地なんぞでポックリ逝くよーな連中はね、
 絶対『あれ』から生き残れないんだモン。ボクもなるべくがんばるけど、
 結局最後は自分自身のチカラが必要じゃん。岡野クンも相方と一緒にがんばってね!」
 「にわの・・・?」


『あれ』とは一体なんなのか、岡野は結局聞きそびれてしまった。
先ほどにわのから裏御伽控え室の荷物を回収したと連絡が入った時にも聞けなかった。
妙に気になるが仕方ない。岡野はゆっくり受話器を下ろし、VIP待合室から出る。
左手の中で眠る相方――霊体・真倉。彼を叩き起す事にしよう。
 「真倉、そろそろ起きないか?」
 ≪・・・あん?もう温泉か?≫
 「呑気な奴だなあ。もう一仕事あるぞ。・・・がんばろうか、真倉」
 ≪へえへえ≫

外では乙たちを乗せた救急車や、あんど以外の変態チームが待機している。高く昇った太陽が眩しかった。

215 :使徒、襲来:03/12/19 13:38 ID:0W5iCxp1
闇藤田「ふぅん、お前が『チャンピオンRED』の残党かあ」
大暮「半信半疑だったが……期待どおりの獲物が来てくれたってか」
田口「――――」
口々につぶやく使徒たちを、由利が睨みつける。
巨大な木刀を振り回し、ビタリと構える由利。
由利「なるほど、見事に、『俺たち』は釣り上げられたってわけか」
大暮「……俺『たち』?」
胡乱な声で大暮が言った瞬間、あらぬ方向から気勢があがった。

 「 フ  ラ  イ  ン  グ  根  性  焼  き !! 」

使徒「!!!!」
凄まじい威力を秘めた何かが、凄絶な殺気を孕み、高速で吹っ飛んできた。
すかさず、田口がその方向にイングラムの銃口を向ける。
しかし、銃弾は発射されなかった。
威力の正体――火の点いた煙草――が、その銃口に突き刺さったからだ。
刹那、イングラムが暴発し、爆発した。
その衝撃で、田口の指が数本、吹き飛ばされ、砂上に落ちた。
田口は痛みすら感じてないような面持ちで、その落ちた自分の指を、ただジッと見つめていた。

??「てめえら…」

新たな足音と共に、セーラー服姿の美少女が現れた。
その少女(実は男)は、その端正な顔を凶暴に歪め、開口一番、言った。

??「 ア ン コ ち ょ ろ ナ メ し て ん じ ゃ ね ー ぞ !! 」


   『 ヤ ニ ー ズ 』   哲   弘    見    参   !!!!
     


216 :使徒、襲来:03/12/19 14:01 ID:0W5iCxp1
       ………………マ? (つーかイミわかんねえ……)

その場の全員が、たぶん同じ事を考えた。
そんな事は意に介さず、哲弘は煙幕のように煙草の煙を吹かしながら、歩いてくる。
由利「ちっ…いつもいつもフカシすぎだバカが…」
大暮「なんだ!? あのいかれた女は?」
闇藤田「あいつも『RED』の残党か。噂に聞いた通り、変な奴が多いようだ」
田口「…………ヤニ臭いな」
使徒たちが、それぞれの感想をもらす。やがて、由利が背後の戸田に向かって、言った。
由利「おい、能生(戸田のこと)!!」 
戸田「……なんだよ」
由利「ここいらは俺らのテリトリーだ。そして、こいつらは侵入者。
   こいつらの相手は、俺と哲の2人でする。おまえはそこで見てろ。おまえについては、とりあえず後回しだ。」
にべもなく言い放つ由利に、しかし戸田は断固として言う。
絶対にノウ、と!
戸田「断る! こいつは俺が売られたケンカだ! だったら俺が買うのが筋ってもんだ!」

        ビ  シ  ュ  ウ  !

周囲の砂が再構築され、アルター化した物質が戸田の全身の傷をふさいでゆく。
戸田「なあ、そう思うだろ!? てめェも!!!!」
由利「(こいつ……あれだけの傷を一瞬でふさぎやがった…!)」
自然と、口元に笑みが浮かぶ。
由利「(おもしれえ……こいつは愉しいことになりそうだぜ)」
六人の眼光が、交錯する。
大暮「3on3……ってか。ちったあ、愉しくなりそうじゃん?」

      
        戦    闘    開    始

217 :出立:03/12/20 02:45 ID:kPYXYYv7
松本「行くのか・・・」
富沢「はい・・・行かねばなりませんから・・・」

ここは九州沖の海底「戦艦ヤマト」の一室
そこに横山十傑集の一人「カンパニーウォリアー」富沢順と「戦艦ヤマト」艦長松本零士の姿があった。
既に横山より王欣太捕獲の指令は通達されており、すでに支度は済んでいる。
そこに松本からの呼び出しがきたのだ。
松本「1つ聞いておくが・・・勝てるのか?あの男・・・王欣太に。
富沢「・・・王欣太の力は重々承知しております。おそらく私では太刀打ち出来ぬでしょう・・・たとえこの体でも」
彼の・・・富沢順の体は生身の体ではない。本来の肉体は過労で死亡したときに失っている。
現在の彼は唯一遺された生身の脳以外はすべて超々ジュラルミン製のサイボーグ戦士「企業戦士(ビジネスコマンドー)」である。
集英社で起きた「キユドライブ」の焼け跡から発見された際既にサイボーグであった彼の体の製作者は未だに不明である
が、かなり高度なテクノロジーの保持者であったことがだけは間違いないだろう。
富沢「ですが・・・やらなければなりません!横山様のためにも!ゴッドハンドの為にもです!」
松本「・・・ゴッドハンドの為に・・・か・・・」

かつて「神」とともに起こしたこのゴッドハンド・・・それを「守り続けること」・・・
それは松本の信念あり生きる目的でもある。
そして同じ目的の為にいま目の前にいる男は敵わぬ相手に立ち向かおうとしているのだ。
松本「(この男・・・死なすのは惜しい・・・)」

富沢「では・・・私はこれで。」
松本「待て!
富沢「・・・何でしょうか?
突然の呼び止めに不思議そうな顔で振り返る。
松本「探索活動を行うなら人手が多いほうがいいだろう。俺の部下を同行させたいのだが・・・どうだ?」

218 :出立:03/12/20 02:48 ID:kPYXYYv7

富沢「申し出はうれしいのですが生憎相手はあの「王欣太」
    下手に兵をを多くするより少数精鋭をもってあたるべき相手です。この話はなかったことに・・・」
松本「いや、同行させるのは兵ではない。ちゃんとした漫画家だ。」
富沢「ですが貴方の配下の漫画家というと「七騎士」の者のはず。今は余裕はないのでは?」

「七騎士」・・・・・松本零士配下ゴッドハンド艦隊七人の重鎮
一人一人が艦隊における隊長クラスであり
先の大戦で欠員が出たといの噂もあるがその戦力は今も健在だという


松本「確かに今現在七騎士を動かす余裕はない。だがそれ以外に適任なのがいるのだ。
富沢「適任?」
松本「ああ、ちょうど暇なヤツがいてな。待っててくれ、いま呼び出す」
富沢「はぁ・・・

そして数分後

いとう「えーと・・なんなんですか?」
渡辺「任務か?仕事か?出番なのか!」


富沢「この二人・・・ですか?」
松本「実力は・・・ある程度保証する。
    とにかくだ・・・いとうみきお!渡辺道明!富沢順と共に矢吹艦に向かい「王欣太」を捕獲せよ!

いとう、渡辺「Y  e  s    S  i  r  !  !

219 :作者の都合により名無しです:03/12/20 11:27 ID:axyMqAwc
お〜渡辺、久々の出番だ。
でも勝てるのか? あの『人中の鬼神』に。

220 :作者の都合により名無しです:03/12/20 21:20 ID:jeX4CwAZ
十人集、十傑集、五虎大将……頭に数がつくと、ついつい埋めたくなるからね……
ちなみに頭に数がついているメンバー名。

矢吹陣営……十人集
ゴッドハンド……十傑集、五虎大将、十二神将(獣神将)、七騎士
評議会……四霊
妖魔王陣営……冥界三巨頭、十二使徒、十本刀

頭の数だけ合わせると、68。ゴッドハンドだけでも、29……大体半分占めてるわけだ。
それに雑用やらが含まれるから、異常に多く感じると思う。
十本刀埋めた方が良いかも……。

221 :220:03/12/20 21:21 ID:jeX4CwAZ
誤爆してしまった……

222 :作者の都合により名無しです:03/12/20 21:25 ID:qsCPJjVX
したらばか(ノ∀`)

223 :戦士に休息はあるのでしょうか:03/12/21 03:09 ID:KeixVpMb
  『 ピンポンパン♪
 艦内の選手お呼び出しを致します。GUNG-HO-GUNSの荻野様、伊藤様。
 キバヤシ様がBブロック内インフォメーションでお待ちしております。至急・・・
 きゃあ!お客さま何を「荻野ぉぉーー!伊藤さーーん!どこへ行ったんだよーー!!
 温泉に行くのか行かないのか相談を・・・」お客さまやめてく「は!わかったぞ!!
 案内嬢まずはこれを見てみろ」あの〜?「温泉をローマ字で書くとONSENになる。
 これはアナグラムであり並び替えるとSENZO(→Nを横にする)になる。
 すなわち人類がすべからく温泉好きなのは先祖・祖先である猿が温泉好きだったからなんd」
    ピンポンパン♪』


 「・・・今の放送はなんだったんだ」
空港ロビーで腕を組んで悩む岡野。そこへVIP室からレダルーバに移動する面々がやって来た。
リーダー不在の変態チームがそこらの一般人に迷惑をかけ桂が頭を抱えている。
福本達はまだこちらに戻って来ていないが、慰労会に参加はするらしい。
ここ数日の殺伐とした気分がほぐれ、なんだか皆妙な浮かれ気分だった。戦士の休息だ。

レダルーバに隣接する戦艦無礼ドの最上階では、夜麻と萩原が洗濯をしていた。
 「ハギーばっかりずるぅい。ボクにもせんたくもの干させてよー」
 「だめー。みゆきちゃんだとちっちゃいから、シーツとか引きずっちゃうもん」
白い布を引っぱり合い、なかなか仕事がはかどらない。カムイが顔を出して2人を諌める。
 「お前たち、気持ちはありがたいんだが・・・ケンカはするなよ」
 「うん、カムイー」「わかりましたーですぅ」笑顔の子供たち。
萩原に対する幾ばくかの不安を表には出さず、カムイは天窓から入る陽光を見上げた。
ふと、遠くの地上で何かが弾けたような気がした。何かに気づく、カムイ。

 「なあお前たち。荒川を見なかったか?皆川にお使いを頼んでいたのは知っているが」
 「ドクター?うーん、知らない〜」「ねー」顔を見合す夜麻と萩原。
 「皆川たちも帰らないし・・・警備が厳しくて帰れないのかも知れんが、
 荒川はあまり外には出たがらないはずだし。ちょっと捜してこよう。いいか、仲良く干すんだぞ!」
子供たちに言いつけ、カムイはとりあえず無礼ド内を見回り始めた。

224 :死徒の群れ:03/12/21 04:04 ID:NSvJHqFB
安西の獣の槍は、確かにすぎむらの胸を貫いた。
しかし、槍から伝わってくる感触に、奇妙な違和感を感じていた。
安西(なんだ、この手応えのなさは・・・)
安西の脳内を、危険信号が駆け巡る。
しかし、当のすぎむらは槍に貫かれたまま、うなだれて動かない。
槍に寄りかからず自力で立ったままだし、刀も手放していない。
確かに、生きているはずだし力を失ったようには見えないが、やはり動かない。
安西(なぜ動かない!死んではない筈だ、死んでは・・・・・・まさか!)
安西は、握っている槍の手の皮膚に意識を集中する。
槍の刺さっている位置は、左胸、心臓のすぐ近く。
生きた人間なら、鼓動を直に感じ取れる場所だが・・・・
安西(動いてねぇぞ!まさか!)
安西が“その”事実に気がついたとき、すぎむらが顔を上げニヤリと笑った。
その笑いは、安西に向けられたものではない。その後ろである。
背後に、気配を感じた。
安西「やべぇ!」
慌てて振り返る安西だが。
??「遅いな・・・」
背後の声の主を確かめる暇もなく、脇腹辺りに強烈な一撃を受けて真横に吹き飛んだ。
安西「ガアアアア!」
地面を激しく転がる安西は、山本の巨大バイクに背中から激突してようやく止まった。
安西「ガァァ・・・ゥゥ・・・ゲホ・・・・」
血反吐を吐き、槍を支えにしつつも何とか立ち上がった安西は、擦れた視界の中、先ほどの相手がいた方向を見る。
次第にクリアになっていく安西の瞳には、燃え盛るバイクの炎と煙をバックに、右手に抜き身の剣を持ぶら下げたまま、
ゆっくりと歩いてくる二つの人影が映し出された。


225 :死徒の群れ:03/12/21 04:06 ID:NSvJHqFB
一方は、日本刀を手にし、ライダー風の鎧を着た狂気のサムライ。
もう一方は、白いマントを羽織り、古代風の両刃剣を携え、凍えるほど冷たい瞳を持った銀髪の男。
まるで、地獄で悪鬼と死神が同時に近づいてくるような光景に、安西は震えた。
??「ほう、少龍(シャオロン)を受けてまだ立てるか。意外と丈夫なようだが、その槍の力か?」
死神の方、銀髪の男が、自身の瞳に劣らない冷たい声で話しかけてきた。
先ほど、安西を吹き飛ばしたのは、この男の“少龍(シャオロン)”と言う技らしい。
安西(少龍・・・・気功系の発剄か何かの技か。まずい、こういう手合いに今の俺じゃあ勝つ見込みがねえ。)
自身の能力のほとんど失った安西には、頼りになるのは師匠藤田から借り受けた獣の槍しかない。
しかし、死霊や妖怪などの負の存在に対して無類の強さを誇るこの槍も、正の存在である“気”を扱う戦士に対しては、
ただの槍としてしかその力を発揮し得ない。まさに、安西にとっては最悪の相手である。
??「しかし、吹き飛ばされても槍を放さんとは、なかなか見上げた根性をしているな」
死神のほうが盛んに話しかけるなか、悪鬼のほうは今だ一言も発していなかった。
安西(あのサムライは、妖怪か死人か分からねえが、心臓の動いてねえ化け物野郎かよ。くそ、体の震えが止まらねぇ!)
恐怖が、足音を立てて近づいてくる。
安西(何なんだよ・・・)
死が、目の前に迫ってくる。
安西(何なんだよこいつら・・・)
地獄への扉は、既に開いている。
安西「何だってんだよ!おまえらは!」
理不尽な死に、思わず安西が叫んだ。


226 :死徒の群れ:03/12/21 04:09 ID:NSvJHqFB
??「!!」
その叫びに、意外にも銀髪の男が反応し、足を止めた。サムライも、一歩遅れてそれに倣う。
??「これは失礼した。二人とも自己紹介がまだだったな。」
銀髪の男が、風にマントをなびかせつつ、ニヤリと笑った。凍りつくような笑みである。
??「私の名は、田島昭宇。そして隣の男はすぎむらしんいち。」
安西「田島昭宇、すぎむらしんいち・・・まさか!」
二人の名に、昔の同僚の姿が思い浮かんだ。
田島「共に、最後の大隊を率いる平野少佐の眷属だ」
安西「!!」



最 悪 の 名 

最 悪 の 集 団 

殺すために人を殺し、破壊するために破壊をする。

死と破壊と司る死徒の群れ、狂気の集団“ラストバタリオン”。

その一人、“ 田 島 昭 宇 ”という名の狂った鬼が、今ここに・・・・・

227 :作者の都合により名無しです:03/12/21 06:49 ID:MsQGVhaF
田島のキャラってもしかしてカオス?

228 :作者の都合により名無しです:03/12/21 11:34 ID:Eut3CCpN
凍華(田島がイラストの小説キャラ)かと思ったがw

229 :作者の都合により名無しです:03/12/21 13:49 ID:q/IDqL3i
新キャラどものテンプレ追加よろしくです
しかし懐かしいなあカオス

230 :鋼vs武装:03/12/21 19:47 ID:/7m0HIkG
鋼と鋼の撃ち合う音がこだまする。
和月の斬撃を、荒川は鋼鉄の右腕から錬成した刃で、かろうじてしのいでいる。
一撃、一撃が、まさに神速。達人どころではない。これはまさに、剣鬼。
ピシッ…
荒川「(なに…? 肩に違和感が…)」
そういえば。荒川は思い出す。
今の機械鎧(オートメイル)は、錆びにくくしたかわりに、強度が下がっていることを。
それが和月の苛烈な撃ち込みに耐えきれなくなってきたらしい。
頭を沈めた荒川の頭上スレスレを、刃風が通過する。
荒川「っとお!(これは早くケリをつけないとやばい!)」
このままでは、安西を救いに行くどころか、自分の身すら危うい。
『シルバースキン』による絶対防御の唯一の弱点、包帯だらけの顔面に向かって、腕の刃を突き出す。
しかし、和月。
その一撃を、身を沈めて躱すと、跳躍しながら真下からの一撃を放つ。
和月「 飛天御剣流  龍 翔 閃 !! 」 
     
       ズ  バ  ッ 

致死の一撃を、荒川は後方回転してかわした。
荒川「つ…」
左肩が浅く裂け、血がしぶいた。一方、和月は遥か上空にいた。それは跳躍というより、もはや飛翔だ。
和月「 飛天御剣流  龍 槌 閃 !! 」
重力を加えた撃ち下しの一撃が、真上から降ってくる。
荒川「    錬   成  !!   」
体勢を立て直した荒川が、素早く両手を合わせ、続いて地面に触れた。
     
       バ  シ  イ  !

すると、地面が尖塔のように隆起し、荒川を宙へと押し上げた。
カムイが、異常を感じ、荒川達の捜索に乗り出したのは、この時であった。


231 :鋼vs武装:03/12/21 20:44 ID:/7m0HIkG
和月の龍槌閃は、荒川の機転によって不発に終わった。
上空へと退避した荒川を見て笑う、和月。
和月「バカが……よりにもよって、この俺に空中戦を挑むたあ……」
呟きを置き去りに、和月は飛翔した。
だが、荒川の錬成した足場は、和月の跳躍力よりもなお上空にある。
荒川「いくら飛天御剣流といっても、人の跳躍力には限界がある……この高さまでは届かないわ」
飛翔する和月を、さらに上空から見下ろす荒川が、地を蹴った。
その手には、足場を錬成して作った槍が握られている。
狙いは、和月の唯一の弱点……脳天!
荒川「(殺したくはない……でも私には生きて為さねばならないことがある!)」
悲愴な覚悟のもとに、今、荒川は和月に必殺の一撃を刺そうとする。
和月「なるほど、考えたな……と言いたいとこだが……」
しかし、荒川は和月の実力を、まだ甘く考えていた。
和月「 甘  え  よ 」
瞬間、和月が消えた。驚愕する荒川。
荒川「(消え…っ!?)」
さらに次の瞬間、和月は荒川の目の前にいた。
荒川「な…!」
和月「な?」
倭刀術『疾空刀勢』――
跳躍の力と落下の力が丁度つり合う最頂点での浮遊状態の一瞬を使った空中疾走。
ようするに、『二段ジャンプ』だ。
和月「空中戦で、俺に敵はねえ。判断を過ったな」
ジッ!
和月が抜刀した刹那、その日本刀が松明のように燃え上がった。
和月「 壱の秘剣 『 焔   霊 (ほむらだま) 』。冥途の土産にくれてやる」
荒川「(しまっ…!)」
剣閃が走った同時、荒川の左脇腹から噴き出した血が、赤黒く燃え上がった。 




232 :鋼vs武装:03/12/21 20:45 ID:/7m0HIkG
血の臭いと、炎の臭い。自らの血と肉が焼ける臭い。
斬られる痛みと、焼かれる痛み。それらが荒川の五感を蝕む。
それらを、強靱な意思力でねじ伏せ、荒川は槍を突き出した。
自分が錬成した『塔』の中腹に槍を突き刺し、落下をしのぐ。
しかし、ダメージは予想以上だったらしく、握力が抜ける。
受け身をとるも、なおしたたかに身体を地面に痛打した。
高度が低かったために死には至らなかったが、アバラがさらに折れたらしい。
体内で折れた骨がゴリゴリと音をたて、荒川は新たな血を吐いた。
激痛に喉から悲鳴がほとばしりそうになるのを堪え、真横に転がる。
一瞬前まで頭があった場所に、和月の刀が突き立つ。
荒川「はあっ――」
ふらふらと起き上がりながら、荒川がようやく大きく息を吐いた。
和月「…まるでサルだな」
荒川「なんですって!」
和月「ハハハハハ、久しぶりに手応えのある元気な獲物でうれしいぜ。
   もっとも、その傷と疲労じゃ、勝負は見えてるがな」
刀の峰をポンポンと肩に乗せながら、和月は余裕の表情だ。
和月「おめえにゃ『殺意』がねえ…ここをどこぞの遊戯場と勘違いしてねえか?」
図星をつかれ、荒川の顔が蒼ざめる。
和月「ここは戦場! 殺意の籠らねえ攻撃で止められるものなんざ、何一つねえよ」
荒川「なぜ…?」
和月「あん?」
荒川「以前の貴方は、矢吹の元にいたときも、『不殺』を信条としていたはず。その貴方がなぜ……」
その問いへの返答は、失笑だった。和月が、押し殺したように笑う。
和月「そうだ。だが、そのせいで俺は幾度も任務に失敗し、
   何度も死の苦しみを味わう羽目になった。
   やがて…幾度も経験した地獄の業火の熱が、やがて俺の頭の中に『真実』を語り始めたのさ」
荒川「真実…?」
和月「そう真実さ――すなわち」

  人 の 本 性 は 修 羅  そ し て  こ の 現 世 こ そ 地 獄

233 :鋼vs武装:03/12/21 22:33 ID:/7m0HIkG
和月「俺は、妖魔王によって、この『無限刃』とともに、新たな肉体を得た。
   今の俺は、ただ殺し、ただ喰らうだけの生物……だから――」
無限刃の切っ先を、荒川に向ける。
和月「おめえも殺す気で来いよ――って、そのふらついた足元じゃ無理っぽいな! うふわはははは!!」
荒川「ぐ………なめるんじゃ………」
パ ン !
荒川「ないわよ!」
 ガガガガガガガガガガガガ !!
和月の足元から、地面が何本も巨大なトゲ状に突き出した。
しかし、和月は破顔すると――
和月「 飛天御剣流  龍 巣 閃 」
眼にも止まらぬ高速連斬は、瞬く間に全ての攻撃を切り落とした。
和月「粋じゃねえ……無様な悪あがきだぜ。もう飽きたから、死にな」
眼にも『映らぬ』高速移動は、一刹那で、荒川の間合いを侵略した。
荒川「(まずい…血が出すぎだわ……『暗く』なってきた……)」
かすむ意識のなか、和月の左拳が飛んでくるのが見えた。
その手甲に、無限刃がかする。刹那――

    ゴ     ン  !! 

荒川の腹部――刀傷と火傷が重なる部位――に突き刺さった、和月の拳が爆発した。
大量の血を蒸発させ、爆風が荒川を食い荒らした。
ブスブスと黒煙をたちのぼらせ、荒川が白眼を剥いて、死体のように倒れる。
和月「けっ…『紅蓮腕(ぐれんかいな)』一発で終わりか……くだらねえ戦いだったな」
大の字になった荒川を見下ろし、和月は吐き捨てる。
だが、次の瞬間、その眼は少々の驚きと、そして歓喜に満たされた。
荒川「負けられ……ないのよ、絶対に――」
瀕死の状態で、それでも荒川は立つ。そして、言い放つ。
荒川「人間であることに耐えられなかった――憶病者の貴方なんかに!!」  




234 :2部より抜粋:03/12/21 22:34 ID:3kQoCHtK
ナント和月の身体が燃えている・・・

えなり2「これは一体!?」
和月「終の秘剣『火産霊神』」

和月が燃えたまま荒木に突っ込んでくる。

和月「死ねェェェェェ!」

(;´Д`)…

235 :鋼vs武装:03/12/21 22:35 ID:/7m0HIkG
和月「憶病者? 俺が? はっ、笑わせるな」
狂気の表情を浮かべる和月を、刀傷と火傷でボロボロの荒川が睨む。
荒川「そう、貴方は強くもなんともない――自分の弱さに耐えられず、
   甘美なる狂気への誘惑に負け――禁断の果実を食した貴方は」
和月の表情から、笑みが消える。荒川は、なおも言う。
荒川「確かに、人間は弱いわ。すぐ死ぬ。でもね……」 激痛に、顔が歪む。粗く息をつぎながら続ける。
荒川「だからこそ人間は『人間のまま』強くなる義務がある――
   その人としての道を踏み外し、外道に墜ちた貴方はまぎれもない弱者――」
和月「利いたふうな口をきくんじゃねえ。地獄を一度も見た事がないやつが――」
荒川「 地 獄 な ら と う に 見 た ! 」
和月の言葉を遮り、荒川は吼える。
荒川「そして…地獄で必死にあがいているのは、私だけじゃない……
   かつて外道に墜ちて……それでもそこから這い上がって…… 
   償い切れない罪を背負って、傷つきながらも、何度も立ち上がって……
   必死で戦い続けている人がいる……だから……」
揺らめく足元を、踏ん張る。踏み締める。
荒川「……私だけがここで……屈するわけにはいかない……いかないのよ!!」
和月「くだらねえ」 にべもなく吐き捨てた。無限刃を鞘に納める。
和月「もういい。てめえには虫酸が走りやがる……もう終わらせる……せめて」
次の瞬間、和月の手に、長大な槍が握られていた。
和月「錬金術士に敬意を払い……この武装錬金でとどめを刺してやらあ!!」
槍の刃に飾り布が巻きつく。それは、尾田が継承した槍と同じもの。
だが、この槍は違う。発する光は、山吹色ではなく、黒い闇の色。
和月「 臓  物  を  ブ  チ  撒  け  ろ  」
和月が突っ込んでくる。荒川が両手を合わせる。
和月「 エネルギー全・開! ジュースティング・クラッシャ―――――――!!!!!」
刹那、和月必殺の一撃と、荒川の鋼鉄腕が激突し――――

鋼鉄の腕は、粉々に砕け散った。 




236 :鋼vs武装:03/12/21 22:35 ID:/7m0HIkG
そのとき、青天に霹靂が轟いた。
天の啼く様に、カムイは思わず天を仰いだ。
カムイ「まさか……あいつらに何かが…」
未だに見つからない、荒川と安西。カムイの胸中に、暗雲が立ち込めた。


力なく、荒川が膝をついた。
もう、手はない。文字通りの意味だ。義手を失った今、荒川には錬成が出来ない。
万策は、尽きた。あまりにも明確な、和月の勝利であった。
しかし、和月にとって勝負はこれで終わりではない。
それは、相手の死をもって完了する。
和月「神とやらにお祈りでもしてみるか?」
荒川「あいにく……だけど……祈りたい神様なんて………いないわ…それに……」
うずく傷をおさえて、荒川が呻くように言う。
荒川「 そ  の  神  が  敵  な  の  よ 」
その台詞に、和月は笑った。
和月「神が敵か……そりゃいい。豪気だ。といっても、さしあたり次に死ぬのは――」
荒川の襟首を掴み、強引に吊り上げる。
和月「安西か……それとも、てめえのお仲間のガンガンか――」
そう言った瞬間、荒川が破顔した。
荒川「ははははは! 無理ね! なぜなら――」
刹那、和月の口に、荒川の残された左腕が突っ込まれた。
和月「!!!」
荒川「あなたはここで死ぬのだから!!」
和月の口の中で、指が鳴った。次の瞬間――

          ゴ    オ   ッ   !!!!!

和月の内部で、炎が爆裂した。

237 :鋼vs武装:03/12/21 23:01 ID:/7m0HIkG
和月が、燃えていく。燃え盛る。
槍も、コートも、そしてその身体も。
全てが、紅蓮の炎に包まれた。まさに、炎の悪鬼にふさわしい最期。
荒川「どんな頑強な防御も内側からは破壊可能。セオリーだけど、効果的よね」
その光景を、荒川はへたりこみながら、凝視している。
荒川「昔も。今も。貴方の敗因は、『油断』よ。
   貴方にふさわしい最期だわ……永遠に地獄の業火に焼かれなさい」
もう、立つ気力もなかった。
血が、圧倒的に足りない。火傷でひきつれる。
しかし、それでも。まだ、荒川にはやらねばならないことがあった。
限界を超えた肉体を、精神力で強引に立ち上がらせる。
荒川「安西先生……今、行くわ」
壁に手をつき、ずるずると。まるで地べたを這う、芋虫のように前へ進む。
その姿は無様だが、それは同時に、犯しがたい神々しさを漂わせていた。
前へ――
だが、そのとき。

??「なんだ、そのはしたない格好は、まるで地を這うイモ虫だな。昔の俺のように――」

そのときの悪寒を、表現するいかなる形容があろうか。
まさに、絶望と恐怖が傷だらけの肉体を満たしていくのを、荒川は感じた。
振り返ると、そこには炎に巻かれたまま立つ、異形の姿があった。
次の瞬間、凄まじい突風が、全身の炎を吹き飛ばした。
その下から現れたのは、ほとんど全裸の和月信宏。
身に着けたものは、紫地に『蝶』をプリントした、ビキニパンツ一丁。
驚愕しながら見つめる荒川を尻目に、和月はパンツに手を突っ込み、何かを取り出した。
その何か――『蝶』を象ったマスク――を装着し、和月はポーズと共に、決め台詞。

       「  パ   ピ !    ヨ    ン !!  」



238 :鋼vs武装:03/12/21 23:40 ID:/7m0HIkG
恐怖? 絶望?
そんなものは見えやしねー。というか、一瞬で吹っ飛んだ。
今、荒川が感じているのは、他でもない。
羞恥。そして、嫌悪感。
気がついたときには、大股のホルスターに仕込んであった拳銃を抜きはなっていた。
荒川「 こ の 変 態 !! 」

 ド パ ! ドンドンドンドン !!

銃弾の雨を、しかし和月はその引き締まったむき出しの肉体で受け止める。
特に、銃弾の大半は、股間に集中していた。
だが、和月の肉体には傷ひとつついていない。
むしろ、和月はちょっと恍惚とした表情で――
和月「 ち ょ っ と  カ ・ イ ・ カ ン ・ 」
ぞわっ…
荒川の全身を、これまでで最大の悪寒が襲う。
それは、身体から血が足りなくて寒さを感じているのか、
それとも何か別のことなのか、荒川には分からなかった。
ろくに動けない荒川を、旋風が襲った。
和月の蹴りが、荒川の鳩尾に突き刺さっていた。
壁に叩きつけられ、血の尾をひきながらずりおち、血とゲロをまき散らす。
痙攣する左手を、素足が踏みつけた。
荒川「あぐ…っ!」
和月「おやおや、随分と可愛らしい声で喘ぐのだね、お嬢ちゃん。
   苦しいかい? ホムンクルスの俺にはその気持ちは分からんけどね」
そう言って、ホルスターが仕込んである大股に手を伸ばす。
荒川「何……を……」
和月「こういう玩具は、二度と悪用できないように、俺が処分してあげる・」
次の瞬間、大腿から大量の血が噴き出した。




239 :鋼vs武装:03/12/21 23:41 ID:/7m0HIkG
荒川「うああああああああああッッッッ!!!」
血まじりの涙を流して絶叫する荒川を踏みつけながら、和月は醜悪に笑う。

和月「 ン  ン ン 美 味 ァ〜〜〜〜〜〜〜い!!!
    
     悪魔のように黒く 地獄のように熱く 接吻のように甘い

    こ   れ   が   人   間   の   味   か    」

荒川「あ…あ……」
和月「ごめん、ごめん。銃だけ処分しようとしたら、肉まで食べちゃったよ。
   すまなかったなあ。悪いのはこの銃と――」
言いながら、その手が荒川の生爪を剥がした。
荒川「………っっ!!」
和月「この手だけだってのにねえ?」
足が、胸を踏みつけた。肋骨が軋み、荒川が悶絶する。
ごみのように荒川を踏みつけながら、和月は思案する素振りを見せる。
和月「さて、どうするかな? このままただ食べるだけってのも芸がないし…そうだ!」
妙案が浮かんだとばかりに、和月は手を叩いた。




240 :鋼vs武装:03/12/21 23:42 ID:/7m0HIkG
和月「安西の目の前で、この女を喰ってやろう。頭から、バリバリと」
御機嫌な様子で、和月はスキップする。
和月「あいつめ、さぞかし苦しむだろうなあ。いい気味だ。
   食事の味付けとしては最高だ・ 
   問題はあいつがまだ生きてるかってことだなあ。
   ま、そんときは、あのイカレ特攻服を喰うか。安西が生きてても喰うけど」
言い終わるが早いか、和月の両腕が猛禽類の爪に変形し、肩から翼が生える。
和月「それじゃ、さっそく行きましょうか。美味しいランチタイムの場所へ・」
荒川の両肩に、爪を食い込ませ、和月は天高く飛び上がった。
まさに猛禽の王のごとく、蒼天を飛翔していった。

   
        ガンガンのみんな……

         大清水先生……
 
         えなり姉……

   
     「……安…西……先生……ごめん……なさ……い」


それを最後に、荒川の意識は、暗黒へと落ちていった。

241 :堕落狂人邂逅変:03/12/22 02:02 ID:Hg2DHt/s
「パピ!ヨン!シュワッチ!」
全身を躍動させ飛ぶ魔人。和月伸宏。
彼の行く手を阻む存在があろうはずもなく、雲一つなき蒼天に身を躍らせる。
和月の羽撃きをさえぎるものは、何もない。
音速を超える飛翔速度の前では、大気の壁すら…
「見える。最後に見たときとは違うが…匂う。半分は安西の匂い。あと半分は…藤田和日郎!?」
ぐにゃり。和月の視界が、歪む。
「臭う」
奴の臭いだ。
『臭うぞ』
ホラ、聞こえた。奴も同じコトを言っている。
『なつかしい においがする』
いた。安西の手前約80m。ビルの真上だ。
『突き刺された男のにおい 斬り倒された男たちのにおい
 焼かれた女のにおい なにより懐かしい男の臭い
    死 の に お い   戦 の に お い 』
目障りだ。潰してしまえ。
  ッ ド オ ォ ォ ォ ン ! ! !
超音速急降下。ビルは呆気なく砕け散り、残ったものは大量の残骸と…
「耳が痛い!全く耳が痛いぞ!懐かしくも忌々しき戦友(カメラード)!」
不死の王、平野耕太のみ。

242 :堕落狂人邂逅変:03/12/22 02:30 ID:Hg2DHt/s
「「ハハハハハハハハ!」」
残骸の中、魔人たちの哄笑が響く。
「何が可笑しい!」
一喝したのは、魔人、和月伸宏。
「上等じゃないか、その女」
荒川を指差したのは、魔人、平野耕太。
「全く耳が痛い。人間をやめた我々、外道である我々はまぎれもない弱者、か」
「 一 緒 に す る な 」
「耳聡い子は御気に召さなかったか?
 我 々 は 眷 属 だ 。何度でも言おう。
 人間でいることに耐えられなかった、我 々 は 眷 属 だ」
「や か ま し い 吸 血 鬼 が」
一触即発の気が満ちる。

「ふー」
肩をすくめ、闘う意思がないことを示したのは、平野耕太。
「御馳走を前に、双方気が立ってるようだな。和月伸宏」
「ちげえねぇや」
「この先の戦場でゆっくり会食とでもいきたいが、どうやらそうもいかないようだ。
 まったくうちの部下はこういうときだけ」
「「「 い た ぞ ォ ォ ォ ォ ォ ッ !!!」」」
「平野ぉっ!今度という今度は!」
最後の大隊、進軍。

243 :堕落狂人邂逅変:03/12/22 03:00 ID:Hg2DHt/s
「まったくうちの部下はこういうときだけ…手が早いんだ」
十重二十重に取り囲まれる二人の魔人。
「う…うえっ えぐっ えぐっ」
泣いている。川三番地の外周の最深部。有賀ヒトシが泣いている。
「どしたい なんで泣いてんだおめぇ」
平野耕太は尋ねる。
「なッなんでッ…うちの一番偉い人はこんなにトラブルメーカーなのかって…ッ
 一番ダメな漫画家が一番偉い奴だってッ」
和月伸宏、絶句。
「そうだよ 本当の事のこった おれは処女作からず〜っとダメ漫画家だ
 HELLSINGの前の電脳研の前の大同人の前のANGEL DUSTの前のCOYOTEからだ
 前作の電脳研だって落としまくったんでおっ死んじまったんじゃねえか
 掲載誌がファミ通PSなのにファミコンやサターンネタをキバりすぎたんだよ
 何だオメエ まだ知らなかったのか」
「なッ なんでだよッ なんでそんなにダメなのに漫画描いてんだよッ」
「おれが何のために? 闘争だよ
 おれが知ってる漫画家の目的は 主義や主張 体制の打倒や体制の維持のため
 自己表現のため 名誉のため 希望のため 家族のため 食いもんのため いろいろだ
 おれはそういうのわかんねえ
 大事な事だっていうのはわかる でもそういうの 別にペンを取らんでも何とかなるんじゃねえのと思う
 つうか漫画を描く事に そういう意味なんか必要なのか?
 二束三文のはした金で充分じゃねえのかと思う
 逆にいえば だ
 二束三文のクソ駄賃が おれにとっては命を賭けるのに足りてしまうんだ
 二束三文の金で世界中の出版社あっちゃこっちゃ出向いてって
 二束三文で原稿落としたりしたり編集と喧嘩したり
 しかも誰にいわれたワケでもなく好きこのんで だ
 修羅場での真っ白の原稿の方が編集の命や印刷所の命より重い
 うちのトップは割とそーいうホントに人間のクズなんだ
 悪いがこの業界で肩身が狭くても仕方ないかもなあー
 いや なに おまえもそのうちわかる時が来るんじゃないかな
 なにせホラ おまえはおれの眷属だ」

244 :堕落狂人邂逅変:03/12/22 09:45 ID:6yfdNSsX
駄目だ。こいつはダメ人間だ。掛け値なしのダメ人間だ。
和月の顔が歪む。
ココで殺しておくべき存在だ。しかし…

「全軍傾注!DVD射出用意!」
熊谷の号令の下、一斉に取り出される『HELLSING』アニメDVDBOX。
「「D・V・D!D・V・D!」」
「しっかり狙って角を当てろ!Zielen(構え)!」
「ほう…面白い物をもちだした。並みの漫画家なら即死だろう。だが」
「Feuern(発射)!」
 ド ド ド ド ド ド ド ド ド ガ ッ !!
刹那、和月は荒川を抱え飛翔。何百ものDVDが平野耕太へ直撃

せず、平野の前に綺麗に並べられた。
「DVDは弱点じゃあない。 大 嫌 い な だ け だ。
 パイオニアから来たDVDを、直まんだらけに。おこづかいゲット」

こいつを殺しうるものは存在するのか!平野耕太!

245 :ごちそうさま:03/12/22 12:18 ID:H3t1L1lN
余湖「美味かったじゃん!サイコーじゃん」
旭 「へへっ かれーにはやっぱり」
藤井「すてーきと かつと いせえびが はいってなきゃあよ」
武井「まずそ・・・」
伯林「後片付けはこのメイドさんしゅーまっはが」
尾田「あれ?サングラスのおっちゃんは?」
山口「ああ料理評論家だか記者だかの。トイレではないのか」

富沢「鳥山先生、ロボの燃料が切れて走ったまま固まってる・・・」
松島「回収して来いよあんた」
富沢「うう、こんな役ばっか(涙)って武井君と尾田君以外ウチのチームいないんだ・・・」
佐渡川「ねー!ダグアウトの扉が歪んで開かないよ!壊れてんじゃないの?」
鈴木「チ、なら反対の一塁側か別の出口から出るさ」
松島「集合までもう時間ねえぞ、温泉行くならとっとと準備しろよテメーら」
山口「そうだな、急ぐか。美味かったぞ尾田君」
尾田「へへっ!ドクロカレーはサイコーだろ?」
伯林「武井先生〜そのキツネ抱かせてくださいよ〜」
武井「起こしちゃうから駄目です」

武井「ところで勝手に帰った連中はどーすんだろな、温泉」
尾田「カレー食い損ねてもったいねえ奴らだよなー」
鈴木「観客たちも帰ってゆくな・・・思えば試合開始は昨日の正午だろ?帰ったら倒れるな」
施川「・・・正午って、今11時前だから・・・23時間(クラッ)」
伯林「ああっ施川さんが貧血を」
鈴木「お前が倒れてどうする」
松島「とにかく支度だ支度!温泉入って酒飲んで寝るべ!どうせ俺たちゃ負けチームだ」
山口「えなりチームは明日から決勝だな。がんばれよ。あ、そういえば・・・」
武井「いえば?」
山口「ヨクサルを追いかけるの忘れてた。あいつ鉄砲玉だからな、次はどこで捕まるやら」
鈴木「(あんたはもげた腕とか半開きの腹部を先にどうにかした方がいいんじゃ・・・)」
佐渡川「ちんたらしゃべってんじゃないよ!とっとと動く!」

246 :しまった:03/12/22 12:20 ID:H3t1L1lN
鈴木「ふ〜い、カレーごっそさん」

一行目コピペしそこねた・・・_| ̄|○ イレテネ

247 :作者の都合により名無しです:03/12/22 12:42 ID:0zGXXSt/
パピヨン化しちまったら、もう簡単には死にそうにないな、和月。

248 :えなりvs原:03/12/22 14:13 ID:uISa8k4Q
       大きいモノ、硬いモノ、雄々しいモノ
 
      それはえなり2世のビッグマグナムである

  えなりの肉変砲と原の拳の衝突と衝撃が矢吹艦を大きく震わす

          二人、男の太さを競う

  
         ガッシイイイイイイ!!!

原「ぬうう!」
えなり「むうん!」
ひとつの巨砲と化したえなりのエレガントジョニーが、連続で肉変砲をブッ放す。
その速度と、破壊力は、今までとはケタが違っている。
さしもの原も、今までのように闘気のみで相殺することはできない。
しかし、ことごとくを拳で撃墜する。
その威力の余波で、原の胸板の一部がわずかに裂けた。
えなり「ヴァァァカものがァァァァ!! 俺の魔羅は世界一ィィィィィィィ!!
    ギネスブックを基準にィィィィ!! 
    このえなり2世のディックは成り立っているのだァァァァァァァ!!!」
唐突に強大な力に目覚めたゆえか、今のえなりは半ば自身を喪失していた。
それゆえ、狙いが正確ではない。これではただの乱射魔だ。
そんなえなりの様子を冷静に見てとった原が、自分の血をペロリと嘗める。
原「恐ろしい男よ。俺は恐ろしい男を目覚めさせてしまった。だが――」
スタスタと、軽快にステップを踏みはじめる原。筋肉が躍動し、盛り上がっていく。
真剣を構えるように、原が構えをとったまま制止した。
空気が、凛、と張り詰める。
原「奥義をつくさねば、俺は倒せぬぞ」
2人の戦いは、佳境を迎えた。

249 :えなりvs原:03/12/22 23:08 ID:uISa8k4Q
えなり「これからァァァァ!俺のォォォォ!!
    最高の一撃をォォォォォ!見せてやるゥゥゥゥゥゥ!!!」
強大な力と、暴走する闘争本能に支配されたえなりが、狂気を孕んだ笑みを浮かべる。
原(やはり…えなりめ、増大する戦闘欲求を御しきれないでいる……
  普通の漫画家が何年もかけて身につける『力』をいきなり得てしまった為、
  それを操る精神力が、まだえなりにはないのだ!!)
えなりの暴走する闘気を、原は両手を緩やかに旋回させ、流している。
それゆえ、空気は動かない。原は、えなりの気を掌握しつつあった。
原「来い、えなりよ!俺が身を持って教えてやろう!完璧なる敗北というものを!
  そして、それを乗り越えた時、おまえは真の強さを得る!!」
その原の声は、えなりには届いていない。
渦巻き状になった目を血走らせ、えなり自身がさらに巨大さと硬度を増す。
えなり「くっらええええええええええええ!!!!」

瞬間、空間が歪み、えなり最大の肉変砲が放たれた。

それは、一直線に、原へと突っ走る。
原「むうん!!」
その一撃を、原はなんと、両手で受け止めた!!
えなり「無駄だァッ!砕け散れいぃいいいいいい!!」
本能のままに吠えるえなり。だが、原は退かない。
その両眼が、くわっ、と見開かれた。
原「受けよ! こ れ が 真 の 北 斗 神 拳 !!」
肉変砲を受け止めていた両手に闘気が凝縮し、巨大な塊となって放たれた!

原「 北  斗  剛  掌  破  !!!!! 」




250 :えなりvs原:03/12/22 23:09 ID:uISa8k4Q
えなり「なっにぃぃぃいいいいいいいいいいいいいい!!」
信じられない光景に、えなりは絶叫した。
凄まじく強大なオーラの塊が、肉変砲のエネルギーと一体化し、こちらにすっ飛んでくる。
青白く燃え立つ破壊の奔流は、そのままえなりの剥き出しの巨砲に激突した。

     ドッキャアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!

えなり「とォバッ!!」
自身の攻撃力に、原の一撃を上乗せされたエネルギーが、えなりの体内を逆流した。
落雷に撃たれたように、えなりは吹っ飛び、床に墜落するように叩きつけられた。
全身からブスブスと黒煙を立ちのぼらせ、力なく大の字になる。
それを見届け、原がゆっくりと両手を下ろす。
原「ふうーー」
ようやく、一息ついた。
荒削りではあるが、恐るべき爆発力だった。
このまま、この力を完全に制御できるようになれれば、末恐ろしい。
しかしながら、原にはフに落ちない。
なぜ、漫画家でも、その他のクリエイターでもない、ただの一般人に過ぎない
この少年が、そこらの漫画家をも圧倒するような潜在能力を秘めているのか……
原「謎の多い男よ。この少年、あるいはこの戦いの鍵となる存在やも知れぬ…」
そう呟いたときだった。
原「!?」
原は思わず、目を見開いた。なぜなら、そのすぐ目の前で、ボロボロのえなりが起き上がってきたからだ。
えなり「僕は・・・まだ・・・・やれ・・・る・・・・原・・先生・・・・」
原「えなり!お主、まだ!!」
もはや、戦える状態ではない。その身体で、まだ戦うというのか。
原「肉体が朽ちても、魂でなお戦い続けるか……見事な傾きぶりよ、えなり!」
えなりが、ふらつきながら前に踏み出す。
そのとき、何者かの手が、えなりの首筋をとらえた。




251 :降臨:03/12/22 23:10 ID:uISa8k4Q
えなり「!!?」
いきなり横合いから飛び出してきた手が、えなりの首筋をつかんでいた。
正確には、人指し指と親指の2本で、えなりの頸動脈を絞めているのだ。
ころりとした、優しささえ感じさせる指だった。
その指が、今は蛇のような強力さで、えなりの血流をせきとめている。
  ギュウウウウウウウウウ・・・
脳に血がいかなくなり、ブラックアウト。
えなりは失神した。糸が切れた人形のように崩れ落ちる。
??「そこまでにしておきな。もうケンカをするコンディションじゃない」
ひょいとえなりを持ち上げ、近くの壁によっかからせると、男は原に歩み寄った。

      ザ     ウ  ッ 

その瞬間、突風が吹いたような圧迫感を、原は味わった。
今まで戦ってきた者たちを遥かに上回る、強烈なプレッシャー。
“花”
という言い方がある。
歌舞伎の役者や、俳優がその裡に持つ、言葉では現せない魅力、人を魅きつける磁力のようなもの、エネルギー――それを、“花”という言い方で呼ぶ。
男は、その“花”を有していた。
天性の、身にまとったオーラのようなもの。
男が出現した途端に、その場を、男の持つ磁力が包んだように、原には感じられた。
??「異なことよ」
男は、鉄のような色をした顔を歪めて、笑った。
??「北斗2000年が、えなりの20年足らずを畏怖れている」
その顔からは、すでにほとんどのダメージは失われている。
その回復力、その肉体、その威容、まさに怪物。
そう、男こそは、かつて原が唯一の敗北を喫した男。格闘の魔人。
原が、男の名を呼んだ。
原「板垣……恵介」

252 :怪物たち:03/12/22 23:44 ID:uISa8k4Q
グニャ〜〜〜〜〜・・・・と、周囲の空間が陽炎のように歪んでいく。
怪物2頭が、対峙する。
原「恐れている……か。かも知れんなあ……」
板垣「ふふ、随分と正直なんだな」
飾らない原の言い方に、板垣も思わず笑みをこぼす。
しかし、次の瞬間には、その貌は悪鬼のそれへと戻る。
板垣「少年ジャンプが生んだ最大の怪物…原哲夫。 
   好  み  の  タ  イ  プ  だ 」
ジィ〜と値踏みするように、原を見る。
板垣「   画力   構成力   知名度   経歴 
   ど れ を と っ て も 申 し 分 の な い 好 素 材 だ 」
そう言った板垣の手が、ゆっくりと差し上げられる。
掌が、原の目の前に突き出された。
板垣「原、 手  四  つ  だ 」
唐突な申し出に、原は照れたように笑った。
原「いいのかな。このような場で、その申し出。果たし合いになるぞ」
板垣「 立  ち  合  い  が  望  み  だ 」
言い切った板垣に呼応し、原もまた手を持ち上げる。
両者の指先が、徐々に近付いていく。
ついには、その指先が、触れあった。
と――
ふたつの手が、蛇が絡み合うように、組まれていた。
異なるふたつの巨魁が、煌めく戦の場を作り上げる。
今、燃え上がる。

253 :作者の都合により名無しです:03/12/23 00:09 ID:Z5H+9Z7h
すまんが今書いてる人、えなりのキャラを立たせる方法として一考があるのだが。
原vs板垣はちょっと待っててもらえるかな?
今日中に書きあがるかは微妙なんだが・・・

254 :253:03/12/23 00:15 ID:Z5H+9Z7h
ちょっと説明すると単純なえなりパワーアップではなく、えなりの戦う理由を明確にするつもり。
それによって取ってつけたようにではなく、自然と主人公のポジションにくる構想がある。
もちろん、このネタが終わったら原vs板垣をつづけてくれてかまわない。

255 :作者の都合により名無しです:03/12/23 00:25 ID:5AbWhKvj
したらばでどーぞ→http://jbbs.shitaraba.com/comic/bbs/read.cgi?BBS=31&KEY=1059562987

256 :スクランブル:03/12/23 02:58 ID:FaJwOhU8
矢吹艦の数カ所が戦場と化している頃、その遥か上空でいとうみきおは地獄を体験していた。
渡辺「テイル・スピン(きりもみ)!!」
いとう「なぁ…っ」
螺旋を描きながら、戦闘機が急加速で墜ちていく。
渡辺「引き起こしてェ――!!ループ・ザ・ループ(宙返り)!!!」
いとう「ひい…っ!」
死を覚悟した瞬間、もう機体は一転して遥か上空に向かって吹っ飛んでいる。
渡辺「GO TO HEAVEN!!」
まるで見えない壁でビリヤードでもしているような、不可能な切り返し。
いとう(ちっ、血が…片側に寄る!?しっ…しっ… 死   ぬ ……!!)

そもそも、なぜこんなことになったのか?
いとうみきおは、死の淵に片足を突っ込んだまま、数分前の出来事を回想した。

――10分前――

30kgあるパイロットスーツを強引に着せられたいとうは、戦闘機の副座に座っていた。
いとう(なんで僕はここにいるんだろう?)
疑問に思ういとうをよそに、渡辺が富沢順と会話している。
富沢「F―4ファントムII。旧マグダネルダグラス社の開発した超音速艦上戦闘機。
   全幅11.71m 全長19.2m 自重13.8t
   アメリカ・イギリス・日本など、世界12か国に配備され、
   生産数は5129機を誇る、ジェット戦闘機の傑作です。
   初飛行は1958年と多少古い機体ですが、これはアップデートを改修して、
   エンジンも電子装備もパワーアップしています。最新鋭機にも負けません」
渡辺「最高速度マッハ2.4。何万人もの空の男達を魅了してきたボディーライン。
   美しいぜ、まさに音速の女神。ワルキューレ(女戦士)。
   勇者を黄泉(ヴァルハラ)に導く…ビーナスなのさぁ〜おおっビーナス」
富沢「それはもういいです」
大丈夫か、この男。富沢は、あらためてこの人選に不安を覚えた。

257 :血肉を得て茨を歩む:03/12/23 12:00 ID:Z5H+9Z7h
一触即発。
この状況を表現する言葉があるとしたら、これしかないだろう。
睨みあう怪物二人。
原哲夫と板垣恵介。
緊張が極限まで高まる。
まるで張り詰めた一本の糸で支えられているかのよう。
切れた途端に雪崩のように激しい攻防が始まるであろう。
そんな状況――――。
今、この二人に割って入ろうなどと思うものは居まい。
もし、いるとしたらよほど腕に覚えがある者か、
あるいは空気の読めない命知らずの馬鹿のどちらかであろう。

  「待ってくださいよ………板垣先生……」

空気の読めないやつがいた――――。
板垣「よく起きたな、えなり」
不機嫌そうに声の主を振り返る板垣。
そこには咳き込みながら首をさするえなりがいた。
えなり「…ゲホッ…ゴホッ……その闘い…待ってもらうよ……ゴホ…
    まだ原さんとの決着が付いてないんだ……」
板垣「……邪魔するなよ、えなりぃ……!!」
不機嫌そうに声を荒げる板垣。
対するえなりは身じろぎもせず言い放つ。
えなり「僕は原さんと戦うんだ……
    邪魔するなら あ な た を 倒 し て で も ! ! 」
そこに居たのは紛れもなく後者であった。
憤怒。
板垣の表情がビキィ、と音が聞こえそうなほど歪んだ。

258 :血肉を得て茨を歩む:03/12/23 12:01 ID:Z5H+9Z7h
一触即発。
状況は変わらない。
ただ相手が変わっただけだ。命知らずの馬鹿に――――。
しかし、次の瞬間板垣の口から発せられたのは驚くべき一言だった。
板垣「……と言うことだ。相手をしてやれよ、原」
原 「!」
つい今しがたの悪鬼のような顔が嘘のように穏やかになっている。
板垣は原に背を向け壁際へと下がる。
えなりと原の戦いを黙って見物しようと言うのか――――。
意外な反応。
原でさえも板垣の言葉に驚きを隠せない。
だが原には板垣の心情がなんとなくわかった。
――――興味だ。
板垣もまた『えなり2世』という存在に少なからず興味を抱いている。
それを確かめたいのだ。
そしてそれは何より当の原が強く抱いていることだった。
原 「……よかろう」
ボロボロ、満身創痍のえなりを見遣り告げる。
確かめたい。
えなりという存在の謎を――――。
しかし同時に原は違和感を覚えていた。
えなりとはこんな男だったか――――?
少なくともこんな強気で好戦的な男ではなかったはず。
なにがえなりを急きたてるのか?
原 (それも含めて確かめるまで――――)

えなり「よし!戦闘再開だ!」
血だらけの腕でファイティングポーズをとるえなり。
しかし、原は構えない。

原 「撃ってこいえなり!貴様ごときに倒される原哲夫ではない!!」

259 :血肉を得て茨を歩む:03/12/23 12:01 ID:Z5H+9Z7h
挑発か!
構えもせず撃ってこいとは!
えなり「言ったな!後悔するなよ原さん!!
    くらえっ、えなり真拳奥義―――――」
いきなりの奥義発動。――――と言っても『真拳』には奥義しかないのだが。
えなり「 星 屑 の ワ ル ツ 改 め

     え  な  り  流  星  拳  !  !  !  」

クリードアイランドで鈴木信也(逆位置)を追い詰めたえなり必殺の拳。
この傷だらけの体のどこにそんな力があると言うのか。
えなり「どうだ!原哲夫ォォォォォオオオオオオオ!!!」
その百を超える拳は確かに音速を超えていた!
しかし!

ド パ パ パ パ パ パ パ パ パ パ パ パ パ

放たれた流星は原の体に届くことはなかった。
直前で原の両の掌にことごとく阻まれた!
一撃も洩らさずに――――である

そしてえなりの拳を握り締め、原は言った。
原 「車田の拳ならいざ知らず………この程度の拳、止めるのは造作もない!!
   貴様の拳は 軽 い のだ、えなりよ」

  「 こ れ は 信 念 を 持 た ぬ 者 の 拳 だ ! ! ! 」

えなり「こぶしが軽い?僕が信念を持っていないだと?ならばもう一度くらえ………」
原 「 聞 け い っ ! ! え な り ! ! 」
再び流星拳を撃とうとするえなりを原の怒号が見舞った。

260 :血肉を得て茨を歩む:03/12/23 12:02 ID:Z5H+9Z7h
原はえなりの腕をがっちりと掴んだまま言葉を紡ぐ。
原 「車田が何故強いかわかるか?
   奴の拳はただの一発で敵を葬れるほどに強い!
   それは魂のこもった真の男の拳だからだ!
   それを数百発……さらには数十万もの数を叩き込むからこそ恐るべき強さを誇るのだ!!」
えなり「………」
えなりは車田の戦う姿を思い出していた。
ピンチの時に颯爽と現れ強大な敵を事もなく撃退する車田。
えなりはその姿に憧れを抱いていた。
原 「 だ か ら こ そ 誰 も が 憧 れ る ! ! 」
えなり「!!」
一瞬心を見透かされたような気がしてたじろぐえなり。
原は構わずに言葉を続ける。
原 「いくら『 熱 い 意 思 』だの『 闘 志 を 秘 め て 』
   だの言ったところで所詮、そんなものはメッキに過ぎぬ!!
   思い出せ、えなり!心当たりがある筈だ!! 」
えなり「――――!!?」
原の言葉に愕然とするえなり。
思い起こしてみれば、主人公でありながらその特徴のなさから安西や戸田の陰に埋もれ、
クリードアイランドで主役としての自分を再認識させようと奮起したものの、
その後の野球の試合ではチョイ役……。
あげくの果てにせっかく習得した『えなり真拳』も一時期忘れられ、
父と融合したものの相手が『雑魚の小栗かずまた』だったため、イマイチ強さが伝わらず……。

えなり「あ、ああ〜〜…………」
もう、えなりは力なくうなだれ、膝をつくしかなかった。
その腕を掴んだまま原は言い放つ。
原 「そして、えなりよ。おまえは戦う理由自体が希薄なのだ。なぜなら――――

   お ま え は そ も そ も 漫 画 家 で す ら な い の だ か ら 」

261 :血肉を得て茨を歩む:03/12/23 12:03 ID:Z5H+9Z7h
えなり「た、確かに僕は漫画家じゃない……でもそんなの……」
反論しようとするえなり。しかし、
原 「関係大ありなのだ、えなりよ。ここは言わば漫画家達の戦場……
   何 故 お ま え が こ こ に 居 る の だ ? 」
原の口から放たれた当然の疑問。
えなり「……!そ、それは矢吹を倒し、漫画界を救うため……」
動揺しながらもえなりは答える。それは紛れもなくえなりの目的に違いない。しかし――。
原 「漫画界を救うだと……?部 外 者 の お ま え が か ? 」
根源的な問題。しかし事実だ。
原 「それは本当におまえの意思なのか?
   お ま え は 何 の た め に 戦 っ て い る ? 」
核心に触れる一言。
えなりは衝撃を受ける。
そうだ、僕は何のために……最初は冨樫ファイルを託されて……
矢吹に姉さんが捕まっていたから……でもその姉さんももう矢吹のもとにはいないという……
漫画界の平和の為……?そういえば、なんで僕がそんなことを……
僕は漫画家じゃないじゃないか!!

…… 僕 に は 戦 う 理 由 が な い ……!!

その事実に気づいてしまったえなりの瞳から意思の炎が失せようとしていた。
先程までの闘気もいまや見る影もない。
しかし、原はそんなえなりから眼を離そうとしない。
原 (俺にはなんとなくわかった、おまえの力の秘密が……
   気付け、えなり少年よ……さもなくば……)
原は声もなく震えるえなりをただ黙って見つめていたが、
やがて意を決したように再び口を開いた。
原 「……もはやこれまで……死ぬがいい、えなり」

262 :血肉を得て茨を歩む:03/12/23 12:04 ID:Z5H+9Z7h
えなりを掴んでいた腕に万力のような力が込められる。
えなり「――!っ……うぁあっ!あああああああ〜〜〜〜〜っ!!」
その激痛で我に返ったえなりは腕を振り解こうともがく。
原 「今度は有情拳など使わぬ。信念なき己を呪いながら逝くがいい!!」
原の眼光が鋭さを増し、もう片方の腕に殺気がこもる。
殺る気か――――!
ゆっくりと原の人差し指が迫ってくる。
腕を掴まれているえなりに逃げ場はない。
ここで終わりなのか――――?
やがて原の指がえなりの心臓の真上に添えられる。
恐怖が腹の底から湧きあがってくる。
絶望が頭の天辺から降りてくる。
恐怖と絶望が臨界を越えた刹那――――。

  「 ふ ざ け ん な ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ あ あ あ あ っ っ ! ! ! ! 」

えなりはキレた。
えなりは渾身の力で原の腕を振り払うと、その勢いに任せ体を反転。
えなり「てめぇぇぇ好き勝手言ってくれたじゃねーかあっ!!
    確かに俺は漫画家じゃねーけどよぉ!!
    ここまで主役張ってきた俺を部外者呼ばわりとは言ってくれるじゃねーか!!
    てめーの漫画金出して買ってるのは誰だと思ってやがるっ!!」
原の胸板に裏拳を見舞わせる。
だがこの程度で倒れる原ではない。
原 「ほおあっ!!」
すかさずえなりの頬を原の鉄拳が撫でた。
えなり「ぶきゃっっ!!」
血を吹いて吹っ飛ぶえなり。
キレたえなりの攻撃を難なく退けた原。
さぞや余裕の表情かと思いきや――――
原 「 近 い、 近 い と こ ろ ま で 来 て い る ぞ、えなり!」
なんと、原の顔は緊張でこわばっていた。――――なぜ?

263 :血肉を得て茨を歩む:03/12/23 12:23 ID:gMp14EP+
えなり「つう〜〜〜〜……」
口角の血を拭いよろけながらも立ち上がるえなり。
その身には再び猛々しい闘気が湧き上がっていた。
しかし、その眼には再び狂気が宿ることはなかった。
何か吹っ切れたような顔をしている。
キレてすっきりしたのか?
――――違う。
えなりはおぼろげながら己の存在意義に気付きつつあるのだ。
えなり(何か――――何かが生まれそうだ……僕の中で。これは一体………?)
その様子を見ていた原がわずかに緊張を解き、えなりに問う。
原 「もう一度聞くぞえなり。
   おまえがこの漫画界の戦乱の渦中にいる意味は何だ?
   おまえが漫画家でないなら何者だ?答えろ、えなり」
原の問いにしばし思巡するえなり。
やがてえなりはゆっくりとその答えを紡ぎだした。
えなり「………確かに僕は漫画家じゃない……でも完全に部外者ってわけでもない。
    僕は、僕たちは漫画が好きだ……
    だからこそ腐っていく漫画界を黙って見ていたくはないんだ!
    はっ、そうか――――!」

今まで黙って見ていた板垣もまた何かに思い至ったように眼を見開いている。
板垣「読めたぞ!そういうことか……!
   漫 画 界 の 戦 乱 に 巻 き 込 ま れ た 、
   た だ 一 人 の イ レ ギ ュ ラ ー ・・・・・・ 」

原 「そう、えなり2世よ・・・・・・
   お ま え は 『 読 者 』 だ 。
   『 読 者 代 表 』 と し て 今 こ こ に い る の だ ! ! 」

えなり「 そ 、 そ う だ っ た の か ーーーーーーーー っ ! ! ! 」

―――――15スレ目にして語られた驚愕の真実にえなりは驚きを禁じ得なかった。

264 :血肉を得て茨を歩む:03/12/23 12:25 ID:gMp14EP+
えなり「え、でも結局僕に戦う理由がないのは変わらないんじゃ……」
驚愕の真実を知ったわりにあっさり我に返るえなり。
確かに――――だからどうした、という気がしないでもない。
板垣「そうでもねぇぜ」
異を唱えたのは板垣。
板垣「今まで出番欲しさに無理に気張ってたえなりだったら、戦う理由がねえ。
   例え相手が矢吹だったとしても、他の連中に比べりゃたいした事ねえ因縁だ。
   しかし――――。
   『 読 者 』としてなら、矢吹に言いてぇことは山ほどあるんじゃねぇかぁ?」
えなりの中で何かがはじけた。
えなり「――――!
    そうだ!矢吹に『おまえの漫画はつまらない』と言ってやりたい!」
板垣「言ってやれ!えなり!
   『おまえの漫画はパクリの塊だ』と!!」
えなり「矢吹に『絵柄だけは小奇麗だけど、中身はすっからかんだ』と言ってやりたい!」
板垣「言ってやれ!えなり!
   『おまえの漫画はイヴ萌えだけだ』と!!」
えなり「矢吹に『何で主人公が銃使いなのに最後は殴って決着なんだ』と言ってやりたい!」
板垣「言ってやれ!えなり!
   『黒猫の爪見たときは茶ぁ吹いた』と!!」
えなり「矢吹に『おまえ、どっかの漫画でウンコ食わされかけてなかったか』と言ってやりたい!」
板垣「言ってやれ!えなり!
   『テメー!犬のくせに日本語しゃべってんじゃねーぞ!
   ガタガタ言ってねーでウンコ食えばいいんだよォ!!!』と!!」
えなり「僕は自分を見つけた!!
    僕は推定一億三千万人の中から選ばれた唯一のイレギュラー!
    この戦いに参戦することを許された『読者』の代弁者!!
     そ れ が 僕 、 え な り 2 世 だ ! ! ! 」
原 「そうだ、えなり!
   それがおまえの存在意義!存在価値!存在理由!
   今、おまえは自分の真の力に気付いたのだ!!!」

265 :血肉を得て茨を歩む:03/12/23 12:25 ID:gMp14EP+
原 「えなりよ、撃ってこい。貴様の真の力見せてみよ」
――――確かめたい。その力を。
湧き上がる衝動を押さえきれず原はえなりを誘う。
えなり「!」(そう言えば僕たち戦ってたんだっけ)
もはやそんなことは忘却の彼方だったえなりは原の言葉に驚く。
しかし真の力――――?
自分の存在理由は見つけたけれど、そんなもの僕にあるのか?
原 「――――ある。あるのだ、えなり。
   他の漫画家には決して持ちえないおまえだけの力が――――」
心を読んだかのように原が答える。
えなり「僕だけにしか持ちえない力――――?
――――確かめたい。えなりはそう思った。
えなり「いくぞっ原さんっ!」
腰を落とし構えるえなり。自分の存在理由に気付いたえなりは今燃えていた。
肉変砲の構えではない。流星拳を使うつもりか――――?
それを見透かし先手を打つ原。
原 「撃つのは一撃だけにしろ、えなり。
   さっきも言った通り車田が強いのはその拳に固い意思が宿っているからだ。
   おまえはまず『一撃』を物にする必要がある。
   数ばかりこなしたとて威力が上がるわけではない」
えなり「一撃だけ!?」
えなりは悩んだ。やはりこの場合最大の技を放つのが得策か……
となれば超・肉変砲か……
原はそんなえなりの様子に軽く笑みを洩らすと言った。
原 「そう難しく考えるな。
   おまえが今心に抱いている思いを拳に乗せればよいのだ。
   作家の下に届くたった一通のファンレターが作家を喜ばせたり鬱にしたりする。
   自分の思いを伝えるのにつらつらと長い文章を書く必要はない」

  「 掛 け 値 な し の 本 音 。
    そ れ が 魂 に 届 け ば 一 撃 で 事 は 足 り る ! 
    お ま え の 力 と は そ う い う も の だ 」

266 :血肉を得て茨を歩む:03/12/23 12:26 ID:gMp14EP+
えなり「それが僕の力……!」
原 「そうだ、同じ漫画家同士では社交辞令に聞こえてしまって届かない言葉……
   読者であるおまえならばストレート伝えることが出来る!」
原の言葉に何かを悟ったえなりの眼の輝きが増す。
そして満身創痍のはずのえなりの全身の筋肉が蠢動、隆起してくる。

えなり「 ス リ ー ベ ー ス ヒ ッ ト ・ バ ト ル モ ー ド 」

えなりの闘気と共に何処からともなく溢れ出した肉が全身を覆い、筋肉の鎧と化す。
板垣が離れ、武井が離れ、使い道のなくなったかにみえたスタンドの新たなる姿。
それは他人に頼ることを止めた(できなくなった?)えなりの成長の証。
えなり「漫画界は今動乱の時を迎えようとしている。
    この戦いは一向に治まる気配を見せない。
    いや、それどころか状況は悪化する一方だ。
    漫画家達自身の手でそれが為せないのであれば………」

  「 『 読 者 』 で あ る 自 分 が こ の 腐 敗 を 食 い 止 め る ! ! 」

戦闘形態になったえなりを見つめる原。
原 「ふ…………」
間の抜けたえなりの顔と筋骨隆々の体のアンバランスさを笑ったのではない。
さっきまで弱気になったり、狂気に走ったり、キレたり、忙しかったのが嘘のように、
まっすぐな眼差しと燃え上がる闘気を纏わせたえなりに思わず頬が緩んだのだ。
原 「ふふ……こやつ、いっちょまえに傾いておるわ!」
闘気を滾らせ構えを取る原。空気が張り詰めていく。
――――きっと全身全霊をもってしか、この一撃は受け止めきれない――――
そう踏んだのだろう。二人は同時に叫んだ。

  「 受 け 止 め よ う 、 え な り 少 年 ! 貴 様 の 意 志 を ! ! 」

  「 届 け よ う 、 原 さ ん ! あ な た の 心 に ! ! 」

267 :血肉を得て茨を歩む:03/12/23 12:27 ID:gMp14EP+
うおおおおおおおおおおおおおおっ!!
それは一筋の閃光だった。
『 面 白 い 漫 画 を 読 み た い ! ! 』
凪いだ一瞬。
これが僕の意思だぁぁぁっぁぁああ!!!
そして刹那、轟音と共に空間が弾けた。
それが貴様の意思か!えなりぃぃいいいぃぃい!!
膨大なエネルギーを無理矢理止めたことによる反動だ。
この乱世!漫画を私利私欲の為に使うものがどれだけいると思っている!!
衝撃は周囲の空気を掻き回し、砕け飛んだ床材が宙を飛ぶ。
貴様が歩む道は茨の道ぞ!!
えなりが力を込めるが均衡は崩れない、崩せない。
僕の意思、僕たち読者の夢を壊すものは全て倒す!!
原が力を込めるが押せない、押し返せない。
ならば行けいぃ!!その熱き魂と共に!!
――――漫画は面白くなきゃいけないんだよ――――
――――もし人を不幸にするような漫画家がいるとしたら――――

そ い つ は 悪 だ ! ! !

この二人の激突が呼んだ爆風に煽られてなお、
鬼のような笑顔を貼り付け微動だにせず、立っている男――――板垣。
瞬きすら忘れ、鬼が睨む視線の先には渦中の二人。
原哲夫――――えなりの渾身の拳を受け止めた掌は焼け焦げ、白煙をなびかせている。
えなり2世――――原の掌に阻まれたその拳、その腕は肉が割れ、血が霧になって消えていく。
やがてぐったりと膝から崩れるえなり。
それを抱きとめた原の目からは熱い涙が止め処なく溢れている。

受け止めた……受け止めたぞ、えなり……!
貴 様 の 血 の 通 っ た 生 身 の 心 意 気 !

こ の 原 哲 夫 が 確 か に 受 け 止 め た わ ! ! !

268 :スクランブル:03/12/23 15:46 ID:FaJwOhU8
渡辺「こいつが俺の愛機になるってわけか……なら、こいつの名前は『エリス』だ!」
富沢「エリス?戦闘機に女性名をつけるとは、変わってますね」
渡辺「愛機なんざ、女みたいなもんさ」
そう言うと、渡辺がハッチに飛び乗る。そして、いきなり身体をくねらせる。
渡辺「ああ…ステキなエリス…君は美しきアフロディーテ…本当だよ…あっいやそんな…」
いとう「だからもうええわいっ!でも…なんですか?ボクにこんなカッコさせて…まさか…」
いぶかしむいとうだが、当の渡辺は、脳内彼女とのストロベリートークに夢中で、聞く耳などもたない。
渡辺「ああっどさくさにまぎれてそんなコト…ああ…ダメ、イヤイヤブンブン(丸文字)」
いとう(聞いちゃいねェー)
渡辺「いやぁ!(丸文字)」
いとう(この人ほんまにわけわからん…)
渡辺「いやっこんなトコで(丸文字)」
いとう(ほんまじゃ!!)
渡辺「小さくてもいいからお店を持とう…わいが浪花のおかみに育てたる…」
渡辺『ああっあんたぁ…いいんねあんた…信じていいんねっ!!(丸文字)」
いとう(なんのこっちゃ…)
もはや渡辺のイヤすぎるテンションについていけないいとうは、限りなく鬱っていた。
そこへ。
富沢「 い い か げ ん に し な さ い っ ! 」

  が  ん ! グシャ  

渡辺「 ぐ   ふ  っ  」

男子最大の急所への、強烈すぎるツッコミを喰らい、渡辺は悶絶した。




269 :スクランブル:03/12/23 15:47 ID:FaJwOhU8
          ―――――――――――――――――
             しばらくお待ちください
          ―――――――――――――――――

渡辺「富沢…貴様…オレの大事な○×△をミサイルでェ〜〜」
富沢「御心配なく。信管ははずしてあります」
いとう(そーゆー問題か?)
ブルブルと痙攣する渡辺。あくまで冷静な富沢。心中でツッコムしかないいとう。
いつ果てるとも知れない漫才劇。
その幕を強引に下ろすように、富沢が言った。
富沢「それはそうと、いとうさんは私と一緒に別ルートで行った方がいいですよ。
   貴方には無理だ。 死  に  ま  す  よ 」
サー…
あらためて、血の気が引いていくいとう。
渡辺「うるせェ!」
しかし、渡辺はそんなコトにお構いなく、離陸準備に入る。
渡辺「カタパルト発進用意…ブリッジからの無線はすべてOFFに。好きにやらせてもらうぜ」
いとう「えっ えっ ちょっと…何するの!?死ぬっていってるよ!!」
渡辺「 そ ん と き ゃ  そ ん と き よ 」
次の瞬間、『エリス』が起動した。
渡辺「アフターバーナー点火」
いとう「わ!」
渡辺「フラップ1/2 スタピレーターセット!
   いいか小僧!気合い入れろ!ションベンちびんじゃねーぞ!!」
いとう「えっ なっ ひっ」
渡辺「歯ぁ食いしばっておけよ!舌噛むんじゃねーぞ!」
急激な加速が、いとうの圧迫する。
渡辺「カタパルト射出!アフターバーナーMAXIMUM!TAKE OFF!!」
そのとき、翼は空に舞い上がった。




270 ::03/12/23 15:48 ID:FaJwOhU8
そして現在。
空と一体になったような、初めての体験に感激したのもつかの間。
渡辺の凄まじく無茶苦茶な操縦に振り回され、すでにいとうは虫の息だった。
渡辺「ハハハハ!どうでェ、高速の曲芸飛行(ロデオ)は!
   気ィつけろよ小僧!!これがGだ!!
   じゃねーと失神したり、首の骨折ったり…脳みその血管切れちまうぞッ!!」
いとう( 気 を つ け れ な い よ そ ん な の ッ!! )

いとうの魂の絶叫が、蒼天にこだました。


同刻、矢吹艦。
平野「おや、あれは…」
自らが引き起こした騒乱の真只中、平野はふと見上げた青空を縦横無尽にかけめぐる飛行物体の影を視認した。
平野「F―4、通称ファントムか…あんな骨董品がまだ空を飛んでいるとは、珍しい」
ニチイイッ…と悪戯っぽいというにはあまりに醜怪な笑みを、平野は浮かべた。
平野「心せよ 亡霊を装いて戯れなば 汝 亡霊となるべし」
鮫のような歯を噛み合わせると、長大なマスケット銃を空めがけて構える。
平野「有象無象の区別なく 私の弾頭は許しはしない」
仰向けになりながら、照準を高速で飛来する戦闘機に合わせた。

 
      何だというのだ  恐ろしい  あの恐怖の谷が

      あそこには  魔の猟師がいて  狩りをしている

      その音を聞いた者   全て逃げうせる 


      

271 ::03/12/23 15:50 ID:FaJwOhU8
猟人たる人   なにを恐れることがある 

      猟人たる者の  心に恐れなぞ  あるものか 

      しかし  神を試す者は  罪を受けよう

      私は夜の深遠に  現われ出でる

      あらゆる恐怖をものともしない  樫の木がうねる時でも

      鳥どもが鳴きわめく時でも

      私は心配です  
      私は心配です

      私は心配です
      私は心配です

      そんなに急ぐことはない
  
      行かないで
      行かないで

      月影まだ  確かなもので  

      月光はまだ  薄明かりの様

      やがて  その光も消える




272 ::03/12/23 15:50 ID:FaJwOhU8
物理法則も万有引力も、何もかもを完全に無視して放たれた一発は、見事に蒼天に大輪の花を咲かせた。
BRAAAAABOOOO!!
吸血鬼どもが一時使命を忘れ、その光景に熱狂する。
      だ         が。

      
      あそこからら  声ががすすする

      ここの私私ををお  呼ぶぶ声こええこえがすするす

      
いとう「渡辺さ…ん…!!おっ落ちてる…よっ!!渡辺…さん!」
渡辺「DEAD  OR――」

    ゴ   オ   オ   オ   !!!


      やがて日の光も失うだろう
      
      運命は貴様を駆り立てた
      
      ささよようなな  ささよAUらな

      ああかかか悲しこKととよ狩人人狩ののいききざざZままま

      わわ わ私私私の心心はは心はここ心はははふるえふふふるふ

渡辺「 A  L  I  V  E  だ  ぜ  っ  !! 」


     

273 ::03/12/23 15:51 ID:FaJwOhU8
       大   音   響。  
吸血鬼どもの戦場に、巨大なる十字架が突きたった。
まるで、神の怒りの鉄槌のごとく。
紅蓮の炎が、全てを焼きつくす。
建造物は倒壊し、ハイウェイは焼け落ち、車は灰と化し、吸血鬼が断末魔を謳歌する。
まさに、煉獄。
「HAAA!」 「GHAAAA!!」 「AAAAA!!!」
炎に巻かれ、瓦礫に押しつぶされ、悶える吸血鬼たち。
その壮大な地獄絵図のド真ん中に――

     魔   物  が  立  っ  て  い  た 

平野「ヒュウ♪」
和月「わお・ 蝶、凄い火♪」
平野と和月、2人の魔人が、その魔物を面白そうに眺めている。
魔物の視線は、ただ一点。
和月の手の中で、死体のようにうなだれている荒川に、注がれていた。
渡辺「おい、そ の 女 を そ ん な に し た の は 誰 だ 」
大気に触れるだけで、風の精霊が泣き叫ぶような、怖気のする声だった。
平野と和月に向けられた眼窩の奥で、青白い眼光が底光りする。
すると、和月が笑いながら口を開いた。
和月「俺だけど、それが何か――――…」
穢れた蝶は、その台詞を最後まで吐き出すことは出来なかった。
颶風が吹いた次の瞬間には、和月の身体は、ダンプカーにでも撥ねられたように、
重力が失われた空間の中を、何度も回転し、近くのビルに突っ込んだ。
その衝撃で、鉄筋コンクリートのビルがあっけなく崩れ落ちる。
魔物の唇が、呪いを紡いだ。

 「 テ メ ぇ ら 一 匹 残 さ ず  ブ  チ  殺  す 」 


274 ::03/12/23 18:30 ID:FaJwOhU8
ハイウェイは、一瞬にして地獄絵図と成り果てた。
川「化物め!!」
自分たちを棚にあげ、川三番地たちが恐怖におののく。
川「う…射ッ、撃てェッ」

 ドカドカドカドカドカドドドドドドドドド!!!!!

絶えまない、銃撃の嵐。
しかし、魔物と化した渡辺道明は、それを小雨でも防ぐかのように叩き落とす。
川「銃では駄目だ!!手榴弾!!手榴弾だ!!」

 ドッ ドッ ドドッ ドッ !!!

赤黒い火柱が、幾本も天に向かって屹立し、空を黒煙が覆い尽くす。
いかなる生物の生存も許さないであろう、狂気の攻撃。
そのただなかにあって、魔物はなおも――

渡辺「フー・ジー・イ ディー・アール・アイ」

     「 天        輪 」

     ズ    ド    ン   !!!!

渡辺が放った膨大なる魔力の奔流は、一瞬にして川三番地部隊の三分の一を消滅させた。
川「OAAHAAAAA!!何だ何なんだお前はぁ!!」
恐怖にとりつかれ、ひたすらに銃を乱射しまくる川三番地。
そこに、渡辺のさらなる狂刃が迫る。
渡辺「 鳳   凰   千   破 」
一気に、十数個の首が、天に舞った。

275 :魔人たちの戦場:03/12/23 19:57 ID:FaJwOhU8
渡辺の拳が巻き起こした、凶暴なる切れ味を秘めた風は、川三番地たちを一瞬でミンチにする。
羽を生やし、爪を生やし、角を生やし、限度を超えた怒りによって魔物と化した、
渡辺は、200体を超す川三番地を向こうに回し、凄まじい戦闘力を発揮した。
 パンパンパン・・・
渡辺「!?」
眼光を閃かせると、その先には、拍手を打つ平野耕太の姿があった。
平野「素晴らしい。素晴らしい戦闘能力だ」
渡辺「ほざけ!!」
愉し気な笑みを浮かべる平野に、渡辺は怒りを爆発させる。
平野「楽しい!!こんなに楽しいのは久し振りだ。
   貴様を分類(カテゴリー)A以上の漫画家と認識する」
  ズ ル ゥッ・・・
平野の全身から、おぞましいまでの妖気が沸き立った。

一方、渡辺の剛腕をまともに受けた和月は、瓦礫から這い出した。
和月「意外とイタかったな……やるねェ、彼」
折れた鼻を矯正しながら、和月は悪意に満ちた毒気を吐き出した。
和月「安西よりも、あの女よりも先に……あいつから殺すか」
そのとき。

  ド  ウ ッ!  ド ド ウ ッ!!

和月の周辺を、新たな炎が燃やしつくした。連続する爆発。
火種の方向を見ると、そちらからは何台もの大型戦車が押し寄せてくる。
和月「なんだありゃ?見たことない型だねえ……」
それもそのはず。その戦車の名は、『アハト=アハト』。
120ミリ戦車砲を装備した、『機界』の中では最もポピュラーな機体。
そして、それを操る者こそ、チャンピオン最狂と呼ばれた男――
和月の頭上で、ヘリのローター音が轟いた。


276 :魔人たちの戦場:03/12/23 20:46 ID:FaJwOhU8
  ババババババババババ!!

??「ジャンジャランジャ――ンジャン♪
   ジャンジャランジャ――ン♪
   ジャジャン ジャジャン ジャ――ンジャン♪(ワルキューレの騎行)」
ヘリの爆音に混ざって、ノリノリのアカペラが、戦場に響き渡った。
平野「AH―1S対地攻撃ヘリ『コブラ』か。また派手なものを引っ張り出す」
渡辺と対峙しながら、平野が上空の戦闘ヘリを仰ぎ、笑った。
その操縦席は無人だ。おそらくは、遠隔操作だろう。本体はどこか分からない。
和月「面白いことしてくれるねェ……この手口は、あのイカレ野郎かな?」
??「やっちまいな!俺のカワイイ、『サーキット=ウォーカー』たち!!」
電化製品を強化して操る、『サーキット=ウォーカー』。
それを操る男――山本賢治の凶悪な牙どもが、和月に殺到する。
  ドヴォヴォヴォヴォ!!!!
コブラのバルカン砲が、火を噴いた。
   
同時刻。「う・・」
炎のにおい、死のにおい、破壊のにおい、戦争のにおい。
以前に、同人軍艦の死闘で経験したのと同じ『におい』に、荒川は目を覚ました。
荒川「うぐ…っ!」
たちまち、全身がバラバラになりそうな激痛が跳ねる。
荒川「ここは……?」
最初、荒川は地獄というものに来たのかと思った。
神の領域を犯した自分が、天国になど行けるはずがないと思ったからだ。
が、どうやら全身を蝕む激痛から、これがまぎれもない現世の光景だと理解する。
荒川「よく状況が飲み込めないけど……生きてるなら……!」
駄目だ。身体が、何ひとつ言うことを聞いてくれない。
自らの不甲斐無さを呪う荒川。その視界に、さらなる絶望的な光景が飛込んできた。




277 :魔人たちの戦場:03/12/23 20:47 ID:FaJwOhU8
荒川「ハア…ハア…ハア…ハア……ハア…」
いくら身体に力をこめても、細かく痙攣するだけだった。
砂が水を吸うように全身から力が抜けていき、意識が遠くなる。
そんな荒川の瞳に映るのは、視界を埋め尽くす死徒の群れ、また群れ。

  ザザザザザザザザ・・・・

川「往生際が悪いお嬢さんだ。いくらあがこうが、逃げようが、無駄だ」
 「あきらめろ」
 「もはやこの矢吹艦に、この死都(ミディアン)に」
 「おまえたちが逃げる所も、隠れる所も、存在しない」
 「あきらめろ人間!!」 

錬金術を使えず、その行く手を阻むは、夥しい戦鬼の群れ。
同人軍艦のときですら比較にならない、絶望的状況。
だが、荒川の眼光は衰えを知らず、毅然として言い放つ。
荒川「あきらめろ?あきらめろですって?成程、貴方たちらしい言い種ね。
   あの和月信宏と同じ……人間でいる事に耐えられなかった、貴方たちの!!」
もう身体の感覚がなかった。だが、意識だけは最後まで保ってやる。
手も足も出なくても、目だけで、意思だけでも抵抗してやる。
荒川「人間をなめるな、『ばけもの』め。来い、闘 っ て や る 」
その言葉に、川三番地は憤った。その怒りを暴力衝動へと変える。
川「……ッ」
 「……ッ!!」
 「くッくくッ」
 「上等じゃないか女!!」
 「上等ぉ!!」
次の瞬間、川三番地の群れが、一斉に荒川に踊りかかった。だが、そのとき。
閃光が、闇を切り裂いた。


   

278 :作者の都合により名無しです:03/12/23 21:35 ID:VdYeZdT8
閃光が、闇を切り裂いた。 そのとき
??「ヤマザキキック!
川「!!!」
荒川に踊りかかった川三番地が一撃のもとに葬り去られたのだ。
その一撃・・・正式には砲弾のようあ蹴りを・・・放ったのは一人のスーツ姿の男だった。
川「テ、テメェ何モンだ!
??「横山十傑集がひとり富沢順!!
    渡した飛行機が落ちたので来てみればこの騒ぎ・・・
    手負いの・・・しかも女性相手に複数で襲い掛かるなど言語道断!!
    あなた達のようなものは見逃すわけにはいかない!!
川「うるせえ!!
富沢「ぬ!!
川三番地達が富沢に銃を向けた瞬間!!
??「ゴッドリングアトム!!
その瞬間数体の川三番地が消滅する。
富沢「いとうさん!
いとう「よくわかりませんけど危ないみたいですね。力をかしましょう!!
富沢「ありがとうございます。
川「てめえら・・・やっちまえ!!

再び戦闘開始

279 :惨劇の地へと:03/12/24 13:27 ID:rIuhfQYg
  地獄のような風景だった。ある位置を中心に超高温の熱風が吹き荒れた。沢山の名も知れぬ漫画家たちが若くしてその命を落とした。
高圧力のエネルギーが原因だった。それは「はじけた」と言うに相応しかった。それは周辺の全てを破壊し尽くした。
崩れたビルの残骸のてっぺん――エネルギーの中心――に一人の男が立っていた。屈託の無い笑顔だった。

  「んん……」
ライオンの面をかぶった男は起き上がる。少女に初めて姿を見られた後、木陰で眠りこけていたのだ。
「…夢? あれは…実体験?」
あの男は、泣いていた。笑顔だったはずなのに。まるで、体と心が別々みたいだ。
「東京…か」
日本中の漫画家が結集する地・東京。あの事件の起こった場所は恐らくそこだろう。
「行ってみようかな……」 
ライオンは立ち上がり、駅に向かって歩いていった。誰にも気付かれること無く――。

280 :アポカリプス ナウ:03/12/24 16:14 ID:xvWQbZTh
人類が己の知を認識し、生きるということに意義を持ち出し、
記憶中枢に歴史という概念を刻みつけ、歴史は変局こそ最重要事例と見出した。
歴史の変局の際には常に戦争があった。
世 界 の 中 心 は 常 に 戦 争 で あ っ た 。

有賀「どっどうするよ!?ウチの幹部連中は他に誰も来ないってのか!?」
熊倉「どうもこうもない!こっちは自分を守るので精一杯だ!それに…」
惨劇の渦中。無数の吸血鬼と無機質な怪物共と無力な人間とサラリーマンと―――

     その中心で殴りあう3匹の化け物。

熊倉「この世であの闘いに割り込むことのできる存在なんてありゃしねぇ」
無数の銃弾の雨の中和月の蹴りが渡辺の胸板を陥没させすぐに復元し
渡辺の拳が平野の頭を貫き頭は雲散霧消しすぐに形を取り戻し
平野の手刀が和月の腕を千々に切り裂きあっという間に再生を果たし
引き裂いて元に戻り噛み千切って再生し叩きつけて飛び上がり捻り上げて復元し
殴って掴み上げて投げ飛ばして踏みつけて喰らって叩き折って潰して締め上げて蹴り飛ばして
果てることなく続く野獣の闘争。無限に湧き上がる嗜虐心の奔流。

平野「HAAAAAAAA!!」
何処より取り出だしたる無数の銃剣(バヨネット)
和月「武装錬金!!」
心より具現化したるどす黒く光る突撃槍(ランス)
渡辺「ガアァァァァァァッ!!」
怒りの大きさを誇示するかのごとき巨大提琴(バイオリン)

機は、熟した。

281 :作者の都合により名無しです:03/12/24 16:50 ID:xvWQbZTh
強者とはなんだろうか。
肉体が群を抜いて優れているものか。誰にも屈し得ない胆力の持ち主か。
他者の痛みを分かちうるものか。知能で全てを屈服しうるものか。
財をもって人を動かしうるものか。それとも、それら全てを兼ね備えたものか…

答は、全て否。
真の強者たる強者は、「天」に魅入られたものであろう。
天に魅入られ、己が為すことのみが真であり、それゆえ絶対に「敗れはしない」。
強者であるがゆえに動じず、強者であるがゆえに世界に覇を唱え、世界の中心たりうる。

風向きが、変わった。血生臭い風が、ビルの屋上に居る男の鼻腔を刺激する。
ぶるると、いななく声。猛った気をもてあますかのように、巨大馬のたてがみが総毛立つ。
機は、熟した。男が、野太い指を天に向けた。
???「天は、我とともに在り」
次の瞬間、世界の中心は、ゆらいだ。

斬る、突く、蹴散らす、弾き飛ばす。いずれも正確ではない。
まさに崩壊。戦場の一角で、目視不可能の迅速さで、吸血鬼が、機械が、紙屑のように消し飛んでゆく。
あっという間に中心の三頭の怪物たちに割り込むと、巨大矛が嵐のように舞い続ける。

雄叫びとも笑い声とも判別つきかねる大音量で、名乗りを挙げたその男の名は
???「我が名は王欣太!!合戦が所望なり!!!」

富沢「いとう君!彼です!彼が王欣太!捕獲の準備を!!」
いとう「絶対無理!」

282 :作者の都合により名無しです:03/12/24 20:06 ID:nWxwu7eR

     
        ビ       ビ     ッ


そのとき、天は、地は、人は、割れた。
人と、人ならざる者たちによって巻き起こされた戦争。
その真只中にあって、男は天の雷のごとく、地表に降り立った。

    ヒ ョ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ

浅黒い顔面に、瘤のような血管を浮き立たせ、雹のような呼気を吐く。
目玉のような模様の飾り布でまとめられたドレッドヘアが、炎のごとく揺らめく。
その気勢に呼応するように、血のごとき色をした巨馬『赤兎』が虎のごとく嘶く。
男の名は、王欣太。『馬中の赤兎 人中の王欣太』と謳われた、横山配下最強の猛将。
かつては横山十傑集の一角に名を列ねながら、主との歴史観の相違ゆえ、
横山に反旗を翻し、ゴッドハンドに甚大なる損害を与えた、餓狼である。
王欣太の双戟がひとたびうなりをあげると一挙に十数人もの首が宙を舞う。
巨大な戦車が一瞬にして鉄屑と化し、ビルが朽木のごとく崩壊する。
まさに、死の壁。触れたもの全て瞬時に血潮と化し、灰燼と化す、死の壁であった。
この期に及んで、最後の大隊は、これまでで最大の恐慌状態に陥った。

平野「 あ  れ  が  王  欣  太  か 」

興奮のあまり、おこりにかかったように、平野がブルブルと全身を震わせる。

平野「2000を超す兵が戦う、この戦場の表情を、ただひとりで塗り替え、
   敵はおろか、味方の布陣までをも切り裂く、あ の 戦 慄 ! 」

 
    武  神  と  は  こ  う  い  う  も  の  か  !

283 :V号出撃:03/12/24 20:17 ID:4h+nJgKd
三つ巴の戦いの中が始まった中、巨大な鳥が空中に浮かんでいた。
富士原「王欣太は平野と渡辺、後一人は不明ですが、三つ巴の戦いの中に入っていってます。」
運転席に座った富士原が、そう言って報告をする。
横山「わかりました。今の所彼の進行は止まっていますね。」
そう言って横山が富士原が回したモニターを入れた。
巨大な鳥……”V号”に乗って、横山達は動いていた。
富士原「このままですと、30分でたどり着く事ができますが……。」
横山「加速して下さい。」
富士原「了解。メインエンジンフル稼働!」
エンジン長「メインエンジンフル稼働!」
富士原「第一・第二・第三・第四エンジンフル稼働!」
エンジン長「第一・第二・第三・第四エンジンフル稼働!」
30分あれば、戦いの中枢を変える”何か”が起こる。横山はそう言っているのだ。
操縦桿を握る腕に汗がにじむ。責任は重大である。
神崎「……何もそこまで急がなくても……。」
横山「いえ、これは例え何があっても急ぐべき事柄です。これは私自身が出る必要もあるかもしれません。」
富士原はそこまで聞いて、さらに神経を集中させる。
例え十傑集から落とされても良い、だが横山様からの信頼を無くすのが怖かった。
それが彼の真理であった。
横山から見た富士原は”弱いが信頼できる人物”である。
功を焦らず、任務をしっかりと理解する。我の強い十傑集において、ある意味近くに安心しておける人材であると言える。
横山「もし私が失敗するとしたら、それは私の部下の暴走が原因だろう………。」
そこまで言って、横山は口を扇で隠した。

284 :戦慄と希望:03/12/24 20:58 ID:nWxwu7eR
双戟にまとわりつく夥しい血流が、死神の翼のごとく羽撃く。
人馬一体となったひとつの異次元暴力体は、
地に触れる度に、数十の死と破壊をまき散らす。
酸鼻を極める地獄の戦場にあって、王欣太は神聖な輝きを放っていた。
その様子を、モニターで眺める横山は、感嘆したように呟く。
横山「千年の名馬が、まるで大地におのれら以外はおらぬが如きに駆け躍っている。
   いいでしょう。赤兎馬は、王欣太にくれてやりましょう。
    我  が  戦  の  光  と  な  る  が  よ  い  」

王欣太という超ド級のハリケーンの前に、近付くものはいなかった。
その付近にいるのは、3人。
歓喜のあまり呼吸困難を起こしている、『不死の王』平野耕太。
溶けたマグマのように双眸を歪め、舌を突き出して笑う、『蝶』和月信宏。
そして、王欣太の一撃をまともに浴び、地面を嘗めた『魔物』渡辺道明。
危機として死地を愉しむ平野と和月に対し、渡辺の裡には逡巡が生まれていた。

自分は、何をしていたのだろうか。
仲間を傷つけられた怒りに正気を失い、あっさりと狂気に走った。
見るがいい、目の前の怪物たちを。
誰も彼も、嬉々として死地を愉しんでいる。その狂気、その暴力衝動。
とうてい、自分が辿りつける領域ではない。
常に人と魔物の境を綱渡りし、おっかなびっくり夜を歩いている自分。
何という中途半端さ。
考えてみれば、自分はこのスレでいつも影が薄かった。
一級の戦闘力を持ちながらも冷遇され続けたのは、この半端さゆえか。
なんということだ。
目の前で惨劇が行われているというのに……自分は手が震えて…体が動かなくて…
何も……できない…よ…
渡辺の頬を、無念の涙が伝った。




285 :戦慄と希望:03/12/24 20:58 ID:nWxwu7eR
だ……だめだ…オレは……
全然…弱虫だ……
ちきしょう
ちきしょう
情けない
オレはガンガンの……愛の戦士……
渡辺道明だろう……

  そ  の  と  き  火  の  鳥  が  飛  翔  し  た

平野「なに!?」
和月「!!」

渡辺「 ストラヴィンスキー作  組  曲 “ 火  の  鳥 ” 」


        バ              ン   !!!!!


燃え立つ炎をバックに、黄金ピアノを携えた愛の戦士が降誕した。
自分の使命は何だ?
それは狂気の闘争に身を浸すことでは、断じてない。
大会に優勝し、歪んだ体制を打破し、世を平和と愛に満ちた世界にする。
二度と死と破壊を起こさせはしない。
それがオレの、そしてガンガン戦士の願い。
だから、オレは力の限り、こう叫ぶのだ。
そう、いつものように!

  「 愛 の 勇 者  渡  辺  道  明   参  上  !! 」

286 :原と板垣:03/12/24 21:43 ID:nWxwu7eR
自らの想いの全てを一撃に込め、原に叩きつけ、そして力つきたえなり。
その顔は、満足に満ちていた。
えなりを抱きとめ、原は男泣きしている。
ジャリ…
そこへ、靴音。
板垣が、格闘の鬼が、えなりを抱える原へと近付いていく。
原「続行けるかね?」
そう言った貌は、すでに“いくさ人”になっていた。
臨戦体制に入る両者。
今度こそ、戦闘が始まるか、と思われたが――
板垣「毒気が抜かれちまったな……」
驚いたことに、そう呟いた。
あろうことか、そのまま背を向ける。欠伸した。
涙が浮かんだ瞼を、こする。
板垣「帰るぜ……眠み……」
刹那――

       バ         オ   !!!!

板垣の蹴りは、竜巻を呼んだか。
爆発したような衝撃が、原の顔面で弾けた。
しかし、原の顔面は無傷だった。
原の彫りの深い顔。
そこより、わずか2ミリ程度も間を空けない位置に、板垣の足が浮いていた。
寸止め。
しかしながら、その威力は、止めた瞬間、原の顔面が歪むほどであった。
連続写真の一コマのように制止していた脚が、ゆっくりと地に下ろされる。
それを見届けると、原は言った。
原「よかった。途中で止めてくれて――――」




287 :原と板垣:03/12/24 21:44 ID:nWxwu7eR
真ッ直ぐな原の物言いに、板垣はいぶかしげに眉をひそめた。原は続ける。
原「板垣恵介という男に少なからず興味があったが、失望せずにすんだ」
その台詞に、板垣の表情が強(こわ)いものへと変わった。
板垣「俺も安心したぜ。アンタがこの程度の蹴りにオタつかない男だとワカってな」
原「当てるつもりのない武器は怖いものではない」
板垣「ほぅ…」
興味深げな笑みが、板垣の貌を彩ったとき――

       ビ         ビ  !!

原&板垣「!!!!」
矢吹艦全体が揺らいだかのような戦慄が、2人の全身を劈いた。
この2大巨頭をすら戦慄させる、この気配の主とは、いかなる怪物であろうか。
2人はまだ、王欣太降臨の事実を知らない。
原「どうやら、ただならぬ事態が起こったようだのお」
呟くや、えなりと『どこでもふすま』を板垣に手渡し、原が『松風』に跨がった。
原「すまぬが、お主との立ち合いはまたの機会じゃ。ちと、漢(おとこ)見物に参る」
そう言うと、板垣は意外にも、
板垣「そうか」
と、頷いただけだった。
普段の板垣ならば、我先に自分も行くと言い出すだろう。
原も当然、そのつもりで板垣に言ったのだが――
板垣「ちょいとヤボ用でな。そいつが済み次第、行くさ」
その台詞に、何かしら感じた原だが、素直に頷いた。
原「では、また会おう、強敵(とも)よ!!」
大声で叫ぶと、原は松風と共に疾風と化し、戦場へと駆けた。
そして、えなりと共に取り残された板垣が、何もない空間に向かって呟いた。
その貌に、鬼の笑みを浮かべて。
板垣「邪魔は消えたぜ。そろそろ出てきたらどうだい?」
すると、板垣の背後の空間が、かすかに揺らいだ。

288 :板垣と謎の男:03/12/24 22:16 ID:nWxwu7eR
静謐な空間がわずかに身じろいだように揺れたかと思ったとき。
何もなかった空間に、いつの間にか、1人の男が立っていた。
男は、言った。
??「弱いですね、貴方は」
板垣「ほう」
板垣は少なからぬ驚きを覚えた。
その真意がいかなるものか知らぬが、この自分を前にして、それだけの大言を吐けた人物を、板垣は知らない。
??「飢え…
   渇き…
   焦がれ…
   足りないものに満ちあふれている」
男の静謐な気が、板垣の蓬髪を揺らす。男の長髪も揺れた。
??「抑えられない
   イヤ……
   抑えようともしない
   弱       い」
板垣は、この男にしては信じられない穏やかさで、拳法着姿の男を見ていた。
まるで、“聞いててやるから早くしろ”とでも言いたげな態度だ。
??「ハネあがる衝動を抑える力を持たない。
   コントロールが効かない。
   人の人たる強さとは、
   闘争と武の歴史はつまり―――
   そのまま沸きあがる衝動と本能との対立の歴史に置き換えられる。
   貴方に、見せてあげましょう」

  人  の  人  た  る  本  当  の  強  さ  !!!




289 :男の正体:03/12/24 22:16 ID:nWxwu7eR
刹那、板垣の拳が、疾走っていた。
拳法着の男の顔面を、射抜くように、真ッ直ぐに。
しかし――
板垣「!!」
その拳は、空を打っていた。
突き出された拳。
その岩のような拳の上に、人間の足が乗っていた。
男は、板垣のいきなり拳をあっさりと躱し、その拳の上を足場に宙に浮いているのだ。
板垣は、新鮮な驚きを覚えた。
初めて見る、技術体系であった。
頭上から、静かな声がした。
??「………驚きましたか。この技は氣功の一種で、『軽氣功』といいます」
その拳が、薙ぎ払われた。
??「己を“無”にすることにより、重さを消す」
その足が、一本の枝の上に降り立った。
小鳥ですら止まれるかどうか疑わしい、頼りない小枝である。
??「まるで、ひとひらの羽根のように……」
着地した。地面に。
板垣が悪鬼の笑みを浮かべ、間合いをつめる。
板垣「なるほど…己を“無”にするか……確かに俺にゃできねえ技だ」
??「いえ……つくづく自分の修行不足を思い知らされました。
   “仙人”になるには、己の心を殺し、
   自然界の<氣>と一体化することが、まず必要なのです。
   それなのに、私は咄嗟に封印していた“軽氣功”を出してしまった――
   私はあの一瞬、貴方の一撃に、確かに恐怖したのです」
板垣「名を訊こうか」
すると、男は笑顔を浮かべて、名乗った。
??「サンデー特殊部隊『スプリガン』の教官―― た か し げ 宙 。
   そして、板垣さん――」
拳法着の男、たかしげ宙は言った。
たかしげ「貴方を、最高の戦場へとご案内しましょう」

290 :ニケのグゥ:03/12/25 03:55 ID:Q00kyBb4
衛藤 「はい、はい、はい・・・・わかりました。こちらも急いで探します。見つかり次第、そちらに連絡します」ピッ!
金田一「誰からの電話だ?」
衛藤 「カムイさんからなんだけど、実は・・・・」
安西と荒川が危険だ。二人の危機を感じ取ったカムイは、今、必死になって彼らを探しているらしい。
かなり緊急を要するらしく、人手を集めて一緒に探して欲しいと連絡を受けたところであった。
金田一「安西と荒川が危ないとな・・・」
衛藤 「そっ!だから金田一は、先に探に行ってくれよ。俺はみんなに伝えてから、探しにいくからさ」
用件だけ伝えて、さっさと立ち去ろうとする衛藤。その彼の襟首を、金田一がヒョイと摘んで戻した。
衛藤 「何すんだよ!」
金田一「まあ待て。闇雲に探した所で、見つかるという物ではあるまい」
衛藤 「えー。じゃあ、どうすんだよ」
衛藤の問いかけに、ニンマリと不敵に笑う金田一。
衛藤 (これは、何か企んでいる笑いだ・・・・)
過去の経験から、危険を察知した衛藤は、警戒心を強める。
金田一「うむ、それなんだが、精神だけを肉体から切り離して、特定の人物まで飛ばすという方法があってな・・・・」
衛藤 「それってまさか、ちんちくりんステッキって奴なんじゃ・・・・」
彼女によって、何度かひどい目にあって来た衛藤は、実は“ジャングルはいつもハレのちグゥ”コミックス全10巻を読破して、
しっかりと金田一対策をしていた。さすがに、金属バットでぶん殴られたり、伝説っぽい西洋剣で突き刺されるのは御免である。
金田一「いや、これは微妙な力加減が必要でな。スッテキではその調節ができないのだよ」
衛藤 「えー、本当かよ。痛いのとか、ヤだぜ俺!」
警戒の色を解かない衛藤。金田一は、そんな彼を宥めるように言った。


291 :ニケのちグゥ:03/12/25 03:56 ID:Q00kyBb4
金田一「大丈夫。痛くないし、一瞬で終わる。それより時間がないのだろう、早く二人を探さねば」
衛藤 「ホントに、痛くないんだろうな・・・」
金田一「大丈夫だって。さっ、この椅子に座るがよい」
顔に、何本もの縦線をつけて、尚も警戒する衛藤を、半ば強引に椅子に座らせた金田一は、喋りつつ彼の肩を揉みだした。
金田一「この技はリラックスが重要でな。先ずはマッサージからやって・・・・」
意外に上手な金田一のマッサージに、衛藤は幾分気分が良くなってきた。
衛藤 「あ〜、気持ちいい。なんか、疲れがいっぺんに取れるようだよ」
連載がようやく終了したことによる安堵感もあいまって、すっかりリラックスする衛藤。ほとんど、警戒心は解かれている。
金田一「そうそう、体の全身の力を抜いて・・・・」
頭と顎を持って、首のマッサージをする金田一。衛藤は既に桃源郷。
衛藤 「あ〜〜〜」
金田一「そして、そのまま・・・」
衛藤の首をグリグリと回す金田一。
衛藤 「あ〜〜〜」

                            ゴ キ ッ !

衛藤 「がっ!」

首があさっての方向を向いたため、みごと霊体となった衛藤は、
ガンガン本誌今月号のハレのちグゥを確認していなかったことを後悔した・・・

金田一「ねっ!痛くなかったでしょ♥」
衛藤 「ここ最近、金田一ってすっかり力技が増えたな・・・・」
まん丸い霊体となった二人は、部屋の中で空中にふわふわと浮いていた。
下では、首をブランとして口からヤバゲな血を流している衛藤の肉体(死体)が、椅子に座っていた。
金田一「準備OK、早いとこ二人を探しに行くぞ!」
衛藤 「アイアイサー(諦め気味)」


292 :ニケのちグゥ:03/12/25 03:57 ID:Q00kyBb4
ビューンと飛んで、ここは荒川達の戦っているビルの上空。
下は戦場。吸血鬼が徘徊し、銃弾が飛び交い、不死鳥が舞う阿修羅の領域、地獄絵図。
また一人、吸血鬼が赤い馬に乗った男の槍で半分にされたようだ。
衛藤 「血が!血が!死体が、ギャーーーー!」
金田一「うるさい!」
ボゴッ!
衛藤 「いてぇー。殴ることないだろう・・・」
金田一「そんなことより、あそこを見ろ」
金田一が指差した先をみた衛藤は、そこで倒れている荒川に気がついた。
衛藤 「荒川さん!やばい怪我してるぞ!すぐに手当てを!」
慌てて飛んでいこうとする衛藤を、金田一が止めた。
金田一「まあまて、霊体の我々では彼女に触れることも出来んぞ」
衛藤 「えー。でも、このままだと荒川さんが殺されちまうよ」
金田一「大丈夫。今彼女のいる場所は、戦場から少し離れているようだ。怪我は酷い様だが、出血はそれほどではない・・・」
このような状況なのに、冷静に状況を見極める金田一に、衛藤は感心した。
金田一「それに、あそこで戦っているのは渡辺ではないか。いざとなれば、奴が荒川を守ってくれるだろう。それより・・・」
衛藤 「それより?」
金田一「安西の姿が見えない・・・」
言われて初めて気がついたが、改めてみると、あの銀髪優男の姿が見えない。
あたりは、乱戦によって誰ともつかない死体が散らばっている。
衛藤 「どうしよう・・・。安西の奴、やられちゃったのかな・・・」
最悪な状況を思い浮かべ、霊体なのに冷や汗を流す衛藤。そんな彼を尻目に、金田一は相変わらず冷静に言った。
金田一「いや、あいつはここにはいない・・・。ここから少し北に行った場所にいる・・・」
千里眼でも持っているかのような金田一の口ぶりだが、衛藤は細かいことは気にすることなく彼女の言葉を信頼した。
衛藤 「そっかー。あいつ無事だったんだな」
いささか安堵した衛藤だが、その気持ちは金田一によってすぐに否定された。
金田一「いや、そうでもないみたいだ・・・。どちらかというと、荒川より安西のほうが危険かもしれない・・・・」
衛藤 「やばいじゃん!やばいじゃん!早いとこ、安西探しに行こう!」
金田一「おうよ!」
掛け声よりも早く、金田一は北のほうへ飛んで言った。


293 :銀色の涙:03/12/25 12:36 ID:3YVeNLfX
様々な手段で仲間の危機を救おうとする藤原カムイ。
 「土塚、荒川や安西からテレパシーの返事は来ないか?」
 「ダメっす、ちっとも返ってきやがりませんねェ。安西の修行場に顔出して、
 ふたりでコンビニ辺りウロつく予定だ・・・と俺がドクターに聞いたのはかれこれ1時間近く前。
 まさかラブホにシケこむよーな仲でなし、やっぱトラブルに巻き込まれやがったかねェ」
 「だとすると我々は相当騒乱に巻き込まれやすい体質だな。サンデー連中もそうだが・・・」
 「無礼ドの情報網で館内の目撃情報を洗った方が早くねえですかい?」
 「この手の機械は荒川や衛藤の方が得意だからな。なら艦橋に衛藤を呼び戻そうか」
無礼ド内の通信電話で再度衛藤に連絡を取ったが、魂が抜けた肉体の傍で、
携帯のコールがむなしく鳴り響くのみであった。顔をしかめるカムイ。
 「衛藤・・・?」

バタバタと慌しい戦艦無礼ド。
松沢艦長がおらず温泉出発のめども立たない無礼ド。
休憩していたはいいが誰も仕事再開の催促をしてこないので、
熱血黄金トリオ――荒木・車田・島本――は戦艦の外の様子が気になって仕方がない。
先ほど遠くに感じた波動の爆発や強大な魔力が弾ける感覚、微弱だが深い振動。
近所の爆発事故より根深い何か・・・大事件の予感がする。ぜひとも顔を出してみたい。
少なくとも雑巾とポリバケツに囲まれているよりは数段マシだ。しかし。
 (脱出した、後が怖い)3人はなかなか逃亡の意思を表せなかった。

高橋留美子は個室のベッドで眠りについていた。
荒木たちの乱入で温泉が壊れ入り損ねた際、ちょっと派手に暴れすぎて疲れてしまった。
Aブロック跡での戸土野(+岡本倫)や久保達との戦いで疲労もたまっていた。
不老不死の肉体とはいえ、限界はある。しばらく夢の国の住人になりたかった。
・・・夢の中。銀色の靄がかかる黄昏の向こう側で。
・・・銀髪の少年が迫り来る闇――絶望への悔しさで歯噛みしていた。

 「 ・・・安西君・・・ 」

天井を向く彼女の閉じた瞳から、一筋の銀色の粒が零れ落ちた。

294 :勝てない、俺だけでは:03/12/25 13:47 ID:1QTxa5rs
  時が止まっているように感じられた。少なくとも安西には。
【サムライダー】すぎむらしんいち、そして、田島昭字。
二人は微動だにしない。ただ安西のみを見つめ続ける。
安西もまた動くことが出来ない。しかし、その原因は二人とは全く違う性質のものであった。

恐怖

安西の時を止めていたのはまさしくそれだった。
時間にしておよそ十秒。しかし、安西には何日も経ったかのように感じられた。
(はっきりと…分かる。おれは、死ぬ……!!)
この二人にどれほどの力があるのか、それはまだよく分からない。特に田島などはまだ何もしていない。しかし、それでも安西は飲まれていた。
確信ではないが、ぼんやりと感じられるようになったのだ。相手の力を。それは、安西自身の成長を現していた。同時に諦観も持たせるようになっていた。
(強くなったと思っても…おれより上のやつは呆れるほどいやがる)
思えば、昔の安西はただ闇雲に戦っているだけだった。それはそれでよかったのかもしれない。見栄えもするし、男らしい。
今の安西には、それがし難い。自分の力を把握出来ているから――。
勝てない、確かに。しかし、逃げるわけにもいかない。安西の罪は、闘う事のみによって晴らされるのだから。
(いや、晴らされやしねぇ…晴らされるワケねぇ!! それでも!! 俺は戦うんだ!!!)
「そろそろ、行くか。サムライダー」
田島の問いに、無言の同意をするすぎむら。
ふたりが歩調を揃えて、一歩、一歩、安西に向かってくる。
(ちくしょう!! 何かねえか、現状を打破出来るきっかけ…足がかり)
安西は一歩も動けない。圧されている、目の前の二匹の悪魔によって。
しかし、その絶対的に絶望的な状況に光を射す二人の仲間が現れた。



295 :勝てない、俺だけでは:03/12/25 13:48 ID:1QTxa5rs
  「お〜い、安西〜」
(連タン…連タンが来てくれた!! あと一人おまけが!!)
それは、安西たちの身を案じて霊体になって飛んで来た金田一と衛藤であった。
「こっ…こりゃあヤバイことになってないか!? あの二人、なんか凄い!!」
「肉体が無いと話にならんな」
金田一は腕をピッコロさんのように伸ばして自分達の本体をキャッチ、強引に引き寄せ、自分と衛藤を戻した。
「おや」
そういえば衛藤は死んでいた。首が折れているのだから当然である。魂が戻っても体が駄目なら動くことは出来ない。
金田一はもう一度首をゴキッとやり、衛藤を現世に戻した。
「相変わらずムチャやるなあ…いてえ」
「まあいいじゃないですか」
悪魔二匹は、再び足を止めそのやり取りを眺めていた。
「二人とも有難うよ。来てくれただけで大分気が楽になった」
衛藤は意外だった。安西はこんなキャラでは無かったはず。むしろ自分だけで戦いたがるキャラではなかったか。
「自分の力を鑑みて、冷静に見れるようになったのですよ。それだけ安西が強くなっているということです」
「勝手に人の心を読むんじゃねーよ金田一!!!」
「そうなんだ…情けないよな、おれ。この二人が恐ろしくて自分だけじゃ戦えないなんてな……」
金田一はほんの少し考えて、言った。
「そんなことはない。安西は戸田のように相手に合わせていくらでも強さを上げられる様なタイプではないのだから。無駄死にが一番あかんのですよ」
「連タン…なんでも知ってんだな。有難うよ」
「おーい、ええ感じの世界を構築するのは勝手だけど、まず目の前の対処をしませんか?」
衛藤の言葉で正気に戻る安西。(そうだ、あいつ等を倒さなくては…!! 一人ではどうしようもないが、二人がいれば…!!)
「おい、二人とも、電撃、出せるか?」
「えっ? そりゃあ、俺たち二人は元DQ四コマ作家だから使えることは使えるが…」
「じゃあ、頼む。ありったけの力で電撃を出してくれ」
安西の目が、逞しさを増していた。

296 :勝てない、俺だけでは:03/12/25 13:49 ID:1QTxa5rs
  「君たち二人は、何者なのかね?」
田島が表情を変えずに問う。
「衛藤ヒロユキ、漫画家」
「金田一。不定」
「ああ、エニックスの…ということは、たいしたことはないわけだね。  消  え  ろ  」
また表情を変える事無く田島が言った。衛藤はわずかにたじろく。金田一変化なし。
「どくわけにはいかない…行くぞ金田一!!」
「「ライデイン!!!!」」
空に暗雲垂れ込める。雷鳴轟き、轟音唸る。
「よっしゃ、成功だ!!」
「わーい」
「二人とも…安全なところに隠れてろ」
安西は獣の槍を天高く突き上げる。それは力強く、美しい。
「さあ、こい!! ここに落ちてきやがれ、雷!!!」
「金田一っ!! ヤバイ巻き込まれる!! 早くこの不思議空間の中に…」
衛藤が不思議な力で開いた絶対安全空間・不思議空間。金田一はそれと反対の方向、つまり安西の方に敢然と歩いていった。
「連タン…危ねえって!!」
「安西にくっ付いていれば、安全なのだろう?」
顔を安西の太股あたりにくっ付け、もごもごと言った。
「…仕様がねえな」
「もう!! 不思議空間閉じちゃうよ!! バイバイ!!!」
衛藤は不思議空間を閉じ、消えた。
雷鳴は激しさを増し、爆音が地に轟く。それは獣の叫び声にどこか似ていた。
「来い!!」
「くっ!!」
事態に気付いた田島は守りを固める。すぎむらはただぼおっと天を眺めていた。
弾ける音、降り注ぎ。天の力が輝き落ちる。それは一本の槍へと集中した。


297 :勝てない、俺だけでは:03/12/25 13:50 ID:1QTxa5rs
  「すげえ力だっ…!! 駄目だ、まだ出しては…まだ全部雷がでてねえっ!! 槍に、溜めて、溜めて、溜め、てぇっ…!!!」
天の持つ最高のエネルギー・雷。それは、今の安西の手には余る代物だった。
「くっそ…!! 堪えきれねぇ!! なんでバカでけえエネルギーなんだよ!!!」
己のキャパを完全に越えたエネルギー。安西は苦しそうに下を向く。
その時、見えた。金田一の顔が。眼が。
「そうか…そう、なんだ……」
師匠や村枝の言っていたことを、今身をもって知った。闘うと言うこと――――。

――――安西。闘うと言うことは、人を守ることなんだよ。それを知れば、お前は――――。

「もっと強くなれる」

金田一のこと、守りたい。この体温を、守りたい。
力が湧いてくる!! なんて単純に出来てんだ人間ってのは!!! 大事な人の体温を感じる!! それだけでも強くなれるんだ!!!
一人で闘っちゃ、駄目なんだ!!! 皆で、守り守られて、闘うんだ!!!
「こんな、雷ぃぃぃぃーーーーーーー!!!!!!」
空が、晴れた。
「くれてやる〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
槍から放たれた雷は四方八方に飛び散る。それはバケモノのようだった。
「ぐああっ!!! なっ、なんて強力なエネルギー。だが…これでは平野様の眷属である我は倒れぬ!!」
しかし、サムライダーは倒れていた。
「ああ…アイツッ…どれほど耐久力があるとは言え、ノーガードでこの電撃を受けて耐えられるわけないだろう!!」
「くっ!! 倒れろォ――――!!! 田島ァ―――――――ッ!!!!」
サムライダーはガードを固めていず空を見上げていた上に、身に付けている貴金属が多かったのも幸いし倒せた。
しかし、田島はそうはいかない。あれほどの男にガードを固められたら耐えられる。
もう、安西に力は残されていなかった。つまり、耐え切られたら、待ち受けるのは死。


298 :勝てない、俺だけでは:03/12/25 13:51 ID:1QTxa5rs
  「倒れろよっ…!! おれは、連タンや皆を守りてえんだ…!!」
「ギ  ガ  デ  イ  ン」
空に再び暗雲が生まれる。今度は先ほどの比ではない。遥かにデカイエネルギー。空が暗雲に満ちる。
「探したぜ…安西、さらにいい男になったな」
「カムイ……」
「もう一発、かましてみせろ」
「ああ…意地でも!!」
比較にならない雷が槍に再び落ちる。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!!!!!!!!!」
苦しい…苦しい苦しい苦しい苦しい苦しいッ…!!! だが…気持ち良くもあるっ…。
「もっ、もう一発だと!!?」
再び田島が、固く硬くガードを固める。しかし、先ほどのダメージも相当なものであった。
「あああああああああああああッッ!!!!!!!! いっ……けぇぇ〜〜〜〜ァ!!!!!」
大質量の雷が放たれる。それがあちこちに散らばる。
「す…凄い力だ!」
カムイはあらかじめマホカンタをかけ、身を守っていた。
「この力…安西…悟ったな、何かを」
田島は地に伏して倒れた。安西たちの勝利。

299 :作者の都合により名無しです:03/12/25 14:00 ID:3YVeNLfX
(´-`).。oO(蓮タンだと思うがまあいいや色々キター)

300 :作者の都合により名無しです:03/12/25 14:10 ID:1QTxa5rs
>>299
うわあああああああ

疲れた。田島ファン、すぎむらファンの人、すいません。到らない点が山ほどあると思うのでもし気に入らなければフォローをば。
フォローしようはあると思いますので。

301 :狂鬼たちの宴は終わらず:03/12/25 14:12 ID:b4C1utZE
安西「やった!!」
凄まじい雷を受け、すぎむらと田島。ふたりの狂鬼は倒れた。
カムイが静かにうなずき、金田一がサムズアップし、衛藤は素直に喜びを露にする。
結束による勝利。
それが、この2人の狂鬼に打ち勝ったのだ。
安西は、つかの間の満足に味わっていた。
衛藤「あ、いけない!そーいえば、荒川さんも大怪我して、向こうで倒れてるんだ!助けにいかなきゃ!」
安西「なに、あいつも!?ちっ、あの後、別の敵に襲われたのか。
   だけど、あいつをそんなにするなんて、よっぽどの奴だな」
カムイ「やれやれ、もう一働き……か」
4人は、その場を後にしようとする。
そのときだった。

    グ   ニ  ャ  ア  ・ ・ ・ ・

世界が、歪んだ。
 「「!!??」」
4人が、身構える。景色は、一瞬で元に戻った。何も変わらぬ風景。
そう、ひとつを除いて。
安西「な…なに!?なくなっている…だと?あの2人の死体が……」
確かに、自分たちの手で倒した、あの2人の姿が忽然と消えていた。
まるで、幻であったかのように。
カムイ「一体、これは……」
その疑問への答えは、あらぬ方向から来た。
??「やあ、楽しかったかい?僕の作った“世界”はさ」
カムイ「!!」
4人の視線が、声の方角に集中した。
そこに、男がいた。仮面のような美貌を有した、男が。
男の名は、高橋葉介。
かつて、その存在感だけで三浦を圧倒した怪物が、今、4人の前に現れた。


302 :狂鬼たちの宴は終わらず:03/12/25 14:29 ID:b4C1utZE
安西「てめェの“世界”…だと?どういうことだ!!」
カムイ「あの2人が、幻だったと?」
その問いに、葉介は、チッチッと指を左右に振って答えた。
葉介「いや、途中までの2人は確かに本物だったさ。
   そうだな…君たちが加勢に来たあたりかな?
   さすがの2人も、少々キツいだろうと思ってね。
   こんな“お遊び”で、あの2人を失うわけにはいかないんだ、分かるだろう?
   なもんで、あの雷で倒したと思ったのは、僕の幻覚だったわけ」
安西「それじゃ、あいつらはどこに!?」
すると、葉介は顎をしゃくって、ある方向を指差した。
そこは、今まさに、最前線。
葉介「あっちで派手な火遊びやってるからね。今頃は、そっちでお楽しみのはずだ。
   まったく、尻拭いはいつも僕の役目なんだからなあ…」
呆れたように呟く葉介を、カムイが睨んだ。
カムイ「それで? あの2人の代わりに、お前が俺たちを相手すると?」
葉介「相手? まさか」
カムイの言葉を、葉介は一笑にふした。
葉介「僕は面倒なことが嫌いでね。余計なことはしたくないんだ。
   君たち四人を相手に戦ってもツマランし……楽しめない仕事に割く時間はないな」
安西「なに!?」

        ズ       ガ    ッ

刹那、自分たちの首が、胴から泣き別れになるヴィジョンを、4人は確かに見た。
安西「な…なんだと!?」
カムイ「信じられん……奴の目を見ただけで……」
衛藤「僕達は……」
  
       殺    さ    れ    た ――――!!!

303 :狂鬼たちの宴は終わらず:03/12/25 15:17 ID:b4C1utZE

       ズ  ズ  ズ  ズ  ズ  ズ

高橋葉介がやっていることは、ただ掌を前にかざしているだけ。
そこから、超能力のような不可視のエネルギーを出しているわけでもない。
単純かつ、圧倒的な妖気。
しかもそれは、“垂れ流している”というレベルだ。
にもかかわらず、それぞれ名の知れた作家である、彼らが金縛りにあっているのだ。
カムイ(信じられん……この男の力は……KIYUや山崎渉にも匹敵する……! バカな…!)
葉介「僕はまだ何もしてないのに、前に出れないだろう?
   今の君たちは、強いがゆえに30手先の敗北を悟ってしまった、悲しい将棋指しだ」
安西「くっ…!!」
葉介「だから、君たちが僕と戦うのは――」

       ま    だ    早    い

そのとき、再び景色が歪んだ。
「「!!」」
一瞬後、葉介の姿は消えていた。
衛藤「消えた……」
安西「なんだったんだ……あの化物は……」
安西たちの心に、風が吹く。
戦慄と恐怖、という名の風が。
風は、いつまでも止むことなく、吹いていた。




304 :狂鬼たちの宴は終わらず:03/12/25 15:30 ID:b4C1utZE
その頃――
安西たちを、遥か上空から見下ろす影があった。
葉介「やれやれ、どいつもこいつも、漫画家ってのは戦争が好きなんだなあ……。
   痛いし、疲れるし、面倒臭いだけだってのにねえ。――そう思いません?」
最後の言葉は、背後へと向けられていた。
すると、その背後に、別の影が現れる。
影は、少年の姿をしており、ボロボロの風呂敷をマントがわりに羽織っていた。
??「否定はしない――が、それでもおいら達にゃあ、やらねばならんことがある」
葉介「貴方ほどの方が、わざわざこんなとこまで足を運ぶとは。この地に何かが起きるとでも」
影は笑った。
??「ああ、運が運べば、拝めるやも知れん。懐かしい仇敵の顔をな」
葉介「現れますかねえ……あの用心深い『軍師殿』が」
??「期待くらいはしてもいいだろう。なにせ、あの『人中の鬼神』が暴れているとなればな」
楽しげに呟く影に対し、葉介は肩をすくめた。
葉介「まあ、いいでしょう。僕は、傍観者ですからね。どうも戦争ってのは肩がこって――」
影は、呆れ半分で言った。
??「面倒臭い……か。相変わらずだな。さすが、『面倒くさい』という理由だけで――」

 冥  界  三  巨  頭  の  座  を  蹴  っ  た  男  よ

葉介「権力なんてものを持つとロクなことになりやしない……。
   だから、ぼかぁ、こうして吸血鬼どもとつるんで遊んでるわけですよ」
??「ふん、なら好きにしろ。お前はただ見ていればいい」
葉介「ええ、そうさせてもらいますよ。

    白    土    三    平     先    生  」

305 :それぞれの道:03/12/25 18:42 ID:b4C1utZE
戦況が激化の一途を辿っていた頃、戦場よりやや離れた場所。
満身創痍の荒川は、富沢の手でその場所へと連れて来られた。
丁寧に荒川を地に横たえさせると、富沢は眼鏡をずり上げ、踵を返す。
その背中に、声がかかった。
荒川「……なぜ…私を助けてくれるの…?貴方はゴッドハンドの一味でしょう?」
思わぬ相手からの指摘に、富沢は多少、驚いて振り返る。
富沢「驚きましたね。貴女がゴッドハンドの存在を御存じとは…」
荒川「はぐらかさないで。助けてくれた事には感謝しているわ……
   でも、私は貴方たちゴッドハンドを許すわけにはいかない……
   戦乱を巻き起こし、漫画界の転覆を計っているゴッドハンドを!」
富沢「……どうやら、少し誤解があるようです」
そう断ると、富沢は言う。
富沢「私たちが倒そうとしているのは、あくまで一部の腐敗した漫画家だけです。
   剽窃や、安易な人気取りに終始し、漫画の本質を見誤った、
   腐った認識を持つ漫画家を一掃し、真に志しある作家だけの社会を作る…
   そのような社会こそ、漫画界のあるべき姿だと、私は思っています。
   私はそんな社会を愛し、社会に全力で関わっていきたいと願っています。
   したがって、貴女のような信念ある作家を死なせるのは、私共の本意ではない。
   そしてまた……醜い衝動のみで行動し、その社会の平和を乱す者を――」
くい、と眼鏡のフレームを押し上げ、言った。
富沢「私は許しません」
荒川「――――」
富沢の真摯な言葉に、荒川は戸惑った。
この男は、悪党ではない。いや、むしろ自分達に近しい位置に立っている。
しかし――
荒川「……でも、実際に戦争が起きれば、人は死ぬわ。
   悪党だけじゃない……罪もない作家や、一般人まで。
   貴方たちは、その点を誤魔化している。
   『神の代行人』というオブラートに包んで」




306 :それぞれの道:03/12/25 18:43 ID:b4C1utZE
富沢「確かに……そうかも知れませんね」
荒川の言葉に、富沢は声を荒げることもなく、あくまで静謐に言う。
富沢「私の…そして我らのやっている行いもまた、
   審判の名を借りた人殺しに他ならない。それは事実です。
   決して許されるべきものではないかも知れない。ですが――」
眼鏡の奥で、意思の光が跳ねる。
富沢「それでも――私たちはやりとげねばならない。それが私たちの選択した“道”なのですから」
強い意思を秘めた言葉に、荒川は血でくぐもった声で答える。
荒川「でも、私は多くの命が失われると知って、それを見過ごすことはできない…
   命とはそれだけで貴いもの……だから、私はどんな“犠牲”も認めない…
   この世に、失われていい命なんて、なにひとつないのよ……」
富沢「……優しい女性(ひと)だ、貴女は」
穏やかな声で、富沢は言う。
富沢「そう、本当に優しい。時にはバカじゃないかと思えるくらい優しい。
   他愛のない歌に感動し、TVドラマに涙を流し…、
   笑い合うのが何より好きで、傷つくのも傷つけるのも大キライ――
   やがて貴女たちが作る新しい漫画界に…、我々は受け入れてもらえるのでしょうか」
富沢の言葉に、押し黙ってしまう荒川。そして、ため息混じりで呟く。
荒川「どうやら貴方と私の“道”は分かれているようね……求めるものは同じなのに…」
富沢「道というのはね、荒川さん。いつもふたつに分かれているものなのですよ。
   どちらの道を選ぶかは、その人が何を重んじ、何を捨てるかで決まる。
   完璧な道が一本あれば何にも捨てずにすむのかも知れない。
   しかし、そんな道はあり得ません。なぜなら価値とは相対的なものだからです。   つまり――捨てるものが大きいほど、得るものは大きくなる」
荒川は頷かざるを得なかった。なぜなら、富沢の言葉の本質は、荒川が世の真理と考える言葉――
等価交換――
まさに、その言葉を表したものだったからだ。




307 :それぞれの道:03/12/25 18:47 ID:b4C1utZE
話し終えると、富沢はあらためて背を向けた。
荒川「貴方の言っている事は正論だわ。けれど――」
睨むように、続ける。
荒川「それでも――私たちは、貴方たちを止めるわ」
富沢「次に会う時は――敵同士ですね」
最後にそう言い残すと、富沢は歩き出す。身内の不始末を片付ける為に。
だが、そのとき!
??「カンダ! ロエストラタ アマソトス イグエラトス イアグレッソ!!」

         ド    シ   ュ   !!

富沢「何!?」
いきなり、富沢の五体を尖ったなにかが貫いた。
タイラント重工製の超々ジュラルミンボディを、紙でも貫くようにあっさりと。
突然の奇襲に、富沢が吹っ飛ばされ、大の字になった。
一方、富沢を奇襲した数本の鞭のような武器が戻る先に、その主がいた。
氷の瞳と、白銀の髪を持った、狂鬼が。
しかも、その左半身は、奇妙な機械のパーツで構築されていた。
??「……たあいもない。ギミックを使うこともなかったか」
呟いた男――田島昭宇の左腕に、鞭のような触手が収納されていく。
あらためて、田島は富沢の遺体を確認する。
呼吸音が全くしない。やはり、即死か。
失望しかけたとき、田島は気付いた。呼吸音のかわりに響く機械の駆動音に。
スーツはあちこち穴だらけになっていた。
その穴から、バチバチと火花が出ているのだ。
田島「何者だ、お前は。お前も『ギミック』を使っているのか」
富沢は、ゆっくりと起き上がった。
富沢「私は、企業戦士(ビジネス・コマンドー)。どうやら、貴方も生身の人間ではないようですね」
言いながら、富沢は懐から奇妙な形の眼鏡を取り出すと、今までかけていたものと取り替えた。




308 :拡大する戦線:03/12/25 18:47 ID:b4C1utZE
――いきなり。
発生した幾条もの小さな稲妻が男の体を取り囲んだ。
それは富沢の闘志をあらわしているのか。
富沢「モード変換! 戦闘モードッッ!」
その迫力に、田島が怜悧な微笑を浮かべる。
田島「どうやら、少しは使えるようだ……」
2人が、向き合う。
その瞬間。

   ボ ヒ ュ ッ!   ド  カ  ッ!

爆炎が、雄叫びをあげた。
ここも戦場と化したようだ。
爆風のあおりを受け、荒川が呻いた。
そこへ現れたのは、血まみれの川三番地。
先程、富沢の蹴りを喰らって吹っ飛ばされた個体だ。
川「田島さぁぁぁんんんnそいつつはおれれに喰わせ喰わせてくでで」
その無様な姿を、田島が睨みつける。
田島「失せろ。こいつは俺の獲物だ。そこの女で我慢しろ」
川「そそそでもいいだな。じゃあ…」
荒川「くっ…!」
富沢「! 荒川さん!!」
駆け出そうとする富沢の前に、田島が立ちふさがる。
田島「どこへ行く? お前の相手は俺だろう?」
富沢「ぐくっ…!」
歯軋りする富沢。
そして、動けない荒川の胸元に、川三番地の手が伸びた。




309 :拡大する戦線:03/12/25 18:51 ID:b4C1utZE
川「今すぐ喰い殺してやるぜぇぇ!!!」
ベチャベチャと湿った足音を響かせながら、川三番地が荒川ににじり寄る。
荒川「くっ…! それでも貴方は、誇り高い漫画家なの!?」
川「ウルゼェ〜〜〜〜〜! 俺ァ、もう殺されてんだァ!!
  人間様の道徳なんざ、見えやしね――――ぜ!!!」

??「では、もう一度死になさい」

        ド        ン  ッ

荒川「!」
川「…な……あ……な…何……な" お" な…ん ら な"んら"ぼれわ!!」
川三番地が苦鳴の叫びを吐いた。
その胸からは、巨大な剣先が突き出ている。
その傷口が、川三番地の身体を、蒸発させていく。
川「体が崩れ…こ……これはッ……なんだ、この剣は!!
??「聖剣『ゴルゴダクライシス』。主イエスの聖血に浸して鍛え上げられた業モノだ」
川「ほげッッッ!!」
次の瞬間、川三番地の身体は真っ二つに断ち割られ、塵と化した。
開けた視界に佇むのは、神父服にサングラスをかけ、左手に聖書を、
右手に巨大な十字架を象った巨剣を持った男だった。
??「父と子と聖霊の御名において……“ GO TO HELL ”」
富沢「あなたはッッ!!」
荒川「誰……?」
その男の姿を見て、富沢が驚愕の声をあげ、荒川が疑問を発する。
その答えを言ったのは、田島だった。
田島「現れたな。横山十傑集筆頭……」

      山     口     譲     司   !!!!


310 :魔剣士vs異形武者:03/12/25 19:32 ID:b4C1utZE
田島「横山十傑集の筆頭にして、守護神(ガーディアン)。
   『空間を斬る魔剣士』
   『魔術師』
   『ラグナレグクロイツ』
   横山の側近として、数々の異名を持つ男――貴様が山口譲司か」
山口「同僚がずいぶん世話になったようですね」
田島が、山口を睨めつけながら言う。
田島「十 字 式 封 神 焔 儀 ラ グ ナ レ グ ク ロ イ ツ 

   その称号は神をも封じる力を有した事に由来したと聞いたが……ぜひ見せてもらいたいね」
山口「はたして見えるかな?」

刹那、周囲の地面に裂け目が走った。

山口が、聖剣を正面に構え、その斬撃をガードしている。
背後に、田島とは別の男が立っていた。
鎧武者姿の日本刀を構えた男――『サムライダー』すぎむらしんいち!
山口「『最後の大隊』にも、これ程の使い手がいたか……」
サングラスをずり上げながら、呟く。
山口とすぎむら。
必然的に向かい合う、両者。富沢と対峙しながら、それを見守る田島。
田島(太刀筋は読めた……間違いなく、すぎむらも掴んだろう…)
次で決まる――そう思った瞬間、すぎむらが動いた。
人間とは思えぬ、まさに石火の動き。
一拍遅れて、山口の剣が反応する。
田島(決まった!)
田島が、すぎむらの勝利を確信した、次の瞬間。
その確信は、すぐさま驚愕へと塗り替えられることになった。
山口「遅         い」
巨剣が、すぎむらの兜を断ち割っていた。


311 :また彼も:03/12/25 19:35 ID:HhF4UyaE
ガウン。後から荒川を襲いかかろうとした川三番地が消滅した。
荒川「!?」
周りを見たら、謎のアームをつけた男の攻撃が川三番地を吹き飛ばしたのだ。
田島「有賀………どういうつもりだ?」
有賀「こちらには、こちらの都合という物があってね。」
そこまで言って有賀が田島に腕を向ける。
山口「…………川三番地を退けろ。戦いの邪魔だ。」
有賀「……了解。」
迷ったふりをしながらも即決をする。次の瞬間、まるで波を引くかのよう川三番地は撤退を始めた。
山口「神の復活にはまだ早い……神を作る”言霊”もまだ全てが完成しているわけではない……。
    横山様の策を今外れてもらったのならば困る……。」
??「疲れるだけですよ。そう言うの。」
後から声が聞こえる女性の声。
山口「尼子か……”富樫ファイル”の受け取りを任されていたと思ったが……。」
尼子「全員火急に集まるようにとの事でしたからね。彼は少し待たせています。」
山口「暇をもてあそんでいないと良いがな。」
尼子「あらそれなら、大丈夫です。」

その頃……温泉宿
長谷川「サンダァァァァクロォォォォス!!」
尼子から、託児所のバイトを任された長谷川は、託児所の子供相手に演劇をやっていた。
しばらく寝ておらず、ナチュラルハイになっていた彼は、怖い物知らずにクリスマスの演劇をしつづけていた。
ちなみに……内容は受けていたとだけ書いておこう。

312 :311:03/12/25 19:39 ID:HhF4UyaE
ごめん被った……

313 :魔剣士vs異形武者:03/12/25 19:53 ID:b4C1utZE
次々と戦場に推参する強者たち。
その激烈なる戦いを目の当たりにし、いとうは戦いていた。
いとう(こ…この戦いは、人間が…人がかかわっちゃいけないんだ……)
動悸が激しい。冷や汗が止まらない。いとうは、恐怖にとりつかれていた。
田島「確かに、あんたの言うとおりよく見えなかった」
笑みを浮かべながら、田島が言う。
田島「もう一度、頼む。……そう、すぎむらも言っている」
なんと、すぎむらは、頭部を真っ二つにされながらも、なお平然と動いていた。
山口「安心した。悪党でも人間を殺す事は教義に反するからな……」
田島「そお…人間ではない。我々、『最後の大隊』は人間(ヒト)ではない魔物(モノ)」
間合いが、離れた。
ゆらり。
即座に、両者の間合いがつまり、剣先が交錯する。
 ザ  ク。
閃光の切っ先が、すぎむらの右腕を、肩口から腰まで“ひらき”にした。
山口「!?」
しかし、次の刹那には、空中からの斬撃が疾っている。
 ガ ギ ン ン。
すぎむらの胴が、半ばまで切り裂かれた。
空中のすぎむらを狙い、山口の剣が跳ねあがったのだ。
その余波で、近くの街灯が切断され、倒れた。
砂煙りが巻くなかで、すぎむらは、なおも立っていた。
田島「どうやら剣術(うで)は貴様の方が上のようだ……が」
苦笑するかわりに、山口はサングラスの位置を直す。
山口「まるで砂でも斬っているような手応えだな……」

魔剣士vs異形武者

勝負の行方は依然、闇の中。

314 :酒呑み魔人の伝説:03/12/26 02:09 ID:+lPBHJd+

     人々は語る 彼にとって酒は友であり人生であり ロックであり心なのだと・・・

  人々はわななく 彼は魔人の肉体と魂を持ち 酒を飲むほどに鬼畜になるごとに力を増し
                               その手で惑星をも破壊できるのだと・・・

    人々は仰ぐ 彼は未来 この宇宙ごと突き抜けるだろう 悪魔の戦士なのだと・・・

     人々は永遠に忘れない その名は超戦士☆剣邪・梅澤春人!

             そして今 彼のロック伝説が始まり 宇宙の敵をたたっ斬る!!


――海沿いの丘にある≪温泉旅館松椿荘・別府別館≫。
温泉慰労会第二会場であるところの6階建てのビル。その屋上にひとり佇む酔いどれ1人。
 「朝・・・それは希望に満ちた一日の始まり。人々はその透き通るような眩しい光を仰ぎ、願う。
 色とりどりの幸福を・・・そして信じていやがる、素晴らしい一日である事を。
 希望!未来!!テメーらにそれらを与えているのは朝日じゃねー!こ の オ レ 様 な の だ !!な〜んて」
ギャーハッハッハと高笑いをし、手元の小さな水筒から酒をあおる梅澤。酒は彼の命の源。
不機嫌になったり危機を迎えたりして“酔いが醒める”と、彼の肉体は鬼形態となり・・・ 世界を、吹き飛ばす。
陽気にロックに笑い転げている現在はいつもの梅澤春人である。
彼は屋上で何かを待っていた。

ふわふわ。天空から舞い降りる宅配の小包とパラシュート。それを受け取った梅澤、ニヤリと鬼神の笑みを浮かべる。
 「来やがったぜぇぇ!これぞどんな豪傑・酒豪でもコップ一杯でおねんねの薬酒・眠れる森の美女!」
対にわの対策を万全にするため、あらゆる手配をする梅澤はとても楽しそうで。
 「ヤツには借金のカタでオレ様愛用のとっくりまで奪われてるからな。まずはあれを取り返す!
 さーあとは無事慰労会に紛れ込むだけだな!(ピピッ)おい貞本!木村!みずしな!ぬかるなよ!」
ピピッとテレパシーで別府隊の同志たちに檄を送った梅澤。闘いは近いのである。

朝とか言いながらもうすぐ昼が近いのだが、梅澤には関係ない事であった。

315 :作者の都合により名無しです:03/12/26 12:42 ID:2FuOEpBw
戦場の上空を羽撃く『コブラ』が、眼下の平野たちに向けてミサイルを発射した。
平野「おお、あれはTOW。光学照準付き無線誘導ミサイル。あれから逃げるのは不可能!!」
ミリタリーオタクぶりを存分に発揮する平野。
その肥満体から、顎のごとき影が分離した。
ノコギリのような凶悪な牙たちが、急降下してくるミサイルを一飲みにする。
  
  ド   モ   ン  !!

平野の体が、瞬間的に膨張し、元に戻った。
口や鼻から、大量の煙が吐き出される。
平野「フー……当分、葉巻きはいらないな」
ひとりごちた。コブラが旋回し、再度、攻撃を加えようとする。
そのとき、コブラの上に、影が落ちた。
瞬     斬。
コブラは凄まじい一撃にもろくも両断され、空中で爆散した。
数瞬後、人馬一体となった怪物が、遥か上空から地に降り立った。
王「お お お お お お」
鬼神が吼える。
その様は、もはや一個の武力の域を大きく超えていた。
それはもはや、自然災害というべきものだった。
一体、誰が、この超絶の破壊に抗し得ようか。
と――。
いきなり、王欣太が、赤兎馬の騎首を、とある方向に向けた。
そこには、男……いや、漢(おとこ)がいた。
象のごとき、黒鹿毛の巨馬にまたがった、堂々たる威丈夫が。漢が名乗りをあげた。
??「我こそは! 集英社より立ちのぼる義侠の積乱雲!!」

      原    哲    夫     推    参  !! 

316 :作者の都合により名無しです:03/12/26 13:27 ID:2FuOEpBw
原「この戦の中心は、そこもととお見受けする。儂にも一槍、馳走してくれまいか」
にやり、と男臭い笑みを浮かべた原が、その手に持った巨大な朱槍を構える。
刹那、王が飛翔した。
野獣の嗅覚が、目の前に立つ馬上の巨漢を、強敵と見なしたのだ。
振り下ろされた雷は、ふたつ。
横薙ぎと、唐竹割り。
2方向からの“死”が、原に肉薄する。

    ガ  シ  イ  イ  イ  ッ ッ

原が、双戟による破壊の塊を、はじき受けた!
原「おりゃりゃりゃりゃりゃ〜〜〜〜〜〜!!!!」
王「ぐおおおおおお〜〜〜〜〜〜!!!!」
凄まじい、撃ち合いが始まった。
すでに、朱槍の、双戟の速度は、人の目に映らぬ領域に突入している。
二対の人馬の間には槍の影すら見えず、ただ撃ち合う音と、巻き起こる嵐のごとき風圧によってのみ、傍観者はその攻防の存在を知り得た。
一呼吸で十数合を交わした両雄の間に、弾け飛ぶように距離が生じた。
原「いやあ、強いのお、お主」
朗らかに笑いながら、原が言った。
原「実は、お主にひとつ訊いてみたいことがあってのお」
王「な、なんだ?」
初めて、王が喋った。怯えているわけでもないのに、どもっている。
吃音なのだ。
しかし、それがかえって、王欣太という男の不気味さを醸し出している。
原「今は、多くの漫画家が覇権を狙って、争いを繰り広げておるが……そもそも天下とは何だ!?」
その問いに、王が即答した。
王「り 、 龍 の 住 処 だ 」
原「( 純  一  戦  士  か  !! )」

再び、激突が始まった。 

317 :完成:03/12/26 21:38 ID:i/Ei4Zkf
  舞台はまたも辺境に位置するアトリエ…。
桜玉吉は作品作りに精を出していた。完成は近い。
「あとは…っと。えーと…あれを使って仕上げといきますか!!」
ヒザをパンと叩いて勢いよく立ち上がる玉吉。しかし…。
「ありゃっ、ねえ!! おかしいなあ…前はあったはずなんだけどなあ。おれももうろくしたか…」
嘆いても、ないものは仕方が無い。こうなればアイツに頼もう。
金は余計にかかるがそんなモンは後で武井と貞本からふんだくれば済むことだ。
「もしもし…」

  玉吉が電話して五分後…。
大地にすさまじい轟音を響かせて突っ走る男。小脇に抱えるのは依頼品と思しきもの。
「チース!!! お届けもんっす!!」
「おお、相変わらずはええな、井田」
男の名は井田ヒロトと言った。依頼されれば仕事迅速、必ず時間までにお届けします!! それがモットーの男だった。
「この上薬でいいんですよね? で、お代は…?」
「ああ、上がってていいからちぃーと待っててくれ」
井田に茶を出して玉吉は最後の仕上げを始める。上薬を長年培われた勘で適量を塗り、高温の炎の中に突っ込む。
三分後、遂に依頼品が完成した。
「井田、追加依頼があるんだ」
「なんっすか?」

  「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
「頑張れー!! 報酬五倍増しだぞ!!」
井田は玉吉を背負って一路鹿児島まで突っ走ろうとしていた。
勿論、追加報酬も武井と貞本もちだ。
「きっ…きっつ…きっつぅ〜〜〜〜〜!!」
「あと三時間以内で宜しくなあ」
「なっ…!! 何十キロ走りゃあいいんすか!!?」
井田は大地に二人分の重さがかかった足跡を克明に残し、懸命に走っていった。


318 :作者の都合により名無しです:03/12/27 21:45 ID:hBoJDmyA
狂鬼、すぎむらしんいちを相手に、山口は苦戦していた。
純粋な力量ならば、山口が上である。
しかし、どこを斬ろうが突き刺そうが、決して動きを止めない死霊のごとき不死身の身体を前に、山口は突破口を見出せないでいた。
 山口「むう・・・・」
ボタボタと、剣を握った手から血がしたたっていた。
すぎむら「・・・・」
 山口(どうする・・・?『虚空剣』は周囲に及ぼす影響がデカい。ここでは使えん・・)
さしもの山口も、攻めあぐねていたとき、無数の閃光がはしった!!

    エ  ク  ス  カ  リ  バ  ー
   聖      剣      乱      舞  !!!!

視界にある全てのものが四角(スクエア)に切断(カット)されてゆく。
回避する場所を与えない、必殺の光条!!
瞬く間に、すぎむらはその鎧ごと微塵に斬り刻まれた!!
 山口「おそるべき技・・・まさに全てを斬る為の小宇宙!!!」
山口のすぐそばに、全身黒ずくめで、素顔を隠した男が立っていた。
それが、同志・岡田芽武であることは、山口には先刻承知だ。
 山口「素性(めん)の割れている御前は来ないと思っていたがな・・・」
 岡田「できれば遠慮したいとこですが、そうもいかんでしょう。命令ですから」
一方、細切れにされたすぎむらの残骸を、田島は顔色ひとつ変えずに、冷ややかな瞳で見つめていた。
仲間がやられたことに対する感情など全く念頭にないらしい、冷酷で峻厳な目だった。
 田島(速い・・・あれだけの光速拳で不意を突かれては、さしものすぎむらでもどうにもならなかったろう)
冬の湖のような田島の瞳は、鎧の残骸から、他の誰にも気付かれることなく、
ずるずると這い出てきた、一匹の『蛇』を見つめていた。
 田島(御前の役目は終わった、すぎむら。後は、俺の楽しみだ)
冷たく笑う田島が、両手剣を抜いた。


 

319 :作者の都合により名無しです:03/12/27 21:46 ID:hBoJDmyA
岡田「隊長達は王欣太の捕獲に向かってください。ここは私ひとりで十分です」
 ??「待て」
岡田が言いかけたのを、新たな声がさえぎった。
やがて、アスファルトから、それと同じ色をした肉体が、にゅっとつきでてきた。
 山口「せがわか」
 荒川「!?」
荒川がひきつったように驚いた。
せがわまさきは、荒川の真後ろ・・・息がかかるほどの近くに現れた。
いきなり、荒川の躰を片手に抱えこんだ。
 荒川「!? 何をする!!放しなさい!!」
身動きがとれず、抱きすくめられたまま、それでも荒川は気丈にせがわを睨んだ。
せがわ「おうおう、威勢のいい獲物じゃ」
そんな荒川の視線を楽しむように、せがわは余裕の表情を浮かべた。
せがわ「隊長、この女はわしがいただいてもようござるかな?
    先刻、思わぬ戦いを強いられたせいか、血が足りませんでな」
 山口「好きにしろ。神の存在に否を唱える女・・・生かしておいては我らの為になるまい」
せがわ「ありがたき幸せ」
と、炎のような息をはきつつ、せがわが荒川のぼろ布のようになった衣服を引き裂いた。
 荒川「!!!!」
あまりの恥辱と怒りに、荒川の瞳がぐらりと揺れた。
その破廉恥な行動に憎悪の声をぶちまけようとするが、それは瞬時にして、名状しがたいうめきへと変わった。
荒川の全身がはねあがった。まるで十数匹の蛭に吸いつかれたように激痛を感じたのだ。
のけぞりかえり、のたうちまわる荒川に、せがわはピッタリと膠着している。
その唇は、荒川の喉笛に吸い付いている。
これが、せがわの忍法のひとつ。甲賀の『お胡夷』の能力・・・吸血の力だ。
血をすするのは口だけでなく、筋肉の迅速微妙なうごめきによって皮膚のどの部分までもが、なまめかしい吸盤と一変するのであった。
荒川が、高い声を放った。


 

320 :作者の都合により名無しです:03/12/27 21:47 ID:hBoJDmyA
荒川「あ―――――――――――――――っ!」
ともすれば、官能のうめきにも似た絶叫を荒川は吐き出した。
せがわの筋肉が蠕動し、荒川の肌から激しく吸血する。
身を引き裂くような激痛と、それに倍する怖気が、荒川の意識を灼いた。
閉じた瞼の裏で、極彩色の宇宙が幾度も爆発と明滅をくりかえす。
脊椎を電流が喰いあらし、細胞のひとつひとつが悲鳴をあげる。
焼き切れそうな理性を、荒川は心の中で歯を喰いしばることで懸命に耐えた。
しかし、実際は、その口はだらしなく開かれ、か細い息を吐き出している。
全身の血液を吸われ、荒川の躰はもはや、気をやったように痙攣し、瞳から知性の光が失われつつあった。
薄い膜がかかった半開きの目で虚空を仰ぎながら、荒川の心は壮絶ですらあったが、同時に、彼女の皮膚に、そそけ立つような戦慄がはしっていた。
せがわは、片手で荒川の金髪をつかんで、顔をねじむけた。
すぐまえに、娘の口がひらいて、あえいでいる。
ふるえる舌や、珠をつらねたような奥歯や、赤いうすぎぬをはったようなのどまで、彼は舐めるようにのぞきこんだ。
せがわ「安心するがいい女。すぐに、御前らの仲間も後を追わせてやろう」
 荒川「・・おお・・・あ・・・・う・・・」
首を横に振ろうとするが、微動だにできなかった。
けぶる意識のなか、どうしようもない敗北感が、彼女を包みこんだ。
おそらく、あと一分で、荒川は絶命したであろう。
しかし、そのとき、絡み合う2人に向かって、銀色の旋風がかけぬけた。
せがわ「ぬうっ」
せがわが狼狽の叫びをあげた。彼の顔の、右目に、一本の槍が突き刺さっていた。
次の瞬間、せがわの顔の右半分が、爆発したようにはじけとんだ!
せがわ「げええっっ!」
右手でおさえたせがわの顔から、ものすごい血が流れだした。
せがわ「がか・・かかかっ・・・ばかな・・・・これは・・・『獣の槍』・・!」
 ??「その女から、汚ねえ手を離しな・・・糞野郎」
血まみれの女を抱えながら、銀色の流星が言った。  


 

321 :作者の都合により名無しです:03/12/27 21:48 ID:hBoJDmyA
 山口「ひゅ・・・」
それは、山口ですら目で追えないほど速く、そして研ぎ澄まされた動きだった。
まるで影が高速で地を這うように、男は山口達の間を駆け抜け、せがわに槍を突き立てた。
せがわ「ぐおおおお・・・」
顔を血だらけにしながらうめき声をあげるせがわの前に、荒川を抱えた安西がいた。
 安西「しっかりしろ、荒川!生きてるなら返事をしろ!」
耳元で安西がさけぶと、荒川がぼんやりと彼を見た。
 荒川「・・・安西・・・・先生・・・・?」
まだ夢を見ているような調子で、荒川はつぶやいた。
やがて、これまでとは違う体温が自分を包んだのを感じ、荒川の瞳が急速に焦点を結んだ。
 荒川「・・・・遅いわ。今まで、どこをほっつき歩いてたの?」
いつもと変わらぬ口調に、安西は苦笑した。
 安西「なんだよ、せっかく白馬の王子がかっこよくお姫さまの救出に来たってのに、それか?ここはもうちょっと色っぽい台詞を期待したんだけどな」
 荒川「バカなこと言ってるんじゃないわ。そもそも、貴方が簡単に拉致られたりしなければ、私はこんな目にあわずにすんだのに。むしろ、謝罪して欲しいくらいよ」
 安西「・・・まったく、口がへらねえアマだな」
 荒川「覚えてる?私の言ったこと」 
ふいの質問に、安西は唇を吊り上げる。 
 安西「中途半端は許さない・・・・だろ?」
 荒川「そうよ。だから、後は貴方に任せて、私は寝るわ」
 安西「あー寝ろ寝ろ。起きたときには、全部終わってるからよ」
 荒川「そう・・・願いたいものだわ。もう・・・・さんざん」
 安西「おやすみ」
 荒川「・・・・・・・・」
最後に言ったことを安西は聞き取れなかった。
 安西「おい、今、なんて言ったんだ?」
聞き返すが、すでに荒川は深い眠りに落ちてしまっている。
その顔には、安らかな微笑が彫られていた。 




322 :作者の都合により名無しです:03/12/27 21:49 ID:hBoJDmyA
せがわまさき・・・・この男には妖異凄絶の忍法使いという以外に、もうひとつの秘密がある。
それは、この男が、『狗神憑き』だということだ。
彼の普段は閉じられた右の瞳には、『狗神ゴウザ』が眠っているのである。
獣の槍は、あらゆる妖物を突き、斬り、滅する退魔の槍。意思ある妖器物。
妖怪達は、その槍の触れる風にさえ、己が最期を悟るという。
不死身の肉体を有し、全てを跳ね返す瞳術を持ち、凄まじい忍法を使いこなす忍の、まさに唯一の弱点が、皮肉にも彼に絶大な力を与える、彼に宿った狗神であったとは!
怒りと憎悪に煮えたぎったさけびを、せがわは吐き出した。
せがわ「き・・・・貴様ァァァっ!よくも、このせがわまさきの目をっ!」
 安西「それがどうした、狗野郎」
荒川に向けていたのとは別人のように厳しい顔を、安西は敵に向けた。
 安西「もっと斬り刻んでやるよ、せがわとやら」
そのとき、別の方向から、強烈な真空波が飛来した。
 ??「剣王震空牙!!」
 山口「むう!」
裂帛の一撃を、山口の剣が切り裂いた。
その前に、マントをはためかせ、カムイが立った。
カムイ「悪いが、まだこいつにくたばってもらうわけにはいかないんだ。俺達のブレインだからな」
金田一「ギリでしたな、カムイさん」
その後ろで、金田一が汗ひとつかいてない頬をハンカチでわざとらしく拭う。
カムイは素早く安西に駆け寄ると、安西に抱きかかえられて昏倒している荒川に、ベホマをかける。
重傷のうえ、血が足りないせいか治りが遅いが、ひとまずは安心だ。
安西は衛藤に荒川を渡すと、衛藤は金田一の口の中へと飲み込まれていった。
避難が無事完了すると、安西とカムイは、あらためてせがわ達と向き合った。
激しい怒りをこめて、カムイと安西は言った。
カムイ「また会ったな・・・・十傑集」
 安西「てめェらは、地獄に落としても許さねえ!!」

323 :作者の都合により名無しです:03/12/28 11:21 ID:ntI3IbdB
なんて便利なのでしょう、金田一って。

324 :作者の都合により名無しです:03/12/28 16:55 ID:LrTopW5W
せがわ・・・エロスはほどほどにしとけよw

325 :作者の都合により名無しです:03/12/28 17:13 ID:eoptJd7Z
さすがお色気担当1号(*´・`*)

326 :とりあえずはこちらを終わらせて:03/12/28 20:50 ID:bfCuTqSk
対峙するあんど、松沢、N星人。
そこへ多数の人数がやってきた。
野球場から外に出てきた尾田達である。
N星人「(彼がカレーを作ったのか)。ねえカレーのおかわりはあるかい?」
尾田「わりい、今さっきみんなで全部くっちまった。」
N星人・松沢「(がびぃーん!)」
二人はショックを受けたかのように倒れ込んだ。
あんど「ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
勝利の雄叫びをあげ、あんどは学生服の姿に変わる。
尾田「まあ、慰労会があるからさ、そこでまた作るってのも悪くないかもな。」
N星人「うーん、慰労会か。いいよ僕もそこに行こう!」
武井「でも、費用とか大丈夫なのかな……。」
N星人「なーに、僕が全部出しても良いさ(どうせ矢吹君持ちだし)。」
心の中の台詞を押さえつつN星人は言った。
富沢「そーいや、次の試合はどうなるんでしょ?」
N星人「ああ……。」
余湖「んなのどうでも良いじゃん。さっさと目的地に行こうじゃん。」
富沢はまたしても無視された。

327 :災害人間来襲:03/12/28 20:58 ID:ojEeA1yj
激化の一途をたどる戦場―――
                     ハルマゲドン
神と魔と人が鎬を削るその様は、最終戦争の縮図のようであった。

そしてまた、この戦乱の空気に引き寄せられるが如く『最凶』の名を冠す者が近づいていた。
まるで飢えた肉食獣の様な眼光を振りまきながら、ゆっくりと――しかし着実に戦火の中心へと歩を進めていく。
ブツブツと呪詛の言葉を繰り返しながら歩むその姿は、死神の様にも見える。

いいや、死神ならばどれだけ良かっただろう――死ねるのだから。
これから引き起こされる災厄を思えば、非業の死すら幸福と思えるだろう!

「うぅ…トイレ、トイレはどこだチョー!も、漏れるーっ」

浜岡賢次 爆 弾 を 抱 え 登 場 ! !


328 :作者の都合により名無しです:03/12/28 21:07 ID:y9+kThke
冷凍庫から逃げ出したのか
それともわざわざ引っ張り出されたか
ともかくヤバー

329 :こちらを始める準備をしましょ:03/12/28 21:23 ID:bfCuTqSk
影船………
乙「にわのせんせー!いますかー!」
声を張り上げながら乙が小型のボートに乗って澤井達と共にやってきた。
にわの「ここにいるもーん!と言う事でなんじゃらほい!」
乙「トライアスロンなんですけどぉ!いつの間にか賞金が出るそうです!」
にわの「……ありゃりゃ!一体何がどうやったらそんなもんが出るの?」
乙「主催者がー!これは素晴らしい戦いとなるだろうから!一位の人には1000万円出すと言ってましたー!」
いい加減疲れたのか、乙が口をつぐんだ次の瞬間であった。
海を叩き割らんかの勢いでモーターボートが乙達のボートに突っ込んできた!!
??「賞金が出るって本当か!」
乙は首をうんうん縦に振りながらパンフレットを見せる。
その男は、次の瞬間に乙の首を放し、パンフレットを掴む。乙はそのまま海の中へと落ちた。
秋本「よーし!優勝賞金はわしのもんじゃあ!」
その叫び声に反応して澤井も落ちた。
乙「澤井さーん!魚雷状態ならこの状況を………(ぶくぶく)!!」
澤井「何を言ってるの!魚雷は鉄でできてるのよ!そんなので泳げるわけはないでしょう(ぶくぶく)!」
乙「………(ぶくぶく)!」
澤井「ああ……過去の出来事を思い出し始めたわ(ぶくぶく)。」

澤井「戦争反対!戦争反対!!(魚雷の姿で)」

乙「自分で自分を否定してるぅぅぅ(ぶくぶく)」

330 :死のダンスを踊りましょう:03/12/28 21:40 ID:y9+kThke
 「〜なもんで本宮せんせーったらすぐ事務所の備品壊すんだホ。そんなオハナシさっ」
 「本当、よくしゃべる男だな」
 「まあね♪・・・はー空が青いねー。あ、カモメだモーン。陸が近いって事なんだっけ?センセ」
 「ああ」
 「さすが海の男は物知りじゃん〜今度岡野クン達と一緒に釣りでもするじゃん〜」
 「・・・にわの」
 「なんですー?」
 「お前さんとこの流派・・・他流との試合や組討(対人稽古)の禁止とか、あるのか?」
 「陣内流?ウチは特にないじゃん。元々実戦派だからヨソとも異種でもガッチガチにやるしね」
 「ほう」
 「“乱れ組討”と言って、空手や柔道の練習も混ぜまくったスパーとか・・・あ、川原センセまさか」
 「ん?」
 「ボク嫌だからねっ!今の殺気ランラン〜♪な先生じゃ稽古でもマジで殺されかねないしー!」
 「察しがいいな(ニィ)」
 「んもーテレビの観すぎだっち!・・・今度ヒマができたら、考えておくモン・・・」
 「・・・ルファ」
 「ふにゃ?あー鷹がこっち飛んでくるぞな〜」
 「こっちにボートを誘導している」
 「ほえ?」
 「やれやれ。また騒がしそうなのが・・・」


11時過ぎ。影船の甲板に並んで寝転がる柔術家2人が、
空を切って飛ぶ一羽の鷹と影船に近づくボートを目撃した頃より幾許か前の話。

いつの間にやらラブカレー争奪戦になっていたあんどと松沢の対決は、
いつの間にやら双方痛み分けになって終結してしまった。
ちゃっかり慰労会に参加する事になったN星人は、尾田達相手に美味しいカレー談義を始めている。
冷めきったカレーをあんどからそっと受け取った松沢は、涙しながらそれを貪り食う。
 「・・・松沢先生。僕達の闘いもうやむやになってしまいましたね」
 「もぐもぐもぐ(そういえば何でワシこんな所におるんじゃろ)」

331 :そして祭りに行きましょう:03/12/28 21:43 ID:y9+kThke
兄貴ラブモード時の記憶がない松沢は、命の源・カレーを食べながら考え込むが思い出せない。
ともかくどうやら場違いそうなので、あんどは松沢を連れ空港の方に帰ろうとする。
ふと感じる肌のざらつき。奇妙な違和感。あんどがそれに気づいた頃には既に。
彼の学生服の中には手足も含む全身に数え切れないほどと、股間に大きなものがひとつ、
念で描かれたダーツの的のような多重丸模様が浮かび上がっていた。
あんどの僅かな狼狽に気づいたN星人は、サングラスの奥に冷酷な笑みを浮かべた。

 (死紋十字斑―――ぼくが念を込めたモノは全て、君の身体のマーク目がけ飛んでいく。 
 ぼくの領域(テリトリー)にいる限り・・・君はもはや休むことも寝ることも許されない。
 あんど君。ぼくの愛するものを侮辱した罪は重い。いつでもダンスの用意はできてるからね)
彼の能力『狙撃手(スナイパー)』。あんど慶周の運命はN星人の手に握られたのだ。
あんどは首をひねりながら松沢と共に去っていった。


そして現在。

にわの「うわー秋本センセ!なんでもいいからボートの上で暴れないでおくれでヤンスー!」
乙  「びばぼべんべ〜ばぶげべ〜ぶぐぶぐ(にわの先生助けて〜ブクブク)」
にわの「だいたい筋肉痛冷めやらない澤井クンが来て何ができるっちゅーんじゃアホンダラー!」
澤井 「ぼぼ〜びばのべんべーががらばるびぼ〜?おごっでるばよ〜
    めぶらびー(おお〜にわの先生が柄悪いぞー?怒ってるわよ珍しい)」
秋本 「ダメだなー!近頃の若いのは体力がないな!ガハハ」
乙  「そぼぞぼだべの・・・ぜ・・・び・・・(そもそもだれのせい・・・)」
にわの「キャー!乙君が死んだーっ!いやぁー待ってー!」


 「お前らなあ・・・おとなしく鹿児島湾で合流してろよな!岡野達にばかり働かせるんじゃねえ!」
ロープやらなんやらで無事救出された馬鹿軍団に、本宮からキツーイお灸が据えられた。

川原は再び甲板で寝っ転がっている。鷹は鹿児島の空を楽しそうに飛ぶ。
隣では海で泳ぎ風邪が悪化したにわのが、海水まみれになってうつ伏せで倒れていた。合掌。

332 :湯煙の向こうに血煙の影:03/12/28 22:30 ID:y9+kThke
 「そ・・・そもそも主催者って誰だモン?(ゲフゲフ)
 慰労会もトライアスロンも企画立案はボクじゃん?
 どーもボクの知らんトコロでなーんか動いてるみたいれすが・・・へーっくぶひゃい!」
熱っぽい身体を甲板の照り返してさらに温めながら、鼻水をすするにわのであった。
N星人の横行もゴッドハンドの横槍も、もちろん彼にはわからない。
そうこうする間に影船は鹿児島湾に入り、寄港地の桜島に到着したのだった。

矢吹艦空港には変態チーム・バンチチーム(一部)・裏御伽チーム(一部)・
えなりチーム(一部)・チャンピオンチームそして審判に関係者が集まり出航準備に入る。
ガンガンチームは無礼ドがあるので別行動だ。・・・艦長の松沢がチームメイトを捜している。
無礼ド内に残るのは荒木たちや一部のサンデー軍団等の部外者と子供たちしかおらず、
今のままでは出発する事は到底不可能。
かくしてレダルーバ組は先に出発する事になった。
 「いやー温泉楽しみだなー♪」
 「代金の方は頼みましたよ、Nさん」
いつの間にか“Nさん”と呼ばれ普通に関係者に混じっている(肩書きは雑誌記者)、
サングラスの男は手に持った矢吹のゴールドカードをちらつかせニコニコ笑っている。
旅支度を整えた漫画家軍団は蟲船に乗り込み、ふわりと静かに青い空に飛び立った。

 「さて我々も早く温泉に行きたいのだがな」レダルーバを空港外から見送る橋口たかし。
 「んーでも皆川隊長とか見つからねえし、しょーがねえって」隣に立つ草場道輝。
皆川達三名は、お使いに出たまま一向に帰ってこない。
どこで何をしているのか。太陽が真上に昇る・・・。

Bブロック空港。温泉仲間がおらず寂しいキバヤシは、
ひとりイジけて地面にチョークでナスカの地上絵なんぞを落書きしていた。そこへかかる声。
 「あんた、ウチの新入りか何か?僕ら暇で暇でしょうがないから、
 くだらない会合にでも独断で参加したい気分なんだけど」
 「ウフフ、素敵な殿方いえ漫画家たちと温泉で裸のつきあい。今からドキドキしますわ」
 「あ、あんたら・・・誰だ!生意気そうな子供と浮き輪担いだヒゲメイドだと!?」
木葉功一と広江礼威。内紛により統一性の欠片もないガンホーの、不協和音のひとつ。果たして真意は・・・?

333 :作者の都合により名無しです:03/12/28 22:54 ID:lAxeRctU
広江好きだー(w
漢乙女っぷりをまた見せてクレー!

334 :しまった:03/12/28 22:56 ID:Bn+8rw89
(タフとスポーツも一覧に足しといてね)

335 :最悪の邂逅:03/12/29 00:38 ID:IuULTGfd
矢吹艦の通路を、豪快な音をたててバイクが疾走(はし)る。
それを操っているのは、見るからに悪そうな面構えをした男だった。
男――梅澤が、「一度、アジトに戻る」と言って旅館を発ったのが数十分程前。
本当はめんどくさいことこの上なかったのだが、他ならぬKIYUの呼び出しとあっては仕方ない。
「ちっ、あいつは普段なんもしねーくせに、こーゆー時に限っていったい何の用事よ」
どの道、ちょっと顔を出して、すぐに旅館に戻るつもりだった。
このペースならば、夕方には戻れるだろう。
と――
「ん?」
梅澤は妙な人影を発見した。
明らかに戦いがあったと思われる場所で、壁によりかかって気絶している少年。
停車して、その顔をまじまじと見る。
「ん、こいつは確か……」
梅澤の眼下にうずくまる影――それは誰あろう、えなりであった。
「このガキ、何でこんなとこで寝てやがんだ?たった1人で?」
梅澤の言う通り、そこにはえなり以外の者はいなかった。
この少し前に、板垣と、たかしげ宙が、いずこへと消えた事を梅澤は知らない。
「ま、いいや。おい、起きろ、小僧!」
ガスッ、
といきなり軽く蹴り、えなりを起こした。
「はっ!僕はなにを……って……」
「よう」
ニヤリ、と悪魔的な笑みを浮かべ、梅澤がえなりを見下ろしていた。
えなりの顔が、サーッ、と蒼ざめる。
「あ…あなたは……“梅澤”先生!?」
思わず、目の玉が飛び出しそうなほど、えなりは驚いた。
「俺を知ってんのかぁ?おめー……“誰”よ?」
悪魔のごとき、ロックな御尊顔の前に、早くも失神寸前になるえなりだった。




336 :最悪の邂逅:03/12/29 00:39 ID:IuULTGfd
「(ひい…?なんで生きて…?それに前にも増して、よーすがアブナイ…?)」
えなりは、梅澤を知っている。
KIYU軍の重鎮としてではなく、かつて車田に敗れた漫画家として。
そして、本来なら“中堅漫画家”でありながら、彼が並外れたロックさを有している事を。
「おめー、大会見学に来た、一般客かあ?こんなとこで寝てんと風邪ひくゾ?」
一方、梅澤はえなりの事をまったく覚えていなかった。
そもそも、大会で戦ったときはロクに顔を合わせてもいないし、梅澤は別段、えなりの存在に興味がなかった。
「ひとりで帰れるか、ボーズ?」
「え…ええ、なんとか。お気になさらず……ハハ」
えなりは、一刻も早く、この場から立ち去りたかった。
このロックさ極まる魔人様と、一秒でも同じ空気の中にいたくなかった。
だが、意外と世話焼きな梅澤は、悪意なしにえなりを追い詰める。
「よし、ボーズ。俺様が、おめーの行きたいとこまで乗っけっててやんぜ?」
えなりは心の中で絶叫した。
「(ひいいっ!?それはマズイ……控え室でも慰労会会場でも、車田先生達とカチあったりしたら……)」
下手したら、数ガロンの血を見ることになるだろう。絶対にできなかった。
「あ…あの……僕は平気ですんで……」
ひょい。
「うぴっ!?」
「まー、そう遠慮すんなよ、若えモンがよ?」
そう言うと、えなりを持ち上げ、後部座席に座らせた。ビビるえなり。
「(ひいい!マジ、どーしよー……)」
「んじゃ、出ッ発……」
アクセルを再びふかそうとした、そのときだった。
別のバイクの音。
単気筒(シンプルシリンダー)の排気音が、背後から聴こえた。
          

337 :最悪の邂逅:03/12/29 01:03 ID:IuULTGfd
ドゥロロ… ゴオオン…

「単気筒の音…?“SR”…?」
排気音から割り出される車種を、梅澤がつぶやいた。

 ヒョルル… ドゥロ…! ドゥロ…!

「くっくっ…くっ……“悪魔の鉄槌”(ルシファーズハンマー)だよ……?」
「へ?」  
気づかぬうちに、いつの間にか、横に並ばれていた。
えなりばかりか、梅澤までもが呆気にとられる。



           !?



その単車の主の顔を見た瞬間、えなりの青ざめた顔に、さらに縦線がはいった。
浅黒い肌をした爬虫類顔の男だった。外国人か、ハーフなにかだろうか?
「コンニチハ……」
男は、三日月の笑みを浮かべながら、こちらを覗きこむように挨拶した。
双眸の奥で、緋色の瞳が唸るように鋭い輝きを放つ。
「(どぉっぴょ〜〜〜ん……!! ナニ……!?
  この“ 超 ア ブ ナ イ ”人……? ヒトミガアカイッスヨ…?)」

   
    佐   木   飛   朗   斗    登    場   !!
   

338 :作者の都合により名無しです:03/12/29 02:52 ID:jZoUlvph
佐木飛朗斗キターーーー!!
天羽で来るとは!
“!?”も漫画の雰囲気が伝わるね!多用は危険っぽいけど…。

339 :青春ロードムービー巨編:03/12/29 05:36 ID:+/kWLbiL
  ひとーつ…ふたーつ……みーっつ………。
久米田の口から自然と漏れる言葉。口から発せられる度に残りわずかな髪の毛が抜け落ちてゆく。
多くの人間はパッと見ではハゲだと分からないだろう。ダメ職人芸でカバーしているのだ。
ちなみにそれは、頭頂部の禿を前髪や側頭部の髪で厚みを持たせつつ隠すという高等テクで、一回に整髪剤数本を要する大技である。

  森の中。久米田はあてもなく歩いていた。虚ろな眼、虚ろな存在。
風が吹き抜けた。髪の毛が吹き荒れた。
「きょー!! きょー!! きょー!!!」
「おい、ちょっと止まってくれ! 休憩がてら、だ」
「……………や、っと、やす、め、る」
スーパーアルバイター・井田ヒロトは地面に倒れこむ。瞬時に眠りこける。
「おっ!! あんたその頭…作り物だな?」
井田の背を降りた桜玉吉が言う。
「なーにを言うか!! これは地毛だ!!」
「マジか!? アンタ職人だなあ。俺は何かに秀でている人間は好きだぜ」
「職人?」
久米田はニヤリとする。途端に口調が変わる。本当に調子に乗りやすい男だ。
「いやあ〜そうなのよ、僕職人? なのですよこれが!! さあ僕を敬え! 尊敬の眼差しを向けろ!」
「本当にすばらしいよ…決めた。お前も連れて行ってやるよ!」
「どこへです?」
「まあ、いけば分かる! おい井田起きろ」
睡眠時間三分。井田は起き上がる。
「あと十時間くらいは寝せろよハゲ…」
「ん? なんか言ったか?」
「いや、なんでもないっす!! (死ねゴラァ)」
「まあいいや。おい、この方も連れて行くから頑張れよ」
「……なんか際限なく仕事増えてくよなぁおい?」
「料金上乗せするから」
「やるっす」


340 :青春ロードムービー巨編:03/12/29 05:37 ID:+/kWLbiL
  井田は二人のオッサンを担ぐ。なんか右手から黒い煙が出ている。煙は久米田の体を包み込む。
「大事ですぞ大事ですぞ!!」
「んじゃ逝きまーす」
「逝け」
あっという間にトップスピードに乗る。鹿児島への旅が再び始まる。
そして、久米田の鬱度もさらに増してゆく。禿も拡大してゆく。
井田があまりに激しく走るため、毛根強度の落ちた頭髪がするすると抜けてゆくのだ。
「大事ですぞ大事ですぞ!!」
井田の右手から発せられた黒い煙は、何故か久米田の頭部を覆う。
「大火事ですぞ大火事ですぞ!!」
残り少ない頭髪が燃えてゆく。燃えてゆく。
抜けてゆく、燃えてゆく。

341 :作者の都合により名無しです:03/12/29 09:12 ID:HQAdU0Fn
久米田まで(゚∀゚)クル―――!!!

342 :作者の都合により名無しです:03/12/29 09:42 ID:ion4Fvld
「どうも貴様等こんにちはァ このリレー小説の主人公土塚です。
 カムイ先生達がドクターを探しに行きやがりましたが
 ボクは無礼ドお留守番ですねェ。
 >>332にボクのことが書かれてないのが残念です。」
土塚が書き手に対しぼやいてるその時
「なんだ貴様しかいないのか?」
後ろの方から大和田があらわれた。
「あれ、大和田先生今まで何処にいきやがったんで?」
「うむ英気を養うために温泉に入っていたのだ」
荒木たちによって壊されたのは女湯だけで、男湯は大丈夫だったのだ。
(ナニこの非常時に入ってやがるんですかねェ)
「もうそろそろ時間だ。港に行かなければ」
「それは無理ですね。艦長がいなくて他の皆さんも出払ってやがるっすよ。
 ボクには船を動かす権限はありませんからねェ、別に温泉行くならココでもいいでしょうが」
「何!?」ゴ ゴ ゴ ゴ
その時大和田の表情は鬼のように変化した。
「 私 が 戦 に 行 く の を

       阻 む と い う の か 」

「ひっ!!わ、わかりやした何とかしましょう」
大和田の圧倒的な威圧感に土塚は押されてしまいつい承諾してしまった。

343 :作者の都合により名無しです:03/12/29 09:43 ID:ion4Fvld
「・・・という訳で私は大和田さんと桜島港行ってきますのでお留守番を頼みます。
 あっ、あとみゆきちゃんと一至君もつれていきますので。
 それでは、黄金トリオの皆さん、カムイさん達が帰ってきたら連絡お願いしますね。」
<<リュシカ>>モードの土塚が亭々に言いながら扉を閉めていった。
「結局俺達は留守番かよ・・・。」
熱血黄金トリオは落胆していた。

「MP(マテリアルパズル)!!エンゼルフェザー!!!」
<<リュシカ>>モードのマテリアルパズル エンゼルフェザー・・・
羽を作って物を自由自在に飛ばすことができ、また
触れた人にも魔法の羽のドレスが纏われ自由に飛べるようになる飛行魔法だ。
「みゆきちゃん、一至君。ちゃんと私につかまってね。」
「うん」「わかったよ」
お子様2人ががっしりと土塚につかまっている。
「では大和田先生行きますよ。」
「うむ、羽で空を飛んでいくとはなかなかロマンティックではないか、では行くぞ」
 バサァ
「はやっ!!待ってくださいよ大和田先生〜〜〜」
二つの羽が無礼ドから桜島港に向かって飛び立っていった。

344 :りぞらば:03/12/29 14:09 ID:MMfI8Mv3
藤原芳秀がGUNG-HO-GUNSに匿われる事になった経緯を聞くため、
伊藤達3名は寺沢武一を捜し回っていた。しかし木城研究所に訪れていたらしいという情報の後は、
一向に行方が知れない。館内放送でキバヤシの叫びを聞いたが正直どうでもいい。
やがて彼女らは渋々一旦ガンホーの控え室へと戻った。木葉と広江もいるはずだ。
2人も何か知っているかも知れない、嫌々ながら伊藤は部屋へと足を進め、荻野と野々村が後に続く。
しかし部屋には――誰も、いない。
寺沢はともかく木葉と広江も。代わりに机の上に残された手書きのメモ用紙。
荻野がそれを拾いゆっくりと読み上げる。荻野のこめかみに冷汗が流れる。 
 「・・・ヒマなので木葉さんと一緒に温泉行きます。捜さないで下さい。
 ワタクシ温泉とミリタリー大好きやねん。あとゲーム。そんなxx歳。   広江礼威☆ 」
 「な・な・な・なんですってぇぇ〜〜〜〜〜!!?」

その時の伊藤真美の様子を、荻野は後日こう語ったという。 
 
 『女はやはり、怖いな・・・すっごく・・・』


 「ぶぇっくしょーーーーい!! ・・・あら?誰か噂しましたか?
  しかし私ともあろう者がはしたないクシャミなんかウフフ」
清楚なロングスカートのメイド服にうさんくさいヒゲ面がミスマッチな広江は、
レダルーバ内に急遽持ち込まれた備品や調度品を見回りながらヒラヒラとエプロンをたなびかせている。
他のチームの選手たちがけったいなものを見る目つきをしているが一向に気にしない。
木葉共々【乱射魔(アッパーシューター)】などと呼称される男だが、
意外とプライベートを大切にするところもある。
せっかくの暇潰し、暴れたいなら他の場所もあるわけで。今日はのんびり入浴気分だ。
愛しの内藤様も気になる渡辺様もいないのが残念だが・・・

バカンス先での一時の熱いロマンスなんてものもあるわけで。

 「♪Midnight with the stars and you... ああ〜刺激がほしいわぁ〜♪」
丸窓を覗きながら、見てくれに不似合いな程の美声で歌う広江。なんだかとっても、不安な旅路であった

345 :おおっと〜:03/12/29 14:32 ID:MMfI8Mv3
ガンホ組はレダルーバと空中合流しますた
書き忘れ

346 :いざ鹿児島:03/12/29 23:56 ID:ax4gixd1
もうすぐ温泉ツアーの集合時間。
天野こずえはバスガイドの制服に身を包み、
特注スペシャルジェットバスに乗り込み桜島港へ向かった。
バスは2階建てになっており、福地と高橋しんは荷物置き場にこっそり忍び込んでいる。
ただし高橋しんは未だ夢の世界から帰って来ず、ショルダーバッグに詰め込まれているが。
魂がどこか遠くに旅立ってしまったかのような。
そんな風に感じさせるほどに透き通った寝顔のしんを、福地はぼんやりした目で見つめる。
バスが赤信号で急ブレーキをかけた。
福地は頭部をしたたか天井にぶつけて前につんのめりゴロゴロ転がった挙句舌噛んでぶっ倒れた。
意識のない彼らを、青信号になって動き始めたバスが港へと運んでいった。
福地翼はどうにも運が・・・ない。

桜島港。
影船が停泊し、ぞろぞろと降りる乗員たち。医療カプセルに入った高橋陽一は、
そのまま真船が招聘した医療スタッフに引き渡され、先に夕方までの休憩場所である、
≪松椿・本館(鹿児島市)≫へと運ばれていった。遠ざかる救急車を複雑な表情で見守る本宮。
ふっと頭上に大きな影が覆い被さる。岡野率いるレダルーバ組の、到着だ。
さほど大きくない港に集まる漁師や地元民は空飛ぶ蟲に驚き散り散りに逃げてゆく。
・・・まあ、無理もない。
本宮は怯える彼らに敵意のなさを伝えるデモンストレーションとして、
青空に不似合いな白い蟲の船に向かって、痛めていない左腕を精一杯振り続けた。
やがて蟲船レダルーバは申し訳なさそうに湾の端の海に着水した。
影船から何台かボートが降ろされ蟲船の乗客を拾いに行った。

温泉慰労会の代表は、名義上裏御伽の大将である本宮になっている。
本宮は漫画界の重鎮でもあり貫禄があるため、彼の名を聞いて慰労会参加を決めた者もいる。
各チームの代表が何名か、ボートから港に降り立ったその足で本宮の許に向かい、
それぞれが握手や名刺交換、雑談等を始めた。まずは順調な滑り出し。
影船の船首からニコニコと笑いながら、風邪引きのにわのがその平和な光景を眺めている。

ささやかな彼の幸せが、様々な悪意に晒されている事も知らずに。

347 :最悪の邂逅:03/12/31 01:23 ID:CDhNH24C
「くっくっく‥‥コンニチハ‥‥(ニコッ)」
口元に冷笑を、眉間に稲妻のような険を浮かべて、男は言った。
一目でワカる狂気じみた空気に、えなりは鼻水垂らして青ざめ、梅澤は不機嫌そうに鼻を鳴らす。
「“梅澤”くんでしょう?“ジャンプ”の‥‥」
「(俺を知ってやがる‥!?)」
馴れ馴れしい‥それでいて敵意むきだしの佐木の態度に、梅澤は苛立ちを隠せない。
無意識のうちに、ポケットに忍び込ませた凶器(ドーグ)へと手がのびる。
「あ‥あの“梅澤”センセー 今 機嫌が悪くて‥(ヒィ〜〜“梅澤”センセーの殺気が背中越しに刺さってるゥ‥!?)」
一色触発の危機をなんとか回避しようと、えなりはひとり、空気を変えようと勤める。
そのとき、佐木の方から、いきなり話題を変えた。
「今やってる“大会”ってさ “スゲェ”の居るんだって?
 “漫画家”でもねーのに、“ダッシュ”の連中とか、“五聖人”とか居るチームで、
 ソイツらの“頭”に収まってるってゆー“男”(ヤツ)‥‥知らない?」

           !?

「えっ(も‥もしかそれってボクのこと?なんっつーか あ〜〜 まァ‥ ね‥!)」
甚だしい勘違いではあるものの、ちょっといい気分になる、えなり。
「“ソイツ”に伝えてよ‥‥」
「あ――だっからァ‥‥」
(勘違いとはいえ)珍しく、存外の評価を受け、えなりは浮かれまくりだ。
なんとか遠回しに、「それは俺のことだ!」と伝えたくなっても無理はなかろう。
「“魔 牙 神”の “佐 木 飛 朗 斗”が‥‥」
「だからそれは」

      「 “ 殺 ” す  っ  て  !? 」


――刻はとまった。




348 :最悪の邂逅:03/12/31 01:24 ID:CDhNH24C
得意げな口を開きかけ、それっきりえなりの心音は停止した。
「(マ‥“魔牙神”って‥‥!?どぉぴょっぴょぉ〜〜ん‥‥!?
 まっ  ま  さ  か  
 昔、“特攻の拓”の原作とかやって、当時のマガジンで隆盛を誇ったとゆー
  不  良  漫  画  の  大  御  所  !? ダトシタラ‥‥) 」 


   ―――――――――――――――
    少 年 A 喧 嘩 に
    巻 き 込 ま れ 重 体

    ○月×日未明
    鹿児島県
    沖に停泊していた矢吹艦で
   ―――――――――――――――


思わず、明日の三面記事が脳裏にまざまざと浮かんだえなりだった。
と――
「へ?」
ふいに、えなりの視線が、ある一点に釘付けになった。
いつの間にか、梅澤が、ヤンキー必携のアイテム――ナイフを手にしていた。
「うっ‥“梅澤”センセー、よ‥よりによってこんなトコでナイフなんてだして‥‥!?」
墓があったら入りたい気分のえなりだったが、必死に剣呑な空気を払おうと、孤軍奮闘が始まる。




349 :最悪の邂逅:03/12/31 01:25 ID:CDhNH24C
「あ あはあっ!?そのバイク SR?しっ‥‥“シブ”く“イジ”ってるネ〜〜
 あ あ っ  それ“ノートンレプリカ”の“アルミ”タンクに“カーボン”サイレンサ‥‥」

「 う る せ ェ ‥‥  “単車”なんざどーだっていーだろーが‥!?」

逆効果だったようだ。

「ひ い っ  そ‥‥そ――ですよねー単車“なんざ”(ここはとにかくなんというか穏便に‥‥)」
命をかけて佐木の顔色をうかがいながら、今度は梅澤の方に意識を向ける。
「(“梅澤”先生のお“ナイフ”を‥‥) ってええ‥!?」
瞬間、えなりが驚愕した。
「!?」
梅澤の手に握られていたナイフが、いつの間にか消失していたのだ。
えなりはおろか、握っていた梅澤当人ですら気づかない、石火の早業。
果たして、ナイフは、あり得ない位置に移動していた。

「さて あなたの落とした“ナイフ”は、
 この “ 金 ” の “ ナ イ フ ” ですか?
 それとも こちらの“ 銀 ” の “ ナ イ フ ” ?」

金色のナイフと、銀色のナイフを左右の手に持ち、緋色の瞳の悪魔が笑っていた。
その光景に、えなりは恐怖する。
「(梅澤先生のナイフを!?
そ‥それに“もう一本のナイフ”を いったい何時(いつ)‥‥!?)」

「て ・ ・ て め ぇ ・ ・ ・ ・ (ピキッ! ピキッ!)」

――梅澤がキレた。




350 :最悪の邂逅:03/12/31 01:26 ID:CDhNH24C
「 ひ い っ !? (も‥ダメ‥!! “ 始 ” ま る っ !?) 」
次の瞬間に訪れるであろう、血と暴力とロックの嵐に、えなりは死を覚悟した。
剥き出しの殺意をにじませる、佐木。
血管浮きまくりの、梅澤。
「(もう‥“殺”(ダメ)‥‥)」
ロックの2大巨頭の対決は、避けられない。
そう思われた、そのとき。

「なァ〜〜んて‥‥ ネ ッ 。 」

いきなり陽気な笑顔を浮かべ、佐木がナイフの刃を納めた。
2本のナイフを、そのまま梅澤へと手渡す。
「オレの“ナイフ”もあげるよ。 今日はいい日だから」
うってかわって、やけに友好的だ。その様子に、えなりはホッと息をつく。
「(よ‥よかった “ケンカ”になら‥‥」
しかし、安心するのは早かった。

               ・ ・ ・ ・
「オレは“た く さ ん”  持 っ て る から‥‥(にたぁ…)」

べロリと殺意の笑みを残し、次の瞬間、佐木は吹っ飛ぶような加速で単車を走らせた。
「 ア ハ ハ ハ ハ ハ ハ ・ ・ ・ ・ 」
狂笑を響かせ、凶悪(ヘヴィ)な音色(トーン)を奏でながら、佐木は走り去っていった。
「(で‥でもよかった‥‥とりあえず喧嘩は回避‥)」
そう安心しかけた、そのとき、梅澤の一言が、えなりを地獄のドン底へと叩き落とした。

「追いかけっぞ ヤロウ‥‥!! うるぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

「(か‥‥帰りたい‥!?)」
えなりは、哭いた。

351 :温泉れっつらごー:03/12/31 22:50 ID:Jw2/cq8P
 (あン?挨拶なんてな一発勝負だ、紙なんざいらねぇよ!俺に任せろ岡野!)
 (それなら最初から俺に書かせないでくださいよ・・・)
 (男が細けぇ事気にすんな!まあ一種の目安だ、目安)
 (ったくもう〜)

多くの漫画家でごった返す桜島港。
その中で大きな輪を作っているのが、慰労会代表の本宮ひろ志とその周囲。
やがて12時が近づき、近くの駐車場に天野の乗った二階建てバスが停車した。
輪の外に本宮とお付きの岡野が出てバスに近づく。海側からにわのもやって来た。
 「イエイ♪天野さんこんち〜今日明日はヨロピクねー。こちら代表の本宮せんせー」
 「あ、はいよろしくお願いしますっ!(ペコリ)」
 「おうおう美人のバスガイドさんじゃねえの。俺があと20年若けりゃなあ」
 「(またこの人は節操ないんだからもう・・・)」
頭を抱える岡野に構わず、さっさと打ち合わせを始める代表者たち。
温泉慰労会のタイムテーブルはざっとこんな感じらしい。↓
・昼〜夕方4時半まで鹿児島市内の温泉宿『松椿本館』で休憩(温泉・昼食・医療サービス・遊興施設無料)
・4時半から約2時間で大分県別府市『松椿別府別館』に移動(トライアスロンはこの間に開催)
・7時から夕食会 以降自由行動 ※途中合流もOK
・翌日朝9時 終了解散(バスで矢吹艦へ移動)
 「試合は翌日の昼すぎなので、後は自分たちでスケジュール組んでくださいな〜」と、にわの。
ただしまだ正式にカードの発表はされていない。
まあ紙一枚で野球に変更したり会場に廃墟持ち込まれたりと毎回アバウトの極みなのだが。

そして選手たちがバスの前に並ばされ、本宮が皆の前に立つ。胸を張り、大声で挨拶の弁を述べる。
 「よお!修羅場をくぐり抜けて生き残った漫画家どもよ、元気かー!?
 俺たちはぶっちゃけ殺し合いも辞さねェ敵同士だ。しかし敵のツラも素性も知らずに、
 タマぁ奪い合うなんざ俺の主義に反する。男は戦場で堂々名乗りをあげてこそ男!
 まあ小難しい事は言わねえ。昨日の敵は今日の友であり明日のライバルだ!!飲んで歌えや野郎ども!!」
 「「(なんだかよくわからんがわかったぜ本宮先生!!)」」
妙な説得力で会合の趣旨を理解した漫画家達は、銘々バスに乗り込むのであった。
岡野は頭痛を覚えた。

352 :あう:03/12/31 22:51 ID:Jw2/cq8P
また一行目忘れたー(´Д⊂

岡野クン (本宮先生!カンペ忘れてますよ!)

353 :えなりの奇妙な正月:04/01/01 00:45 ID:DWcrPeBG
えなり「というわけで、皆様。明けましておめでとう御座います。今年も『主役』の僕と他先生方
    応援お願いしますね。
矢吹「正月ゥ、正月ゥ〜今年こそはトーナメントを終わらせ、邪魔者を潰して見せるぞ。
荒木「やれやれだぜ。新年の挨拶まで俺のパクリとはな。
克「しかも、実際に外部スレで張られていたネタなんですよね・・・・
キユ「2003年はロックだ。そして、2004年もロックだ。そうですよね、冨樫先生。
冨樫「そだね。
岸本「(冨樫先生やる気ねぇってばよっ!)


以下、他の人任せた!(オイ)


354 :えなりの奇妙な正月(番外編):04/01/01 00:52 ID:DWcrPeBG
↑の話は『番外編』なので本編にはいっさい関係ありません。
気軽に続きを書いてください。では〜

355 :作者の都合により名無しです:04/01/01 00:59 ID:0CLMQNc8
あけおめガッデム
さあ今年もハジけるぞと

356 :『戦場』の正体:04/01/02 00:43 ID:m2BYlGVV
Dブロックのとある喫茶店。
その一角で、2人の男が向かい合って座っていた。
ひとりは、チャンピオン最強の男、『オーガ』板垣恵介。
ひとりは、サンデー特殊部隊スプリガン最強の男、『氣法師』たかしげ宙。
たかしげは、コーヒーを一口すすると、すぐにそれをコーヒー皿に戻した。
「不味いコーヒーですね。豆の品質も挽き方も最悪だ」
「コーヒーの話などどうでもいい。お前は俺を戦場に連れていくんじゃなかったのか!?」
優雅に茶を楽しむたかしげに、板垣は多少、苛立ったように言う。
それだけで周囲のウェートレスなどは卒倒しそうになっているが、たかしげは意に介さない。
「そう慌てないで下さい。それに、私は確かにそう言いましたが、『今すぐ』とは言っていませんよ」
「もったいぶらずに言ったらどうだ。その『戦場』とやらは、どこにある?」
「ありませんよ。この世のどこにも。『まだ今のところは』ね」
「!? どういう意味だ?」
さらりと言ったたかしげに、板垣は困惑した。たかしげは続ける。
「『戦場』はこれから生まれるんです。これから起こる『戦争』によって」
「――まさか、大会後のことを言っているんじゃあるめぇな」
からかわれたと思ったのか、板垣の裡から、殺気が生じる。
しかし、たかしげは真剣な表情のまま、次を言った。
それは、板垣にとっても、驚愕の内容であった。
「『それ』とは別の『戦争』ですよ。我々――すなわち、

『 小 学 館 』 と 『 秋 田 書 店 』 の 全 面 戦 争 で す 」



357 :『戦場』の正体:04/01/02 00:43 ID:m2BYlGVV
「なに!?」
板垣が、思わず目を見開いていた。
「どういうことだ」
板垣が、訊いた。そして、たかしげは事の詳細を語り始めた。

「昨日未明、東京の『小学館』本社ビルが、大規模な襲撃を受けました。
 『小学館』本社は、壊滅的な打撃を受け、社員数十名が死亡および重軽傷。
 襲撃から数時間後、『秋田書店』は、その襲撃が自分達であると表明。『小学館』に宣戦を布告したと」
「初耳だぜ」
「でしょうね。私も、つい数時間前に知ったばかりです。
 基本的に、雑誌社間の争いは、メディアには載らない。読者に悪印象ですからね。
 ですから、この情報はおそらく、私以外にまだ誰も知らないはずです。――襲撃事件の犯人以外はね」
板垣が、わずかに腰を浮かした。たかしげの顔をのぞきこむように見る。
「嘘は言っていないようだな」
「私の得た情報によれば、社のメインコンピュータがハッキングを受け、
 最高機密が、全て盗まれた上、メインプログラムは完全に破壊されたそうです。
 我が社の技術班が、粋を込めて創り上げた完璧なセキュリティが、です。
 特にチャンピオン作家で、そのような真似ができる者に心当たりは?」
板垣の言葉を無視して、たかしげは言った。
「モニター画面に映るのは、『404』という数字の羅列のみ、だったそうです」
すると、板垣は腕を組み、考えるような素振りをした後に、こう言った。
「なるほど、『アイツ』か。たしかに、奴ならば、そのような芸当も可能だろう」
「知っているのですね?」
たかしげの目が、興味深そうに光った。それを見た板垣は、悪戯っぽく笑う。
「知ってはいる――だが、それを教えてやるわけにはいかん」




358 :『戦場』の正体:04/01/02 00:44 ID:m2BYlGVV
「なぜ?」
「知れば、お前らは直ちに、『アイツ』を抹殺しようとするだろう。
 『アイツ』が殺される事自体は別にどうでもいいが……
 それではこちらの面子が立つまい。宣戦布告までしておいて、
 今さら『犯人を差し出しますから許して下さい』と言うわけにもな」
とりつく島もない板垣に、たかしげは表面上、ため息をつく。
「まだ未確認ですが、チャンピオン連載作家のひとりが、
 サンデー作家の1人を拉致したという情報も聴こえています。
 秋田書店の一部が、小学館と戦争をしたがっているのは間違いないようだ」
ちなみに、これは山本賢治が行った安西拉致事件のことなのだが、それは板垣には知る由もない。
「いざ戦争になれば、スプリガンは先頭に立って貴方がたの排除に全力を尽します。 当然、この私も――それが私の言った『戦場』の意味です」
すると、板垣はいきなり押し殺したような笑い声をもらしはじめた。
「サンデー作家ってやつぁ、とろけそうなほど甘い。
 戦争がしたいなら、黙ってしかければいい――こんなふうに!!」
「!!」
いきなり、板垣が持っていたコーヒーカップの中身を、たかしげにブチまけた。
目に入れば確実に失明するだろう温度の液体を、たかしげが大気がそよぐような動きでかわす。
そのときには、もう板垣の足が、吹っ飛んでいた。
蹴り足は、丈夫なテーブルを簡単に粉々にし、たかしげの顔面めがけて伸びる。 
「しいいッ!!」
「ひゅっ!」

ガッ!

鮮血が、宙に散った。




359 :『戦場』の正体:04/01/02 00:45 ID:m2BYlGVV
「いい反応だ」
立ち上がった板垣が、目の前のたかしげに向かって言った。
店内がテロリストの襲撃にでもあったかのように、ざわめく。
たかしげの額から、一本の赤い線が、つつ、と流れ落ちた。
「もう半歩踏み込まれてりゃ、心臓をえぐられてるところだ」
板垣の心臓のあたりの衣服が、えぐれたように破けていた。
板垣が蹴りを放った瞬間、たかしげの突きが触れたのだ。
「本気――のようですね。貴方は…」
唖然としたようにつぶやくたかしげに、板垣は意味ありげに笑う。
「それはそっちも同じ事だろう。俺のところに話を持ってくれば、
 こうなることは自明のはずだ。それを承知で、お前はこの話をした」
「考えすぎですよ」
即座に、たかしげが否定する。
「私は、サンデーの代表として、チャンピオン最強の貴方と話をしに来たのです」
「ま、そういうことにしといてやるよ」
板垣は笑みを崩さない。
たかしげが、ハンカチで額の血をぬぐう。その奥で、眼光が瞬いた。
「いずれにせよ、これで戦争は決定です。
 発行部数(そうへいりょく)では、小学館(こちら)が上だ。
 秋田書店(あなたたち)に勝ち目は、ない」
「組織(かいしゃ)同士の抗争なんざ興味もなかったが、お前が相手なら少しは楽しめそうだな」
たがいに、言葉が一方通行になっている。あえて、そうしているのだ。挑発である。
いずれにせよ、これで双方の対立は、決定的なものとなった。




360 :『戦場』の正体:04/01/02 00:45 ID:m2BYlGVV
「確か、スプリガンは貴方の所属する、えなりチームと昵懇のはず。
 となれば、最悪、えなりチームをも敵に回すことになりますが?」
「奴らとは、大会が終わるまでの間、一時的に共闘してるに過ぎん。
 それが終われば、また敵に戻るだけだ。一向に構わん」
顔を強張らせるたかしげに、なおも板垣は続ける。
「そう言えば、お前らは最近、ガンガンの同人連中ともつるんでるらしいな。
 ちょうどいい。そいつらもついでに、叩き潰してやるとしようか」
板垣が笑う。それはまさに、悪鬼の笑み。闘神の笑みだ。
たかしげが、未知の生物を前にしたように言う。
「まさに鬼……ですね。貴方は……」
くくっ、と笑うと、板垣はカウンターへと歩みを進めた。
恐怖に怯える店主の目の前に、札束を放り投げる。
「店を壊しちまった。そいつで新しい物に変えてくれや」
言い捨てると、去り際に、たかしげに向かって言う。
「期待してるぜ。せいぜい面白くしてくれよ、小学館」

鬼の残気がただよう店内で、たかしげは1人、立ち尽くしたまま肩を震わせていた。
そして、誰にも聴こえないような小声で呟く。
「これでいい、これで。皆川の性能は、生死をかけた戦いの中でこそ、
 真価を発揮し、そして進化する。全ては、高屋様のお望み通りの展開だ」
その顔を、たかしげを知っている者が見たら、我が目を疑ったろう。
彼の表情は、板垣と話していた時とは別人のごとく、喜悦に歪んでいた。
これから訪れる戦乱が、待ち遠しくて仕方ない、というふうに。
「そして、私も板垣と殺し合う理由ができた。とすると、後は柴田ヨクサル、か。
 『鷹の団』が、果たしてどう動くか。できれば、敵に回って欲しいが、さてさて」

大会の裏で、暗闘が繰り返され、陰謀は幾重にも張り巡らされる。
新たなる大戦争の火蓋が切られたことを、まだ誰も知らなかった。
この、二匹の鬼たち以外には。

361 :作者の都合により名無しです:04/01/02 00:53 ID:4zgSbDsW
キタ━━━━━━(つ∀`)━━━━━━!!!!!

362 :作者の都合により名無しです:04/01/02 02:12 ID:rtKcA9W5
戦争だ――――ヽ(´∀`≡´∀`)ノ!!!

363 :衛藤の思考:04/01/02 10:02 ID:9eXpltVZ
最初のきっかけは安西だったと思う。

勘違いしてもらっては困るのだが、俺は安西の奴が嫌いじゃない。
そりゃあ確かに『独り占めかよ』とか、少しも思わないって言ったら嘘だ。
けれど奴を取り巻く人達の、導き、許し、共に歩もうとする姿勢を傍で見るともなしに見ていれば
そんなちっぽけなわだかまりなんかいつの間にか消えてしまう。
サンデーの面子と違って直接奴に何かされたことが無い、ってのも一因なんだろうが。
とにもかくにも火急の時にそのモヤモヤが顔を出すことなんか無かったのだ。

そう多分これは、そんなこととは別の問題。

自分の中で何かが目覚めた、そう自覚せざるを得なくなったのは例の白い虫形艦にカムイ先生達と救援に行った時だ。
山田先生に頼まれたお使いの為駆け回っていて迷い
なんだか人気の無いところに来てしまったな、と辺りを見回すとどこからか遠い会話が聞こえてきて。
好奇心でそちらへ行ってみると三浦健太郎先生と樋口たかし先生が居た。(名前は後から知った)

「私……今まで『男』という生き物を憎んでた……(以下前スレ>351

……いい、話だった。
余韻を暫し噛み締めた後二人の寝息を背中で聞きながら
(……やっぱ漫画家に悪人はいないナァ)などと、明らかに現状と矛盾する生温い思考に浸かりながら歩き出して……。
やがて異常に気付く。
体が、寒くはないが妙にスースーするのだ、まるで裸でいるように。
慌てて見下ろせばマントのような裾の広がった服。
(????)
その中に隠れた手が触れる自身の体も、ぺたぺたした感触からするとやはり裸のようだ。
ふと見れば足元に伸びる影の形も見慣れたそれではない。それに気のせいか顔が引き攣って痛い。
じわじわと染みる違和感に半ば恐慌しながら飛び込んだトイレの鏡で俺が見たものは……

364 :衛藤の思考:04/01/02 10:03 ID:9eXpltVZ
奇妙な、生き物。
白い禿頭に、襟のないオレンジの布が体をすっぽりと三角形に覆い、
額の紅い人魂型オブジェと耳にあたる部位から伸びた角のようなものがなければ、まるで巨大なテルテル坊主。
ただでさえ低かった頭身が更に低い。
そして顔。
天空から降りしきる隕石でも見上げるような上目遣いに、ショックを受けたように縦長く大開きになった口は、
いくら表情を変えようとしても微動だにしなかった。
信じられなくて、本当にこれが自分なのかと確かめるように両頬をさする。
ムンクのような、現実。
「どっ、どういうことだっ!?」
動かぬ唇で器用に叫び、後じさった拍子に膝から力が抜ける。
仰向けに崩おれる寸前目端の鏡中に見えたのは
翻るマント下、裸身に鮮やかなフンドシだった。

「――――――――――――ッ!!!!」
……どこをどう走ったのか……
我に返ると俺は、あうあうと声にならぬ声でカムイ先生に掴みかかるように縋っていた。
「え、衛藤?どうしたんだ?」
あまりに尋常でない俺の様子に、脅えさえ滲ませるカムイ先生の目。
しかし開ききった俺の瞳孔がとらえた、先生の瞳に映った自分自身の姿は……
「ッ!?」
再び確認するように体を手探ると、それはいつも通りのものだった。
冷静さを取り戻したカムイ先生の怪訝そうな視線に、俺は力無く
「……すんません、なんでもないです。」と言うしかない。
けれど、とうてい夢や幻の類とは思えなかった。
リアリティというより……予感があったのだ。

365 :衛藤の思考:04/01/02 10:05 ID:9eXpltVZ
そして、ついさっき。
外からの干渉を、一切受け付けない筈の『不思議空間』で、俺は再び人知れず変化した。
薄々は勘付いている理由。
おそらく外では、安西と金田一が……
……もう、駄目なのだと思う。
時空すら越えて『それ』に反応するようになっている。
脳裏に、松沢夏樹が浮かんだ。
今までの自分の立ち位置、考えると切ないような情けないような奇妙な感慨。
「ホイミ……………………………………??」
気付けば、抱えた荒川先生に思考中もかけ続けていたホイミでMPが切れていた。
一息、空を見上げる。
「……温泉、かぁ」
出番は多くなるかもしれない。
(おい、金田一……金田一よう)
心中で一人ごちる。
(俺がそんなボケだかツッコミだかわからん風になっちまっても、相方でいてくれるかい?)

………………………………

『むろんだとも』
どこからともなく降ってきた声に俺は
「……だから人の心読むなって」
手近な樹の幹に、力無くぺしり、とツッコんだのだった。

366 :作者の都合により名無しです:04/01/02 11:42 ID:UbhY/c26
惜しい
>樋口たかし
ではなく樋口大輔(ホイッスル)

たかしは橋口たかし(じゃパン)ス〜

(´-`).。oO(ギップ・・・)

367 :外法集団“秋田書店”:04/01/02 22:26 ID:m2BYlGVV
――某家電屋。
激化する一方の戦場を、モニター越しに見つめる、狂眼の存在があった。
山本賢治は、マッサージ椅子に腰掛け、扇風機をかけた状態でリラックスしながら、戦況を見て舌打ちする。
「しぶといな、どいつもこいつも」
山本が、手に持ったカードの束から、数枚を放り捨てた。
カードは山本の手を離れると同時、空中で瞬く間に燃え上がり、灰と化した。
山本が持つカードモンスターは、ダメージを喰らうと、それが山本本人に還元される。
しかし、ある程度の枚数のカードにあらかじめ魂をチャージすれば、モンスターのダメージをデッキがなくなるまでカードが肩代わりしてくれるのだ。
『サーキットウォーカー』によって電気を操る事により、遠隔攻撃を試みたものの、結果は虎の子の戦闘ヘリまで落とされる始末。
「まっ、今回はこれぐらいでカンベンしておくか…」
仕事は終わったとばかりに立ち上がった山本の背後で、いきなり気配がした。
即座に振り返ると、そこには女物の着物を身に着けた、にへら笑いした優男が立っていた。
「ご苦労さま。首尾はどうです?」
優男が気さくに話しかけると、山本が舌打ちして言う。
「どうもこうも……大損だよ、瀬口」
優男は、秋田書店の闇――『暗黒死天王』の長、瀬口たかひろ、であった。
「おやおや。それで、おいくら?」
「カード50枚だ」
山本が『チャイ』を吹かしながら言った。
「では、これで」
「毎度、金払いのいい客は助かる」
瀬口が懐からカード50枚分を取り出して渡すと、山本はすぐにそれをしまった。
その様子を眺めたまま、瀬口は笑みを崩さずに言う。
「たった今、東京本社から連絡が入りました。こちらの首尾は上々、と」
「へえ…」
煙草の煙を吐き出しながら、山本が言った。
「続けろよ」




368 :外法集団“秋田書店”:04/01/02 22:27 ID:m2BYlGVV
「こちらの命令通り、『デジタリアン』と他数名は、無事に仕事を完遂したとのこと。
 秋田書店と小学館の全面戦争――どうやら現実のものになりそうですよ」
「いよいよ、か。待ちくたびれちまったぜ。平和ってのは退屈すぎてイカンよなあ」
山本が煙草を放り捨てると、火種は床にうずくまっている肉塊の上に落ちた。
この家電屋の、本来の主人である。
すでに、脳天に挽肉ミンチマシーンが抉りこまれており、物言わぬ骸と化している。
死体の顔の上に落ちた煙草の火を、山本が足でグリグリと踏みつけ、消した。
「本当なら、あの安西とかいう奴を見せしめにバラしてやるつもりだったんだが…
 いろいろと、思わぬ邪魔が入っちまった。
 『パーツ』になる死体も回収できねーし、ムカつかせてくれる連中だぜ」
「ま、軽い示威行為にはなったでしょう。こちらの存在はアピールできたはず」
カルシウムが足りない山本を、瀬口がいさめる。
「秋田書店の編集部は、ちゃんと宣戦布告したんだろーな? あの腰抜け連中」
「そりゃあもう。あの人達は私の言うこと良く聞いてくれますから。いい人達だ」
しれっという瀬口を、山本が鼻で笑う。
「良く言うぜ、この悪党が。お前と『取り引き』した連中が逆らえる訳ねーだろ」

瀬口の能力のひとつ――『商売繁盛』のお守り。
彼と『取り引き』をしたものは、それぞれが己が最も大切なものを奪われ、魂からの服従を強いられる。
瀬口と『取り引き』をするということは、悪魔と契約をかわすことと同じなのだ。



369 :外法集団“秋田書店”:04/01/02 22:29 ID:m2BYlGVV
「失礼な、あれは皆さんに大変御満足いただいた、有意義な取り引きでしたよ?」
「――まあいいや。それで、『オーガ』の旦那の方はどーよ?」
「見てきた限りだと、あの人もやる気みたいですよ。
 どーやら、犯人に薄々気づいてるのに、あえて無視してるみたいですし」
「へっ、あの旦那らしいな。少なくとも、俺達の敵になる心配はなくなったか」
新たな煙草に火を点けながら、山本が笑う。
「他の連中も、いざ戦争になりゃ、喜び勇んで参加するだろーさ。
 俺達、秋田の連中は基本的に喧嘩好きだからな……TWO突風とかモロだろ。
 道徳だの美徳だの下らねー。『鬼畜・劣情・勝利』が、俺達の三原則だろーが」

「俺も、他の死天王も、みんなお前の駒だ。せいぜい好きに使え。頼むぜ、もっと面白くしてくれよ」
「言われなくても、そのつもりですよ」
ほくそ笑む瀬口を尻目に、山本は一枚のカードを取り出しながら、訊く。
「で、次は俺は何をすればいいんだ?」
「そろそろ、私が解き放った浜岡が、ここで大惨事を起こす予定なんでね。
 早めに立ち去った方がいいですよ。
 そうですね。慰労会……とやらの会場に向かって下さい。
 そこで大々的に花火打ちあげようと思うんで」
「ああ、温泉ってやつか。悪くねえ仕事だな」
山本が『趣味』のひとつを刺激され、早くもうずうずしている。
「なんか早速、いい詩が浮かびそうだぜ。早いとこ、桃源郷を拝みてえ。
 特に、さっき安西と一緒にいた女とか、そそるな。あの女の断面の色が楽しみだ」
「では、お先に行ってて下さい。私は、まだ『仕込み』があるんで」

そこで会話を打ち切ろうとした、そのときだった。
「おやおや、とても少年誌連載した漫画家の台詞とは思えないね」
「誰だ!?」
2人が声の方向を見ると、そこには紫のブリーフ一丁に蝶のマスクだけを身に着けた、変態がいた。


370 :外法集団“秋田書店”:04/01/02 22:30 ID:m2BYlGVV
「君が、俺の獲物を横取りした奴か。捜したよ」
変態が、妙なポージングをとりながら、言った。
「和月信宏か。悪いが、お前の断面の色には興味がねえ」
つまらなさそうに呟くと、和月が殺気をこめた笑みを見せる。
「こっちはそうでもない。食事の邪魔をされたんだ。代わりに味あわせてもらうよ」
「む!?」
和月が、まさに蝶のように、両手を広げた。戦闘体勢だ。

「 イ タ ダ キ ま す 」

蝶が、飛んだ。


371 :出発直前:04/01/03 02:45 ID:wlLOptcA
外の異変も露知らず、まったりムードの温泉ツアーバス内は、
12時になるまで駐車場で待機中。2階建ての内部はすっかり修学旅行前の雰囲気。
武器や銃火器なんかは福地が死んでいる荷物置き場に放り込まれている。

バス内では仲間内でなんとなくグループ分けして席に座っている。
ゆでたまご1号が運転前から飲み始めたり徳弘がバスの上に登って海を眺めたり、
鳥山の幽霊(機械少女の身体は燃料切れでカプセルに戻された)が野中に憑依しかけたり、
チャンピオン軍団がババ抜きをする隣で森が山口貴由の携帯にメールを打ったり、
本宮と尾田がバスガイドの天野へ事あるごとに声をかけ運転手に嫌がられたり、
木葉がつまらなさそうに冷凍ミカンを口に含んでいたりした。

未だ意識の戻らない岡村と許斐は、高橋陽一共々事前に宿に運ばれている。
あとはガンガン=サンデー連中や一部のはぐれ組などの後続組を待つばかりだ。が。
 「うーん、カムイせんせーに電話してるんだけど繋がらないモン」
ちゃっかり連絡網を作っていた幹事・にわのが困り顔で携帯をいじっている。
矢吹艦大戦争の報は彼らのもとに届いていなかった。

 「あー、幹事さんというのは君ですか?トライアスロン立会人になりました、
 フリーライターのNと申します。金に糸目はつけませんので楽しい会にしましょう」
“ドッキリテクスチャー”で作った嘘名刺を片手に、N星人がにわのにあいさつをする。
 「あれ?どこかでお会いしませんでしたっけー?」
 「まあまあいいじゃないですか」2人は回想シーンで遭遇していたのだがN星人は黙っておいた。
 「お金って慰労会会費もかモン?一応ひとり頭3000円の超格安値段で企画してたんでふが」
 「あるところにはあるんですよお金は。ゴルフでもゲーセンでも貸切で遊びましょう」
成金N星人の素性が気になったにわのだが、他人の詮索はしない主義なのでほっといた。

三度のメシよりゴルフ好きの本宮が「いよっ!大統領!」などとN星人をはやし立てる。
隣の座席ではようやくきちんと休みの取れた岡野が、真倉共々安堵の深い眠りについていた。

空から羽を生やした土塚や大和田達が海を渡ってバスに近づいてくるのを、
屋根の上の徳弘が発見した。真昼の太陽が鹿児島の海を力強く見守って、いる。

372 :作者の都合により名無しです:04/01/04 00:13 ID:GOUYbJ/H
大騒ぎのバス内。
本宮と尾田を律儀に相手していた天野に、初老の運転手が声をかける。
運転手「いやはや、なんとも賑やかなお客さんですな、お嬢さん」
天野「あっ、すみません。騒がしくしてしまって……」
申し訳なさそうに謝る天野に、人の良さそうな運転手は笑顔で首を振る。
運転手「いえいえ、あんなに楽しそうな姿を見ていると、この老骨まで元気になってきますよ、ハハ」
その運転手の様子に、天野はホッと安心した。
出発までの合間、思いがけず話が弾んでいた。

天野「私たち、実は全員、漫画家なんですよ」
運転手「へえ、そりゃ驚いた。いや、孫が好きでね。私も時々、読んだりするんですよ」
天野「わ、そうなんですか?」

そんなこんなで、いつの間にか長話してしまっていた事に、天野が気づく。
天野「あ、ごめんなさい。なんだか、私ばっかり話してしまって…」
運転手「いやいや、こんな若い娘さんと話せて楽しかったですよ」
天野「ええ、私もです」
にっこりと微笑む天野。すると、後ろから本宮たちが話かけてくる。
天野「はいはい、今、行きまーす。…じゃ、また後で時間があったら、お話しましょう」
運転手「楽しみにしてますよ」
それを最後に、天野は本宮たちへの対応に追われ始めた。

その姿を目深に冠り直した帽子の奥から、運転手が眺める。
そこには、今までの好々爺然とした表情とは、まるで別物の光が覗いていた。
運転手(や〜れやれ、呑気なこって。で〜も、こんだけ漫画家が集まるな〜んてな。
    こいつは、よ〜こやまのダンナが警戒するわけだ。さ〜て、ど〜〜なることやら)

運転手は、誰にも見えぬように、唇の片端に策士の笑みを浮かべていた。

373 :作者の都合により名無しです:04/01/04 01:51 ID:ehMQYiJ9
キター!
久々の登場だあ!

374 :集合時間:04/01/04 01:53 ID:E76DtetB
 「ところでどうやって下に降りるのだ?あと勢いつきすぎてバスにぶつかるのだが」
冷静に判断しながら弾丸のようにバスへぶっ飛んで来る大和田秀樹。
風を切り裂き一直線、子供達を抱えた土塚がブレーキの指示を出すヒマもなく―――

   ド ゴ ォ ン !!   ぐ し ゃ あ ・・・

バス2階部分の屋根が豪快にへっこんだのであった。
 「鹿児島の鳥は獰猛なのだ、ジャングルの動物たちに負けないのだ」
目の前で事故現場を目撃した徳弘が妙に感心していた。
空の上では、土塚が冷たい目でじーっと大和田の開けた穴を見つめていた。本人は無傷だし。
ちなみに2階にいたキバヤシと木多が大和田爆弾の犠牲になった。哀れ。

 「うわっ!?い、今、上でなんか爆発しませんでしたか安永さん!」
 「あん?おおかた隕石でも墜落したんじゃろ。いつもの事いつもの事!」
井上和郎と安永が会話する中、井上の右手に寄生する岩明がこっそり身体を伸ばし、
窓から飛び出し上階の様子を確認する。なにやら惨事になっている事は確かだが。
 「・・・確かにいつもの事だな。カズロウも少しは心臓に毛が生えるといいが」
異常事態に慣れっこの漫画家達は、小爆発程度のイベントでは驚かなくなってきていた。
岩明は相棒の特訓を計画し、そっと元の右手に戻った。

 「うー、もうすぐ12時だけどちっとも連絡つかないモン。
 そだ、アレにプラカード持たせて港に立たせてくるモン・・・。
 別府の夕食会までには来てくれると嬉し・・・へくしょい!(ズズ)うー」
にわのはバス外に出て、何やらゴソゴソし始めた。
気がつくと、にわのとは別にもんがーが出現して正座している。
手には『漫画家慰労会途中参加者へのお知らせ』と地図が書かれた板が。
 「これでよし!でもこれいわゆるコピーロボ≪ハナクソ太郎(携帯版)≫だけど、
 風邪の鼻水インプットしたので正常に機能するか心配〜。つーか汚ねえネタでソーリー・・・」
誰に対する言い訳かは不明だが、とりあえず遅刻者へのフォローは済んだ。
無礼ドにいるはずのカムイと連絡がつかないのは心配の種だが。
 『長らくお待たせしましたー。当バスは12時より鹿児島市に向かって発進いたします』
天野の可愛い声でアナウンスが入る。にわのは慌てて車内に戻った。

375 :彼らは静かに駆ける 1/7:04/01/05 11:06 ID:seCKdAXP
 戦況は弛まず、激化の一途を辿る。
 その中において平野は、混乱する戦況の様相を、己の感覚のみで確実に、
寸分違わず正確に嗅ぎ分けていた。
 そして己の置かれた状況を暗く澱んだ思考でじっくりと噛み締めると、
その顔はにぃと、非道く歪んだ笑みを作りだした。
 名乗りを挙げ、眼前の化け物二人――いや、既に一人は何時の間にか
何処かへと飛翔していた――の様子を伺っていた渡辺は、平野のその唐突な
応対が気に入らなかったのか、戸惑いを覚えつつも叫んだ。
「な……何が可笑しい!」
 すると平野はふいを突かれたかのように驚きの表情を見せ、一瞬後には、
それを今度は狂ったような哄笑へと変えた。
「何が可笑しいかと?決まっているじゃあないか。この状況が、だよ。
己の建前や信念を高らかに掲げつつも、結局は戦いに明け暮れる。
この場にいるそんな彼等の全てがいとおしく、そして実に愉快でもある」
 何か言い返そうとする渡辺を、平野は指を一本立てて渡辺に突きつけ、
反論そのものを遮った。
「分かるかね人間?戦場に身を投じる事ができるという、この上無い悦びが!
そうだ、この空気を幾度でも味わいたくて、私は人間を棄てたのだ――」
 一旦そこで言葉を切る平野。その表情が、今度は皮肉めいた微笑に変わった。
「――いや失礼。君も立派な“こちら側”の者であったな。先程の、
力を思う存分振るって愉しそうに唸りを上げる君は、中々だったぞ」

376 :彼らは静かに駆ける 2/7:04/01/05 11:07 ID:seCKdAXP
「な――」
 渡辺の顔が、怒りと恥辱で真っ赤に染まった。
「人間である事を嬉々として棄てたような奴に……ボクの悲しみが……
ボクの背負ったものが分かるものか!」
 思わず声を荒げて渡辺が返す。その眼差しが強い光を放つのを、平野は認めた。
「貴様のようなヤツを許す事はできない……この“愛の勇者”渡辺道明が、
その狂気を貴様ごと、確固たる信念と旋律によって葬り去ってくれよう!」
 高らかに宣言する渡辺に対し、平野は地に両足を強くにじり、両腕を広げ、
あたかも何かを待ち構えるようにして見せた。
「宜しい。私はもう少しでこの場を去る。戦場にいる事自体は心地良いのだが、
“観客”の目がどうにもこちらを向きそうにないようなのでな。そこで、だ。
私が去るまでのしばしの時間を、君の為に充ててやろう。私は何もしない。
ただここでこうして突っ立っているだけだ。その“信念”とやらを
思う存分叩きつけて見せるが良い。私を滅ぼし尽くして見せてくれ“人間”」
 あまりにも突飛な提案に、渡辺は一瞬、たじろいだ。が、歯を強く食いしばると、
不安を払拭するかのように声を張り上げた。
「く……!無抵抗の相手を一方的にいたぶるというのは気に入らないが……
いいだろう!その尊大な態度を、地獄で悔いるといい!」
 美しいピアノの旋律が、爆音と悲鳴で騒々しい戦場の一画に、清々しく鳴り響く。
と、同時に、渡辺の背後でその姿を形作っていた巨大な火の鳥が、主の演奏に
賞賛を贈るが如く、高く、嘶いた。
「ゆくぞ!火の鳥よ!」
「キュアアアアァッッ!!」
「来い」

377 :彼らは静かに駆ける 3/7:04/01/05 11:08 ID:seCKdAXP
 まさに刹那の出来事であっただろう。圧倒的な質量を誇る巨大な炎の化身は、
命ずられるままに、躊躇いも無く平野の身体を突き破り、覆い尽くした。
 巨大な火柱が、暗く、闇色を携えた男の身を容赦無く隅々まで嘗め尽くす。
「HA!WAAAAHHH!HA、HA、HAAAHHHHH!!」
 男は哄笑し続けた。し続けながらも、その身は服から皮膚から、髪の毛一本、
やがてはその体内に至るまで全ての器官を、身体を構成する全ての要素を
焼き尽くされていた。
 それでもなお、哄笑は止まずにいたが、流石に燃え盛る炎の勢いには
勝つ事もかなわず、その声も次第にごうごうと燃える火の渦にかき消えた。
「亡霊め……貴様には、まさしく地獄の業火が相応しい」
 渡辺が演奏を止める。火の鳥が空中で軽く旋廻し、主の元へと舞い戻った。
 火柱が収まった後には、醜く焼け爛れて原形を留めない、平野の姿があった。
 慈しみとも侮蔑とも読み取れるような表情で、渡辺がそれを見やる。と、
その表情は、瞬時に驚きの表情へと切り替わざるを得なくなった。
 煤けたその身体が、蠢き始めているのである。
「これは……!」
 渡辺の眼前で、その蠢く物体が正体を現した。
 それは、無数の蝙蝠の群れであった。
 夥しい蟲のざわつきであった。
 黒く光り輝く、幾つものあぎとでもあった。
 見る者に嫌悪感を抱かせずにはいられない醜悪なアートが、一斉にはじけて
黒い陣風を巻き起こした。
「くうっ!!」
 咄嗟に、顔を両腕で庇い、なんとか相手の姿を見定めようとする渡辺。
しかし、思ったほど風は吹き荒れず、ほんの一瞬でその勢いを収束させた。
 そしてその収束の中心にあるものを渡辺は見た。

378 :彼らは静かに駆ける 4/7:04/01/05 11:09 ID:seCKdAXP
「シィィぃぃぃィ…………」
 細く呼気を漏らす人影だった。それも、ただの人影ではない。
 散り散りになった先程の畜生どもが、我先にと勤しんで人型を構築しようと
集まったうえで、その影は成り立っているのだ。
 やがてそのざわめきも落ち着く。
 人影の、紅い両の眼が見開かれた。
 平野であった。
「な……あ……!」
 声にならない呻きを渡辺が発する。
 それを見て平野は意地悪く笑うと、何事も無かったかのように話してみせた。
「悪くない――悪くなかったぞ」
 低く呟く。
「だが――“足りない”。死者をさらに痛めつけ、蹂躙し、その滓の一粒まで
踏みにじるような気概でなければ、私は倒せんよ」
 それだけ言い終えると、平野は吐き気を催すような壮絶な笑みを浮かべた。
「どうした。終わりか?」
 その印象が余りにも強すぎたのか――渡辺の中で、何かが、音を立てて切れた。
「う……」
 渡辺が顔全体を一瞬、気が触れたかのように引き攣らせる。
「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
 途端、ピアノの大音声が空間に響きわたった。渡辺が狂ったかのごとく
鍵盤に指先を叩き付ける。喚き叫ぶかのようなメロディーが紡がれ、精霊が
それに呼応し、唸りを上げて周囲を駆けずり回った。
 その動きには精度が全く無い――それはまさに、悲鳴そのものであった。

379 :彼らは静かに駆ける 5/7:04/01/05 11:09 ID:seCKdAXP
 数分は経ったのだろうか。再び、演奏が止まった。渡辺が、その場にがくりと
膝をつく。その顔は冷や汗にまみれ、悲惨なほどに息切れを起こしている。
 それでも――平野は変わらず佇んでいた。
「時間切れだ」
 ヒュパッ、と手で空を切る真似をする平野。
「なかなか、良い演奏会だった。だが、願わくば次は歌を聞かせて欲しいね。
君の発する咆哮と、その力によって引き裂かれる哀れな犠牲者が紡ぐ悲鳴との、
荘厳華麗な混声合唱を」
 未だ伏したままの渡辺にそう投げかけると、平野はまた全身をざわめかせた。
やがて人の輪郭が消え失せ、一塊の濃く暗い霧へと姿が変化する。
 そうして自らの影の中へとその姿を溶け込ませる寸前、平野は一言、告げた。
「さらばだ」
 後には行き場の無い思いに支配された、渡辺だけが残った。

――――――――――――――――――――――――――

 矢吹艦内、平野達の潜伏場所。
 主要戦力が数名、出払っているせいか、少しばかり閑散としている。
その中で、壁面にずらりと据え付けられたモニターや、数々の機材がひしめく
広い作戦司令室において、幾人かの川三番地達が甲斐甲斐しく働いていた。
 突如、その室内にわだかまりが生まれる。くつろいでいた川三番地のうちの
数名がそれに気付き、直立してそのわだかまりから這い出る人物を出迎えた。
 やがてその姿がはっきりしてくると、川三番地の一人が彼に声をかけた。
「お帰りなさいませ、大隊指揮官殿。物見のほどはいかがでしたか?」
「良かったよ。実に」
 応える声の主は平野。その姿を露にすると、つかつかと室内中央に設けられた
円卓に歩み寄り、その中の席の一つに、どっかりと腰を下ろした。

380 :彼らは静かに駆ける 6/7:04/01/05 11:10 ID:seCKdAXP
「とても良かった。まだあのような途方も無い化け物や馬鹿たちが
この世にいるかと思うと、なんともゾクゾクするね。来るべき大戦争が、
ますます楽しみになったよ」
「それは、何よりで」
 いかにも嬉しそうに喋る平野に、話し掛けた川三番地が恭しく返した。
「これは、我々もうかうかしていられないぞ。一刻も早く、宴の準備を
進めるべきだ」
 そこで、平野が指をパチンと鳴らす。
「――“教授”に繋ぎたまえ」
「了解しました。大隊指揮官殿」
 平野の命令に従い、川三番地がコンソールパネルを操作し、回線を繋ぐ。
独特のコール音が鳴り響き、やがてがちゃりという音がして、向こうの声が聞こえた。
『――はい、こちら六道研究所――』
「六道神士教授かね」
『おや、これはこれは、“元矢吹部隊ケルベロス指揮官”殿』
「いや、違う。改名したのだよ」
『ほう?……と言いますと』
「もうすぐ“戦争”が起きるのは君も知ってるだろう。そこで、いざ宣戦布告と
言う時に、あの矢吹の名を冠した部隊名なぞ名乗っておっては格好つかないからな。
今現在、我らは“最後の大隊”を名乗っている。この漫画界で巻き起こるであろう、
最初にして最後の大戦争を見届けて滅び行く、愚かな漫画家諸君の集まりという訳だ」
『ふむ、それは実に――貴方らしいですね』
「お褒めに与り光栄だよ、教授。――さて、こうやって連絡するのは他でもない」
『ええ、こちらとしてもおおよその見当はついております』
「なら、話は早い――頼めるかね?」
『――勿論ですとも』
 一通りの会話は、六道の不敵な嬌声にも似た声によって、一旦、締められた。

381 :彼らは静かに駆ける 7/7:04/01/05 11:12 ID:6htlO1Yc
「……各種兵装については以上だ」
『ご期待に添えるよう尽力いたしましょう』
 平野の数々のオーダーに、六道は臆する事無く応えてみせた。
それに気を良くしたためか、平野がさらに愉しそうに、続ける。
「よろしい。それでは、船はどうかね。ツェッペリン級空中戦艦計5隻」
『お任せください。現在建造中の分も含め――決勝終了までには全て
ものにして見せますとも。よろしければ私なりに武装も追加しましょう』
「――相変わらず流石だね、教授。迅速この上ない!」
『――感謝の極みです』
「これで全てだ。これで全てが揃う。楽しい楽しい遠足の準備が整うぞ。
明日か明後日かの今頃には、我らこの矢吹艦を抜け出し、いとおしき戦徒諸君に
宣戦布告をするのだ。待ち遠しい。本当に待ち遠しいよ」
 思わず平野の声が上ずった。そして自らの想いをどうしてもこらえ切れず、笑う。
「――いや失礼。さて、教授、報酬のほうだが……確かA+級の幼じ」
『おっと、あえて訂正させて頂きましょう。A+級の、可愛い“お嬢さん”の画像です』
「ふむ、良いだろう。確かに承った。高解像度で揃えて見せよう」
『恐悦至極に存じます。それでは、後はお任せください』
「うむ、期待している」
 回線が閉じられた。平野は、ふぅ、と一息つくと、川三番地が差し出してきた
輸血用パックを手に取り、一袋一気に飲み干す。
 そして椅子に深く腰掛けなおすと、微笑一つを浮かべ、眼を閉じた。
 まるで、翌日に控えた何らかのお楽しみに胸躍らせる、無邪気な子供のように。

382 :去り、消え…:04/01/05 19:49 ID:rgDWnDw7
魔の蝶は戦場を移動し、死者の王は去った。
しかし、戦場はいまだ、収束する素振りすら見せない。
ここにもまた――
対峙する者たちがいた。
岡田「貴公の味方は全て去った――貴公は退かないのか?」
田島「仲間など持った覚えがないから、誰のことを言っているのか分からん。
   が――引き際は自分で決める。そして、今は“その時”ではない」
岡田「勇猛というべきか、無謀というべきか――とにかく立ちふさがるなら……」
言いながら、岡田がいきなり動いた。
岡田「クルダ流交殺法剣技―――」
田島「!!」
  
岡田「   暴    竜    殺 (ボルテクス) !! 」

田島「   霊      妙      剣   !!  」

岡田の刃が無数の真空波を発生させ、田島に殺到する。
田島の“神剣クサナギ”が眩い光を放ち、凄まじい衝撃波を発動させる。

     
         ゴ     ッ     ワ   !!


とてつもない速力と霊力のぶつかりあい。両者とも、互いの技量に震撼した。
田島「これは――相当な凄腕だな。おもしろい」
歯応えのある相手と出会い、戦鬼の徒は、冷たい瞳を歓喜で揺らす。
その瞳が映す、もうもうたる砂煙が、突然に裂けた。




383 :現れ、去る…:04/01/05 19:50 ID:rgDWnDw7
??「 掌   弾  ―――…  変     形 」

      『  刀         威  』

砂塵を突き破り、唐突に出現した必殺の一撃が、田島に肉薄した。
合わされた両掌が、槍のごとく、戦鬼に突き立つ。
田島「ヌウッ、新手か!?」
“ギミック”の左手が千切れ、宙を舞った。
さしもの田島も、予想外のダメージに、後ずさった。
田島「伏兵か。味な真似を」
石渡「“黒の技法”は暗殺技……我らは見えぬ所にいる………」
田島「で、なぜ追撃をかけない。2人がかりなら、確実に倒せるものを」
石渡「今は君らとの戦争ではないのでね……わたしはここで背中を見せてもかまわんのだよ」
眼鏡の奥の感情は、冷静にして巌のごとく、揺らぎもしない。
その様に、田島は愉快げに、頬肉を吊り上げた。
田島「なる程。これでは今の装備では“殺しきれん”」

そのとき、辺り一面をいきなり、大量の“紙”が舞い躍り始めた。
岡田「なッ」
??「お迎えにあがりました、田島様」
田島「“ザ・ペーパー”か。出迎え、ご苦労」
どうやら、この“紙を操る能力”は、田島とは別の能力者のもののようだ。
田島「また会おう。ゴッドハンド」
嵐のような紙吹雪は、瞬く間に岡田と石渡の視界を覆い尽した。

田島「 次  は  皆  殺  し  だ 」

そして、次の瞬間には、田島の姿はどこにも見当たらなかった。

384 :作者の都合により名無しです:04/01/05 19:51 ID:+/wxlVmB
「 イ タ ダ キ ま す 」

蝶が、飛ぶ。
豹を思わせるしなやかな動きで、隼の急降下を思わせる疾さで飛ぶ。
ポロ、ポロ ドシャア!
「!?」
山本賢治の手前。和月の体が何か剥落したのを覚え、
次の瞬間訳もわからないうちに体が地を這っていた。
「忍法風閂…ってか」
ニヤリ、会心の笑み。
目の前に自分の右腕が落ちている。
傍らには、左脚。
目の前のその先には、縦横無尽に張り巡らされた鋼線!
「あと一歩踏み込んでたら、首と胴体が泣き別れだったな。ンフフ…」
鋼線の付いた指輪をもてあそびながら、山本賢治は鼻にかかった笑い声をあげる。
「ジャンプじゃあ、生首を連想させる表現は、かなり黒に近いグレーなんだがな…」
皮肉交じりに和月が応える。
ボトリ。和月の左腕が胴体から切り離された。
「それがどうした」
山本の声に苛立ちが混ざる。
「お前は人間やめてもその程度か?好き勝手描けなくて何が漫画だ。」
「ふふ、蝶正論。さすがは少年?チャンピオン」
「…しかし、美しくない断面だ。『ああ嫌だ 変態捨て置き 温泉へ』字余り、と」
一句残すと、山本賢治は異形の機械に抱かれ、床へと浸透してゆき、消えた。
「…血生臭そうな男だ。蝶最悪」
器用に両腕を口でくっつけ、左足をつなげると、和月はあたりを見やった。
「とりあえず、間食はここの死体でいいか」
あたりには、肉を屠るグッチャグッチャという音だけが響いていた。


385 :別府の話:04/01/05 19:51 ID:l2bEn3JT
「・・・と言うわけでお前にはトラックの修理代を働いて返してもらうぞ」
「はいっス・・・・・・」
牧野が説明すると何故かボコボコになって顔がはれてる岩村が低い声でうなずいた。
「ところで岩村。いがらし先生について何かくわしく知ってるか?」
「しらないっスよ、いがらし先生が何かあるっス?」
「いや、知らなければそれでいいんだ。」
「?」
牧野の顔は一瞬不安そうになったのを岩村が見ていた。

「ちわー、『魚安』でーす。魚持ってきましたっ!!」
しかし中には人影が無かったのを牧野は不審に思った。
「どっこらしょ!!っと、おかしいなぁ?誰もいない・・・」
魚の入った発泡スチロール箱を下において牧野はつぶやいた。
「もしかしたら休みじゃないっスか?」
「いやそんなはずは無い。今日は団体客が来るって聞いたんだけどな・・・。」
「いや〜梅沢さんったらこんな上等な酒もってこうて」
ふと厨房の方から声が聞こえだした。
「誰だろ?行ってみるぞ」
「はいっス」
2人はこそこそと忍び足で厨房へ進んで行った。
「え〜と何々『眠れる森の美女』・・・。きっとものすごうまい酒にちがいない。
ちょっとのんじゃ・・・・」
「そこにいるのは誰だ!!」

386 :別府の話:04/01/05 19:52 ID:l2bEn3JT
そこにはちんちくりんな男がいた。
「ひっ!ご・・・ごめんなさい!ごめんなさい!悪気は無かったんです。
 ただ美味しそうな酒立ったもんでちょっと味見をって
 まだ蓋を開けてませんので許してください!」
男はとにかく一生懸命そこに来た人物に謝りまくった
「いきなりナニあやまってるんだおめぇ」
「へっ?梅澤さんじゃない・・・、と言うより誰やあんたら・・・。」
「それはこっちの台詞だ。あんたココの従業員?だったら他の従業員はどこにいるかしらねぇか?」
「あっはあ・・・梅澤さんならさっきでかけて・・・木村,貞元の野郎はほんとの従gy、じゃなくてゴミを捨てに」
梅澤,木村,貞元・・・はてそんな名前の従業員ここにいたか?
牧野は疑問に思いながらもみずしなの話を聞いていた。
「それでわいも含めて4人・・・」
「ちょっとまで!!」
話の途中で牧野が突然ツッコミをいれた。
「おまえ今従業員が4人いったよな・・・なんでそんなに少ないんだよ・・・」
牧野の顔がなにやらただ事ではないとみずしなは感じ取った。
(ま、まずいわてらが従業員でない事がばれてもうたかもしれない・・・)
牧野はまだ話を続ける。
「そんなに・・・そんなに少ないんじゃ

 ど う や っ て 団 体 客 に 対 応 す る ん だ〜〜〜。

 」
「・・・はい!?」

387 :別府の話:04/01/05 19:54 ID:l2bEn3JT
「客室の準備はどうする。温泉も掃除しなけりゃいけねーぞ、ルームサービスが大量にきたらどうする、宴会の料理はどうすんだよ。おい!」
「そ、そいえばなにも考えてなかった・・・」
本当に何も考えていなかった。
ただ、旅館を占領して宴会どさくさにまぎれてにわのと勝負するってのが梅澤の考えだった。
無論それには他の客の事は考えてはいなかったし、宴会の料理が誰が作るとも決めていなかった。
「どないしたら・・・」
もしあまりにもサービスがひどすぎたり、料理があまりにもダメダメだったら作戦は失敗するかもしれない。
「事の重大さにやっと気が付いたか!ココであったのも何かの縁だ。
 俺らも手伝わせてもらうぜ、で団体客はいつ頃来るんだ?」
「六時半ごろだと・・・」
「時間はあるが・・・十分とは言えないな」
牧野後ろに掛けてあった時計を見ながらうなずいた。
「牧野さんさっき俺らって言ってましたっスね。もしかして俺も・・・」
牧野の横から岩村が現れた。
「ああ、もちろんだとも、がんばろうな岩村。」
ポンッと岩村の肩を叩く
「やっぱりっスか・・・別に関わらなくてもいいじゃないっス。」
「良くない!もしこの旅館が客からの評判がガタ落ちになって潰れたらどうするんだ。
 俺の取引先が無くなっちまうぜ!」
「はあ・・・」
「そんじゃおまえら部屋の掃除から行け!」
「合点!」「はいっス・・・・・・」
いつの間にか主導権を握っている牧野が伝令をし、2人は厨房を去っていった。

388 :別府の話:04/01/05 19:55 ID:l2bEn3JT
「・・・とはいったものの、やっぱ俺達だけじゃキツイな」
そういうと彼はフロントにある電話を掛け始めた。
トルルルルル・・・カチャ
「ああ椿あすさんですか、毎度どうも『魚安』です。実は今別府の別館の方に居るのですが

 どうも従業員が何故か少ないみたいで

 それでそちらから何人が送ってもらいたいんですよ。

 ええ今すぐ・・・俺も手伝いますから、それじゃよろしくお願いします。」
ガチャン

鹿児島の本館の方に連絡した牧野は厨房の方に戻っていった。
「俺は魚でもさばくとするか・・・」

果たして団体客が来るまでちゃんと準備できるかどうか・・・。
牧野はちょっと不安だった・・・。

389 :王欣太の武:04/01/05 20:33 ID:rgDWnDw7
岡田「あれが“ヴェアヴォルフ”――平野を頂点にいただく“戦鬼の徒”か」
石渡「あの調子では、お前が倒したもう1人とやらも、おそらく……」
岡田「生きている……か。化物共め……倍倍ゲームでその勢力を広げている…」
石渡「奴らが大会終了まで大人しくしているなど……あるはずがなかったな。
   いずれにせよ、奴らには大変な貸しだ。しかし、今は連中と争っている場合ではない」
岡田「ええ、他の十傑集を総動員しなければ止められぬ怪物……王欣太を捕獲する為」
石渡「ゆくぞ……事態は一刻を争う。たとえ、五聖人・原哲夫といえど……」
押し上げた眼鏡の奥で、眼光がはねる。
石渡「人馬一体と化した、あの男には勝てぬ」

****

一方、その頃。
豪勇ふたりの天地を揺るがす激突は、今も続いていた。
しかし、割れた天は永遠のものではなく――
やがて、勝負の趨勢は傾き始める。
“強者”へと。より強き者へと。


ブルル…と原の愛馬・松風がいななく。それは気圧された己を奮い立たせる為か。
按上の原は、激しく呼吸を荒げていた。
その全身は幾重にも、裂傷が刻まれ、絢爛な彩りを誇った“傾いた”衣装は、ボロ切れのようにズタズタだ。
原「ふーー、はーー、ぜーー」
その眼光は衰えを見せないが、どちらが優勢なのかは言うまでもなかった。
原「これは打つ手がないな……世の中は広い。よもや、ここまでのいくさ人と出会おうとは」
言葉とは裏腹、原はいくさ人の微笑をつくる。
目の前で荒れ狂う、人馬一体の鬼神は、いまだその力の底さえ垣間見せてはいなかった。

390 :作者の都合により名無しです:04/01/05 23:46 ID:plIrf2vM
安西 「許さねぇぞ、十傑衆!てめぇら全員地獄行きだ!」
猛る安西は、槍をまっすぐ山口の方に向けて叫ぶ。
他の戦いが次々収束へ向かう中、この地には今だ戦火が燻っていた。
山口 「ほう、貴様がこの私をどうにかできると、本気で思っているのかね」
余裕の笑みを浮かべながら、山口が安西に剣を向ける。
安西 「てめぇ、なめん・・・・」
カムイ「出来んだろうな」
山口に向かって駆け出そうとする安西を遮り、藤原カムイが山口に言葉を返した。
安西 「カムイ、てめえ!」
不満の声を上げる安西は、カムイに食って掛かる。
カムイは、その安西に向かって冷静にそして冷酷に言い放った。
カムイ「今のボロボロのおまえに何が出来る。槍の力で傷は治っても、体力までは回復してないだろう」
安西 「くっ・・・・」
カムイ「今は、金田一を守ってここから脱出するんだ。あの二人は俺が相手をする」
先頭に立ち、後ろの二人を守るように剣を構えるガンガンの切り込み隊長の声には、静かだが裂帛の気合が込められていた。
しかし安西は、下がるどころかカムイの横に立ち、槍を構えてニヤリと笑った。
安西 「冗談じゃねえ、カムイさんよ。俺は他人を守って逃げるなんて器用な真似はできねえぞ」
カムイ「死ぬぞ」
安西 「あんたこそ死ぬぞ。あの二人にあんた一人じゃ、分が悪い」
安西の言葉にカムイは沈黙で答える。事実、カムイは死ぬ気で戦うつもりだった。
チラリと金田一の方を見ると、彼女もやはり逃げる様子などない。恐らく、最後までこの戦いを見守るのだろう。

391 :作者の都合により名無しです:04/01/05 23:48 ID:plIrf2vM
山口 「話は纏まった様だな」
せがわ「この傷の痛み、貴様にもくれてやろう」
山口は剣を構えてカムイと、せがわは日本刀を構えて安西と、それそれ対峙した。
カムイ「後悔するなよ、安西」
安西 「残念ながら、後悔は腐るほどしてきた。いまさらそんな事、怖かねえよ」
カムイは剣を、安西は槍を構えてそれぞれの相手を迎え撃つ。
四人の男、四つの刃、八つの目が睨み合い対峙する。
僅かな切っ掛けが戦いの引き金になる、一触即発の時。
その時は、突然上空から爆風を伴って現われた、巨大な怪鳥の影によって破られた。
同時に動く四人。
安西の槍が、カムイの剣が、せがわの日本刀が、山口の剣が、互いを切り刻まんと襲い掛かる。
しかし四つの刃は、怪鳥から降り立った四つの影によって遮られた。
驚愕する四人、対峙する四つの影。
山口 「貴様!なぜここに!」
前川 「下がれ、山口!」
山口の剣を、前川たけしの棍が抑える。
カムイ「俺の剣を、何者だ!」
吉冨 「ただの冒険者だ・・・」
カムイの剣を、吉富昭二が手から取り出した大剣で受け止める。
せがわ「邪魔するな、池上!」
池上 「邪魔なのは貴様だ、せがわ!」
せがわの日本刀を、額に狗と描かれた池上遼一の日本刀が遮りる。
安西 「てめえ!」
山原 「良い面になったな、安西」
安西の槍を、山原義人の双天激が押し止めた。


392 :作者の都合により名無しです:04/01/06 00:14 ID:pygV34pS
池上、雁の巣から帰ってきたんだな
ところで、白藤vs黒藤ってどうなったんだっけ?

393 :作者の都合により名無しです:04/01/06 00:17 ID:N7UbL84+
あれは中途が飛んでバーの話に続く回想編形式でしたね
七月さんが助けに来てからバーに居つくまでが空白ですねん

394 :作者の都合により名無しです:04/01/06 12:14 ID:JOIxOaUO
age

395 :クラッシャー飛来するの巻:04/01/06 15:08 ID:UEEiQg1Q
もうすぐ昼の12時。
バス2階の屋根を応急処置で直しつつ、いよいよバスのエンジンがかかる。
 『本日は当交通社をご利用いただきありがとうございます。
 今日明日と皆様のご案内をさせていただきます水先案内人(ウンディーネ)・天野こずえです。
 どうぞよろしくお願いします〜』鈴のようなコロコロした声で天野が口上に入る。
普段女っ気に縁のない連中がヒューヒューと天野を歓迎する。
そんな中で天野以外の唯一の女性作家である樋口は、可愛げのないむっつり顔で席に座っていた。
こんなところを三浦に見られたら苦笑いされるかも知れない。
バス内は出発を前にしていよいよお祭り騒ぎの様相を呈してきた。
そこへ。

 キーーーーーーーーーーン・・・・  ど っ ご ぉ ぉ ぉ ぉ ん !! 

再びバスを揺るがす衝撃が天井部から伝わる。今度はどこの鉄砲玉だ?
天野が慌てて2階に駆け上がるとそこは・・・ 「はひっ!?でっかいハゲ頭のおじさん!!」
 「 わ し が ジ ャ ン プ 五 聖 人 宮 下 あ き ら で あ る ! ! 」
人間ロケットと化した宮下が集合場所に自ら突っ込んできたのだ。
遅れて“熱血バージョン”あだち充が渡辺保裕と浅野りんを抱えて空を飛んできた。そして・・・

 キーーー(以下略)   ど(略)

 「わははは!バスガイドのおねーちゃんすまないねー!どもっあだちッス!ヨロシクッス!」
 「いってぇぞォあだちー!殺されてえのかー!?」
 「ブツブツ・・・(えなりとはぐれて、先にこっち来てるかもと思って・・・痛いしぃ・・・)」
 「 わ し が(ry)」

 『・・・という訳でまことに申し訳ありません。
 屋根部分を緊急修理いたしますので、出発が予定より10分ほど遅れます。
 出発すればジェットエンジンで最高速マッハ3(変形後)行けますので少々お待ちください・・・』
天野がげんなりした顔で車内にアナウンスを入れる。
マッハ3が出るバスもかなり嫌だが、それより気になるのは2階席を選択した乗客たちの安否。
もちろんはた迷惑な後続組は全員2階に座ってもらった。出発は、まだちょっぴり先。

396 :作者の都合により名無しです:04/01/06 15:39 ID:F5my+C1J
まだ出発しねーのかよ!
全員が慰労会書くわけじゃねーんだしやるならやるでさっさと始めて欲しいんだけどナアアアアアア

397 :作者の都合により名無しです:04/01/06 15:40 ID:UEEiQg1Q
あせんなよぅ〜

398 :げっ:04/01/06 15:46 ID:UEEiQg1Q
いつの間にか450KB超えてるし・・・

399 :混迷の艦:04/01/06 17:21 ID:UEEiQg1Q
人と人ならぬ者の血肉で彩られた矢吹艦Bブロック“天空公園”。
屋根のない人口公園は、平野の≪芝刈り≫から始まって、
和月の≪食事≫に渡辺道明の≪墜落≫、周辺の建物やハイウェイが破壊され焼き尽くされ・・・
三匹の≪魔物≫が身を喰い合い、そこに王欣太が≪合戦≫を挑み、
横山が僅か≪30分≫の時に転機と勝機をかけ、
荒川は横山十傑集の人間たちと≪奇縁≫を持つ合間に原哲夫が王欣太に≪天下≫を問い、
そして荒川が絶体絶命の危機を迎えた時に安西とカムイ達が駆けつけその身を救い、
合間にチャンピオン死天王が横槍と≪爆弾≫浜岡を投入して戦局を混乱させ、
彼らが裏で≪デジタリアン≫を動かし新たな先端を開く中・・・
衛藤が≪ラブコメ≫を黙止できない体質になっていた。

やがて戦局は収束に向かい始め、
平野は引き時を感じて炎と霧の中に消え、配下の田島もまた去っていった。
死天王も次なる戦場に向かい、一対の人馬対決は王に軍配が上がる気配。
安西と十傑集との対決は横山五虎将の横槍が入った。そして・・・
 「トイレはどこだチョー!」もはや灰塵しか残らぬ公園跡地をうろつく浜岡賢次。
かつて公衆トイレがあったろう地点は何十分も前に破壊し尽くされていた。
 「うーっ、こんなゴミ邪魔だし投げ捨てちゃえ」浜岡が安西たちのいる方角を向いた瞬間。

 「 ジ ケ ル ド ! 」 突如浜岡の身体が磁力を帯び、爆弾がくっついて離れなくなる。

 「アーンド・・・ ラ ウ ザ ル ク !! 」 声と共に全身が金色に光る雷句がダッシュ!

慌てふためく浜岡の腕を掴み、一時パワーアップ状態の雷句が砲丸投げの要領で浜岡を天空に放り投げた!
 「おおおおおおおおおおおお!! 飛 ん で け ぇ ぇ ーーーーー !!!」
  キラリ☆  浜岡はひとすじの星となって、いずこかへと消えていった。

 「やったな雷句!・・・しかし買い物中のビルから騒ぎを見て駆けつけたはいいけど、
 一体なにがあったんだろうな?ともかくあっちに人がいるようだし行こうか?雷句に椎名」
 「え〜?隊長はホントおせっかい焼きなんだからもー」
 「ウム!スプリガンのお仕事は人命救助なのだ!」
爆発事件の聞き込み後、荒川のお使いで雑多な日用雑貨を買いに出ていた皆川一行であった。

400 :鉄の玉は走り出す:04/01/06 20:35 ID:PNIEQvUK
休憩時間をすごしている車田達、
ふと荒木のポケットからパチンコ玉が落ちた。
どこから入ってきたかわからない玉は、ゆっくりと地面に落ちた。
それは最初止まっていたが、船のエンジン音につられるがように、揺れ始め、ゆっくりと転がり始めた。
まさにさだめを背負ったがごとく転がった玉は、荒木の元を離れ始めた。

カンカンコロリカンコロリ
船のあちらこちらを移動しつつ、鉄の玉はゆっくりと加速を始めていった。
鉄の玉は走る。主たる荒木の意志を乗せたごとく。

赤き石、レッドエイジア。永遠不変たる白金(プラチナ)のごとき力、スタープラチナ。
もっとも優しくダイアモンドのごとく輝く、クレイジーダイアモンド。黄金(ゴールド)の精神たる、ゴールドエクスペリエンス。
定めを知らせる石(ストーン)の道標、ローリングストーン。自由になる為の石(ストーン)、ストーンフリー。

鉄(スティール)のボールは今走り出そうとする。
荒木の新たなる力は、今作られようとしていた。

401 :鉄の玉は走り出す:04/01/06 20:42 ID:PNIEQvUK
しまった、最後の一行を追加し忘れた。
『その名はスティール・ボール・ラン。』

まあ、スティールは”盗む”かもしれませんけど、こっちの方が並べられて格好いいかなと思ったから
”鉄”と言う事にしました。

ジャンプをまだ読んでない人ごめんなさい。どーしてもネタにしたくて書いてしまいました。

402 :そして温泉へ・・・:04/01/06 20:49 ID:UEEiQg1Q
飛んでゆく、飛んでゆく。
爆弾抱えて浜岡が飛ぶ。
成層圏近くまで。
そこには意外なお客さま。
クリードアイランドを見守っていた柳田のスーパーメカ9号。
パラボラアンテナを壊され自走機能で矢吹艦に戻ってきていた。
激突。
爆発。
真昼の花火。
落ちる9号どこへ行く。
真下の艦(ふね)へ落ちてゆく。


ぽーん。
昼のニュースです。

 『大変お待たせいたしました!修理も早めに済みましたので予定通り、
 当バスはこれより出発いたします。皆さま安全のためにシートベルトをお締め下さい』
天野の指示で乗客たちが準備をする。バス内のテレビが12時ちょうどを告げる。
 ≪速報です。先ほど九州沖に停泊する戦艦矢吹号に人工衛星が墜落し・・・≫
 『なお夕方までのご休憩所となります宿までは、ジェットエンジンで約40秒後に到着となります』
 ≪Bブロック区間の一部に甚大な被害が・・・≫
 『初速が思いっきり出まのでお客さま舌をお噛みにならないようご注意ください』
 ≪艦の浮上エンジンに亀裂が入り最低半日は航行不能と・・・≫
 『3・・・2・・・1・・・ GO!』

  どっごーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーぉぉぉん・・・・・・・   ぉぉぉ・・・


 『到着いたしました!≪松椿本館≫でございます。お荷物のお忘れがないよう・・・』
こうして、お騒がせ軍団50名程が頭をクラクラさせながら、無事慰労会会場に辿り着いたのであった。
ニュースの事は脳内からふっとんでいた。福地と高橋しんは荷物室で凍っていた。

403 :温泉慰労会・スタート:04/01/06 21:34 ID:UEEiQg1Q
 「お〜もしろいバス持ってんじゃないの〜。もうちょっと遊べばよ〜かったかな〜ん?」
運転手に化けた例の人が悦に入る中、続々と荷物が降ろされ漫画家達が宿に入る。
『慰労会の傾向が判明するまで様子見』とのお達し、運転手は休憩のふりして宿に向かう。

 「はい、らっしゃい。当宿の主・まっつーと申しますー。こちらウチの嫁」
 「(あなた!もっとしゃんとして)いらっしゃいませ!松椿へようこそ。
 女将の椿あすと申します。早速ですが昼食の用意ができておりますので・・・」
大きな玄関口では従業員一同がずらりと並んで客たちを出迎えた。
本宮一派が代表として挨拶し、他の連中は昼食会場の大広間に案内された。
一部の食材と従業員が、いろいろあって別府に輸送済みなのを、
お客たちは知る由もない。平和な雰囲気の中でも裏方は大変なのだ。
やがて本宮たちも会場に向かい、玄関に残されたまっつーと椿。
二人の顔は妙に真剣だった。

 「あなた。これだけ大口の客がここを懇意にしてくれるようになったら、
 福岡に帰れる日も近くなるでしょう。気張ってサービスしてくださいよ?」
 「やれやれ・・・わかってるさぁ。≪あいつら≫に愛する福岡を牛耳られ、
 夜逃げ同然で逃げ出したあの日の悔しさは忘れねえよ・・・でもね〜」
 「でも?デモも何もありはしませんよ!さあしっかり働いて!」
 「へいへい。・・・でもあいつらは強いよ?資金は貯まっても、料理人が・・・」
 「八方手を尽くしても見つけます。野に下った人たちも必ず見つけ出すわ。
 なんとしても彼らに料理勝負で勝たなくちゃいけないの!勝たなくちゃ・・・」

椿は唇をかみしめ屈辱に耐える。彼らにいったい何があったのか・・・?

昼食はお膳で軽い季節料理。ビールもついて幸せ心地。
とはいえ一部の人間はジェットエンジンで少々酔い気味。オレンジジュースも用意される。
乾杯の挨拶は本宮。それぞれがビールやジュースを注いだグラスを持ち上げる。

 「隠し事と無駄なケンカは、なしだ!それがこの会の唯一のルールだ!わかったな、じゃあ乾杯!!」
隣同士知らない同士、仲良くグラスを合わせて慰労会が始まった。
                                        ←TO BE CONTINUED

404 :作者の都合により名無しです:04/01/06 22:11 ID:pygV34pS
屍肉を闇の蝶がついばむ。
グチャグチャと浅ましい音をたてて。
その姿は、もはや人間ではない。
生への、そして飽くなき暴力への執着にとり憑かれた、闇の化生。
「やれやれ、こんなとこに居たのか」
人外の獣の背後に音もなく出現した、魔性がひとり。
スーツを隙なく着込み、長髪を三つ編みに結い、右目を眼帯で覆っている。
その肩には、一本の日本刀が担がれている。
「キミはたしか・・・」
「八房龍之助・・・十二使徒のひとりだよ。同僚の名前くらい覚えたらどうかな?」
「フン・・」
真面目な顔をして、和月が八房の顔をのぞきこんだ。
ドブ川が腐ったような色の瞳が、八房の飄々とした姿を映す。
「トボけるのはよくないな。キミはかなり前から、ずっと俺を監視してたろ?」
和月の台詞に、八房がわざとらしく肩をすくめる。
「気づいていたのかい? てっきり、お遊びに夢中で気づかないのかとばかり」
「キサマ・・・」
和月の瞳に殺気にも似た揺らめきが生じる。
しかし、それを見た八房は飄然とした態度を崩すことなく、逆に言った。
「怒るかい? けど、オタクの勝手な行動に迷惑を被ってるのはこっちの方なんだ。
 私はあまり争いを好まない方なんだが・・・」

 ずっ・・・

次の一刹那、和月の周囲に、十本の日本刀が突き立った。
「!?」
「怒り、という感情が全くないわけでも・・・ない」

405 :作者の都合により名無しです:04/01/06 22:36 ID:pygV34pS
和月は驚愕を禁じ得なかった。
まさに刹那の瞬間に、自分の周囲を囲むように突き刺さった、十本の日本刀。
こんなものを今までどこにしまっていた?
いや、いつどうやって、これだけの得物を出した?
「(隠器術・・・か。ん・・? 待てよ・・・)」

“黒ずくめ”
“隻眼”
“妖怪漫画家”

「スクリーミング・クロウ!?」
眉を吊り上げながら和月がその単語を吐き出すと、八房が微笑を浮かべた。
今までの飄然とした笑みではなく、どこか底の知れない妖しさを感じさせる笑み。
それはまさしく、“魔”のみが浮かべる、嫣然たる表情だった。
八房の背から、闇の帳がわきだした。
夜のように和月に影を差す帳の正体は、巨大な鴉の翼であった。
「分かったよ。そんなに怒るな。ちょっとは自粛させてもらうよ」
ため息をついて呟くと、和月が喉元に突きつけられていた刃を、そっとどかせる。
刃は抵抗なく、和月の手に渡った。
「おや。別に、怒ってなどいませんよ? ちょっと意見しただけです」
にっこりと邪気のない笑みを八房が浮かべたときには、すでに日本刀も、背の翼も、夢のように消えていた。
「(ほんの一瞬だったが、凄まじい妖気だった。喰えない男だな・・・)」
そう思いながら、和月は取り戻した刀・・・『無限刃』を鞘に納める。
「それで? 俺はこれからナニをすればいいのかな? 他の十本捜し?」
だが、八房はそれを否定した。
「いえ、温泉でも行きましょう」
「?」
和月がいぶかしんだ。が、それはすぐに破顔へと変わる。
「素敵な服を用意してくれないか」
「承りました」
魔性がふたり、笑っていた。


406 :鬼の行軍:04/01/07 02:03 ID:kOg74naN
戦艦セフィリアの元乗員たちは、鹿児島上陸と共に影船内から降ろされ、
漫画家達との集まりとは別のバスに乗せられ早々に矢吹艦に運ばれた。
彼らはしかし、人工衛星が墜落して大惨事になっている矢吹艦のニュースを、
道中のサービスエリアで見て「しばらく帰れそうにないな」とボヤいたという。

それとは全く関係なく。
Dブロックのとある喫茶店。
ひとり先に店を出た板垣は、裏路地の壁に立てかけておいた『どこでもふすま』を、
爪先で蹴り上げハイキャッチし小脇に抱え、ゆっくりと街を歩いていた。
胸元が破れた衣服に、あらゆるものが“太い”と表現される全身。そしてふすま。
傍目かなり怪しい人間なのだが、街角の群集は板垣から発せられる得体の知れない気配――殺気に、
好奇心以上に恐怖心を煽られとてもじゃないが正視できない。
微妙に周囲の人間から距離を離されつつ、板垣は『ふすま』の所有者と思しき原哲夫を捜した。
正確には原哲夫の戦場を捜した。

ふと。

ふすまが少し開いている。
何とはなしに覗くとそこには、木枠の向こうにあるはずの風景が、華やかなビル街が映らない。
ただの間抜けな、足で回す大道芸に使う小道具の類ではなかったらしい。
ふすまの向こうに見える別の光景は何か。何処か。
板垣にはわからなかった。
だが。
面白い。

 「くくく・・・・ さあて、往くか。どうせ、俺の足は戦場にしか向かねぇよ」

板垣は躊躇することなく『ふすま』を開け、中に消えた。
群集が“おおお・・・”と低い声を出してその異様な光景を見やる。
やがて白いふすまは輪郭を失い、蜃気楼のように立ち消えた。

407 :作者の都合により名無しです:04/01/07 07:27 ID:w98/1BpQ
>>400
なにげにローリングストーンが紛れ込んでるのにワラタ

408 :崩壊、Bブロック:04/01/07 13:42 ID:7UFJG3sn
王 「お、お、お前は、よ、よく闘った。し、しかし、もう、お、お前にか、勝ち目はない」
出血のため、馬上でフラフラと揺れる原は、爽やかな笑みを見せた。
原 「ふふ、分かってないのお……。“いくさ”とは、負け戦こそ面白いのよ!」
このまま勝負は決着するか。
原哲夫という稀代の豪傑は、それをも超える鬼神の前に敗れ去るのか。
そのとき、天が“否”と叫んだ。
轟音とともに。

****

マクロの空を切り裂き、矢吹艦を撃った雷。
それは、戦いをやめぬ愚かな人類に、『目醒めよ』と放たれた警告か。

     ズ  ゴ  ゴ  ゴ  ゴ  ゴ  ゴ

矢吹艦のドームを突き破り、Bブロックに墜落した人口衛星。
あまりにも巨大な威容は、まるで空が堕ちてきたようだった。
空が堕ちてくる、その真下に、一対の“いくさ人”たちの戦場が、あった。

原 「おおりゃあああああああああああ!!」
王 「おおおおおおおおおおおおおおお!!」

      
      衝       突!!
      爆       発!!
      激       震!!


すべてが、消し飛んだ。

409 :崩壊、Bブロック:04/01/07 13:53 ID:7UFJG3sn
ビルは瓦礫と化し、ハイウェイは折れて地表に突き刺さり、すべては灰燼と帰した。
そして。
その煉獄のごとく燃え盛る遠景のなかに、ぽつん、と人影がひとつ。

原哲夫か!?
王欣太か!?

 否 !

それは褐色の狂気。
“最凶”の名を冠する者。
成層圏を超え、天に突き刺さり、その天と共に地上に舞い降りた滅亡。
汝が名は・・・

 「げ、 限  界  だ  ち  ょ  ―――――――――――――!!!!」

かつて、世界を震撼させた、忌わしき悲劇。
最大の汚点。
惨劇の扉が、開く。
夜が降りたような濁流が、激発した。
茶褐色の悪夢が、津波と化して、Bブロックの全てを覆い尽す。

キユドライブさえ、遥かに凌駕する、人類史上最大の天変地異。


 浜  岡  オ  ー  バ  ー  フ  ロ  ー   発   動 !!!!!

410 :椎名:04/01/07 13:56 ID:buWCWEiH
リックの馬鹿のせいでー(´Д⊂ ウギャアア

411 :作者の都合により名無しです:04/01/07 15:10 ID:13Pysbuz
期待あげ

412 :皆川:04/01/07 18:24 ID:qbKtI6EP
そろそろ新スレですね(正直逃げたい…)

413 :蜘蛛の子供たち:04/01/08 02:22 ID:KPztJEgv
カムイ「影・・・落ちてくる・・・でかい何かが?この上に?」
吉冨 「まっすぐこちらに来るな」
前川 「・・・はは」

雷句 「ヌアアア!そんなにポンポン殴らなくてもいいのだ!椎名殿怖いのだ!」
椎名 「じゃかましいわー!投げるならもっと安全な角度でだなー!」
皆川 「おーい!そちらにいる方々、人工衛星が降って来ますよ!今すぐ避難・・・あ、安西!?」
安西 「・・・衛星・・・」
金田一「とっととこっち来ないかぁ、ボケどもがー」
安西 「に・・・逃げろ逃げろてめえら全員逃げろぉぉーーーー!!死にたくなければとっとと消えろぉぉ!!」
山口 「総員散開!各自安全地帯に避難せよ!」
山原 「応!」
せがわ「・・・決着は必ずッ!」
石渡 「まずいっ・・・岡田!」
岡田 「こちらへ!」
有賀 「あー!さっき平野と一緒に帰ってりゃよかったー!死なねえだろうけど死にたくねえー!」
尼子 「一銭にもならない・・・ブツブツ」

原  「おおりゃあああああああああああ!!」
王  「おおおおおおおおおおおおおおお!!」

浜岡 「 げ、 限  界  だ  ち  ょ  ―――――――――――――!!!!」



荒木 「・・・揺れたなあ。カップの紅茶が揺れている」
島本 「なんだ地震か?海上のくせして!」
車田 「おい島本、そこのテレビをつけろ。チャンネルひねってニュースにするんだ」
島本 「ひねるってあんた・・・お、もう昼か。正直腹が減ったぞ俺は!」
車田 「うるせぇ! なんだ?人工衛星が墜落、爆発炎上?出所不明の汚物が一帯に充満?メタンガス発生?」
荒木 「紅茶がまずくなる。番組を替えてくれないかい」

414 :作者の都合により名無しです:04/01/08 04:01 ID:0ibDsvwm
山川純一・・・・・・、ヤマジュン。
ヤマジュン・・・。
初めてこの名前を耳にした俺は、
ジャニーズJr.の新人タレントのニックネームだと思った・・・。
ウホッ!いいジュニア・・・!
・・・なんて浮かれてた俺は変態だよ・・・。
ジュニアはジュニアでも、アッチの方のジュニアなんてね・・・!くっ・・・。




415 :やっと顔見せ:04/01/08 04:43 ID:zXUZIW0K
「おんせん、ですか?」
待っていたのは、次なる任務だった。
「任せたよ。」
ニヤニヤと、山田秋太郎にとって久しぶりだが懐かしくはない嘲笑い顔。
「まあ……構いませんけど。」
狂ってはいても、自分はこの人達のように『たたかいずき』ではないのだ。
なんだか仲間はずれ、な昨今の状況は。しかしそう悪くない。
今度の命令が『誰それを謀殺して来い』だのという内容で無ければ、だが。
「……で、なにして来るんですか?」
「ただの休暇だよ。疲れたろう?楽しんできたまえ。」
二点で支えるように傾けられた椅子がギシリと音を立てる
ゆらり
一瞬重力から解放された体が戻り、四足に戻ったその上で平野が膝上に手を組んだ。
「……はぁ」
いくらなんでも妙、だ。
長きに渡る『埋蔵図書館』探索の任は解かれたものの、報告したそれは「わかりませんでしたぁ」という
……要は失敗である。通常、罰されることこそあれ、労わられることはあるまい。
(……ま、いいか)
どうせこの男の思考回路など読みようがないのだ。それはもう、随分昔に諦めたこと。
(……でも、調査費の名目で本買ってそれ読んでただけ、なんてことがバレちゃったら流石に怒るかなぁ……?)
『本のことは本に聞くのが一番』
一応、そう間違ってはいない基本方針を、めいっぱい自分に甘く優しく解釈した結果
探索期間中、山田秋太郎はひたすらにありとあらゆる本を愛でていたのだ。
推理小説やライトノベルを『調査』している時は
『いくらなんでも違うだろ!』とは心のどこかが叫んでいたような気もしたが。
そんな声にザ・ペーパーは負けなかった。
そしてふと我に返れば、途中任務付きの帰還命令が来ていた、というワケだ。

416 :やっと顔見せ:04/01/08 04:44 ID:zXUZIW0K
「ああ、放送によると我々に参加資格はないようだからね。そこらへんはまあ……なんとかしたまえ。」
ゆるゆると思考しながら扉に向いたところで、思い出したように言われ振り向く。
既に田島に向いていた平野が、顔だけをこちらに見せている。
「……わかりました。」
小首を傾げ、それでもそう言い。からころとカート付きのトランクを引いて再び踏み出し
「……しかし曹長、」
聞こえてもう一度振り向くと、平野はこう尋ねる。
「どちらに入るつもりかね?」
「?」
「男湯か女湯か」
それに、困ったように微笑み返した山田秋太郎は、答えぬまま今度こそ部屋を出た。

………………………………

「……よろしいので?」
間の後に田島がそう尋ねると、平野は軽く眉を上げる。
「なにが、かな」
「アレには大隊に対する忠誠心なぞ欠片もありません。おそらく、まともに『真書』を探してもいないでしょう。」
机の前に立つ田島を、見上げる格好の平野、俯く。
「……いえ、それより『本当は見つけている』のかもしれません。その方が厄介です。」
平野の表情は見えない。
「そも奴は、戦いを拒絶せぬまでも、好んでおりません。我が大隊唯一の律にそぐわぬ、かと。」
反応の無さに、僅かなたじろぎを自覚しながらも続ける田島

417 :やっと顔見せ:04/01/08 04:45 ID:zXUZIW0K
「元々倉田と本以外には興味も関心も無い者ですからな。……やはり黒船から離したのは失敗だったのでは?」
そこまで言ったところで、唐突に平野が バ、と顔を上げた。
「そこがなあ……いや、違うか。そこではないが、失敗だった。中尉の言う通りだよ、うむ。反省だな。」
言葉と裏腹に笑いを堪えるような顔、視線は何も無い傍らに横目を向いている。
くくく、と喉を鳴らした後に、平野は質問を飛ばした。
「ときに……彼が吸血鬼になった理由を聞いたことはあるかね?」
「……いえ。」
「『世界中の本を読む、その為の時間が欲しかった』そうだよ。」
「…………」
田島の反応を伺った平野は、とうとう堪えきれなくなったのか哄笑を破裂させる。
「ハッ!ハ――ッハッハッハッ―――――――ィヒィァ――――ッハァ――――――ッハッハッハッハ――――――――ッ!!
 …………そう!おそらくは私もそんな顔をしていたのだろうなぁ!?クク……全く………………狂っているよ!!!」
嬉しそうに賛辞を捧げ、またひとしきり哄笑うと、続ける。
「……闇の住人になる前ならば、あるいはもう少し真面目に探したかもしれん。『永遠の時』の為に」
そしてそれを手に入れた今
『真書』が奇書・稀覯本である限り無くなることは無いだろう山田のモチベーションはしかし確実に低くなっているのだ、とも。
……この男に有利不利という概念は存在しない、そんなことは知っている。
だが度が過ぎればただ一つの目的にすら支障が出るのではないか?
そんな不満と疑問を折半して浮かべる田島に
ふ、と波紋一つ無い水面のように面差しを変えた平野は、やれやれ、というように諭した。
「……そうだな、同志とは呼べんかもしれん。だが……我等が『戦争』の為に、使い様はあるものだよ。」
そうして手袋を打ち合わせた、話の終わりを、一方的に告げるように。
「ま、それはそれとして、だ……」

………………………………






418 :次スレ用テンプレ:04/01/08 10:42 ID:oQ0xZ/Hu
これはえなり2世の数奇な運命を追った奇妙な冒険である

前スレからの続き、行くぜ!!
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1070374232/



419 :次スレ用テンプレ:04/01/08 10:42 ID:oQ0xZ/Hu
過去ログとか
第1部http://ebi.2ch.net/ymag/kako/1005/10056/1005603546.html
第2部http://ebi.2ch.net/ymag/kako/1006/10062/1006290865.html
第3部http://comic.2ch.net/ymag/kako/1008/10088/1008862285.html
第4部http://comic2.2ch.net/ymag/kako/1022/10224/1022478173.html
第5部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1043128803/l50
第6部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1050213697/l50
第7部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1054732518/l50
第8部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1056214706/l50
第9部Ahttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1056986536/l50
第9部Bhttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1057574190/l50
第10部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1059402962/l50
第11部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1061047834/l50
第12部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1062766295/l50
第13部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1065342319/l50
第14部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1067586160/l50
第15部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1067586160/150

(非)公式ログページ
http://isweb43.infoseek.co.jp/novel/enari2nd/(〜8部)
http://mypage.naver.co.jp/komaking/enari-house2.htm(9部〜)

少年ジャンプいた@したらば(関連スレ・現在4つ)
http://jbbs.shitaraba.com/comic/31/
ネタ相談所・えなりの奇妙な冒険を語るスレ(※ネタバレ注意)
http://jbbs.shitaraba.com/comic/bbs/read.cgi?BBS=31&KEY=1059562987
↓キャラクターを忘れたり展開が掴めなくなったらこちら
冨樫の遺産の登場人物について整理するスレ
http://jbbs.shitaraba.com/comic/bbs/read.cgi?BBS=31&KEY=1058562255
えなり人物テンプレ専用サイト
http://members2.tsukaeru.net/redman/index.html


420 :次スレ用テンプレ:04/01/08 10:44 ID:oQ0xZ/Hu
ルール!
それはここに書き込む際の最低限のルールである!
・過去ログを見てストーリーの流れくらいは把握しておくこと!
・リアル故人は出さないこと! なぜなら不謹慎だし色々あるからだ!
・漫画のキャラをあんまり出すな! ここのメインはあくまで漫画家だ!
・相談するのは自由だが、ルールを守り自分の書きたい物を書こうな!
・先人の意思をなるべく尊重しよう!壊すにも壊すルールがあるのさ!
・誤字脱字の訂正は必要最小限にとどめよう!投稿前に内容確認!
・一行感想などはなるべく本スレに!その方が書き手にやる気がでる!


421 :次スレ用 王大人:04/01/08 10:45 ID:oQ0xZ/Hu
それでは始めぃ!!


俺のホストじゃ立てられんかったので、誰かおながいします

422 :作者の都合により名無しです:04/01/08 12:33 ID:n6CZKyao
失敗したけど、貼っておきます。すまねえ…。
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1073532393/

423 :作者の都合により名無しです:04/01/08 12:36 ID:6ozgQkgY
えなりの奇妙な冒険〜冨樫の遺産編第16部建設乙
ところで誰かまとめさん立候補者いませぬか?

424 :作者の都合により名無しです:04/01/08 13:13 ID:oQ0xZ/Hu
俺は試験前だから、ちょっと無理ぽ
でも、まとめのアイデアは出す
今スレは主人公ズが三人とも目立ってたから、その方向で

そういえば、あの三人が一同に会したことってまだないな

425 :作者の都合により名無しです:04/01/08 16:16 ID:6ozgQkgY
いいねえ
職人募集

426 :作者の都合により名無しです:04/01/10 17:28 ID:Gzbk6esP
age

427 :iimono:04/01/10 17:34 ID:u8/rJta6

画像安定を目的として一般量販店でも売られている、
デジタルノイズキャンセラー(正規品)です。↓
http://www5f.biglobe.ne.jp/~iimono/

9100円即決で、即日発送可能です。

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428 :作者の都合により名無しです:04/01/10 17:38 ID:8QMP7vVb
まとめ職人おりませぬか?
ウチがやると容量食いすぎますねん

429 :作者の都合により名無しです:04/01/12 21:02 ID:B2+rzeYG
(つдT ) ダレカ・・・

430 :作者の都合により名無しです:04/01/13 00:22 ID:9QNegGb4
自分のレスにどうあらすじがつくか楽しみだからなー
まとめさんには悪いけどがんがってくだちい

431 :作者の都合により名無しです:04/01/13 00:25 ID:urwAdyU5
(´・д・`) あらすじやるほど容量が・・・ あう

432 :作者の都合により名無しです:04/01/13 00:50 ID:UzlRIrYI
AA使わなければなんとかなるのでは?
まあ大変でしょうが、楽しみにしてますんで
あらすじはそんなに細かくやらなくていいんで、おながいしまつ

433 :作者の都合により名無しです:04/01/13 01:04 ID:urwAdyU5
来週まで名乗りがなければ三回目逝かさせていただきますね(´Д⊂

434 :作者の都合により名無しです:04/01/14 18:30 ID:lH2BLovg
age

435 :作者の都合により名無しです:04/01/15 18:43 ID:MAhQ4qVY
age

436 :433:04/01/16 00:47 ID:exycJC+q
まとめ作成ちう〜

437 :436:04/01/16 18:01 ID:exycJC+q
…とはいえ家パソの回線工事に失敗してしまい、
いつリレー復帰できるやら見当つかん(-_-;)昨日からパケ代かかりすぎ…
156スレ新スレになったかなあ…したらば見れない…すんすん(T_T)
まとめ、用意しておきますね……

438 :436:04/01/17 11:19 ID:3NHCRNRm
漫喫からカキコ。
復帰は22日以降ですがどうなるやら・・・。
しばらくお待ちください・・・嗚呼・・・
。・゚・(ノД`)・゚・。


439 :作者の都合により名無しです:04/01/19 16:56 ID:He5vDfgB
age


440 :作者の都合により名無しです:04/01/19 20:16 ID:NKFyoP5x
『安』―――――@やすらか。おだやか。心配がない。
        Aしずかに落ち着いている。ぐらぐらしない。
        『西』―――――@にし。A西洋。ヨーロッパ。
        『彦』―――――@美しい男の人。A立派な男子。      
     

441 :ようやっと”復帰”ですご迷惑:04/01/22 13:26 ID:1Di6FS/N
♪チャンカチャンカチャン♪

えなり「えなりでーす」
安西 「安西でーす」
戸田 「三波春夫だなんて古いわクソがァ!」
安西 「ノリの悪い奴だぜ」
えなり「今日は僕ら主人公トリオで【15部まとめ】をやります。
    僕ひとりで充分ですけどアシスタントもいりますからね」
戸田 「うっせーよ!俺は今戦闘中でクソ忙しいんだ」
安西 「お互い様だボケ」
えなり「僕だって!いつデストローイされるかビクビクですよ全く」
戸田 「情けねーガキだな。なんなら俺が今ここでぶっ壊してやるよ」
えなり「うひゃあ!?暴力反対!野蛮人は嫌いです」
戸田 「おーイッチョマエにケンカ売りやがるか上等だガキ!」
安西 「てめーが黙れよ馬鹿!」
戸田 「あんたも死にてーらしーな!」
えなり「ふたりとも落ち着いて!」
戸田 「ぶっ殺す!」
安西 「ンだ固羅!」
えなり「相性最悪!」
戸田 「開戦のシェルブリットぉ!」
安西 「チェンジARMバージョン3・ガーゴイル!!」
えなり「もうヤケだぁ!えなり流・星・拳んんんッッ!!!」



     〜 しばらくおまちください 〜


442 :作者の都合により名無しです:04/01/22 13:27 ID:1Di6FS/N
 ≪15部まとめ♪≫

>4 >5 >6 >7
>8 >9 >10 妖(あやかし)たちのホームルーム:麻宮先生「勢力図のおさらい」
>12 とある異世界にて:異世界の果ての果てで矢吹を長谷川発見(10年仕事)
>13 給食タイム:妖魔王軍・朝から鍋。しらたきは肉と隣接すると硬くなります
>16 >17 >18 赤き実験場:チャンピ核実験場・REDでガンダム交戦中の報告
>19 ライオンさん:天野、謎のライオンさん発見す
>20 最悪なる者:殺人事件調査は意外な方向に。危うし探偵団!
>21 魔人、目覚める:戸田の名で大暮・完全覚醒
>22 呪われた男:にわの、鬼の呪いをかけられる
>23 >24 魔人、目覚める:式刀・霊毀(ちょくとう・れいき)大暮に譲渡
>25 >26 >27 >28 魔人、出陣:狂人大暮、闇藤田や田口とREDへ出陣
>29 最悪なる者:ガモウパワーで散々の探偵団
>33 >34 鬼人vs奇人:三匹の怪物。修羅と鬼人と空の支配者“AIR MASTER”
>35 許されざりし裏切者:矢吹政権の鍵を握る裏切者は…いない!?
>36 >38 人間とは:人間の真の姿を突き詰める。この闘いにはそれがある
>37 帝王帰還:長谷川と矢吹・帰還。冨樫ファイル2はどこかの温泉地に隠す
>50 華麗なる挑戦:朝のカレーとサングラスの男・Y
>51 言葉など意味はない:わしは宮下あきらであるったらであるのである
>52 華麗なるお誘い:Y、球場に連行さる
>53 >54 >55 >56
>57 >58 >59 >60 >61 餓狼伝AIR:やれいけ完全覚醒・飛ぉべ!エアマスター!
>62 >63 >64 >65
>66 >67 >68 >69 えなり救済計画:えなり、亡き父と融合しパワーアップ
>72 >73 >74 旋風は止まらず:探偵団の危機を救ったのは村…仮面ライダー!
>81 3年J組 地獄先生:ゲラアウト馬鹿軍団
>84 >85 >86 >87 餓狼伝AIR:すごいぞつよいぞヨクサル君
>93 >94 さよならは突然に:タフ解散・猿渡は静かに去る
>95 >96 おはようも突然に:無礼ドで働く車田に学ラン変身バッヂが渡される
>97 ポプラの木の下で:牧野登場・45億年前より岩村生還
>98 華麗なる乱入者:野球場から脱出を図るY

443 :作者の都合により名無しです:04/01/22 13:28 ID:1Di6FS/N
>99 冥王の名:罠と皆川と巨大プリン
>100 >101 それは旅景色の向こうから:いがらし、捜し人発見す
>102 >103 盤上は彼等の思うままに:鈴木信也精神崩壊・ほったゆみ動く
>104 >105 >106
>107 >108 >109 訪れし者は・・・?:ファミレスに突如光原が出現し…
>110 >111 >112 >113 ここが世界の最果てだ:誘拐された石渡達は木城の許へ
>114 華麗なる乗っ取り:カレー大好きN星人、Yに憑依
>117 フィールド・オブ・トキワ荘:ヤバイぜ平野君ルール違反だ
>118 >119 華麗なる変態:変態マスク2名に阻まれるカレーへの道
>120 >121 >122 >123
>124 >125 >126 >128 餓狼伝AIR:足もげヨクサル強すぎで板垣禁じ手発動!
>129 朝から大騒動:橋口・草場復帰。空港近くで爆発事件
>130 >131 >132 >133 >134
>135 >136 >137 >138 >139 餓狼伝AIR:超越世界一旦終結。ヨクサル勝利
>140 エピローグ:決勝戦が待ち遠しくて
>141 エピローグ――蠢く者たち――:『氣法師』『修羅』それぞれの心
>142 事件現場は騒然と:爆発事件は謎の人災
>143 警察の調書より:爆発事件・漫画家5人の証言
>144 ウォッチャーズ:そこで永井豪ブチギレですよ
>145 負けるな少年探偵さん:犯人はこの中におるんじゃい
>146 重要参考人(予定)牧野の考え:警察署爆破裏話
>147 証拠隠滅?:おさかな地獄
>148 (no title):ダメ大隊出撃
>151 >152 >153 夢の守り人1-3:荒川と安西inコンビニ
>155 >156 夢の守り人4-5:他人の夢を守る事が俺の…
>157 >158 狂鬼と幽鬼:“串刺し特攻隊”安西拉致
>161 時の迷い子:迷子にも程があるモン
>165 >166 歴史の証人:新生えなりの前にふすまと原が出現
>169 >170 >171 >174 鋼vs武装:もうひとりの錬金術師
>175 >176 >177 戦鬼の徒:安西を攫った山本を襲う“サムライダー”
>179 華麗なる狂王:ほかほかカレーとおいなりさん
>180 彷徨える毛根の貴公子と:不思議な声に導かれ澤井起床

444 :作者の都合により名無しです:04/01/22 13:28 ID:1Di6FS/N
>181 変態バトル、面白れー!:いやいやそれほどでも蛭田さん
>182 “牙”をとぐ者たち:ヨロシクね傀儡の舞
>183 >184 そして……新たなる“牙”:ゴッドハンド緊急事態なの
>186 >187 >188 >189 えなりVS原哲夫:ああ死兆星が見える
>190(>191) 座布団全部取っちまえ:ラブカレー★パニック
>192 トラブルトライアングル:デンジャラスちまきの記憶
>193 >194 >195
>196 >197 >198 戦鬼の徒:絶望感200%安西・獣変化
>199 >200
>201 >202 >203 えなりVS原哲夫――本能――:ビッグマグナーム黒○先生
>205 ただいまとおかえりと:川原裏御伽復帰おめ
>206 誓いの咆哮:RED周辺・戸田吼える
>207 >208 空を舞う牙:敵来襲!エアギアな攻撃クリーンヒット
>210 >211 >212 >213 使徒、襲来:ギョムっとパララと木刀と
>214 不安と期待と温泉と:真倉君頑張ろうね
>215 >216 使徒、襲来:投げタバコはいけませんが3on3開始
>217 >218 出立:平たく言えば特攻です
>223 戦士に休息はあるのでしょうか:電波理論と温泉猿
>224 >225 >226 死徒の群れ:平野の眷属――すぎむらと田島の脅威
>230 >231 >232 >233 >235
>236 >237 >238 >239 >240 鋼vs武装:不殺を捨て蝶になった男
>241 >242 >243 >244 堕落狂人邂逅変:人間を捨てダメ吸血鬼に進化した男
>246 >245 ごちそうさま:カレーうまうまいざ温泉へ
>248 >249 >250 えなりvs原:なんか出てるよえなり!こーの変態!かぶき者!
>251 降臨:原とえなりの戦場を嗅ぎつけたのか板垣乱入
>252 怪物たち:手四つでガチンコ勝負だ原哲夫!
>256 スクランブル:ゴートゥー天国直滑降〜
>257 >258 >259 >260
>261 >262 >263 >264
>265 >266 >267 血肉を得て茨を歩む:えなり、ついに自身の存在理由を手に入れる!!
>268 >269 スクランブル:ストロベリートークにミサイルBOMB☆
>270 >271 >272 >273 >274 D:死ぬか生きるか、墜落の炎の中半魔人・渡辺屹立す

445 :作者の都合により名無しです:04/01/22 13:31 ID:1Di6FS/N
>275 >276 >277 魔人たちの戦場:死都(ミディアン)に 砲弾の火が 咲き乱れ
>278 (no title):瀕死でもなお闘わんとする荒川を救ったのはゴッドハンドの手先
>279 惨劇の地へと:“被爆者”の霊は過去を捜すため東京に向かう
>280 アポカリプス ナウ:世界の中心には常に戦争の渦が巻き…さらなる狂風を引き寄せる
>281 >282 (no title):天を指でつかめる武神・王欣太を捕獲せよ
>283 V号出撃:富士原誠意大将軍
>284 >285 戦慄と希望:ヘタレなべちゃん一念発起
>286 >287 原と板垣:勝負は持ち越し。ふすま預けて原は戦場へ
>288 板垣と謎の男:まだまだだねby謎の男
>289 男の正体:謎の男はスプリガン教官・たかしげ
>290 >291 >292 ニケのちグゥ:ジェノサイダー蓮
>293 銀色の涙:ピピッとテレパシー
>294 >295 >296 >297 >298 勝てない、俺だけでは:やっぱり仲間っていいもんだなと
>301 >302 >303 >304 狂鬼たちの宴は終わらず:ホラー漫画界の巨匠はとってもすごいの
>305 >306 >307 それぞれの道:同じ富沢でも天と地ほど扱いの差が(略
>308 >309 拡大する戦線:敵か味方か山口譲司
>310 魔剣士vs異形武者:あんた強すぎ山口譲司
>311 また彼も:長谷川君のクリスマス劇
>313 魔剣士vs異形武者:すぎむら君の開き一丁出来たはいいけど何か変
>314 酒呑み魔人の伝説:自称策士?“酒呑童子”梅澤絶好調
>315 >316 (no title):まだ頑張ってた戦闘ヘリですが一撃アボーヌ・原推参
>317 完成:♪走れ〜走れ〜井田ヒロト〜 本命穴馬かきわけて〜
>318 >319 >320 >321 >322 (no title):荒川嬢剥かれたり吸われたり飲み込まれたり
>326 とりあえずはこちらを終わらせて:カレー売り切れ
>327 災害人間来襲:どっちが爆弾だかわかりません
>329 こちらを始める準備をしましょ:賞金1000万に燃える警察官
>330 死のダンスを踊りましょう:影船にお客さま。そして球場では
>331 そして祭りに行きましょう:カレー侮辱罪は死刑に値するようで
>332 湯煙の向こうに血煙の影:広江さん温泉に浮き輪は要りません

446 :作者の都合により名無しです:04/01/22 13:32 ID:1Di6FS/N
>335 >336 >337 最悪の邂逅:えなり、仕事をしない梅澤に捕まる。佐木登場
>339 >340 青春ロードムービー巨編:久米田ー!頭アタマー!
>342 >343 (no title):え?主人公トリオに俺いないの?またまた冗談をby土塚
>344 りぞらば:うふふ温泉うふふいい男うふふふ(注>345)
>346 いざ鹿児島:福地死にすぎ
>347 >348 >349 >350 最悪の邂逅:“彼”の“名”は“佐木”と書いて“ナイフ”と読む…  !? <ピキッ
>352 >351 温泉れっつらごー:慰労会スケジュール決定
>353 えなりの奇妙な正月:豪華キャストで謹賀新年
>356 >357 >358 >359 >360 『戦場』の正体:>141の人による宣言・小学館vs秋田書店の戦争勃発?
>363 >364 >365 衛藤の思考:クサイ場面あらば克亜樹並に駆けつけますよハイ(注>366)
>367 >368 >369 >370 外法集団“秋田書店”:秋田の戦争屋は鬼畜さんだらけ
>371 出発直前:(´-`).。oO(ぶっちゃけ伏線処理)
>372 (no title):某三世キター
>374 集合時間:遅刻者宛に看板立てておきました
>375 >376 >377 >378
>379 >380 >381 彼らは静かに駆ける:非情になりきれない愛の勇者は
>382 去り、消え…:田島vs岡田
>383 現れ、去る…:田島に“ザ・ペーパー”の迎えが来て戦闘終了
>384 (no title):J誌では生首描写は蝶危険
>385 >386 >387 >388 別府の話:魚屋三代目牧野がんばります
>389 王欣太の武:さすがの原も無理っぽい
>390 >391 (no title):その勝負、待った!
>395 クラッシャー飛来するの巻:遅れてきた客で二階席は地獄の吹き溜まり
>399 混迷の艦:キラリ浜岡流れ星
>400(>401) 鉄の玉は走り出す:鉄の球は走り出す。新たな道を拓くため
>402 そして温泉へ・・・:正午のニュースが出発の合図
>403 温泉慰労会・スタート:松椿到着。主人たちの思惑と共に慰労会始まる
>404 >405 (no title):妖魔王軍調整役・八房ちょっぴりご立腹
>406 鬼の行軍:板垣ふすまワープ。行先はどこの戦場か?

447 :作者の都合により名無しです:04/01/22 13:57 ID:P+T5cn82
おつかれい!! 

448 :規制イヤー:04/01/22 14:01 ID:1Di6FS/N
>408 >409 崩壊、Bブロック:人工衛星墜落!“爆弾”炸裂!Bブロックは汚濁の園と化す
>413 蜘蛛の子供たち:文字通り蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う衛星直下の戦士たち
>415 >416 >417 やっと顔見せ:ザ・ペーパーこと山田は“らしくない”闇の住人。やれ仕事仕事


     〜 戦闘終了・再開 〜

安西 「・・・」
戸田 「・・・嫌な闘いだった・・・」
安西 「なんだよアレ、エレガントジョニー肉変砲ってのはよ・・・」
戸田 「男の闘いってのにも限度がよぉ・・・」
えなり「原先生のおかげでこんなに強くなりました。僕は今、猛烈に感動しているッ!」
戸田 「するな(げっそり)」
安西 「(´Д⊂ 」
えなり「さあ!僕たちのネクストステージはこちらです!
    →http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1073532393/
    どうぞお楽しみください。それではごきげんよう!」



戸田 「マジで死ね!」
安西 「むしろ生きろ(ノ∀`)」

449 :作者の都合により名無しです:04/01/22 14:01 ID:1Di6FS/N
うす(´Д⊂

450 :作者の都合により名無しです:04/01/22 18:03 ID:WP8INEh4
お疲れ様

451 :作者の都合により名無しです:04/01/22 19:52 ID:MK9VLber
age

452 :椎名ハガネ:04/01/22 21:49 ID:jTR6lS2K
ハガネのうた

私の名前を
御知りに成り度いのでせう
でも今思ひ出せ無くて
哀しいのです
働く私に名附けて下さい
御呼びになつてだうぞ御好きな樣に
鉄で鉄さえも切る
私に 似合ひの名を

赤白い炎は
焼入れの合圖でせう
光放つのがさめるのは
寂しいですか
汗を拭ひて顏を上げて下さい
ほらもうじき私もニエつくります
変わらない切れ味を
貴方に 御屆けします

私が憧れて居るのは
人間なのです
泣いたり笑つたり出來る事が素敵
たつた今私の名が判りました
貴方が仰る通りの「和鋼(ハガネ)」です
美しい切れ味を
職人さんへ御屆けします
切りませ
何も語らず


453 :作者の都合により名無しです:04/01/22 21:51 ID:1Di6FS/N
上げないでください(´A`)

454 :作者の都合により名無しです:04/01/22 23:01 ID:J0TDPMHM
檄乙。
相変わらず、いい仕事ですw

455 :作者の都合により名無しです:04/01/23 21:35 ID:bBdQqbhs
    |┃三    ,ィ, (fー--─‐- 、、
    |┃.    ,イ/〃        ヾ= 、
    |┃   N {                \
    |┃  ト.l ヽ               l
 ガラッ.|┃ 、ゝ丶         ,..ィ从    |
    |┃  \`.、_    _,. _彡'ノリ__,.ゝ、  |     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    |┃三 `ゞf‐>n;ハ二r^ァnj< y=レヽ    <  話は聞かせてもらったぞ!
    |┃.    |fjl、 ` ̄リj^ヾ)  ̄´ ノ レ リ     |  俺の出番をもっと作るんだ!!
    |┃三  ヾl.`ー- べl,- ` ー-‐'  ,ン       \____________
    |┃      l     r─‐-、   /:|
    |┃三     ト、  `二¨´  ,.イ |
    |┃     _亅::ヽ、    ./ i :ト、
    |┃  -‐''「 F′::  `:ー '´  ,.'  フ >ー、
    |┃    ト、ヾ;、..__     , '_,./ /l       無理(ノ∀`)

456 :作者の都合により名無しです:04/01/24 11:10 ID:B5dgP9qN
>>455
のぞけ

457 :作者の都合により名無しです:04/01/24 11:44 ID:qvfjRnPF
ナンダッテー(ノ∀`)

458 :作者の都合により名無しです:04/01/25 19:55 ID:aChcoU1L
>>455
よくやった

459 :作者の都合により名無しです:04/01/27 00:58 ID:cvQyBy6i
    /|
ヘ /|/ |   N /i/´ ゙ ̄ ̄``ヾ)_      ∧  /
 V   .| ,  Nヾ ゙        ゙ヽ   |\/ ∨l/
    レ' 7N゙、            ゙i _|`
      /N゙ゞ            .! ヽ   一 我
      7ゞミミ、  ノ,彡イハヾ、  i Z    片 が
 な   Zー-r-==、'リノ_ノ_,.ヾミ,.ィ,ニi ヽ   .の 生
 い   /  {i `゙';l={゙´石ゞ}='´゙'r_/ 〈    悔 涯
 ん   |:   `iー'/ ヾ、__,.ノ  /i´  /   .い に
 だ   i、    !  ゙ニ-=、  u / ,ト, ∠_   も
 よ   |`    ヽ、i'、_丿 /// ヽ /_
!!   |  _,.ィヘヽ二 ィ'_/ /  ゙i\|/Wlヘ
      |' ̄/ i ヽ_./´   ./    .| `\   ∨\
wヘ  /\|/  /ィ´ ゙̄i   /   ir=、  l'i"ヽ、
  ∨ ∠__,,..-イ i   /\_,イ,=-、 i 、,.ゞ、 | ゙'"ヽ \
!     .i-'´  ,i | ./`゙'i'   /i_.!._,..ヽ<!  ゙i、゙i.  =゙!  \
!    |   .,i゙::|/  .|  ,/::/-i   ゙i ゙i 三゙i ゙i   | /⌒
i/   .|   ,i゙:::i'    | ,/ ::/= .|三. ゙i/.|   .| .|  .ij:.
.l〉   |   ,i゙ :::|   .!' ::::i゙'i  ト.  ゙i | _,.. V =,!
 !   |  ,i゙ ::::|   / ::::::| l= ヾ!.._ ヽ」 "´;i  :.:i ./
. |   .|  .,i ::::::|  ,/::::::::::|  ヾ:.:. ヾ::" ゙     //
│   |  ,i::::::::| ,/ .::::::::: |   ゙i.:.:.:.:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/,ィ'"´
.|     |  i::::::::,イ::::::::::::::::|   /ト、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::,ノi|Y

460 :作者の都合により名無しです:04/01/27 13:24 ID:9Pk+ytzQ
>>459
幸せな思いをしたキャラは死が近いの法則。

461 :作者の都合により名無しです:04/01/27 14:12 ID:cvQyBy6i
キバヤシは二度死ぬ

462 :作者の都合により名無しです:04/01/28 19:55 ID:4Q5pWwzC
age

463 :作者の都合により名無しです:04/01/31 12:26 ID:pqxWYDvI
age

464 :作者の都合により名無しです:04/01/31 14:49 ID:hMB1FfDP
gae

465 :作者の都合により名無しです:04/01/31 14:52 ID:VAWQiVAH
    |┃三    ,ィ, (fー--─‐- 、、
    |┃.    ,イ/〃        ヾ= 、
    |┃   N {                \
    |┃  ト.l ヽ               l
 ガラッ.|┃ 、ゝ丶         ,..ィ从    |
    |┃  \`.、_    _,. _彡'ノリ__,.ゝ、  |     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    |┃三 `ゞf‐>n;ハ二r^ァnj< y=レヽ    <  話は聞かせてもらったぞ!
    |┃.    |fjl、 ` ̄リj^ヾ)  ̄´ ノ レ リ     |  ネタもないのに空ageはやめるんだ!!
    |┃三  ヾl.`ー- べl,- ` ー-‐'  ,ン       \____________
    |┃      l     r─‐-、   /:|
    |┃三     ト、  `二¨´  ,.イ |
    |┃     _亅::ヽ、    ./ i :ト、
    |┃  -‐''「 F′::  `:ー '´  ,.'  フ >ー、
    |┃    ト、ヾ;、..__     , '_,./ /l 

466 :作者の都合により名無しです:04/02/02 16:09 ID:WUwNjPR0
   |┃三    ,ィ, (fー--─‐- 、、
    |┃.    ,イ/〃        ヾ= 、
    |┃   N {                \
    |┃  ト.l ヽ               l
 ガラッ.|┃ 、ゝ丶         ,..ィ从    |
    |┃  \`.、_    _,. _彡'ノリ__,.ゝ、  |     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    |┃三 `ゞf‐>n;ハ二r^ァnj< y=レヽ    <  話は聞かせてもらったぞ!
    |┃.    |fjl、 ` ̄リj^ヾ)  ̄´ ノ レ リ     | 誰か職人を呼ぶんだ! 
    |┃三  ヾl.`ー- べl,- ` ー-‐'  ,ン       \____________
    |┃      l     r─‐-、   /:|
    |┃三     ト、  `二¨´  ,.イ |
    |┃     _亅::ヽ、    ./ i :ト、
    |┃  -‐''「 F′::  `:ー '´  ,.'  フ >ー、
    |┃    ト、ヾ;、..__     , '_,./ /l 


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