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えなりの奇妙な冒険〜冨樫の遺産編第16部

1 :作者の都合により名無しです:04/01/08 12:26 ID:n6CZKyao
これはえなり2世の数奇な運命を追った奇妙な冒険である

前スレからの続き、行くぜ!!
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1070374232/




2 :作者の都合により名無しです:04/01/08 12:27 ID:n6CZKyao
過去ログとか
第1部http://ebi.2ch.net/ymag/kako/1005/10056/1005603546.html
第2部http://ebi.2ch.net/ymag/kako/1006/10062/1006290865.html
第3部http://comic.2ch.net/ymag/kako/1008/10088/1008862285.html
第4部http://comic2.2ch.net/ymag/kako/1022/10224/1022478173.html
第5部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1043128803/l50
第6部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1050213697/l50
第7部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1054732518/l50
第8部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1056214706/l50
第9部Ahttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1056986536/l50
第9部Bhttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1057574190/l50
第10部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1059402962/l50
第11部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1061047834/l50
第12部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1062766295/l50
第13部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1065342319/l50
第14部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1067586160/l50
第15部http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1067586160/150

(非)公式ログページ
http://isweb43.infoseek.co.jp/novel/enari2nd/(〜8部)
http://mypage.naver.co.jp/komaking/enari-house2.htm(9部〜)

少年ジャンプいた@したらば(関連スレ・現在4つ)
http://jbbs.shitaraba.com/comic/31/
ネタ相談所・えなりの奇妙な冒険を語るスレ(※ネタバレ注意)
http://jbbs.shitaraba.com/comic/bbs/read.cgi?BBS=31&KEY=1059562987
↓キャラクターを忘れたり展開が掴めなくなったらこちら
冨樫の遺産の登場人物について整理するスレ
http://jbbs.shitaraba.com/comic/bbs/read.cgi?BBS=31&KEY=1058562255
えなり人物テンプレ専用サイト
http://members2.tsukaeru.net/redman/index.html

3 :作者の都合により名無しです:04/01/08 12:29 ID:n6CZKyao
ルール!
それはここに書き込む際の最低限のルールである!
・過去ログを見てストーリーの流れくらいは把握しておくこと!
・リアル故人は出さないこと! なぜなら不謹慎だし色々あるからだ!
・漫画のキャラをあんまり出すな! ここのメインはあくまで漫画家だ!
・相談するのは自由だが、ルールを守り自分の書きたい物を書こうな!
・先人の意思をなるべく尊重しよう!壊すにも壊すルールがあるのさ!
・誤字脱字の訂正は必要最小限にとどめよう!投稿前に内容確認!
・一行感想などはなるべく本スレに!その方が書き手にやる気がでる!


4 :王大人:04/01/08 12:29 ID:n6CZKyao
それでは始めぃ!!




5 :作者の都合により名無しです:04/01/08 12:32 ID:n6CZKyao
リレー小説入れ忘れた…えらいミスだ。

6 :作者の都合により名無しです:04/01/08 12:38 ID:6ozgQkgY
>2の15部リンクがなぜか14部150になっていますが乙w

7 :作者の都合により名無しです:04/01/08 13:00 ID:oQ0xZ/Hu
そいつはテンプレ作った俺のミスだな・・・次は気をつけよう
なにはともあれ、>>1さん乙

8 :A hot spring and the future:04/01/08 15:48 ID:6ozgQkgY

      ククク……

   初めてやったが……
     思ったより
   気持ちがいいな……!

     露天風呂での
  平泳ぎってのは……!

    まして それが……
 資格もないくせにどさくさで参加した
   無料ツアーなのだから……

    さらに格別っ……!
     最高だっ……!



早々に昼食を終え温泉客一号となった福本伸行。
真っ青な南国の空に湯気が吸い込まれ消えてゆく。
真昼間から仕事もせず酒を飲み温泉に浸かる。

疲れた漫画家(おとな)たちのささやかな楽園。

昨夜より今朝まで行われていた、矢吹トーナメントCブロック決勝。
開催地クリードアイランドにて来るべき未来の恐怖を感じ取った選手関係者たち。
たとえ敵同士といえど漫画家同士が団結せねば≪本当の敵≫には勝てない。
自分たちの運命を切り開くため、様々な不安要素をはらみつつ、
温泉慰労会という形で選手たちの顔合わせが行われた。運命に打ち勝つために。

・・・この選択が吉と出るか凶と出るか、まだ判別はできなかった。

9 :意味はない:04/01/08 17:19 ID:g9lUg2Lz
午前二時 フミキリに 望遠鏡を担いでった
ベルトに結んだラジオ 雨は降らないらしい
二分後に君が来た 大袈裟な荷物しょって来た
始めようか 天体観測 ほうき星を探して
深い闇に飲まれないように 精一杯だった
君の震える手を 握ろうとした あの日は
見えないモノを見ようとして 望遠鏡を覗き込んだ
静寂を切り裂いて いくつも声が生まれたよ
明日が僕らを呼んだって 返事もろくにしなかった
「イマ」という ほうき星 君と二人追いかけていた

10 :横山の思惑:04/01/08 20:47 ID:MuwQS+cK
V号の中………。
巨大鳥を模したそのメカの中で横山は唖然としていた。
横山「やれやれ困った物ですね。」
大量の汚物がまき散らされたその惨劇を見て、横山は頭を抱えた。
富士原「あの現場にいたメンバーの大半が逃げるように動いています。目標の補足は続いていますがどうしますか?」
横山「……追いかけて下さい。」
富士原「了解しました。」
そこまで命令してから、緊急連絡が入っている事に横山が気がついた。
横山「長谷川から?」
富士原「なんでしょう?」
運転を続けながら、富士原が聞いてくる。
神崎「ま、なんでも良いさ。」
横山「なんでも良いという事では無さそうです。」
通信モニターを見て横山は呟いた。
横山「黒軍基地に向かう謎の機械群を見つけたそうです。彼には黒軍に協力するよう命令していましたからね。」
神崎「……で、何故今までいかせなかったの?」
横山「彼から”もう一つの富樫ファイル”を受け取る予定でしたが、配下は全員こちらに向かわせましたからね……。」
大きくため息をつき、己のうかつさを恥じる横山。
横山「ちばさんにとりに行かせますか。」
そこまで判断をして、横山はちばと連絡を取った。
長谷川には、富樫ファイルをフロントに預けて、黒軍基地に向かうよう命令をした。
横山「さて……これが吉と出るか凶とでるか……。」

11 :新たなる玄武:04/01/08 21:22 ID:MuwQS+cK
謎の機械軍団はまっすぐ評議会基地へと向かっていた。
大きく分けて機械軍団は4つの機体に判別できた。
一つは巨大な虫の顎を持つ巨大な鳥。
一つはゴリラのような格好をしてはいるが、凶悪な亀のような顔と肩と背中に甲羅がついた機体。
一つは鉄砲魚のような姿をしている機体。
一つは巨大な恐竜の顎に足をつけたような機体。
キメラBLOX。箱形のパックに様々なユニットを足し合わせて動かす機体である。
(ちなみに名称は上から、フライシザース、シェルカーン、ディプロカンス、デモンズヘッドという。)
それらを指揮する塩崎雄二は快適気分であった。
塩崎(いやー、待ったかいがあったなあ……四霊につけるなんて。)
四霊は評議会の中でもそれなりに優遇をされていた。専用母艦を持ち、基地の秘密ドッグを優先的に使えた。
それだけではなく、実力を発揮すれば、新型試作メカを優先的に回してくれるという。
塩崎は先遣隊からの映像をつけた。次の瞬間、巨大な足が先遣隊を踏みつぶした。
塩崎「28……!」
少しの間だけうつったその情報から塩崎は危険信号を感じた。
先の大戦において、ゴッドハンドのメカとして活躍をした機体……。
塩崎「鉄人!……鉄人28号!」
黒軍もある程度追いつめられている……。一時的ならばゴッドハンドと協力するかもしれない。
塩崎「やっかいな事になったな……。」
上の考えとは別に塩崎は別の考えを持っていた。
九大天王が評議会に戻ったのならば、黒軍は崩壊する………。
戻るならば、九大天王は黒軍のトップとなるだろう。だが黒軍の中には自らが汗水流して作り上げた”評議会”を
九大天王などと自分達を見捨てたような連中の手に委ねたいと言う連中もいるに違いない。
塩崎「だいたいなあ……組織を作ったんだったら最後まで面倒みろや。」
そこまでぼやいて、塩崎は攻めるか引くかを考えた。

12 :作者の都合により名無しです:04/01/08 22:04 ID:4w1M6qiy
遅いけど新スレ乙
塩崎のセリフは微妙に深いな

13 :新たなる玄武:04/01/08 22:26 ID:MuwQS+cK
申し訳ありません、一つ間違えていました。
×自分達を見捨てたような連中の手に委ねたいと
○自分達を見捨てたような連中の手に委ねたくないと
後、僕からも新スレお疲れ様です。

14 :作者の都合により名無しです:04/01/09 00:01 ID:zpCPdgLq
塩崎って、ガムで三国志の武将が女子高生になって戦う、あのパンチラ漫画描いてる香具師?
あいつ、ロボット物なんて描いてたのか

15 :解説兼話進め:04/01/09 19:25 ID:Uf1TQ3iP
塩崎は迷っていた。
進めば間違いなく鉄人と戦う事になる。
ゴッドハンドのメカがこれだけと言う事はあるまい(実際は違うが)。
塩崎はコロコロで『惑星Zi(プラネットジー)』と言う漫画を書いていた。
内容は(自主規制)なので書かないが、書いていた以上、四霊としては十分の資格を得ていた。
塩崎(ここで、功績を立てたら、矢吹への紹介もあるかもしれない)
そうでなくても、黄龍から覚えがよければ、赤軍での地位はさらに上がるだろう。
塩崎(でもなあ……先の大戦では凄まじい功績を上げた奴だからなあ……。)
先の大戦。良くは聞いた事はないが、ゴッドハンドが何かと戦ったとの記録だけが残されている。
塩崎(つまり、俺は今伝説と対峙してるわけだ。)
旧型であっても、伝説に残っている機体。油断はできない。

その頃、鉄人を操縦すべき長谷川は

仕事の疲れから、岩の間で寝ていた。

16 :魔人の影:04/01/09 23:21 ID:zpCPdgLq
「ぐっ……ここはどこだ!?」
安西が眼を覚ますや、凄まじい悪臭が鼻をついた。
「ぐえ…っ! な、なんつー臭いだ、こりゃ…」
安西は、汚物の山のごとき海の、ど真ん中に立っていた。
悪臭の正体は、それだ。
しかし、安西はすぐに不可解なことに気づいた。
「なんだ…こりゃ。いったいどうなってやがる…!?」
安西が立っている場所。
そこは、直径が50メートルはあろうかという、巨大なスリバチ状になっていた。
周囲のコンクリートが剥がされて、大きく隆起し、それが壁となって汚物の侵入を防いでいるのだ。
それはまるで、安西を守ろうとしているかのようであった。
「いったい何が原因で……こんな馬鹿げた現象が…?」
疑問を浮かべたとき、安西の全身を、とてつもない鬼氣が走りぬけた!

   ヴ  ワ  ア  ア  ア  ア  ア  ア

反射的に、安西が獣の槍を構える。顔を汗が伝う。
「(何だ……今の殺気は!? これは覚えがある……まさか!)」
安西が感じたまとわりつくような鬼氣……
それはかつて、あの“暗がり”で経験したものと、同質のもの。
すなわち、人を超えた、人外の領域に立つものの氣。
身構える安西の背後に、その鬼氣は移動していた。
「(後ろをとられた…!? こうも簡単に……!? 反応もできなかった!)」
背後から感じる、炎のごとき闘気。
動けない。神経を根こそぎ、固定されたようだ。
動けば、そのときが……
刹那、鬼氣が、爆発的に膨れ上がった!
「(殺られる!!)」
次の刹那、安西もまた槍を一閃させていた。




17 :魔人の影:04/01/09 23:22 ID:zpCPdgLq
「!?」
槍は、空を切った。振り返った前方には、何もない。
その何もない空間に、突如として浮かび上がるものがあった。
影である。それも、人の影ではない。
安西の視界の全てを埋め尽すような、巨大で禍々しい影。
それはまるで、巨大な獣のように、安西には見えた。
やがて、ひとつのシルエットが、膨大な闇から分離するように湧き出てきた。
全てが黒い男だった。巨人とも言うべき肉体を、仰々しい鎧で覆っている。
その全身から、炎のごとく闘気が噴き出していた。
あまりにも大きく、強大な闘気ゆえ、それが視覚化されているのだ。
マグマのような圧力を感じさせながら、寒気すら感じさせる、闘気だった。
今まで見てきた、武人の闘気とも、鬼の殺気とも、魔の妖気とも、違う。
これは、安西が初めて経験する、“まったく別のなにか”だった。
「(バカな……!? 確かに真後ろにいたはずだ!!
  今の俺が敵の殺気を読み違えるなんてことは、そうそうない!
  たしかに、俺に攻撃を撃ち下ろそうと……!?)」
「貴様は、“気”のコントロールが全く出来ておらぬようだな」
「!?」
男が、初めて言葉を発した。それだけで、重力が何倍にも増大したように、安西には感じられた。
「(“あいつ”じゃない……だが……奇妙に現実離れした、この感覚は…!!)」
蛇に睨まれた蛙とは、このことか。
あの闇の淵での邂逅を除けば、それは今まで安西が面したなかで、最大の威容だった。
動けない安西に言ったものか、男は次の言葉を紡いだ。
「やはり歯車は回り始めたか」
何かを呪うように、重く静謐な声だった。
「(歯車!? 何のことだ!?)」
混乱する安西に、鎧の男は言った。
「“もがく者”よ。心するがよい」
もがく者? ひょっとして自分の事か……一体なんのことか? 安西には分からなかった。




18 :魔人の影:04/01/09 23:23 ID:zpCPdgLq
「これより3日の後、“蝕 の 刻”!!
 貴様と貴様の友ら!! 今は長期連載を持たざる“つきぬけし者ども”!!
 そして、その王たらん貴様の同族が彼の地に集う時!!
 貴様の上に、人の身では決してあがない切れぬ狂気の豪雨、死の嵐が吹き荒れるであろう!!」

男は、神話に登場する預言者のごとく、厳かに言った。
「だが心するのだ、もがく者よ!!
 貴様は真の漫画家の下より出てて、腐敗の中でパクリより始まりし者!!
 誰よりも善悪定まらぬ境地に達し、それゆえ神と魔の双方より逃れる術に長けている!!」
「(誰だ?)」
「もがき、挑み、足掻く!! それこそが死と対峙する者の唯一の剣!! ゆめゆめ忘れぬことだ!!
「何もんだ、てめえ!? なぜ、俺のことを……!?」
安西の誰何の声に、男は答えない。
巨馬をひるがえし、巨大な影と共に去っていく。
「絶望の淵で…折れた剣を手に立ち上がる者のみが…あるいは…………」
「ま、待て…!!」
後を追うべく駆け出そうとしたときには、すでに男の影はどこにもなかった。
残されたのは、いぜん場の空気を絡めとったような、磁場のような闘気のみ。
「幻か…!? ……いや」
コンクリートを穿った、巨大な蹄の跡が、己の肌にいまだ残る戦慄が、それがまごうことなき現実であると、安西に教えていた。
「槍が反応していた……魔の闘気……“魔闘気”を纏う男……」

告げられた“預言”の意味を、安西はまもなく知ることになる。
惨劇の刻は、近い。

19 :作者の都合により名無しです:04/01/10 00:20 ID:/7JWSnXF
蝕予告キター

20 :作者の都合により名無しです:04/01/10 00:41 ID:Fy3c8c09
とうとうキター
あと3日か〜

21 :ハンティング:04/01/10 03:42 ID:M873jjWx
慰労会昼の部はニュースも知らずにまったりと。
 「幹事さんビール追加〜」「幹事さん今日はここ貸切?」「幹事さんゲーセンどこだ?」
 「うおおー!食べてるヒマがねーモン!あー川原センセそれボクのお刺身ー!キャー!」
大飯食らいの隣なのが運の尽き。
幹事・にわのは空腹抱え、和室の広間を駆け回る。
そこへ上司・本宮が赤ら顔で声をかける。早々出来上がっている。
 「おうご苦労だな幹事!ところでゴルフ場はあるのか?俺行きてぇんだけどなー」
 「なんですー!?右肩ぶっ壊しといてよくゆーモン!せんせーは治療室行き!ゴルフダメ!」
 「そうカッカすんな、女にモテねぇぞ。あーめんどくせ〜」
 「余計なお世話っ!(ぷい) ・・・か〜わ〜は〜ら〜センセー?それボクの」
むくれたにわのが視線を逸らすと、先には彼の茶碗とエビフライを盗む川原が。
 「よ。幹事がんばれ」気の抜けた笑顔を返す川原。ちっとも悪びれない。
 「ひどいっひどいわぁ〜!あー腹が減ったホー!飯が食いたいホー!」
・・・夜明け前の惨劇がウソのような、呑気な裏御伽チームであった。
そこへ。
 「幹事さん幹事さん」
 「なんじゃい!?(クワッ)・・・ハニャ?Nさんでしたかごめんち。何のご用で?」

 「いえ、今回の会費は全て私持ちという事にさせていただきましたが、それとは別に、
 トライアスロンの参加者が少ない様子ですのでね。食事後改めて各選手たちに、
 参加の意思を聞いて回ろうかと思うのです。幹事さんはお忙しそうなので・・・ね」
サングラスの奥が奇妙に光るN星人。裏事情を初めて知った本宮が、
見ず知らずのあんたに貸しは作りたかねぇと首を振るが、N星人はにこやかに。
 「これは貸しではありません。漫画界の未来への投資ですよ、裏御伽大将」

そこまで言うなら・・・と融資を了承した本宮。仕事が減って喜ぶにわの。
 「わーい遊ぶぞー♪岡村君のお見舞いの後にみんなで釣りしよーじゃん♪」
浮かれたにわのが席に戻ると、膳の上にはレモンの皮のみ・・・。

 (能天気な漫画家は御しやすいね。さて誰から聞いて回ろうか。いいのがいるといいな。

 ・・・誰にぼくの【 盗 賊 の 極 意 (スキルハンター) 】 を使おうかな・・・ 楽 し み だ な )N星人、動く。

22 :作者の都合により名無しです:04/01/10 06:48 ID:khPu420N
幻魔影霊・・・彼の影は人にあらず・・・
ついに来たか!

23 :作者の都合により名無しです:04/01/10 10:22 ID:V6dJ5sxl
まこリン萌え萌えだね(笑)

24 :鉄人の力:04/01/10 20:01 ID:cXxA9cen
塩崎「………まずは様子見からいくか。」
そう言って、塩崎が十数体のシェルカーンを鉄人に歩ませた。
塩崎「……我は塩崎雄二!真なる評議会”赤軍”に所属し、四霊”玄武”として戦う者なり!」
決まった。心の中でそう思い、次に起こる事を見た。
シェルカーンの腕が鉄人を掴んだ瞬間であった。突如鉄人の腕が上がり、一体のシェルカーンを吹き飛ばした。
塩崎「なっ!」
BLOXは構造上大型にしにくい為パワーは無い。だが吹き飛ばされた様子から、そのパワーが尋常でない事を表していた。
すぐさまコントロールパネルを操作して、上空からフライシザースに襲わせる。
次の瞬間、鉄人は転がるように倒れ込み、フライシザースの顎のはさみを掴み、上空に投げる。
ぶつかった2体のフライシザースは、きりもみをするように落ちていき、地面に撃墜した。
塩崎「なんて機動力だ!バトロイド並か?」
流れる汗を拭いて塩崎はつぶやき通信機を入れた。
塩崎「さすがだな……ゴッドハンドの中でも強力な”鉄人”を任されてるだけの事はあるな。」
長谷川「……お前は誰だ?」
ズテッ。コクピットの中で倒れる塩崎。
塩崎「俺だよ俺、評議会四霊の塩崎雄二だよ。戦ってたじゃないか。」
長谷川「寝てから後の記憶がさっぱり抜けているのでな……。」
塩崎「まさかあんた……寝ながらたたかっとんたんかい!」
長谷川「うむ……。」
少しいじける塩崎。
塩崎「まあ良い……今回は、ゴッドハンドと黒軍が手を組んだと言う事がわかったのならばそれで良い。」
長谷川「いや……私の相手は別に用意されているようだ……。」
そう言って、長谷川は、がけの上を見つつ腰の剣に手をかけた。
崖の上の人影は、地面に剣を刺し天空に響かんが声で叫んぶ。
?「来ぉぉぉぉぉぉぉい!   聖   剣   王   !」
轟音とともに一つの影が、そこに現れた。

25 :作者の都合により名無しです:04/01/10 20:52 ID:2Kqu0pxW
温泉地で子守りのバイト(尼子の代役)してたと思ったら休む間もなくロボ仕事。
たぶんこき使われ度ナンバーワンの漫画家だと思う。(玉吉やまこリンとかも)

26 :聖剣王VS神の剣:04/01/10 21:10 ID:cXxA9cen
長谷川「”聖剣王”シグリード。アズカルドの神像の一つ。それを使えるのは……。」
評議会四霊   環   望   !
環「塩崎!お前は黒軍基地を目指せ!!」
塩崎「了解!」
とBLOXが足を進めようとした瞬間であった。
長谷川が召還の呪文を唱える。
長谷川(今ので三回目!後これを含めて五回!!)
ダイソードの召還は七回しか使えない。それは逆を返せば、一回の召還は慎重にならざるをえない。
だが長谷川は迷うことなく召還をした。
長谷川「目覚めよ!  ダ イ ・ ソ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ド !! 」
召還されたダイソードにBLOXのミサイルが、レーザーが命中する。が
塩崎「びくともしていない……。」
長谷川「う・ぉ・ぉ・ぉ・ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
竜巻が舞い、BLOX達を吹き飛ばす。
塩崎「なんてパワーだ!それに、まるで思った通りに動いているようだ!」
環「そうだ!あの体が奴の剣なのだから!だが持つ者にその気がなければ棒切れと同じだ。
  だが奴が2の力を発揮すれば4、3の力なら9、4の力なら16の力を発揮する事ができるのだ!
  ここは私に任せろ!塩崎!アズカルドの神像も奴のダイソードも同じ”神の武器”!その力は……互角だ!!」
そう言ってシグリートがダイソードの前に立つ。
その名が誤って伝わり、不死の英雄として伝えれれし、シグリート。
”主たる者の力”の意味を持つダ・ィスォウド(ダイ・ソード)。
二つの神の武器は今ぶつかろうとしていた。

27 :訪れ死もの(14部>>109の続き):04/01/10 23:04 ID:7VwrC2Cg
 藤崎「空が狭い・・・・・・」
店を出るや、藤崎は上空を見上げて、そうつぶやいた。
つられて小畑が空を見ると、果たして天空は巨大な影に覆われていた。

 藤崎「あれは…… 【魔  空  艦   零  寒(ゼロサム)】 !」
                       (初出は10部スレ142)

短く呻いた藤崎に、小畑が聞いた。
 小畑「零寒って……たしか、矢吹直属の独立部隊だっけ?
    Gファンタジーだかの同人女作家だけで構成された部隊……」
 藤崎「ああ、かつて同人軍艦エニッ糞を壊滅させたいわくつきの部隊じゃよ。
    だが、その時は高橋留美子殿がいたことが大きかったというのもあるがな…。
    まあ、それなりに驚異な連中ではある……」
 小畑「どうする?こっちは実質、お前しか戦力がいない。今の俺は頑丈なだけだし……」
 藤崎「ふふ、任せるがよい。例え力があろうとも、所詮は頭の足りない同人女共…
    ワシの頭脳を持ってすれば、いくらでもからめとれる……」
だが、そのとき。
藤崎たちは、全身の水分が逆流したかと思うような、凄まじい悪寒を感じとった!

 小畑「な・・・」
 藤崎「な    に !?」

2人は思いがけず眼を見開き、心の底から驚愕した。
 小畑「そ……そんな」
 藤崎「い…いる…。間違いなく、あの艦に。五聖人クラスの大物が乗っている!
    じゃが、いったい誰だ?高橋留美子はすでに洗脳が解かれているはず!
    そのようなレベルの漫画家が、まだ矢吹の配下にいるなど……!」




28 :訪れ死もの(14部>>109の続き):04/01/10 23:05 ID:7VwrC2Cg
さて、地上で藤崎たちが泡を食っている頃、零寒の艦橋では。
 
 高河「いるいる。慌てて、馬鹿みたいにこっちを見上げてるのが2人」
モニタを覗きこみながら、高河ゆんが冷笑を浮かべる。
 峰倉「どうでもいいけどよ。今回は、たった2人を相手に出動?
    俺ら、安く見られすぎちゃあいねえか!?」
その後ろで、煙草を吹かしながら、大柄な女……峰倉かずやが愚痴る。
 黒乃「任務が戦闘なら、まだいい。
    今回、我らの役目は実質、『あの者』の目付というだけ。
    言ってみれば、この時点で我らの任務は半ば完了というわけだ。…下らん」
だんだら模様の羽織を着た、サムライ女、黒乃奈々絵が吐き捨てる。

 ??「無駄口はいい…」

すると、いきなり黒乃の背後で、声がした。
別段、意識して押し殺したわけでも、ドスを効かせたわけでもない。
しかしそれだけで、黒乃は思わず、腰に差した刀に手を伸ばしそうになる。
その人物の言霊には、そうさせるだけの迫力があった。
 黒乃「くっ…」
自分の失態に舌打ちする黒乃など意にも介さず、男はマントを翻しながら、艦橋の前に進みでる。
とてつもなく巨大な白銀の甲冑を身に着けているため、男の素顔は不明だ。
 ??「あの2人か…」
甲冑の男は、底光りするような視線で、地上の2人を見下ろした。
男は、高河たちに背を向けたまま、平淡な声で言う。
 ??1「貴様らは手を出すな……奴らはこの私と……」
 ??2「俺が始末するよ」
甲冑の男の後を受けて、その巨大な肩に腰かけていた男が言った。


 

29 :訪れ死もの:04/01/10 23:05 ID:7VwrC2Cg
??2「君らの役目は、俺たちをここまで輸送するだけ。
     本当は、この人だけで十分な仕事だけど、あの金髪を殺すには、俺の『力』が必要なんでね」
甲冑の肩に腰かけたまま、その学生服姿の男は、しれっと言った。
 峰倉「……糞が…調子に乗りやがって……」
今回の件が気に入らない峰倉が、ぼそっ…と吐き捨てる。
それを耳聡く聞きつけた学生服の男の眼が、すうっと細まる。
 ??2「なんか言ったかな…?」
その指が、眼鏡のフレームに添えられた。
すると、それに気づいた峰倉が、慌てて男を制止した。
 峰倉「ま、待て!わ、悪かった!だから、その『眼鏡』を外すな!」
 ??2「…………」
 ??1「やめてやれ。こんなところで、余計な力を使うな」
しばし無言で峰倉を睨んでいた男だったが、甲冑の男に言われ、手を引っ込める。 ホーと、安心したように息をつく峰倉をもはや気にせず、2人がハッチに近付く。
 ??1「降下する」
その一言に、高河は怪訝な顔をした。
 高河「こんなところじゃ、リペリング(ロープで降りること)も無理よ?」
 ??1「構わん、やれ」
にべもない男の態度に、高河は呆れながら、緊急用ハッチを開けた。
たちまち、すさまじい風圧が、艦内になだれこんでくる。
 高河「開けたけど、どうするつもり……って、あ!?」
高河が間の抜けた声を出したときには、2人は空中に身を躍らせていた。


そして、地上。
 小畑「な、なにか落ちてくる!……って、ひ、人だ!!」
 藤崎「墜落する!!」

2人の前方で、爆発が起こった。




30 :訪れ死もの:04/01/10 23:06 ID:7VwrC2Cg
巨大な地響きがあがった。
大量の土煙が渦を巻き、藤崎たちに襲いかかる。
その渦の中心に、小柄な影を抱えた、巨大な異形の影がかいま見えた。
その瞬間、藤崎が、風を操る自らの得意宝貝 『打神鞭』を振るった!
 
 藤崎「疾ッ!!」

玩具のステッキのような宝貝が振り下ろされると、たちまち一陣のカマイタチが飛んだ。
真空の刃は、砂埃の渦を切り裂き、その中心にいる影に衝突した。
 藤崎「どっちみち敵には違いない!先手必勝よ!」
 小畑「き、汚い……」
思わず呆れそうになる小畑だったが、次の瞬間、その表情が凍りついた。
砂埃が晴れると、そこには平然と立っている、銀色の甲冑があった。
胸の中心にある、太陽のようなマークが、ギラリと兇悪な輝きを放つ。
 藤崎「な…」
 ??1「ナマクラだな…それでは私の体に毛程の傷もつけられぬ」
白銀の甲冑を着た男は、全てにおいて藤崎たちとは格が違っていた。
藤崎は、確信する。
自分たちは……勝てない。
 藤崎「小畑先生!こいつには勝てぬ!逃げ…!」
叫びかけた藤崎を、刹那、圧倒的な颶風が襲った。
甲冑の男が、両腕からそれぞれ剣を伸ばし、それを構えたまま回転しながら猛然と突っ込んできたのだ。 
その勢いは、まるで小型の嵐のようであった。
 小畑「なんだと!?この技は、まさか――!?」  藤崎「逃げ――っ!!」
次の瞬間、小竜巻が、2人を木っ端のように吹き飛ばした。




31 :訪れ死もの:04/01/10 23:07 ID:7VwrC2Cg
ドガッシャア!!
 小畑「うおっ!?」
空中高く舞い上がった小畑が、思いきり体を地面に打ちつけた。
小畑の体が小柄だったゆえ、天高く舞い上げられ、事なきを得たらしい。
もっとも、それは高度から地面に叩きつけられても平気な、小畑の『特性』によるものだ。
 小畑「ふう、この体じゃなかったら何回死んでるか分からないな。それにしても…」
新たな砂塵を吐き出す地面を見て、小畑はゴクリと唾を飲んだ。
地面がまるで、ブルドーザーか何かで掘ったように、ごっそりえぐれている。
 小畑「(ゴクリ…!)な、なんて破壊力だ…さすが五聖人に匹敵すると言われた男……し、しかし『あの人』が刺客だなんて…」
いったい、何がどうなっているのか分からない。
しかし、とにかく逃げねばならなかった。
今の自分では、藤崎の足手纏いにしかならない。藤崎も、そう易々とは殺されるまい。
あれが、本当に『あの男』だとしたら、とうてい勝ち目などない。
とてもではないが、戦うどころの話ではなかった。
そう考え、急いで小畑が駆け出そうとしたとき。

右腕が切断された。

 小畑「!!!!」
いきなりのダメージに、小畑が膝をついた。
噴水のように溢れ出す血液。
地面に転がった、自分の右腕。
小畑は、自分の見ているものが信じられなかった。
『帰書文』となった自分の肉体は、絶対の防御力を持つはず!?
それが、こうもあっさりと切断されるとは!?
すると、小畑のすぐ後ろから、悪戯っぽい声がかかった。
 ??2「見つけた」
あの学生服の男だった。眼鏡は、かけていなかった。




32 :訪れ死もの:04/01/10 23:16 ID:7VwrC2Cg
     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ??2「無敵のはずの肉体を解体された気分はどうだ?」
驚愕の目で見上げてくる小畑に、学生服の男は言った。
その手には、三つ巴を柄にあしらった、小振りのナイフが握られている。
刃や、それを握った手に血がペットリついているところから見て、凶器はそのナイフらしい。
小畑は、信じられなかった。
 小畑(あのナイフで、俺の右腕を切り裂いたってのか!?)
一般人ですら致命傷を与えるのが難しそうな、果物ナイフ以下の武器で、この不死身の肉体を?
 ??2「そんなに不思議か?自分の肉体を傷つけたのが、こんな玩具だってのが?」
小畑の反応を楽しむように、男は言う。
 小畑「なにものだ…おまえ…」
尋ねると、男は笑った。
 ??2「あんたの『力』は知っている。
     あんたに『名前』を教えるほど、俺は馬鹿じゃない
     けど、死ぬ前に、自分を殺す能力の正体くらいは教えてやるさ」
 小畑「…くっ」
 ??2「 直  死  の  魔  眼 」
 小畑「…なに?」
 ??2「あらゆるものには発生した瞬間から予め決まっている崩壊の時期……つまり『死期』が内包されている。
     その『死』という情報が、俺には『線』として見えているのさ。その『線』をなぞるだけで……」
つぶやきながら、男が近くに転がった椅子を、撫でるように切りつけた。
それだけで、椅子はまるで紙を裂くようにバラバラに解体された。
 小畑「な…」
 ??2「こんな風になんでも解体できる。外的要因も、魔術的要因も関係なくな。
     そして、そいつは……あ ん た も 例 外 じ ゃ な い 」

そう言って、『真月譚 月姫』の作者、【佐々木少年】は嗤った。




33 :訪れ死もの:04/01/10 23:20 ID:7VwrC2Cg
一方、小畑が死の危険に瀕している頃。
藤崎もまた、絶望的な現実と向かいあっていた。
 藤崎「な、なぜ…。なぜ、お主ほどの漫画家が、矢吹などに……」
 ??1「矢吹様は私を必要としてくれた…だから、私はその恩に報いるまでのこと」
 藤崎「馬鹿な…眼を覚ませ…」
 ??1「問答は無用だ」
吐き捨てるや、甲冑の男が、再び腕の刃を構え、突っ込んできた。

 ??1「 地 獄 の メ リ ー ゴ ー ラ ウ ン ド !!!」

死をともなった台風が、藤崎を木の葉のようにぶっ飛ばす。
為す術もなく、藤崎は圧倒的な破壊力に翻弄された。
 藤崎「なぜだ!なぜ、黄金時代を築いたお主が!! 

     ゆ   で   た   ま   ご !!」

 
必死な叫びに対し、甲冑の男は言った。
 ??1「そのような、相棒と区別がつかぬ名前は捨てた。
     私はゆでたまごにして、ゆでたまごにあらず。
     矢吹様に敵する全てを撃ち滅ぼす、地獄の軍団長。そう我が名は…」

  
      ゆ    で    将     軍       !!!!


34 :作者の都合により名無しです:04/01/10 23:36 ID:NBBJd4xr
ダイヤモンドボディキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

しかし月姫って漫画あったんだ・・・詳細キボン

35 :作者の都合により名無しです:04/01/10 23:37 ID:2Kqu0pxW
キャラテンプレ追加よろしくです・・・
って16部テンプレいるかな〜あまり変化ないけど

36 :訪れ死もの:04/01/10 23:37 ID:7VwrC2Cg
『電撃大王』って雑誌で、漫画版が連載されています。
作者は、『佐々木少年』というペンネーム。

37 :作者の都合により名無しです:04/01/10 23:41 ID:NBBJd4xr
>35
新キャラの追加だけでいいと思う。
>36
d
あずまんが載ってたやつだっけ?

38 :訪れ死もの:04/01/10 23:45 ID:7VwrC2Cg
>>37
イエス。
あと、ガンスリンガーガールとか。

39 :作者の都合により名無しです:04/01/11 00:11 ID:CmbIILbs
ゆで2号が最後に登場したのはいつだったっけ?
今までの間に、いったい何があったのだろう・・・

40 :作者の都合により名無しです:04/01/11 00:16 ID:52fY52zv
>39
たしか六田に矢吹艦へ送ってもらって以来のはず。(部数はわからん)

小畑 VS 佐々木は、同質の性質同士の戦い
藤崎 VS ゆで将軍は、相反する性質同士の戦い(屁理屈 VS 理不尽)
ってことになるんだな。小畑戦えなさそうだけど。

41 :作者の都合により名無しです:04/01/11 01:35 ID:7H2RbrtA
ゆで・・・・てっきりスグルとアタル見たいな関係だと思ってたけど
銀のマスクと金のマスクだったかw

42 :神様の悪戯:04/01/11 01:44 ID:VEyqT3Gl
食いっぱぐれたにわのが広間の隅の壁際でいじける。
みっともない姿に呆れた臨時審判・樋口が立ち上がり、煤けた壁際の後頭部に膝蹴り。「痛ッ!?」
 「なによ。島では散々格好つけておきながら。あなたが森田先生と話してた時に、
 私の注意も聞かずにルール違反して逃げたばちが当たったんだわ(12部292・301)」
 「ほえ?君はあの時の覆面審判さん?んーまあドンマイ」
 「ドンマイじゃない!私はあなたみたいな不真面目な人が大嫌いなの!反省しなさい!」
 「そーカッカしないのー、男にモテないじゃん・・・ふごっ!!(バキィッ)」
 「最っ低!」 ――本宮の真似は無理。二度目の膝蹴りで壁とサンドイッチにされた。

その後彼を憐れんだ漫画家たちが、余ったオカズを彼に分け与えた。
ありがたく戴くにわのの元に、克・亜樹が神妙な顔つきで近づき耳打ちする。
 (先生、気になることがあるのですが)
 (モグモグ克さんなあに?)
 (ほった先生、知りませんか?今の今までなぜか忘れていたのですが・・・ふと思い出して)
 (あーそいえば島ではぐれたような。時空移動できるらしいし大丈夫だモン〜)
 (ええ、そちらの方はあまり心配はしていないのです。そのね、なぜ「忘れて」いたのかなと)
 (脱出するの大変だったし仕方が・・・あ、そういえば)
 (そういえば?)
にわのは少しためらうが、すぐに明るい顔になって先程より大きな声で話し始めた。
 「ほった先生、風の噂じゃ既に死んでたって聞いてたモン。
 でもああして審判してた。もしや≪バティ≫も生きてる・・・なんてー。
 この前原作無しで漫画描いたらメカボディが壊れて死んじゃったとか噂があって、でもね・・・」
 「バティ?」聞きなれぬ単語にとまどう克。
 「あーバティっていうのは、ボクの一番のお友だちの名前。
 ボクのデビューからずっと仲良しで。一応ボクが師匠格になってるけどそんな事ないし。
 ボクよりずーっと絵とか上手いし面白い男だし、よく田舎の野菜もらってたし。
 生きてたら嬉しいなあって・・・バティってのは苗字が小畑だからで」

生命の危機に晒されている小畑健。
その小畑と魂が繋がっているほったゆみ。
彼らの常に他者に翻弄される運命が、いたずらな側面を縁者に見せた、のかもしれない。

43 :訪れ死もの:04/01/11 16:40 ID:RUOwTyEo
ドガッシャア!!
ゆで将軍の繰り出す技を受け、大地に叩きつけられる藤崎。

藤崎  「ぐっ・・・!!
     (あばらが折れたか・・・。なんということだ…鳥山先生と並ぶ
      五聖人クラスの力を持つ漫画家が相手とは…。小畑先生・・小畑先生は!?無事なのか?)
     バカな、『帰書文』の力が・・・!!」
宝貝『千里眼』で小畑を追う。死んではいないが無事ではない。絶体絶命の危機は続く。

藤崎  (わしは・・・ここまでなのか?)
様々な人々の顔が思いをよぎる。
盗用された藤崎の技術で苦しむ小畑とほった。自分を認めこの件を託してくれた車田。
分割された別の魂魄が引き起こしたこととはいえ、
かつて2度にわたり襲った相手を許してくれた荒木とえなり。
そして・・・
??  「負けないのね〜ん!!」
道具として争いに巻き込んでしまい、結果、間接的とはいえ命を落とすことになった親友。

藤崎  (そうだ。・・・おぬしのような者を増やしてはならない。そう思ってやってきたのだ・・・。
      なんとしても小畑先生だけでも・・・!!)
ヨロヨロと立ち上がる。体中が痛い。多少仙人骨の力で丈夫だとしても相手はゆで。
無傷のはずが無かった。

藤崎  (しかし、矢吹はなぜわしだけでなく小畑先生までも殺そうとしているのだ?
     小畑先生がいなくなれば真島も自分の下を離れる・・・腑に落ちん。
     真島が不要になったとしても、師匠である小畑先生を切る理由が見つからない。
     そういえば矢吹の姿がDブロックに向かったのを最後に見当たらない・・・。
『千里眼』でもその姿を追えないとは・・・。これは本当に矢吹の意思なのか?)

44 :巨星、接近遭遇:04/01/11 23:51 ID:CmbIILbs
松椿本館より、そう遠くない場所にあるゴルフ場。
そこへ、酒に酔った赤ら顔の巨漢が、ふらりと現れた。
本宮ひろ志である。
右肩の怪我も治っていないのに、にわのの制止も聞かず、従業員に強引に場所を聞き出して、来てしまったのだ。
「フー、いい気持ちだぜ。さぁ〜てと、いっちょかっ飛ばすか!……おや?」

バシイイイ!

本宮の目の前を、強烈な弾道がカッ飛んでいく。
見事なストレートボールとなった球は、見事にフェアウェイのド真ん中に落ちた。
ボールが飛んで来た方角を見やると、300ヤードほど向こうに、クラブを構えた人影が見えた。
「おーおー、すげえな、あいつ。どっかのプロか?」
興味をそそられ、やや遠間から、本宮がその男に声をかける。
「おーい、あんた凄いな!」
愛想よく手を振って、本宮が、帽子を目深にかぶったその男に近付いていく。
と――。
いきなり。
その男は、あろうことか、新たなボールをなんとこちらに向かって撃ってきたではないか!
先程の数倍もの迅さを持ったゴルフボールが、本宮の顔面めがけて吹っ飛んでくる。
本宮「なに!?」
唸りをあげて襲いかかる殺人ボールが、本宮の顔面あたりで弾けた。
ボールはブスブスと焦げ臭い煙をのぼらせ、本宮の掌に収まっていた。
本宮が、すんでのところで、左手でゴルフボールをキャッチしたのだ。
「てめえ! あぶねえじゃねえか!! なに考えてやがんだ!!」
一気に怒り心頭の本宮が、ずかずかと大股歩きで、怒気を漲らせながら、男に近付いていった。

45 :巨星、接近遭遇:04/01/11 23:58 ID:CmbIILbs
鬼のような形相で、肉薄する本宮。
しかし、帽子の男は、涼風でも浴びているかのように、小揺るぎもしない。
むしろ、状況を楽しむように本宮に話しかけてきた。
「いや、すまんね。ちょっと手元が狂った」
「そんな言い訳が通るとでも思ってんのか?」
元来、短気な本宮である。
男の行為も態度も、本宮には我慢ならなかった。
今しも、本宮が殴りかかるであろうと思われた、そのとき。
帽子の男が、ふいに言った。
「しかし、さすがってとこかな。あの島を生き延びただけのことはあるぜ。裏御伽チーム大将、本宮ひろ志」
「なに!?」
こいつ、なんで俺のことを知っている?
それに、こいつのこの余裕ぶりはどうだ?
「何もんだ、てめえ……」
押し殺したように、本宮が言った。
すると、男が帽子をとり、投げ捨てた。
その下から、異様に前髪の長い、男の顔が現れた。
驚愕に強張る本宮を尻目に、男――ちばてつやは、不敵な笑みを浮かべた。
「会いたかったぜ、大将」

 本宮ひろ志と、ちばてつや。
 
 危  険  な  接  近  遭  遇  !!

46 :新しい友:04/01/12 00:07 ID:hac8jD+C
騒がしい昼食会も程ほどにお開き。
武井が腹の上にのせていた仔狐が目を覚まし、
キョロキョロとした後かわいらしいあくびを浮かべる。
 「うおー!こんなんいたのかカワエエ〜!」
 「抱かせろー」「俺が先だー」「ふにゃ」「うまそう・・・」
小動物好きの連中がキツネに気づき、目の色変えて武井に近づく。

 「そんな大人数で来られても・・・えっと、こいつの気性とかわかりませんから、
 噛みついたりしても俺は責任追えませんからね。大事に扱ってくださいよ」
武井が渋々キツネを手放す。夜麻みゆきがレディファーストでキツネを抱き寄せる。
 「うあーかわいいな〜。ねえねえおにいちゃん、この子なんていう名前なの?」
 「え?・・・そうだなあ・・・」
ふっと遠い目になる武井。
このキツネと鉢がねを残して何処かへ“去ってしまった”友を思い出す。
 「そうだな、こいつの名は『キッシー』!かわいがってやってくれ」
 「キッシーだね!うわーいキッシーよろしくね〜」
夜麻が大きな瞳をさらに広げてニコニコ微笑む。周りの漫画家達もなごんでいる。
【元・三炉里魂】武井のハートがちょっぴりうずうずしたのは誰にもナイショ。

 「ねえ、タケイのおにいちゃん。キッシーにミルクあげたいのー」と夜麻。
 「あげたいの!」「あげたいの!」なぜか輪唱する藤井と旭。
 「そういえばコイツにごはんやってないもんな。幹事さ」
ひゅばっ!(ドドドド)・・・ザシャアア!!「あいよー人肌ミルクー!」
さっきまで本宮を引き止めてた男が光の速さでミルクを持って駆け戻ってきた。
(にわの・・・すっかりパシリだな)森田が遠くで苦笑い。哺乳瓶でミルクを飲むキッシー。
すっかり慰労会のアイドルである。にわのは既にどこかに消えていた。
 「・・・〜〜〜〜ったくあの酔っ払いおやぢわーっ!絶対ふんじばーる!・・・」
宿の外から聞こえる叫び声。どうやら本宮を捜しているようだ・・・。

 「俺、飲み会とかあっても幹事だけはやりたくねー・・・」
 「同感だな、尾田君」
隣り合う尾田と巻来が、奇遇だねとばかりに追加のビールを注ぎあった。

47 :読み違える:04/01/12 01:41 ID:QpeyJ29M
旅館・松椿
混浴露天風呂

ひたひたと冷たい岩床を闊歩しながらタオルの合わせ目を胸元で握り締め
顔だけを先行させるように辺りを見回した山田秋太郎は、聞かせるとも無く呟く。
「……誰も、居ませんね……?」
三つある浴場。男湯、女湯、混浴の内どれに入るか随分迷ったが……どうやら正解だったようだ。
女性からすれば「なんで好きこのんで」だろうし、
男性からすれば「がっついてると思われたくない。それにどうせ…」であろう。
山田には、両方の気持ちがなんとなく分かった。
膝をついて持参の桶を傍らに置き、岩風呂の端に積まれた木桶に湯をすくって、簡単に体を流す。
躊躇の後に思い切ってタオルを脱ぎ捨て、裸身を首まで喫水させる。
我知らず、溜息が漏れた。
露天特有の澄み切った空気に、立ち昇る湯気が消えてゆく眺め。
樹は瑞々しい緑を煌かせ、巌はしっとりと露を纏って黒い。蒼い空。白い雲。
そういえば、空など見上げたのはいつぶりだろうか。
「――――――気持ちい―――――――」
伸びをする。
肩と首を鳴らして目を瞑り、石段を枕にあらゆる力を抜く。
悪いものが溶け出し、良いものが沁み入る。半ば本気に、錯覚を物理として感じながら。極楽過ぎて。
罪悪感が湧いた。
(――仕事――……してないなぁ……)
ぽりぽり
ほのかに染まった頬を人差し指が掻く。

48 :読み違える:04/01/12 01:45 ID:QpeyJ29M
(平野さんはああ言ってたけど……やっぱりなんか破壊工作とかした方がいいかなぁ……?)
湯の撥ね音と共にうつ伏せになり、岩に顎を乗せる。
「……むぅ〜」
温泉でも当然の如く外さなかった眼鏡に添えた手が、しかし動かない。
(……???…………ああ、そうか)
どうも纏め上げたロングの髪が、フレームを巻き込んで固定してしまったらしい。
『癖』を不完全燃焼で止められた腕が、無意識に物足りなさを埋めるように、持参した桶に入れてあった本(防水)を探った。
なめらかで速く、かつよどみない動きで引き寄せ ぺらり、とめくった本を……
慌てて閉じる。
今読み始めてしまっては、またなにもかも忘れてしまう。それはマズイ。
とにかく方針なりを決めないと……。
(……ていっても……)
あらゆるチームに喧嘩を売っておけば平野あたりは大喜びしそうだが、それでは自分が持たないだろう。
勢力間で暗躍して不仲を煽り『火種』を撒き散らせば、『大戦争』の一助にはなるだろうが、そんなスキルがそもそも無い。
(暇そうなのやハグレ者なんかを大隊勧誘……しても喜ばないだろうな……誰も……)
ああ。
つくづく自分は、大隊の行動原理と相性が悪い。
「なんで居るんだろうな〜」
両目と唇を、それぞれ一本線にしてダレる。しかし疑問を口にはするものの、答えは明白だった。
「……英之のばかぁ〜」
薄く開けた目、霞む視界。
ころり、と顔を転がすと、ひんやりとした感触が片頬に心地いい。
「……いい加減にしとかないと。嫌いになるぞ〜」
なんて。
自分でも無理だとわかっているけど。
どのくらい『この姿』でいるのか、もう記憶すらおぼろだが、それすらアイツの『お気に召すまま』なのだから。

49 :読み違える:04/01/12 01:50 ID:QpeyJ29M
(そういえば、もう随分会ってないな)
お陰でただでさえ頓着無い身なりに更に気を遣わなくなった。そういえば風呂も久しぶりだ。
(そうか。ああ……体ちゃんと洗わず入っちゃったな……)
今更気付く。
ごめんなさい旅館の人。
既に偽造したり騙したりとイロイロしてしまった従業員が頭に浮かぶ。
(…………)
……もう上がろう。全ては、おいおい考えればいいことだ。
本の誘惑がある限り、自分にはそう長い思考の猶予は無い、という事実は。
のぼせ気味でもあったせいかその時は気付かなかった。

そんなことが吹き飛ぶような危機が、迫ってもいたのだ。









徳弘 「……おい、これ女物じゃないか?」
古谷 「だな。ちょっと野暮ったいけど」
木多 「ウホッ」
桂  「止しましょうよそんな……」
あんど「混浴とは女勇者だな。突貫するか?」
桂以外『無論』
桂  「僕は遠慮…」
木多 「まあまあ、そう恥ずかしがるな」←(両刀)
桂  「ちょ…引っ張らないで下さい!マズいんですって!俺はホント!」

50 :作者の都合により名無しです:04/01/12 01:53 ID:hac8jD+C
なんかキター(ノ∀`)

51 :作者の都合により名無しです:04/01/12 02:46 ID:xpoJCmUm
>>49
きたよw

52 :こちらも進めませう:04/01/12 14:02 ID:YcHWuTzl
闇。
茫漠たる闇が、銀髪の青年の前に立ちふさがっている。
青年は、銀色の輝きを放つ槍を構え、眼光を閃かせて闇へと走っていき――
闇に喰われた。
青年がドス黒い血に染まり、四肢を分断され、阿鼻叫喚の叫びをあげた――

「安西君!!」
叫びながら、高橋留美子がガバッと跳ね起きた。
そして、辺りを見回し、自分が見た光景が現実でないことを悟る。
留美子「ハァハァ……夢…?」
どうやら悪夢にうなされたらしい。
不吉な夢だった。
留美子「まさか、安西君の身に何か……」
嫌な汗で、服がグッショリと濡れていて、気持ち悪い。
とりあえず着替えてから、安西の様子を見に行こう。
そう思い、寝巻きの前をはだけた瞬間――

安西「留美子さん! 何かあっ…! …って」
留美子「…………!!」

刻が凍った。
そして、動き出す。

安西「ぶべらっっ!?」
怒りと羞恥のあまり、妖怪化した留美子に、安西は天空の彼方まで吹っ飛ばされた。
数十秒後、安西が流星のごとく、吹っ飛ばされたのと同じ位置に激突した。
血沼に沈みピクピクと痙攣する安西と、興奮に息を荒げる留美子を見て、車田正美は、後にこう語ったという。

「俺以外に、ギャラクティカマグナムを使える者がいるとは思わなかった」




53 :こちらも進めませう:04/01/12 14:03 ID:YcHWuTzl
留美子「まったく……帰ってきてるなら、そう言いなさい」
安西「だ…だから、俺はそれを言おうと思って……そうしたら、留美子さんの叫び声が聴こえて……」
包帯でグルグル巻きにされた状態で、安西が呻くように言う。
カムイ(こいつ、さっきの戦いよりダメージ受けたんじゃ……)
横でカムイが思うが、口には出さない。
ようやく、留美子の機嫌が回復したところだ。下手に蒸し返すのは良くない。
一方、留美子は悪夢が現実化しなかったことで、一安心していた。
今は、笑顔だ。
車田「それにしても、あれだけの惨状で、よく無事だったな」
カムイ「渡辺の奴が、『パンドラの便器』を持っていたのが幸いした。
    あれは本来、魔物を封じるものだが、用途はそれに限らないからな
    まあ、あれを全部、吸い込むことは出来なかったが、脱出する分には十分だ」
車田「で、その渡辺とやらは何処に?」
カムイ「無礼ド内の自分の部屋にいる。
    あいつには色々と聞きたいことがあるんだが…そんな雰囲気じゃなくてな」
腕組しながら、カムイが難しそうに言う。
留美子「私が寝ている間に、そんなことがあったのね……」
安西の包帯を巻いてやりながら、留美子が憂いを帯びた表情で言った。
その様を見て、カムイはあらためて思う。
カムイ(ドクターや土塚に聞いていたのと随分違うな…やはり洗脳されていたというのは事実だったのか…しかし…)
この混迷の状況では、1人でも多くの味方が必要なのは事実だ。
しかし、この高橋留美子を保護することは、吉と出るか凶と出るか。
安西のときとは、また状況が違う。
高橋留美子は外部もそうであるが、それ以上にエニックスの者達に恨みを抱かれている。
ドクターや土塚、それに城平と水野のスパイラルコンビなどは、その筆頭だろう。
また、留美子は裏の仕事がメインだった安西と比べ、大会最中での暴挙などに代表される、その残虐さへの知名度が段違いに高い。
果たして、大会関係者が一同に会する中で、それがどのような火種になるか。カムイの胸中を、一抹の不安がよぎった。

54 :こちらも進めませう:04/01/12 15:01 ID:YcHWuTzl
留美子「ところで安西君。その髪は…?」
安西「ああ、これか…」
言いながら、安西が自分の『黒髪』をつまむ。
安西「衛藤が開発した、特殊な染料だよ。
   熱には弱いが、剥がれても一時間としないうちに、元に戻る。
   銀髪のままだと、今回みたいに目立ってしょうがないからな…」
留美子「目は…?」
安西「右目の方はカラーコンタクトで隠してる。左目はなぜか銀色にはならなかった」
??「衛藤先生は、そういう方面の技術への造詣が深いから」
ふいに響いた声に、場の空気がギクリと強張った。
部屋の入り口に、いつの間にか、荒川が立っていた。
いたるところを包帯で巻いた、痛々しい姿だ。
右腕はなく、羽織っただけのYシャツの右袖部分はダラリと垂れ下がっている。
安西「荒川!? 大丈夫なのか、起きても?」
荒川「まだ少しふらつくけど、これくらい慣れっこよ。
   もっとも、衛藤先生に新しい義肢を造ってもらうまで、錬金術は使えないけど…」
そう言って、荒川がもたれかかった壁から背を起こし、こちらに歩み寄ってくる。
その視線は、真直ぐに留美子へと注がれていた。
鉛を飲み込んだような、呵責に耐えない顔を浮かべる留美子。
その表情には、悔恨が滲みでていた。
荒川が、ゆっくりと、しかししっかりした足どりで距離を縮める。
場に、緊張が高まった。

55 :告知:04/01/12 18:21 ID:YcHWuTzl
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56 :釣りッキーズな午後:04/01/13 04:07 ID:urwAdyU5
昼食もほぼ終わり、夕方まで自由行動。
風呂に向かった者、ゲーセンで遊ぶ者、チームごとの団体部屋で休む者。
真船のもとで手当てやマッサージ、整体治療などを受ける者。
勝手に外部に飛び出して行方知れずの者は誰かさんぐらいで。
許可を取ったものなら何名かいたが。岡野剛もそのひとり。
にわの提案の「釣り」に賛同した岡野以下数名が提案者を見捨てて、
宿から割と近くにある“海づり公園”にやってきた。道具類は宿で借りた。
綺麗な海、爽やかな風。これで石鯛なんか釣れた日にゃ最高な気分。しかし。

 「岡野先生、目つきが怖い・・・」なんとなく同行した乙が少しずつ彼と距離を取る。
 「相棒のごつい学ラン男も怖いぞ。影、ないし」釣り竿の先を気にしながら、あだち充が言う。

調子のいい日は実体化できる幽霊・真倉翔。しかし疲労困憊、
先ほどまで岡野の左手の中で熟睡していた。だが「血」がうずき、目が覚めた。
誰の? 岡野剛の血。 なぜ? 彼がいわゆる釣りキチだから。そして真倉も。
釣りが、したい。お魚釣りたい。
 「釣気(ちょうき)だ・・・釣気を限界まで溜めるんだ・・・そして一発に賭けるんだ」「おうよ・・・」
ブツブツつぶやいて謎の気合をチャージする岡野と真倉。
あだち以下他の釣り客も徐々にふたりと距離を取る。
乙は不気味な空気にげっそりし・・・企画の発案者を恨んだ。と。
岡野のウキが突如ピクピクと動き始めた。かかった!?
 「「・・・来たっ!!釣気MAXだ!!(ピキーン☆)」」岡野と真倉が同時に叫んだ。

 「重いぞこいつ!」「負けるな真倉!」「おりゃああ!」「ぐぬううう!」
極限までしなる竿。糸の限界に挑みつつゆっくり獲物を釣り上げるふたり。そしてついに・・・
ザバァァ!! 巨大な魚影は見事海上に持ち上げられ・・・たと思ったらそれは。
 「タコはほ乳類だモーン!」タコに化けたにわのまこと。真倉の手で速攻海に投げ捨てられた。

 「非道い!ボクはただ間違えて異世界(>>55)に行っちゃって、
 必死に帰ってきただけなのにー!本宮せんせーどこだモーン!うえーん海のばかやろー」
 「うるせえ!魚が逃げるわ!」どこまで行っても人騒がせな男であった。

57 :読み違えるA:04/01/13 06:37 ID:AplLhP33
ガヤガヤという話し声の後に、すのこを踏む音が近づいてくる。
慌ててタオルを巻いて岩風呂に飛び込むと、丁度そのタイミングで、数人の男性グループが入り口から姿を見せた。
まず一人目は誠実そうな青年。しかしどう結んだのか腰のタオルが『ちまき』を作っている。
あんど「こんにちわお嬢さん」
微妙に腰を突き出しながら、体を流して湯に浸かる。
古谷「いい天気ですね」
二番目にそう言った体毛のえらく濃い男は、離れていてもそれとわかるほど体が臭い。…ワキガ、だろうか?
しかしそれは人として言ってはいけないことだ。
桂「勘弁してくださいよ!大体俺がモテると『死ね死ね団』とか言う癖…」
抗議しながら引き摺られてくる優男が、私を見た途端ぎくりと体を緊張させ、構える。
しばしの間の後、不思議そうに表情を変えると、まじまじと私を見て「どうも」と会釈した。
そして引き摺ってきた男の方は、辺り構わず
木多「いいじゃないかいいじゃないか」
と鼻息荒く優男の体にスキンシップを図ろうとする。「やめ…」「初めて?」「何考えて…」「ウホッ」「どこ触ってんすか!?」
……賑やかな事だ。
最後に入ってきた男は、筋肉質であること以外にこれといった特徴が無い、
彼はしばらく無言のまま温泉に身をひたしていたが、やがて目を逸らしたまま私にこう聞いてきた。
徳弘「ええと……失礼、どちらのチームの方でしたかな?」
……殆どの面子が、ロクに体を流しもしなかった。
自分も人の事は言えないが、せめて体なり流すべきではないか?(特にワキガ男)
山田「……いえ、審判です。」
岩風呂の構造上次々と入ってくる男達に奥へ奥へと追いやられ、上がりにくくなってしまった。
どうしたものか。そう上の空で嘘を答える。
あんど「ほう、試合中はお見かけしませんでしたが、よろしければお名前を伺っても?」
山田「山田秋子、です。」
自分でも偽名くさいとは思うが。宿帳に「山田秋…」まで書いて気付いたのでどうしようもなかった。
徳弘「……申し訳ない。どちらで連載されていた方でしたかな?」
山田「『パピポ』とか……いわゆる十八禁で……」
こう言えばなんだか微妙な空気が漂うもの。なるべく深いツッコミを避け、人間関係を形成しない為の苦肉の策だ。
だがその思惑は、残念ながら半分図に当たらなかった。

58 :読み違えるA:04/01/13 06:42 ID:AplLhP33
あんど「おお成る程。道理で女性ながら風流の分かる方だと……下地があったのですな。」
徳弘「然り」
古谷「他のオナゴ連中は、僕達が誘っても嫌だ嫌だとゴネるばかりで」
あんど「全く。……我等が襲い掛かるとでもいうのか」
徳弘・古谷(え!?駄目なの!?)
なんだか驚愕している二人に、ちまき男は気付いていない。
あんど「プールにはプールの。チラリにはチラリの。そして混浴には混浴の良さというものがある」
山田「…………」
あんど「それぞれの場で許されるギリギリを楽しんでこそのワビサビだと、
    それくらいのことは分かっている。彼女達には誤解されてしまったようですがね」
山田「…………」
あんど「この場でしていいのはあくまで『谷間を楽しむ』『残り湯を飲む』『背中を洗い合う』etc…」
山田「…………」
あんど「夜這いは夜まで待ちますとも、それがルールですから。」
徳弘「な、なんだ(^^;)」
古谷「脅かさないで下さいよリーダー♪」
あんど「?なんのことだ?」
山田(……………………こ い つ ら……ヤ バ イ !!!!!)
思わず「中身は男ですよ私!」と、恥も外聞も無くバラしそうになるが
先程から無言の二人(木多と桂)に目を向ければ、なにやら貞操の瀬戸際での攻防が繰り広げられている。
どうも『女でなければ安心』というわけでも無さそうだ。
あんど「……ああ申し遅れました。我等は『真・変態チーム』。そして私は、リーダーのあんど慶周と申します。」

59 :屋根の上の爆弾男:04/01/13 17:30 ID:QdQZi4ST
宿の隣の喫茶店で昼食を終えた例のバス運転手さん。
好々爺の変装をしつつ、口に楊枝をくわえながら機嫌よくバスに戻ってきた。
 「やーれやれ〜。盗聴器つけといたけど、なーんも収穫なかったねぇ〜。
 出張ついでに横山のとっつぁんに鹿児島土産のひとつでも買っておこうかねぇ〜?」
とか言いながらなんとなくバスの屋根を見ると・・・なぜかハゲの生首が載っている。
 「のゎっ!な、な、なんだぁあ〜!?」面食らった運転手が屋根の上に飛び乗る。
天野辺りに見られたらやばかったが幸い目撃者はなし。
屋根に登ってみると、その生首は目を瞑っているもののきちんと胴体と繋がっている。
ただし首から下はバス2階部分に・・・。
 「・・・も〜しかしてもしかすると、屋根修理した時に一緒に縫いこんだ?まぁさかぁ〜」
運転手がどこからか羽ぼうきを取り出して、眠る生首の鼻下をくすぐる。
コショコショ
むずむず
生首起床。
 「 ぶ わ ぁ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 っ く し ょ い ぃ !!!! 」
 「うえっキッタネェの・・・どわーっ!?」
生首――宮下あきらが目覚めのくしゃみをすると、
軽量の運転手が口からの風で、唾とともに屋根から落ちてしまった・・・。

 「いやご老体、詫びを申そう。わっはっは。
 わしは巨躯ゆえ座席から立った際屋根を突き抜けてしもうてな。
 この陽気でついそのままうとうと眠ってしまったが、
 おかげで昼食を食いそびれてしまったようじゃの。今から食ろうてこようかのう」
剛胆な宮下は笑いながら首と胴を分ける屋根に指を刺し込み、ぐにゅっとひねって穴を広げる。
そこから屋根の上によじ登り、ひょいと飛び降りた。どすんと鈍い音が響いた。
 「では、さらばである!」宮下は松椿の中に消えた。


 「・・・まぁ〜た屋根の修理を呼ばにゃならんのかい」
運転手が呆れる中、衝撃で目を覚ました荷物室内の福地は。
 (・・・今の声・・・どこかで・・・まさか、俺としんを追ってゴッドハンドが!?あわわわわ〜はうっ)
パタリ。気絶した。

60 :おねがい☆師匠(ティーチャー):04/01/14 01:42 ID:qyKHYUmy
 「青山君!昼食も終えた事だし、温泉の前に軽くロードワークへ行かないか」
 「オス!松江名師匠、どこまでもついてゆくっぺよォ!」
・・・松江名の≪軽く≫ほどうさんくさいものもそうそうないが、
ともかくランニングに着替えた青山広美は袴姿の松江名が待つ松椿玄関口にやって来た。
念入りにストレッチをする青山を微笑ましく見守る松江名師匠。
ふと玄関奥に人の気配。しかしおかしい、人影はひとりだが気配はふたり。
松江名がよく観察すると、影はなぜか自分の首根っこをつかんだ『右手』に引っ張られ、
物理法則を無視した動きでズルズルとこちらに移動している。
『身体』は必死にここから逃げようとするが、『右手』がそれを許さないのだ。
やがて『身体』は抵抗をあきらめたらしく、葬式の列に並ぶような暗い面持ちになる。
『右手』は彼を松江名の前に引っ張り出すと、ぐにゃりと変形し口を開け、喋った。

 「マツエナ、君を見込んでお願いがある。
 私の“相棒”カズロウを基礎から鍛えてやってほしい。
 私に頼る闘いではなく、私を巧く使いこなす闘いを覚えてもらいたいのだ」
 「・・・あなたは、何者?」
 「岩明均。漫画家だ」

 「・・・ボクは別に闘いたくなんかありませんっ!
 確かにスプリガンの端くれでリザーバー選手でしたけど、戦闘は苦手です!
 松江名先生、同じサンデーのよしみでボクを見逃してくださいっ」
情けない顔と発言の井上和郎。奇縁で右手に岩明が寄生して以来、
得体の知れない右腕に振り回されっぱなしで正直疲れていた。
しかし岩明は執拗に特訓を迫る。「カズロウ・・・」「い・や・だ!」
青山が準備運度を終え松江名を待つが、師匠は井上じっと見つめたまま動かない。
そして松江名が重い口を開く。
 「井上君。島で君は岩明先生に助けられた。次に君が死地に立った時、また彼に頼りきるつもりかい?
 ・・・万能の腕を持とうと、地に足つけているのは君だよ」
 「・・・・!!」黙り込む井上。

数刻が過ぎ、井上がぽつりと言った。
 「・・・わかりました。松江名先生、よろしくお願いします」 生きるための特訓が、始まった。

61 :追いかけて永遠の人:04/01/14 11:31 ID:lcepsCOh
 「追いかけっぞ ヤロウ‥‥!! うるぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
 「(か‥‥帰りたい‥!?)」

佐木飛朗斗にケンカを売られ、100倍返しするため梅澤は佐木を追いかける。
愛車(バイク)の後部座席にえなりを乗せたまま。
梅澤はゴーグルのみ、えなりはフルフェイスのヘルメット姿で、矢吹艦ハイウェイを爆走する。
時速は200キロを超え、えなりは己の騒動に巻き込まれやすい体質を恨んだ。
 「うるァァーーーーーーー!!あのクソガキャあーーーぜってぇぶっ潰す!!」
限りなく直線が連なる高速道の、遥か先に点として確認できるバイクの男―――佐木。
梅澤は躊躇することなくグングン速度を上げてゆく。

パラパパラパパラパパー

絡まれた。一般人。ただのどこにでもいる暴走族だ。
10数台のバイクと数台のスポーツカーで、梅澤とえなりの周囲を同じ速度で走り、囲む。
族たちは手に手に金属バットやら斧やら棍棒やらを持っている。牽制のつもりか時々振り回す。
梅澤は佐木に気を取られてる中、彼らを無視してバイクを飛ばす。
やがて族たちが前方に飛び出し梅澤の進路を阻みに来て初めて・・・梅澤が動いた。

 「雑魚が・・・ 消 え や が れ 」 
梅澤がハンドルから左手を離し・・・左手は大きく変形し竜の顎となりそして・・・

 「 ス カ ル ・ ド ラ ゴ ー ラ !! 」     ど  ご  ん !!!!

超高圧の熱光線が飛び出し、梅澤の前方の道路を溶かし巨大な穴を開ける!
周囲はドラゴーラの熱波に一瞬で焼け落ち地獄の劫火となる!
うぎゃあ・・・ひええ・・・ 族のバイクがブレーキでも止まらず何台も穴に吸い込まれゆく中、
梅澤のバイクはますます速度を上げ――――  
 「坊主、しゃべるなよ。舌噛むからな。 飛 ぶ ぜ !! 」 「・・・・!?」

 バァン!   ―――限りなく深く巨大な、溶けたアスファルトの海の上。 梅澤は、飛竜になった。

62 :作者の都合により名無しです:04/01/14 17:35 ID:PUD91awZ
なんか、もう一回サムライダーが出てきそうな・・・

63 :スプリガン隊長のつぶやき:04/01/15 01:51 ID:6c2LPGRx
たくさんの洗濯物が風にたなびいて気持ちよさそう。
無礼ドの屋上部分、解放された屋根に登り、
俺はひとり遠くの海を眺めています。

今日の事。
いつかは笑い話になってしまうんだろうけど。
爆弾抱えた男がそれを投げ捨てようとしていたから、
とっさに支持したんです俺、ほらリーダーだし。
投げました。飛びました。ドームの解放部分から出て行きました。
気がついたら人工衛星が落ちてきてました。
慌てて近くの人たちを避難させようとしたら安西たちと他いろいろな人がいて。
何名か抱えて落下地点から離れて。安西は助けられなくて。
どこまで逃げたか・・・背中から閃光、爆発そして・・・大量の・・・。

便器で助かったとかのガンガンの人たちや安西と、やっとの思いで合流して、
無礼ドに帰っていの一番に風呂にみんなで入ったわけで。
いや直接ついたわけじゃないけどさ。
なんか臭いとか・・・いや、いい。もういい。忘れたい。忘れよう、うん。
さようならBブロック。
さようなら。

ごめんなさい。



 「隊長!お買物のやり直し、完了したのだ!」
 「隊長!昼の事は忘れましょう!一般人に死者が出なかっただけマシじゃないスか!
 ・・・Bブロック内に悪臭が広がって使い物にならないそうですがゲフンゲフン」
 「・・・雷句、椎名、悪いな二度手間かけさせちまって・・・はぁ」
 「ほら背中が曲がってますよ隊長!さあ荒川おねーさまに荷物を届けに行きましょう♪♪」

 「え?・・・あ、いや今はやめといた方が。たぶん今頃彼女は・・・」

64 :作者の都合により名無しです:04/01/15 01:56 ID:rO5s/x0b
>>63
斑鳩っぽくていいね。

65 :作者の都合により名無しです:04/01/15 02:47 ID:YTdbHNA3
荒川が一歩々々留美子に近づくごとに、室内の空気は張り詰めていった。
耐えがたい緊張と沈黙が、この場を支配している。
荒川が留美子の前に来たとき、その緊張は最大限に張り詰めた。
留美子は先ほどまでの笑みは失っており、代わりにその美しい顔には暗い影が落とされていた。
それでも、まっすぐと荒川の目を見つめる彼女の瞳には、厳しい表情をした荒川の顔が映っている。
安西が何とか声をかけようとしたが、言葉が見つからずに口を噤んだ。
やがて留美子は、目を閉じて一呼吸置いた後、意を決したように目を開けて荒川の目をしっかりと見据え、口を開いた。
留美子「荒川先生、わたし・・・・」
その瞬間!!

       パ    ッ    ァ    ァ    ン     !!

留美子が全てを話す前に、荒川の平手打ちが彼女の頬を打った。


66 :消せない罪:04/01/15 02:48 ID:YTdbHNA3
安西 「荒川、おまえ!!」
安西が詰め寄ろうとするが、それを遮り荒川が叫んだ。
荒川 「言い訳も、謝罪の言葉も聞きたくないわ!!どんな理由があろうと、あなたの罪は消えないわよ!!」
あまりの剣幕に、思わず安西は足を止めた。
留美子は叩かれた頬を抑えて、呆然と荒川を見つめていた。
荒川は、そんな留美子から目を離し、そっぽを向くように視線を自分の斜め下に向けた。
その体は、微かに震えていた。
荒川 「消えないわよ・・・・。あなたの罪も・・・・。安西くんの罪も・・・・。わたしの罪も・・・・・・・」
彼女の体は、今度ははっきりと分かるほど震えていた。
安西 「荒川・・・・・・」
安西が小さくうめく。安西には、荒川の心の痛みと葛藤が、手に取るように分かった。
荒川は、やがてキッと留美子に向き直ると、しっかりとした声で言った。
荒川 「だから、そんな目でわたしを見ないで下さい。みんな、それぞれの罪を背負って生きてるんですから!」
留美子「荒川先生、あなた・・・」
荒川 「勘違いしないで下さい。わたしはあなたを許していません。ただ、今はそんなこと言っている場合じゃないんです」
荒川の言葉に、留美子は返答に困った。
荒川 「これは、等価交換です。あなたの罪は言葉じゃなくて行動で、それも罪に見合ったもので清算してください」
そして荒川は姿勢を正し、ぺこりと頭を下げて言った。
荒川 「私がいない間、チームのみんなをお願いします」


67 :消せない罪:04/01/15 08:45 ID:YTdbHNA3
その時、荒川を除くその場にいた全員が、その言葉に驚愕した。
カムイ「どういうことだ、荒川」
チームリーダーであるカムイが、イの一番に質問した。
安西と留美子の二人も、怪訝そうな顔をしながら彼女の返答を待った。
その二人の顔を眺めた荒川は、「フー」と溜息を吐いてからカムイの方に振り返って言った。
荒川 「わたしは、当初の予定通りに大会には出ないわ。忘れたの?
    わたしには私の仕事、完全なる賢者の石の練成と真理の探究があるのよ。
    それに・・・・・」
荒川は、少しうつむき加減になって視線を下げた。
そんな彼女を見て、留美子が後ろめたくなったのだろう。
留美子「あなたが出て行くことはないわ。必要なら、わたしが出て行くわ」
と、声をかけたが、しかし荒川は、逆にそんな彼女に激昂した。
荒川 「あなたは!何も分かってないじゃないのっ!!わたしはそんな事を・・・・」
声を荒げて、留美子に詰め寄る荒川。
慌てて制止しようとする安西だが、それより速く「バタンッ!」とけたたましい音を立ててドアを開けて入ってきた男の、
やたらと素っ頓狂な声が彼女を止めた。
衛藤 「荒川さ〜〜〜ん♥新しい義手できたよ〜〜〜ん♥」


68 :作者の都合により名無しです:04/01/15 08:46 ID:YTdbHNA3
衛藤の、場の空気をまったく読んでいないその声。
その声に、すっかり毒気を抜かれた荒川は、フッと笑っていつもの自分を取り戻し、冷静に突っ込みを返した。
荒川 「衛藤先生、いい加減に私を『さん』付けで呼ぶのやめてください!」
衛藤 「え〜〜〜、いいじゃん。いいじゃん。そっちの方が雰囲気出るじゃん」
荒川 「なんの雰囲気ですか!なんの!」
暖簾に腕押し。こういった抗議が、彼のアシスタントをしていた時代に
まったく効果がなかった事を思い出した荒川は、左手で軽く頭を抱えた。
思えば、

・強くあれ
・巨乳であれ
・師を尊敬せよ

という、まったく分けの分からない教育方針で育てられ、よく立派に漫画家になれたものだ。
そんな荒川の苦悩を知ってか知らずか、あいかわずノー天気な声で師匠が話し掛けてきた。
衛藤 「そんなことより、おね〜〜〜さん。この新開発のオートメイルを付けて見てよお〜♥」
荒川 「はいはい、ありがとうございます・・・」
セクシーブラの試着を強要するセクハラおやじのような口調に涙を流しながらも、
荒川は作ってもらった義手を、師匠に礼を言いつつ受け取った。
受け取った義手は、持った感じ以前より軽く、よく見ると構造も改良が加えられて強度も増しているようだった。
さすが、腐ってもガンガンの看板だった男。腕は確かである。
師の作り上げた義手に、十分な満足と若干の感謝の気持ちを感じつつ、荒川は義手をつけ始めた。
といっても、そのままでは服が邪魔なので、義手を口に咥えつつ右腕部分を破ことにした。
ビリビリと服を破って、右肩に義手を持っていったとき、荒川はちょっとだけためらった。
肩の部分に接続用のオートメイルが残っているので、差し込むだけで装着は完了するのだが、
神経接続の際、激痛が走るのである。
僅かな逡巡の後、荒川は覚悟を決めて一気に義手を差し込んだ。
荒川 「ンッ!ンン・・・・ンッフゥ・・・」
痛みを抑えるため、色っぽいうめき声をあげる荒川に、衛藤がちょっと興奮していた。
どうやら、お目当てはこの声だったようである。


69 :消えない罪:04/01/15 08:49 ID:YTdbHNA3
一方荒川は、装着した義手の具合を動かして確かめつつ、留美子の方に向き返った。
荒川 「留美子さん。さっきの平手打ちは、この義肢の分です。あなたの私に対する罪なんて、これくらいです。
    でも、えなり君のお姉さんに対しては、あなたは背負いきれない罪を背負っているわ。
    そして、それは私も同じ。彼女の体を使って、禁断の業を繰り返したのだから・・・」
そして荒川は、技手の動きを止めて、まっすぐ彼女と向かい合った。
荒川 「だから、私も彼女に対して、償いをしなければいけないの。でも、そのためにはチームから離れて、
    賢者の石の探求に行かなければいけない。そうなると、今度は逆にチームに対しての罪を背負う事になるわ」
留美子「だから、私があなたの代わりになって、チームを支えろと?」
荒川 「ええ、そうよ。病み上がりに悪いけど、あなたの力は攻守に渡って心強いわ。わたしも、安心して行ける」
留美子「探すあてはあるの?」
荒川 「この事については、チームのみんなにも企業秘密よ。軽々しく話せないわ」
留美子「そう・・・」
ここで一端、会話は途切れるのだが、この沈黙こそ互いの理解の証であった。
カムイも安西も、この成り行きを黙ってみていた。荒川が抜けるのは戦力的に痛いし、心情的に寂しい。
だが、彼女の意思も尊重したかったし、感情では留美子に対するわだかまりも根強い物だろうから、
距離を置き、時間をおくことで、時が解決してくれることも彼女は望んだのだろう。
それなら、自分たちに出来ることは精一杯笑顔で送り出すことぐらいである。
カムイと安西は、二人とも心の中でそういう風に結論付けていた。
状況を飲み込めない衛藤だけが、「何?何?」と、きょろきょろしていたが・・・・
荒川 「そういうことで留美子さん、後のことはよろしくお願いします」
再びぺこりと頭を下げる荒川。
留美子「精一杯の事は、やらせていただきますわ。ただ、出発はいつ?」
荒川 「いまから、すぐに。衛藤先生、お別れ会なんて湿っぽいことはしないでくださいね。上手くいけば、すぐに戻ってくるんですから」
衛藤 「え〜〜。せっかくキタキタ踊りを披露するチャンスがぁ」
ようやく、状況を理解した衛藤が、彼女の為におどけてみせた。



70 :作者の都合により名無しです:04/01/15 08:51 ID:YTdbHNA3
カムイ「他のみんなに、挨拶は?」
荒川 「それもナシ。そんなに大げさな事じゃないし・・・」
安西 「ならみんなには、俺が事情を説明しとこう・・・・
    早く帰ってこいよ。またみんなが、おまえの入浴シーンを期待してるぞ」
荒川 「ばか!」
いったい何人に見られたことか・・・・
思い出して、荒川はちょっと赤面した。
カムイ「気を付けていけよ。それと、何かあったらすぐに連絡しろよ。いつでもどこでも、ルーラで駆けつけてやる」
頼もしいリーダーの言葉に、荒川は笑みをこぼした。
ウルトラマンのごとく、颯爽と空を飛んで来るカムイの姿が、容易に想像できたからである。
ただ、この男の言葉に嘘はない。きっと、本当に駆けつけてくれるだろう。
彼は、本当の勇者だから。
留美子「あなたとはもう少し話したかったけど・・・」
荒川 「ノープログラム!それはわたしが帰ってからゆっくりしましょう。ただ、ここにいるかぎりは、あなたも気を付けてね。
    お風呂を覗く、スケベェな野郎が多いから」
といって、安西とカムイの方をじろりと見る荒川。目を逸らして口笛で誤魔化す二人。
荒川 「それじゃあ、わたし行くわ。
    おっとストップ!見送りはこのドアまででいいわ。女の子は、準備に忙しいからね」
そう言って、スタスタとドアに歩いて行く荒川。
カチャリとドアを開けて廊下に出ながら、後ろを向き、生身の左手を振るう。
荒川 「じゃあねえ〜」
口々に励ましや別れの言葉を贈る室内の四人に、荒川は軽い別れの言葉を言って、バタンとドアを閉めた。

カムイ「あいつ、少し変わったな・・・・」


71 :消えない罪:04/01/15 08:53 ID:YTdbHNA3
悔しかった。
悔しかった。
錬金術漫画としては後発の和月に、手も足も出なかったことが。
せがわまさきに、いいように嬲られたことが。
自力では逃げることも出来ず、結局助けられた事が。
戦いでは、無力な自分が。
留美子を許すことが出来ない、小さな自分が。

皆と別れて自室に戻った荒川は、洗面台の前で声を押し殺して泣いていた。
抑えきれない涙が、ポロポロと排水溝に流れて行った。

強くなろう。
そう思った時である、
その男が現れたのは。

吉冨 「別れは、済まして来たようだな・・・」
吉富昭二。この男がこの話を持ってきたのは、無礼ドに戻ってすぐの事である。
荒川 「デリカシーの無い人ね。女の子が泣いてるときは、やさしい言葉でもかけるものよ」
涙を拭きつつもしっかりした声で、彼女は言った。
吉冨 「ハンカチでも出そうか?」
荒川 「結構よ、手品師さん。あなたの食べたものなんてお断りよ」
この男の奇妙な能力。食べたものを再生する力は、いったいどういう仕組みで行われているのか理解不能であった。
錬金術にも似ているが、やり方はまったく異質なものだろう。
荒川 「それより、報酬の件。本当に大丈夫なんでしょうね?」
吉冨 「ああ、問題ない」
最初に、この部屋でこの男を見たとき、練成で槍を作って牽制しようとしたが、地面に手をつく前に拳銃を突き付けられて、
瞬く間にホールドアップとなってしまった。
そして、その時この男が切り出したのが、この仕事の話である。


72 :消せない罪:04/01/15 08:56 ID:YTdbHNA3
ある男を救出したい。手を貸してくれたら、成功報酬で次の三つを与える。
ひとつ、完全なる賢者の石の精製。
ひとつ、真理を知ることが出来る、あちら側の世界の扉を開ける方法。
ひとつ、えなりの姉に関する情報。

荒川にとっては、喉から手が出るものばかりでだ。
とてもじゃないが、話が上手すぎて怪しさ爆発である。
この男が五虎神の一人であることも相まって、とてもじゃないが、こんな依頼を受けるのは危険すぎた。
しかし、彼女は承諾した。
理由はいくつかある。
まず、報酬が大きいこと。絶望の中、力を欲した彼女には、この誘惑に抗うほどの精神力は残っていなかった。
また、えなり姉に関する情報は、今の自分にとっては最優先事項であった。
そして何より、この男からは、自分と似たような匂いがしたからである。

荒川 「それにしても、ピンポイントで豪華な景品ね。まるで、悪魔の取引だわ」
吉冨 「ある意味その通りだ。今から行くのは、KIYUの居城だからな・・・」
荒川 「KIYU・・・・あの忌むべき4文字・・・」
吉冨 「どうした。いまからでもやめていいぞ・・・・」
荒川 「・・・・・・・・・・・・・・・・」
首を傾げ、頭をカリカリと掻く彼女。やがて、口を開いて。
荒川 「デートの場所としては、最低ね・・・・」
そう言って彼女は、さっさと準備を始めた。

73 :作者の都合により名無しです:04/01/15 10:06 ID:LOqz4fIF
荒川と吉富が絡むとは、まったく予想外の展開
そういや、あの近辺には白藤田と七月もいるんだっけ・・・面白くなってきた

74 :作者の都合により名無しです:04/01/15 15:29 ID:gbkyR1SK
荒川姐さんが温泉に来ないなんて、まったく予想外の展開
お色気担当一号なのにな・・・でも面白くなってきた(笑)

75 :訪れ死もの――突破口発見!:04/01/16 20:02 ID:hxEihItG
「わしでは勝てん!」
圧倒的な力を持つゆで将軍を前に藤崎は考える。
力で勝てないなら知で勝る。
戦闘力で劣る藤崎に取れる方法はこれしかない。
しかし――いくらわしが策を練ろうとも相手はあのゆで。
この世の断りさえ、自分の都合のいいように変えてしまうゆで理論の前に通用するとは到底思えなかった。
「わしでは勝てん!」
だが、小畑先生なら――?
小畑先生は『帰書文』により、その存在自体を固定されている。
物理的な力では小畑先生の肉体を絶対に砕くことは出来ない。
ゆでには勝てないまでも、少なくとも死ぬことはないだろう。
「小畑先生を探さなければ――」

「俺では勝てない!」
恐るべき能力を持つ佐々木を前に小畑は考える。
契約宝貝の依り代になったことで副次的に得た無敵の肉体。
要は頑丈なだけなのだが、物理攻撃ではまず破壊は不可能。
しかし――この世に存在する限り死の運命からは逃れられない。いつかは必ず終わりがくるのだ。
こいつの『直視の魔眼』は万物の内包する『死期』をなぞるだけでたやすく死を与えてしまう。
「俺では勝てない!」
だが、藤崎君なら――?
藤崎君は色々とこすずるい手に長けている。
制約なく汚い手を使わせたなら奴の右に出るものはいないだろう。
それに数ある宝貝を使えば奴に触れられることなく攻撃できる。
「藤崎君を探さなければ――」

別々の場所でそれぞれ敵と対峙していた二人は同時に駆け出した。
各々辿り付いた結論、この窮地の攻略の糸口――お互いの存在を求めて――。


76 :読み違えるB:04/01/17 01:04 ID:GFTJnaOR
それぞれの自己紹介の後。
内心引き攣りつつも、(一方的に)弾んでいた会話が、やっと、少し途切れる時がきた。
山田「じゃ私、そろそろお先に失礼しますね。」
この機は逃がせない。
全霊を込めてさり気なさを装い、湯を滴らせながら立ち上がる。
(……しかしなんだって私、こんなとこに『避難』しちゃったんだろう……)
次のハードルを目の当たりにすると、そう落ち込まざるをえない。
出る為には、どうしてもこの変態の群を突っ切らなくてはならないのだ。
目で訴えると、「おお」とわざとらしく、今気付いたようなざわめき。
そして空けられた『道』は、やたらに細く、狭かった。
(うぅ…)
あそこを通れというのだろうか。
だが躊躇すればするほど、長く彼らに肢体を晒すことになる
とにかく、踏み出す。
ざぶ、ざぶ
膝を越えてまとわりつく水圧がゆっくりした歩みを強いる。
まだ距離がある時に否が応にも意識させられた視線は、近付くにつれ彼らの『瞳』そのものは見えなくなるけれど
刺さるようなそれは、タオル越しに肌がちくちくと痛いくらいだ。いや当然、見回して確認することなど、とてもとても無理だったが。
ごくり
誰かが唾を飲む音。
静けさにはっきりと響き、思わず身が竦む。
我知らず涙が滲んだ。
歪む視界。自分の中の『女』が悲鳴をあげる。
そして自分の中の『男』ならその脅えきった外面をどう見るか?
それに思い至った瞬間
恐怖が、はじけた。

77 :読み違えるB:04/01/17 01:08 ID:GFTJnaOR
「〜〜〜〜ッ!?!?」
走れば、飛沫が彼らの顔にかかってしまう。
だからなんだと言うのだ。
なんで私がそんなことにまで気を遣わなくてはならないのだ。(実は変態チームはそれはそれで喜んでいた)
湯船の縁が遠い。
狂った体内時計が改変した永遠とも呼べる長さ。
しかしようやくゴールが見えてきた
おそらくそれで
気が緩んだ。
(あッ)
バランスを繕おうと
虚しく空転する
足。



!ざっぶぅ〜〜〜〜んっ!



………………………………

静寂。

……ぴちゃん、ぴちゃん

ぴちちち、ちゅんちゅん

水滴、小鳥達の鳴き声。

そして湧く、胸元の違和感。

78 :読み違えるB:04/01/17 01:10 ID:GFTJnaOR
雫も拭わぬままおそるおそる目を開けると、瞼から垂れた鉱泉が目に染みて痛かった。
構わず見下ろした自分でも豊満だと思う谷間から、一対の見上げる、それ。
目が合った。
桂「……ら、らいりょううれすか?(だ、大丈夫ですか?)」
モゴモゴと何を言っているのかはわからない。
しかし振動だけは伝わってくる。
引き金。
カッ、と全身が朱に染まる。
抑圧され過ぎた羞恥心が、くるりとカードを裏返すように、衝動的な怒りに代わった。
自意識がついていかない程のスピードで身を離し
山田「変態ッ!!!!!!!」

バッチ―――――――――――――――ン!!!

………………呆然と頬を押さえてこちらを見る顔
山田「いくらなんでもえっちが過ぎますッ!!!!!!」
捨て台詞。
泣いて、走って。

脱衣所は男女別であることに、心の底から感謝した。

79 :読み違えるB:04/01/17 01:13 ID:GFTJnaOR
ほどけたタオルで申し訳程度に体を隠してはいるものの
お尻を含め、ほとんど丸出しにして走り去る後ろ姿が、ついたての向こうに消える。
名画のスタッフロールが終わった直後のような、空気。
ほう、と誰かの溜息が漏れて、皆が弛緩した。
木多「……乳」
徳弘「いいモン見たな。」
古谷「うむ、夜が楽しみだ。」
桂「…………」
あんど「どうした?桂」
打たれた頬に手を充てたまま一人動かない桂をあんどが訝しむ。
桂「俺……」
徳弘「なんだ。『変態』言われたのがショックか?」
古谷「誉め言葉だって」
木多「で、どうだった乳は?」
やいのやいのという外野の声は桂を反応させない。
そして続いた彼の言葉は、(ある意味で)傑物揃いの変態チームをして驚愕させるものだった。
桂「女性とあーゆー…普通なの、初めてです。惚れられなかったのも。叩かれたのも……。」
夢見るように薄い膜の張ったそれは
つまり、恋する瞳であった。

80 :おまけ:04/01/17 01:16 ID:GFTJnaOR
山田が体を拭いていると
埃の先触れの後、脱衣所の天井からハメ板と共にアヤシゲな男が降ってきた。
ダウンジャケットと鉢金を身に付けた、その忍者に見えなくもない男は
「イテテ……ち、違うYO!下着なんか盗むはずないじゃないかYO?」
と、凄い汗をかきながら勝手にベラベラとイイワケを述べ
こちらが呆然としつつも、ふと目を合わせると、滅茶苦茶に目を泳がせた。
そして
「…全然そんなんじゃないYO!?」
とかなんとか言いながらじりじりと後じさり、廊下側の出口から普通に出て行った。


下着は無くなっていた。

81 :作者の都合により名無しです:04/01/17 01:38 ID:bmkqV7Fx
小ネタ効いてて面白い。俺の中では、えなりは小ネタの面白さこそキモだからな……。

82 :作者の都合により名無しです:04/01/17 01:44 ID:hMJFWhyS
道理でうすたが居ないと思ったw

83 :作者の都合により名無しです:04/01/17 08:31 ID:X5nutvU8
のなーは錆びるから留守番だね

84 :作者の都合により名無しです:04/01/17 09:11 ID:bI7bpN93
でも原作だとメカ沢って普通に温泉はいってたよーな・・・

85 :作者の都合により名無しです:04/01/17 11:55 ID:3NHCRNRm
なにやら悲喜こもごもとイベントが散在するも、どこかのんきな慰労会。
ゲームコーナーではレーシングタイプの筐体でチャンピオンチームが遊び倒し、
森と技来は温泉に浸かった後の浴衣姿で卓球に興じている。
温泉水泳に満足した福本はマッサージチェアにもたれ至福の時を過ごし、
翌日に試合を控えた連中はそれぞれ武器の手入れなり心身の疲労回復に努めている。
平和なひととき。
温泉宿の内外に因縁の鎖が幾重にも巻きつけられているとも知らず。

一方“海づり公園”組はタコ以降釣果があがらずぐったりとしていた。
『不変の人』あだち充はさすが、表情ひとつ変えずウキを眺めている。
タコことにわのは再び本宮を捜しに宿に戻っていた。
乙一が退屈そうに大あくびする。
彼はふと、クリードアイランドの事を思い出す。
遠い昔のように霧がかって、それでも身体に刻み込まれたか忘れられなくて。
あの呪われた島での恐怖と焦燥感は、それこそ温泉にでも浸かって、
心身からこそぎ落としでもしない限り過去のものとは割り切れそうになかった。
 「・・・すいません、僕ちょっと宿の方に帰ります。
 先生方は楽しんでてください」

帰り道乙は考える。
漫画家でもない、チームに知人がいたわけでもない。
川原も復帰したらしい今、自分は特に必要な人材でもないはずだ。
スタンドの調子も悪い。やはり本家でもない人間に使いこなしきれはしない。
メンバーも相当強い。自分の居場所を作ろうとかいう考えもおきない。
すぐ、別れられる。元々部外者だから。しかし。 しかし。

 「僕は近くで見ていたいのかもしれない。漫画家の可能性を、そして限界を」
だとしたら悪趣味だなと自嘲する。

86 :作者の都合により名無しです:04/01/17 12:33 ID:3NHCRNRm
道すがら、倒れてる人間を発見した乙。
 「大丈夫ですか?・・・にわの先生!?うわ、すごい熱!」
 「うーんうーん、せんせ〜・・・せんせ〜はどこ〜・・・」
いよいよ風邪がひどくなり、移動の途中で力尽きてしまったらしい。
 「医務室に行きましょう!」乙はにわのを背負おうとするが・・・
筋肉のない少年の彼が身長190弱、体重100キロ超の格闘家を運べるわけもなく、
乙は重さに耐え切れず地面にべちゃっと潰れてしまった。

諦めてスタンドで病人を医務室に運ぶ乙。
医務室のベッドに寝かしつけられたにわのが、傍らの乙に気づいて驚く。
それまでの経緯を乙から聞き、申し訳なさそうに鼻の頭を掻く。
 「あっはっは、島とあべこべになっちゃったモン。乙君ありがとー」
島。乙の顔に僅かに翳りが入る。あの島で、絶望の淵で見つめた男の背中。
自分はあんな広い背中を、いつか持ち得る事がかなうだろうか?
自分自身の力では・・・何もできやしなかったのに。
病人一人運ぶことさえ。

 「・・・つ君?乙君?きーてるモン?」「ええっ!?あ、ごめんなさい」
ぼんやりして聞いてなかったらしい。
 「しょーがないな〜。ホラ、島で約束したっしょ?
 島から無事帰れたら裏御伽結成秘話を話すって・・・あれ?
 裏御伽ドッキリ丸秘報告だったっけ?ジーザス忘れちまったい」
頭を抱えるにわのを見て微笑む乙。
 「無理しなくていいですよ。また、先生の風邪が治ってからででも。
 それより熱の時ぐらいレスラーマスクは外した方がいいですよ。
 本宮先生は僕が捜しておきますから」
 「ホント?ごめんね乙君ごめんね」

 「いいんですよ。僕だって裏御伽なんですから」乙はにっこりと微笑んで退室した。

87 :作者の都合により名無しです:04/01/17 16:03 ID:3NHCRNRm
本宮がゴルフ場に向かったと聞き込んだ乙は電話番号を調べ、
フロントに呼び出してもらおうとしたが電話が繋がらない。
何かあったのかもしれない。仕方がないので直接向かう事にする。
タクシーを呼び停留所で待つ。 気がつくと隣に人が座り、乙に声をかけてくる。
 「小説家の乙一さんですね。初めまして」
 「あ、はい。あなたは確か」
 「おや覚えてくださいました?フリー記者のNと申します。どうぞよろしく」

 「トライアスロンの参加者募集中でしてね。
 何名か参加証明なさったのですが、ついでにいろいろ質問してまして。
 乙さんにも・・・と。確か噂では荒木先生の《スタンド》が使えるとか」
 「ええ一応は、ですけど。最近はあまり・・・」
 「具体的にスタンドとはどんな能力なんでしょう。超能力の一種でしょうか」
 「そうですね・・・」
様々な出来事の反動か、緊張感のない乙は言葉を選びつつも、
記者Nの質問にぼちぼち答えてゆく。元々ジョジョでも読んでいればわかる事だ。
隠し立てる理由もない。記者が実際に出して見せろと言ってきたが、
資質のない者には視覚で捉えることは出来ない。
とりあえずお茶を濁す形でいくつか出してみせた。
 「うーん、確かに見えませんが何かある気がするような・・・
 しないような?ありがとうございました。そうそう最後に。実はですね」
Nの微妙な言い回しに気づかず、乙は一冊の黒い本を手渡される。
 「この本の表紙の手形、これにぴったりの手の人を捜してるんです。
 手のひらを合わせてみてくれませんか?」
 「?」

 「僕より随分大きいですよ、これ。尋ね人ですか?」
 「そうですね。いや、ありがとう。・・・・本当に、ありがとう」
やがてタクシーが到着し、乙は車に乗り込みゴルフ場に向かった。
Nが小脇に抱えた黒い本は【役目】を終え消滅した。
「まずはひとり。他に美味しい果実は実っているかな・・・?」

88 :作者の都合により名無しです:04/01/17 16:38 ID:3NHCRNRm
 (トライアスロンか・・・。にわの先生のお手伝いをするからって、
 参加は断ったけど肝心の先生があれだからなあ。
 点滴打ってたし早く元気になってもらわないと。明日の試合もあるし。
 なんだか忙しいなあ・・・小説の〆切とどっちが大変かな?)
窓の外を流れる風景が都会から離れゆく中、乙はとりとめのない思考に入っていた。
彼の身に起きた“異変”を知らずに。


一方未だ矢吹艦から離れられない戦艦無礼ド。
捜し人が戻って一安心の松沢艦長、午後のおやつのレトルトカレーを食す。
 「もぐもぐ、ありゃひゃわひぇんへいが旅に出む?そりゃまた急なはなひもがもご」
 「キタネえなあおっさん!つー訳だから、出発は彼女が艦を降りてからだ。よろしく頼むわ」
艦橋に通信を入れた安西(無礼ドの生活に慣れたらしい)が、
ごはん粒だらけのモニターの向こう側に毒づく。
やれやれと会話用の受話器を下ろした直後。
 「あああ〜〜〜んざいいぃ!!!荒川おねーーーさまが旅に出るだとぉぉぉ!!?」
 「ゲ、椎名・・・さん。どこで聞いたんだよ?」
 「俺の地獄イヤーは感度良好だ!いや本当は皆川隊長がそれっぽい事を聞いたとか」
またうるさいのがひとり。
カムイや高橋留美子が微妙な表情を作る。
 「なんでもいいからガタガタ騒ぐんじゃねえ!あいつが嫌がるだろうが・・・」
安西は独り言のように呟き、医務室の丸窓から外を眺めた。
確かに。
旅に出るにはいい天気だ。

南国の青は、感傷的になるにはあまりに鮮やか過ぎて。
別れが辛くならない。 気がした。

89 :ワイルドで行こう:04/01/17 23:12 ID:GlumA1PP
ドラゴン形態になり佐木を追跡する梅澤。
徐々に距離は縮まり、今にも食いつかんばかりだ。だが―――
梅澤「やっぱ、やめだ」
ふいにそう呟くと変身を解除し、ハイウェイに降り立つ。

えなり「!?」
このまま追いついて、スカル・ドラゴーラを食らわすものとばかり思っていたえなりは、梅澤の考えが読めず顔を覗き込む。
その視線を感じ取った梅澤は「わかってねーな」という顔で口を開く。
梅澤「奴を消し炭にしちまうのは簡単な事だ。
    だがよ、それじゃイマイチおもしろくねー……そう思っただけのことだ」
走りで挑まれたなら走りで勝つ、梅澤はそう言っているのだ。
えなり(この人……ただのデストローイな人かと思ったけど、意外と熱いタイプ……!?)
一瞬感心したような顔をしたえなりだが、すぐにあることに気付く。
えなり「でもバイクはさっき竜になった時に落っことしちゃったんじゃ……」
そうだ、バイクがなければ走りで勝つも何もない。
しかし、梅澤は不敵な笑みを崩さずに言い放つ。
梅澤「バイクならここにあるぜ。む……ちょっとキツイな」
そう言って腕を襟首に突っ込み、なにやらごそごそ背中をまさぐる梅澤。
えなり「―――まさか!」
そのまさか。
えなり「 何 故 背 中 か ら バ イ ク が ――― ! ! 」
驚愕するえなりを余所に、当たり前のように背中から取り出したそれに跨る梅澤。
背中から金属バットやフライパン、果ては無敵の楯やアンプ、スピーカーキャビネットまで取り出す梅澤にとってこの程度は造作もない。
梅澤「いくぜ。奴はこの俺の真の力でやっつけちゃる」
えなり「(やっぱり僕も行くのかーーーーっ!!)
     し、真の力って……!?」
逃れられないと悟ってしぶしぶ後部座席に乗るえなりに向かって梅澤は一言。
梅澤「――― L O V E & P E A C E 」(キラーン)
不適な眼差しで梅澤は思いっきり中指を立てていた。
えなり「その言葉とその指は対極にあるんですけど―――!!」
これが梅澤のロックか……この人はあらゆる意味で次元が違うと悟った瞬間であった。

90 :5つ目の怨魂:04/01/17 23:39 ID:bI7bpN93
ここは怨みの門。
ただ渺茫たる闇が漂う、この空虚な空間に、高橋ツトムはどれだけの時間、立ち続けているのだろう。
永遠か?
もしかしたら、一瞬なのかも知れない。
ここには、時間の概念など、ない。
あるのはただ、彷徨える魂を選定し、道を指し示すという、仕事があるだけ。
そして、その事を、高橋ツトムは微塵の感慨もなく、今宵も行うのだ。
さて、今回の彷徨せし怨なる魂とは。

禿頭の小男だった。
漫画に出て来る切り分けられたスイカのようにだらしなく開かれた口は、
隙間だらけであり、歯は数本ばかり申し訳程度に生えている程度。
半月形の斜視が、この上もなくイヤらしい。
どう見ても、常人の風貌ではない。
そもそも、本当に地球上の生物なのかさえ、疑わしかった。
しかし、高橋ツトムはその珍客を、いつもと変わらぬ硝子玉のような無機質な瞳で見つめる。
すると、高橋がいつもの口上を述べる前に、小男は奇妙な行動に出た。
いきなり、ズボンを引き下ろし――

「いきなり尻見せ」
「いきなり前見せ」
「ふくろの皮のばし」

気まずい沈黙が流れた。心なしか、闇がより一層、深く澱んだような。
「ああ、そんな蔑んだ目でワタクシを見ないで」
体を張ったギャグが受けなかったのが悲しいのか、小男は地面にしなだれながら、シクシクと目幅涙を流した。

彼こそ、殺戮と滅びの運命に導かれた、5つ目の怨念。
かって、小林よしのりに無惨に殺害された男。
その滑稽な容姿に、宇宙開闢をも引き起こしかねない力を秘める死神。
奴の名は、【えんどコイチ】

91 :ワイルドで行こう:04/01/18 00:07 ID:DnmRi4k9
打ち付けるような風を感じながら梅澤はハイウェイを駆けていた。
梅澤「いいぜ…この風…ロックだ!」
血が騒ぐ。温泉は心残りだがこういうのも悪くない。
梅澤「そう言えばにわのにリベンジしようともしてたっけか……
    ちまちま策を練るなんてそもそも俺様らしくなかったな」
ついさっきまで温泉でのんびりしてたのがまるで遠い昔の出来事のように思えた。
今、梅澤の目に写るものはただ一つ―――。
梅澤「勝負だ!佐木!!」

やがて前方、ハイウェイのど真ん中に佇む影が―――。
燃えるような銀の髪、浅黒い肌に爬虫類のような眼。
―――佐木飛呂斗!
その男を見止めた梅澤はスピードを落とし単車を寄せる。
梅澤「待っててくれたのかよ」
ふっ、と微笑む佐木。梅澤は構わず言葉を続ける。
梅澤「ここはDブロック近辺だったな。Aブロックの更に先……矢吹艦艦首までいっちょ競争しようぜ」
佐木は梅澤の言葉を聞いているのかいないのか、変わらず目を細めるばかり。
しばしの沈黙の後、ふと佐木が言葉を発する。
佐木「 “ ス ピ ー ド の 向 こ う 側 ” を見たことあるか……!?」
梅澤「突き抜けた向こう側なら見たことあるぜ」
間髪いれずに梅澤が答える。それを聞いた佐木の眼光が鋭さを増す。
佐木「ヘェ………」
唇に笑みを残したまま意味深な相槌を返すと、愛車“悪魔の鉄槌”に跨りエンジンを吹かし始めた。
まるでこれ以上の言葉は要らないとでもいうように。
その佐木の様子を見て取ると、梅澤もそれ以上の言葉を発することなく十円玉を宙に放る。
R E A D Y ―――宙を舞う十円玉は、やがて重力に従いアスファルトへ――。

――― G O ! ! !

アスファルトに焼印を残し二つの鉄の塊は爆音と共にハイウェイの彼方へ消えた。

92 :作者の都合により名無しです:04/01/18 00:11 ID:DnmRi4k9
ところでさぁ一条誠の乗ってたバイクってなんだかわかる人いる?
梅澤のバイク、それにしようと思ったんだけど手元にコミクスなくてさ。

93 :作者の都合により名無しです:04/01/18 00:36 ID:9Q4rvSDy
確か、ハーレーだったような気がすんだが、それは神崎だったかな?
ゴメン、俺もウロ覚え

ところで、ついに十本刀、5人目きたな
しかも、他の4人に劣らぬ大物だ

94 :作者の都合により名無しです:04/01/18 13:39 ID:SUJ/JPOb
いろんな奴乱入してきてキャノンボール化希望

95 :伝説達の王:04/01/18 22:27 ID:9Q4rvSDy
雲ひとつない青空の下、ゴルフ場で2つの巨魁は出会った。
本宮「て…てめえ……」
ちば「う〜ん、なんともいい日和だ。そう思わねえかい?」
ちばてつや。一説にはゴッドハンド最強とまで噂される、極めつけの猛者。
その生ける伝説を前にして、さしもの本宮も動揺を隠せない。
並の者なら、その空気にあてられただけでショック死しそうな程の殺気が張り詰める。
ちば「本当は、お前さんと殴り合いに来たつもりだったんだがな……」
微かに本宮の表情が動く。利き腕の左拳が石のように固く握りしめられる。
すると、ちばの両手が軽く持ち上がり、

ぽん、

と本宮の両肩を軽く挟むように叩いた。
本宮「!?」
ちば「ベストじゃないと来た……残念だが、出直した方が良さそうだな」
そう言って、くるりと背を向けると、落とした帽子を冠り直す。
本宮「おい………ッッ」
ちば「実を言うと、ここに来たのは別の用件でなあ。
   お前さんに会いに来たのは、まあそのついでだ。だが、なかなか有意義だった」
数歩あるいたところで、ふいに足を止めて言った。
ちば「お、そういえば武論尊がお前に会いたがってたぞ」
本宮「!?」
ちば「本宮よ」
怪訝な顔をする本宮を、ちばは物騒な笑みを浮かべて振り返る。
ちば「いい面ァしてるぜ。さっきまでデキあがってた時とはダンチだよ」
本宮がギリッと歯を噛む。
ちば「次に会う時ゃ3日後……かな………」
本宮「3日後?」
本宮の疑問には答えず、ちばは歩き出した。




96 :伝説達の王:04/01/18 22:28 ID:9Q4rvSDy
本宮「ま……ッ、まてェこらァッッ」
ようやく声をしぼりだしたとき、すでにちばの姿はない。
後には、右肩を負傷した本宮だけが取り残された。
本宮「く………」
苛立ちまぎれに、左拳を地面に叩きつけた。
その一撃で、ホールに数メートルのクレーターが出現する。
本宮「な……なんでかかっていかなかった!!!!」
歯茎から血が滴りそうなほどに、本宮が歯を噛む。
その顔には、情けをかけられたという屈辱と憤怒が滲みでていた。
本宮「なんでかかっていけないんだよォッ、なんでェェッッ」
拳の皮が破れ、血が噴き出しても、本宮は何度も何度も地面を殴りつけた。
そして数分後。
ようやく落ち着いた本宮が、ふと両肩に違和感を感じ、Yシャツをまくりあげる。
そして、剥き出しの両肩を見た瞬間、本宮の両眼が驚愕に見開かれた。

本宮「へ…へへ……なんて野郎だ……あの化物め……」

そこには、手形がアザとなってくっきりと本宮の両肩に刻印されていた。
ごく軽く触れたようにしか見えなかった、あの動作に、これほどの力がこめられていたのだ。
ちばの底知れない力に、本宮は初めての感情を知る。
恐怖。
そう呼ばれる感情を。

97 :ワイルドで行こう:04/01/18 22:48 ID:SUJ/JPOb
爆音を響かせハイウェイを疾駆する二つの影。
本来シングルシリンダーのSRは馬力も無く、最高速度もそんなに出ないはずなのだが……
梅澤「追いつけねーっ!少しでも気を抜いたら、
   あっという間に置いていかれちまう!!」
その燃焼室は一体どれだけの圧縮率なのか。
たった一度の爆発でゆうに100メートルはぶっ飛んでいる。
途方も無いパワーをそのピストンは弾き出していた。
梅澤「“悪魔の鉄槌”の名は伊達じゃねえってわけか」
そして今二人が走っているのは艦の中央を貫く直線のメインハイウェイではなく、艦端のサブルート。
艦の外壁や様々な施設、搬入口にあわせてカーブが多くなっている。
マシンパワーで劣っていても、腕に覚えのあるものなら一気に距離を縮めるチャンス。しかし、
佐木のライディングはブレーキング、ライン取り、体重移動、
アクセルを開けるタイミング、すべてに於いて完璧。
流れるようにあまねくコーナーをクリアーしていく。そして、

   !?   
       チッ 
佐木の後輪と梅澤の前輪が軽く接触。
梅澤「て…めっ!?」
   ガクガクガクッ!! 
バランスを崩し梅澤は転倒しそうになる。
バックミラー越しにそれを見遣り嘲笑を浮かべる佐木。
高速コーナーでは少しのバランスの乱れも死に繋がる。
えなり「こいつの走り……隙あらば“殺”す気の“走り”……!?」
梅澤「くそったれーーーーーっ!!」
テクニックの差は歴然。梅澤は悔しさに歯軋りしていた。
梅澤「おい!坊主!何とかしろ!!」
えなり「何とかって言われても……僕にどーしろと!?」
どんなに追いすがっても差は開く一方だった。

98 :ワイルドで行こう:04/01/18 22:50 ID:SUJ/JPOb
   !?

そんな中、前方の搬入路からハイウェイに身を踊らせる影が。
その革パンツに和服を羽織った、やる気のなさそうな顔の男は佐木の横に並ぶ。
??「おもろいことやってんねーっ!俺ァジャンプで“銀魂”描いてる“空知”ってもんだ!
   俺ももまぜてくんない!?」
男の名は空知英秋といった。
しかもその男のバイクはどう見ても原チャリにしか見えない。
それでこの二人に挑もうというのか。アホか?
なれなれしい空知に気が触ったのか、さっきまで笑みさえ浮かべていた佐木の表情が変わる。
佐木「“誰”に“上等”クレてんだ‥‥ボクゥ!?(ビキッ)
   “聞”いてねーゾ!?テメェの“名前”なんかよ‥‥!?(ギョバッ)」

   !?
      ドキャッ
空知「あうっ!!」
横から佐木に蹴りを入れられた空知はバランスを崩し、中央分離帯に突っ込み爆発炎上。
哀れ空知はハイウェイの塵と消えた。
冷笑を浮かべ佐木は言い放つ。
佐木「“滋庵風”のヤツは “ 効 い た フ リ ” が う め ー な ‥‥!?」
えなり「いや“フリ”違うっ!!絶対“フリ”じゃないって!それ!!」
久々の突っ込みが冴える中、えなり達に危機が迫りつつあった。
空知のバイクは粉々に砕け散り、破片は四方に飛散。
当然後方を走る梅澤へも―――。
えなり「うわああ!!うっ、梅澤!破片がこっちに!!」
梅澤「うるァァーーーーーっ!!」
しかし梅澤はスピードを緩めることなく降り注ぐ破片の中へ、猛然と突っ込んで行く。


99 :ワイルドで行こう:04/01/18 22:51 ID:SUJ/JPOb
えなり(そうか、そういやスカル・ドラゴーラとか言う技があったっけ…)
しかし破片が間近に迫ってるというのに梅澤は回避も迎撃もする様子が無い。
梅澤「やってやるぜーーーーっ!!佐木ィィィィッ!!」
いくら何でも余裕過ぎやしないか?
えなりはチラリと梅澤の顔を覗き込む。
血走った梅澤の目には佐木の背中しか映っていなかった。
えなり(違う!見えてない!!?頭に血が上りすぎて気付いてないんだっ!!)
僕が何とかしなくては―――。

ドゴォッ!!

えなり必殺の肉変砲が迫りくる破片を弾き飛ばす。
梅澤「!!」
弾け飛ぶ破片を目で追う梅澤。
目の前で衝撃が起こったことで、ようやく梅澤は事態に気付いたようだ。
         オ レ
梅澤「クソォ…“ロック”としたことが……まるで気付かなかったぜ……」
えなり「相手はただの“漫画家”じゃない“ヤンキー漫画家”なんだ!
    油断すればやられるよ!」
梅澤は歯噛みする。助けられたというのか、この坊主に。
梅澤「えなり…礼は言わねえからな」
そんな梅澤に臆することなく、えなりは言い返す。
えなり「いいよ…僕はおまえを助けたわけじゃない……
    “ 生 命 ” を 救 い た か っ た だ け だ ! ! (自分の)ボソッ」

同じマシンに乗ってる以上、もはや一蓮托生。
二人の命は繋がってしまっているも同然。
ヤンキ―漫画二大巨頭のデッドヒートは続く。

100 :ワイルドで行こう:04/01/18 23:38 ID:9Q4rvSDy
恐竜の咆哮のような爆音(オト)を吐き出しながら、ヤンキー漫画二大巨頭がデッドヒートを続ける。

  !?

    クッオオンッ!! オンッ! ヴァオウ!
梅澤「(コ…コイツ……待ってやがる!?)」
追い縋るのが精一杯の梅澤の前方で、佐木が稲妻のような蛇行運転を繰り返す。
梅澤「(ローリング“キ”ってやがる!? この“速度(スピード)”の中で……)」
えなり「(信じられない……あいつ、“遊”んでる…?)」
梅澤「サキィィィッ――――― ! ! 」
佐木「(“躍”ろーぜ……? “梅澤”ぁ……)」
2つの鉄の塊が、スピードを吐き出し、暴走(はし)り続ける。

  !?

そのとき、新たなる介入者が現れた。
それも、“反対車線”から!
その乱入者は、中央分離帯を縫ってアクセルターン。
佐木と梅澤の間を真っ二つに断ち切るように、真正面から突っ込んできた。

  ドオッキャアアン!!
ジャッ! ギャッギャッ!
梅澤「“マジ”か……?“法定”速度+100うん10km/hだぜ!?
   それを対抗車線走って抜きやがった……!?」
佐木「フン……“誰”だ……? オモシレーことしてくれるぜ…?」

101 :ワイルドで行こう:04/01/18 23:52 ID:9Q4rvSDy
   !?

ぐわん! ぎょわわ!
謎の乱入者は、タイアを溶かしてターンし、再びこちらを追跡し始めた。
佐木のように技術(テク)がとりたてて優れているわけではない。
しかし、その男の暴走(はし)りには、“恐怖”がなかった。
下手すれば即死、よくて脳死という正気と狂気が紙一重で混在する空間で、男はためらいもなく“狂気”の側に足を踏み入れていた。
??「“当”たる気がしねえ……今の俺には“誰”も“触”れねえ……」
半ヘルと、ゴーグルに隠され、顔は見えない。
分かるのは、削いだような顔の下半分、狂気と殺気に濡れた瞳。
そして裡に秘められた、何かドス黒いもの。
男は、あっさりと梅澤を抜きさり、佐木の数メートル後ろにつけた。
これは、佐木がわざと速度を落としていたこともあるが、何より男の走りは常人とは何かが違う。
佐木「“誰”だ……? テメエ……」
??「くかかか……俺を忘れたんかよ“佐木”ィ……仮にも“魔牙神”で書いてたテメーがよぅ…?」
佐木「!?」
梅澤「(何だ…? 知り合いか、こいつら…?)」
??「かかかっ……オメーらの“肉”は“硬”てェのかなぁ……?“柔”らけーのかなぁ…?」
すると、佐木がふいに菩薩のように眼を細めた。
その笑みは穏やかだが、嵐の前触れのように恐ろしい。
溶けたバターのような空気のなか、佐木はようやく男の正体に気づいた。
最初、かつての印象とあまりに違うので、誰だか分からなかった。
だが、今は分かる。その男が誰だか。そして、佐木は男の名を呼ぶ。

佐木「会いたかったよ…? “ 森  川 ”ぁ………?」

102 :作者の都合により名無しです:04/01/19 02:13 ID:REQVmNV6
エライことになってるよ梅澤くん(・Д・)

103 :作者の都合により名無しです:04/01/19 03:08 ID:hDEYQ8zp
まさか森川が来るとは!大和田と皆川も温泉から連れ戻すかw

104 :出発と発見:04/01/19 12:29 ID:2pTD9Yqx
真理を求めるため、そして守るもののためにより強くなるため。
荒川は、無礼ドを去った。
他の面々は、それに同行するのが“虎”の一角であることを知らない。
そして、無礼ドは今、発進した。
迫り来る驚異に対抗するため、漫画家同士が結束を深める場、慰労会へと。
(まあ、実際は、ただのドンチャン騒ぎなのだが)

荒木 「もうすぐか。やれやれ、長かったな……ン?」
そう呟いた荒木の横で、皆川が口をあんぐりと開けたまま、ある一点を凝視していた。
荒木 「どうした、皆川?」
訊いても皆川は答えない。
怪訝に思って、荒木が皆川の見ていた方向――そこには一台のモニター画面がある――を見た。
すると、そこに映っていたのは。

 ゴオッ! ドオッキャ!!  ゴオオオオン!!  パパァッ!!パァーン!!!

Dブロックの映像。
そこで、2台の鉄馬が爆音を轟かせ、デッドヒートを繰り広げている。
今、乱入してきた一台の原チャリが蹴飛ばされ、大破炎上。
間髪入れずに、さらなるキレタ走りをする暴走車が割り込んできた。
画面上のテロップには、数分前、暴走族と思われるグループが全滅したニュースが流れていた。

荒木 「なんだこれは? どこかの暴走族がチキンレースでもしてるのか。これがどうしたんだ?」
すると、皆川は黙って、モニターのある一点を指差した。
そこには、ヤンキー風の男のうち、片方の後部座席にしがみつく1人の少年の姿が映っていた。
それを見た荒木が、叫んだ。
荒木 「えなり君!?」

105 :キャノンボール1:04/01/19 12:46 ID:2pTD9Yqx
荒木 「てっきり先に宴会へ行っていると思ったら、なぜあんなとこに…」
皆川 「ワケ分からん……世話が焼けるな」
そう呟きながら、皆川が皮ツナギに着替え始める。
荒木 「? どうするつもりだ?」
皆川 「放っておくワケにもいかないだろ。俺が行く」
荒木 「確かに、君のチェシャキャットなら、
    あの付近に出現することは出来るだろうが、そこからどうする?」
皆川 「ホワイトラビットじゃ、音速の際の衝撃波でえなり君を巻き添えにしちまう……だから、これを使う!」
ヘルメットをかぶると、皆川がレーシング用と思われるバイクに跨がる。
荒木 「それは…?」
皆川 「ホンダCBR954RR 清水レーシングスペシャル。
    鈴鹿8耐に出るために、俺が調整してきたマシンだ」
そう言うと、皆川がエンジンに火を点ける。
皆川 「俺はえなり君を連れて、後から行く。先に行っててくれ」
荒木 「しかし、君は確か、何かのイベントに出るんじゃないのか?
    今から行っては、最低でも夜までは帰ってこれないぞ。ここは俺が行っても……」
皆川 「いや、ここは俺に任せてくれ。たまには、俺も見せ場が欲しいんでな」
言い捨てると、皆川は愛車と共に、瞬間移動した。


Dブロック、某地点。
そこに、一台のバイクと共に、皆川が出現する。
皆川 「さて、あのまま行けばこの道を通る……」
呟きは、背後から迫る轟音にかき消された。
皆川 「さっそく来たか! 行くぞ、CBR954RR!! 
    お ま え に 生 命 を 吹 き 込 ん で や る !! 」

106 :キャノンボール2:04/01/19 13:39 ID:2pTD9Yqx
一方、松椿では。
大和田「ふう、いい湯であった」
温泉を堪能した大和田が、野球帽と浴衣という、この男にしか似合わないキテレツな格好で、脱衣場のマッサージ椅子に腰掛けていた。
湯冷ましの間の暇つぶしに、TVをつける。
すると、そこには鉄の弾丸たちが、死と隣り合わせのゴールへと突っ走る映像が。
今、また一台のバイクが戦線に加わった。
サーキット用のレーシングカーだ。レプリカではない。
その素晴らしい運転技術に、大和田は確信する。
大和田「奴だ」
ガタッと立ち上がると、いきなり特攻服に着替え、指を鳴らして叫ぶ。
大和田「パッソール!!」
次の瞬間、爆音を響かせ、どこからともなく大和田の愛車であるモンスターマシンが飛んでくる。
大和田「行くぞ!!」
N  「 ち ょ っ と 待 て !! 」
愛車に跨がり、現場へ急行しようとした大和田を、Nが引き止める。
大和田「なんだ。私の行く手を阻むつもりか」
N  「そういうんじゃなくて、トライアスロンはどうするんですか?
    今から行ったら、開始時刻には到底、間に合いませんけど」
大和田「構わん」
N  「え?」
大和田「私が出場する理由は、あの者と戦う為だ。
    だから、あの者が出ないレースなど興味がない。
    私は賞金などよりも、あの者との戦いを選ぶ!!」
言い放つと、ジェットエンジンを噴射させ、大和田は旅館の壁をブチ破り、空の彼方へと消えた。
後には、Nだけが取り残された。



107 :キャノンボール3:04/01/19 13:46 ID:2pTD9Yqx
N  「やれやれ、これだから単細胞は……どうしたもんかね。参加選手、全然集まらんな。
    あの2人が出ないと盛り上がらんし、もう中止にするか……」
秋本 「 そ れ は 困 る !! 」
ぼやくNに、秋本治が物凄い形相で迫る。
N  「あ…秋本さん」
秋本 「今さら、中止は認めんぞ! ワシは賞金に命かけとるんじゃ!!」
N  「…って言っても、たった3人しか参加選手いないし……そうだ!!」
Nの脳裏で、電球が輝いた。

N  「ト ラ イ ア ス ロ ン の 賞 金 を 
    あ の レ ー ス に か け ま し ょ う !!!」

秋本 「なにい!!?」
それは秋本をも驚愕させる提案だった。
N  「よく考えたら、こっちの方が派手だし、断然盛り上がりますよ!
    漫画家には、運転が得意な人も大勢いますしね。秋本さんも含めて」
秋本 「なるほど…では、あのレースに参加すれば賞金はもらえるんだな?」
N  「それはもちろん。1000万円!」
秋本 「よし、乗った!!」
叫ぶが早いか、秋本はいずこかへと疾走していった。 
N  「さて、こうしちゃいられない……面白くなってきた」

それから数分もしないうちに、全漫画家に通達がなされた。


108 :キャノンボール4:04/01/19 13:47 ID:2pTD9Yqx
  「予定されていたトライアスロン大会ですが、都合により急遽、
  
  【キ ャ ノ ン ボ ー ル レ ー ス】 に 変 更 し ま す !!!!
    
    参加は自由! 飛び入り、乱入、ナンデモアリ!!
    ただし、コースはあらかじめ決められている!!
    出場資格は、タイヤのついた乗り物に乗っていること!!
    規格は一切不問! ただし、飛行することは禁止!!
    他参加者への妨害行為は、全て有効!!
    勝利条件は、たったひとつ!!
    
    生き残って、Aブロックのゴールに辿りつくことだけだ!! 」

こうして、前代未聞のレースの幕が上がった。

109 :作者の都合により名無しです:04/01/19 13:50 ID:2pTD9Yqx
やっちまったぜ(・∀・)アヒャ!

110 :作者の都合により名無しです:04/01/19 14:39 ID:Hk3pbClf
六人の眼光が、交錯する。
大暮「3on3……ってか。ちったあ、愉しくなりそうじゃん?」
      
        戦    闘    開    始

戦闘の口火を切ったのは、煙草だった。
哲弘「フライング根性焼き!」
ほぼノーモーション超高速高熱源の奇襲!
「「「!?」」」
大暮、藤田、田口、戸田の視線がセブンスターに集中した。

   ド ッ ……… !!

刹那、地に響く音。
由利徹が大木刀を地に振り下ろした音だった。
由利「…全体を見ねえと、足元掬われるぞ」

  ピ ッ 

振り下ろした剣圧で砂が、岩盤がめくれ上がる。
由利を中心に水面に大輪を咲かすが如きこれは―――
由利「柳生殺刃 蓮華鏡・昇華!!」
大暮が、藤田が、田口が、戸田が天空へまきあがる。
超人的な動体視力を持つゆえに、目視しがたい煙草に視線が集中し、
由利の大振りの剣を見逃すという悲劇。
そして哲弘と由利のコンビネーション。
藤田「こいつら、本当に敗残兵か!?」

111 :作者の都合により名無しです:04/01/19 16:48 ID:REQVmNV6
あら試合変更れすか(´∀`)オヒョ
ジェットモンガロンの乗り手は
寝込んでて出られなさそげですなぁトヒョ

112 :やれいけ別府進撃隊:04/01/20 15:24 ID:7PRKaMUE
 「いい湯ですね〜イノタケさん」
 「あ〜まったくだな〜ヤナガワ君」
北条司の弟子二人(もう一人はえなり連れてる人)が、仲良く男湯に浸かっている。
衝立の向こうには鹿児島名物・砂風呂に埋もれて夢心地のゆで1号。
相棒の暴れっぷりも知らず、のんきに寝そべっている。
そこへ新たな人影が。 “かぽーん かぽーん”
木桶を転がすような音。しかしそれは・・・
 「オホホホ!存分に愉しませていただきますわ♪ホホホホ」
一糸まとわぬ姿でバスキャップを被った広江礼威が、
腕を振って脇をカッポンカッポン言わせている音だったりした。
えもいわれぬ恐怖。井上と柳川は思わず顔を見合わせた。


ところかわって数名の選手がベッドに眠る医務室では、
高熱にうなされるにわのが奇妙な夢を見てうわ言を言っていた。
 「う〜ん・・・うわー!血の池地獄に澤井君が〜・・・やめろ〜やめちくりゃ〜。
 今度は針の山に岡村君がぁぁ〜・・・おにょれー鬼ども〜・・・絶対助けるモン〜」
 「おい、俺がどうしたんだよ、にわのさん!」
 「・・・ああん!?テメーが岡村君を襲う鬼だスな!?そこになおれやオラァー!」
 「う・・・わぁっ!? (ドグシャアア!!) ・・・・・・しまったぜ」

先刻目を覚ました岡村は、隣のにわのの声が気になりベッドを覗いたところ、
なにやら夢と現実がごっちゃになった病人にいきなり“鉄菱”の握りで殴りかかられ、
ついとっさに武蔵裏天流お得意の《顔面すりつぶし》を決めてしまった。
 「ま、まあいつもマスクしてるから大丈夫だろ・・・って顔面血みどろだよオイ!!」
 「つ、痛ぁおう〜・・・ あ、岡村君!無事だったのかモン(うるうる)」
折悪く乙の言いつけどおりこっそりマスクを外し、タオルで覆っていたのだった。

113 :やれいけ別府進撃隊:04/01/20 15:47 ID:7PRKaMUE
哀れ顔面のみミイラみたく包帯グルグル巻きになったにわの。
 「うーん、なんかスゲー嫌な夢だったモン。鬼だらけの地獄にいたじゃん。
 地獄谷温泉じゃないっちゅーに困るモーン」などとつまらん事をのたまってるところに、
こちらに向かうバタバタとした足音ふたつ。ひとつは怒ったように重く、強い。
同時に声も聞こえる。 (・・・宮先生!いったいゴルフ場で何があったんですか!?)乙だ。
台風のような勢いで巨人が医務室の戸を開ける。看護婦が何事かと青ざめる。
 「真船さんはいるかよ!?俺の肩を治療してくれ。 今 す ぐ に だ !!」
巨人・・・本宮は、まるで何かに追い立てられるような顔と声で叫んだ。
 「本宮・・・せんせー?」包帯でくぐもった声の男が首をかしげた。

真船は別の選手を治療していると聞き、本宮はきびすを返して部屋を去った。
包帯男も、島以来ようやく意識を取り戻した男も眼中にない様子。
事の異常さが気になり岡村は乙を見やるが、乙は肩をすくめて首を振っただけだった。
 「本宮センセもどーしたんだろうねぇ。にしても、
 そろそろトライアスロンの準備を・・・あっクラクラ」とにわのがベッドから這い出すと。

 「(包帯?)それがですね先生、なんでもレース形式が変更されたそうです」
 「ハニャ?」
乙が思い出したように言いながらベッド脇のテレビをつけた。
そこには長大なハイウェイと数台のバイク。見慣れた顔、見慣れない顔。
 「なんでも【キャノンボール】とか言って、バイクレースのようです」
 「ほへ。これもNさんの仕事なのかモン?なんだか悪いぞな〜後でお礼しないとね」
実際島以降病気やらケガやら災難続きで、さしものまこリンもお疲れである。
レース好きの連中は他に任せて、幹事さんの仕事に専念させてもらえるだけありがたいらしく。

 「・・・なんかバイクに梅澤クンっぽいのがいるのが気になるけどまあいいや。
 そろそろ別府会場に引っ越す準備でもしましょうかね〜♪」

114 :やれいけ別府進撃隊:04/01/20 16:30 ID:7PRKaMUE
 『選手たちに連絡するモーン。ぼちぼち別府行くから準備するモーン』

ごく簡単なアナウンスが入り、選手たちはそれぞれの部屋に移動する。
男湯では衣服や刀を頭にくくって持ち込んでいたサムライふたりが、
一種異様な眼光をギラギラ言わす鬼メイド・広江となぜか戦闘状態になっている。
 「嫌ですわおふた方、わたくしはただ“身も心もさらけ出し裸になって触れ合いましょう”
 と申しただけで他意はありませんわっ。男同士のつきあいですわ〜堪忍ですわぁ」
 「その言い回しが勘弁ならん!人ならぬ化生め、切り捨ててくれる!」
 「(いや一応人間だとは思うぞヤナガワ君!)」
 「そんなご無体な〜♪」
 「覚悟!!」
鉱泉で刀が傷むのもいとわず、身の危険を感じた柳川は抜き身で広江に斬りかかる。
しかし広江は避けるでもなく湯の中に立ち尽くす。刹那、湯の表面が僅かにゆらぎ・・・

    バ シ ィ ッ !!    ・・・・広江の真剣白羽取りが完璧に決まる!

 「なっ!?」驚愕の柳川、そして井上雄彦。
 「うふふ。強い人、好きですよ」両手で刃を挟み込みながら微笑む広江。
本人は“天使の微笑”を気取ったようだが、サムライふたりに彼の笑顔は、
それこそ地獄から来た鬼の使者のように見えたのだった・・・。

 「おはなしの続きは別府で・・・しましょ♪それでは殿方ごきげんあそばせ」
狂鬼の残滓をこぼしながら、“冥土のメイド”広江はニコニコ風呂を出て行った。
残されたふたりは、憑き物を振り払うかのように温泉に暫く浸かったのであった。


 「広江、いい暇つぶしになりそうか?」文庫を片手に同室の木葉が語りかける。
 「そうね。いい思い出ができそうね。やっぱり旅はいいわねぇ・・・」
玄米茶と茶請けのもなかを食べながら、湯上りの男はホゥと楽しい息を吐いた。

115 :やれいけ別府進撃隊:04/01/20 17:03 ID:7PRKaMUE
 「やれやれ次は別府か。ハードスケジュールだなしかし」
【キャノンボール】参加組は別の便ですでに矢吹艦に向かっている。
何度目かの屋根の修理が終わったバス内に選手たちが入り席に座る。
知らない者同士も徐々に声をかけあうようになり、とりあえず経過は良好。
モニターでは派手にバイクレースが繰り広げられている。
顔面包帯男がバスの外で、乗客が全員揃うのを待っている。
 「にわの、随分イケメンになったなオイ」友人森田が遠慮なく笑う。
点滴のおかげか何とか立っていられるらしい。治療を粘っていた本宮が到着。
行きのバスの時とは別人のような本宮の雰囲気に天野が戸惑う。
 (何かあったのかしら・・・?怖い・・・)そんな彼女に目もくれず、
一階席の際奥の席にどっかりと腰をすえる本宮。まるでヤクザのボスだ。

苛立ち殺気を振りまく本宮を遠巻きにしながらバスの席は埋まり、
のぼせすぎてグデングデンの井上と柳川は、高橋陽一や許斐と同じ救急ヘリで、
のんびり別府に搬送される事になった。乗客にシートベルトの指示が飛ぶ。
 「・・・井上君!青山君!急がないとバスが出てしまうぞ」
 「ひぃ!ひぃ!け、結局温泉入れなかった・・・ふうふう」
 「松枝名師匠〜待ってくださいよ〜タイヤ10個はキツいっぺよぉ〜」
集合時間ぎりぎりまで走りこんでいた松枝名軍団が到着し、
お土産コーナーで悩みたおしていた澤井を川原がつまんでバスに運び、
キツネとお風呂に入った際に逃がしてしまった樋口と夜麻が、
なんとか捕まえて遅れてやってきた。バスの扉が閉まり、最後ににわのが乗り準備完了。
気絶してばっかの役立たず福地は未だ気づかれていなかった。

 『それではこれより当バスは約100分で九州縦断させていただきます。
 ごゆるりとバスの旅をお楽しみください』天野のアナウンス。いざ、旅立ち。

ドサクサに宮下が乗り損ね、バスの屋根にしがみついているのを誰も知らない。

116 :やれいけ別府進撃隊:04/01/20 17:28 ID:7PRKaMUE
 (・・・こちらサード。横山の旦那はいるかぁい?・・・何?ふんふん、
 とにかく忙しいからこっちで好きにやってくれってか。こりゃまた旦那らしくないねぇ。
 一応何名か向かわせている・・・か。橋本は?ああ、そう。そんじゃまた。アイアイサー)

運転席からそっとバビルの塔に連絡を入れた“運転手さん”だったが、
別のところで騒動(王欣太逃亡・現在行方不明?)が起きてるとかで横山と連絡が取れなかった。
トラブルやアクシデントはいつもの事。運転手は鼻歌交じりにハンドルを切った。
まあ、とりあえずは別府に向かう。参加者が揃ったその時が《仕事》の時間だ。

 「バイクかっこいいじゃんサイコーじゃん」余湖がはしゃぐ中、
画面むこうのキャノンボールは徐々に激化してゆく。
何故か一般車両まで何台かなだれ込み大騒ぎ。改造車や改造バイク、
どうやら一般人暴走族が彼らの走りに引き込まれたらしく。
お祭り騒ぎのデッドヒートは命さえ燃料にする勢いで誰にも止められない。
 「クソ、楽しそうでやんの。俺もチャベス号で出ればよかったぜ」
 「・・・それって確か原付じゃありませんでした?森田先生」
森田と隣席の樋口が呆れた声を出す。普通のバスより何倍も早いジェットバス。
それでも鹿児島から別府までは相当遠く、居眠りを始める選手たちも現れる。
澤井は買った土産のまんじゅうをさっそく食べ、喉に詰まらせるお約束。


さらば鹿児島。
さらば平和な時間。


そしてようこそ別府。
ようこそ地獄の一本道。

117 :作者の都合により名無しです:04/01/20 21:59 ID:PjNmBtiq
>武蔵裏天流お得意の《顔面すりつぶし》を決めてしまった。
不覚にもここでワロタw
たしかに、宇強はそーいう技ばっかりだったな

118 :赤き戦場:04/01/21 00:48 ID:Tzwh0DhE
天空に吹っ飛ばされる4人。
そのうちの1人に、由利は狙いを定める。
由利「(この中で一番の手練は恐らく、あの鎌を持ったガキだ。まず奴を仕留める!)」
由利「天空に巻き上げたるは壱の太刀。
   足場のない宙にあっては、いかな漫画家とて、次なる一撃かわす術もあるまい。
   弐 の 太 刀 が 寸 分 た が わ ず 急 所 を 貫 く ! !」

      
        弐  の  太  刀   “ 散   華 ” ! !


今しも、天空に突き上げられた切っ先が、闇藤田を貫こうとする。
しかし、今度は由利が失念していた。
上空から自分に兇悪な魔弾を構える射手の存在を。

    フ ラ ッ シ ュ ジ ャ ッ ジ メ ン ト
田口「 閃  光  の  裁  き !! 」

田口の右腕にヒビが入ったかと思うと、たちまち開花するように割れ、そこから超高圧のエネルギー波が放出された。
 「「!!」」
その破壊力を本能的に悟った由利と哲弘が、散会する。
破壊の光条は稲妻のごとく地表に突き刺さり、砂を巻き上げ、岩盤を破壊し、
そして、『砂漠の下に隠されたもの』を現出せしめた!!
戸田「なんだ……ありゃ!?」
闇藤田「ほう……」
大暮「これが麻宮の野郎が言っていた……」

   チ  ャ  ン  ピ  オ  ン  R  E  D   !!!!




119 :赤き戦場:04/01/21 00:50 ID:Tzwh0DhE
それは異様な空間だった。
大量の砂と厚い岩盤に覆われた大地の下には、とうの昔に廃棄されたと思われる、
傾きかけた高層ビルの廃虚が、朽ちた姿でなお存在していたのだ。
そう、これこそが秋田の『赤い核実験場』。
栄光なき、秋田最後の敗残兵たちの拠点。

 チ ャ ン ピ オ ン R E D で あ る !!

由利「ちいいっ、しまった! 連中にここの場所を!!」
哲弘「…………」
舌打ちする由利と、何を考えてるのか分からぬ顔で煙草を吹かす哲。
突然、足場を失い、6人の荒くれ達は全員、地下の広大な空間へと落下していく。
ビルは天井部分が失われており、全員がそこを通じ、戦場は『チャンピオンRED』内部へと移る。
壁や床や階段が崩れ、瓦礫の山と化した廃虚は、まさにあらゆる条件が詰め込まれた多彩なる戦場。
そこの吹き抜けを、6人は落下し続ける。悠長に着地を待つ者など1人もいない。
足場定まらぬ中空にあって、戦いは始まった!

その中で、このフィールドに早くも適応し始めたのが、大暮だ。
地の利を得た由利と哲の経験則を、『エアトレック』の機動性が上回る。
崩れた足場を蹴りつけ、由利へと肉薄する。
大暮「おもしれえ剣を使いやがる! だが、こいつは避けられっか!?」
由利「!?」
その瞬間、由利は己の眼を疑った。
なんと、大暮の腕が、いきなり『8本』に増えたのだ。
しかも、それぞれの腕に握られているのは、鋭い八本の槍!!
由利「腕が増え……!?」
大暮「 八   捜   槍  と共にあの世に逝け」

8本の槍が奔った。


120 :赤き戦場:04/01/21 02:03 ID:Tzwh0DhE
 ギャッ! ドッキュキュキュッ!!
速射砲のような槍の連撃。
さしもの由利も、剛刀を盾にして防ぐのが精一杯だ。
由利「(こいつの体はどうなってやがる!? この剣じゃなけりゃ、一瞬で蜂の巣だッ!!)」
八本からなる槍の高速刺突は、反撃の暇を一瞬たりとも与えない。
だが、そのとき。
由利の背後から、もうひとつの影が吹っ飛んできた。
三枚の羽。
加速する拳。
大暮「――――何!?」

       ド  ッ 

戸田「 翔  撃  の  シ  ェ  ル  ブ  リ  ッ  ト  !! 」

     ゴ      ン    ッ    ! ! !

戸田の全てに反逆する拳は、八捜の槍ごと、大暮を吹き散らした。
床を、壁を、立続けにブチ抜き、大暮が瓦礫の中に叩きこまれる。
筆舌に尽し難い破壊力。
理屈を超越した拳。
まさに、戦鬼の鉄槌。
これが。
これが、戸田の拳だ!

壁を殴りつけ、その反動で戸田が空中で加速する。
その視線の先に、石片の山から起き上がるひとつの影。
シャツが破けた下に見えるのは、八捜の正体。
コンピュータ制御された、機械仕掛けの腕。
戸田「一皮むきゃ、機械じかけの千手観音とくらあ……メカに頼んねーとケンカもできねーウラナリが!」
大暮「バカが…矢吹と一緒に戦争ドラマを楽しんでいればいいものを…
   もはや悔いても還れぬ世界へ足を踏み入れたと知れ、反 逆 者 」

121 :サイバーシティは眠らない:04/01/21 08:30 ID:G5QUF8pA
風が、荒川の長い髪を弄び、冷たい冷気を彼女の肌に叩きつけていた。
ここは、鹿児島上空に浮かぶ矢吹艦の天井の上、気温マイナス30度の極寒の空である。
荒川 「うー寒い。もう、こんなところに来るなら来るで、先に言って頂戴。そしたら、こんな格好で来ること無かったのに・・・」
動きやすいように肌にピタリと合った、体の線がくっきりと出る薄いラバー製の潜入用スーツを着た荒川は、
厚手のコートに帽子、手袋と完全装備の吉富に文句を言った。
吉富 「気にするな。すぐに、熱くなる・・・」
一年中、同じ格好の吉富は、そう言うとポケットの中からネジを取り出して口に咥えた。
荒川 「はいはい、わかりましたよ。それはともかく、こんな所に来てどうするつもり?
    キユの居城どころか、なーんもないんだけど」
必死に肌をさすりながら、荒川が言う。ちなみに彼女は今、調子に乗って怪盗サイレーンの格好なんかで来た事を激しく後悔していた。
吉富 「ここの真下、五層ほど下ったところに、キユ配下で木城という男のラボ(研究室)がある。
    目指す男は、そこの治療カプセルの中にいる。」
荒川 「ふーん。ちゃんと、下調べはしているのね。でも、どうやってそこまで行くの?」
その質問に、吉富はニヤリと笑って、咥えていたネジを口に押し込み、ガリゴリと噛み砕いた後ゴクリと飲み込んだ。
吉富 「完成・・・」
吉冨の右手から巨大な大砲が飛び出す。
荒川 「その大砲って、まさか・・・」
嫌な予感がした荒川は、二、三歩後ろに下がった。
吉富 「一番の近道だ・・・・」
荒川 「ちょ、やめ・・・・」
吉富の大砲が地面に向けられ、そして・・・

DOGOOOOOOOOOOOOOOOOOOON!!!!

派手な爆発音と共に、矢吹艦の天井、荒川たちにとっては地面に大穴が空いた。
荒川 「あーもう、無茶苦茶ね!もうちょっと穏便に出来ないの?」
吉富 「警備が来る前に行くぞ。時間が無い」
荒川の抗議も取り合わず、さっさと吉富は大砲で作った穴に飛び降りた。
荒川 「とんでもない奴と組んじゃったかなぁ・・・」
少々後悔しつつも、彼女は後に続いた。

122 :サイバーシティは眠らない:04/01/21 08:32 ID:G5QUF8pA
荒川 「ここが、木城の研究室・・・・」
地面の破壊を繰り返した(途中、騒ぎを嫌った荒川が錬金術で穴をあけたりしたが)二人は、
なんとか無事に目的のラボに着いていた。
あたりは電気がついていないため暗く、なにやら意味不明なコードや機械類が置かれ、サイバーちっくな雰囲気を醸し出している。
荒川 「で、どこなのその男は?」
近くの吉富に荒川が尋ねた。何時の間にか彼は、拳銃らしきものをバリバリと食べていた。
吉富 「あれだな・・・」
食べてる拳銃を持ってないほうの手で彼が指差した先には、コンソールに囲まれた巨大なカプセルがあった。
近づいてみると、カプセルには小さなガラスの枠が窓のようなついており、中から緑の液体に浮かぶ人間らしき顔が見えた。
荒川 「これね。でも、どうやって開けるのこれ?」
荒川の質問に、吉富は無言でコンソールの操作を始めた。
やがて、水が抜ける音がなり、そしてシューという空気音と共にカプセルが開いた。
中から、目的の男の姿が見えたとき、荒川は赤くなって思わず目をそむけた。
目的の男が全裸で眠っていたためである。
吉富 「さて、こいつを連れて出るぞ・・・」
荒川の様子などお構いなしに、吉富は男をカプセルから引っ張り出し、全裸のまま抱え上げた。
荒川 「ちょっと、そのまま連れてく気?服ぐらい着せてよ・・・」
赤い顔をしたままの荒川を見て、吉富は手からマントらしきものを取り出し、それでその男を包んだ。
そのときになって荒川は初めて、その男の体が全身傷だらけで、しかも左手が自分と同じように義手であることに気が付いた。
荒川 「ひどい傷ね。これが治療カプセルなら、もう少し傷を癒してから来たほうが良かったんじゃないの?」
当然の疑問である。それに対しての吉富の応えは、素っ気なく、かつ意味深なものであった。
吉冨 「無駄だ。こいつの傷は、もう一生消えん・・・」
荒川 「そう・・・。私と同じね・・・」
感傷的な気持ちが胸を掠めるが、荒川はその思いを無理やり振り払った。
傷を舐めあうような事は、決してしたくなかったからである。


123 :サイバーシティは眠らない:04/01/21 08:33 ID:G5QUF8pA
荒川 「もう時間がないわね。さっさと、こんな辛気臭いところから出ましょう」
わざと明るく振舞う荒川。
しかし吉富は、そんな彼女を振り返ることなく、男を抱えたままじっと一点を凝視していた。
吉冨 「少し、遅かったようだな・・・」
荒川 「え・・・・!?」
振り返って吉富の横顔を見た荒川は、サングラスの隙間から見える瞳に、冷たい殺気が宿っていることに気が付いた。
その吉富の視線の先へ、ゆっくりと首を向ける荒川。
カツーン・・・・・
彼女は、振り返りながら、その耳に不気味な足音を捕らえた。
カツーン・・・・・
完全に足音の聞こえる先に視線を向けるが、室内が薄暗いため、彼女は完全にその姿を確認することが出来ない。
カツーン・・・・・
何歩目かの足音の後、コンソールの明かりに斜めに照らされ、ようやくその姿が下半分ほど見えた。
カツンッ!
止まった。
未だ上半身を闇に残し、その足音の主は歩みを止めた。
光に照らされる下半身には、真っ白い白衣と黒いブーツが見えた。
荒川 「吉富、あいつってまさか・・・」
吉富 「ああ。ここに来るからには予測はしていたが・・・・」
五虎神である吉富が緊張し、冷や汗を流すほどの相手である。
荒川にとっては、最悪の敵であった。
圧倒的な画力と高い構成力、緻密なSF設定とダイナミックな戦闘シーンを誇る漫画の作者。
狂ったジャンキーと、倫理観の欠如したマッドサイエンティストを描かせたら、その男の右に出るものはいないであろう。
その男の名は・・・・・

?? 「 プ リ ン お い ち ぃ ! ! 」

                           “ 木 城 ゆ き と ” 
                   暗 闇 か ら プ リ ン 片 手 に 登 場 ! !


124 :サイバーシティは眠らない:04/01/21 08:36 ID:G5QUF8pA
荒川 「嫌な相手に会ったものね。でも・・・」
荒川が、先手必勝とばかりに戦闘体制をとる。
だが、上から吉富が抱えていた男を背中に投げられ、思わずスッ転びそうになった。
荒川 「何すんのよ!」
何とか、男を肩に抱える荒川。
吉富 「おまえは、この男を連れて逃げろ。ここは、俺がやる・・・」
吉富が、視線を細めて言う。
荒川 「冗談じゃないわよ!万が一あなたが死んだら、誰が報酬を支払うのよ!」
吉富 「今は、仕事を済ませる事だけを考えろ・・・」
荒川 「死ぬ気!」
吉富 「まさか・・・」
ポケットから取り出したネジを食いながら、彼は言う。
吉富 「これは、俺の仕事だ・・・・」
それと同時に、巨大なキャノン砲が吉富の右手から飛び出した。
木城 「ケキャキャキャキャ。立派な銃だ。しかし、そんなものが、私に当たると思っているのかね?」
吉富 「どうかな・・・」
余裕の木城に対して、無表情のまま巨砲を向ける吉富。
木城 「フフフ・・・・。おもしろい男だ。おもしろい・・・・・・そう、本当に面白い男だよ君は!!」
サイバーちっくなゴーグルの下から、歓喜の表情を見せる木城。
木城 「君たちが何故、その男を迎えに来たのかは知らないが、そんな事は私にとって重要なことじゃない!
     重要なのは、今日、今、ここに、貴重で価値の高いサンプルが私の元に来たいう事だ!
     ああ、プリンおいちぃ!」
プリンを、スプーンでガツガツ食べながら木城は言う。
木城 「吉富くん。君の体は、科学者である私の研究意欲を、非常にそそらせるものがあるのだよ。
     特異な能力、不死の体、謎に包まれた生い立ち、何もかもが私を強く引き付ける!
     ああ、早く君の脳を、肺を、心臓を、弄って弄って弄り回したいぃぃぃぃぃ!」
完全にイッてるマッドサイエンティスト木城は、背を反らし皿とスプーンをそれぞれ持つ両手を広げて、感情を体全体で表した。
既に、プリンは食い終わっている。


125 :サイバーシティは眠らない:04/01/21 08:37 ID:G5QUF8pA
荒川 「クレイジー・・・」
独り言とも取れる荒川の呟きに、木城は歓喜の表情で応えた。
木城 「嬉しい事いってくれますね、お嬢さん。よろしい、あなたも私が解剖してさしあげましょう。
     ふふ、光栄に思ってくださいね。なんせ、あなたも偉大なる科学発展の礎となるのですから」
スプーンを持ったまま人差し指をチッチッチッと揺らし、狂った台詞を平然と吐く木城。
荒川 (狂ってるわ・・・・本当に狂ってるわ・・・・・)
脂汗を流し、ガタガタ震えそうになる荒川の五体を、かつて和月と戦った時以上の恐怖と嫌悪が駆け巡っていた。
そんな彼女を庇うようにして、吉冨が1歩前に進んだ。
吉富 「ご高説はもういい。さっさとかかって来たらどうだ・・・・」
静かに銃を向ける吉富。
その挑発に、木城はピクンと反応を示す。
木城 「いいんですか?私がその気になれば、この皿が地面に着く前に・・・」
皿とスプーンから手を離す木城。
木城 「 あ な た を ミ ン チ に す る こ と が 出 来 る ん で す よ ! ! 」
音速を超えるスピード!
一瞬で音の壁を越えた木城の姿を、荒川は完全に見失った。


126 :サイバーシティは眠らない:04/01/21 08:39 ID:G5QUF8pA
荒川 (やばい!こんなスピードじゃ、マシンガンだって当たりはしない。ましてや、あんな大砲なんかじゃ・・・)
荒川は、吉富の武器選択におけるミスを呪った。どんな威力を秘めた銃でも、当たらなければ意味はない。
ましてや、今吉富が持っている武器は、バズーカ―など比較にならない大きさ、重さを持った巨砲である。
取り扱いが難しいこんな大砲を撃ったところで、万が一にも当たるはずはない。
こういう状況で荒川が考えうる最善の方法は、相手の第一激をかわし、カウンターで敵の足を止めることであった。
願わくば、吉富がこの事に気がついて、大人しく回避行動をとっていてくれればいいのだが・・・・

                ド   ゴ   ン   ッ   !   !

吉富は撃っていた。
それも、真上。
銃弾は、天井に向けて放たれていた。
荒川 「!!!!」
一瞬、荒川は相棒が何をしたのか分からなかった。
そして、銃を撃ったと理解した時には、既に吉富の右手からキャノンが滑り落ちてきていた。
混乱する思考の中、顔を上げた彼女は、銃を放した吉富の右手が一本のコウモリ傘を開いているのを見た。
彼女は、さらに混乱する。
分けが分からなくなった彼女の方に、吉富が振り返った。
いや、違う。
吉富が見たのは、その後ろ。
微かだが、笑っていた。
荒川も、つられて振り返る。
信じられぬ光景。
その時、彼女は初めて全てを理解した。
天井から雨のごとく降るかかる銃弾に吹き飛ばされる、一体のサイボーグを見て理解した。


127 :サイバーシティは眠らない:04/01/21 22:01 ID:G5QUF8pA
吉富が放った特製散弾は、天井に突き刺さると破裂して、無数の破片を降らした。
無差別広範囲攻撃である。
音速で地を駆ける者にとって、この攻撃は致命的であった。
例え小さな破片でも、こちらが超音速でぶつかれば数十トンの質量を持った砲弾と化すからである。
ましてや、これは十分な速度と殺傷力を持った銃弾。
超音速時の空気摩擦を考慮に入れた耐久力を持ったサイボーグと言えども、もろに衝突すれば簡単に貫通されてしまう。
敵の性能を十分に熟知し、的確に弱点を突いた吉冨の見事な戦術であった。
もちろん、こんなことをすれば自身にも銃弾の雨は降りかかるのだが、それは次の瞬間に開いた、
防弾素材を使ったコウモリ傘によって防いでいたのである。
しかし、木城もさすがバトルシーンに定評のある漫画家であった。
とっさに、弾幕の薄い後方に飛び、被害を最小限に抑えていた。
瞬間的に、荒川の後方に回り込んでいたスピードといい、その実力は確かである。
戦いは、吉冨が先手を取ったものの、有利になったとは言いがたかった。
吉冨 「すぐに、そいつを連れてここから脱出しろ」
荒川 「この散弾の中、どこへ!?」
周りは銃弾の雨である。十数秒間散弾が続くように作られたこの雨は、今は盾でもあるが牢獄でもあった。
しかし、吉冨はあくまで冷静だった。
吉富 「下だ!」
荒川 「あっ!?」
来た方法と同じ方法で脱出できることに、この時まで気がつかなかった。
荒川はさっそく、パンッと両手を合わせて練成陣を組み、地面に穴を開けようとする。
だが・・・・
木城 「バカめ!ここはキユさまの居城だぞ!逃げられると思うなぁ!」
ゴーグルも白衣も千切れ飛び、木城はその下にあった少女の顔と体型をしたイマジノスボディを二人に晒していた。
そして、その声が終わらぬうちに、散弾を撒き散らす天井を突き破って、轟音と共に巨大な黒い影が降りてきた。
荒川 「なっ!?」
吉富 「くっ・・・」
落ちてくる瓦礫から荒川たちを守ろうとして、吉富の反応が一瞬遅れた。
その刹那、黒い影が腕を伸ばして吉富を掴み上げ、壁に叩きつけた。


128 :サイバーシティは眠らない:04/01/21 22:02 ID:G5QUF8pA
天から降って来たこの巨大な黒い影は、洗練された美しいフォルムと、悪魔のような漆黒のボディを持っていた。
ロボットに分類される10メートルほどのこの巨大人型兵器は、主にレイバーと呼ばれる人型重機の一種であった。
特に『ASURA』と呼ばれるOSを使用したこの機体は、それまでの常識を遥かに超える性能を誇っている。
この機体の名は・・・
吉富 「TYPE−J9・・・・・・・・グリフォンか」
そして搭乗者は・・・
木城 「遅かったな、『ゆ う き ま さ み』 !」
事態は、荒川たちにとって最悪の状況になって来ていた。
吉富はグリフォンの手に掴まれており、荒川は人ひとり抱えて自由に身動きできなかった。
将棋であれば、次の一手で投了である。
ゆうき「珍しく苦戦してるようじゃないか、木城」
木城 「これからだ・・・・これから・・・・くっくっくっ・・・・」
一方、圧倒的有利な木城たちは、どのように嬲り殺すかまでじっくりと考える余裕があった。
木城 「ゆうき、その男は殺すなよ。そいつは私の貴重な実験材料だ。だがまあ、こっちのお嬢さんは・・・・」
少女のようなかわいらしい顔を醜く歪ませ、木城が笑う。
木城 「いますぐ・・・」
背中に手を回す。
木城 「いただきまーーーす!」
その瞬間、木城は背中から折畳式の長大なナイフを取り出し、荒川に襲い掛かった。


129 :サイバーシティは眠らない:04/01/21 22:03 ID:G5QUF8pA
練成が間に合わない荒川。
しかし、木城が動くと同時に吉富は、何時の間にか口に咥えていたネジを飲み込んでいた。
吉富 「完成・・・」
ゆうき「な!?」
吉冨の右手から、巨大な蟷螂のようなメカが出現し、グリフォンの手を押しのけ、そのまま押さえつけた。
レイバーから開放された吉富が、荒川の元に急ぐ。
しかし、間に合わない。
右手から銃を出し、木城を狙う。
しかし、照準が合わない。
絶体絶命の時、木城の凶刃が荒川に迫る。
荒川が、最後のあがきに鋼鉄の義手で受けようとするが、木城のナイフはそれごと軽く切り裂いてしまうだろう。
だが!
それだけの強度と切れ味を持った刃だが、荒川を切り裂くことは出来なかった。
なぜ!
一本のクナイによって、刃ではなく柄の部分が受け止められていたためである。
誰に!
革靴にコート、帽子とごく一般的なサラリーマンの格好をした男によって。
木城 「なっ!?」
荒川 「あ、あなたは!!」
?? 「久しぶりですね、お嬢さん。相変わらず美しい・・・」

                  通 り す が り の サ ラ リ ー マ ン ! ! 
                    『 七 月 鏡 一 』 こ こ に 見 参 ! !


130 :作者の都合により名無しです:04/01/21 23:25 ID:Tzwh0DhE
真・木城はガリィというより、ゼクスのイメージだなどっちかっつーと

131 :作者の都合により名無しです:04/01/21 23:34 ID:P6viXF3B
七月久しぶりだ…今まで何してたんだろう?w

132 :作者の都合により名無しです:04/01/22 00:06 ID:3npJIwSc
どこが通りすがりなのかと小一時間(略)w

133 :作者の都合により名無しです:04/01/22 00:09 ID:J0TDPMHM
七月はたしか、「雁の巣」でバーテンやってたはず
つか、白藤田は結局どーなったんだ?

134 :作者の都合により名無しです:04/01/22 00:14 ID:3npJIwSc
隠れ年表では、現在の白藤田はヒョウさん風になって名をなくした殺し屋してるハズ

135 :作者の都合により名無しです:04/01/22 00:19 ID:J0TDPMHM
読み返してみたが、白藤vs黒藤に、七月が割り込んできたとこで回想が止まってるな
結局、あれからどーいう経緯で雁の巣に行ったのかが分からん

誰も書かないなら、俺が勝手に補完しようかな・・・
でも、そっちまで手が回らんのだよな・・・

136 :赤き戦場:04/01/22 02:27 ID:J0TDPMHM
戸田「おおおおお!!」
大暮「むうんっ!」
八捜の槍を構える大暮に向かい、戸田が空を疾走する。
そのとき、戸田の頭上から、新手が飛来した。
「「!!」」
闇藤田が、エレザールの鎌を戸田の首筋に振り下ろした。
避けられないと判断した戸田は、あえて左腕を犠牲にし、隙をつこうと狙う。
だが、疾走する鎌は、途中でその軌道を不自然に変えた。
うねるように戸田の左腕を避け、その刃先は一直線に心臓に向かう。
闇藤「『左腕を捨てて、その隙に反撃』、と、思ったろう」
戸田「ちっ!」
咄嗟に、左脚を跳ね上げ、ガードしようとする。
すでに、アルター『ハイパーグッドスピード』の構築を開始している。
しかし。
闇藤「『左脚 “ハイパーグッドスピード” ぶっ飛ばす』、と、思ったろう」
音速の蹴りをあっさりとかわされ、背後をとられた戸田の脇腹が鮮血をしぶく。
深手を負った戸田が、血を吹き散らしながら落下する。呻く。
戸田「て…てめえは……!?」
闇藤「『人の心を読むのか』…と思ったろう、その通りだ、へへ」
闇藤田の持つ数々の能力のひとつ『さとり』。
心を攻撃に出しすぎる戸田にとって、一番タチの悪い相手だ。
戸田「エタニティ・エイト!!」
ならば数で攻めるとばかりに、戸田が八つの宝玉を繰り出す。
闇藤「宝玉、右から下から……右上、ふり切って、左上から断罪断」
宝玉の連続攻撃から、次元を切り裂く必殺の刃。
その波状攻撃を、闇藤田は完全に読み切った。
闇藤田が戸田の頭上をとり、鎌が迫る。
闇藤「まずは目ン玉からもらうか!」


137 :迷いの森:04/01/22 11:11 ID:P+T5cn82
 静かな湖畔の森の影から、静寂を打ち破る足音が鳴り響く。
おっさん二匹を背負った井田ヒロトは、もうノンストップで二時間走り詰めであった。
「そういえば、風の噂で聞いたんだが……」
ふいに玉吉が呟く。
「この辺の森、出るらしいぞ」
「何がでありますか?」
久米田が能面顔で言う。
「……お化けが」
「マ…マジっすか!!?」
井田は急ブレーキをかけ、止まった。
「お、俺…その類の話苦手っすよ!!」
「まあ、そうビビんなよ。何でもこの森は昔から"迷いの森"とか言われてるらしくてな。それが高じて話に尾ひれが付いたんだろう」
「な…なあんだ……ビビらせないで下さいよ」
「まっ、この僕はそんなことは分かっておりましたが」
そう言う久米田の体からは冷や汗が止めどなく流れ落ちていた。
「はははは……ん?」
「どうしたんっすか? 玉吉さん」
「い、いや…今、あそこになんかヘンなものが…」


138 :迷いの森:04/01/22 11:11 ID:P+T5cn82
玉吉が指差した場所には、何も特筆すべきものは見当たらなかった。
「言いだしっぺがビビっててどうするんですかな? (プッ」
「いや、確かに……」(幻覚、か?)
「馬並み〜〜なの〜〜ね〜〜〜」
三人の背筋が一瞬にして凍りつく。確かに、聞こえた。馬声で鼻歌を歌う声が…。
「あんな漫画、もう描きたくありません!! でも、最近私が何もしていないのに漫画は雑誌に載っているんです。不思議ですねぇ…」
「偉大なる漫画家たちへ、そして、戸田泰成へ…チェリオ!!!」
「ゆで……俺のトレーラーは素晴らしかっただろう!?」
同時に複数のおどろおどろしい声が、森に反響して響く。
「たっ……玉吉さぁん!!!」
「怖くはないですぞ、怖くはないですぞ」
久米田の毛が鮮やかな曲線を描いて抜け落ちてゆく中、玉吉は
「井田…走れ! 全力で、だ!!!」
このままでは、この声たちに引きずられ、違う場所に連れて行かれるような気がしたのだ。さすがの玉吉も焦る。
「おっしゃらあああぁぁ〜〜〜〜!!!!!」
井田の体から黒い煙が沸き立ったかと思うと(当然ながら、煙は久米田の頭を囲む)、すさまじいスピードで森を走り抜けていった。

 「どーだ、ゴラ…一瞬で抜けて、やっ、た……」
井田は倒れた。疲労の蓄積はもう限界に来ていた。
「ありがとうよ、井田…」
そう呟いた玉吉の目の前には、福岡へと続く港が見えていた。
「遂に、福岡へ……」
ちなみにどうでもいいことだが、遂に久米田の地毛が絶滅した。

139 :作者の都合により名無しです:04/01/22 11:17 ID:J0TDPMHM
>どうでもいいことだが、遂に久米田の地毛が絶滅した
いや、どうでもよくねえよ、それ!w
久米田〜〜〜!

140 :迷いの森:04/01/22 11:21 ID:P+T5cn82
とりあえず、声の主でも当ててくれ。簡単だけどw

141 :作者の都合により名無しです:04/01/22 14:07 ID:J0TDPMHM
>「あんな漫画、もう描きたくありません!! (以下略)
実を言うと、これだけが分からない。・・・俺だけ?

どうでもいいが、馬並みの人は、あちらのスレで小兵力士として登場させたいね
こちらではもう、復活の目はなさそうだから・・・

142 :作者の都合により名無しです:04/01/22 18:09 ID:WP8INEh4
原秀則とか・・
違うか。

143 :迷いの森:04/01/22 18:11 ID:MFUj/n/6
A.桜野みねね

144 :作者の都合により名無しです:04/01/22 21:37 ID:kCIZil6/
>「ゆで……俺のトレーラーは素晴らしかっただろう!?」

もしかして、これトラクターのこと?

145 :赤き戦場:04/01/22 22:21 ID:J0TDPMHM
頭をつかまれた状態で、真横から死の風。
このままでは、確実に光を奪われる。
その瞬間、闇藤田の顔面に高速で迫る熱源が。
哲弘「フライング根性焼き!」
エレザールの鎌で弾き返したが、それは囮。
本命は、煙草の直後に吹っ飛んできた、哲弘の飛び蹴りだ!
哲弘「邪魔だ! てめぇ!!」
それをも、かろうじて闇藤田が、鎌の柄で受け止める。
その隙に戸田は、自分の頭をつかんだ闇藤田の腕を押さえ、それを軸に回転。
死の一歩手前の状況から、脱出した。
闇藤「ちィィ〜〜〜!」
逃げた戸田の顔面から、鮮血が散った。
戸田「あぶねえ、もうちっとで男前になるとこだ。助けられちまったな…」
一言、借りに対する礼を言おうとしたとき、戸田は右手に灼熱を感じた。
哲弘が、持っていた煙草の火を、戸田の右手に押しつけ消したのだ。
戸田「ぁちっ!! てんめえ! なにすんだ!!」
次の刹那、哲の蹴りが戸田の土手ッ腹に、戸田の左拳が哲の顔面に叩きこまれた。
哲弘「灰皿くらいおいとけ!! ポイ捨てさせる気か!?」

哲弘――世紀の理不尽帝王にして、限りなくバカな男であった。

戸田「ワケわかんねーことしやがって!! 俺の手は灰皿じゃねーぞ!!」
 ド ン !
哲弘「てめーは全身灰皿だ!! ボケ!!」
  ガ  ッ !

トップクラスのバカ2人。
もはや敵味方関係なく、殴り合いがおっ始まった。




146 :赤き戦場:04/01/22 22:22 ID:J0TDPMHM
突如、見えない速度で、血まみれの殴り合いをおっ始めた2人のバカ。
元々、仲間とも呼べぬ一時的共闘関係にすぎぬ2人だ。
ささいなきっかけで、いつでも敵同士になり得るのは、ある意味当然であった。
その光景に、さしもの闇藤田も呆れて、一時呆然となった。
そこへ、八本の槍を構えた男――大暮が近寄る。
大暮「なんだ、仲間割れか、間抜け共が。おい、藤田。一気にやっちまおうぜ」
しかし、大暮の提案に対して、闇藤田の対応はにべもない。
闇藤「――何を、得意面して命令してる。誰に口を聞いているつもりだ、小僧」
その冷厳な返答に、大暮の怒りに火が点った。
大暮「……何だと? てめぇこそ、何調子くれてんだ、コラ? 『白  面』!」
禁句。
闇藤田に向かって、誰であろうとも言ってはならない、禁断の台詞。
闇藤田が怒りと殺意を爆発させるのに、一刹那もかからなかった。
闇藤「キサマ……もう土下座をしても取り消せぬぞ……」
大暮「上等だよ、この小汚ねー狐ヤローが……」
こっちでも、仲間割れが始まった。

  ギ  ャ  ゴ  ッ  ! !

八本の槍が、不可視の颶風と化して、闇藤田を襲った。

対特殊能力者モードプログラム起動 
  チッ…チ チキチキ 
  センターロック解除
チキ…チッ… リミッター解除LV4限定使用30秒

その暴威、まさに小型の竜巻がごとし。
防御に使用されたエレザールの鎌が、粉々に砕け散った。




147 :赤き戦場:04/01/22 22:23 ID:J0TDPMHM
大暮「鎌は折れた! そのまま死ねぇや!」
闇藤「くく…愚かよのお…我の機嫌をそこねた上に…我にちょっとでも勝てるなどと思ってるトコロ…本当に……」
                キリキリキリキリ……
武器を失った闇藤田の胸部から、2本の新たなる鎌が生えだす。
闇藤「  軋   り   鋏  !」

    ジ    ョ    キ  !!

大暮「な……」
闇藤「甘いわいのお……小僧ぉ…」
化生の胴体より出現した一対の鎌が、ひとつの巨大な鋏と化し、
大暮のロボットアームをことごとく切断した。
闇藤「ほう…機械の腕を犠牲に、かろうじて受けたか。真っ二つだと思ったが」
大暮「何をォ!」
八本の槍を失い、激昂した大暮がつっかける。
すると、闇藤田がおもむろに腕を前方にかざし――
闇藤「  捲   刃   !  」

   ヴ   ヂ   ュ   ア   ! !

闇藤の腕から生えた無数の刃が扇風機のように回転し、大暮の身体を切り刻んだ。
大暮「くおっ!」
闇藤「しつっこいなァ」
 ズドズドズドズドズ !
今度は、頭部や肩から無数の鎌が弾丸のように飛び出し、大暮の身に突き刺さる。
闇藤「どうだ、この刃の使い方? 『つむじ』と言う。
   弱いな、キサマ。その程度で、我に勝つつもりかよ!!」
大暮「そうかな…」
次の瞬間、大暮が天高く跳躍した。


148 :赤き戦場:04/01/22 22:24 ID:J0TDPMHM
闇藤「子供だましか」
何の策もなく、悪戯に空中から飛びかかってきた。
少なくとも、闇藤には、大暮の行動がそのように映った。
だが、闇藤が、空中の大暮を撃ち落とそうとした瞬間、闇藤にとって予期せぬ出来事が生じた。
いきなり、2人の間を隔てるように、一枚の巨大な岩盤がすべり落ちてきたのだ。
闇藤「!!」
咄嗟に、壁の下敷きになることを避けたが、大暮を見失ってしまう。
闇藤「どこだ、奴は!」
 ぞくっ…
そのとき、闇藤は寒気と共に、壁のように地面に突き立った岩盤の向こうに、闘気が膨らむのを感じた。
闇藤「(しまった『龍眼』!奴め、岩盤が落ちてくることを『予知』していたか!)」

大暮「   棗  流  金  剛  八  式 
      
    泰     山     崩     轟   !!!!  」

凄まじい震脚からの、肩部による一撃。
文字通り山をも崩すような八極拳式の打撃が、岩壁を粉砕し、闇藤を吹っ飛ばした。さらに、コンクリの壁を数枚ブチ破り、闇藤が瓦礫の山に突っ込む。
大暮「ザコはてめえだ、このボケが!」
勝ち誇って、大暮が中指を突き出す。
すると、その方向から、血をしたたらせた闇藤が起き上がる。
闇藤「やってくれるな……ならば少しは本気を見せてやる……」
そう言った闇藤の肉体が変形し始めた。
今までの小学生のような容姿から、筋骨隆々とした凶悪な面相の坊主の姿へと変わっていく。
闇藤「キサマは…この姿でくびり殺してくれる」
その手に巨大な菱形の法具……『穿心角』を手にし、闇藤が駆け出した。


149 :赤き戦場:04/01/22 22:26 ID:J0TDPMHM
戸田と哲弘。
大暮と闇藤田。
突然、仲間割れを起こした者たちに、由利聡は舌打ちした。
由利「チッ…どいつもこいつもバカどもが……」
吐き捨てる由利には、この機に乗じて敵を掃討することが出来ないでいた。
なぜなら、その前に、学ラン姿の悪魔が立ちふさがっていたからだ。
由利「どうやら、まともなのは俺とお前だけか……さっさと片付けさせてもらうぜ」剛刀による凄絶な、振り下ろしの一撃。それが、田口の肩口を袈裟がけにした。
会心の一撃。
しかし、由利の表情に勝利の感触はない。
その目は驚愕に揺れ、剛刀を握る手がガクガクと震えていた。
田口「……どうやら、今までずいぶんとムチャな喧嘩をしてきたようだな。
   これだけの得物だ。振り回すだけでも、手首に相当な負荷がかかる事だろう。
   その大層な鉄甲を見たとき、分かったよ」
次の瞬間、田口の肩にめりこんだはずの剛刀が、あっさりと奪われた。
田口「そいつがただの防具でなく、大剣を扱う手首を支えるギブスだとな」
由利「!!」
さらに田口が滑り込むように間合いを詰める。由利の退路は壁に阻まれた。
いつの間にか、追い詰められていたのだ。
衝撃!!
背後の壁が粉砕し、由利が地面に転がり、血とゲロを吐き出した。     
由利「がはあっ! てめえ……」
田口「技を繰り出す刹那、そこへ小石のひとつでも撃ち込めば、いかなる剣技もその威力は死に体という寸法だ」
由利「あの瞬時に……」
冷や汗を流す由利の、右の鉄甲には、斬り掛かる寸前に田口に撃ちこまれた小石がめりこんでいた。


150 :赤き戦場:04/01/22 22:27 ID:J0TDPMHM

――こいつは…

跪いた状態で、由利が冷や汗を流しながら、田口を見上げる。

由利「(この男はっ、悪魔だっ!! 殺 戮 の 天 才 だっ!!)」

剛刀の一撃を破られ、由利は田口をかつてない強敵と認識する。

由利「(やべえ……こうなったら、『あれ』をとってくる以外に、
    この悪魔のような天才に勝ち目はねえ……。
    だが、今のオレに使いこなせるか、あの伝説の剛刀を……。
    車田兄貴から預かった、この施設の地下に封印した、聖剣……)」

思考をめぐらす由利に、田口が無慈悲に迫る。

由利「(しかも、まずはこの状況を切り抜けなきゃならねえ……できるか? オレに?…いや)」

由利「(やるしかねえ……まずは、この場を脱出する!
   そして、今度こそオレは『あれ』を使いこなしてみせる!)」    
 
  
 “ 風  林  火  山 ” の 資 格 者 は オ レ だ  !!!!

  

151 :GOGO!スピード違反:04/01/23 02:05 ID:bBdQqbhs
 「おい!早く治療の続きがしてえんだよ。ギリギリまでカッ飛ばしやがれ!」
本宮の怒号で渋々スピードを上げる運転手。高速道でもヤバすぎの時速350キロだ。
運転手の技量に祈るしかない乗客たちは戦々恐々。
その中でも呑気にテレビ観戦にいそしむ一部の図太い野郎ども。
どうなる事やら慰労会。ビュンビュン消える外の影。
バスは予定より早く、九州縦貫自動車道をぶっちぎって大分県入りした。
別府までもう少し。キャノンボールにも新規参加者が続々加入しだして楽しそう。
ちなみに大和田と秋本の他に、タイヤ背負った鳥山ロボが、
燃料ロボビタンAを補給されて復活し共に向かった。懐かしいネタだが参加資格は微妙。

 「・・・で、にわの先生。例の“裏御伽の話”なんですけど」
 「そーそー。いわゆる過去編だねっ!いいでしょお話しましょー」

   ―――むかーしむかし10年前、集英社ビルで大爆発があってね。
   ボクは近所のファミレスでたまたま本宮せんせーに助けられて、
   岡野クンと真倉君はボクとせんせーが助けたの。んでいろいろあって、
   4人で漫画界のトラブルを解決する何でも屋さんを作ろうって話になって、
   裏御伽の原型ができたモン。裏御伽って名前は非合法活動する時の、
   偽会社名のひとつだったモン。んで活動資金獲得のためトーナメント出て。
   川原センセは本宮せんせーと旅先でお友達になって去年加入。
   この頃既に幽霊だった真倉君がケンカ売って成仏しかけたホ。
   岡村クンはつい最近いきなりやって来て本宮せんせーに気に入られた変わり者。
  (刺客でしたが)澤井君は赤丸Jチーム所属でスカウトされ入隊。
   んで乙君がドサクサに入って現在に至る。めでたしめでたし♪

 「・・・こ、これだけですか?ただの『まとめ+α』じゃないですか!
 普通過去編って言ったらやれ因縁だ回想だ友情シーンだ〜って」
 「えーい黙ップ!需要がないのに長々語ったってしゃーねーモン。
 実際矛盾とか全部うっちゃってるし詮索ナッシン。あーホラ別府の看板ですよと」

乙が慌てて顔を動かすが、
看板は既に亜光速の彼方へぶっ飛んで見えなくなっていた。

152 :別府八湯地獄巡り:04/01/23 15:45 ID:bBdQqbhs
 「ルララ温泉〜温泉、蝶楽しみー♪」

 「いっけね、“舞”に使う扇忘れるところだった」

 「さて、ファイルはどっちの温泉地にあるんだっけな?」

 「・・・変態たちに選手のバスに乗せられてしまいました。こんな休暇いりません。平野様恨みます」

 「いくつの断面が拝めるかな?腕が鳴るね。はー猫はいないかな・・・」

 「福岡からどこに行くのかわからない?それより私は頭皮がスースーするのが気になりますぞ!」

 「佐木ィーーー待てやクソッタレ―――――――――――――――――!!!!」

 「誰でもいいから助けてくださぁーーーーーい!!降ろしてーー!!おーんせーーーん!!!」


様々な場所・時から様々な声。午後の空には白い戦艦。
天使と悪魔の双翼を持つ美しき艦・無礼ド。太陽は西に傾き遥かなる海をオレンジに彩る。
やっとの事で桜島港に着いたが、出迎えたのは看板持った変なロボ。
 『漫画家慰労会途中参加者へのお知らせ  4時半より別府に移動(夕食7時)』
やれやれと再び空を翔ける艦。メンバーはガンガン・サンデー連合軍。一部キャノンボール参加。

藤原カムイが、ベッドに腰掛ける高橋留美子に語りかける。
部屋には他に誰もいないが、彼の声はなぜか小さい。
 「高橋先生。率直な意見だが、あなたは慰労会に出ないほうが良いと思う。
 あなたは・・・いや、自分でもわかっているはず。吊るし上げどころじゃ済まない・・・かも」
口篭もるように話すカムイ。彼女の“過去”は断片的に聞いている。
ガンガンはどんな不安分子も成り行きのように受け入れてきた。
だからこそ。 守りたい。 しかしそれは・・・ 「・・・カムイ先生。私は・・・」 彼女自身が選ぶ道。

そして夕闇の中、無礼ドは静かな別府湾に到着した。向かうは別府温泉・別名 地 獄 温 泉 。

153 :作者の都合により名無しです:04/01/23 18:23 ID:mfk5/npb
別府か・・・・
あそこは良い所だったな。
街中からもくもくと湯気が立ってて、まさに温泉街だったな。

154 :作者の都合により名無しです:04/01/23 18:37 ID:KUNsYeZ1
なんか作中時間物凄く早くすすんでない?

155 :作者の都合により名無しです:04/01/23 18:45 ID:bBdQqbhs
巻きが入っt(ry

156 :湯煙に咲く華たち1:04/01/24 00:31 ID:Ifm7nV1l
別府温泉。
その露天風呂には、4人の女性がいた。
描写しよう。
細かく。
観客達の望みのままに。

――高橋留美子。
憂いを秘めた美貌。
腰まで伸ばした艶のある黒髪。
それとは対照的に、雪のように白い肌は、
ホクロどころか、毛穴すらないのではないかと思わせるほどに、滑らかだ。
すらりと伸びた脚は、大腿はみっちりと肉が張り詰め、足首は細くしまっている。
豊かに張り出した臀部から、蜂のように細くくびれた腰に続くラインは、星々ですらため息をつくだろう。
そして、豊穣の女神も羨むであろう圧倒的な量感の乳房。
両腕でも到底隠し切れないほどの大きさのそれは、少しも垂れることなく、
重力に逆らい、溢れるばかりの美を凝縮させていた。
淡雪のような白さは一段と際立ち、青い血管が透き通って見えるほどだ。
巨大な盛り上がりの頂きには、乳房全体の大きさと比較して実につつしまやかな、淡い桜色が息づいている。
「はあ…」
ひとつ、ため息をついた。
麗しい顔を、憂いがかすめる。
その憂いすら、人は美しいと思うだろう。
「どうしたんですか?」
そんな留美子の様子に、その横にいた少女が声をかけた。



157 :作者の都合により名無しです:04/01/24 00:36 ID:6VFNc2bQ
>>156
>描写しよう。
>細かく。
>観客達の望みのままに

のっけから、爆笑しちまったじゃねえか!!
おかげで、後の文がちゃんと読めねえよww

158 :作者の都合により名無しです:04/01/24 00:37 ID:qvfjRnPF
(*´・`*)ドキドキ

159 :作者の都合により名無しです:04/01/24 00:37 ID:e7SWSEYi
ニーズ分かってるねw

160 :湯煙に咲く華たち2:04/01/24 00:51 ID:Ifm7nV1l
――水野英多。
年齢の割にはやや童顔と呼べる顔に、天使の笑顔を浮かべている。
いつもは左右で三つ編みにしている髪を、今はほどいて伸ばしている。
留美子に比べれば、身体の線の起伏はなだらかだが、
それでもしまるべき部位は細く、女性の象徴ともいうべき膨らみは淡いが、先の開花への可能性を感じさせる。

「どうしたんですか?」
彼女は、微笑みながら、留美子に言った。
その態度に、留美子は動揺する。
彼女――水野英多は、通称『ブレードチルドレン』と呼ばれる、ガンガン屈指の銃使い。
作戦の立案と、遂行を司る者。
そして――
「貴女は私が憎くないの? 私は――」
かつて、『同人軍艦』の戦闘で、留美子と命の削り合いをした宿敵同士。
しかし、水野は言う。天使の笑顔のまま――
「それは憎くないと言えば嘘ですね」
そう答えた。
「だったら、どうして……」
「それが城平さんの意向ですから」
留美子の眉がぴくりと動く。
「貴女と一緒にいた彼のこと?」
「はい。城平さんは、こう言っています」
 
 『利害関係は一致している。手を組めばいい。
  かつての宿敵同士、背中を預け合うのもまた一興』

「貴女はそれに不満はないの?」
「ないですよ、何も?」
彼女はもう一度、微笑みながら――
「私は恋する乙女ですから。城平さんの言う事は絶対です」 

161 :湯煙に咲く華たち3:04/01/24 01:18 ID:Ifm7nV1l
留美子は、水野の微笑に一抹の戦慄を禁じ得なかった。
それは裏を返せば、その城平の指示があれば、留美子に何のためらいもなく銃を向けるということだ。
「大丈夫ですよ、心配しなくても。あの人は、暴力を好まない人です。
 彼には、『論理』という名の真実を奏でる旋律がある。
 だから、貴女が心配しているようなことにはならないと思います」
すると、2人の反対側の岩にもたれかかっていた女性が、口を開く。
「城平君は吸血鬼だから。他の人とは少し、変わってるのよ」

――冬目景。
肩口で切りそろえた、日本人形のような黒髪。
鑞のように、とさえ形容できる不自然なほどに純白の肌。
女性とは標準的な乳房の中心は、色素が薄く、肌色に近い。
その瞳は、星のない夜空のように黒く透き通っている。
唇は、紅を引いているわけではないのに、血を吸ったように艶やかだ。
目の下に、縦に2つ並ぶホクロは、彼女を朧の少女のようにも、淫蕩な娼婦のようにも表情を変えさせる。
それがなければ、彼女は背景の空間に融け込み、誰にも知覚できなくなるだろう。
それほどに儚げで、そして人間というものを超越した美を、彼女は有していた。
「まあ……私も似たようなものだけれど。――とにかく、そんな彼の相棒だもの。変わってるのよ、彼女も」
そう言ったきり、冬目はまた黙ってしまった。
留美子は思わず目を凝らした。黙った瞬間、彼女の姿が知覚しづらくなったのだろう。
とりあえず、その存在を再確認し、
あらためて、留美子は水野との話に戻った。



162 :地獄の一丁目:04/01/24 02:05 ID:qvfjRnPF
 天国のような地獄。
  地獄のような天国。
   ここは別府の温泉街。

木桶とタオルをお供に、起伏に富んだ街道を浴衣姿の客がうろついている。
立ち込める湯気と湯の花の香り。薄暗くなった木造りの景観を素朴な“ぼんぼり”の灯りが包む。
せわしないのにのんびりした風景。地獄の釜から湧き出たような赤いお湯。
日本文化の縮図のようなこの街を、本当の【地獄】に変えようと企む大馬鹿どもが、
何人も既に潜み溶け込んでいる事を知る者は、果たして沈みゆく夕陽のみであった。

 『長らくご乗車ありがとうございました。当バスは別府温泉街に到着しました。
 宿泊先≪松椿別府館≫が間もなく・・・ 手荷物の確認を・・・』

予定より30分も早く到着してしまい、夕食会まで1時間以上余ってしまった。
自由時間を設け、温泉街フリーパスが選手たちに渡された。
バスは松椿駐車場に泊まり、鹿児島本館から人数を割いて駆けつけた従業員たちが、
明るく客を迎えてくれた。ちゃっかりハッピを着た貞本とみずしなもいる。
 「「いらっしゃいませ〜!松椿別府館へようこそ〜〜」」木村はたぶんサボり。

医師団や重体選手達を乗せたヘリはまだ着いていない。
無礼ド組は既に到着して別行動を取っているようだ。
真船はチャーター便で先に別府入りし、患者の受け入れ準備をしていた。
調理場では牧野が超豪華船盛りの準備中。一部の魚は新しく仕入れた。

やれレースの続きを観よう、温泉の続きを楽しもう、治療を続けて早く治そう。
それぞれの目的のため、バスを降りた選手たちは動き始める。
彼ら荷物は男性従業員たちが手分けして運ぶ。そして。


 「みずしな、見つけたぞ例の『とっくり』!」
 「おお〜やりよるな貞っち!よし、残りの荷物はこの“バイトの達人”に任せて、
 あんたは細工を始めたってや。ほな頼んだで」

163 :地獄の一丁目:04/01/24 02:06 ID:qvfjRnPF
かつて酒の縁で屈辱と地獄を味わった男・梅澤。
彼はバイク勝負に夢中でそれらの事をド忘れているが、
同時に仕込済みの『リベンジ計画』そのものも忘れていた。
すなわち予定変更だの中止だのの連絡もなく、
協力者たちは梅澤がいない間にも着々と企画進行させてるのであった。
選手たちの荷物が運ばれる中、ひとり従業員室に消えた男も、そのひとり。

 「なんでも酒は異なる種類のものを飲み合わせると悪酔いするとか。
 という訳でターゲットが愛飲する酒にこの強力薬酒“眠れる森の美女”を、
 ブレンドしておき先にこれを飲ましておく、と。いやあ敵に回したくない鬼畜だ。
 さて蓋を開け・・・ なっ!?・・・なんだ、この冷気・・・?」
ゾクッと、した。貞本の全身に奇妙な鳥肌が立った。このとっくり酒はヤバイ。
何かとても恐ろしいものに触れてしまった気がした。ふるふると首を振る。
早く酒を突っ込んでしまおう。貞本は大きな漏斗を口に刺し込み、薬酒をドボドボと注いだ。
彼は知らなかった。かのとっくりが文字通り≪呪い≫がかっている事を。
ある程度入れた後素早く蓋をし部屋を出て、貞本は荷物を運ぶ男たちの中に消えた。


 「幹事さん、夕食会で乾杯の音頭をお願いしますね」
 「あー本宮せんせーアレですしなあ。イエッサー♪」
快諾したはいいけれど、いざマイクを握るとなると、余計な欲が出てくるらしく。
 「・・・川原せんせー、ちょっといい?相談したい事があるんですぅ」 「?」

別府八湯がひとつ 「海地獄」名物の温泉卵を食べながら、
温泉街の一角に腰を据えるにわのと川原。にわのの腰には例のとっくり。
 「・・・≪あれ≫の事を選手たちに発表したい?馬鹿だな、あんたも」
 「でぇー!?なんでー?だってボクだけ知ってるのも悪いじゃん。
 三日後の表彰式を狙って≪あれ≫が起きるのよ?みんな知ってた方が、
 いざって時に団結できたりしない?ボクはみんなを助けたいだけで」
 「助けたいのなら、言うな」

164 :地獄の一丁目:04/01/24 02:07 ID:qvfjRnPF
 「助けたいのなら、言うな」
 「なぁんでよーー!!」
 「消されるぜ」
 「・・・!!」
あっさりとした物言いの川原の、横顔を強張った顔で見つめる首から上を包帯に包まれた男。
こんな簡単な事に気がつかないのか・・・と細い目で返事をする川原は、
言葉を失った男の肩にポンと手を置き改めて「言うなよ」と忠告する。
男は温泉卵を手の中で遊ばせながら、しばらく言葉の意味を反芻していた。しかし。
 「・・・センセ。やっぱりボクみんなに言うモン。どーせ三日後死ぬつも・・・」
ゆらり。空気が微妙に鬼気を帯びた。気配の変化の意味を痛感するにわの。
川原は何も言葉を発さない。しばらく無言の時が流れる。
先に口を開いたのは・・・川原。
 「・・・飲むか?持ってきたんだろう。大勢との酒盛りも嫌いじゃあないが・・・」
 「・・・前にサボったクセに」
 「忘れた」

竹製の縁台に座りながら、腰のとっくりを持ち上げるにわの。
なんだか妙に重いような・・・?まあいいやとコルクの蓋を開ける。
 「うおっ!?・・・なんじゃこの不気味なニホイわぁ!なんか混じったモン?」
 「なんでもいいから先に飲めよ」
 「しどい。毒見係だスかボクわ」
得体の知れない臭いとトゲトゲした気配。とっくりから漂う異様な雰囲気がかなり嫌だが、
にわのは酒を持ってきた手前、ちょぴっとだけ飲むことにした。
とっくりを持ち上げ直接口に流し込む。そう、ちょっとだけのはずだった。
いきなり川原がとっくりの底をつかみ、注ぎ口を下向けたまま固定しなければ。
 「もがぁぁっ!!(鼻から酒がっ)ばにぶるぼーべんべ・・・ムガモゴ」
 「いやなに、ちいっとばかし眠ってもらうだけだ。ああ、乾杯は誰かがやるだろ」
 「ば、ばびを・・・」酒を浴びたにわのの首の後ろに手刀が飛んだ。

大きな男を小柄な男が背負い、宿の方に運んでゆく。彼らは知らなかった。
呪われた酒と、呪われた男。それらがとんでもない騒動を巻き起こす事を。
そして今夜始まるだろう別府史に残る≪おまつり≫を。

165 :湯煙に咽ぶ漢たち:04/01/24 02:13 ID:g2QBPugR
別府温泉。
その男風呂には、無数の野郎共がひしめくことになる。
描写しよう。
細かく。
観客達は全く望んでいないが。

「早速風呂である!!」

―――宮下あきら。
金剛石を彫り上げたような容貌。
絶え間なき研鑽を如実に表す禿げ頭。
はちきれんばかりの筋肉を箍にかけたような肉体は
威圧感溢れる頭部を据えるに相応しい重量感を備えていた。
そして、神奈川県川崎市の金山神社御神体も羨むであ404(つ∀`)404(つ∀`)
(つ∀`)404(つ∀`)404隠しきれな(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)垂れ404(つ∀`)
重力に404(つ∀`)404(つ∀`)404溢れるばかりの(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)
(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)一段と404(つ∀`)404い血管が(つ∀`)404(つ∀`)
巨大な404(つ∀`)404(つ∀`)頂には404(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)

(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)
(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)
(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)404(つ∀`)


東京某所。うずたかく積まれたジャンクの中の隠れ家。
「マスター?ディスプレイの前で突っ伏してどうしたんですマスター?
頚動脈から測定しましたが脈拍、脳波ともに無事ですよ。
またどこかの監視カメラを覗き見に使ったんですか?
マスター返事をしてください。マスター?マスター!?」
無機質な声がこだまする。ヤツの魂は何処へ行く(つ∀`)

166 :湯煙に咲く華たち4:04/01/24 02:24 ID:Ifm7nV1l
「でも、私は貴女を傷つけたのよ? それなのに、そんな私を許す彼の言うことを貴女は…」
「愛は見返りを求めないものですから。 彼が望むなら、私はそれに従うだけです」
留美子は息を飲んだ。水野の笑顔に裏にある、揺るがせない強い覚悟に。
そして、水野もまた尋いてきた。
「留美子さんは、いないんですか? そういう人」
「え!?」
いきなり尋かれ、留美子は戸惑った。
細く息を吐き出すと、やがて目を伏せながら、静かな表情で答える。
「愛とか恋とかなのかは自分でもよく分からない。でも――」
一拍おき、静かに、だが強く留美子は言う。
「守りたい人がいるわ」
そう言った留美子の瞳は、確固たる決意を秘めていた。
「その人は罪の焔に焼かれながら、もがき苦しみながら、前に進んでいける強さを持った人。
 彼の願いは、大切な人達をもう誰も死なせないこと。人の夢を護ること。
 でも、彼は自分を守ろうとはしていない。生きようとはしていても、自分の傷を省みない……」
「………」
「だから、せめて私だけは彼を守ってあげたい。
 世界中の誰が彼を見捨てても、私は彼を見捨てない。
 たとえそれがさらに罪を重ねることだとしても――――」
一瞬、場が静まりかえった。
やがて、水野がにっこりと微笑んで言う。
「留美子さん、やっぱり好きなんですね、その人のこと」
「え?」
「分かります。だって――」
そこで言葉を切り、息をためて言った。
「その人の事を話すときの留美子さん――す………っごく可愛い顔してるから。」



167 :湯煙に咲く華たち5:04/01/24 02:26 ID:Ifm7nV1l
「そ…そんな……」
留美子が狼狽した。顔中が火照り、耳までも赤くなる。
「幸せな人ですね、その人も。留美子さんにそこまで想われてるだから」
ところが、そう言われた途端、留美子はまた憂いを帯びた表情に戻ってしまう。
「留美子さん?」怪訝そうに、水野が顔を覗きこむ。
「自分の気持ちはよく分からない……。でも、例えそうだとしても、その想いは叶わないわ」
つぶやき、留美子は自分で自分を抱きかかえる。
「私は……人魚の肉を食べ、不老不死の呪いに憑かれた女。
 決して朽ちることなく、永劫の闇を彷徨う怪物。
 他の人が老いて死んでいっても、私はいつまでも老いることすらできない……。
 こんな化物みたいな身体の私に、誰かを想う権利なんてない…きゃっ!?」
いきなり留美子が素頓狂な声をあげた。
見ると、留美子の豊満すぎる乳房に、小さな指がめりこんでいる。
「ホホホ、何を言っとりますか。こんな身体してたら、男の方が放っておきませんぞ?」
――金田一蓮十郎。
白と桃色の混じりあった、ショートカットの少女。
端正と言っていい顔にはしかし、なにか不敵とも邪とも言える表情が張り付いている――ような気がする。
体格は小柄――というか幼児体系。
彼女の身体的特徴は、後日あらためて描写されるかも知れないが、今はこれくらいしか語る事はない。
「ちょ…ちょっと…! 蓮ちゃん…!」
慌てて拒絶の意をあらわす留美子だが、金田一は聞く耳を持たない。
その小さな指が蠢くたび、女性のシンボルが、つきたての餅のように自在に形を変える。
「わあ…」 「……凄いわね」
水野が両手で顔を隠しながら、指の隙間から覗いた光景を見て、感嘆する。
冬目もまた、その類いまれなる景観に、驚きを隠せない。
「フフフ、実にいい感触ですな……どうです、皆さんも御一緒に?」
「れ…蓮ちゃ……あっ…いや……うっ……くっ………」
金田一の巧みな指遣いに、留美子は追い詰められたように震えがった。




168 :湯煙に咲く華たち6:04/01/24 02:26 ID:Ifm7nV1l
「ほ…本当にやめて…!」
「そんなこと言っても、身体は正直ですぞ?」
「……エッチですね」
「ああ、淫らだ」
男の目がない、女性だけの空間。
人目から解放された女性が、奔放になるのは、世の常。
金田一の悪ふざけは留まることを知らず、
それは女性同士の壮大な『お触りっこ』へとエスカレートしていった。

一方、その頃。
湯煙の向こうで、別の華が湯につかっていた。
「はあ、気持ちいいわね。私、実はお風呂が大好きなの。 
 あら、私の漫画を読んでくれてる人は知っていたかしら? フフ…」
緑色に紫のメッシュで左目を隠した、その女性は妖艶そのものの微笑を刻み、誰にともなくそう呟いた。

さらに、同時刻。
湯煙を隔てた、さらに別の湯には、2つの妖花。
「ミズキチ、背中洗いっこしよう!」
「いいよ。やっぱり温泉って、リフレッシュできていいわね、ゆき」

ひとつの湯に、現時点で7つの華。
彼女たちが、どう咲き乱れるか。
それはまた別なる天上の繰り手に委ねよう。

169 :作者の都合により名無しです:04/01/24 07:21 ID:1YGFUX43
GJエロ!(・∀・)b
もっと来いやエロ!щ(゚Д゚щ)


ところで最後の二人って誰でつか?(;´д`)

170 :作者の都合により名無しです:04/01/24 11:43 ID:qvfjRnPF
(´-`).。oO(元審判の現妖魔)

171 :漢たちの挽歌:04/01/24 14:04 ID:qvfjRnPF
 「格別である!」

生ける御神体こと宮下あきら。
湯船にぶかりと肢体を浮かす。
他にも何名か湯を共にしているが、
さすがに宮下のお地蔵様に敵う者は居ない。
だが新たなる客が剥き出しの右肩に、
耐水ベルトを巻き腕を吊りながら、
治療の一環として湯に浸かりに来た時。
周りのギャラリーたちは。

御神体がふたつに増えた事を知り。

数分後、世の中広いようで狭いんだなと痛感した。


 「よお。テメエも来ていたのかよ。気がつかなかったぜぇ・・・・ 宮 下 あ き ら 」

 「・・・・ おひさしゅう、お 師 。いや・・・・ 本 宮 ひ ろ 志 殿 」

 「おおよ。テメエに 破 門 食らわせて以来だものなぁ、まともに遭ったのはよ。」

 「・・・・ 本宮殿らしくありませんな。その肩。さすがのお師も お 年 で す か ら な 」


    ピ  キ  ィ ・ ・ ・     爆ぜる直前の帯電した空気。


たまたま一番近くにいた湯の中の富沢ひとしは、
逃げるに逃げられず極々近距離で、
ふたりの巨人とふたつのお地蔵様とを、
泣く泣く見つめるしかなかったという。 がんばれ。

172 :出歯亀の世紀:04/01/25 02:20 ID:hLkUQJrh

女湯の流れは確実に変わりつつあった。
明るさ・華やかさ・生命力。
そんなさまざまな要素が湯気と混じり合いながらそこかしこに溢れ出し
一つの妖艶な空気を作り上げはじめていた。

この温泉旅行ではっきり覗き見てしまったものがある。

俺はある予感を信じ松椿周辺の竹やぶに突入した。
ちょうど藤色と薔薇色に染まった夕空の下、
老竹の谷間を滑るように進んだ先の衝立の隙間。
俺は言葉にならぬ声で叫び始めていた。

そうだ、俺にはわかっていたんだよ。

自分は望むものすべてを手に入れてしまった人間であり、
もうこの先、これ以上幸せにはなれっこないのだということを。


                漫画原作者  樹林 伸
                ――――――――――――
              マイ・ドリーム・温泉より(脳内書籍)

173 :女で男、男で女:04/01/25 04:01 ID:3CUjdubS
簡単な手続きや部屋割りの為、そして備え付けの大画面TVがレースを映している為
ロビーにはまだまだ人が溢れていた。
そんな中。豊満だがどこか鈍そうな女が、ぷりぷりと怒る少女に手を引かれ、人ごみを抜け出すことに成功する。
何が入っているのか、従業員に預けることもなかったカート付のトランクが続く。
「……助かりましたぁ〜」
「気にしないで下さい。あーゆーのは私達女の、共通の敵です!」
女は少女の台詞に少しだけ微妙な表情を浮かべたが
「で、下着、でしたよね?」
歩速を緩めぬままさっき入ってきたばかりの入り口を逆に辿る少女がそう聞くと
「助かりますぅ〜」
それは一瞬で消え『頼りきってる』と書いてあるような情けない顔になる。
途中、少女は、道との境を掃いていたハッピの老人になにかを小声で尋ね
やがて、バスや車の並ぶ駐車場に到着する。ようやく離される手。
振り向いた少女は、怒気を緩めぬまま、いきなり女を叱りつけた。

174 :女で男、男で女:04/01/25 04:02 ID:3CUjdubS
「一体なに考えてるんですかっ!?あの人達は今ここに居る漫画家の中でもトップクラスに危険なんですよっ!」
「……で、でも……でもぉ」
「でもじゃありません!特に女の子が一人でなんてゼッタイ駄目です!」
「……わ、私だって遠慮するって言ったんですよぉ」
うにうにと人差し指を付き合わせ、言い訳を連ねる女。
頭一つ分は高い背の丈が萎縮して小さくなり、逆に伸び上がる形で説教を垂れる少女は
身長を逆転させるだけの『上』としての雰囲気を纏っている。
「…ていうか、貴女も一応審判なんでしょう?彼らの試合、見てなかったんですか?」
思い出して、嫌そうに顔を顰めるも訝しげ。
それに、女の方は俯いたまま固まっていた。
(ど、どうしましょう?えーと……えーとえーとえーと……)
ロクな理由を思いつけない。だが幸いにもそれ以上のツッコミがされることはなかった。
「……ま、もういいです。貴女だって分かったでしょうし
 ……それにいつまでも……その……ノー……パン……というのもお気の毒ですし……」
頬をうすく染め、語尾を気まずげによどませる。
「……すいません……」
「……さっき、従業員の方に近くのコンビニを聞きました。とりあえずそこで新しいのを買いましょう」
「……ごめいわくおかけします……」
うなだれたまま更に二度三度と頭を下げる姿に、ちょっと言い過ぎを自省したのか
降りた沈黙を振り払う明るさで、少女はこう言った。
「そういえば、自己紹介まだでしたよね?私、樋口大輔っていいます。……あ、こんな名前ですけど、男の子じゃありませんよ?」
ほっぺのバンソウコがアクセントになった、優しい笑顔。
「あ、山田しゅぅ…子です。ハイ」

175 :作者の都合により名無しです:04/01/25 09:27 ID:1EQCmEeK
>>172
さようなら、キバヤシ。

176 :作者の都合により名無しです:04/01/25 09:55 ID:vByJ2EOY
ん?キバヤシなんかあったの?

177 :樹林(キバヤシ):04/01/25 11:28 ID:hLkUQJrh
なんだってー!?

178 :作者の都合により名無しです:04/01/25 13:08 ID:GL9QozfT
いいなぁ、樋口大輔。
島以来すっごくいいキャラになった。

179 :作者の都合により名無しです:04/01/25 21:33 ID:pNtNRwgX
んだべな

180 :作者の都合により名無しです:04/01/25 21:38 ID:tLqFh4QP
三浦以外の男には一貫して冷たいトコとか特にな

181 :裏御伽よもやま話:04/01/25 22:54 ID:hLkUQJrh
 「あ、岡野さんに真倉さん。何を話してるんですか?」
松椿ロビーで談話中の2人の隣に座る乙。彼らと話すのは海づり公園以来だ。
 「ああ、さっき川原が担ぎ込んだ酔っ払い馬鹿のせいで、
 乾杯の挨拶が回って来てね。真倉と一緒にどうしよーって、ウン」
話を聞くに、どうもにわのが酒に当たってぶっ倒れたとの事。
 「風邪引きがアホやるからバチが当たったんだろ」真倉は遠慮がない。
いつの間にか川原も近くに立ってニコニコ笑っている。
馬鹿を寝かしつけてきたらしい。

真倉の愚痴が続く。
 「だいたいな、あいつ今でこそアホみたいにイイコチャンやってるけどよ。
 昔はそりゃあヒドかったんだぜぇ。裏御伽の原型の“トラブル請負業”。
 作った頃に資金集めだとか言って『押しかけ用心棒(バンサー)』な。
 しかも悪党なら遠慮なくコマギレだわ顧客から金を搾り取るわ・・・。
 酷い時は収入より被害者への支払いの方が多かったりしてな」
 「こ・・・細切れですかぁ!?」
乙は頭がクラクラしてきた。とてもじゃないが想像つかない。
 「まあ、いつの間にかおとなしくなってたよ。でも今でもたまーに・・・
 そうだな、悪酔いした時なんか昔の顔が出てくるからな。今起こすとやばいぞ」
岡野の忠告に首を何度も縦に振る乙。
嫌な話だ。話題を変えよう。
 「あーやばいと言えば本宮先生どうしてますか?見かけないんですが」
 「そうそう。澤井が言っていたが、温泉治療に移ったらしい。
 ここ(松椿)の風呂だそうだから、俺は温泉街の方に行く事にするよ」
と岡野が苦笑い。ぼちぼち腹が減ってきた。
 「あ・・・ところで岡野さん」乙がはっとした顔で聞く。
 「なんだい?」
 「あだち先生、見ませんね」
 「・・・・・・あ」

鹿児島は海づり公園(実在)閉園時間は夕方7時。 ※冬は5時
不変の人は、今頃どうしているのやら。

182 :ENEMY:04/01/26 01:04 ID:q4yzaiPW
 「♪フフ〜ンフフ〜ン♪カレーは一番電話は二番♪惨事のおやつは激辛カレー♪」
スキップふみふみ松椿の廊下を歩くはカレー馬鹿こと松沢夏樹。
運良くバス本体到着前に風呂に入ったため、男湯の恐慌状態も知らず呑気なものだ。
しかし彼のスキップは、廊下の彼方にいる少年とゴツイおっさんを発見した瞬間、止まった。
見覚えがある顔。姿。服装。少年とヒゲメイド。ほんの僅かだが、記憶がある・・・。
銃弾の雨。四散する自分の肉体。ボロ雑巾のようになった夜麻みゆき。血。恐怖。闇。

ガンガン控え室で暴れ狂った、敵。
先日眼帯の兄ちゃん(※片倉。元気かい?)に聞かれたのは、この2人の事・・・?
かつてチームメイトと自分を挨拶代わりにヌッ殺した外道さん(6部)。
幸い通りすがりの男性に生き返らせてもらったけれど。
ああなんてこと。惨事のおやつはヒゲメイドの仕込み傘・SPASショットガンの散弾ですよ。
醜悪な冥土メイドの首にぶら下がった十字架が光って死の手向けですよ。
とりあえず松沢ハリーは回れ右。ガンガンルームに戻って皆に報告。


ところかわって駐車場のバス。
運転手さんも出払っており誰もいない。
荷物室の羊さん以外は。
 「むにゃむにゃ・・・ハッ!!刺客!? ・・・夢?あ〜〜夢だぁ怖かったー!」
真っ暗な密室の中、寝っ転がって大きく伸びをする福地。
彼の仕事は主に鹿児島でのターゲットの動向をチェックするというものだったが、
まあ福地じゃ無理。ともかく高橋しんの眠るボストンバッグを手探りで捜す。
やっと見つけたが少々軽い。ファスナーを開けると普通の荷物。
 「あれ?あれれ?おっかしーなぁ・・・  バッグ間違えられたーーー!?(ズゴーン)」
果たしてすりかわった荷物こと高橋しんは、どこへ?



 「・・・・おまえテキか?トモダチか?」



183 :武井救済計画・前編:04/01/26 11:50 ID:PDbENjMU
温泉宿の一室。長かった髪をばっさり切り落とし、鏡を覗く男。
??「ふう……これでハオに間違われることはもうねえだろ」
その男はハオの体を借り復活した武井宏之。
その顔はまるでハオの双子の弟の、あの―――。
武井「あとはこのヘッドホンを被れば……」
バッグから取り出したヘッドホンを被ろうと頭に持っていったその時。

??「 お 止 め な さ い 」

何処からとも無く制止する声。
武井「誰だ!?」
驚き振り返ると、いつのまにか入り口の襖の前に、緑の紫のメッシュの入った髪の浴衣姿の女が立っていた。
??「驚かせたようね。私の名は光原伸」
武井「! あのアウターゾーンの……!」
なんと現れた女は光原伸であった。
今温泉に浸かっているはずの彼女(と一応言っておく)が何故?
光原「私にとって時間や距離の概念は意味の無いものよ。
   だから私は温泉にいるものとして続きを書いても、なんら問題はないわよ」
と、誰に言っているのかカメラ目線の光原。
武井から見るとあらぬ方向を向いて、宙に話し掛ける危ない人にしか見えない。
武井「確か光原先生は…」
男のはず―――。そう言い掛けて言葉を飲み込む武井。
自分も元の姿とは違うのだ。姿が違うのは特に問題ではないだろう。
それより―――。
光原「私が何故ここへ来たかと言うと―――。そうね……一言で言うと武井先生、
   あ な た を 救 済 に 来 た ―――
   と言う事になるかしら」

184 :武井救済計画・前編:04/01/26 11:50 ID:PDbENjMU
武井「 救 済 ! ? 」
この女、突然現れて救済に来たとは一体どういうことか!?
狼狽する武井をよそに話を続ける光原。

光原「あなたが間違った方向に進むのを止めに来た―――ということよ」

武井「オイラが間違った方向に……?」
光原の言葉の意味が飲み込めずただうろたえるばかりの武井。
光原「オイラ……その一人称は『マンキン』の主人公・葉のものね」
嘆かわしいとばかりに眉を顰める光原。
武井「それがどうした!」
一体光原は何を言いたいのか。苛立ち紛れに声を荒げる武井。
光原「それが問題なのよ。あなたは今何をしようとしていたの?
   髪を切り、ヘッドホンを手に!」
ずびし!と武井の目の前に人差し指を突きつける光原。

光原「 あ な た は 『 麻 倉 葉 』 に な ろ う と し て い た 」

武井「!!」
ハッと息を呑む武井。
そうだ。光原が現れる前、武井がしようとしていたこととは―――まさに“それ”だった。

何も意味無くそんなことをしていたわけではない。
理由はある。ごくごく単純な理由。
『 キ ャ ラ が 立 た な い か ら 』

185 :武井救済計画・前編:04/01/26 11:51 ID:PDbENjMU
このままでは人知れず消えてしまいそうだから……。
Dブロック決勝からこっち、『三炉理魂』騒動、紆余曲折を得て復活したはいいが、
ほとんど出番なし、見せ場なし。
明日には大会準決勝が始まるというのにこのままではヤバイ。
そう思って奮起したのだ。
そう、『ハオ』でキャラが立たないのなら『葉』になればいい。
―――そう思っての行為だった。

だが待てよ?それがどうした?それの何が悪い!
武井「僕は―――!」

光原「もう一度言うわ。武井先生、
   あ な た は 間 違 っ た 方 向 に 進 も う と し て い る 」

口を開きかけた武井を制し、光原は先程より強い口調で言い放った。
武井「ぐっ……」
何を……何を言いたいのだ、この女は。聞いておくべきか……?
武井が押し黙り、光原の次の言葉を待っているのを見て取ると、彼女はゆっくりと語りだした。
光原「私には懸念があるのよ、武井先生。
   『キャラ立ち』、それは確かに大切なことだわ。
   自分の存在主張、活躍の度合いにも関係してくるからね。
   どうやら最近は―――といっても設定上物語が始まってからまだ数日し語ってないのだけれど―――
   漫画家たちの間で、自分の作品のキャラを演じるのが当たり前になってきているのよ。
   それは決して悪いことではないんだけど、中にはキャラ立ちを求めるあまり、
   間違った方向に進んでしまったものも少なからずいるのよ。
   例えば―――」

   「 尾 田 栄 一 郎 」

186 :武井救済計画・前編:04/01/26 11:52 ID:PDbENjMU
武井「! 尾田くん……。尾田くんが間違ったキャラ立ちをしている!?
   確かにいきなり変な眉毛になって、足が長くなって、
   カレーを作り出したりはしたがキャラが立っているといえば立っているのでは……!?」
納得出来ないという風に食い下がる武井。しかし光原はさらに言葉を続ける。
光原「確かに……単体で見ればそう見えるかもしれない。
   しかし!漫画家たるもの自分の作品を背負って戦うべき!
   その本人のイメージは作品、作者コメント、その他諸々を総合して作り上げるべきだった!
   お世辞にもサンジは『ワンピース』を象徴するキャラとは言えない!
   そしてちょっと…いや、かなり天然の入った『尾田栄一郎』を表すキャラにはなり得ない!
   彼はあくまで麦わらのままでいるべきだった……!」
武井「―――確かに! 事あるごとに世間とのズレ具合を露呈し、
   アイタタ発現を繰り返す尾田くんに、サンジというキャラは似合わない……!」
力強く頷く武井。ちなみに彼は光原の言葉に納得しただけであって他意はない。
光原「彼はまだ良い方よ……。
    久 保 帯 人 に至っては―――」
久保帯人。
武井自身は戦ったことは無いが、矢吹配下の魔界十人衆としてえなりと二度の死闘を演じた男。
彼もまた真人間として蘇ったと聞くが―――。

光原「 チ ャ ド に な っ て し ま っ た の よ 」

武井「チャ、チャドに……!!」
久保といえばイカ臭い野郎どもの集まる掲示板で『久勃起』として親しまれる(?)
青臭いオサレと厨房発言が魅力(?)のイタイ男。
それが何を間違ったか熱い心を秘めた寡黙な男チャドに!?
武井は失笑を禁じ得なかった。

187 :作者の都合により名無しです:04/01/26 11:53 ID:PDbENjMU
時間ねーっ!とりあえず今日はここまで。

188 :作者の都合により名無しです:04/01/26 12:17 ID:q4yzaiPW
キャラ立ってない方が使いやすい人もいるけどね(´Д`*)<所詮狂言回しかモブだがな!

189 :作者の都合により名無しです:04/01/26 12:32 ID:L0T5A2QN
なんか凄いぶっちゃけだしたな光原(笑)

190 :作者の都合により名無しです:04/01/26 12:34 ID:RjQX+1GI
「モニターの外の人」に語りかけるのが定番と化しているような気がw

191 :作者の都合により名無しです:04/01/26 14:20 ID:7qEzWiJl
書き手さんの使いやすい状態でいいんじゃない?
キャラ作らないと大抵の漫画家が人格者になってしまうよw
とりあえず救済に期待。

192 :恐るべき未来と…:04/01/26 16:10 ID:UG4y8qEF
山田の手を引きながら、ずんずんと歩く樋口。
樋口に手を引かれながら、おろおろとついていく山田。
一見、ちょっと和んでしまう風景だ。
だが、そのとき、樋口の心には一抹の不安があった。
それは予感というよりも、限りなく確信に近いもの。

4時間ほど前のことだった。
食事を終え、これから温泉にでも漬かろうと思っていたとき、突然、彼女は『あるヴィジョン』を観たのだ。

  ド   ク   ン  !!

いきなり、彼女の前に広がるのは、惨劇の映像。
燃え盛る町。逃げまどう人々。押し寄せる、『人間ではない』影。
そして、血まみれで地面に転がる人の、肉肉肉肉……
四肢を切断された者、胴体に風穴を空けられた者、頭部を砕かれた者……
地獄に似せた温泉風景を、本物の地獄が蹂躙していた。
そして、死者たちの中には、自分の良く知る者の姿も――――

「うわあああああ!!」
そのときの映像を思い出し、樋口が絶叫した。
その尋常でない様子に、山田が驚いたように竦み上がる。
「ど…どうしたんですか……?」
樋口は嫌な汗を滴らせながら、荒い息を吐き出した。
「ご…ごめんなさい……何でもないの……大丈夫よ……」
その様子はとても大丈夫そうに見えなかったが、樋口の態度は追求を拒んでいた。



193 :謎の男と…:04/01/26 16:10 ID:UG4y8qEF
樋口の能力――
それは、『5時間48分後』の『死の未来』を視ることが出来る、というものだ。
いつしか身についた、この能力を樋口は嫌っていた。……誰も信じてくれないからだ。
しかし、樋口の気持ちはともかく、能力は再び発動した。
このヴィジョンを視たのが、4時間前。
つまり、『死の未来』が現実化するのは――1  時  間  48  分  後 。
「嘘……こんなことがあるはずないわ……」
現実逃避しそうになる樋口の横を、1人の男がすれ違った。
「現実だ」
男は、すれ違い様、そう言った。
「お前の視た『ヴィジョン』は事実だ。
 しかもそれは、定められた運命の始まりにすぎない……
 『刻』が来れば、殺す者は殺し、死ぬ者は死ぬ。
 あたかもそれは、盤上の駒のようにな。
 しかし、それを恐れては、未来を掴むことは出来ないぞ」
「だ…誰……?」
「恐れぬことだ。恐れずに進めば、あるいは何かをつかめるかも知れん。
 たとえ、その先に滅亡しかなくともな。そして、私達はそれこそを望む者」
「あんた、誰なの!? いったい、何のことを言ってるの!!」
男は樋口の叫びに答えることなく、静かに歩き去る。
ただ一言を残して。

「 お ま え の 未 来 を 愛 し て る 」

そう呟き、男は樋口の前から姿を消した。
そして、なおも歩き続ける男は、別の人物をすれ違う。
デイバッグを背負った、ごく薄着の女性と。
それを見やった、男は、ぽつりと呟いた。
「やはり、現れたか。未来の一端を担う者よ」


194 :そして、女:04/01/26 16:11 ID:UG4y8qEF
謎の男とすれ違った、その女性は、黙々と別府の町を歩いていた。すると。
「え――――な――――りネ――――エさ――〜〜〜ん…」
いきなりどこからともなく声がした。
すると、女性が背負っていたデイバックが『内側から』開き、中からヌイグルミが這い出てくる。
あろうことか、謎の声は、そのヌイグルミから発せられていた。
「何、『コン』? 呼ぶまで出てくるなと言った筈でしょう」
「だーってネエさん、こん中けっこう息苦しいんスよ? カンベンして下さいよ〜〜」
「…息するの貴方…それはともかく、誰かに見られたら面倒でしょう?」
「ぬがー、この身体が憎い――!」
「しょうがないでしょう、貴方の『元の肉体』は、
 ボロボロで使い物にならないから、今は培養液につけて修復してるんでしょう?
 その間、眠っているなんて嫌だというから、魂魄を抜き出してヌイグルミに入れたのよ?」
「俺は、生身の肉体が良かったッスよ――」
「文句言わないの。そう都合よく死にたての体なんて見つかるはずないでしょ」
幾度も繰り替えした問答を、いつものごとく終了させられ、『コン』はふて腐れる。
「ね――もう帰らねッスか? 沢山の漫画家の目を盗んで、えなりだけに会うなんて無茶ッスよ」
「言ったでしょう。私はどうしても弟に伝えねばならないことがあるの。来るべき未来の為に」
「ちぇ――っ、やっぱダメか――チクショー、いつでもどこでもそればっか。
 ネエさん、そんなに先のことばっか考えてると、友達減りますよー?
 あーあ、こんな温泉ばっかで何もないトコ早く帰りてーなー…」
「…………」
「! …どうかしたんスか?」
「…いや…」
そう言うと、
「…まったくね……」
彼女は自嘲気味に笑った。

195 :鎌鼬の夜:04/01/26 23:51 ID:UG4y8qEF
最後の大隊本営――
平野は、テーブルを挟んで、ある男と向かい合って座っていた。
「やあ、久し振りだな。どうだった、『別荘』の居心地は?」
「なかなか面白かった。いい参考になった」
平野にそう答えた男は、狂人・変人・怪人が集まる平野陣営にあって、際立った容姿をしていた。
暗く澱んだ瞳に、髭面という、凄みのある顔。
額と鼻っ柱に真一文字の疵と、それらを結ぶように右目の上を通った疵が、強面の顔にさらに『ハク』をつけている。
さらに、耳や瞼や頬に夥しくつけられたピアスが、年齢不相応でなおさら怖気をそそる。
だが、その顔で最も特徴的なのは、なんといっても耳まで裂けた口であろう。
昔、喧嘩でつけられたその傷は決して癒着することなく、頬のピアスでかろうじてつながっているのだ。
今も、男が煙草をくゆらせる度、頬の裂け目から紫煙が噴出する。
男の名は、『山本英夫』。
6スレ目で登場していきなり主人公チームに入ろうとして拒否されて以来、
その存在を完全に忘れ去られていた男である。
ちなみに、この男、今までどこに行っていたかというと――
「しかし、大麻不法所持で逮捕とは……やれやれ。
 君なら簡単に逃げおおせただろうに、わざわざ塀の中に行くとはね」
「一度は体験してみたかったしな……
 ま、それにも飽きたから、勝手に戻ってきたんだがね。
 ところで、まだチークタイムは始まらないのか?」
「ああ、大会が終わるのは、2日後の決勝。その翌日に表彰式がある。
 我らの出番は、まあそのときまでは、お預けだ」
平野がそう言うと、山本は退屈そうにソファに背を預ける。
「退屈かね?」
「ああ、退屈だな。この大会とやらも俺にしてみれば、温くて仕方がない。
 茶番はもう沢山だ。決して暴力に思いやりを持っちゃいけねえってのに……」
山本は、そう吐き捨てた。


196 :鎌鼬の夜:04/01/26 23:52 ID:UG4y8qEF
「君らしいな。だが、後3日の辛抱だ。そうすれば、ゴッドハンドのように“バケモン”みたいな連中と堂々と殺し合えるのだから」
平野が肥満ぎみの腹を揺すりながらつぶやくと、山本はいきなり焦ったように、
「ちょ…ちょ…ちょ…ちょっと待てっ……」
泡を食いながら、平野の言を掌で遮る真似をする。
「?」
「今、俺に“バケモン”とか…期待させるようなこと、言わないでくれ……」
「ほう…」
にやりと笑うと、平野が続きを促す。
「俺を絶望させてくれるヤツなんていやしねェんだ……
 心から叫んだり、喚いたりできるまで、俺を追いつめてくれるヤツなんて、今まで誰一人いやしなかった」
「……編集長は?」
平野が言っているのは、山本の担当であった男のことだ。
この山本という男、一言で言うならば、究極の『M』である。
山本はかつて、わざと原稿を落としては担当編集に殴られる、という行為を『プレイ』として楽しんでいたのだ。
しかし一方で、この男は『あるスイッチ』が入ると、一転して究極の『S』に変貌する。
通常、人間の精神には、Sの要素とMの要素がほぼ等しい割合で混在しており、
個人差によって多少の傾きの違いはあれど、どちらかに完全に偏りきることはあり得ない。
だが、この山本は違う。
山本は、『あるスイッチ』が入ることで、まるで二重人格者のように、『究極のS』と『究極のM』が入れ替わるのだ。
数多くの狂人を抱える、この陣営にあっても、この男の異常性は格別と言えよう。


197 :鎌鼬の夜:04/01/26 23:53 ID:UG4y8qEF
「アイツはただの遊びだ」
「遊びっ?」
「ただのママゴトさ。ああいう状況を演じるしかなかったんだ……俺の欲望はあまりにも大きすぎる!」
「だが君は、編集長に殴られて、いつも○起してたそうじゃないか」
「殴られたんじゃない!殴らせたんだ!編集長は結局、その程度だった……」
すると、山本がパカ、と裂けた口を開け、歯を剥き出して笑った。
眼は興奮で血走り、顎は歓喜で震えている。
「だが……今回は違う!やっと現れたんだ……」
もじもじと手をすりあわせる様子は、さながら欲しい玩具を目の前にした子供だ。
「なぁ、平野、どんなヤツらなんだろうなあ……ゴッドハンドって」
呼吸が荒い。まるで麻薬中毒者のそれだ。
身体は、おこりにかかったように、ガクガクと震えが止まらない。
「あの漫画の描き方……読者に対してなんの感情もなく、自分の世界で相手を絶望させる変態……」
「どうしたかね、山本?」
「コワイ…コワイよ〜……こんなにも期待してる自分がコワイ……」
いきなり、自分の膝のあたりを叩き始めた。
「落ち着けっ、落ち着けっ」
どうやら必死に、武者震いを止めようとしているらしい。
その様子には、鬼気迫るものがあった。
「こんなにも期待と不安で胸がいっぱいになるのは……何年ぶりだろうな…」
聞きしに勝る変態ぶり。平野は、この男を知ったことに感謝した。
「なんなら、メインディッシュの前に少し、運動してくるといい。
 実はひとり、どうにも我慢できない困った者がいるんだ」
「そいつは俺のことかな…」
それは、山本の声ではなかった。
いつの間にか、山本の背後に人が立っていた。
いや、正確には、『人狼』である。


198 :鎌鼬の夜:04/01/26 23:54 ID:UG4y8qEF
『人狼』――真鍋は言った。
「そろそろ、我慢できなくなってきてな……行ってもいいだろう、平野?」
舌舐めずりする真鍋の言葉を受けて、山本が平野に訊く。
「いいのか? 下手すれば祭りが来る前に、生け贄がいなくなってしまうぞ?」
「まあ、前夜祭といったところだな。
 それに、こんなところで朽ち果てるようなら、メインディッシュたる資格はない」
そういう答えが返ってくると、山本は何事か考えこんだ。
その間に、真鍋が平野に言う。
「随分、買ってんなアイツらを。もしかしたら、全部喰っちまうかも知れねえぞ」
「フフ…、まあせいぜい食中毒を起こさぬよう、注意したまえ」
互いに言い終えるのを見計らって、山本も言った。
「よし、俺も行ってみるか……まあ、あそこで俺を楽しませてくれるのは、板垣くらいだと思うがな…」
「行くのか、兄ちゃん、お前も?」
「ああ、お前の背中に乗っけてっててもらうぜ。……なんなら、駄賃代わりに、ちょっとくらいかじってもいいぞ?」
「フン…おめえみたいなヤセっぽち喰ってもしょうがねえだろ。
 ただで構わねえよ。俺は、美味そうな女の肉をたらふく喰らうからな」
「残念だな……喰われるってのを一度、経験してみたかったんだが……」
悪魔の交渉は成立した。
地獄の饗宴に、新たな賓客が2名。



199 :鎌鼬の夜:04/01/26 23:56 ID:UG4y8qEF
同時刻。
鹿児島松椿本館――
「アラ……いつ届いたのかしら。……なァにこれ…!」
そのFAXを受け取った、松椿のおかみ・椿あすは怪訝な顔でつぶやいた。
そこには、ぶっとい直筆で、こう書いてあった。

 
  『  別   府   へ   向   か   う    ――板垣恵介』


こうして、役者は揃い始め。
前夜祭へ向けて、刻は残酷に刻まれ、血臭を吐き出させる。


温泉の町、別府を血に染める猟奇事件。


 “ 地  獄  温  泉  鎌  鼬 ” の 幕 開 け で あ っ た。

200 :チキチキマシン超レース:04/01/27 00:37 ID:cvQyBy6i
松椿別府館1階ロビー。
巨大モニターが荒くれどもの限界勝負を特別番組で放映している。
いつの間にやら実況ヘリが飛び、克の絶叫がレースを華やかに演出する。(N星人は裏方で同乗)

 『なお大多数の選手が正体不明なので、ヘリからこっち勝手に番号と名前をつけております。
 突然の改名もありますのでご了承ください。さ〜〜先頭集団はまさしく団子状態!
 ここから抜け出すのは果たして1番のハーレー【デストロイブレーメン】か!?
 2番の半ヘル男の迷いを知らない暴走マシン【ブラックデンプシー】か!?
 3番の改造SRノートンマンクス【ルシファーズハイ】かぁ〜〜〜!?
 遥かなる栄光のゴールは走り屋どもの遊魂境(セル・ミク・シュア)!!
 人知を超えた超高速デッドコースターはいかなる神秘郷へ私たちを誘ってくれるのかぁ!?
 ここ矢吹艦は今まさに選ばれし者のみ通行を許される特攻の門!!こじ開け攻略し新たなる時代を築(略)』

 (・・・克さんの実況が気になってレースに集中できねえよ・・・)
レースを観戦中の、何人もの選手が同じ事を考えていたという。

克亜樹が雰囲気とその場のノリでテキトーに選手名をつけつつレースは進む。
4番・秋本治は【カンダバクリュー】真っ赤なフェラーリF40。
5番・大和田秀樹は【ヘブンズガーデナー】改造原付バイク・パッソル=Γウォルターウルフ。
6番・鳥山明は【ドラゴニックボーイ】背中にそこらで拾った自転車の車輪を2本背負って素走り。
7番・青山剛昌は【ティターンキッド】ソーラーパワーで動くターボエンジン付きスケボー。
他にも一般人走行者や途中参加の漫画家が後続に控え、空知の魂に見守られ熱き戦いは加速を続ける。

 『ところで解説の木村さん。この闘いをどう見ます?このまま先頭集団で突っ切りますか?』
 『余の愛馬・汁婆にタイヤがついていないのが非常に悔やまれる事は確かだ!』
 『なるほど。まだまだ不確定要素がたくさんあるという事ですね?ワクワクしますねー』

 「なんやてー!?あンのボケ王子は仕事サボっとる思うたらー!!」
従業員控え室の小型テレビを見て呆れるみずしな。
誰の仕業だあの人選は。

201 :ウイングマン:04/01/27 04:01 ID:Ss2ZFCFS
「あぁ〜〜……山田さん……」
樋口に奪われ、みるみる小さくなる背中。
追い縋ろうとして、しかし掴む勇気などなかった手だけが所在なげに宙に残された。
周囲は相変わらず賑やかなのに、自分達の空気だけがどんよりと暗くなる。
「……ご、ごめんな。」
「多分、俺達のせいだな……」
「…………」
申し訳なさそうな仲間達。今回の収穫は、彼等が意外とこーゆー面でも仲間想いであるということがわかったことだ。
だがそれが、どれほどの慰めになるというのだろう?
桂はがっくりと肩を落とし、ソファに深く座り頭を抱える。
「……フフ……フフフ……いや、気にしないで下さい。」
「桂……」
「皆のせいじゃありませんよ……いや、そうでもないかな?」
……なんか何を言っているか、自分でもよくわからなくなっているらしい。
そう、彼の脳裏では様々な思考が飛び交っていたのだ。

202 :ウイングマン:04/01/27 04:02 ID:Ss2ZFCFS
(やっぱ駄目さ……駄目駄目さ……メガプレイボーイのDNAに頼れない俺は、所詮一介の弄内洋太……
 皆のお膳立てで折角隣同士になれたのに、どうやって女の子口説いたらいいかがさっぱりわからなかったし。
 それならばと共通の話題を探そうとしてもついぞ噛み合うことも無かった。頼りの仲間は下ネタでしか話題を振れないし
 そんな空気は傍からすれば重く怪しく、彼女が変態に囲まれて往生してる様にしか見えなかったろう。
 というか――実際『そう』だったのかもしれない。……山田さん側から見れば。
 それに樋口さんのあの目!絶対俺も同類と思われてた!――イヤイヤ彼女の性格からするとそもそもの俺が素で
 『女をアヤシゲな媚薬で騙しいいなりの奴隷にする、変態共の中でも更に最下層のクズ野郎』扱いかもしれないし
 そのどちらにしても彼女は山田さんにありとあらゆる酷いデマゴーグを吹き込むことだろう。
 ……大体なんで樋口さんにまで通じなくなってるんだ?俺『が』好きになるとモードはもう完全にモテナイヨーダなのか?
 ああ……これは十年……いや!百年に一度の天中殺に違いない!そうだ!そしてそのあまりの駄目ぶりに皆が俺を蔑み貶し
 ゆくゆくは抱かれたくない男No.1になって俺のブロマイドなんかはもう蓼喰う虫を中心にバカ売れするであろう事うけあい――
 どうして…!?どうしてこんなことになっちまったんだよう……!
 こんなに好きなのに……チームの皆も応援してくれたのに……!!
 しょせん人間は一人って事なのか?フフ……そうだな……他人なんて関係ないのだ……!愛や仲間なんぞは存在しないのだ!
 受け入れろ……!全てを受け入れ己の力でそれを超えるのだ!オレは……神!?フフ……オレは神だ!

はっ
そこで思索の海から顔を上げる。

203 :ウイングマン:04/01/27 04:03 ID:Ss2ZFCFS
(……なんか今俺、途中から全然別のことを―――――――!?)
今思い返してもわけわからん横道だ。
それを追い払う為ふるふると頭を振っていると、頭上からの声。
「バ…バッキャローメソメソするな!男だろ!?」
言葉と共に目前に差し出された手を、虚ろな瞳で上に辿る。そこには、デッサンのやけにいい加減な男。
「う……うすたさん……」
もう日も落ちているというのにどこからともない陽光がキラリと後光を差している。
「さあ!これでも飲んで元気出せ!」
『うすたスペシャル』と書かれたその白いプラスティックの瓶をうすたが傾けると
ざばざばと如何な効用とも知れぬ錠剤・粉末の雪崩が桂の口に流し込まれた。




………………………







「オ   ク   レ 兄さん!!」

そうして彼は
とりあえず全ての悩みから飛翔することに成功した。

204 :風を切る鉄馬:04/01/27 10:03 ID:cvQyBy6i
 「走れ走れー!飛ばせ飛ばせ飛ばせー!もっとだ!もっと限界を超えやがれー!!」

梅澤の声は一瞬でちぎれて後方の道に転がり去り、
風を切る音がえなりのヘルメットに轟々と反響する。
しかし強烈な疾走感は快楽よりも底無しの恐怖をえなりにもたらす。
なぜなら彼はハンドルを握っておらず、己の安全と生命を全て、
しがみついた背中の男に委ねているから。どうにもならない五里霧中。

 「特攻上等(ブッコミジョートー)―――――!オレらは無敵の“無頼男(ブレーメン)”様だぜ!!」
一気に先頭集団から抜け出しを計る梅澤【デストロイブレーメン】―――しかし!


 オ ォ ォ ・・・   それは静かな走りだった。マシンに負担をかけない天性のしなやかさ。

            整備のプロフェッショナルが磨き上げたホンダCBR954RR――皆川亮二、動く。

 『あーーーっと!ついに来ました大本命!8番皆川亮二のマシン【エースキャロル】!
 あらゆる走り屋を飲み込む魔性の毒蛇を踏みつけるハイウェイスター!勝利を祈る聖歌は彼に届くかぁ!?』
実況ヘリの克がいよいよ興奮して身体を半分外に乗り出す。解説屋がさらなる進化を遂げた瞬間だった。

皆川の伸び足は凄まじく、後方集団から先頭へ、
数台のマシンの隙間を難なくすり抜け一気に現在トップの梅澤の真隣につけた。
そして梅澤の後部座席で固まる少年に対し、親指をグッと突き立てて励ましを入れる。
絶望感に身を詰まらせていたえなりが、新顔ライダーの正体に感づき目を潤ませる。

 (み・・・皆川せんせぇぇ!!僕を助けに来てくれたんですねぇぇ!!)

涙が出そうになったが懸命にこらえた。こんな状況では涙のひとつも拭けやしないから。

現在メイン集団Cブロック通過中。Aブロック地点のゴールまで残り約310Km。

205 :作者の都合により名無しです:04/01/27 10:07 ID:cvQyBy6i
(´-`).。oO(思ったがBブロックは死地ですね怖いですね。そして荻野先生たちは無事ですかね?)

206 :湯の華 幕間 1/7:04/01/27 16:04 ID:HPorOzK2
 夕闇。本来なら空が橙色から藍色へのグラデーションを見せ始める時間だが、
窓からのぞくどの景色にもその様子が見られない。
 無理も無い。
 ここが現世とは趣の異なる世界、即ち『見えない学校』の存在する世界だからである。
「……ふぅ」
 何気なく、窓の外に目をやった杉浦が、やはり何気なく息を吐いた。
 十二使徒それぞれが自由行動を取って良いとなった時、杉浦が選んだのは、
特に何をするでもない、何時も通りの過ごし方。
 つまり、今そうしているように、歴史資料やら何やらを読み耽る事にしたのである。
 見えない学校、図書室。
 膨大な数の蔵書がそれが収められた棚とともに広い空間を圧迫している中、
その一区画だけがなにやら素人目には良く分からない器具で埋め尽くされている。
 どうやら八房が持ち込んだものらしいのだが、お陰で全体の雰囲気としては、
図書室に無理矢理、化学室あたりを引きちぎってくっつけたような有様になっていた。
 そんな図書室で、備え付けのテーブルに見繕ってきた本を積み上げ、
ソファーに背筋も正しく腰掛けながら、一息ついて湯呑みの中身など召しつつ、
ふとついてみせたのが先程の溜息、と言う訳だ。
「あら、もうこんな時間」
 誰に言うでも無く、呟く。
 ふと、目をやった壁に掛けられた時計の針が、今が宵の口である事を知らせていた。

207 :湯の華 幕間 2/7:04/01/27 16:04 ID:HPorOzK2
 そろそろ頃合かと思いつつ、杉浦が腰を上げようとした矢先、
図書室の重厚そうな木の扉が、軽くきしむ音を立てながらゆっくりと開いた。
「おや」
「あら」
 不意に視線が合った為だろうか、杉浦と、今しがた扉を開けて入ってきた男――八房が、
お互いに軽く驚くような素振りを見せる。
「日向子先生、いらしてたんですか」
 まるで、ここが自室であるかのような口振りである。
最も、ここがほぼ八房の自室と化している事は、既に周知の事実であったが。
「暇に飽かして何かするのには丁度良いかと思いまして。
お邪魔になるのでしたら、そろそろおいとまするつもりですし――」
「いえ、構いませんよ。些事のついでで戻って来ただけですから」
 杉浦の言葉を遠慮と受け取ったのか、それを途中で遮って八房は言った。
「お忙しいのですねえ」
「スポンサーの要望がありましてね」
 やれやれといった表情で、八房が肩をすくめる。
「じゃあ、それがお済みになったらまたお出掛けになるんですか?」
「ええ」
 八房が、にやりとした笑みを浮かべる。彼特有の、含みの有る笑い方だ。
「せっかくの休日なんで、温泉にでも行こうかなあ、なんて」
 その時、二人の頭上から唐突に声が降り注いだ。
『何だ、お前も温泉に行くのかギョ?』

208 :湯の華 幕間 3/7:04/01/27 16:05 ID:HPorOzK2
『てっきりあの二人だけかと思ってたギョ』
 広い室内に甲高い声が反響する。
 不意にもたらされたその声にさして動じる様子も無く、
八房は首を軽く巡らせると、その聞き馴れた声の主の気配を探りあてた。
 早速つかつかと近くにあった背の高いチェストに歩み寄ると、
両手でチェストの上のほうを掴み、軽く揺すってやる。すると――
「ギャッ」
 軽い悲鳴が上がり、それまで何も無かったチェストの上に、
ぱっ、と鉄鍋を被った小柄な姿が現れた。
「……何をしてるんですか森野さん」
 八房が、しっかりと妖怪じみたその人物を見上げて、やや半眼になりつつ、呻く。
「出歯亀は、あんまり良い趣味とは言えませんよ?」
「馬鹿言うんじゃねぇギョ。俺はただ、暇だからあちこち見て回ってただけだギャ。
ここへ来たのもついさっき、出歯亀なんて言われる筋合いはねーギョ」
 森野が、プイ、とそっぽを向いた。
「なら、無理に姿を隠す必要も無かったと思うんですけどね」
「そこはそれ、せっかくなら趣向の一つでも凝らしてみないと面白くねぇってもんギョ」
「……ま、異を唱える気はありませんが」
 森野の主張にそれとなく返事をすると、八房はつい先程生じた疑問について聞いてみた。
「ところで――先刻『温泉に行くのはあの二人だけだと思ってた』と仰いましたが、それは?」

209 :湯の華 幕間 4/7:04/01/27 16:06 ID:HPorOzK2
「何だ、知らないのかギョ?」
 そう言って、森野はチェストからヒョイと飛び降りた。
そのまま、重力を感じさせない動きで一跳びするとソファーにぽすりと収まる。
「生憎、午前中から今までずっと出掛けてましたし」
「河下さんと小林さんのお二人、ですよ。使徒集めその他で何かと疲れたから、
温泉にでも行って心身ともに安らぎたいとの事で」
 森野の発言を補足するようにして、杉浦が会話に割って入った。
「安らぎたい……ねぇ」
 八房が何とはなしにそう呟く。と、その脳裏に、とある事柄が浮かんだ。
まさかとは思う。それでも、念の為に聞いておく必要はあった。
「あの、それで、二人が向かった温泉ってのは――」
 答えは、見事なまでに二人同時に返ってきた。
「別府だギョ」
「別府です」
 素晴らしいくらい、その『まさか』であった。
 思わず、軽い眩暈にも似たものを覚えて突っ伏しかけるが、
すんでの所でそれを回避すると、八房は苦笑しつつも、呟いた。
「……偶然って怖いなあ」
 運命の悪戯。そんな言葉が頭に浮かんで、思わず八房は髪をくしゃりと掻き揚げる。
「ま、それならそれで何か有った時に……御守り役にはなれますか」
 すると、八房のその呟きを聞きとがめ、疑問符なぞ顔に浮かべながら森野が聞いた。

210 :湯の華 幕間 5/7:04/01/27 16:07 ID:HPorOzK2
「……どういう事だギョ? お前も別府に行くのギャ?」
「別府に何かあるのですか?」
 杉浦も続いた。
「ええ、別府に向かうつもりですが……ひょっとして、知らないんですか?」
 全く同じ二人の反応に、八房が呆れ顔で返した。そして、質問者と回答者が
先程とは全く逆になった今の状況に可笑しさを感じてか、くく、と忍び笑いを漏らすと、
「いえ、失礼」
 それを堪えつつ、軽く手を挙げて詫びた。
「駄目ですよ、お二方とも。たまには、自分で情報を集めてみるとかしないと」
 あくまでも穏やかな口調はそのままに、八房は続ける。
「大体、森野さんも、何時までもそんな格好していないで。
そろそろ、猫を被るのを止めても良い頃では?」
「!」
 試すような眼差しを向けられ、森野がぎくりとソファーに座ったままで硬直した。
思わず横を見る。すると、杉浦までもが承知していますとばかりに、微笑んでいる。
「……バレてたのかギョ?」
「まぁ、私だってまがりなりにも『百物語』に関わった身ですから」
「その姿じゃ窮屈なんでしょう? 無理してるのが分かりましたからね」
 二人からそう言われ、少々気恥ずかしくなった為か、
森野は頭の鉄鍋を目深に被り直した。そして、諦めたように一言。
「いやァ、先生方にゃア敵いませンや」
 その声色は、誰が聞いても明らかな程に変容していた。

211 :湯の華 幕間 6/7:04/01/27 16:08 ID:HPorOzK2
 森野はそう言って立ち上がると、軽く跳躍して見事な一回転を見せつつ、
スタッ、と床に降り立つ。その時には、既に姿も形もすっかり変貌を遂げていた。
 背格好は、先程とさほど変わった訳ではない。だが、その体躯は子供のものと言うよりは
大人のそれにむしろ近い。持っていた杖は錫杖に変わり、着物は袈裟になり、
その姿を簡単に説明するならば、さしずめみすぼらしい修験者と言った所だろう。
 しかし。
 ぎょろりとしたその眼や、いかにも性質の悪そうなその物腰、何より全身から漂う
恐ろしいまでの妖気が、目の前の小男が只者では無いという事を主張していた。
「あァ、矢張りこの格好のほうが落ち着きやさァ」
「ね? やっぱりそうでしょう」
 八房が、さも当然とばかりに相槌を打つ。
「然し、ちぃとばかり悪い気もしやすなぁ。この姿は、
決して奴(やつがれ)一人のモンってェ訳じゃあねェし――」
「……どうしても『京極堂』の事は気になりますか」
「そりゃまア、『京極堂』が居りませんだら、奴のこの姿も無ェ訳でやすから」
 それもそうか、なんて思いつつ、八房は、ふと思いついた事を口にしてみた。
「……『京極堂』にいらして頂く事ってできませんかね」
「先生、そりゃチイッとばかり虫が良すぎますぜ」
 すかさず、非難めいた口調で森野が突っ込んだ。慌てて八房が自らフォローする。
「おっと、これは失敬――いや、単なる思い付きですって」

212 :湯の華 幕間 7/7:04/01/27 16:09 ID:ybW1OT3B
「余計なこたァ考えずとも、あのお方ァ、妖魔王様の筋金入りの信奉者サ。
妖魔王様に言われりゃア、其れが地の底からだって飛んで来なさるだろうヨ。
だが、例えそうであったとて、此方から催促するなんてェ手前勝手なこたぁ出来ませンや」
「……失言だったのは認めますから、苛めないで下さいよ、もう」
 容赦ない追い討ちに、八房が困り顔で呻いた。それに対し、
ついつい熱くなりかけた自分を落ち着けようと、森野が頭を掻き掻き、言葉を吐く。
「……ま、為るように為りまサァね。そこいらへんがどうなるかってなァ、あのお方次第でさァ」
「――あの、ところで」
 と、杉浦が、会話の切れ目を待っていたかのように言葉を挟んできた。
「や、ついつい奴ばかり喋繰ッちまいやして」
「いえ、お気になさらないで。そうじゃなくて――」
 ほんの一瞬、時計に目をやってから、杉浦は言った。
「八房先生、御用事については宜しいので?」
「――あ」

 数分後、奥の方から色々と引っ掻き回す音が止んだとほぼ同時に、
八房がこちらへと戻って来た。何を詰め込んだかは知れないが、黒いカバンを携えている。
「さてと、それじゃ楽しい旅行と洒落込みますか」
「お気をつけて行ってらっしゃいませね」
「あア、先生、一寸待った」
 立ち去ろうとする八房を呼び止め、森野はその手に一枚の紙切れを押し付ける。
「御守りがわりの御札でサァ」
 森野が、ニヤリと笑った。すると八房も同じように笑った。
「有難く頂戴します」
 そうして懐にそれを仕舞い込むと、一瞬の微風と共に、八房はその場から消え去るのだった。

213 :キャノン・ボール・ラン:04/01/27 22:01 ID:PemNTC6k
梅澤を猛追する皆川の驚異的な走り。
それに触発された者がいた。
“スピードの向こう側”を求め続ける男――佐木飛朗斗だ。
佐木(“疾”ェな……コイツ……本物の“オートレーサー”か?おもしれー)
ニィ…口元が三日月型の笑みに割れる。
佐木はアクセルを開け、皆川のスリップストリームについた。
スリップストリームとは、直線でスピードがのった時に、前を走るバイクの真後ろについて、自分が受ける空気抵抗を減らす技である。
背後からの殺気に、皆川は、背の産毛が逆立つような寒気を感じた。
皆川(こいつ…この音……エンジン“吹け切って”ない!)
キスするように、佐木車の前輪と皆川車の後輪が触れあう。
皆川(誰だか知らないが、とんでもないぞ、こいつ!
   不味い、この“速度域”ではえなり君を救出することは無理だ。
   ここはしばらくはレースを続行するしかない!……しかし、何か大事になっちゃったなあ……)
いつの間にか、“お祭りさわぎ”になってしまった状況に内心辟易しつつも、皆川はレースに全神経を集中する。
そのとき、佐木がスリップストリームから抜け出し、梅澤と皆川の前に躍り出た。
皆川(!?…どういうつもりだ?まだゴールは先だ。しかも、しばらくは直線が続く。
   こんなところで、スリップを抜け出す意味がどこに…………?)
佐木がさらに先を走るセダン(レースとは無関係)を追いこした瞬間、その疑問は氷解した。
いきなり佐木が、後部座席のベルトに差してあった木刀を引き抜き、振りかぶったのだ。
皆川(あいつ……!まさか!?)
そのまさかだった。
佐木が木刀で、そのセダンのフロントガラスをブチ割ったのだ!
視界を失った一般車は派手にスピンし、梅澤と皆川の2人に突っ込んできた。


214 :キャノン・ボール・ラン:04/01/27 22:02 ID:PemNTC6k


えなり「ひィいいいいいいい!?」
派手なダンスを躍るセダンを前に、えなりが絶叫した。
皆川「うおっ!」
梅澤「野郎ォ!」
梅澤は車体を限界までバンクさせ、かろうじてセダンをかわす。
えなり「うわああっ、死ぬぅうう!!」
梅澤「うるせぇ、小僧!喚く暇があったら、少しでも荷重移動を手伝え!」
怒声を吐き出しながら、梅澤は信じられない光景を見た。
自分と一緒に、佐木の洗礼を受けた皆川の、華麗なテクニック。
その刹那、皆川はわざとタイヤをスライドさせ、何事もなかったかのように、バイクが進むラインを変えたのだ。
それも瞬時に、冷静に。世界クラスのレーサーにしか出来ない芸当である。
梅澤(この野郎……とんでもねぇ凄腕だ!プロか!?)
しかも、完全に梅澤を抜き去れる位置にいながら、あえてそれをしない。
皆川の正体や真意を知らない梅澤は、その不気味さに苛立つ。
梅澤(ムカっ腹にくるヤローだぜ……絶対にぶっ潰してやる!)
そんな梅澤の怒りを知らず、皆川は冷静にえなり救出のタイミングを計っていた。
そのとき!

 ギャォオ! ゴゥン!!

閃光のように、舞い躍るセダンをギリギリでかわし、コーナーに突っ込んできた2台がいた。

森川「フン……“ヤンキー漫画家”のやるこた昔から一緒だな?くだらねえ…」

大和田「み・な・が・わぁぁあああああああっっ!!!」

佐木と皆川にそれぞれ因縁を持つ2台。
いよいよ牙を剥き出し始めた。

215 :キャノン・ボール・ラン:04/01/27 22:41 ID:PemNTC6k
それぞれのラインで高速でコーナーに突っ込む5台。
先頭集団は、まさに紙一重だ。
コーナーを脱出した瞬間、前方から対向車が突っ込んできた。
5人の視線が一斉に“その男”に集中する。
そして、絶句した。

「フオオオオ! 変・態・仮・面 あ ん ど 慶 周  参 戦 !!」

この速度域で、あんどはいつものレスリングちまきスタイルのまま、
股間を突き出すような曲乗りで現れた。
さすがの猛者たちも、二の句がつげない。
とりあえず、回避した。
佐木を除いて。
 ジャオ! キュンッ!
すれ違い様、佐木が車体を横倒しにし、あんどのブレーキを蹴りつけた。
 グリン!
このスピードでいきなりフルブレーキングを喰らったバイクは、文字通り、宙を舞った。

その後方。
先頭集団に追随する形で激走していたのは、真っ赤なフェラーリ。
秋本「待てい!優勝するのはワシだ〜〜〜〜!!…って!?」
 
  ド ガ シ ャ ン !!

いきなり、カローラなら数台は買えると思われるだけの値段はするであろう、
フロントガラスに、墓標のごとく突き刺さったものがあった。
それは、あんどの乗っていたバイク!
秋本のフェラーリが派手にスピンした。


216 :キャノン・ボール・ラン:04/01/27 22:42 ID:PemNTC6k
秋本「うおおおおおお!!??」
突然のアクシデントに、秋本が慌ててハンドルを切る。
必死に体勢をたてなおそうとするところへ、さらなるアクシデント。
 ズ  ド  ン  !!
空から降ってきたセダンによって、どれだけ値が張るか検討もつかないルーフが潰れた。
先程、佐木が事故らせたセダンは、4台にかわされた後、疾走する鳥山を襲った。
そして、鳥山はそれを体当たりで、紙屑のように空中に吹っ飛ばしてしまった。
それが、秋本車を襲った災難の正体というわけである。
当の鳥山は、ばびゅ〜〜ん、と口でバイクの排気音を真似ながら、先頭集団を激追する。

果たして、秋本は生きているのか?
そんなことを確かめる前に、新手が出現した。
サイドカー付きのバイク。紹介されてない車種だ。
運転している方が、いきなり片手で機関銃を構え、事故った秋本車に発砲した。
 ドパラタタタタタタ!!
鋼鉄の弾は、あっさりとフェラーリとセダンのエンジンルームに無数の風穴を開けた。
たちまち炎上する2台。

秋本治――生死不明。

そして、その下手人の正体は!?
稲垣「YA―HA――――!! これで1台脱落、と!!」
村田「やりすぎだよ、稲垣! カンケーない車まで燃えてんだけど!?」
稲垣「知るか!こっちは先の試合は結局、前金しかもらえなかったんだぞ!
   しかも、その前金も入院でパーだ!なら、ここで稼ぐしかねーだろ!!」
村田「稲垣〜〜〜………ハァ……」
稲垣「飛ばすぜ! 優勝すんのは、俺達だ!!」

 ア イ シ ー ル ド コ ン ビ   参  戦


217 :キャノン・ボール・ラン:04/01/27 22:43 ID:PemNTC6k
その頃、青山剛昌は自慢のスケボーで、最後尾を走っていた。
青山(こりゃ、まじいな。早くしねーと夜になっちまう……
   そうなったたら、ソーラーパワーで動くこのスケボーは、
   動かなくなっちまうからな…。やっぱり、ここは!!)
かけていた眼鏡のフレームを押し、レンズに矢吹艦の地図を映し出す。
青山(最短ルートを使って、先回りするしかないな)
そう判断したときだった。
ふと前方を見やると、吹っ飛んでくる、謎のちまき。
いや、違う!
あれは!!


あんど「そ れ は 私 の お 稲 荷 さ ん だ !!」

青山「う わ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ !!」


青山の脳内で、Aブロックの恐怖がよみがえる。   
気がついたときには、目の前の“ちまき”に向かって、キック力増強シューズによる一撃を放っていた。
殺人的な速度で、サッカーボールが、見事に“ちまき”に炸裂する。
否!
あんどは、青山必殺のシュートを、内股で見事にキャッチしていた!!

あんど「 地  獄  の  ジ  ェ  ッ  ト  ト  レ  イ  ン  !!」


青山剛昌――――再起不能(リタイア)

218 :キャノン・ボール・ラン:04/01/27 22:49 ID:PemNTC6k
現在の状況

1位  ――佐木飛朗斗

2位  ――梅澤春人(+えなり)

同上2位――皆川亮二

4位  ――大和田秀樹

5位  ――森川ジョージ

6位  ――鳥山明

7位  ――あんど慶周

※注・秋本は生死不明

←TO BE CONTINUED

219 :訂正:04/01/27 22:51 ID:PemNTC6k
現在の状況

1位  ――佐木飛朗斗

2位  ――梅澤春人(+えなり)

同上2位――皆川亮二

4位  ――大和田秀樹

5位  ――森川ジョージ

6位  ――鳥山明

7位  ――アイシールドコンビ

8位  ――あんど慶周


※注・秋本は生死不明

←TO BE CONTINUED



220 :作者の都合により名無しです:04/01/27 22:58 ID:cvQyBy6i
剛昌死んだぁー(ノ∀`)

221 :動く城:04/01/28 06:48 ID:IgdiD18l
その日『山は富士 海は瀬戸内 湯は別府』と称えられた別府に近い伊予灘で、一隻の大型船が沈没した…!

生き残りの船乗りたちは恐怖におののきながら口をそろえて証言したという―――

「海に巨大な人影が立っていた」と―――――!!

222 :作者の都合により名無しです:04/01/28 09:19 ID:85UQ6ebj
ま、まさか、あいつらか!?

223 :作者の都合により名無しです:04/01/28 11:26 ID:H1IJnzbb
超大物!?

224 :作者の都合により名無しです:04/01/28 12:55 ID:WsSfMURt
…鬼岩城か!?

225 :「死」の恐怖:04/01/28 20:22 ID:85UQ6ebj
 佐々木「滑稽だな……」
右腕を斬り落とされ、相棒の姿を求めて必死に走る小畑を見て、佐々木は嘲る。
 佐々木「かってはジャンプで一世を風靡した漫画家が、
     同人ゲーム原作の漫画を描いている俺を相手に逃げ回っているとは」
それが愉快で仕方ないのだろう。佐々木の唇が愉悦に歪む。
 佐々木「触れなければいい…と思っているならば、認識が甘いな!」

   カ ッ !

佐々木が飛び出しナイフを地面に突き刺した。
その瞬間、『死期の線』をなぞられた地面に、巨大な亀裂が走る。
  小畑「なにッ!?」
縦横に走った亀裂が深い谷間を作り、小畑は退路を断たれた。
  小畑「バカな、地面を裂くなんて……」
 佐々木「『死』は『人間』だろうが『物質』だろうが『意味』だろうが存在する。      だから、『毒であること』を殺せば、毒という『効果』は死ぬし、
     『地面であること』を殺せば、『地面』は崩れ落ちる。
     そして、俺の『直死の魔眼』に見えぬ『死』は…………ない!」

刹那、小畑の左足が、膝のあたりからズレ、切断された。

  小畑「ッッ!!」
小畑がバランスを崩し、大量の血だまりの中へと沈む。
本来の力を発揮できない今の己を呪い、小畑は絶望に歯を噛み締める。
それを冷厳に見下ろしながら、佐々木が宣告する。

 佐々木「ここが貴様の終着だ」


226 :不沈!ゆで将軍!!:04/01/28 20:23 ID:85UQ6ebj


 ゆで「もう終わりか、あっけない。所詮は、暗黒期の漫画家か……」
一切の生物が棲まぬ、荒野と化した岩肌に立ち、ゆで将軍はひとりごちた。
藤崎の死体を確認しようとした瞬間、ゆでの背後にあった大岩が、ハムのように切り裂かれた。
 藤崎「まだ終わっとらんぞ!」
瓦礫に潜み、期を窺っていた藤崎が、手にした光剣でゆでを斬りつける。
しかし、ゆでの鎧には、傷ひとつつかず、ケロリとした様子で言う。
 ゆで「もう少しは頑張れるか、下等漫画家よ」
 藤崎「ぬう……、『莫邪(ばくや)の宝剣』で傷ひとつつけられぬとは」
ゆでの鎧は、硬度10のダイヤモンドボディである。
地上最強の堅牢さを誇る、鉄壁の防御に、藤崎は手のうちようがない。
 ゆで「そろそろ死ね!」
 藤崎「ぬあっ、接近戦はマズイ!!」
地を蹴り、猛スピードで接近するゆでに、藤崎は腕にはめた輪と、肩の砲台を撃ち出し、迎撃する。
 藤崎「乾坤圏(けんこんけん)! & 金磚(きんせん)!」
砲丸のように両腕の輪……宝貝『乾坤圏』と、光弾を撃ち出す砲台……宝貝『金磚』の集中砲火が炸裂する。
おそらく、それすらも時間稼ぎにしかならぬだろう。
案の定、爆煙の中から現れたゆでは無傷であり、両手に掴まれた『乾坤圏』が粉々に握り潰される。
しかし、その程度で倒せないことは、藤崎も織り込み済み。
ゆでが攻撃を喰らっている間に、宝貝『風火輪』を使って空を飛び、距離をとることに成功した。
 藤崎「……とはいえ、傷ひとつつかぬというのもショックじゃな」
 ゆで「逃げ回っても無駄だ。悪あがきにしかならんぞ」  
 藤崎「……どうかな。こうなったら、見せてやるわ!ワシの持つ最強の宝貝を!!」
そう言って藤崎が懐から取り出したのは、藤崎が持つ最強の武器。
七つの『スーパー宝貝』の頂点に立つ、あの!!

 藤崎「 雷    公    鞭  !!!!」


227 :不沈!ゆで将軍!!:04/01/28 20:24 ID:85UQ6ebj
藤崎が持つ最強の攻撃手段、スーパー宝貝『雷公鞭』。
雷を自在に操る、この宝貝の破壊力は、山ひとつを軽く消し飛ばすほどだ。
最強ゆえに藤崎自身にかかる負担も並み大抵ではないため、滅多には使わない。
正真正銘、藤崎の奥の手である。
 
   ドッ ゴ オ オ オ オ オ オ ン ッッッ!!!

大気中の電気が、一つの巨大な威力となり、牙となってゆでに噛みついた。
さしものゆでも、これを喰らっては。
藤崎の考えを、嘲笑するように、ゆでが天高く跳躍した。
雷の荒れ狂う、天空に向かって。
 ゆで「少しはマシな攻撃を仕掛けてきたか…と誉めてやりたいところだが、甘いな!」
 藤崎「なにッ!?」
次の瞬間、ゆでが行った行為に、藤崎は絶望の唸りをあげた。
なんと、ゆでは空中でほとばしる雷を、素手でキャッチしたのだ!!
 ゆで「覚えておくがいい!私に対して雷を放つことは、私に武器を与えることを意味するのだと!!」
ゆでの両手に抱えられた雷は、無数の実体化した剣と化した!!
そう、藤崎は失念していたのだ。
ゆでの、この悪魔の必殺技を!!

 ゆで「 サ  ン  ダ  ー  サ  ー  ベ  ル  !!!!! 」

次の一刹那、ゆでの手によって、数え切れぬほどの剣と化した雷が、藤崎の身に降り注ぎ、藤崎の全身を貫いた。
藤崎が、真っ赤な花と化し、散華した。

228 :約束をしたから:04/01/28 21:28 ID:wozANox/
ナレーター「さて、キャノンボールの途中ですが、ここでニュースをお知らせします。」
島本「…なんだ?急に。」
ナレーター「先ほどAブロックにおきまして、なぞの爆発事故が起こりました。原因はまだ不明ですが……。」
荒木「……管理がしっかりしてないな……。」
そこまで言って、荒木がテレビから目を離そうとした瞬間であった。
荒木「おい!これは!」
その声に驚いて、二人がテレビを見る。
車田「……藤崎君!何があったんだ!」
荒木「これはただごとじゃ無さそうだな……。一回行ってみるとしよう!」
何となくだが、嫌な予感がする。二人は顔を見合わせると、部屋から出た。

バタバタと走る音が聞こえて、カムイは廊下を見つけた。
カムイ「どうした?そんなに急いで……。」
荒木「いや、ちょっと矢吹艦に用事を見つけてな。もし良かったらカムイ先生のルーラで飛ばしてくれると嬉しいんだが……。」
カムイ「……わかった、ついてきてくれ。」

Aブロック近くの甲板……。
荒木、車田、カムイは看板の上に舞い降りた。
カムイ「悪いが、俺は向こうで仕事が残ってる。すまないが……」
荒木「いや、ここまでで十分だ。行くぞ!車田!」
車田「おう!」
カムイの言葉もほどほどに荒木と車田は目的地まで走り始めた。

229 :作者の都合により名無しです:04/01/28 21:31 ID:85UQ6ebj
(´-`).。oO(藤崎達がいる場所はAブロックじゃないよ。どこか分からないが、かなり離れたとこにある町)

230 :約束をしたから:04/01/28 22:24 ID:wozANox/
>229
ありゃりゃ……Aブロック後って書いてあったから、
Aブロックの後と思ってたらAブロックでの出来事の後との事でしたのね……。ちとフォローします。

藤崎は半死半生の状態であった。
藤崎(クッ……なんと言うパワーだ……。このままでは勝ち目がない!)
逃げようにも立ち上がれない目がかすむ内にふと看板が目に入る。
藤崎(Aブロックじゃと……わしは一体何時の間に矢吹艦に戻ったのじゃ!?)
ゆで「ふふふふふふ、ようやく気がついたようだな!無名の町で勝負するよりもこういう所での勝負がおもしろうだろう!」
藤崎(!これは……ゆでの持つ能力の一つか!!)
キン肉マンにおいて、悪魔超人の闘技場は様々な場所に繋がっている。
Aブロックへ来たのはそれを利用した物であった!
ゆで「冥土のみやげに教えてやろう!!
   ここAブロックはかつてキユドライブによって破壊された建物の材料を使い作成されたのだ!
   そのため、この場は悪霊が集いやすく、悪の心を持つ者をさらにパワーアップさせる!」
藤崎(そうか……そうだったのか……。それでここでの戦いは悲惨な戦いを巻き起こすのか……。)
変態チームとバンチチームの戦い。真島達との乱闘。キユ達が何故このあたりに集うのか……。
ゆで「この場所で貴様に勝ち目はない!大人しくくたばると良い!!」
むんずと藤崎の腕が捕まれた。

231 :作者の都合により名無しです:04/01/28 22:43 ID:pIFpIOoA
>230
乙!



ゆでの力ってこのスレ向きだな・・・

232 :作者の都合により名無しです:04/01/28 22:46 ID:85UQ6ebj
GJ!
なんか、ゆでの説明がいかにもゆでっぽくて笑いましたw

233 :作者の都合により名無しです:04/01/28 23:03 ID:rtwu2ncc
冥土の土産キター

234 :或る温泉の風景:04/01/29 15:50 ID:vsnF2+QG
別府――

本宮と宮下が火花を散らし合っている場所から離れた湯に、安西たちはつかっていた。
その場には、安西以外に、何人かの男たちがいる。
椎名と、雷句、あとは森田に、ようやく傷が癒えた許斐という、少々異色の取り合わせ。
雷句とスポーツチームは、先のクリード・アイランドを脱出した際の縁だ。
安西に関しては、ジャンプスポーツはとりわけ、さしたる因縁もない。
なので、その関係でこうして、友好的に湯を共にできているというわけだ。
森田と同じチームの井上雄彦が、バガボンドチーム時代の仲間を殺した高橋留美子と因縁を持っていることなど、安西も椎名も雷句も、まだ知る由もない。
それはともかく――

「なあ、森田」
「ん?」
「許斐の漫画は売り上げはいいのか?」
4人と少し離れたところで身体を洗っている許斐を横目で見ながら、椎名が訊く。
女受けする耽美系のルックスに、テニスの腕はプロ級。当然、女にはモテる。
そんな自分にないもの全てを持っている許斐を、椎名が無視できるはずもなかった。
「ジャンプではかなり売れてた方ぢゃないか。アニメ化、ゲーム化もしたし、キャラCDとかも売ってたらしいし」
すると、椎名が目を光らせて叫び出す。
「ウソだ! 漫画売れてて、運動出来て、顔もイイなんて有り得ない!」
「椎名殿……有り得ないといっても……」
「何か絶対、人には言えないヒミツがあるハズだ!」
「例えば?」
安西が言うと、椎名が「例えば――…」と呟きながら、ふと自らの下方を見やる。
つられて、残りの3人も自らの『紳士』に目をやった。


235 :或る温泉の風景:04/01/29 15:51 ID:vsnF2+QG


  L e t’s  ト  ト  カ  ル  チ  ョ   !

「椎名以上安西以下!」
「安西以上雷句以下!」
「椎名以上森田以下!」
「森田殿以上信行以下!」

真実を確かめるべく、許斐が髪を洗っている隙に、こっそりとその『紳士』を確認しにいく。
さて、その結果は。


・:*:・':.。 ☆.:*:・' ・*・゚キ  ラ ゚・*:.。.★.。.. .☆:*.゚.*:☆. ..。.★.。.:*・゚キ  ラ ゚・*・ '・:*:.☆。 .:


 「「「「 う…  美    し    い    ! ! ! 」」」」 

カポーン…

「…非の打ちどころがない」
「究極なのだ」
「究極の美形だ」
衝撃を目の当たりにし、真っ白な灰となる4人。
そのとき、安西のすぐ隣から、声がした。
先程まではな、存在しなかった気配だった。

「確かに。これと同じマスクをつければ、蝶・究極だね」




236 :或る温泉の風景:04/01/29 19:38 ID:vsnF2+QG
「「「うわあああ!?」」」
蝶々仮面の怪人のいきなりの出現に、椎名たちが飛びあがった。
「温泉で騒ぐのはマナー違反だよ」
周囲とは対照的に、マイペースの和月だ。
椎名たちが慌てふためき、和月から遠ざかる中、安西だけは厳しい顔で和月を睨む。
「やあ…久しぶりだな。ここのところ、パクらなくなったそうじゃないか」
「荒川に聞いたときは半信半疑だったが……本当に生き返ったんだな、オマエ」
「まあね。キミにされた事は忘れてないよ。もっとも、俺もキミの大事な“つがい”をキズモノにしたんだから、おあいこというところかな?」
「今さら、俺のしたことが許されるとは思ってない。……が、アイツを傷つけたオマエは許せねえ」
「おやおや、そんなに大事なカノジョなのか?」
「俺とアイツはそういうんじゃねえ。だけど、アイツにはでっけえ借りがあるんだ」
「ふうん」
にやり、とドブ川が腐ったような目が、細長く歪む。
「でも、今はこの通り、無限刃も核鉄もさすがに風呂の中までは持ってきてないけど。そこんとこ承知でやる?」
「それじゃあフェアじゃない。戦うのはお互いの準備が整ってからだ」
煮えた鉛を飲み込んだような表情で、安西は言う。
それを見た和月が、クスリ…、と笑った。
「とんだ偽善者になったみたいだね。」
「なんとでも言ってろ。俺はずっとこのままでいく!」
(面白い……外道を潰すより、こういう手合いをいたぶる方が余程。
 こいつは、キミを倒すのが楽しみになってきたよ、安西)
内心でほくそ笑むと、和月が湯舟から立ち上がった。
「まあいいか。今はちょっと仕事中だし」
股間に洗面器をあてがいながら、和月が言う。
「気をつけろ。敵の手はすぐ近くまで追って来てるぞ」
「な!?」
驚く安西をよそに、和月は“両手を使わずに洗面器を股間にブラ下げたまま”、風呂を後にした。


237 :武井救済計画・中編:04/01/29 22:34 ID:No8Xd0R6
尾田栄一郎……久保帯人……
彼らは道を誤ったというのか?―――だが僕の選択は正しいはず。
光原「自分の選択は間違っていない。自分は彼らと同じ轍を踏んでいないのだから―――。
   そう、思っているでしょう武井先生」
図星。ぐっ、と息を呑む武井。安心するのはまだ早いとばかりに光原は首を横に振る。
光原「確かに……『麻倉葉』は『マンキン』を代表、象徴するキャラ。
   しかし肝心のその『麻倉葉』が、
   原作中もっとも イ ン パ ク ト の な い キャラなのよ!」
武井「がはぁっ!!」
吐血して吹っ飛ぶ武井。今のは相当なダメージだったようだ。
光原「何事にもどうでもいいとばかりに興味なさげな態度。
   読者が感情移入しにくい浮世離れした性格。
   その性格ゆえイマイチ熱さが感じられず、盛り上がらないまま終わるバトル。
   そして決め台詞は『ウエッヘッヘッ』
   これではキャラ立ちなど到底望めないわ!」
光原の強烈なマンキン批判。いや、冷静な分析が炸裂する。
武井「ウエッヘッヘッは決め台詞じゃな…い……」
ガクガクと膝を揺らし崩れ落ちる武井。
『葉』のユルイ性格は確かに、ある意味斬新ではあった。
だが、あのキャラでこの漫画界の争いを生き残れるかと問われたら、正直難しい。
武井「僕は墓穴を掘っていたというのか……しかし……ならばどうしろと?」

光原「教えてあげるわ武井先生……
   目立たないからといって自分のキャラを変えていこうなどということが、
   すでに間違いの始まりだと言うことを!
   見える……私には見えるわ、未来のあなたの姿が……」 
   さあ、見なさい!
   このアウターゾーンから取り寄せたプロジェクターに映るあなたの末路を!
   キャラが立たないと言って、次々と別のキャラに乗り換える……
   そ の 考 え が 招 く 悲 惨 な 結 末 を ! ! 」
いつのまにか光原が部屋に設置していた機械が妖しい光を放つ!
そこに映し出された武井の未来の姿とは!?

238 :武井救済計画・中編:04/01/29 22:34 ID:No8Xd0R6
アウターゾーンのプロジェクターにより白い壁にある場面が映し出される。
それは現在矢吹艦キャノンボール、2台の車が炎上するハイウェイの光景だった。

稲垣「飛ばすぜ! 優勝すんのは、俺達だ!!」
皆川「な、なんて事を……!」
梅澤「オレの目の前でデストローイたぁ上等じゃねーか!」
えなり「ひぃ〜〜妙な対抗意識燃やすのはやめてぇ〜〜〜〜!」
佐木「フン……“楽”しくなってきたぜ……!?」
克 <<おお〜〜っと!ここで新たな参加選手が!?異様な乱入者が現れたぁ!!>>
無数の鉄馬が弾丸のようなスピードでデッドヒートを繰り広げる中、
後方からアメリカンのバイクが追い上げてくる。
前方に大きく張り出したヘルメット。
これ見よがしに木刀を持った白いスーツの男。
あごヒゲが特徴的な男はサングラスの奥で不敵な笑みを浮かべる。
武井「行くぜ……俺だけのベストプレイスを探しによ……!」

―――――――。
武井「馬鹿な………」
光原「これが数十分後のあなたの姿よ!
   『木刀の竜』になってキャノンボールに参加してしまってるわ!!」
呆然と映像を見る武井に、なにやら芝居がかってきた口調で煽る光原。
武井「……いや、例え本当に参加したとして、それの何処が悪い!
   だいいちなんで『エキゾチカ』じゃないんだよ!!」
光原「……フッ」
食いかかる武井に光原は微笑を浮かべる。それが答えだとでもいうように―――。
武井「なぜ笑う……」
光原「別に。『木刀の竜』はロリコンだしね」
微妙に敗北感を覚える武井に構わず、光原は再び機械を操作する。

光原「これはまだいい方……次は問題の準決勝のひとコマをお見せするわ」

239 :武井救済計画・中編:04/01/29 22:36 ID:No8Xd0R6
――――――。
天野「さあ、ついにやってまいりましたトーナメント準決勝!
   なお、この試合は行方不明の東まゆみ、小林ゆき、ほったゆみに代わりまして、
   再び審判に返り咲いた私、天野こずえが取り仕きらせて頂きます」
C、Dブロックの代表が決勝進出の座を賭けて戦う試合会場。
相見えるえなり、裏御伽両チーム。
立ちはだかる強敵を前に感慨深げに車田が口を開く。
車田「ついに来たな、この時が。
   さて、先鋒はおまえだったな武井。いけるか?」
足元に視線を向ける車田。その視線の先には―――。
武井「うん、車田先生。武井がんばる」
そう言って黒い肌にアフロヘア、大きな目が特徴的な麻のローブを纏った小さな子供は笑顔を見せた。

――――――。
武井「 オ パ チ ョ に な っ て る ーーーーーーー っ ! !」
光原「これがキャラ立ちを求めた末に、あなたの辿る末路よ!!」
一体何をどう間違えたら、こうなるというのだ。
光原「今見せた映像はあくまで無数にある未来の可能性の一つ……でも、
   次々とキャラ変えを繰り返していけば、この結末に辿り付く可能性は十二分にあるわ」
武井「あり得ない……無理ありすぎだろ、これ……」
だが、その思いとは裏腹に体の力が抜けていく。
膝が震えてもう立っていられない。
あり得ない。そう、あり得ないはずだ。だが―――。
「まさか」という不安が心に引っ掛かる。喉が渇く。嫌な汗が流れるのを止められない。
武井「はは……大方その機械は、“触った人間の妄想を映す”とかなんとかじゃないのか…?」
精一杯の強がりを言う武井。だが光原は―――。
光原「………」
「やべっ」という表情を浮かべ、無言で目を逸らした。

武井「 マ ジ で 図 星 か よ ! ! 」

思わず武井は人差し指を掲げ、体全体をスピンさせながら空間を翔けた。

240 :武井救済計画・中編:04/01/29 22:36 ID:No8Xd0R6
光原「なるほど……次のキャラは『小山田まん太』……」
武井「違う!!」
全力で否定する武井。
何か自分の行動の一つ一つが墓穴を掘っているように思える。しかし―――。
クスリ…といたずらな笑みを浮かべる彼女を見るに、
武井が思わずツッコミを入れる一連の流れすらも、光原の思惑の範疇だったのだろう。

武井「くっ……!危うく貴様の姦計に嵌るところだった!」
もう震えてなどいない。それどころか自分を弄んだ光原に怒りさえ覚えている。
武井「そもそもキャラ立ちだのと言い出したのは、貴様の方じゃないか!
   僕はただハオとの外見の差別化を図っていただけだし。
   貴様の目的は一体何だ! 光原!」
自らを翻弄した光原を糾弾する武井。
そんな武井の目を微笑ましく光原は直視する。これも彼女の思惑のうちなのか?
光原「ふふふ……私は先手を打ちに来たのよ。
   あなたもまた潜在的にロックのテイストを持つ『六人の戦士』の一人……
   おかしなキャラになって欲しくないから……と、
   キユ様がおっしゃっていたわ」

武井「  キ  ユ  ! ! 」
その名に武井は驚愕した。十年前の大惨事を起こした張本人。
光原はそのキユに連なるものか!
武井「そうか、そう言えば彼はロックが好きだったな。
   その彼が僕のロックに感銘したとしても無理はないが……」
   キユなど関係ない!余計な心配をするな!」
もう彼は終わった人間なのだ。
あの時、彼の呼びかけに答えていればキユドライブは起こらなかったかもしれない。だが―――。
光原のプロジェクターを鷲掴みして、肩越しに叫ぶ武井。
武井「見せてやろう!!この僕の見事なキャラ立ち!いや、存在のあり方を!!」
壁に映し出されたのは先ほどと同じ準決勝の場面。
触れたものの妄想を映すというのなら、この機械は武井の頭の中も映し出すはず。
はたして武井の思い描く理想の自分とは!?

241 :武井救済計画・中編:04/01/29 22:38 ID:No8Xd0R6
岡野「俺たちの相手はどいつだ〜〜〜!!」
真倉「この岡野・真倉の霊能コンビが叩き潰してくれるわ〜〜〜!!」
世紀末な装いで腕をわしゃわしゃと振りながら叫ぶ裏御伽の二人。
えなり「おまえ達の相手はここだ!」
そこに台車に乗った大きな釣鐘方の鉄の塊を引きずりながらえなりが現れる。
岡野「なんだぁ〜〜〜?このチビ」
真倉「この試合はタッグマッチだってのに一人で戦う気か〜〜っ?」
なぜか某モヒカン雑魚のノリの二人がえなりを煽る。
えなり「 貴 様 ら の 相 手 な ど 一 人 で 十 分 だ ! ! 」
岡野「なんだと、このチビ〜〜っ!!」
真倉「八つ裂きにしてくれるわ〜〜〜!!」
当然、怒り出す二人。
今にも襲い掛からんばかりの殺気に気圧されたえなりは、引きずってきた鉄の塊の陰に隠れる。
えなり「早とちりをするな。
    “ こ の お 方 ” が貴様らの相手をすると言っている!」
その時、鉄の塊から声が発せられた。
  「悪党ども、赦しを請いなさい。そして悔い改めるのです」
岡野「喋りやがった!!」
真倉「中に人が入ってるのか!!」
こいつが二人の相手をすると言うのか。不気味な顔のレリーフがついた鉄の塊。
それは『アイアンメイデン』と呼ばれる中世の拷問器具。
その前面の扉が音を立てて開き、溢れ出す大量の血液と共に出て来たものは―――。

  「 聖 ・ 少 ・ 女 ア イ ア ン メ イ デ ン 武 井 宏 之 」

――――――。
武井「 ど う だ ! 」
自信満々の武井。犬好きのあまり本物の犬になってしまった漫画家もいるが、
こいつはロリコンのあまりロリータになってしまったというのか!?いや、それ以上にツッコミどころが多い。
光原「………」
今度は光原が呆然とする番だった。

242 :作者の都合により名無しです:04/01/30 00:48 ID:b6meIIEC
つーか、この妄想準決勝の続きがマジで読みたい(笑)

それはそうと、光原はPSYCLOPSの中でもダントツにキャラが立っているな

武井は別の意味でキャラが立ってきてる気がするが

243 :作者の都合により名無しです:04/01/30 01:12 ID:X9vm7qtb
>思わず武井は人差し指を掲げ、体全体をスピンさせながら空間を翔けた。
>光原「なるほど……次のキャラは『小山田まん太』……」
この流れが最高w

>>242
>武井は別の意味でキャラが立ってきてる気がするが
多分それが狙いなんだろう
漫画キャラに頼らずにキャラを立たせようという

244 :作者の都合により名無しです:04/01/30 11:19 ID:JnxMlWxh
駄洒落歌でガンガン頭をぶつけてた阿部ちゃんが思い出される……。

245 :244:04/01/30 11:20 ID:JnxMlWxh
……申し訳ない。思いっきり誤爆。

246 :Bomber Boys:04/01/30 16:49 ID:t+ml5cqR
真っ赤な闇。真っ赤な大地。真っ赤な月。
真っ赤な・・・オオカミ人間の開いた口。
ボクは必死に手を伸ばす。
でもあいつは全部食べちゃうし、ちぎっちゃうし、踏みつけちゃうんだ。
悔しすぎる。あいつがニヤニヤしながらボクに何かささやいてくる。

   昔のお前に戻れよ 喰い甲斐がねえ 殺しの味を忘れた甘ちゃんなんざ ゲロ以下だぜ

抜かしてろ。こんだけトサカに来たのは初めてだ。
このやろーそこで待ってろ、ぶん殴って・・・今、遠くで懐かしい声が聞こえた。
バティだ。小畑君。でも苦しそうな叫び声。行かなくちゃ。後ろだ。

   背中を向けやがるか それがお前の限界だぜ 死ねよ 馬鹿が

限界?誰が限界だって?
・・・わからなくはないけど、ボクにはもっと大切な事が・・・

   へ ぇ  な ら 思 い 出 さ せ て や る よ

でっかい爪とギザギザの牙が、迫る――――


 「うーーーわぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーぉう!!! ・・・あいたぁ!頭いてぇー!!」

酔っ払い起床。時刻は夜6時台。誰もいない畳部屋は電気を消されて少々怖い。
頭が割れるように痛むにわのは、眠る前後の記憶を辿ろうとするが全然ダメ。
とても嫌な夢を見た気がする。首が痛い。Tシャツと顔の包帯が汗でまとわりつく。体が妙にむくんでいる。
誰が敷いてくれたか、布団から這い出てお茶ポットを捜すが見つからない。
風邪のせいか体が火照る。叫び声を聞いて駆けつけた従業員に水を頼むと快く引き受けてくれた。
 「お客さん、これ薬草入り(の酒)やねん。コップ一杯、一気に鼻つまんで飲んだってやー」
 「えーありがとー。ふが、へーのっ!(ゴクゴク)・・・ ぶ ば っ !!?」
にわのの記憶はここで完全に途切れた。そして。

247 :Bomber Boys:04/01/30 16:50 ID:t+ml5cqR
 「今、変な声しなかったかしら?」「さあな」「うーん?」
最近妙に女性口調の澤井が、
自分達の部屋がある階の廊下で、共に歩く仲間達に語りかけた。
メンツは本宮を除いた全員。馬鹿副将の酒癖が悪いという話から、
夕食会までには起こそうという流れになり、暴れたらふんじばれるようにと大勢でやって来た。
中は照明は電気スタンドひとつ、部屋はいやに酒臭い。
布団の上に起きてとっくり酒をあおる包帯人間ひとり。
 「あらやだ電気もつけずに!これじゃただのアル中漫画家だわ、クズ!」
 「澤井!今のあいつを刺激すんなって、血ィ見る・・・ぞ?」
澤井を羽交い締めにした真倉が眉をひそめる。
包帯人間は上半身のみ白い胴衣を着て、こちらに背を向けあぐらをかいているが、
シルエットがやけに細い。身長も縮んでるっぽい。
やがて影は包帯を片手で外し出し・・・腰まで届くまっすぐな茶髪がバサッと現れる。
 「 女 だ !! にわのじゃねえ!誰だテメエ、あいつをどこへやった!?」
真倉の怒声に反応したのは、縛られ布団脇に転がる下着姿のチビ・みずしな。
 「ああ天の助けや!助けてや!あの方メッチャ怖いねん」
岡野が慌てて駆け寄るが、みずしなを見てギョッとする。「こ、これは亀甲縛り!?」

長髪の女は振り向きざま、みずしなの背中を踏みつけ、かかとでグリグリ。
 「なんですぅ?ボクが怖いれすってぇ?そのおクチが言ったのかにゃー?」
 「あふーん!な、なんでもあらしまへん〜!あう、あ、じょ、女王様〜〜!!」
ぶかぶかの胴衣がはだけ、背中を踏む長く細い足が露出する。
外国人モデルのような体型。メロン並みの巨乳に折れそうな細腰。蠱惑的な顔つき。
――それを彩る野獣の瞳。女は足元の子羊をニコニコと虐げながら再び酒を口にする。
なんだか変な女が来たぞ。川原は顔が真っ赤な乙の両目を後ろから塞いであげた。

 「なんでもいいからそこの酔いどれ女!ウチの副将をどこやった?
 返答次第ではただじゃあ帰さねえぜ?」左眼に眼帯を当てた岡村が指をポキポキ前に出る。
岡野が部屋の照明をつけると、謎の美女のあられもない格好が露わになる。
美女は男どもを見渡すと、照れながら手を振る。

 「キャー♥みんな揃ってお元気ぃ〜?ヒック」緑色の前髪が、揺れた。

248 :Bomber Boys:04/01/30 16:52 ID:t+ml5cqR
 「だから誰だよテメーは!」
 「やだー真倉君つれないモン〜。あんなに愛し合った仲なにょにー♥」
 「誰がだよっ!あー酒くせー顔を近づけんな」
 「なにゃあー?あ、わかった!最近ボクが“仕事”見つけてこないから怒ってるんでしょー。
 本宮せんせーがしょっちゅう備品壊すからお金ないもんねー。はいはい働きますぅー」
 「オヤジがどうしたってぇ!?なんでウチの事情に詳しいんだよ、敵のスパイか!?」
 「あー耳元で叫ばなーいー。クラクラしちゃうじゃん♪ほら捜してきますってば」
会話が噛み合わない2人。女はどこからか武器を取り出し、両の太ももに装着する。
上半身のみの胴衣に黄色い帯、足にはベルトと・・・奇妙なデザインのトンファー。
 「「その武器は!!」」
真倉と岡野が同時に叫んだ時、女はトンファーを抜き出し手首で回転させ――

   ド ゴ ム !!  漆喰の壁がぶち抜かれ、穴から陽の落ちかけた松林が見えた。

 「さぁすがボクの改造トンファーだモン♪頭蓋骨から厚さ20ミリの鉄板までどーんとこい♪」
女はキャハハハ・・・と笑いながら、開かれた穴を抜けて建物の外へ飛び出してしまった。
部屋には呆然とした男たちと酒とっくり、ガタガタ震えるみずしなが残された。
 「ああ、あんな計画に乗ってもーたばかりに・・・鬼や、鬼が生まれてしもうた・・・」
みずしなの呟きを聞きとがめた岡村が、彼の顔面に拳を突き出した。
 「ヒィ!?」
 「・・・寸止めだよ。あんた何を知ってる?教えろよ」

 「信じてくれへんでもええけどな」そう前置きしたみずしなが話し始める。
梅澤一行との出会い。酒席のリベンジ計画発動。事前にターゲットを潰しておく作戦。
しかし二種の酒をブレンドさせた男の一言が、みずしなに今になって重くのしかかる。
 「貞っちが、呪いの酒を作ってもうたって。タチの悪いヤツやて」
岡野はとっくりを拾った瞬間、それを理解した。酒の臭いに混じる強力な邪気。
みずしなはなおも言う。とどめの酒を飲ませて卒倒したターゲットが目を覚ました時、
電気スタンドの照明で巨大な影が伸び・・・影の頭部には。
 「2本のツノが生えとったんや。あれは人間の心の闇を表に出す、鬼の酒やってん!」

 「まさか、あの変な女はもしかして・・・」

249 :Bomber Boys:04/01/30 16:54 ID:t+ml5cqR
宿の駐車場を抜けた先で謎の男とすれ違い、以来表情を強張らせたままの樋口。
彼女を心配する山田は宿のロビーに戻ろうとする。
そこなら他選手も多いし何とかなる・・・しかし。
宿の前で再び、ワキガの男やら忍者っぽい男やらに囲まれたのだ。
 「ベイベーそこの眼鏡さん。サ店で僕たちと一緒にティーでもしばきませんか?」
アホ面の男たちの背後でモジモジとしている、バスで隣り合った優男と山田の目が合う。
山田が反射的に思いっきり顔を逸らすと優男が泡吹いて卒倒した。
 「あー!泣ーかした〜泣ーかした〜編集長に〜ゆーてやろ」変態たちがはやし立てる。
樋口は先ほどから萎縮し、山田の前で壁を作るのが精一杯。
 「これはもうカラダでお詫びしていただくしかありませんなぁ」「なぁ」「なぁ」
ジリジリと狭まる変態包囲網。絶体絶命、貞操の危機!!

 「む わ て ぇ ぇ ――――― い !!!」 パパラパー♪(効果音)

高らかに響く女の声。どこからだ?
木多が見上げると、6階建てビルの松椿屋上に謎の影。
影はふわりと飛び降りて変態どもの背後に颯爽と着地する。
女はねめるような瞳で振り向いた男どもの視線を引きつけると、身体をくねらせて誘う。
 「そんな地味な小娘たちより、はいぱーぷりりん・ぽよんぽよんボディのボクと遊んだ方が楽しいぞぉ♥」
 「「 遊 び ま し ょ う !!! 」」気絶した男を除く4人が一斉に謎の美女に駆け寄る。
 「いいスか?いいスか?ホントにいいスか!?慰労会バンザイ!変態チームバンザイーーー!!」
男たちの魔の手が美女に伸びる。樋口と山田が声にならない声で叫んだ刹那――――
    「るっせ――――な!」      
                    ボ  ゴ  ン !!
目にもとまらぬ速さで握られたトンファーが、頭部をかち割られた2体の惨殺死体を造った。
返す刀ならぬトンファーの先端はスイッチで“ドス”に切り替わっており、3人目の生首を製作。
4人目は動物的な反射でもう一方のドスを避け空中へ飛んで逃げる。
しかし最高到達点に届かないうちにトンファーはグリップ部分が“サブマシンガン”に変形。
哀れ空中で方向転換する前に4人目は蜂の巣、グシャリと地面に叩きつけられた。

 「はい、お仕事しゅーりょー♥」

250 :Bomber Boys:04/01/30 16:56 ID:t+ml5cqR
 「助けてくれてありがとう・・・でも、ちょっと酷すぎじゃありませんか?」
ためらいがちに言葉を紡ぐ樋口。言われた方はトンファーの血を吹き飛ばしながら快活に笑う。
 「えー?だいじょーびだモン、ああいう人たちは気がついたら復活してるからぁ。
 それよりお仕事しましたのでー請求書出します。女の子だからサービスで500万!ちょーらい♥」
 「・・・へ?何よそれ!?」感情を取り戻した樋口が謎の女に突っかかる。口調も妙に腹が立つ。
 「ビ・ジ・ネ・スー♪もちろん『用心棒代』ですゥぅ♥」
 「・・・」
悩み顔の山田が樋口に代わって返事をする。
 「あのー嫌だと言いましたら・・・」
 「殺します」 さらり。

散々心の中で謝りながら、500万円の請求書に≪平野(様)≫と書き込む山田。
請求者の名前をしっかり読む前に、いたたまれなくなって懐にしまい込んだ。
 「はーいありがとー♥ じゃ、お金は来月頭までに振り込んでおいてねー♪
 さもなきゃー・・・1日滞納するごとにあんたの指や鼻や目玉を一個ずつちょーだいするじゃん♥」
謎の女は半泣きの山田の鼻の頭にデコピンを入れる。これでも優しくしているようだ。
 「ひどいわ!勝手に押しかけておいて何が用心棒代よ!許せないわ!」
怒髪天に来た樋口、自分より15センチは高かろう女の胴衣の襟をつかんで握り寄せる。
しかし女はかなり酒臭く、樋口は反射的に手を離し目を瞑って鼻をつまむ。
 「・・・樋口センセ。元気なのもいいけど気をつけてね。男はみんな野獣だかんね」
 「!!?」
謎の言葉にはっと樋口が目を見開いた頃には。
女は風のように消え去っていた。
2人はただ立ち尽くすのみ。

死体を掻き分け宿内へ戻る樋口と山田。
ロビーでは裏御伽の連中が何名かうろつき捜しものをしている。
 「ったく!あのバカどこへ消えやがった!酒癖悪いどころじゃねえ!」
 「昔は裏街道で『サドっ子まこリン』と呼ばれた男。本来何をやってもおかしくない。
 恐らく変な酒の呪いで、ヤツの漫画内一凶悪なキャラに性別を超えて邪進化したんだ」
騒々しい声を聞きながら、山田はふと懐から例の請求書を出す。
請求者欄に ≪ 愛と勇気と美の戦士・MACOLIN ≫と書かれていた。

251 :Bomber Boys:04/01/30 16:56 ID:t+ml5cqR
 「手分けして捜すんだ!これ以上無駄な騒動を起こしてもらっちゃ困るんだ」
岡野の号令の下、川原を除く裏御伽メンツは走って暴走副将を捜しに出る。
マイペースな川原に岡野は一言。「お前はまあ、散歩でもしててくれ」
全員が去った後、頬をポリポリと掻く川原はぼんやり顔で歩き出した。

 「見つけたか?」「いや」「大変です、温泉街の方で騒動が!」「何!?」

乙に引っ張られ宵の入りの温泉街へ向かう軍団。
そこではなりふり構わず一般人の女性を襲い始めた木多と古谷を相手に、
謎の美女ことにわの♀が拾った野中ロボをブンブン振り回しながら戦闘をしていた。
近くでは変態ムササビ徳弘と下着入りのカゴを背負ったうすたが駆け回り、
桂が休憩席でやけ酒をあおって泣き潰れている。嫌な阿鼻叫喚である。
やがて野中はボーリング球のように変態の群れの中に投げ込まれ見事ストライク。
警察官が多数駆けつけるもすったもんだでどうしようもない。

ドサクサに変態度では負けない新沢基栄が“鬼山地獄”のワニと友達になりそこらを歩き回り、
三上龍哉が98℃の熱泉を水着姿でザブザブ泳いで観光客がパニックになっている。
やがて木多が土産物屋のガラスに顔を突っ込まれ、破片で顔中が血みどろに。
 「ああ〜目が〜目がぁぁ〜〜ははふ」
 「あっはっはっ!泣けっ!わめけ〜〜!その顔ゾクゾクするモーーーン♥♥」
サディスティックな歓声を上げながら、悦楽に潤んだ瞳を輝かせる鬼畜な雌豹。
暴力に飢え流血に抱かれる事を求めてやまないしなやかな肢体は返り血を浴びてますます輝き―――
 「はい、そこまで」「キャン♥」
『散歩』していた川原が背後からそっと近づき頚動脈一発極めてコロリ。爆弾娘回収。

 「・・・川原。縛ったはいいがとりあえずどうするよ、これ?」
 「さあ。酒のせいなら酔いが醒めれば戻るんじゃあ?俺の胴衣も返してもらわないとなあ」
 「そうだな。水風呂に突っ込んでおくか。しかし首魁の梅澤はどこにいるんだ?」
 「むにゃ〜・・・オッケ〜これって一山ナンボ〜・・・?」
 「呑気なやっちゃなあ、お前・・・」

その後温泉街では機動隊まで出動する騒ぎになったが、彼らの知る所ではない。

252 :作者の都合により名無しです:04/01/30 18:52 ID:b6meIIEC
いっそ、にわのはこのバージョンのままで真鍋と鬼畜対決してほしい

253 :生と死の狭間に躍る男:04/01/30 21:26 ID:b6meIIEC
日はにわかに西に沈み、まもなく夜になるだろう。
黄昏時。
渡辺「きれいな空だぜ……」
別府の町で空を眺めながら、ひとり、黄昏れる渡辺道明。
思い出すのは、先の戦い。
あの、平野という化物との、戦慄の戦闘。
この世の理を一切無視したような、あの怪物にどうやって立ち向かえばいいのか。
渡辺「あいつは…平野は強すぎる。今のガンガンが戦えば、一方的な虐殺にしかならねえだろう……」
背後から声がかかった。
土塚「おや、渡辺さん。いつお帰りになったんで?ケきゃきゃきゃ!」
渡辺「おう、さっきな。迷惑かけたか?」
土塚「いえいえ、こうして戦力が戻ってきてくれたのは喜ばしいですよ」
渡辺「ま、そういうことにしとくか」
表情から陰を消し、悪戯っぽく渡辺が笑う。
土塚「今日はしっかり休んでおいて下さいよ。明日から、準決勝ですからね。
   しかも、今までの相手とはレベルが違いますよお。殺し合いです」
渡辺「ヘッ、生死のやり取り以上におもしれェゲームはねェ。悪魔とのキッス…最高だぜ!」
内心の平野に抱いていた恐怖を押し隠すように、渡辺がうそぶく。
渡辺「天国なんざ望んじゃいねェ、蒼空に捧げる鉄の棺桶が、オレたち空の天国(ヴァルハラなのさ。
   命?絆?そんなものはほしくねェ…真っ赤な血とバラがあればいい…
   それを空に投げてくれ…それがオレたちへのコールサイン。
   ああっ、それがそれがぁ、それがオレたちへの――ラブソングなのさぁ〜ああビーナス!」
土塚(相変わらずでやがりますねェ……この人)
また異様なテンションで自分の世界に入り始めた渡辺に、土塚はため息をついた。


254 :生と死の狭間に躍る男:04/01/30 21:26 ID:b6meIIEC
渡辺の熱唱はつづく。
渡辺「オレたちは音速の天使ィっ、マッハ2のスピードで空を翔るゥ…
   神すら手が出せない〜そうさ鉄の翼をはやした空の花畑を舞うゥ〜〜〜
      
     天          使          さ    っ   」

そこで土塚は、渡辺の服装が一変しているのに気づき、冷や汗を流した。
全裸に、とってつけたような天使の羽と輪、
その身を覆うものは、股間の花飾りのみ……
渡辺「そうさオレたちは〜 華麗に大空を舞う 天使さ〜〜」
変態コスプレで躍りまくる渡辺に、土塚が冷静なツッコミ。
土塚「おい、渡辺さん、どーでもいいですがね…」

       が       ん     !

土塚「車、来てやがりますよ…」
忠告したときには、渡辺は血を巻き、遥か彼方へ吹っ飛んでいった。

「やべェ、ひいちまったぁ!国に帰れば母ちゃんと…3人の子供がいるのにィ!!
 酒はやめたのにィ、母ちゃんごめんよォ!!」

あとには、自らの不運を嘆く運転手と、呆れ果てた土塚がとり残された。


255 :生と死の狭間に躍る男:04/01/30 21:27 ID:b6meIIEC
その頃、女湯では――

小林「えいっ」
河下「きゃあ。」
いきなり背後から胸を鷲掴みにされた河下が、可愛い悲鳴をあげた。
河下「も――ゆきったらぁ!」
小林「ミズキチ、また胸が大きくなったのではないか?ハハハ」
女性たちの、無邪気な笑い声が響く。
高橋留美子はじめとするサンデー・ガンガン女性陣に、
河下・小林の十二使徒組(表向きは審判ということで通している)、
さらに遅れて入ってきた天野も加わり、
なんだか楽園が形成されていた。 
そこへ、侵入してくる、不協和音。
天使のコスプレをした、全裸男。

天野「キャ――――!」
河下「何、これ!?」
水野「あ、これガンガンの渡辺さんです!!」

渡辺「え……」

ようやく衝撃から回復した渡辺を待っていたのは、
輝くような女性達の肢体と、そして爛々と燃え立つ鬼火のごとき眼光。




惨劇が、始まった。

256 :生と死の狭間に躍る男:04/01/30 22:16 ID:b6meIIEC
「このエロ男があ!」
「のぞきよノゾキッ」
「信じられないっ」
「すっぱだかの上に!」
「羽なんかつけてるわ!」
「新手のイメクラよぉ!」
「ぶっ殺せェ――――!」
「ヘンタイがぁ――――!」
「前からこーゆーことする人だと思ってましたっ!!」

渡辺(ちっ違・・・・)

渡辺の魂の悲鳴を聴ける慈悲深い女神は、いなかった。


天野の『スター・サファイヤ』の超高水圧カッターに五体を切り刻まれ
冬目の日本刀に幾度も幾度も刺突され水野のサブマシンガンに蜂の巣に
され金田一の剛腕に体中の骨をバキ折られ小林のハンマーに圧殺寸前ま
で殴打され河下にどこからか持ち出したピンヒールで踏まれまくり留美
子の八宝大火輪による爆風で吹き飛ばされた。

「「「出てけェ!!」」」

夕焼けの空に、乙女の絹を裂くような叫びがこだまし、哀れな天使が舞った。


257 :生と死の狭間に躍る男:04/01/30 22:16 ID:b6meIIEC
その頃、男風呂――。
ビキビキと一色触発の空気の中、対峙する巨魁。宮下と本宮。
大理石を磨き上げたような筋肉と、これでもかと存在を固持する股間の地蔵。
鬼達の衝突を回避するためか、そこに天使が舞い降りたのは、まさにそのとき。

「わっ!わっ!」
「なんだこいつ!?」
「女の下着つけて飛込んできやがった!」

もはや原形をとどめていない、かつて人間であった何か。
それを取り囲む、鬼達の眼に殺気が宿る。
ようこそ、地獄の一丁目へ。
惨劇が、始まった。

「のぞきだぜ、このヤロー!」
「女装趣味のヘンタイだぞ!」
「羽まで生やして何考えてんだ!」
「殴れ殴れ!」
「サラリーマンをナメんじゃねえっ!」
「ワシが宮下あきらであるっ!!」
「がつんだ!」
「がつんだ!」

〜〜諸般の事情によりこの場面の描写は割愛させていただきます〜〜

「「「出てけェ!」」」

土塚「惜しい人を亡くしやがりました……」


渡辺道明―――デッドリスト逝き!(ウソ)


258 :作者の都合により名無しです:04/01/30 22:30 ID:t+ml5cqR
死亡確認だぁ(´Д`)
オクレ兄さんとか椎名以下とか小ネタ大好き

259 :作者の都合により名無しです:04/01/31 06:05 ID:FUxdyRhJ
川原×にわのはイイカップリングだよな(末期)



(´-`).。oO(山田はいつになったらパンツ履かせてもらえるんだろう…)

260 :作者の都合により名無しです:04/01/31 23:39 ID:S2AZZfqc
キャノンボールも中盤戦。
Bブロック突入寸前、Cブロック最後のコースは急傾斜のダウンヒルコース。
死を恐れぬ命知らずの走り屋たちが、地獄の直滑降に挑む。

そして先頭集団が坂の頂点を通過した数分後――――
時速100キロ以上出る下り坂を十字をきっただけで弾丸の如く下り始めたヤツがいた。
身に纏うは、炎のごとき赤き水玉のウェア、“マイヨ・グランペール”。
“ビアンキ”の自転車に跨がり、男はマシンにしがみつくような前傾姿勢で空中を吹っ飛んだ。
転倒・落車の心配を他人事のように神様に預けられちまうそいつは、

 “ ロ ケ ッ ト ” と 呼 ば れ る こ と を 好 む !!


さらに、そのすぐ後方を走るは、“藤原とうふ店”と書かれた型遅れの4輪。
しかし、その車“ハチロク”は、常軌を逸した速度で猛然と峠を攻め始めた。
死に等しい高速の世界で、なお茫洋とした表情を崩さない男は、ダウンヒルのスペシャリスト。


2台は、他に人などおらぬものとばかりに、鉄の弾丸たちを追走する。
自らの前を走る者たち、全てを駆逐するために。

 
   曽  田  & し  げ  の   堂  々  乱  入  !!!!

261 :作者の都合により名無しです:04/02/01 00:22 ID:JkBbR0Hp
豆腐屋とチャリキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

262 :作者の都合により名無しです:04/02/01 00:22 ID:9RU2hddk
キタキタキター(゚∀゚)

263 :流れ星キラリ:04/02/01 03:34 ID:9RU2hddk
どこまで飛ばされたろう。
文字通り流れ星となった全裸寸前の渡辺道明。
男湯で元師弟ダブルアッパーを喰らい遥か上空へと消えた。
やがて地球の重力に耐え切れずゆっくりと舞い降り、
コテコテの“車田風顔面溝掘り”でドグシャァァと墜落――――
するかと思いきや。
たまたま通りすがったメイド姿のヒゲ外道男が。
生ける屍と化した渡辺君をその広い胸板でキャッチし。
これはもう運命の出会いですわねと。
私が誠心誠意を持って、戦いに疲れた貴方をお世話いたしますわと。
さも愛しそうに先日熱ーいキッスを交わした男を。
そのごっつい腕で  ぎゅううっ・・・・  と、
抱擁かましたらリキ入れすぎてナベちゃん内臓破裂と肋骨露出。
あらやだ。


誰ぞの酔い覚ましにと備え付けの水風呂に来た裏御伽一行。
諸事情により宿の混浴風呂のものを使用。ゴザで全身す巻きにされたにわの(♀)は、
ケタケタ笑いながら冷水の中、ドザエモンごっこで遊んでいる。
 「しかしなんだな。どれだけナイスバディでも中身がアレだとちっとも嬉しくないな」
 「同感だ」岡野と真倉が顔を見合わせてため息。
先ほどまで妙に騒がしかった、衝立を挟んで両隣の男湯と女湯も今は静かで。

  ・・・・ぎゃああぁぁぁ・・・・   バキ ポキ ベキィ グシャア

 「今、何か聞こえませんでしたか?澤井さん」
 「うーん、ヒキガエルを踏んだような鳴き声なら聞こえたわよ乙君。
 それよりせっかくお風呂なんだからみんなで入りましょうよ。汗かいちゃったワ」
かくして混浴風呂には男4名(岡野・川原・岡村・乙)女1名(にわの)幽霊1名(真倉)魚雷1発(澤井)。
夕食会を前にして骨休めホクホク。
そしてさよなら渡辺道明。
フォーエバー青春。

264 :その間何があったのか(上):04/02/01 07:07 ID:1uAA9w17
露天女湯。付近。
キバヤシとは少し離れた地点で、顔を押さえてもがく一人の漫画家が居た。
彼の名は衛藤ヒロユキ。常とはまるで違うその姿は、見るべき者が見ればこう呼ばわっただろう
――ギップル――と――

如何なる念波か、感じたときには既に『飛んで』いた。
状況確認もせぬまま、見れば下方では女子どもが
「愛は見返りを求めないもの」だの
「彼を守ってあげたい」だのと、ラブラブ話に華を咲かせている。
視野狭窄にも似た使命感に燃え、この桃色クサ空間を木っ端微塵にすべく開始しようとした突撃が
(……女湯!?)
一握り残った理性によって急ブレーキをかけられる。
あんなところに飛び込んだら、なにをされるかわかったモンではない。
(……だがこいつは……)
ねれーん、と顔がだらしなくなり、鼻下が伸びる(鼻無いけど)
(凄いな……)
まさに百花繚乱。眼福にも程がある。
そのまま完全に当初の目的を忘れて出歯亀と化していると。ふと見上げた金田一と目が合った。
(ヤバッ)
しかし金田一は、悲鳴をあげるでもなくニヤソと笑みを浮かべ。
次の瞬間嬉しすぎる行動に出た。
「ホホホ、何を言っとりますか。こんな身体してたら、男の方が放っておきませんぞ?」
留美子の胸に食い込む指。むにむにと柔らかそうな双丘にピンク色の残像が混じる。

265 :その間何があったのか(上):04/02/01 07:20 ID:1uAA9w17
触発され、やがて始まった『お触りっこ』に、金田一と衛藤は密かにサムズアップを交わした。
(GJ!GJだぞ金田一!!)
「ふふふ……自分だけおすましなんてズルイですよ♪冬目さん」
背後から水野に抱きつかれ、冬目が狼狽する。
(ぅお……うろたえる冬目さんなんてはじめて見る……)
おたおたして拘束を外せない冬目の新鮮なギャップを喜びながら
留美子に目を戻せばなにやら達してしまったらしい彼女は、荒い息でくてりと風呂の縁に上半身を預けている。
満足気にそれを見下ろす金田一。次のターゲットを選定する暫しの黙考の後
水野達に近づくので、二人がかりで冬目に致すのかと思えばさにあらず
はじめはそんな素振りで油断を誘い、その実、金田一の真の目標は水野だったのだ。
「ちょ……蓮さ……そこ違います!」
冬目の首筋に鼻をあて「ふふふ」などと童顔を妖艶に微笑ませた水野の顔が強張る。
目が合って、聡く悟った水野の瞳はしかしやがて薄い霞がかかりはじめる。
反撃しようにも金田一の体はとっかかりがあまりにも少なく、ロクな攻撃が繰り出せないらしい。
ちなみに、間に挟まれた冬目は最早虫の息である。
「はなしてぇ……はなしてくださいっ……」
常の彼女からは信じられない姿だ。
ようやく腰に芯が戻った留美子がなんとか冬目を救い出し、冬目は顔を留美子の胸に埋めるように脱力する。
「……大丈夫?」
はい、とちいさな擦れ声。これはこれでいい絵だ。
そうこうする内、決着がついたらしい。水野の
「わ、私の負け!負けですっ!お願い……それ以上されたら城平さんに叱られます……っ」
という降伏宣言でようやく離れた金田一が、広げた手の指間をぺろりと舐めた。流石に少し頬が赤い。
(……こういうのは女の子の特権だよな……男同士じゃ洒落にならん。)
妙な関心をしていると、丁度そのタイミングで竹の仕切りの向こうから天野が現れた。
「お久しぶりです〜☆」
ぽわぽわした可愛い微笑みに応じながら。
何人かの目が妖しく光るのを。衛藤は確かに見た。

266 :作者の都合により名無しです:04/02/01 07:24 ID:1uAA9w17
ゴメン…即興で書いたからちょっとエロス方向に行き過ぎたかも…(;´д`)

267 :作者の都合により名無しです:04/02/01 11:17 ID:Wn3BIrb9
やはりここはこう言うべきか?

エロスは程々に(ry

268 :作者の都合により名無しです:04/02/01 13:59 ID:Wq9YuqP7
TV画面は、秋本のフェラーリが大破炎上した映像を流している。
「ちっ、俺が倒す前にくたばりやがったか、あの老害が」
それを観ていた尾田が、吐き捨てる。
「聞き捨てならねえな。仮にも先輩に対してその口の聞き方はねえだろ」
怒りを含んだ声が、尾田の背にかかった。
振り返ると、井上雄彦と柳川善弘が立っている。
「誰かと思えば、二度も大会で敗けた、『自称』天才かよ」
『二度も敗けた』『自称』という部分をことさら強調して尾田が言う。
「おまけに、公衆の面前で仲間を公開処刑されてもヘラヘラしてるバカときた」
「てめえ……」井上の指先が、腰のものの鯉口をきった。
「あの女狐は、見つけ次第、俺が叩っ斬る。だが、今はてめえの方が気に入らねえな」
「気が合うな。俺も、お前らが気に入らねえ。いや、慰労会とか言って馴れ合ってるヤツ全部気に入らねえな」
「さすが、仲間を殺しても平然としてるヤツは言うことが違うな」
井上はつの丸のことを言っているのだ。だが、尾田は言う。
「カンチガイしてんな。俺にとって『仲間』ってのは、和月門下と『ダッシュ』のメンバーだけだ。
 あの馬並野郎は、集英社の冷遇に耐え切れなくなって、『ダッシュ』を裏切ろうとした。その時点で、あいつは仲間でもなんでもねえ。
 ついでに言っとけば、今のチームのヤツらだって、矢吹を倒す為に一時的に手を組んでるだけだ」
「なに!?」
「えなりはどうでもいいが、荒木さん以外の五聖人は、矢吹を倒し次第、俺が倒す。
 あいつらは、鳥嶋さんを殺しやがったし、そもそも俺は、過去の遺産だけで喰ってるような漫画家が大嫌いなんだ」
尾田の目が、本気だと言っていた。
「それで、お前はそいつらを倒したとして、何をしたいんだ」
井上の問いに、尾田は断言するように答えた。
「漫画王に、俺はなる! 今の才能が枯渇した連中を、みんなブッ倒してな」
「吹き上がるな凡人が。てめえみたいなルーキー、漫画界(ここ)にゃいくらでもいるぜ」
「天才、天才って、口だけは達者なベテラン気取りもな」
2人を包む空間が、軋むように張り詰める。
「おもしれえよ、外に出ろ、麦わら」
「上等だ、赤猿。てめえみたいなカンチガイしたバカには、ガマンならねえ」
2人の間で、ゴングがなった。

269 :作者の都合により名無しです:04/02/01 19:47 ID:vUXzxIDa
井上VS尾田キターーーーー!
やっぱ剣豪対決か?
しかし、過去の遺産か・・・。少し耳が痛いな。
北条…エンジェルハート
車田…リンカケ2
原…蒼天の拳
こせき…山下たろー
あれ?後一人誰だっけ?YO1?

270 :作者の都合により名無しです:04/02/01 20:13 ID:9RU2hddk
御神仏_| ̄|○

271 :作者の都合により名無しです:04/02/01 20:26 ID:ooJM1kX4
>>269
多分、違う。

272 :作者の都合により名無しです:04/02/01 20:34 ID:9RU2hddk
>>271
こせき→荒木に継承交代
最後の人は以下略

273 :268:04/02/01 20:35 ID:Wq9YuqP7
マジレスすると宮下。
奴の今の連載は「暁!男塾」と、塾長の少年時代を描いた「天下無双」

念のために言っておくと、別に上記の連中に悪意があるわけじゃないんで
過去の遺産で喰ってるのは事実だが、そこまで行くのに彼らは常人の何十倍も努力してるわけだし

意外にも、尾田は初登場時はこういう性格だったんだよなw
だから、久々にあの頃のテンションを思い出してもらった

ただし、ひとつ間違えたのは、つの丸を殺したのは許斐と車田だった

274 :チキチキマシン超レース:04/02/02 00:20 ID:eOYUb9G2
 『さあ!!続々参加者が入れ替わりハイパーヒートなキャノンボール!!
 9番・暴走族のバイクをかっぱらってレースを続行する変態ライダー【ランジェリーハリケーン】!
 10番・謎の二人組が乗るサイドカー付きバイク【テンヤードファイト】!
 11番・自転車で坂道垂直落下!?命知らずなシャカリキ野郎【ツールドファイヤー】!
 そして12番・豆腐店の文字が眩しい改造AE86トレノ【バリバリレジェンド】!!
 戦闘の舞台はCブロック終盤!徐々に高速が渋滞になってまいりました!
 情報によりますとこの先で墜落事故があったとの事で交通規制がかかっています!
 しかし彼ら弾丸野郎には関係ないぃぃ!!暗闇をぶっとばせぇぇぇ!!!
 ・・・なお4番は爆発に巻き込まれ消息不明、7番はリタイアであります』

克の実況から間もなく、CとBのブロックを繋ぐトンネルに突入。
ブロック間は長大な壁で仕切られており、壁の内部には、
亜空間以外でのブロック間往来を封じる魔法トラップがある。
ヘリは専用の空中ゲートから隣の区へ移動する形だが、
壁内の管制室から≪ガスマスクの装備とヘリのドアやスライド窓の完全密閉≫命令が出る。
 「毒ガスでも撒かれたのでしょうか?こんなのつけてたら実況できませんよ」
マスクを片手に克がブツブツ文句を言う。
既に他の乗務員はマスクを装着している。ゴーグルやボンベもついた本格的な奴だ。
 「・・・いや、つけた方がいい。Bブロックは地獄です。予感があります」
N星人の説得に渋々マスクをつけた克は10数秒後、Nに心から感謝する事になる。

汚濁。黄土色の煙がBブロックの空を埋め尽くす。
廃棄処理が追いつかない惨劇の園は浜岡爆弾の残滓が、
これでもかとばかりにこびりついている。
ヘリの下の高速道は身動きの取れない一般車両。中の人間が痙攣しながら、
ものものしい装備のレスキュー隊の手でCブロックの病院へ運ばれている。
高速道の下の一般道では火災まで起き、大爆発の予感もするまさに魔空間。

 『神よ!走り屋たちを見守る神よ!!この無策無謀なヘルメスの愛弟子たちに加護を与えたまえーー!!』

克がマスク越しにくぐもった声であらん限りの声で叫んだ。
食事どきに最悪風景。選手たちはトンネルを抜け、地獄へライド・オン。

275 :その間何があったのか(下):04/02/02 06:32 ID:0itaviug
今日は既に別館で何回か入浴していたので、体を流すのもそこそこに湯船に入る天野。
余談だが、彼女はエニックスの関係で留美子以外とは顔見知りである。
「……冬目さん、どうかなさったんですか?」
留美子にしな垂れかかったままの冬目に近づき、顔をのぞきこむ。
「ええ……少しのぼせてしまったみたい。」
ならとりあえずお湯から上がるべきではないか?
(ちょっと、おマヌケですよね……)
そう思いつつも彼女は親切のため冬目に肩を貸し、上がらせてやることにした。
だがこの時彼女は冬目を「マヌケだな」と思うよりも「不審だな」と思うべきだった。
冬目は!のぼせていたのではない!
「……つ〜かまえましたぁ〜」
「へ?」
肩ごしに乳房をむんずと掴まれ、体重がずしりとかけられる。
強制的に腰を落とさせられ、冬目を見れば、酔ったように座った目つき。
「よく出来ました、冬目さん」
「捕獲・完了」
自然な配置で散っていた水野と金田一がワラワラと寄って来る。
留美子は「星が綺麗ね……」などと逃避気味だ。
「えっ……と?」
まだ事態に気付いていない天野のきょん、とした顔に

276 :その間何があったのか(下):04/02/02 06:33 ID:0itaviug
「……ごめんなさいね……私も逆らえなかったの……」
ぼそぼそと言い訳じみたことを言いながら目を逸らす冬目は、
別にそういう趣味は無い筈なのに、なにか妙に燃えるモノを感じていた。
「どこ行ってたんですか?」
スキンシップ
「いつの間にか、ワシの腹からも消えとったのう」
スキンシップ
スキンシップ
「寂しかったですよ」
スキンシップ
スキンシップ
スキンシップ
「ご、ご心配お掛けしました。イロイロありまして……でもそのあの……///」
あんなところやそんなところまで触れられて、ようやっと「変だな」と勘付きはじめたものの
生来の性格か強行に振り払うことが出来ない。
真っ赤になって俯くばかりの天野に
(こんなんでこの娘この先……というか、今夜大丈夫かな……?)
セクハラ中の本人達が心配になるくらいであった。

277 :その間何があったのか(下):04/02/02 06:34 ID:0itaviug
『幸運』
快楽を得られるのが『幸運』であるという前提ならば天野こずえは幸運であった。
七回もイケナイ絶頂に体をつらぬかれ、温泉の近くをたまたま通りかかった車が渡辺を撥ね飛ばすまでその悪戯が止むこともなく
その後も続けられた愛撫に最後は意識不明となり服すら自分では纏えず着せ替え人形のようにされるがままとなった。
他女性陣はさすがにやり過ぎを反省すると共に風呂の開放感を失い若干気まずくなりつつも
謝罪するため天野の意識の回復を待っていた。

しかしながら『幸運』……
天野の人生にとってはむしろ……
あの時キモチヨサなど感じず嫌であっただけの方が今思い返してみると『幸運』だったのかもしれない。

『運命とは自分で切り開くものである』とある人はいう……
しかしながら!
               。。。。。。 。。。。。。。。。。
自分の意志で正しい道を選択する余地などない『ぬきさしならない状況』というのも人生の過程では存在するッ!

278 :その間何があったのか(下):04/02/02 06:39 ID:0itaviug
顔に当たるそよ風が心地いい……
ゆっくり瞼を開くと、浴衣姿の冬目が扇いでくれていた団扇の手を休めた。
「……目が覚めた?」
多少居心地悪そうだが、いつもの彼女だ。
「……ごめんなさい。少し、調子に乗りすぎた」
羽織った半被が丸くなる。正座したままペコリと頭を下げられて、何故だろう?胸が痛い。
「今、他の娘達も戻ってくるから……そしたらまた改めて」
くい
タオルケットから出た天野の手が冬目の袖を引いた。
「ぁの……」
沈黙
「…………?」
優しく、そして訊ねるように真っ直ぐな冬目の視線。
「……でした」
ごめん聞こえない。なに?ともう一度問われ、天野は顔を向こう側に逸らす。
「素敵……でした」
天野は、冬目の視界に残した耳が燃えるように赤いということを、自覚していた。



天野こずえは○○さいにして女同士の味を知り
百合の越えてはならない領域にふみ込んだ。


あともう多分どうでもいいだろうが、衛藤は八宝大花輪で飛ばされた渡辺に顔面を強打され撃墜された。
顔を押さえて転げていたのはその為だ。
傷は浅かったが「どうして来なかった荒川!」とか悔しがってたらしい。

279 :作者の都合により名無しです:04/02/02 09:32 ID:be8OjcTp
ブチャラティかよ!w
すげーワロタ
エロスが適度にギャグで中和されてるとこがバランスいい

280 :遅れてきた男:04/02/02 12:51 ID:be8OjcTp
いくつかの災難を乗り越えた樋口と山田の2人は脱衣場にいた。
下着はすでに購入したが、長らくノーパンであった身体が冷えきってしまった山田のために、2人で風呂に入ることにしたのである。
樋口「まったく、ヒドイ目にあったわ……大丈夫?」
山田「ええ…」
先程のショックが覚めやらぬのか、どこか惚けた調子で言った。
とりあえず、熱い湯に入って、しがらみごと拭い去りたい気分で一杯だった。
女湯に入ることに、山田はあまり躊躇しなかった。
女性の姿でいる時間が長かった為か、思考までも女性化しつつあった。
……もっとも、色気という類の言葉とは無縁であることは相変わらずだが。
閑話休題。
ふと、樋口の視線が、ある一角で止まった。
湯煙の向こうの柵から、嘗めるような視線を感じたのだ。
樋口はピンと来た。
いきなり、何も言わずに樋口が駆け出した。
山田「あ…ど…どこに行くんですかぁ?」
慌てて、山田も後を追う。
サッカー技能を持つ樋口の足の速さは常人のそれを遥かに上回る。
山田に吸血鬼の身体能力がなければ影すら踏めぬところだろう。
と――
樋口が急停止した。思わず、山田が樋口の背中に激突しそうになる。
山田「ど…どうしたんですか? 急に走りだして……」
樋口「しっ! あれを見て…」
指し示された方を見ると、そこには露天風呂の柵に張り付いて、女湯を覗き見している不審な男がいた。
樋口「ワタシの目の前でノゾキとはいい度胸ね…」
山田「ど…どうするんですか?」
樋口「決まってるじゃない……」
山田がゾッとするような笑みを、樋口は浮かべる。
樋口「こうするのよ!!」
いきなり、どこからか取り出したサッカーボールを、そいつに向かって蹴り飛ばした。


281 :遅れてきた男:04/02/02 12:52 ID:be8OjcTp
唸りをあげてすっ飛んでいくボールは、破廉恥な覗き魔に制裁をあたえるはずであった。
しかし、次の瞬間、樋口が驚愕する。
覗き男は、自分めがけて飛んでくる殺気に気づくと、いきなりそのボールを蹴り返したのだ!
樋口「えっ!?」
それも、振り返るや後方に回転しながら、空中でボールを蹴る。
いわゆる、跳び後ろ回し蹴りというやつだ。
覗き魔「やっべ…見つかったか。逃げろ!」
好色そうな目をした、長身の男が、樋口たちの存在に気づくや、脱兎のごとく逃げだした。
樋口「こ…こら! 待て!!」
我にかえった樋口が、後を追って駆け出す。当然、山田も。
その男の逃げ足は相当なものだった。
速さなら樋口が上だが、男はかなり足が長く、歩幅に大きな差があった。
樋口「くっそ…なんて逃げ足の速い……」
山田「それより樋口さん、さっきの蹴り技…あの人もサッカー選手なんですかねえ?」
樋口「いや…あれは明らかにサッカーの蹴りじゃないでしょ……。
   どっちかというと、格闘技……しかもあんなに派手な蹴り技といったら……」
言いかけたとき、樋口は覗き魔が走る方向に、人影を見た。
樋口「すいません、その男を捕まえてください! 覗き魔なんです!」
覗き魔「や…やべっ…!」
覗き魔は、スーツ姿の男に進路を遮られる形になった。
樋口「もう逃げらんないわよ!」
挟み撃ちにされる形になり、覗き魔が冷や汗を流した。
一方、樋口に声をかけられたスーツ姿の男が、その糸のような目で覗き魔を見る。
??「チカンですか……」
覗き魔(く…こんなとこで捕まってたまるか…なんとか突破してやる……)
そして、覗き魔が初めて、自分の前に立ちふさがった男を見た。
覗き魔(しかしこの男2メートル以上あるぞ…だけど武器は持ってないみたいだな…)
覗き魔は決意した。
この男を倒して、ここを突破しようと。


282 :遅れてきた男:04/02/02 12:53 ID:be8OjcTp
??「いけませんね。チカン行為は犯罪ですよ。ムダな抵抗はやめておとなしくケーサツに自首しなさい」
丁寧な物腰で言うと、男が後ろの足に重心を置いた、打撃用の構えをとる。
覗き魔(後屈立ち…空手か…同じ打撃系なら勝機はあるな…)
覗き魔「俺を捕まえるつもりか…けど生兵法は怪我のもとだぜ?」
いきなり、突き放すように、覗き魔が足刀蹴りを放った。
樋口「速い!」
??「む?」
一直線に槍の切っ先のごとく伸びた蹴りを、男がブロックした。
続け様に、嵐のような蹴りの連続技が男を襲う。
山田「凄いですねぇ……足があんなに動くなんて…」
思わず山田が感心してしまう。
樋口「分かったわ…あいつ『テコンドー』ね」
テコンドーとは、(一応)韓国発祥の、空手をベースに足技に特化した格闘技である。
競技人口も多く、オリンピック種目にもなっていることから、知っている人も多いだろう。
山田「樋口さん、よく知ってますね」
樋口「昔、ジャンプでやってたから、テコンドー漫画。おかげで、あの覗き魔の正体も分かったわ」
覗き魔の名は、『吉川雅之』。
かつて、ジャンプで『キックスメガミックス』という漫画を連載し、流星のごとく突き抜けた男である。
山田「あわわ…まるでマシンガンみたいですよ…このままじゃあの人、死んじゃいます!」
吉川「バカが、弱いくせにカッコつけやがって、この野郎!」
吉川が、男にとどめの蹴りを決めようとした。
その瞬間、鮮血が散った。
吉川「!?」
吉川の顔が上を向き、鼻血が飛び散っていた。


283 :遅れてきた男:04/02/02 12:54 ID:be8OjcTp
吉川「ナ…ナニ…?」
山田「い…今、ナニが起こったんですか?」
樋口「見えなかった……何も」
喰らった吉川も、山田も樋口も、何が起こったのか分からなかった。
??「どうってことはありません。ただの前蹴りですよ」
山田「前下痢?」
樋口「ちゃうって…」
吉川(バ…バカな……まるで見えなかったぞ…!?)
吉川「ま…まぐれだ! こいつで死にやがれえっ!」
吉川が焦りを払拭するべく、とどめのネリョチャギ(踵落とし)を放った。
信じられない落差から、吉川の足が鉈のように落ちてくる。
山田と樋口が、思わず息を飲んだ。
だが、次の瞬間、男はネリョチャギを身体を開いてかわすと、右手ではたきおとした。
吉川「!?」
??「たしかにあなたの言うとおり…」
刹那、吉川の視界が真っ赤に染まった。
男の肘が、吉川の顔面に突き刺さったのだ。
凄まじい衝撃に、吉川の脳が揺れ、眼球がグリンと裏返る。
??「生兵法は…」
さらに、稲妻のように振り下ろされたローキックが、吉川の膝をへし折った。
??「大ケガのもとです」
吉川「はがっ!?」
みっともなく尻餅をついた吉川の前で、男が空手の残心のポーズを決める。
??「蹴りは数出せばいいというものではありませんよ。
   その分、威力は落ちます。……マシンガンじゃ、戦車には勝てません」
そう言って、男が樋口たちの方を振り向いた。
??「この男どうします?」
樋口「あ…ありがとうございます……あのよかったらお名前を」
すると、男は名乗った。
??「申し遅れました。私、『チーム・タフ』のメンバーで、『馬場康誌』と言います」


284 :遅れてきた男:04/02/02 12:55 ID:be8OjcTp
吉川(バ…馬場だと? ま…まさか!?)
ひとつの名に思い至り、吉川が驚愕する。
吉川(80年代、全盛期のヒクソンからVT(ヴァーリトゥード)でKO勝利を奪い、
   ボクシングでもノンタイトルながら当時のチャンピオンを1RKOし、
   その他あらゆる格闘技の世界王者から勝利を奪い続けたが、
   全ての試合が観客もマスコミもいない道場マッチだったため、
   一部の格闘技関係者にしかその存在を知られていない男……
   そしておよそ最強を名乗る格闘家全てに勝利した後、漫画家になったというが…)
馬場「かんねんなさい。そのケガでこれ以上抵抗しても無駄ですよ。ケーサツが来るまで大人しくしてなさい」
吉川「い…いや…って あ"あ――――っ、あんなトコにブロディの霊がっ!!!」
馬場「え?」

ブルーザー・ブロディ。
かのスタン・ハンセンとタッグを組み、『超獣』『哲学獣』と恐れられた、名プロレスラーである。
彼は、1988年7月17日、プエルトリコでの興行で同業(レスラー)のJ・ゴンザレスに、
控え室での口論が原因で刃物で刺され、42才で命を落としている。
彼のいまわの際の言葉は、
「私は、私の妻と、私の息子を心から愛している。愛しの息子よ、神を信じよ。ワイフを頼む……」
で、あったという。
この事件は、多くのプロレスファンに衝撃を与えた……。

馬場は、重度のプロレスマニアとして知られる男。
その隙をついて、吉川は逃走をはかった。



285 :遅れてきた男:04/02/02 12:56 ID:be8OjcTp
吉川「わ――っははは、ひーかかった、ひーかかった、バカは見る――!!
   ブタのケツー!! ばーかばーかうんこちんちーん
吉川は片足を折りながらも、残る三本の手足を使い、まるで四足歩行の獣のように駆け出す。
樋口「あ―――っ、逃げちゃうわ!!」
馬場「大丈夫です、ご心配なく」
そう言うと、馬場が口笛を吹いた。

一方、吉川はすぐ近くに停めておいた車に、急いで乗り込む。
吉川「はーはー…危なかった……」
無事な方の足で目一杯アクセルを踏み込む。
しかし、車はなぜかタイヤが空回りし、発進しない。
吉川「なんだ!? なぜ動かん エンジンは動いているのに前に進まな…い?」
前を見て、吉川が絶句した。
吉川「う"まぁ――――っ!?」
なんと、一頭の巨馬が、前足で車のボンネットを踏み付けていたのである。
怪物じみた膂力の馬であった。
樋口「あれ……なに…?」
馬場「わたしの愛馬『クレイジー』です。はしゃいでますね」
吉川「ぎゃあああ!」
車から引きずりだされた吉川が、クレイジー(馬)に頭を噛まれたまま、ブンブンと振り回される。
その光景を、馬場は微笑ましそうに見ていた。
樋口(さすがチーム・タフ……まともそうに見えて、やっぱ危険な人だわ…)
山田(それにしても凄い…これだけの腕を持つ人は、大隊にも片手で数えるほどしかいないですね…)
馬場「いや〜、せっかくこっちに早くついたのに、もうウチのチーム負けてるっていうじゃないですか。
   それは別にいいんですが、おかげでギャラがもらえません。
   まあ、とりあえずはじっくり次の雇い主を捜すとしますかねえ……」 
すでに血を流しすぎて蒼白になったまま振り回され続ける吉川を眺めながら、
それぞれは、各々の思考にふけっていた。

286 :作者の都合により名無しです:04/02/02 13:03 ID:TsykV5PN
なんかまた変なのがキタ―――――(゚∀゚ ≡ ゚∀゚)―――――――!!!!

もう来ないと思ってましたよ空手小公子
そして吉川君かニヤソ(メル欄)

287 :作者の都合により名無しです:04/02/02 13:37 ID:+f0lFw+v
やはり馬場はリザキンに限るな。

288 :遅れてきた男:04/02/02 13:45 ID:be8OjcTp
リザキン知ってる人がいてよかった・・・
馬場のキャラは、個人的にはアデミール本郷のつもり。
物腰は紳士的だが、奴には『例のアイテム』があるんで、発動したら大変なことになるけど・・・

289 :湯煙の中の死闘:04/02/02 20:29 ID:be8OjcTp
とりあえず、馬に噛まれた吉川と、それを見て楽しんでいる馬場をその場に残し、
樋口と山田の2人は、当初の目的を果たすべく温泉に入る。
山田「うわああぁ〜〜〜〜〜〜……いいキモチですぅ〜〜」
首まで湯につかり、悦楽の表情を浮かべながら、うっとりとした声をあげる。
鹿児島では、変態チームのせいであまり入浴した気がしなかったので、なおさら。
当然のごとくメガネはかけたままだ。
樋口「にしても……あんた、フロでもメガネ外さないのね」
山田のメガネは、『相棒』からもらった曰くつきのものである。
彼女はいかなるときでも、絶対にそれを外さない。
山田「あ、ご心配なく。耐水、耐曇りの特別制ですから」
少し自慢するような口調で山田が笑う。なるほど、湯気が顔を覆っても、メガネのレンズには曇り一つない。
樋口「いや、心配はしないけど…」
樋口は、お湯の中を覗きこんだ。その視線が、湯の中にぽっこりと浮かぶ胸をとらえていた。
山田「あ、あまり見ないでくださいぃ……」
樋口の視線に気づいた山田は、胸を手で隠して、口まで湯の中に沈んだ。
樋口「むうう。神様は不公平。なんでこんな人生終わり気味な丸出だめ子に、こんな立派なものを……適材適所の意味を教えてやりたいっ!」
お世辞にもあまり豊かとはいえない自らの胸と比較し、水面ぎりぎりの口から、ぶくぶくと泡をたてる。
今現在、留美子たちは上がって脱衣所近辺にいるため、湯にいるのは2人をのぞくと数名とはいえ、
(その数名が、アウターゾーンの使者だったり、妖魔の眷属だったりするのだが)
くだらなさすぎる会話だ。
樋口「じゃあ私、ちょっと身体洗ってくるね」
山田「あ、はい」
異変は、この瞬間に起こった。
洗い場の方へ向かおうとする樋口の足を、湯舟の底から出現した怪物の腕が、いきなり掴んだ。
樋口「きゃあ!」
山田「樋口さんっ!」
樋口が、湯の中に引きずりこまれるのに、一瞬もかからなかった。
それと入れ替わりに、サーファー姿をした狂眼の男が、しゅもく鮫に似た怪物と共に出現した。

290 :湯煙の中の死闘:04/02/02 22:09 ID:be8OjcTp
??「覗くなら どこがいいかと 問われれば 風呂より他に 望むもの無し」
カードモンスター『ディープ=ハンマー』と共に、山本賢治が姿を現す。
山賢「へへェ〜〜カノジョ何分持つかな? 
   『ラグーン』の触手に捕まったら、絶対逃げられないもんね。
   ねェ、カノジョ『グラン・ブルー』って映画観た? 俺っち観てないケド、そんなカンジ」
『グラン・ブルー』のラストは、ダイバーである親友を海で失った主人公が、
最後は自らも海と同化することを選ぶという、ロマンチックでありながらも、
ある種、悲劇的なものである。
山田はその映画を観たことがないが、このまま樋口を放置した場合の運命は明らかだ。
山田「樋口さんを放してください、山本さん」
奇妙なほど冷静に、山田は言った。反射し、瞳を見せないメガネの奥から、じっと山本を見つめている。
山賢「んん? どこかで会ったことがあったかな、お嬢さん?」
見知らぬ女から名指しされた山本が、怪訝な顔で山田を凝視する。
山賢「誰だと聞いてるだろっ!」
いきなり、山本が『ディープ=ハンマー』からミサイルを発射した。
連続する爆発。山田の立っていたあたりが、爆煙に包まれた。
跡形もなく吹っ飛んだはずの、煙の向こうに、しかし山田は立っていた。
その周囲に、無数の紙吹雪を舞わせて。
山賢「!」
山田の反撃は計算外だったのか、山本の頬が薄く切り裂かれていた。
それは防御と同時に、山田の手から放たれていた。
紙だ。
文庫サイズの紙片が、あたかも手裏剣であるかのように、後方の岩に刺さっている。
山賢「紙使い」
流れる血を指先でぬぐいながら、山本が驚いたような顔をした。
山賢「“ザ・ペーパー”……か。そんなナリをしているから、誰だか分からなかったぞ」
山田「お久しぶりです、山本さん。……できれば一生、会いたくなかったですけど」
山田のメガネの奥の瞳は、依然、見えない。


291 :湯煙の中の死闘:04/02/02 22:38 ID:be8OjcTp
山賢「聞いたぜ。今は、倉田と一緒に、平野のトコにいるそうだな」
山田が、樋口が沈んだ湯面に視線を流す。
水中でモンスターに捕われた彼女に、今のセリフなど聴こえはしないだろうが。
山田「そこまで知ってるのに、私たちを襲うんですか」
山賢「誰が相手でも、俺には関係ないからな。むしろ、そいつがお前ら吸血鬼の望みだろ?」
揶揄するような物言いに、山田の表情が固くなる。
今までの彼女とは違う、闘争の空気が、彼女を覆いつつあった。
山田「樋口さんは会ったばかりだけど、私の友達なんです。だから、返してもらいます」
タオルを身体に巻きつけ、無数の紙片をそれぞれの指の間に挟む。
それらは、山田が浴場に持ち込んだ文庫本のページを破りとったものだ。
山賢「風呂場…それは最も無防備になる場所。その程度の武器で、俺に勝てるかな?」
山本が新たなカードを取り出し、頭からモンスターを召喚する。
超特大のチェーンソーを装備した、巨大ゴマのような。
山賢「水に濡れた髪! 火照った素肌! 湯けむりの向こうの桃源郷!!
   風呂は男のロマン!! 行け、『バズ=コックス』!!」
刹那、『バズ=コックス』の刃が猛烈な速度で回転し、山田に襲いかかった。
同時に、無数の刃と化した紙片が、山本に向かって飛ぶ。
山田は思いきり横に飛び、別の岩の上に着地する。
さっきまで立っていた場所が、鏡面のごとき見事な断面を見せていた。
山田「……っ!?」
向き直った山田は驚愕した。
山本は、その場に悠然と立っていたからだ。まったく、微動だにしていなかった。
山賢「おまえの可愛い紙は、全部俺が叩き落としたぜ」
優越感に満ちた笑いが、山田に投げかけられる。
山賢「じゃんけんだよ、ザ・ペーパー。おまえが紙で、俺が刃。勝てるわけがないだろうが!」
言うが早いか、再び『バズ=コックス』の刃が、山田に躍りかかった。

292 :炸裂!地獄のツイスター:04/02/03 00:44 ID:+jyeJy+t
飛び散る鮮血、暴れる吉川。タダ見は図々しいのです。
 「だ、誰か助けやがれ〜」ごっつい馬の顎に挟まれた覗き魔の慟哭が響く。
 「命は諦めた方がいいですね」スーツ姿の大男、馬場が爽やかに宣告する。
 「じょ、上等じゃん馬場康誌!!今に俺のトリチョルチャギをお見舞い・・・」

 ひ ゅ っ ・・・ “どっすん!!” 何かが上空から馬の背に飛び降りた。

急な衝撃に口を開くクレイジー(馬)と、とっさに馬の口から抜け出す吉川。
いきなり降ってわいた馬の上の人は――身体にのり巻き状にゴザを巻いて手足をはみ出させた女。
 「ありゃりゃー?騒動(メシ)の種かと思って飛んできたら、吉川クンじゃないのさぁ。お元気ぃ?」
 「・・・・なんだぁ?オミズ顔の露出狂女は」と吉川。
 「ぶっと殺されたいのかな吉川くふぅ〜ん?あー不肖の弟子を持つと苦労するモン」
アチャーという仕草のゴザ女。傍観者馬場。首をひねる吉川。
 「いや俺あんたの弟子になった覚えねーし。昔世話になった、
 にわの師匠に会いに来たんだよ。この宿に来てるって聞いたから菓子折りでもと・・・」
 「ふーん。でもそれは建前で本当は女湯を覗きに来たのでしょう?」ここで馬場の横槍。
ピキ。ゴザ女から笑顔が消えた。馬から降りた彼女は手刀一閃!
吉川のズボンを下着ごと切り裂き中身を露出させてしまう。「何すんだ変態女!」
慌てて局部を手で覆おうとするが、先にゴザ女――にわのの器用な右足の指がナニを掴むのが早かった。
 「小さいのは困る・・・捕まえにくいから。そして女の敵にコイツぁいらねーモーン!!」
にわのは残る左足で地面を蹴り、両の足指で吉川のブツを挟み込んだ瞬間、身体を空中で回転させる!

 「 サ ン ・ オ ブ ・ ザ ・ ツ イ ス タ ー (ムスコをねじれ)!!」“ブチブチブチィィィ!!!”

その後数十秒、聞くに堪えない程に痛々しい男の叫びが、別府の空に消えていった。
何がブチブチ言ったのかは、秘密。


 「オラオラ!こんなんでくたばってちゃ漫画家務まらねーモン吉川クン!」
 「う、うきゃ〜(ぷるぷる)」
 「チワワみたいに震えてるんぢゃねー!爪の間にハリガネムシ刺したろかーい」
2人を見守る馬場は思った。楽しい温泉旅になりそうだと。

293 :作者の都合により名無しです:04/02/04 08:46 ID:zR9zjucb
鯖直った?(;◇;)

294 :苦労人の足跡:04/02/04 16:17 ID:Y9zLgHzL
 「くそ、逃げ出したと思ったらこんな所に・・・ってわー!」
 「どうした岡野さ・・・うげ!今度はスプラッタかよ何でもアリだなー」
死にかけの吉川をいぢめる外道女バージョンにわのは無事岡村に捕獲された。
吉川は出血多量で昏倒、駆けつけた医療スタッフに運ばれた。
 「何しやがるモン岡村クン〜。さてわ浴場だけに欲情しました?」
 「アホ。とにかく服を着ろ!岡野さんがなぜか持ってるセーラー服があるから」
 「そんな説明はしなくていいから」
岡野が真っ赤な顔で、岡村に問題児を部屋に担ぎこませた。
後に残るは馬場と巨馬、そして少年形態の岡野。
 「ん?あなたはどちらさまですか?私は裏御伽の岡野と言います」
 「裏御伽の方でしたか。決勝T進出おめでとうございます。
 わたしは一応チーム・タフに雇われていた馬場と申します。現在は新しい職場捜し中です」
爽やかな笑顔と返事。岡野はタフと聞いて一瞬身構え、すぐに解いた。

 「そうでしたか。雇われ先を捜すのなら、各チームのリーダー格の人間を捜すといいですよ。
 ただどこの連中も落ち着きがないようでしてね。とりあえず宿内を回ってみては?」
 「おや?おたくも勝利チームなのですから人材は欲しいところでしょう。
 なぜに他チームにも契約の機会を与えるのですか?わたしはおたくに不必要な人材ですか」
馬場の素朴な疑問に、岡野は丁寧に答えた。
 「あなたはタフの人間だったぐらいですから格闘系作家ですよね。
 ウチにはその手の連中が3人、しかも問題児ばかり。さっきの女性も・・・一応そうですし。
 これ以上同系統の戦力を入れてもケンカが増えるだけだと思うんですよね。
 バランスも悪いですし。ケンカ屋も別に2名いるし騒動が絶えた事がなくて・・・。
 それに雇用の機会は均等にあるべきだと僕は思います。
 まあ一応上にかけあってみますね。ただ入ると後悔しますよ」
苦笑いの岡野。彼のこれまでの苦労がなんとなく知れた。

 「おやおや、お人のいい事で。
 わたしが敵に回って後悔するような事もありますよ?」
 「なに、最大の敵は身内って言いますから」
 「ははは」
そして軽く会釈した岡野がその場を去った。彼の背中は煤けていた。

295 :コチェ・ボンバ:04/02/04 21:04 ID:qz7Jz9Ey
梅澤「こいつは臭え――――っ!ゲロ以下の臭いがプンプンするぜ―――――っ!!」
えなり「死…死ぬ……」
命知らずの弾丸たちが、汚濁の園・Bブロックへと侵入した。
いたるところを埋め尽す、泥濘のごとき汚物の海。
そのなかにあって、なおレーサーたちは、狭き道を疾駆する。
バイクに、後退のギヤはついていないのだ。止まることは出来ない。
有毒ガスをナノマシンで中和できる皆川の目に、あるものが飛込んできた。
他の選手に比べて余裕がある分、いちはやくそれに気づいたといえる。
それは、前方の道路を塞ぐように停車している、2台のジープだった。
ジープはそれぞれ、道路を横切るように向かい合わせに停車しており、
両車の間に、ちょうどバイク一台が通れるかどうかの、空間がある。
他の選手も、まもなくそれに気づいたが、他の者は単に「邪魔だな」と思ったにすぎないだろう。
そして、減速して2台の間をすり抜けるか、それともジープ自体をなぎ倒して進むかを選択するだろう。
だが、皆川だけは違った。
この明らかに不自然なジープの停め方。かつて、これと同じものを見たことがある。
皆川はある予感を胸に、速度をさらに上げた。叫ぶ。
皆川「これは……まさか……」
その予感は的中した。
皆川の眼球に埋め込まれたARMS、『クィーン・オブ・ハート』が、ジープの底にとりつけられた『ある物』を発見したのだ。
皆川「お前等……死にたくなかったら、絶対に減速するな!!」
皆川が力の限り、叫んだ。その声は、腐敗した空気を切り裂き、先頭集団の鼓膜を震わせた。

皆川「これは……『 コ チ ェ ・ ボ ン バ 』だ!!」

296 :コチェ・ボンバ:04/02/04 21:36 ID:qz7Jz9Ey
コチェ・ボンバ……その意味を理解したものは、誰もいなかったろう。
だが、その単語を聞いたもの全てが理解した。
  ・・・・・・・・・
 “この状況は危険だと”

 ドッキャア!

真っ先に、その空間を駆け抜けた者がいた。
常識外れのバイコンプ(高圧縮)を持つピストンが生み出す、悪魔の加速。
背を丸めた肉食獣を思わせる、滑らかに鈍く光るアルミ製ガソリンタンク。
遠雷のような超低音を断続的に奏でる、高くテールアップされた炭素繊維製の消音機。
“悪魔の鉄槌(ルシファーズ・ハンマー)”
梅澤「チッ…!あの狭間を一瞬で抜けやがった…?速ェじゃねーかよ?」
好戦的に笑う梅澤が、アクセルを全開にする。
梅澤「ンじゃ、俺も行くかよ…?地獄の狭間によォ!」
轟、
と、そこに吹っ飛んでくるものがあった。

     !?

驚愕の疑問符が、梅澤の脳を直撃する。
かろうじてガードした腕に叩きつけたのは、ハンマーのごとき鉄拳。
にたり…と毒をしたたらせた笑みを見せたのは、森川ジョージ。
踏み込みの換わりに、バイクの加速を最大限に利用した左フックが、梅澤の肩を殴りつけたのだ。
直撃は免れたが、あの森川の拳である。
梅澤のハーレーは大きく真横に揺さぶられ、進路をそれる。
それを尻目に、高笑いしながら、ジープの狭間を突き抜ける森川の機体。
そして、梅澤の危機はそれだけではなかった!
梅澤「やべえ……右腕が痺れて……アクセルが開けられねえ!!」

297 :コチェ・ボンバ:04/02/04 21:59 ID:qz7Jz9Ey
えなり「うわああああ!し…死ぬぅ…!!」
大きくスピンし、制御を失った機体が、無様なダンスを躍る。
このままでは、コースアウトし、そのまま地獄までノーロープバンジーだ。
梅澤「うおおお!させっかあ!!」
ぐぅ…と、ブレーキを握った。
これは通常なら、完全な自殺行為だ。
暴れ狂う加速のなかでのフルブレーキングなど、腕に抱いた爆弾のスイッチを押すようなものだ。
はたして、急制動をかけられた機体が強引にねじ伏せられ、完全にタイアが路面を噛む。

  ブンッ!

一瞬、見るものすべてが呆気にとられた。
空中を、鉄の塊が吹っ飛んでいた。
超高速からのフルブレーキングによる、超大ハイサイド!

※ハイサイド…コーナリングで傾けたバイクが、アクセルやグリップの不調和により、
       遠心力で起きあがり、コーナーのアウト方向に吹っ飛ぶように転倒すること

通常であれば、絶対に避けるべきミスを、梅澤は意図的に行い、死地を脱した。
まさに逆転の発想!
ハーレーは、体操選手のごとく空を舞い、ジープの向こう側に消えた。
えなり「ひいいい!でも、これじゃ着地のバランスが!?」
そこは幸運だった。いや、悪運というべきか。
ハーレーは、対向車の屋根にタイアから激突し、車体を完全に凹状に破壊し、見事に路面に降り立った。
佐木「クス…」
森川「なぁ〜〜〜〜んだ……コケなかったのかよ?」
梅澤「クソだらヤロ〜〜〜がぁ!!」
えなり「…………(真っ白な灰)」
イカれた奴らを乗せて、レースが躍る!!

298 :コチェ・ボンバ:04/02/04 23:33 ID:qz7Jz9Ey
肩に残った、拳大のくぼみ。
痛み、痺れ。それが梅澤の脳を沸騰させる。
神経の麻痺を、嚇怒の炎がこそぎとった。アクセル全開!

一方、後方では、大和田が怪物の馬力を絞り出し、ジープごと吹っ飛ばさんばかりに激走する。
その風圧に押され、皆川はジープの間をすり抜けるのが遅れた。
大和田「うおおおおおおおお!!」
皆川「やめろ、大和田!そのタイミングは危険だ!!」

忠告は、爆音に吹き散らされた。

大和田がジープの間を抜けようとした瞬間、ジープが爆発炎上したのだ。
車の底に仕掛けてあった爆弾が、爆発したのである。
それを合図に、車の壁の向こうに停車していた車が、次々と爆発しはじめた。
汚物の海は、瞬く間に炎の舌に嘗め尽され、炎熱の回廊と化した。
ウ○コは、燃えるのだ。
黄色い腐敗臭で支配されていたBブロックは、今宵、炎の河と化した。

爆風に煽られ、一般車両はことごとく吹き飛び、コースは惨劇の場と成り果てる。
皆川(進路は完全に塞がってる!どこかに活路が…)
そのとき、皆川の目が、ギラリと光を帯びた。
皆川「よーし、一か八か!!」
CBRが、速度を全開にし、コース脇の転倒したトラックに突進した。
皆川「行くぞ、相棒!お前に魂があるのなら…」

  「 応  え  ろ  !! 」


299 :コチェ・ボンバ:04/02/04 23:35 ID:qz7Jz9Ey
そのトラックは、コンテナ部分が凹み、微妙にオーバーハングしていた。
そこへバイクを乗り上げ、まるでサーカスのように、大ジャンプ!
着地の際に、数メートルも流された機体を、巧みなコントロールでねじ伏せる。
尋常ならざる腕前。
皆川「ふー、危ねえ……またマシンに生命を救われたな」
梅澤「野郎、やっぱりやりやがる」
ニッと笑う梅澤は、あくまで自分の手で皆川を倒そうと目論む。
果たして、えなりの運命は?

一方、もはや残りは絶望と思われたレース。
しかし、このとき、皆川の背後を追走するものが。
大和田「皆川あああああああああ!!」
全身に炎を纏いながら、大和田が突っ込んでくる。
皆川「そ…そんな無茶苦茶な!?」
それだけではない。
鳥山「き――――――ん!!」
炎をものともせず、爆走する鳥山。その風圧が、竜巻を呼ぶ。
そのスリップストリームを、次々と駆け抜けてくる数台。
名のある者たちは、全て健在だ。
逆に、一般車両や、一般参加者は、一瞬のスリップを抜けられず、ことごとく脱落。
生き残りは、わずか10台に絞られた。
残る10台が、今宵、炎の河を渡る。

その頃。炎熱の地獄と化したBブロックを、あるビルの屋上から眺める男がいた。
黒いコートを纏い、金属の右腕を持つ、その男からは、火の匂いがした。
??「皆川よ、受け取ってくれるか、炎の花束を。
   俺の『自動車爆弾(コチェ・ボンバ)』から、よく逃れた」
男は、コートを翻すと、眼下の惨劇に背を向ける。
??「一足先に、宴の席で待っているぞ、皆川」
声は、ビルの向こう側に、消えた。


300 :嵐の乱入野郎:04/02/05 00:41 ID:kfdC/sC7
 『さあ!アクシデントにより僅か10台に絞られましたキャノンボール参戦者!
 この燃え盛るメタン地獄からいち早く抜け出し、栄光のゴールに到達するのは誰か!!
 眼下の高速道は一本の炎の大河となり・・・おや?何か・・・聞こえます』

 「♪・・・燃えろファイヤー!たーたーかえぇーッ・・・♪」

 『不思議ですね、どこからか謎の歌声が響き渡ります。
 最新鋭の消音ヘリですから多少の外音は聞こえるのですが、
 まさか・・・隣のCブロックから壁越しに!?
 この脅威の肺活量と朗々とした歌声の持ち主は誰だ!!
 おおっとたった今トンネルを抜け出した新しい影!
 自殺行為とも知らずに地獄入りした馬鹿野郎の正体は・・・なんと!!
 どこにでもある自転車に乗って高速を爆走するヘッドギアの男ーーーーっ!!』

 「♪真っ赤な炎をぉ〜巻き上げてぇ〜〜!けーむーり渦巻き駆けてェ来るぅ〜〜〜っ!!♪」

      島  本  和  彦   参 戦 !!

なんと、車田と荒木を矢吹艦に送った後のカムイに頼み込み、
彼は急遽キャノンボールに参戦したのであった!
もちろん最後方・Aブロックから自力走行である。自転車は買い出し用のママチャリだ。
恐らく熱戦をただ見ているだけでは物足りなくなったのだろう。
そして目の前で行われたカムイの瞬間移動魔法ルーラ。
勝負師の血が滾ってしまったのだろう。銀輪転がし、いざ参戦――――

しかし。
            ぼ う ぅ ぅ っ  

 『ああーーーっと自転車男が爆発の炎に真正面から突っ込んでしまったぁぁーーー!!』
 『カミカゼの心意気、余がしかと見届けたぞ謎の男!』
 『何てことだーーー!!果たして男は無事なのかぁーーーー!!?』
島本の運命やいかに!?NEXT!!

301 :武井救済計画・後編:04/02/05 08:38 ID:Sf8zkC/e
武井「どうだ!!」
光原「………」
自らの妄想を垂れ流し、満足げに笑みを洩らす武井に閉口していた光原だったが―――。
光原「……聖・少・女アイアンメイデン武井宏之。
   それもいいかもしれない。概ね好評のようだし……でも、
   今のあなたには神クラスの力は使えない。
   その体にハオの力は残っていないんでしょう?」
武井「くっ」
言う通りだ。いくら自分で描いた漫画と言えど、
現実に於いては自身の漫画家としての力量を大きく超える力は使えない。
車田でさえ神の力の象徴である『女神の楯』は具現化できなかった。
荒木でさえあの『GER』や『MIH』は使えない。
―――では武井はどこまで使えるのか?どこまでやれるのか?

光原「フフフ……『自分の力を確かめてみたい』
   そう思っているでしょう武井先生。
   それがこの計画のキモなのよ。
   もともとこの武井救済計画はそのために始まった……!」
武井「武井救済計画だと? 何様のつもりだ、おまえは!
   ……と、言いたいところだが……」
確かめたい―――。それは紛れもなく武井の本音だった。

武井「言え、その計画とやらはそろそろ最終段階に入ってるんじゃないのか?
   僕に何をさせたい。何をすればいいんだ」
武井の真剣な眼差しを受けて光原は笑みを洩らす。
光原「やる気になったようね。
   実を言うとあなたはキャラ立ちなど気にする必要はなかった。
   思い出してご覧なさい、初期の頃からたいしてキャラ変わってないでしょう?
   あなたにとって必要なのは、自分の力を存分に使える戦いの場だったのよ」
武井「自分の力を存分に使える戦いの場?」
オウム返しに尋ねる武井に頷くと光原は、計画の真意を明かし始めた。

302 :武井救済計画・後編:04/02/05 08:39 ID:Sf8zkC/e
光原「そう、『天魔降伏ω』は言わずもがな、戦いが激化する前に死んでしまったため、
   あまり自分自身の力を使う機会がなかった。
   それを今回あなた個人の力で『いっちょバトルってもらいますかー』
   というのがこの計画の真の目的。
   そう、ぶっちゃけ今までのは全てバトルのための前振りだったのよ!」
武井「なんだと! えらい引っ張ってくれたなオイ!」
光原は見抜いていたのだ。
肉体を得た今の武井に必要なのは戦いの場だと言うことを。
そして本当は前・後編であっさり以降するはずだったという秘密はアウターゾーンの彼方に―――。
光原「ではまず『オーバーソウル』して見せてくれるかしら?
   計画を先に進めるには最低限必要な事よ」
武井「オーバーソウルを?」
オーバーソウル。
霊をその霊と縁のある媒介に憑依させ戦う術とする『シャーマン』の特殊能力。
そう、この能力を使うには霊の存在が必要不可欠なはず。
しかし今の武井には―――。
光原「出来ないかしら、武井先生?
   あなたは所詮一人では戦えない人間なのかしら」
出来なければそこまでの人間。そんな見下したニュアンスさえ感じさせる。
だが―――。
業物の日本刀と石剣を取り出し神経を集中する武井。
今の彼には持ち霊がない、それでもなお余裕すら感じさせる武井。
武井「なんとかなる! 全 て は 思 い の 力 ひ と つ ! ! 」

   いくぞ!!オーバーソウル―――。
 
   ス ピ リ ッ ト ・ オ ブ ・ ソ ー ド ! ! 」

二つの媒介に巫力を注ぎ込むと、閃光と共に刃渡り10メートルはあろうかという巨大な刀が出現した。
武井「―――魂は諦めた時、その力を失う。
   何事もやりもせず出来ないと決め付けたとき、人はその力を失うんだ……
   これが僕の戦う力だ!!」

303 :武井救済計画・後編:04/02/05 08:40 ID:Sf8zkC/e
巨大なOSを掲げる武井。
なんとかなる―――。これこそが誰のものでもない武井の力なのだ。
光原「……そうこなくてはね」
その壮観な光景に思わず見ほれる光原。
光原「媒介に霊を降ろし形成するOS(オーバーソウル)……。
   一見、漫画キャラ御法度のこの現実空間では使えないように思えたけれど、
   あなたはその問題をクリアしてみせた。
   まずは合格といったところね。安心して次の段階へ進めるわ」
と、ふいに空間が歪む。
光原「あなたの力を存分に使うにはこの部屋は狭すぎるようね。
   それでは場所を変えましょうか。
   隣の部屋の人が怒鳴り込んでくる前にね」
武井「あ」
その巨大なOSはゆうに三部屋ぶんは旅館の壁をぶち抜いてしまっている。
武井は隣の部屋に人がいないことを祈るばかりだった。

―――。
武井「ここは?」
空間転移によって連れてこられた場所は異様な雰囲気に満ちていた。
―――真っ白な空間だった。
大小さまざまな隕石のような岩が無数に浮かんでいる。
それ以外には何もない、真っ白な空間だった。

光原「ここは『外側の世界』よ。
   突き抜けたものたちの中でも、
   さらに選ばれたものたちだけが垣間見ることが出来る、時間と重力の外の世界。
   特別にあなたを招待してあげたわ」
武井「外側の世界……」
キョロキョロと周りを見回す武井。見れば見るほど異様な光景だ。
武井「それで……? こんなとこに連れてきて何をするつもりだ」
光原「最後の試練……といったところね。
   ここで私の 『 式 神 』 と戦ってもらうわ」

304 :武井救済計画・後編:04/02/05 08:41 ID:Sf8zkC/e
いつもの笑みがその顔にはない。光原の目は真剣そのものだった。
武井「『式神』だって!?そんなものを使役する力がおまえにあるというのか!」
光原「その答えはアウターゾーンの彼方にあります」
武井の当然の疑問を軽く一蹴する光原。
『式神』とは『陰陽道』で言う鬼の使役法。
光原「本当は『甘美なる地獄へようこそ』とか言って女湯に叩き込むつもりだったけど、
   今はタイミング的に邪魔しちゃ悪いと思って、別の方法をとったのよ。
   それとも、そっちの方が良かった?」
ぶるぶると首を大きく振る武井。冗談ではない。
いくら自分がショタっぽい外見になってるとは言え、
女湯に乱入して『きゃーカワイイ男の子ーーーっ』で済むはずがない。
ましてやこの光原のこと、どんな罠が用意されてるかわかったものではない。
光原「とある男が使った能力をアレンジして、
   GTO(グレート・タケイ・オンセンバトル)という、
   あなたの一挙手一投足が、変質者のキモい行動に見える空間を展開するつもりだったんだけど……
   惜しかったわねぇ」
武井「………」
(やはり―――)冷や汗を垂らしながら武井は、自分を温泉から遠ざけてくれた運命に感謝した。

光原「さて、話を元に戻そうかしら。
   何故私に式神が使役できるのか、という話だったわね。
   それは そ の 式 神 を 私 が 創 っ た か ら よ 」
武井(さっきはその答えはアウターゾーンの彼方にあるとか言ってなかったかーーっ!!)
心のツッコミも空しく、光原は話を続ける。
光原「ある男の残留思念を集め形にしたもの―――。
   それが式神『 前 鬼 』 !
   彼は陰陽道と忍術と変身ヒーロー物に造思の深い人物だった」
武井「『前鬼』! 同じ名前の式神がマンキンにも登場している!
   そのある男とは一体!?」

光原「 『 最 初 に 突 き 抜 け し 者 』 」

305 :武井救済計画・後編:04/02/05 08:42 ID:Sf8zkC/e
武井「!」
『突き抜けし者』たちは打ち切り漫画家にして打ち切り漫画家にあらず!
キユを筆頭にして、多大なインパクトを残し雑誌を去った者達。
その点で単なる打ち切り漫画家とは異なり、第一線の漫画家達でさえ恐怖を覚える存在。
ただでさえ恐ろしい連中だというのに、その男についた『最初に』という枕詞!
武井は戦慄を覚えずにはいられなかった。
光原「彼の『突き抜ける力』はあまりにも強力すぎた。
   彼に戦いを挑んだものは皆『終わって』しまう。
   どんなに『戦いはこれからだ!』とか『俺達の戦いは始まったばかりだ!』と、
   意気込んでみた所で見開きの断末魔を残し消えてしまう。
   その力を憂えた彼は何人かの『突き抜けし者』に後を託し、
   『あっちの世界』へと旅立っていったわ」
武井「あっちの世界だと!?それはどっちの世界だ!」
光原「あなたにはそれは知りえない。
   なぜならあなたの姿では、その掲載誌をレジに持っていったところで買うことは出来ないのだから……
   もっともまともな店員が相手なら……だけど」
武井「……! それは……それはあまりにも悲しい末路じゃないか……。
   本人はどう思っているのか知らないが、解き放たれた気分で喜んでいるとしたら……
   な お さ ら 微 妙 ……!」
武井は彼の旅立った世界を直感、理解した。
頬を伝う熱い迸りを武井は止めることが出来なかった。
光原「そろそろ行くわよ武井先生。
   前 鬼 ! こ こ に 現 れ ろ ! ! 」
その武井を尻目に、光原がいつのまにか身に付けた腕輪に向かって五芒星を描く。
と、何処からともなく光原の前に現れる影。
??「るせーーーーっ女!オレ様に命令すんじゃねーーーっ!!」
それは妙なコスプレをした口の悪いチビガキ……に武井には見えた。
武井「こんな子供が……」
光原「やっておしまい!前鬼!!」
前鬼「命令すんなっつってんだろ!!」
反発しながらも武井に向かっていく式神。
武井は動かない。甘んじて攻撃を受けようと言うのか!

306 :武井救済計画・後編:04/02/05 08:44 ID:Sf8zkC/e
『最初に突き抜けし者』の末路を思い慟哭する武井。
しかし、武井は刀を抜いた。悲しみをその瞳に宿して―――。
武井「あわれな……せめて安らかに眠れ!
   阿 弥 陀 流 後 光 刃 ! ! 」
一閃。コスプレチビガキはズタボロになって吹っ飛んだ。
武井「弱っ!!」
あまりの手ごたえの無さに武井は拍子抜けした。
武井「こんなんで最後の試練だなんて、笑わせてくれるよねー」
さっきまで『最初に突き抜けし者』のために涙を流していたのも何処吹く風。
口元を押さえて吹き出している。
光原「感情の切り替えが早いわね……」
前鬼「ヤロ〜〜〜! ブッ殺してやる! 女! 封印を解け!!」
立ち上がった前鬼もそんな武井に憤っている。
光原「そうね、そろそろこっちも本気を出そうかしら。
   この童子姿は所詮、力を押さえ込まれた仮の姿に過ぎない。
   この腕輪『護法輪具』で封印を解くことによって真の姿を現す!
   私の力では彼の『突き抜ける力』までは再現できなかった。
   しかし! それ以外ならほぼ完璧に纏め上げることが出来たわ!
   受けなさい! 『最初に突き抜けし者』―――その力を!!
   ヴ ァ ジ ュ ラ  オ ン  ア ー ク ! ! 」
光原が呪文と共に印を切ると、彼女の力が前鬼の額の宝玉に注ぎ込まれた!
その力を受けた式神・前鬼が子供の姿から大人…いや、鬼神へと変わっていく。
武井「な、なにィーーーコスプレチビガキが邪悪な面のコスプレ野郎になったーーーーっ!!」
これが式神前鬼の真の姿なのか―――。

    鬼 神 黒 岩 よ し ひ ろ ! ! こ こ に 現 臨 ! !

武井「強そーーーーっ!!でもなんていかにもな姿!!」

ついに姿を現した『最初に突き抜けし者』!!(の残留思念)
がんばれ武井! 戦いはまだ始まったばかりだ!!
←TO BE CONTINUED

307 :作者の都合により名無しです:04/02/05 08:51 ID:kfdC/sC7
ヴァジュラオーン(゚∀゚)!!!
GTOワロタ




(´-`).。oO(『あっちの世界』か・・・よく戻ってこれたな・・・まこ○ン・・・)

308 :作者の都合により名無しです:04/02/05 09:24 ID:fjqpf92m
前鬼か……懐かしいな。
まだ単行本、家にあったかな

309 :勇者はつらいよ:04/02/05 11:19 ID:kfdC/sC7
あちこちで騒動が起こる別府の町。
松椿別府館でもまたひとつ悩みの種が。

 「うえぇ〜んカムイさーん!あんなのがいたらオイラ怖くて温泉行けないですぅ〜」
しっとマスク状態から解放された松沢夏樹、普段はスイカの皮をヘルメットにしている。
そのスイカ男が鼻水たらして泣きじゃくりながら、藤原カムイにへばりついている。
 「わかったから泣くな。一緒に温泉に入ってやる。あとマントで鼻を拭くな」
げっそり顔のカムイが、広江と木葉に怯える松沢を励ます。
彼の言う“仕事(>>228)”は慰労会メンバーの調整役。
メソメソしたスイカを連れて、カムイは宿の男湯へと向かった。
 「相変わらず普段は情けないクズでいやがりますねェ」2人の後に土塚が続く。

ぞろぞろ。
カムイ達は男湯ののれんをくぐる複数の選手たちとすれ違う。
チャンピオンチームやえなりチームの連中だ。
 「ああ、みなさん上がりですか。じきに夕食会ですからよろしく」
 「やあガンガンのリーダーさんか。おたくも苦労していますねー」
 「?」
屈強な男たちの不自然な苦笑いが気になったがそのまま脱衣所に入る。
安西や森田などのトトカルチョ組がコーヒー牛乳を飲んだり体重計で遊んでいた。
 「雷句君、体重計を壊さないように気をつけたまえ」
 「ウヌ!カムイ殿わかったのだ」
 「・・・カムイさん、話があるんだけどさ・・・」
 「どうした安西?話なら後で聞こう。とりあえずこれ(松沢)を風呂に突っ込んでからな」
 「しかしガンガンもリーダーも大変でしょカムイさんさぁ」
 「椎名まで・・・何だろうな?」
カムイが首をかしげながら浴場への引き戸を開けると、
そこには湯に浸かり真っ赤な茹でダコと化した本宮と宮下。
どうやら我慢比べのようだ。そして周囲の光景は戦闘の爪痕が生々しく。
血で書かれたダイイングメッセージに一言。  『土ン中ブルース』

 「渡辺か・・・」カムイはがっくりとその場にうなだれた。

310 :広江礼威は恋をする:04/02/05 13:08 ID:kfdC/sC7
 「・・・・う、ここは? っててて!痛ぇ!
 全身包帯でグルグル巻きじゃないか俺!」
死の淵をさまよった渡辺道明が目を覚ましたのは、どこかもわからぬ謎の小屋。
灯りはなく、カーテンと格子がついた窓の端から外界の光がほのかに入る。
外はもう夜の帳が下りつつある。渡辺は眼球を左右に見渡して状況確認。
―――――悪魔の影。窓の近くに、既視感を感じるシルエット。影が囁き始める。

 「あのブロック決勝での戦い(6-7部)から何か運命めいたものを感じておりました。
 ああ、内藤様・・・浮気な私をお怨みなさってくださいませ。
 ・・・私、漫画家の魅力って将来性だと思うんです。たとえベテランでも、
 完成された人っていっしょにいてつまらないと思うんです。
 渡辺さまはそれが輝いている!あたしにはそれがわかるんです。
 そしてそんな・・・渡辺さまのこと全部好きなんです。強くなってほしいんです」
小屋には美味しそうな海鮮料理の芳香。カーテンが開けられ食卓が部屋の中央に現れる。

 「まず怪我を治してくださいね。さ、席について・・・漫画家ですものね、
 しっかり栄養とらないと・・・ 私 の た め に りっぱな戦士になれなくてよ♡」

微笑みながら丸眼鏡をかけ直す影。
窓の外から僅かに漏れた光の直中。
清楚なメイド服がゴツイ筋肉を覆う。
荒縄のようなおさげ髪が静かに揺れる。
鹿児島の温泉できちっと整えたヒゲ面。
袖口から二挺の拳銃の存在をちらつかせる。

 「きっとこの小屋を出る時ひと回りもふた回りも成長した自分を鏡で見て・・・
 私に感謝しますわ。ああ自分にはこの女性(?)が必要なんだねって・・・
 広江礼威がいなくてはこれから生きてはいけないって!お食べなさい、渡辺さま!
 ・・・・それともまさか、この私の手料理がいらないとでも言うんじゃないでしょおねぇぇぇぇ」

全身ガチガチでギプスやら固定具やらに包まれた男を叱咤し睨みつける広江。
渡辺は(いっそ死んでおけばよかった)と深く悲しみ嘆いたのであった。

311 :刀工場舞台裏〜お前なんかいらん〜:04/02/05 13:16 ID:X/HFUs9m
「……さん……ゃくさん!」
(??……?うるさいな……)
「……お客さん!終点ですよ!」
(……?)
小栗かずまたが目を開くと、そこには帽子の下が髑髏であること以外に、特に変哲は無い車掌が居た。
『じゅうぶん変』という説もあるが、もう見慣れた顔なので驚きはしない。
「……ああ……いかん、寝過ごした。」
座席から尻を上げると、寝起き特有の若干の眩暈。
寒気を感じてぶるり、と震え。くしゃみをひとつして電車から降りる。
「はじめてこんな……奥の駅まで来たな……。」
素裸にショルダーバックのあられもない姿、剥き出しの股間をぽりぽりと掻きながら
同じく骸骨ルックの駅員に訊ねて「今日はもう一本も動かない」と聞きだす。
(まいったな……)
突っ立って考えていると、ぱたぱたといかにも忙しそうな骸骨達に
丁重ではあるがしっかりと、構内から追い立てられてしまう。
敷地から出た途端急に辺りが暗くなり、振り向くと駅舎からは明かりが全て消え、すぐ後ろにいた骸骨もいつの間にか消えていた。
小首を傾げた小栗は、それでも目の前に続く一本道を、やる気無さそうに歩き始めた。


恨みの門
常は厳粛でありながら纏うような冷気をたずさえているそこに、今は気の抜けるような声が響いていた。
「ごめんくださーい!迷い込んだ……というか終電逃しちゃった者でーす。よければ泊めてもらえませんかー?」
ごんごん、と門柱に拳をぶつける。
「……ごめんくださーい!」
一分ほどそうしていて、ようやっと無人であるという可能性に至った小栗かずまたは
(クソッ!今夜は飯抜きかよ!)
いらだたしげに地面を蹴った。
(……しょんべんでもひっかけてやろうか……)
完全に八つ当たりな思考で門を見上げ、ふと、気配を感じて振り向く。
「どうやってここまで来た……?お前……何者だ?」
忽然と現れた、硝子玉のような目をした男――高橋ツトム――に、小栗は一瞬怯むが
とりあえず、まだしょんべんひっかけていないことを思い出し、胸を張ってこう言う。

312 :刀工場舞台裏〜お前なんかいらん〜:04/02/05 13:18 ID:X/HFUs9m
「小栗かずまた!漫画家だ!!歩いてきた!……よければ泊めてもらえると嬉しいのですが……飯付きで」
後にいくほど腰が低くなる小栗。
「ああ……そうか……」
高橋が納得したように口を開ける。そしてそのまま目の前を通り過ぎ、門前に腰掛けて向き直った。
「……ここは現世と常世の狭間。そして俺は、恨みを抱いて死んだ者達に最後の選択肢を与える役目を負う者だ。」
比較対象を知らぬ小栗にはわからないが、高橋の口調はいつもに比べて微妙にやる気を欠いていた。
「選べる道は三つ
1、このまま極楽へ逝き再生を待つ
2、霊となって現世をさ迷い続ける
3、この世の人間を1人呪い殺す。ただし、人を呪い殺した者は、永遠に再生のない地獄の苦しみを味わう。」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「……それだけ?」
「ああ。……そういえばお前、歩いてきたと言ったな?ならそこから引き返すのもいいだろう。」
アゴで『道』を指す高橋。
「……宿は?飯は?」
「……いくらでも考える時間はやるし、別に好きなだけ居てかまわん。飯は出んがな」
「エー」
「……そもそもお前今、腹減ってるのか?」
「ウン」
その透明な瞳に、少しだけ興味の光が宿り。しかしすぐに消えた。
「……ま、いい。で、どうする?」
「…………」
「さあ」
キッ、と決意をひめた表情になり、手の平を高橋に向けた小栗はこう言った。

「もうちょい待て……」

優柔不断のくせに命令口調でしかもはだか
好かれる要素ひとつもなしだ

313 :超弩級さかなや戦士マキノ:04/02/05 22:20 ID:yw9jIsVs
「おっしゃ!完成したぜこの特大船盛りよ!」
牧野は完成したばかりの船盛りを涙を浮かべながら感慨深そうに見ていた。
「ご苦労様です。では船盛りを大広間で運びますので」
従業員が牧野に声をかけ、数人がかりで特大船盛りを持ち運んでいく。
牧野が鹿児島の本館に連絡して送ってもらった従業員達は
そつなく仕事をこなし団体客をおもてなししている。
「俺が居なくてももう大丈夫みたいだな・・・おい帰るぞ岩村!・・・岩村ー?」
呼んでみたが返事はない。少し前にはここにいたと思ったのだが・・・
「いったいどこに行ったんだ、あいつ・・・」
「彼ならココにはいないよ・・・」
牧野の後ろから聞いた事がある声が聞こえてき振り向いてみた。
「いがらし先生、いつの間に!」
「宴会の準備は終わったかね。牧野。」
いがらしみきおは語り始める。
「え・・・ええ、ってそれより岩村がここに居ないってどういうことですか!?」
「まあ、落ち着きたまえ牧野、彼は今矢吹艦にある男の監視にいってんだよ。」
「ある男の・・・」
その男は木村太彦であるが今の牧野に知る由はない。
「ってそんなカッコつけていつの間に逃げやがったんだ。あいつ!!」
「何を言ってるんだ君は?」
「あいつには俺のトラック壊されて代金分働きゃなあいけねえんだよ。
 だからあいつを逃がしはしねえんだよ!!」
牧野の台詞を聞いていがらしは細くニヤリと微笑む。
「ちょうど良かった・・・牧野にも向こうに行ってもらいたいが。」
「そりゃ行きたいのはやまやまだが、今の俺には移動手段がねえんだよ。」
「その点については問題無い、勝手口に来てくれ。」
いがらしに言われて牧野はとりあえずついって行ってみた。

314 :超弩級さかなや戦士マキノ:04/02/05 22:21 ID:yw9jIsVs
あいかわらず、いがらし先生はよく分からない。
昔はこんなんじゃなかったと思うが・・・。
「牧野に譲ろう、このテスタロッサを・・・。」
そこにはフェラーリのトップモデル、テスタロッサ・・・
ではなくなんだかよう分からない、でかい爬虫類と思われる未確認生物がガフガフ言っている。
「なんですこれは?」
「私が生み出したテスタロッサだ。」
「ガフ ガフ」
「そうですか・・・そんじゃあ、ありがたく頂きますので」
変な生物である事を牧野は気にしない事にした。
「ああそれから牧野、向こうには・・・」
「いくぞ!!テスタロッサ!!」
「ガフ ガフ」
いつの間にかテスタロッサの上に牧野が座っている。
「うおおおおおおおおぉおぉぉぉぉ」
ドドドドドドド・・・・
いがらしが話を終える前に牧野とテスタロッサは弾丸の如く突っ走っていく。
「話を聞かずに行くとな、まあ良い貞元を捕らえてから向こうへ行くとするか・・・」
勝手口の中へいがらしが消えていく・・・。

その頃牧野は、
「いわむらぁぁぁぁ!!!!トラック代払え!!トラック代払え!!トラック代払え!!」
あくまでトラックにこだわる牧野であった。「ガフ ガフ」


315 :作者の都合により名無しです:04/02/05 22:29 ID:kfdC/sC7
テスタロッサキター(´▽`)
やる気のない高橋ツトムもかなりイイ

316 :燃えよペン:04/02/06 00:14 ID:b6ycc9Xc
  あなたはファミレスで打ち合わせ中の少年漫画家です。
  突如地震に襲われ、店内で火災が発生してしまいました!
  どうする?どうする?君ならどうする?

ある男は窓ガラスに体当たり。ぶち破って窮地を脱した。
「違う!」
居合わせた男は一喝した。
またある男は入り口を塞ぐ炎に飛び込み、前身に火をまとい窮地を脱した。
「違う!」
居合わせた男はまた一喝した。
その男はいまだ燃え盛る店内にいた。
少年漫画家として、男としてあるべき姿を見せるために。
やがて店舗を完全に炎が覆いつくし、轟音とともにファミレスは瓦礫の山と化した。
ああ、あいつはやはり馬鹿だったのだ。誰もがそう思った。
ただ一つだけ、誰もが勘違いをしていた。
あいつは馬鹿じゃない。ただの馬鹿じゃない。
ガラガラと、瓦礫が崩れる音がした。
そこには、気を失った店員を抱きかかえて立つ「掛け値なしの馬鹿」がいた。
そう、火の海を渡る馬鹿がいた。

そしてBブロック
「うおおぉーっれっはっほーのおーのてーんっこーうせぇーいっ!!!」
バーニングファイヤー炎尾燃こと、島本和彦が猛火を疾走する!!
『熱くないのォ!?』

317 :サイバーシティは眠らない:04/02/06 01:06 ID:5KOq4V3B
曰く“静かなる原作者”
曰く“オールドギース”
曰く“小学館の虎”

サンデー作家の中でも、その神出鬼没ぶりと、底知れぬ実力で恐れられる男。
この静かなる狼が、懐かしい戦場へと姿を現した。
七月「なんとも、奇遇ですな。たまたま散歩中に、こうして再会するとはね」
荒川「あなた……いったい、今までどこに?」
七月「さあ…それは、またの機会に紅茶でもたしなみながら、ゆっくりと。今は…」
静謐の裡にひそむ透明な殺気を、木城とゆうきに叩きつける。
木城「これはこれは……とんだビッグゲストの御登場ですね」
クナイを引き抜き、木城が恭しい歓迎の挨拶をする。
七月は、研究所のなかを見回し、ため息をつく。
七月「研究者という人種は、誰も大差がありませんな。
   狭い世界に閉じこもり、己の知識の限界とエゴを、世界の真理と考える…」
木城の表情が、ひきつれた笑みへと変わる。
木城「私の目的は、業(カルマ)を克服することです。その為なら、私はいかなる犠牲も厭わない。ここであなたに邪魔をされるわけにはいきませんな」
七月「その“犠牲”とやらの中には、御自分も入っているので?」
木城「もちろん」
七月「ふむ…」
帽子をかぶりなおし、七月が黙考する。
七月「あなたはタイプこそ違うが、“あの男”によく似ている。
   自分の研究の為なら、敵も味方も自分すらも殺してもまだ飽き足りない、
   人ならぬ怪物の頭脳を持った男……
   全ての犠牲と引き換えに、神指の一本にまで数えられるようになった男……
   あなたからは感じますな。あの“破壊者”と同じ、純粋な狂気の臭いを」
木城「私は“あの男”ほど優秀ではありませんよ」
少しだけかいま見せた人間らしい感情は、わずかばかりの嫉妬だった。


318 :サイバーシティは眠らない:04/02/06 01:07 ID:5KOq4V3B
七月「さて、話がそれました。できれば、彼女たちを解放していただきたいですが」
木城「残念ながら、それはできかねますね」
七月「ほう…では、あくまで戦う、と?」
軽く、木城の手が上がった。
木城「くくくっ、いくら私でも、小学館きっての実力者であるアナタと、
   正面から戦おうとするほど、自惚れてはいません。

       い で よ 、 サ チ ュ モ ド !!   」

   ドン! ドン! ドン! ドン! ドン! ドン!

吉富「!」
七月「む?」
荒川「な…」

  『 グ  ラ  ア  ア  ア  ア  ア   ! ! 』


地響きと大音響をともなって現れたのは、巨大な鋼鉄の異形。
高層ビルのごとき巨影。
肩はドーム球場のごとく盛り上がり、胴体は太く、手足は長い。
骨のような指先と、眠そうに半開きの目、剥き出された歯茎のような口。
それはまるで、極限まで痩せ細った赤児を、なぜか連想させた。
巨人が一歩あるくたびに、建物の内部が激しく振動する。
さきほどの地響きは、この巨人の足音だったのだ。
木城「行け、サチュモド! テレビのスイッチを切るように、その男の命を終わらせなさい!!」

狼の行く手に、巨大な悪魔が立ちふさがった。


319 :サイバーシティは眠らない:04/02/06 01:08 ID:5KOq4V3B
木城「さて、美しいお嬢さん。あなたの相手は、この私です」
荒川「くっ…」
両手を打ち合わせ、錬成。
ズラァ…と、床から一本の槍が飛び出し、荒川の手に収まる。
傷だらけの男を床に横たえ、少女サイボーグの身体を持った狂気を迎え撃つ。
木城「私の技術とは異なるが、見事なものです、錬金術。
   まさに人間の英知が生み出した、神秘。では、私もお目にかけましょう…」
空気が裂けた。
荒川の槍が、頭上から木城を襲う。
だが、木城は腕組みをしたまま、片足で円を描き、軽々とその一閃をいなした。
槍の穂先は床を突き刺し、その上に木城の足が乗る。
木城「神秘というものをね!」
荒川「な、なに!?」
ほぼ床と垂直に突きたった槍。その柄を軸に、空中で身を捻り、体勢を整えようとする荒川。
そして、その槍を、まるで階段でも歩くかのように、腕組みしたまま登ってくる木城!
片足が浮き上がり、荒川の腹を打つ。
荒川「ぐふっ?」
強烈に引かれた。なんと、木城の足裏は、荒川の腹部に張りつき、離れようとしない。
目の前で笑う、少女の顔。鼓膜を打つ、衝撃。顔面を、両掌で挟まれたのだ。
荒川「ぬがッ」
拳を撃ち出し、反撃。捻るような木城の腕の動きに、はじかれ、威力を逸らされる。
ノド。
ワキ腹。
後頭部。
一呼吸で、それらの急所に、正確な打撃が撃ちこまれた。
衝撃に揺れる意識を強引にねじ伏せ、槍を床から引き抜いた。



320 :サイバーシティは眠らない:04/02/06 01:10 ID:5KOq4V3B
2人が浮いた。
慣性の方向を読み、荒川が蹴り。
躱された。
いや、またも受け流された。
腰椎。
鳩尾。
延髄。
一呼吸。
荒川「くお…っ!」

七月「な、なんだこれはッ!?」
サチュモドの巨体を前に攻めあぐねながら、木城の動きに驚嘆する。
荒川と木城。両者、槍に乗ったまま、息もつかぬ攻防!
しかし、その趨勢は、明らかに木城のものだった。
まるでまとわりつくかのような、アメーバのごとき動き。
七月「あの螺旋を主体とした動きはまぎれもなく…中国武術、八卦掌(バーゴワジャン)!!」
武術の心得もある荒川だが、木城の動きは一枚も二枚も上だった。
荒川が力の循環を読みながら、空中で姿勢を制御するのに対し、木城は決して槍の上から己の足場を失わない。
七月「しかし、あの柄にくっつく技は、粘勁でも説明できない。なんだ、あれは?」
粘勁とは、相手に接触した状態で攻撃を封じる技法(化勁)の一種である。
相手が押せば引き、引けば押すことによってくっついて離れない状態にし、
相手の力を受け流してコントロールしてしまうのだ。
だが、木城の不可能な動きは、それだけでは説明できないものだった。


321 :サイバーシティは眠らない:04/02/06 01:11 ID:5KOq4V3B
木城「(さすが、七月鏡一。ただし、付け加えるなら…
   重力に頼る沈墜勁を極力排し、ファンデルワース力で基点となる物体に接着し、
   0Gでも戦えるよう改良された、宇宙用 対サイボーグ八卦掌…)」

※沈墜勁…有重力下において、自己の重心が落下するエネルギーを利用して打撃力を増加させる技法。
     中国武術の用語であるが、地球上で発生したあらゆる格闘技には必ずこの身体操作法がふくまれている。

※ファンデルワース力…分子間力(引力)。ヤモリの指は真空中でも接着することから、
           分子間力を利用していると考えられている。

   「 『 ア ハ ト マ ス タ ー デ 』 だ  !! 」

壁にヒビが生じるほどの勢いで、激突する荒川。
新たな血を吐く横に、槍が突き立つ。
荒川「(わ 私の攻撃が一発も当たらない…! この男…接近戦の巧さは、格闘漫画家以上かも知れない……!!)」
木城「(なかなか致命傷には至りませんね。ギリギリで力の流れを見切っているわけですか…)」
口をぬぐいながら、荒川は立ち上がった。
荒川「(望む所よ…安西先生が何度も限界と突破して強くなるのを私は見てきた! 私にもできないはずはない!!)」 
心中で檄を吐きながら、荒川が近くの壁に掌を押し当てた。
たちまち、鳴動が起こり、研究所の一部が、崩壊を始めた。


322 :サイバーシティは眠らない:04/02/06 01:15 ID:5KOq4V3B
木城「!」
落下してくる器材の雪崩から、木城は舞うように脱出する。
その瞬間、背後に隙が生じた。
荒川「(そこだッ!)」
渾身の力とタイミングで、槍を振り抜く。
荒川「!?」
しかし、穂先は残像を切っただけだ。
木城「そう来ると思っていた!!」
荒川「グッ!」
体勢を崩した荒川の顎を、木城の掌底がカチあげた。
荒川「(バ…バカな、一瞬に槍の回転圏の内側に入られた!?)」
脳を揺らされ、朦朧となる意識のなかで、荒川の身体がさらに頭上へ撃ちあげられる。
木城が竜巻を形成するように、旋回した。
木城「くらいなッ! アハトマスターデ最大攻撃技…」

      チュエチャオ  ロン ワン ファン シェン
   「 絶  招 !  龍  王  翻  身   !! 」


まさに、木城は一個の小竜巻と化し、荒川の身体を天高く舞い上げた。
全身を使った纏絲勁!
(体をねじったり回転させたりすることで、勢いをつけ力を集中させる身体操作技法。
主に打撃力の強化に使われるが、八卦掌では防御技にも使用する)
八卦掌の『青龍翻身』を超絶パワーアップさせた必殺技!
それをまともに喰らった、荒川の運命は!?
サチュモドと対峙する、七月は!?
ゆうきと戦う、吉富は!?
そして、いまだ目覚めぬ男の運命は!? 
←TO BE CONTINUED 


323 :ふたりの戦士:04/02/06 16:19 ID:tRf9iSgI
夕陽もすっかり沈む頃。
松江名・青山広美・井上和郎は相変わらず外で体作りをしていた。
松江名の格闘講座も夕食会後の予定に組まれている。3人+1人の修行は順調だったが、
しかし現在は意外なところで中断している。幼少の頃のトラウマから犬嫌いの井上が、
近所の野良犬に吼えかけられ、どこかへ走り去ってしまったのだ。

 「・・・気がつけば見知らぬ街で周りも真っ暗。なんで俺だけこんな目にぃ・・・」
雑草茂る田舎道、泣きベソをかく井上の、
右手に寄生する岩明が諦めのため息をつきながら言う。
 「冷静になるんだカズロウ。ここはかの島より生存条件が整っている。来た道を思い出せ」
 「覚えてる訳ないだろぉ!?グスッ、だから犬なんか嫌いだ・・・」
それでも必死に記憶を辿って宿への帰路を見つけた井上達。夜道を足元に注意して歩く。
 「気をつけろカズロウ。この先に何か塊が落ちている」
 「え?  ・・・うわぁー!こいつ、さっきの野良犬じゃあないか!」
どうやらトラックか何かに腰から下を潰された、惨たらしい轢死体。
ボロボロの皮製の首輪が、犬の境遇を物語り痛々しい。
 
 「うわあ・・・い、犬!ごめんよ犬!こんな目に遭わせるつもりはなかったんだ!
 頼むから目を開けてくれよぉ!」青ざめた井上が死体の横に膝をついて声をかける。
 「もう死んでいる・・・死んだ犬は犬じゃない、犬の形をした肉だ」岩明が冷たく言い放つ。
 「ち、ちがわい!・・・チキショウ、俺が逃げたりしなければこいつは・・・」
うなだれる井上。岩明はその異形と化した肉体のどこかに、仄かに熱を感じた。
図らずも運命共同体となった男の“青臭さ”“甘さ”。
生き抜くには邪魔な感情と消し去るべきか。
たとえ死を賭してでも守り抜くべきか。
彼には判断が出来なかった。
口に出してはただ一言。 「その犬は死んだ。お前の好きにしろ」

井上はコクンと頷き、犬をアスファルトから剥がして近くのあぜ道を抜け、
古い竹林に入り土を掘って死骸を埋めた。
 「お待たせ。行きますか・・・あんた今、笑わなかった?」
 「気のせいだ」ふたりは暗闇に消えた。

324 ::04/02/06 18:57 ID:kmtSTngw
「あのクソアマが……、ぶっ殺す」
股間に巻いた包帯から、じくじくと血を滴らせながら、吉川が歩く。
激痛と屈辱が、男の中で、暗い怒りへと変わっていく。
「あのアマ…みっけたら××して○○したあげく△△△をもっかい凸凹してやる」
表情も吐き出す罵詈雑言も、もはや放送禁止のレベル。
手負いの獣は、極めて危険な状態にあった。
と――。
吉川の前方から、ランニングしている集団が近付いてきた。
松江名の弟子となった青山広美に井上和郎(+1)である。
はぐれていた和郎はなんとか合流を果たしていた。
師匠の松江名は、何やら新しいトレーニングマシンを作るとかで、一足先に旅館に帰っていた。
今は、2人ともクールダウンの段階である。
「変な2人組だな。片やパンチパーマのヤクザに、片やショタっぽいガキ……。」
すると、ふいに青山と和郎の足が止まった。2人とも顔が青ざめている。
(なんだ…?)
2人の異様な反応を、吉川はいぶかしんだ。2人が見ているのは、自分の方向。
しかも、あたりには他に人がいない。
(へへ…こいつら、もしかして俺にビビってやがんのか?)
吉川のおめでたい頭脳は、そう判断した。
一歩、歩みよると、それにつられるように、2人も後じさる。
(おいおい、そんなに怯えんなって。俺は、優しいからよ?)
先程までの怒りはどこへやら、すっかり気を大きくした吉川だ。
そのとき。
雲に隠れていた月が、顔を出した。
そして、吉川は初めて、己の勘違いに気づいた。
自分の影を覆い隠すような、別の影。
吉川が振り向くと、目の前にあったのは、分厚い筋肉の壁だった。
黒いシャツに包まれた胸板。
そのさらに上方に、蓬髪を波うたせながら、鬼の貌が笑っていた。

325 :作者の都合により名無しです:04/02/06 19:15 ID:OCovljBH
あげ荒らしとは俺の事よ

326 ::04/02/06 20:36 ID:kmtSTngw
「静かで……いい夜だな、オイ」
呆気にとられる吉川の眼に、鬼の笑顔が飛込んできた。
「〜〜〜〜〜〜ッッ」

“殺 さ れ る”
吉川は、そう直感(おも)った。
短期間とはいえ、それなりに身についた格闘技者としての本能が、吉川に金的蹴りを撃たせた。
無論、テコンドーでは反則である。その反則技を、吉川は初めて使った。
パアン!
と乾いた音がした。
吉川の視界が、一瞬で暗転する。
青山と和郎の2人が、呻きをあげそうになった。
吉川自身は、振り向いていないのに、吉川の顔が2人の方向を向いていた。
鬼の平手打ちが、吉川の首を180°回転させたのだ。
吉川は土下座の形に崩れ落ち、絶命した。
最後まで、己の身に何が起きたのか、理解できなかったろう。
小虫を潰すように吉川を葬った鬼が、2人へと歩み寄る。
鬼が、尋いた。
「オマエ……『チーム・タフ』だな」
ガクガクと震える青山が、必死に、哀れなほどかすれた声をしぼりだす。
「い、板垣……」
その名を肯定するように、鬼が笑う。
「そうだ……お前らチーム・タフにお土産があるんだ。つまんねェものなんだが…」
板垣が、小脇に抱えていた包みを、空中に放り投げた。
回転によって、包装が駒回しの要領で、瞬く間に取り除かれる。
剥き出しになった中身を板垣がキャッチし、2人に良く見えるように、前に突き出した。
その正体を見た青山が、この世の終わりを迎えたような、絶叫を放った。

「ヒ… ヒ  ラ  マ  ツ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!」  

327 ::04/02/06 20:59 ID:kmtSTngw
「コンバンハ〜〜。」
覆面をかぶった生首。
かつて、ヒラマツミノルという人間であった男の、成れの果て。
板垣は、生首の唇を左右に引っ張り、悪趣味な腹話術を始めた。
「ひィ」「ろォ」「みィ」「く」「ん」
「…………ッ」
それを震えながら見る青山は、声も出ない。和郎にいたっては失神寸前だ。
「お・ひ・さ・し・ぶ・り・で・す…」
青山は、狂気の一歩手前まで来ていた。
「ね。…と」
板垣が、自分のネタに大爆笑する。
「わァアアア!!」
青山が、吼えた。
板垣が、回し蹴りを放った。
ヒラマツの生首が、蹴りによって粉砕され、突進してきた青山の視界を塞ぐ。
「板垣イィィィッッッ」
失った視界のなか、手探りで板垣にタックルを決めた。
だが、倒れない。青山は、再び、背筋が凍る思いをした。タックルが、効かない。
頭部を鷲掴みにされ、一気にタックルをぶち切られた。
寝技のスペシャリストのタックルを、単純な腕力で、しかも片腕で。
「〜〜〜〜〜ッッ」
ベシャン!
と、盛大な音をたて、青山の身体が潰された。
全身の骨を粉砕され、紙風船のように折り畳まれたのだ。絶命は、明らかだった。
「これがタフ…くだらん。チョット喰い足りねえな」
ぼやくと、板垣は残る和郎には目もくれず、踵を返して、去っていった。
後には、首を折られた吉川の死体、ヒラマツの残滓、ジャガったされた青山の死体。
そして、失禁した和郎だけが、残された。

『もう死んでいる・・・死んだ犬は犬じゃない、犬の形をした肉だ』

ついさっき、聞いたばかりの言葉が、いやにはっきりと和郎の鼓膜を抉った。

328 :作者の都合により名無しです:04/02/06 21:02 ID:kmtSTngw
青山広美
吉川雅之
ヒラマツミノル     ――――『死亡』

←TO BE CONTINUED

329 :作者の都合により名無しです:04/02/06 21:11 ID:tRf9iSgI
ケアアア('Д`;)

330 :作者の都合により名無しです:04/02/06 21:47 ID:hZu4QPiQ
それでもアニメ化を控えた和朗は死なない。

331 :夜に散歩しないかね:04/02/06 23:04 ID:tRf9iSgI
外の地獄とはうってかわって、気の抜けた空間の裏御伽部屋。
ちなみに本来の部屋は怪力女が穴開けてしまったので隣の空き部屋に移動している。
中には岡野が宴会用の小道具として持ち込んだらしいセーラー服に、
トイレの中で着替えさせられているにわの♀と、テーブルで風呂後のビールを飲む他の連中がいた。
 「岡野クーン!この服、胸の部分がキッツイですぅ」
 「知るか!そこまで責任は負えん」
ドアの向こうの文句に耳を貸さず、岡野は部屋のテレビを見ている。
 「ところでオヤジはどこ行ったんだ?」真倉の問いに、
 「風呂でハゲおやじと我慢比べしてるらしいわよ。奇特ね」
缶ビールを数本口に放り込んでボリボリ言わせながら澤井が答えた。
川原は上半身裸で窓に腰掛け夜風を浴びている。

 「おまたへー♪コギャルバージョン・まこリンどぇす♪
 ついでにカバンの中にうさみみが入ってたので装備します。うちゃみみー♡」
 「あーもー余計な事はするなって!」うさみみを奪い取る岡野。
彼は宴会で何がしたかったのだろう・・・。
時刻も7時が近づき、岡野が夕食会のあいさつも控えているため、
ぼちぼち移動する事になった。しかし川原がいつまでも窓から動かない。
 「川原さん?」ひとり茶を飲む乙が訝しげな顔をして川原を見やると、
彼はごく自然な動きで窓から降り、胴衣の入ったズタ袋のような鞄を担いで1人出口に向かう。
 「川原せんせー、どこ行くモン?」
 「・・・ちょいと、散歩」

含み笑顔で部屋を去った川原。
 「あーんボクも行くモーン」セーラー服にわのが追っていった。

真倉は相棒に呆れ顔で話し掛ける。
 「やれやれ、俺たちは先に行くとするか。
 しかしなんであんな犬みてぇに懐いてんだ?にわのは」
 「・・・よほど嬉しかったんだろう。あの島で、川原が殺されたスタッフの敵討ちをしてくれて、さ」
 「・・・まだ、生きていやがるけどな。クソ狼男はよ」
僅か10時間程前の悪夢。再現の時が間近なのを彼らは知らない。

332 :かつて『安西に次ぐ』とまで言われし旗男〜その転落の軌跡〜:04/02/07 02:01 ID:j6/JJxOE
天野の告白に冬目が嫌な汗をかいていると、どたどたと廊下から足音が近づいてきた。
自販機に飲み物を買いに行った娘達が戻ってきたのだろう。
とりあえずこの空気から開放されることに、露骨に安心の溜息を吐いて
冬目「も、戻ってきたみたいね。」
上擦った声でそう言う。少し考えれば『あんな荒くれ者みたいに歩くか?』と疑問が湧いたろうが。
やがて足音が止まり、フスマが開けられる。
貞本「こずえ倒れたって?」
しな「大丈夫か?」
そう、現れたのは女達ではなく、冬目にとっては見知らぬ男達。
貞本「うわ、顔真っ赤だな。」
福地「……風邪ですか?」
天野「あ……貞本さん、みずしなさん、それに福地さんも」
誰?と冬目に訊かれて、それなりに血の気を下げた天野が説明する。
天野「さっき言った、一緒に旅してた人達です。福地さんはちょっと違いますけど……」
しな「……この美人さんは?」
今度は冬目が紹介される。
天野「冬目景さんです。……えーと……その……私の大切な」
冬目「エニックス時代の知り合い、よろしく。」
台詞を遮って、彼女にしては異例ににこやかな笑顔。
天野は潤む目で責めるように睨み。冬目の方はそれも察していたが、必死で無視を決めこんだ。
しな「……湯冷めか?」
貞本「腹でも出して寝てたとか……そういや向こうの風呂で気絶してたな」
なんだか妙な雰囲気を醸す二人にひるみながら、布団の傍らでテーブルにつく三人。
その背中を見、まだぼうっとした頭で、天野はある違和感に合点する。
天野「あれ、半被が……お仕事、もういいんですか?」
従業員用の半被が無い。よく見れば、着ているのも従業員の着物ではなく、客用の浴衣だ。
貞本「ああ、もうなんか旅館の人もいっぱい居るしな。」

333 :かつて『安西に次ぐ』とまで言われし旗男〜その転落の軌跡〜:04/02/07 02:02 ID:j6/JJxOE
急須で茶を入れ、どこからか箱入りの菓子を取り出す。
しな「そもそも俺ら、梅澤の大将の頼みで働いてたんやぞ。それなのに本人スッカリ忘れてキャノンボールなぞに行ってまうし」
貞本「結局『アレ』も無駄になったなぁ〜」
彼等は、自分達の工作が各所で惨劇を引き起こしていることをまだ知らなかった。
そしてぼやき終わると同時に、名物ざぼん漬けとお茶がいき渡り、おもむろに茶会がはじまる。
あまりに勝手知ったる態度に、天野は(ここ一応私の部屋なんだけどな……)と、らしくない不快さを覚えた。
福地「そういえば天野さん、しん見ませんでしたか?」
思い出したようにそう聞かれ、気を取り直して、いいえ、と首を振る天野。
福地「どこ行っちゃったのかなぁ。この旅館に来てるとは思うんですけど……」
貞本とみずしなに合流したときした説明を、天野にも繰り返す。
天野「……心配ですね」
福地「……アイツに会った人がね」
冗談めかした福地は『いや洒落になっとらん』と、自分で否定して頭をかかえる。
と、ずっと冬目の袖を握ったままだった天野の手が、宙に浮いた。
天野「……冬目さん?どこへ?」
本人、ひと知れず去ろうとしていたらしいが
天野に掴まれていることを忘れてるあたり、やはりかなりペースが乱れている。
冬目「え、ええ……ほら。留美子さん達遅いから……様子見てくるわね。」
天野「じゃあ私も」
起き上がろうとして、ふらつく天野。
冬目「ほら、まだ寝てたほうがいい。
   それに、入れ違いになった時、私も貴女も居なくて変な三人組が居たら彼女達さぞ驚くわ。
   トラブルにならないとも限らないし。」
しかし、見上げる天野の、捨てられた子犬のごとき瞳。
「う゛」とたじろぐ冬目は、だからってここで負けては泥沼になる!と自分にいいきかせ、天野の指を優しく外す。
しな「ほならわてが一緒に行きましょう。なんせ今この旅館には、変態やら暴行魔やらがこじゃんと居るらしいからな。」

334 :かつて『安西に次ぐ』とまで言われし旗男〜その転落の軌跡〜:04/02/07 02:03 ID:j6/JJxOE
冬目「結構よ」
天野に対するのとは百八十度違う、絶対零度の眼差しで拒否する。
めげず「そないなこと言わんと」「泣き黒子が素敵」「安うしとくよって」と、なにがなんだかわからん口説きをかますみずしなを
哀しそうに見ていた天野は、突如こう助け舟を出した。
天野「あの……私からもお願いします。ホントに今、いろいろ危ないらしいですし。」
殆ど全員、天野が何故突然そんなことを言い出したのかと疑問を抱くが
基本的に天野に負い目のある冬目は、結局最後は了承せざるを得なかった。
(……冬目さん、私を避けてもう帰ってこないかもしれない……)動機は、単なる乙女心であった。
するとそこで第三の男が立ち上がる。
貞本「俺も行こう。」
今度はみずしなが小声でつっかかる。
しな「アホか!お前にはこずえちゃんも夕日子ちゃん(笑)もおるやろが。冬目さんくらいわいに譲らんかい!」
貞本「別に俺は彼女を口説くつもりは無い(惚れられちゃったらそれはそれでしょうがないけど)。
   が、お前のそれが心配だから一緒に行くんだ。」
しな「なんやと!?」
貞本「知ってるんだぞ。お前が昨夜、こずえのとこに夜這いに行ったことも」
しな「!?み、見とったんかい!?」
貞本「いや、後で気付いた。だが得心もいった。お前はやはり、属性が限りなく変態チームに近い!」
しな「そりゃ、言い過ぎじゃ!!!」
貞本「とにかくだ、送り狼にでもなられたらこずえに会わせる顔がない」
しな「……おんのれぇ〜〜!!」
丁度そこで、冬目が「いい加減早く行きたいのだけど」と二人に近づく。
みずしなの目がギラリと光った。

335 :かつて『安西に次ぐ』とまで言われし旗男〜その転落の軌跡〜:04/02/07 02:04 ID:j6/JJxOE
ドン!
貞本を突き飛ばし、冬目の手を引く。
しな「一緒に逃げましょう!冬目さん!」
しかし貞本も、仰向けに倒れながら、引き止め半分、自分のバランス回復半分で冬目に手を伸ばす。
そして彼の名誉のために言えば、その手が冬目の襟に掛かったのはあくまで偶然であった。
ぐっ
逆方向に力がかかり、勢いを殺されたみずしなが反動で冬目に倒れこんだのも、また偶然であった。
しかしその直後、浴衣の帯に手がいったのは……
クルクル、ぱらり
偶然ではなく故意かもしんない。
ドン
ガシャ
ドッターン

………し――――――――――――――――――――――ん………

貞本は思った。
(柔らかい……)
冬目は思った。
(いつまで触ってるつもり?)
みずしなは慟哭した。
(んでわいだけ下敷き……グェ)
その右手の感触はあまりに心地よく。
やわらかくて、ふにっ、としてて、あたたかかい。
下から見据える冬目の顔に、なんの感慨も浮かんでいないことに気付くまで
貞本は確かに一瞬の永遠を堪能していた。

336 :かつて『安西に次ぐ』とまで言われし旗男〜その転落の軌跡〜:04/02/07 02:05 ID:j6/JJxOE
冬目「……どいてくれる」
貞本「あ……ぅん……ご、ごめん」
時が動きだし、共に決壊した汗と震えが止まらない。
ジャンボプリンにあてがった右手だけは微動だにしなかったが
それはもう堪能というより脅迫めいたイメージの為。
(右手に、一ミリでも力を込めたら殺される気がする……)
しな「はよどかんかぃ〜!」
一番下で冬目の背に敷かれたうつ伏せのみずしなが暴れ
(動かすなどアホ!)
と心中で叫びながら
右手を『その形』にかたどったまま浮かせたところで
貞本の背後で膨大な殺気が膨らんだ。
天野「っ……たっ……しの……」
背中越しでも。何故、その天野の声が途切れ途切れなのか
貞本は不思議と理解することが出来た。
振り向いて、解答欄の正解を知る。
   『怒 り』
(そっ、そんな怒らんでもっ!?)
こりゃ事故だ!いや嫉妬してくれるのはちょっと嬉しいけどさ!
「こっ、こずえ?」
ゆらり、とオーラを吹き出す威容に、もはや風邪の気配はない(元々違うが)。
俯き加減の顔上半分は陰になっているのに、両目だけが血のように紅く輝いている。
そしてだらりと垂らされた右手薬指の、蒼い光。

「わ た し の 冬 目 さ ん に 何 す る ん で す か っ!!!!」

その台詞の意味に気付く暇もなく。
芸術的な曲線でうねる水流に串刺された貞本は
そのまま窓をブチ割り、放物線を描いて旅館裏の海に落下した。

337 :作者の都合により名無しです:04/02/07 02:20 ID:HBjriNfk
(´-`)堕ちたねぇ・・・・・・

338 :作者の都合により名無しです:04/02/07 09:29 ID:G3j9Xnbe
転落していくキャラって素敵だわあ

339 :作者の都合により名無しです:04/02/07 11:01 ID:RleO/P22
「安西に次ぐ」って、なんのこと?

340 :作者の都合により名無しです:04/02/07 11:19 ID:HBjriNfk
(´-`).。oO(むかーしは実力派で成長株の主役候補だっゲフンゲフン)

341 :和郎の決意:04/02/07 12:21 ID:RleO/P22
和郎「うわああああっ!!」
鬼による一方的な殺戮を目の当たりにし、井上和郎は恐慌状態に陥った。
和郎「ひいいいい!!」
岩明「カズロウ!落ちつけ!」

ドクッ! ドクッ! ドクッ! ドクッ!

岩明「鼓動が!!」
右手の岩明が、和郎の心拍数の変化を敏感に感じ取る。
和郎「うっうぐっぐはっぐっへえっ」
岩明「カズロウ!呼吸をととのえろ!」
和郎(おれは何を・・いままで何をしてきたんだ!!)
ものすごい心臓の痛みに、心の痛みに、胸を押さえてうずくまる。
和郎(壊れる!心が割れる!裂ける!!)
岩明「大丈夫だ!きみは大丈夫のはずだ!」
和郎「ううう・・・」

 ドクン ドクン ドクン ドクン

和郎(だめだ・・・・だめだようもう・・・・)

しかし、数十秒後。
岩明「落ち着いたかい?」
和郎「ん・・ああ・・・なんとか・・・・」
立ち上がった和郎は、目の前に広がる惨禍を前に、愕然とする。
和郎(落ち着いた・・・ほんの数十秒休んだだけなのに心は妙に落ち着いてしまった)
自分のなかで、なにかが変わりつつある。
和郎は、そう実感した。
和郎「ヤツを倒さなきゃ・・・・」

今、ひとりの男が、戦士になろうとしていた、

342 :ベップドロップス:04/02/07 12:36 ID:HBjriNfk
にわの♀がいなくなってさらに収拾つかなくなった温泉街もやっと終結。
湯煙と一緒に血煙や火事の煙も混じり、別府の花は夜開く。
騒動の元凶変態チームはことごとくお縄となった。
 「平和だなぁ・・・平和ってステキだよホントに・・・!
 オレ絶対守ってみせるよ!この平和! だからもう・・・早く乱れろよ平和・・・!」
キラキラとした笑顔を見せながら、他の仲間と共に護送車に詰め込まれるうすた。
ついでに新沢と三上もつっこまれ留置所に運ばれていった。アイルビーバック。
機動隊が去ったあとには、未だ飲んだくれる失恋男・桂が残されたのだった。


我慢大会が続く男湯。
己の誇りを賭け、失神寸前の様態をおくびにも出さず、本宮と宮下は肩まで湯に浸かる。
5分・・・10分・・・15分・・・
 「へへっ・・・余裕だぜ」
 「・・・安らかに眠ってくだされ。本宮というお師がいたことをわしは忘れませぬぞ」
 「それはこっちの台詞だ、ドアホ」
20分・・・25分・・・               ぷぅ (プクプク)

 「な!?この水泡は・・・てめェ宮下ァ!かましやがったな!?」
 「はて、何の事ですかな」
 「トボけんじゃねぇ!てめェの作風と一緒だ!肝心の戦闘シーンにくだらねえギャグ入れてよォ!
 それが気に食わねえから破門したんだよ、何がウ○コして体重減らしてかけっこに勝利だ!ボケが!」
 「それを言うならお師こそ脈絡なくUFO出したり元野球少年がアフリカで野生生活したりと」
 「俺ゃあ大真面目に描いてンだよ!詭弁や設定返しには逃げねえ、てめェとは違わぁ!!」

     ザ バ ァ    ―――ほぼ同時に、全身を灼熱させたふたりの巨漢が立ち上がった。

 「入っておくが俺はハンデつきだ。てめェは元々左肩一本で充分だから安心しな」
 「気にせぬよう。あなたが弱いのではなく、わしが強すぎるのです」
 「それは勝った時の台詞だろうがボケェ・・・二度と口にはできねえがな。来やがれ!」

とっくの昔に乱れてる平和。知らぬが花というものか。

343 :DARK MOON:04/02/07 22:41 ID:HBjriNfk
満月。
本来ならば今夜は十六夜、僅かに月は欠けている。
しかし月に委ねられた運命が交錯し、破壊され再生され。
今夜は二度目の満月だった。
月の明かりは白かった。

奇妙な満月の下、宿の敷地内の敷石を踏みしめ歩く二人の影。
胴衣に着替え、何かに引き寄せられるように闇へと向かう男の影と。
男の後ろを歩く、かりそめの姿に身をやつし影の中に鬼の角を隠す女の影。
背後の、光が灯る建物から聞こえる賑やかな声と食器類が運ばれる音。
2人は平和な日常世界と、一歩踏み出した先にある死と闇の世界を、
隔てる薄い膜の間に立っていた。鼓膜に嫌な耳鳴りがまとわりつく。

 「・・・帰れよ」
 「センセこそ帰ってゴハン食べよーじゃん。
 そっちはダメだモン、帰ってこれなくなるから」
 「とっくに、覚めてるな」
 「・・・な、何の事かにゃあ?」
 「心の闇を外に引っ張り出す鬼酒ねえ。この姿でもないと、殺しができない・・・か」
 「う」
 「いつものふざけたマスクは、お前さんの足枷なのかい?」
 「違う!あれはボクがボクであるために被るものだ。ボクの“素顔”そのものなんだ!」
 「口調が違うな」
 「・・・」
 「島で言っただろう。俺とあんたの役割は違う・・・と。
 心に鬼を棲まわすと、どこまでも闇へと足は向かう。
 行きたくないんだろう?なら、帰るんだな。まだ間に合うぜ」
 「・・・センセは、何処まで行くのかな?」
 「行ける処まで」
 「・・・ボクは来たらダメなんでしょ?バカー」
 「迷惑だ」
しばらく無言が続く。

344 :DARK MOON:04/02/07 22:42 ID:HBjriNfk
庭石の擦れ合う音。にわのは宿に帰ろうとしない。
幾許かの後、“彼”がぽつりと呟いた。
 「・・・10年前から」
 「・・・」
 「ボクは心から笑えなくなった。裏御伽のみんなと始めた仕事に色々ぶつけた。
 みんなに迷惑かけた。あの頃のボクはどうかしてたんだ。・・・でも」
 「・・・」
 「たとえ・・・鬼に魂を売ってでも、あの狼男を殺し」
 「黙りな」
 「先生!」
 「聴こえないのか」
 「え・・・?」
静寂。夜風。硫黄の香りに混じって微かに、新しい血の匂い。そして。

        ウ ウ オ ォ ォ ―――――――――――― ・ ・ ・ ・ ン ン ・ ・ ・

 「狼の・・・遠吠え?センセ、まさか!?」
 「マスク、持って来たぜ。ないと調子狂うんだろう」
全身を緊張させるにわのに、川原は鞄から取り出した覆面を渡した。
 「い、今はいーです!使いませんー!」怒った顔でマスクをスカートのポケットにしまう。

 「岡野たちを呼びな。ひとりでやろうとするなよ」
川原は闇の向こうに走り出したにわのを牽制するが、相手は聞く耳を持たない。
 「あいつ、別府にまで何の用だっ!絶対許さな・・・あぎゃー!」
突如足元にぬめりを感じ、勢いよくすっ転ぶにわの。
水たまりかな・・・と手で地面を触ると。そこには今朝、あの呪われた島の高台で見た光景。
かつて人間だったものの残骸。散らばる骨。軟らかい破片。ぐしゃぐしゃの皮膚。パンチパーマの頭髪。
 「・・・・!!!」ふと手に当たった布を広げると、それは鮫の牙模様が入ったレスラーマスク。
また試合をやろうと誓った男のマスク。握る手がわなわなと震える。
川原が近づき、近くに転がる比較的綺麗な死体の、曲がった首を元の方向に戻した時。
 「・・・・ああああ!!ヒラマツくん!青山さん!吉川くーーーーん!!!うわああああ!!!」
 「・・・だから、帰れと言ったんだ・・・」川原の声は、泣き狂う鬼の子には届かなかった。

345 :作者の都合により名無しです:04/02/07 22:58 ID:cwr1y+TT
にわのの周り、マジで人死に杉(苦笑)
とことん不幸が似合うキャラだ

346 :作者の都合により名無しです:04/02/07 23:03 ID:G3j9Xnbe
にわの暗黒化?

347 :作者の都合により名無しです:04/02/08 03:48 ID:hriBomDO
>>339>>340
書いた本人的には恋愛フラグのこと。貞本と天野、昔はかなりいい雰囲気だったから
このまま百合ルート歩ませる気満々な俺としては、ちゃんと決別(笑)を描写しときたかったんです。
(いがらし先生に狙われてるから慌てました)。
ま、あくまでリレーなので。嫌な人は頑張って彼女を堅気に戻してあげてください。

どの程度マジレスすべきか迷ったが、とりあえず俺の考えてることはこんなとこ。
半端な長文スマソ

348 :作者の都合により名無しです:04/02/08 10:06 ID:+3+AiNn0
後で夕日子ちゃんに慰めてもらえや(苦笑

349 :湯煙の中の死闘:04/02/08 23:24 ID:fXphNrvh
斬! 斬! 斬! 斬!
次々と両断されていく、岩場の上を、山田が飛び跳ねる。
山田は、水中に捕われた樋口のことを考え、焦躁した。
早く助けねば、溺死か、それ以前にモンスターの餌になってしまう。
山田(樋口さん……!)
山賢「モンスターは一匹じゃないぞ!」
一瞬の隙をつき、『ディープ=ハンマー』のミサイルが山田の頭上に降り注いだ。
仰ぎ見るヒマもない。山田は、咄嗟に、タオルで隠した豊満な胸元に手を突っ込む。
再び手が現れたとき、そこには一枚の紙が握られていた。
――戦闘用紙九番『グレート・ウォール』
万が一の用心に、山田が胸の谷間に仕込んでおいた、武器だ。
頭上に掲げると、複雑に折り畳まれていたそれは、中央からわらわらと広がり、ドーム状の骨組みとなった。
間髪入れず、その上にミサイルの雨が降り注ぐ。
紙の骨はたわみ、軋み、悲鳴をあげたが、どうにか持ちこたえた。
山賢「やるな、ザ・ペーパー……」
山田「おそれいります……」
ふざけているわけでも、挑発しているわけでもない。どんな相手でも、敬語を使ってしまうのが山田なのだ。
しかし彼女にしても、おとなしく守勢にまわっているわけにはいかない。
両の手に、文庫本から破り取ったページを持ち、それを目にも留まらない指さばきでそれぞれ折り、畳み、二機の紙飛行機を作り上げた。
山田「失礼!」
手首を一閃させ、山本に向かって投げる。
しかし、迫りくる紙飛行機に向かって、鞭のように『バズ=コックス』のノコ刃が、横倒しになった8の軌道を描く。
山田の紙飛行機は空中で分断され、渦巻く湯面にぽとりと落ち、しわしわになった。


350 :湯煙の中の死闘:04/02/08 23:25 ID:fXphNrvh
山賢「なってない! まったくなってないぞ! ザ・ペーパー! もっと強いとこ見せてみろ!」
山本は狂的な笑いを浮かべ、『バズ=コックス』に乗ったまま迫りくる。
山賢「おまえは強いんだろ!? 本が好きなんだろ? 紙が武器なんだろ!?」
凶暴な山本の攻勢に、山田は苦戦する。
チャンピオン作家の中でも、この男の強さは上位に位置する。
万全の体勢でも、勝てるかどうか分からない相手だ。ましてや、ほとんど武器がない、この状況では。
だが、泣き言を言ってもいられない。なにしろ、樋口の生命がかかっているのだ。
山賢「まだ緊張感が足りんから、ペナルティを課してやる」
言うが早いか、『バズ=コックス』のノコ刃が、山田の目前で躍った。
刃が巻取られたのを合図に、山田の身体を覆っていたタオルが、はらりと落ちる。
山田の豊満な肢体が、白日の元に晒された。
いきなり外気に触れた肌の感触に、一瞬遅れて気づいた山田が、慌てて胸を隠した。
山田「きゃあ!…………えっち、です」
顔を夕焼けよりも赤く染めながら、消え入りそうな声で、山田が言う。
山賢「次のターンもしくじったら、体中の毛を剃り落とす……」
山田「むうぅ……この変質者!」
怒りの叫びをあげながら、山田が新たな紙飛行機を飛ばした。
空気を裂いて飛んだ二機が、『バズ=コックス』に突き立つ。……しかし。
山賢「オイオイ、なってなさすぎだな…『バズ=コックス』のハードスキンは、その程度じゃ傷もつかんぞ…」
だが、言いかけた途中で、山本の目があるものを捉えた。
それは、紙飛行機で『バズ=コックス』に縫いつけられた、黒っぽい紙だった。
よくよく見ると、なにやら粉のようなものが表面にまぶしてある。
――戦闘用紙二七番『ブローン・アウェイ』である。
黒色火薬に特殊な火薬を配合し、紙の上にコーティングする。普段は無害だが、山田の能力でコーティングが溶けると、わずかな火で爆発する“紙の爆弾”なのだ。
山賢「きさっ……!」
刃と化した紙飛行機と『バズ=コックス』の装甲が擦れあい、火花が散った。
山田「これが最後のターンです!」
熱風と火炎が、『バズ=コックス』に炸裂した。


351 :湯煙の中の死闘:04/02/08 23:26 ID:fXphNrvh
山田の最後の最後にとっておいた切り札が、見事に決まった。
モンスターが呻きを発し、重々しい音をたてて崩れる。
黒煙が、よろめく山本の身体からも噴きあがる。
山賢「こんな切り札を隠しもっていたとは……やってくれるな。小娘……」
勝負あったか、と思えた瞬間、山本の持っていたカードの束が、何枚か燃え上がる。
山賢「だが、残念だったな。デッキのおかげで、俺はノーダメージだ。
   倒すなら、一瞬でモンスターを完全に破壊しなきゃな」
山田「……!!」
愕然とする山田に、山本が残酷な宣言をする。
山本「キッチリ1ミリずつ輪切りにしてやる。俺の大事なノコ刃にキズつけやがって。楽に死ねると思うな」
知恵の輪ができなくて癇癪を起こした大男のように、手負いの『バズ=コックス』が猛然と肉薄してくる。
山賢「斬る(KILL)!」
バズ=コックスが、ノコ刃を横に払う。山田は胸を隠すのも忘れて、慌ててしゃがんだ。
出入り口付近の柱が両断され、大きくきしんだ。
山賢「斬る(KILL)! 斬る斬る(KILLKILL)!」
当たるを幸い、バズ=コックスが岩を、木をなぎ倒していく。
しかし、先程に比べ、切断面が粗くなっている。
山賢「クソッ。刃が傷んでるんで正確に二等分できない……キサマのせいだぞ、どうしてくれる」
狂ったような怒りで凶相を作りながら、山本が吠える。
山賢「どうしてくれんだよぉぉっ! ペ――ェェパーァァ……」
月明かりを背に、両手を広げる姿は、ホラー映画にでてくるモンスターのそれだった。
あらゆる意味で丸裸の山田に、山本がじりじりと距離をつめる。
その手に新たなカードが握られた。鋭く反転させ、見得を切る。
山賢「徹底的に揉んでやるっ!」


352 :湯煙の中の死闘:04/02/08 23:27 ID:fXphNrvh
山本の胸部が開き、そこから新たなモンスターが現れた。
ニョンッ、と飛び出してきたモンスターは、小柄な少女のような外見をしていた。
未来っぽい服装で全身を覆い、体格に不似合いな巨大な肩部パーツからは、武骨な槍と機械の腕が生えている。
「わぁーい、お兄様ぁ、会いたかったぁ♥」
無邪気な笑顔を、山本に見せる。このモンスターの名は、『エレ』。
エレ「お前か!? お兄様の敵はっ!?」
ジャキッ、と武骨な腕を山田に向ける。
見れば、その太い指先と、掌部分には、穴が開いていた。
エレ「加粒子砲、撃っちまーす!!」
粒子エネルギーの奔流が、旅館を貫いた。ぽっかりと、コルク栓をぬいたような穴が、旅館の壁に空いていた。
山田「うあっ!」
残りの全ての紙を、防御に展開した。だが、全ての紙は一瞬で蒸発してしまった。
避けきれず、わずかにえぐられた肩から、思いだしたように焦げ臭い血が噴き出す。
バランスを崩した山田に、エレが飛びかかった。
エレ「電磁スピアーっ!!」
巨大な槍が、山田の胴体を貫通し、刹那、凄まじい電撃が肉体を内部から喰い荒らした。
山田「あああああああああああああああッッッッ!!」
ごぼり、と口から血を吐き出し、悲鳴をあげた。
山本「うーん、おまえの悶え顔、なかなかそそるぞ。
   いたぶり殺した後、おまえの首を切り落として、アンテナ刺して、飾って、観賞してやる」
傷口をやかれる痛み、電流が神経をかけめぐる痛みに、山田は悶絶した。
全裸となった山田の豊満な肢体が、ビクビクと、陸に打ち上げられた魚のように跳ねる。
もうダメか、思われた、その瞬間!

??「  鮫    拳   !! 」

凛、とした叫びと共に、温泉の湯が巨大な鮫へと変じた。鋭い顎が、エレに喰らいついた。


353 :湯煙の中の死闘:04/02/08 23:28 ID:fXphNrvh
エレ「ぴっ…」
ぴゅーっ、と噛まれた額から血を噴き出させ、エレが目を回した。
鮫が、ただの水に戻ったと同時、その顎から解放されたエレがカードに戻る。
山賢「!!」
一瞬、何が起こったのか、山本には理解できなかった。
??「どこを見てるの? 貴方の相手はこっちよ!」
声は、温泉の中から聴こえた。
慌てて山本が振り返ると、水面が盛り上がり、触手と吸盤が特徴のモンスターが現れる。
そのモンスター『シーラニクティス』の腹が裂け、一刀両断にされた。
たちまち、山本のデッキの半分近くが、燃え上がる。
??「派手にやってくれたわね……チャンピオン作家さん」
山田以上にメリハリのきいたプロポーションをした、黒髪の女が、そう呟いた。
右手に巨大な刀を持ち、左手には気絶した樋口を抱えている。
山賢「ホウ…ちっとはマシな相手かな?」
??「いえ……期待以上よ」
豊潤な肢体を2枚のタオルだけで包み隠した姿は、女神のように美しく、気高い。
女の裡に荒ぶる義憤は、月光を跳ね返し、同時に軍神のような凄みを漂わせる。
そう、今の彼女は、戦いの女神と化していた。
その姿に思わず息をのんだ山本が、唇を吊り上げて、歓喜にわななく。
山賢「おお! まさか、『サンデーの女帝』かよ……」
山田「高橋……留美子…先生?」
留美子「動ける? なら、彼女を連れて、急いで逃げなさい」
凛、とした声が、痛みに苛まれる山田の意識から、霧を取り除いた。
山田「! 樋口さん…!」
留美子「大丈夫、気絶してるだけよ。ここは私に任せなさい」
留美子が山本に向き直り、美しい日本刀のような視線を叩きつけた。
山賢「嬉しいぞ、小学館最初の獲物が、いきなりこんな大物とは!
   見せてくれよっ! サンデーの女帝の断面をっ!!ヘハッ ヘハハハハッ!!」
留美子「最低ね、このゲス男……。ただではおかないわよ…覚悟しなさい」
女帝の闘志が、火柱のごとく燃え盛り始めた。

354 :作者の都合により名無しです:04/02/08 23:48 ID:7eobOnHM
けもー(゚∀゚ ≡ ゚∀゚)ー!!!!

355 :作者の都合により名無しです:04/02/09 00:15 ID:EN8RcBlr
>>354

 !?

356 :ごはんのじかん:04/02/09 00:39 ID:b4WOVCpl
夕食会の大広間に、色とりどりの料理と牧野特製の巨大船盛り、華やかな雰囲気が運ばれた。
しかし空席もちらほら目立ち、挨拶担当の岡野が辺りを見渡して困った顔をする。
 「そろそろ集まってもらわないとなあ・・・会場の皆さん、
 まだ集まっていないチームメイトや知り合いがいたら声かけてください。
 あと、誰がどこにいる等の情報もあったら教えてください」
岡野がマイクで選手たちに呼びかける。自分のところの選手も、3名も抜けている。
 (本宮先生はともかく、川原たちはまたトラブル起こしそうで心配だな)
宿の外の悲痛な叫び声は、この賑やかな空間に届く事がなかった。

何名かが岡野の近くに寄り、自分達の持つ情報を交換し合う。
 「あのー、岡野先生。尾田先生が侍っぽい人たちにケンカ売ってるの見ました」
 「武井先生も見当たりません。キッシー(狐)放っておいて何をしてるやら」
 「カムイさんがスイカ男を連れて風呂に行くのを見ましたよ」
 「岡野先生ー!男湯や女湯の周囲で戦闘が起こってるみたいです!バリア機能が働いてます」
 「(そんなのあるのかここ)さっきの揺れってもしかして・・・」
 「先生!ちょっと前ですけどチョウチョの仮面被った変態が男湯に出没したそうです」
 「変態チームと一部の審判が逮捕されたってニュースで見ました」
 「審判といえば樋口先生どこ行っちゃったんだろうな〜」
 「キャノンボールの連中はいつになったら帰って来るやらねえ」

 「み、皆さん色々ありがとうございます・・・」
変な情報も混じっているが、ともかく提供はありがたかった。
しかし本当に、この時代の漫画家は騒動から逃れられない運命だなと。
岡野は苦笑いした。

 (・・・いつの間にか“元審判”って事でゴハンまで用意されちゃったよ、ゆき)
 (よいではないか。別にウソではなかろう、タダ飯は美味いぞミズキチ!)
渡辺道明惨死事件(※死んでない)から風呂を出た妖魔王使徒ふたりは、
実はここ松椿が慰労会会場とも知らず偶然骨休めに来ていたのだが、
自分達の周りがどっかで見た人たちばかりなのを不思議に思い、
ふらふらしているうちにいつの間にやら正式参加者扱いされている。
この辺、実にアバウトであった。だから蝶仮面にも入られる・・・。

357 :あいさつのじかん:04/02/09 09:56 ID:b4WOVCpl
他にも「ヒゲメイドが消えた」だの「キバヤシはどこだ」だの「宿内に水が充満」だの、
事細かい情報が入手できたもののやっぱり人が来ない事に変わりはない。
松江名が特製トレーニングマシンの整備を終えて宴会場にやって来た。
 「おや?広美君と和郎君が来ていないな。まだ走っているのかね、元気な事だ」
あごを指でさすりながら微笑む松江名。彼は弟子たちに起きた惨事を知らない。

 「しかし、数えると半分ぐらいしか集まっていないじゃないか。
 逮捕されて来れない馬鹿たちもいるし、待ってても仕方がないか・・・。
 とりあえず先に食べ始めるかな。仲間が気になるなら呼んで来てくれないか」
ため息混じりの岡野が幹事代わりに指示を出し、乾杯の準備が進む。
岡野がマイクのスイッチを入れ、乾杯の挨拶。
 『えー、未だ人数が揃っていませんが、
 ぼちぼち始めたいと思います。思えば私たち漫画家が、
 様々な勢力に分かれて小競り合いを始めるようになったのは・・・』
マイクとコップを持ちトークを始める岡野。
彼の挨拶はマジメなのはいいが、せっかちな漫画家達には少々かったるい。
本宮のアドリブ挨拶などわずか10秒そこそこで終わってしまったぐらいだ。
兼業教師らしく淡々と語る男の挨拶の、内容をきちんと聞いてる人が果たして何名いるか。
 『・・・会社、雑誌、師弟グループ、急造チーム、いろんな分派がありますが、
 どのような経緯で結成されたチームでも必ず何らかの絆というものが・・・』

 「キッシー、おなかすいタ?ミルクもらってきてあげるネ」
仔狐をひざの上であやしながらにっこり笑う夜麻。
 「みゆきちゃんボクにもだっこさせてぇ」隣で萩原が不満そうに肩をいやいやする。
彼の魔力が復活した時、果たして運命はどちらの方向になびくのか。
それは本人にさえわからない。

 『・・・思えば予選時は人数減らしとして敵チームの抹殺が許可されていました。
 これは来るべき乱世に対抗するための浄化作戦だったとでも言うのでしょうか?
 新時代を迎えるために流血は避けられないと時代の英雄は言うでしょう、
 しかし私は違うと思います。確かに血抜きは効果的でしょうが違う道とてあるはずで・・・』
岡野の声に熱がこもる。到底終わりそうになかった。嗚呼。

358 :ばとるのじかん:04/02/09 15:36 ID:b4WOVCpl
 「ふぬううううううううううううん!!!!」  宮下の圧倒たる氣が充満し温泉が一気に沸騰する。
 「うおりゃあああああああああああ!!!!」  本宮の野獣のような雄叫びが真っ向からぶつかる。

瞬間、蒸発する鉱泉。決して相容れない剛と剛の魂が、本物の熱量を帯びて今、
激突し弾けて二匹の昇竜になり天まで登った!巻き上がる光の渦が空の暗幕を引き裂く!!
 「死にさらせクソッタレ弟子がぁぁぁ〜〜〜〜!!!!」
 「その言葉そっくり返させていただこうかぁぁぁ!!!!」
本宮の左拳と、宮下の右掌底が、うねりを上げながら・・・・激突する!!


          “   カ    ッ   ”

  ボ グ ォ ォ ォ ォ ォ ―――――――――――――― ン ン ン !!!!!

2本の腕の先端が触れ合った瞬間、周りのお湯が一気に弾けて水蒸気爆発を起こした!!


 「うわ〜んカムイ先生〜!あんなのが闘ってたら、
 温泉入れないよぉ〜何とかしてくださいよぉ〜〜!!」
 「言うな松沢!俺たちは今歴史の証人なんだ!
 じっと2人の闘いを見守れ、というかお前が何とかしろ!」
腰掛けタオル一枚で泣きじゃくりカムイの鎧を引っ張る松沢。
カムイは正直早く帰りたい気分。安西の話も気になるし・・・。




 『・・・このように平和な未来設計図の作成は不可能ではないのです。
 この先何が起こるかわかりません、だからこそ有事の際に団結し、
 天災人災関係なく迅速な協力体制を取り漫画家という種の未来を守り・・・』
 (((あいさつ長っげェ――――――――――!!!!)))
誰か岡野を止めてくれ。ついでに風呂場のおふたりも。

359 :作者の都合により名無しです:04/02/09 18:47 ID:lV+QF2r/
 ああ、俺は嫌われてしまったのだろうか


そうなのだろう


天野の力で予想以上に飛ばされた彼は、土座衛門のように大海を漂っていた。
満天の星空と三日月が、憐れな男をほの暗く照らしていた。
憐れなる貞本は、なんとなく周りを見渡す。小さな島が見えた。


好きだったのになぁ


失意のまま、島に飛んだ。


 小島というより、海に出来た出っ張りという様相を呈する島である。
全長3メーターというところだろう。人二人がやっと座れるスペースしか存在しないと見られる。
奥の方に申し訳程度の木があった。貞本はそれを背に腰を下ろす。
一息つくと、急に体に寒気を覚えた。海水から放たれ大気に触れたからだろう。
「寒い……」
しかし、ほんのさっきまで暖かい温泉宿にいた男が今はこうして寒さに打ち震えているとは。なんと空しいことか。
「そこに誰かおるん?」
木の裏側から声がした。忘れはしない。あの日――鹿児島で温泉に浸かった日――以来、どんなときでも心の中に響き続けた声――。
「夕日子さん……?」



360 :作者の都合により名無しです:04/02/09 18:49 ID:lV+QF2r/
 「あ……ひ、久しぶり…ですね」
「そうじゃね」
ふたりは冷たい海に裸足を晒し、隣り合って座っていた。
思えば、貞本の心はおかしくなっていた。
好きだった女に三行半を突きつけられ、肉体的にも精神的にもすっかりまいっていた彼は、否応なく夕日子に惹かれた。
「星がすごく綺麗……」
夕日子がそう呟いた刹那、貞本の理性というべきものがはちきれた。
両手で夕日子の顔をゆったりと包む。
「かわいい……」

 その時、上空に巨大なモノが現れた(無論、ふたりが気付くことはない)。
「なんかつまんねーことやってるっす」
それは、ウッカリマン形態となった岩村だった。
「デスッ……デスタロッサァァ―――――!!!! おい岩村!! デスタロッサが海に落ちて――うわっ!!」
岩村の肩に鎮座している牧野は、「こりゃあマズイものを見た」と思った。
「お前こりゃあ見ちゃいけねえよ!! お前には良心ってモンがねえのか!?」
「男と男のアレ以外は興味ねーっす」
「いや、それはおまえがホモだから!! こりゃあ見ちゃならねーんだよ!! 俺の男としての、そう、仁義の心が叫ぶんだよ!!」
「でも、いがらし先生の命令っすし」

 「うふふふ……よもや”核”と関わりを結ぶとはねェ………面白いことになった……」
いがらしは、極上の歪んだ笑顔でその様子を眺めていた。



361 :作者の都合により名無しです:04/02/09 18:53 ID:b4WOVCpl
テスタロッサッス!
ウッカリマン懐かしいッス!

362 :作者の都合により名無しです:04/02/09 19:17 ID:qNrG3lj4
テスタロッサは泳げるから大丈夫だろ
ポプラ軍団もう1〜2人増やしてあることやりたいんだけどなぁ

あともしかして15部落ちた?

363 :作者の都合により名無しです:04/02/09 19:50 ID:b4WOVCpl
(´-`).。oO(15部・・・昼まで生きていたのに・・・後でうpしまふ)

364 :Love beer:04/02/09 20:15 ID:8Si5UgIH
「漫画ってやっぱ100巻ぐらいの長編目指すもんだと思わんか?」
ビールジョッキ片手に三浦健太郎は言った。
「思わん」
きっぱりと無表情で答える柴田ヨクサルも又同じく、ジョッキを片手に握っている。 
「じゃあ漫画の意義とはなんだ?」

「魂の燃焼だ」

店の中には他の客は居ない。
体のいたる個所に包帯が巻きつけられた傷だらけの男と、ごつい強面の戦士風の男が二人で酒を飲んでいるのだ。
自然客足は遠のく。
ところで何故全く別々の場所で闘っていたこの二人が一緒に酒を飲みつつ緩く漫画道を語っているのか?
特に複雑な理由は無い。
それぞれの闘いを終え、律儀にAブロックの控え室に戻っていたのだ。
当然、他の皆は別府に居り、そこはもぬけの殻。
まあ、ようするに置いて行かれたので酒でも飲んでまったりするか、というわけだ。
二人の対峙するテーブルの中央にはノートパソコンが置かれており、
そこにキャノンボールのレースのライブ中継が映っている。
酒を飲みつつレース観戦でもしていたのだろう。
「燃焼ねえ・・・俺は長編だと思うけどナー」
ヒック、とのどを鳴らし、だらしなく机に体重を預けるその姿には、黒き剣士の面影は無い。
次の試合は大丈夫なのか

「しかしあの板垣をなあ・・・」
「・・・・・・」
三浦は、ヨクサルの激戦の爪痕を濃く残す、ボロボロの体を見て、改めて嘆息した。
「何かやらかすかとは思ったが、全く、たいしたもんだよお前は・・・」
本心から賞賛しつつも、半ば呆れ気味の口調で三浦は言った。
「どうだった?板垣と闘って」



365 :Love beer:04/02/09 20:15 ID:8Si5UgIH
すっ・・・と、その言葉に一瞬ヨクサルの茫洋とした表情に熱が灯る。
「あいつは・・・違う・・」
ぼそりとヨクサルは呟いた。
「違う?」
「ああ、あいつは、なんていうか・・俺達とは別のトコから来たような・・そんな感じが・・・闘っていながら、俺のテンションまでおかしくなっていった」
淡々と語るヨクサルの拳は震えている。
気の高ぶりを抑えきれないかのように
ごくり、と三浦は唾を飲み込んだ。
「たまんねえなあ」
それからにやりと口の端に笑みを浮かべて言った。
「なあ、生きててよかったろ?」
「・・・・そうだな」
噛み締めるような声音でヨクサルは三浦の問いかけに頷いた。
「小学六年の時自殺を取り止めた柴田少年に感謝だな」
「じっ・・・ってお前・・・・!」
「?どうした?」
唐突なカミングアウトに絶句する三浦に、ヨクサルの心底不思議そうな視線が向けられる。
自分の発言が相手に与えた衝撃をまるで理解していないようだ。
そうだ、こいつはこういう奴だった・・・心中で一人ごちてから、三浦は深いため息をついた。
それから、ふと気になって、ヨクサルに尋ねた。
「なんで取りやめたんだ?」
「ん・・・・腹が減ったから?」
「疑問形かい」
きかなきゃよかった、心から三浦は思った。


366 :Love beer:04/02/09 20:16 ID:8Si5UgIH
「はあ・・・もういい・・」
どっと疲れたような表情で再びジョッキを傾け始めた三浦の様子などまるで気にもとめていないかのようにヨクサルは視線を窓の外にずらした。
空が、綺麗だった。
綺麗な空を見つめながら、ヨクサルは呟いた。
「無粋な今日明日もまだ面白ェ・・・・ホント、生きてて良かったよ」
この男には珍しい穏やかな表情だった。
その横顔を、不可思議な物を見る目つきで眺めながらも、こういうのも悪くは無いな、と三浦は思った。
「全てが終わった後、鷹の団の皆でこういう風に酒が飲みてえなあ・・・」
ゆっくりとジョッキを傾けながら、三浦はぽつりと言った。
返答を期待しての言葉ではなかった。
しかし、それはきっちり返って来た。
「ああ、そうだな」
短く、だが、しっかりとした声でヨクサルは言った。
その声の篤実さに、驚いてまじまじとヨクサルの茫洋とした横顔を見つめる。
「(何か、変わったか・・?)」
先ほど見せた穏やかな表情といい、どこか今目の前にいる男は、いつものヨクサルと違うような気がした。
その変化が、なんとなく心地よかった。
三浦はしばしヨクサルの横顔を眺めた後、ふっと微笑んだ。

静かで、穏やかな、つかの間の休息を、二人は存分に満喫していた。


367 :ゴッド・スピード・ユー:04/02/09 21:48 ID:EN8RcBlr
炎の河を突っ切る、鋼鉄の弾丸たち。
現在、依然として先頭集団に変化はない。
が、島本と曽田の2人は、自転車というハンデを背負っているため、最後尾だ。
しかし、“熱血”と“チャリバカ”の闘志に限界はない。
やがて、観衆は、この2人の凄まじい猛追を見ることになるだろう。

さて、それはそれとして。
その2人のさらに後方から、爆音と共に迫り来る集団があった。
どこからどう見ても、バリバリの暴走族だ。
だが、異様なことに、全員の特攻服が、血で赤く染まっていた。
顔はひきつり、何やら得体の知れない、凄味を見せている。
そう、まるで地獄の淵を覗いてきたような――。

??1「いいつらになったな、ぜんいん」
??2「ま たんしゃのりってのは、てめえのよこで、
    はしってたやつが、しんでくごとに、はしりにつやがでるっていうからな」
オープンカーを運転しながら、キセルを吹かす脱色した長髪の男と、
――“D☆CATI MONSTER 1000”
本気を出せば時速300キロを叩きだす怪物バイクにまたがった坊主頭の男が物騒な会話をしている。
??1「いいか、てきは“しょうがくかん”だけじゃねえぞ。
    “じゃんぷ”“まがじん”、じゃまするなら“あきた”もつぶせ」
??2「なんか、みたことあるやつもいるな」
??1「かんけいねえよ、ぜんぶ、てきだ」
長髪の男の冷徹な対応に、坊主頭の男が狂気に濡れた笑みを浮かべる。
100キロを遥かに超えるスピードの中で、坊主頭の男が、顔に走った傷を、カリッと引っ掻く。
??1「たのむぜ とっこうたいちょう。しぶいとこ、みせてくれ」
??2「おすっ! てめえら、おとこならよ! せんにち だらだらいきるより
    いっしゅんいちびょうに、せんにちぶんのいのち、きっちりもやしてみろや!!」
夜の狂騎士たちが、レースに波乱を呼ぼうとしていた。




368 :ゴッド・スピード・ユー:04/02/09 22:11 ID:EN8RcBlr
スピードこそ神!
スピードこそ命!
速いことは素晴らしい!
速いことは美しい!
スピード・イズ・ビューティフル!
ゴッド・スピード・ユー!!
ただし、スピードとは、速ければ速いほど、“死”に近くなる、諸刃の剣。
一番速い奴は、一番死に近い奴だ。
だからこそ、速度を手に入れた奴は、死神も恐れるくらい強くなる。
死神も恐れる怪物を駆って、最高速度で死に近付く。
そこには、どんな死闘が待つのか。

オンオンオン! パパラパラ! ワアアアアアア!!

爆発した溶岩のような勢いで、夜の騎士たちが、現れた。
たちまち、レース参加者たち全員が、スピードの檻に囲い込まれる。
梅澤「なんだ、こいつら!?」
皆川「どっから湧いてきたんだ?」
えなり「ああ、あれ見て、あれ!」
えなりが指差す先に、暴風になびく旗が見えた。

 
 『   暴 走 族 と は 死 ぬ こ と と 見 つ け た り

     
       “ 屍    弐    翔    賊  ”       
                                    』





369 :狂い月は人に優しくなく:04/02/10 02:19 ID:2IS6CPzP
宵の入り。狂い始めた月の光に、気づくものは少なく。
満月は月食のように欠け始め、外界から急速に灯りを減らす。
新しい闇の国の住人を歓迎するように。
この世とあの世の境目をなくすように。

さっきまでただ泣き叫んでいた女の声は。
次第に小さく弱々しくなり、同時に呪詛のうめきを唇から紡ぎ始める。
血の混じった風が、微かに言葉の切れ端を伝えてきた。

 「あいつはまた、ボクから大切な人たちを奪うのか」と。

状況から見て犯人は真鍋だと断定した、にわの。
転んだ際に全身に足元の血がまとわりついている。
宿の近くをトラックが駆け抜け、ヘッドライトが一瞬だけ“彼女”を照らす。
そこには深紅に染まる衣装を身に纏った、緑と亜麻色の髪の夜叉姫がいた。
今まさに・・・復讐鬼として闇へ踏み出そうとしていた。

 「何を狙ってる、にわの」
自分に背を向け宿から出ようとするのを察し、声をかける川原。
かけられた方は振り返らず、背中で“止めてくれるな”と訴える。
 「鬼の力なんぞに頼るのか」
華奢な背中は返事をためらう。
 「裏御伽副将の器はその程度か」
女のシルエットがピクリと硬直する。
 「信じられるのは己自身のみ。わけのわからん力は身を滅ぼす」
 「でも!!」
血塗れの夜叉が振り向く。その瞳と全身には奇妙な赤い気の光・・・オーラ。
本来のオーラは紫色。平静の青と、怒りの赤。バランスが崩れているのだ。
 「でも・・・なんだ?」

 「・・・どうしても行くなっていうんなら、ボクは『キミ』を倒してでも先に進むからっ!」
 「・・・無理だな。どう見ても今のあんたは普段より・・・弱い」赤い光が、揺れる。

370 :深く静かに闘いは始まる:04/02/10 02:19 ID:k5fApyGv
井上「身の程を知らない庶民出の若僧に、世の広さってのを教えてやろう」
尾田「黄金期作家だとか、そういう“思い出話”はアルバムにでもしまっときな。
   過去にどれ程の実績があったか知らねェが、俺とお前は今まで、会った事がねェんだからよ」
井上「口先だけは切れるな」
尾田「そりゃどうも、赤猿」
交差させた2刀で、井上の上段斬りを受け止める。激しい鍔迫り合い。
井上「何分持つかだ」
尾田「お前がな」
次の瞬間、井上が地を這うように旋回した。真下から剣先が跳ね上がってくる。
それを受け止めるや、すかさず次の一撃、その次の一撃が、矢次ぎ早に飛んでくる。
ひとつひとつの斬撃に恐ろしいほどの剛力が秘められている。
尾田「(ただのバカ力一辺倒の剛剣じゃねえ! 伸びてくる上に柔らかい!)」
数合で井上の技量を把握した尾田が、気を引き締める。この敵は、手強い。
横薙ぎを、後方に回転して躱し、距離をとった。三本目を、口にくわえる。
井上「!」
尾田「“鬼”」
井上「!?」
尾田「“斬り”!!!!」
2刀を交差させた状態から、両腕を開く力を使った斬撃。それに口の一刀がくわわる。
当たれば、大抵の人間を吹っ飛ばす尾田の剣技に、井上のバランスが崩れた。
防御の上からでも、なお威力がある。
のけぞった井上の頭上で、尾田が三刀を振りかぶった。



371 :狂い月は人に優しくなく:04/02/10 02:20 ID:2IS6CPzP
 「やってみなきゃわかんないよ」
鬼姫と化したにわのが川原を冷たい色の瞳で凝視する。
 「早くいつもの馬鹿野郎に戻るんだな。似合わねえし」
睨む視線を受けて川原が茶化す。
踏み固められた土の道を足音を立てずに移動し、距離を一定に保ちつつ向き合う双方。
気がつくと2人はそれぞれの柔術流派独特の立ち姿勢を取っていた。
それでも川原は本気ではない。彼が本気になれば――― いや、成り得ない。
 「・・・“組討”の時は即座に断ってきたくせにな」
 「それとこれとは別だ!行くぞおっ!」前置きなしににわのの右ハイキックが飛ぶ。
川原は左腕で咄嗟にガードを入れるが、蹴り足はガードの10センチ近く上を通過する。
フェイントか―――川原が次の攻撃に備えた姿勢を取るのと同時に、
にわのの左空中ローリングソバットが川原の首根っこに決まる。陣内流柔術≪巻雲≫。
勢いを殺され威力が半減・・・しかし。
 「くっ・・・ ?」鬼酒の呪いか、膂力が何倍にも増加した鬼女の蹴り技は、
砂鉄を大量に詰め込んだ袋をぶつけられたかのように重く、鋭い。
何度も食らってはいけない。瞬時に判断した川原は、
続くにわのの連続パンチを、腕を払う要領でいなし、受け流す。
何発目かの攻撃が外れた後、にわのが叫ぶ。
 「そこだぁーー!」川原の右脇、ほんのわずかな隙。
中指の第一関節を握り込んだ親指で持ち上げ尖らす特殊な握り拳“鉄菱”を叩き込む―――

 「わざとだよ」後方に数センチの距離でステップし直撃を避ける川原、
そのまま懐に飛び込んできた右腕関節を取る。「なっ!?」瞬間、にわのが空に舞った。
関節の靭帯部分を綺麗に外した背負い投げ。陸奥の業など、必要ない。
背中を地面にしたたか打ちつけられるにわの。ぐはっと苦しい息を吐き出す。
そこへ、顔面に振り下ろされるまっすぐな拳。「!!!」にわのは思わず目を瞑った。

数秒後。にわのが片目を開けると、そこに拳はなく瞬く星空が見えるのみ。
飛び起き見渡すと川原の背中と振り向いた顔。修羅と呼ばれる男は、苦笑しながら言う。
 「お前さんは早く酒を抜ききれ。守れるものも守れなくなる・・・ぜ」
修羅は手を振り闇の彼方に消える。
後には悔しさに涙する女がひとり残された。

372 :作者の都合により名無しです:04/02/10 02:20 ID:2IS6CPzP
ありゃ(´・`)

373 :深く静かに闘いは始まる:04/02/10 02:21 ID:k5fApyGv
尾田「“虎”」
井上「!!」
尾田「“狩り”!!!!」
派手に、地面に叩きつけられた。着地した尾田が、荒く息をつく。
井上「ははは、庶民にしてはやるな!」
必殺剣の連続攻撃をしのいでのけた井上に、尾田は舌打ちした。
尾田「でけェ口叩くだけはあるよな、これだけ手応え感じて立ち上がられるってのも初めての経験だよ」
井上「そりゃあそうだろう。…俺とお前は、今まで会った事がねェんだからな」
尾田「…………へ……!!」
井上「この“一の太刀”で引導をわたしてやろう」
再び上段に構える井上と、三刀を構えて迎え撃つ準備をする尾田。
両者の間で、目に見えぬ磁場がはりつめ始める。
2人が、同時に地を蹴ろうとした、そのとき!
「「!!」」
ふいの風きり音に反応したのも、また2人同時だった。
正面への踏み込みを咄嗟に切り返し、それぞれ別の方向に飛び退く。
一秒前まで2人が立っていた場所に、数本の大きなトゲのようなものが突きたった。
??「しくじっちゃったね。でも、どちらも俺の敵じゃない」
「「なんだ、お前は!?」」
尾田と井上が、異口同音に叫んだ。
“誰だ”ではなく“なんだ”と問われたことは、ある意味、当然であった。
胸元から股間付近まで、大きく胸ぐりの開いた、派手な色のパーティー服。
どこぞのエセファンタジーに出てくるロクデナシ王子でさえ、ギャグでも着ないようなデザインだ。
それにくわえて、怪しさ満点の蝶々マスク。もはや仮想の域に達している。
しかし、変態を見た驚きとは別に、2人は驚異を感じていた。
男が発する、得体の知れない、ドス黒い闘気に。
再会を神に感謝するように、男は言った。
??「やあ、久しぶりだ、井上さん、そして尾田くん」


374 :深く静かに闘いは始まる:04/02/10 02:23 ID:k5fApyGv
尾田「? 俺はお前なんか知らねえぞ」
井上「俺もだ」
その反応は予想していたとでも言いたげに、蝶々仮面が笑った。
??「おやおや、冷たい人達だね。特に、尾田くん」
尾田「なに言ってんのか分かんねえが……攻撃してきたってことは敵だな、てめえ?」
??「……だとしたら?」
言い終わるのを待たずに、尾田が跳躍していた。
尾田「虎狩り!!」
必殺を誇る尾田の剣技。それはしかし、蝶々仮面の頭上にかざされた手一本で、あっさりと受け止められた。
尾田に動揺がはしった。自慢の技を軽々と受け止められたからではない。
その受け止めたものの正体を、見たからだ。
尾田「これは…… 核   鉄 !?」
??「これで奇襲の分はチャラかな? いざ!!」

  「 武   装   錬   金 」

刹那、尾田の右肩が切り裂かれ、鮮血を噴いた。
尾田「ぐっ!!」
井上「尋常ならない、この速さと切れ味! これは――」
それは、鍔も柄もない剥き身の日本刀のような形状をしていた。
本来なら拵えのある部分には、なにか紐のようなものが伸びている。
刀を振りかぶった蝶々仮面が、凄まじい連続攻撃を繰り出す。
尾田は、一連の攻撃を、切っ先だけに集中することで、なんとか槍で凌ぎきる。
この武装錬金の発動する速さ、そして凄絶の一言につきる剣術。まさか――
尾田の胸を、不吉な悪寒がかすめる。
??「腕を上げたな、尾田君」
尾田「そんなバカな……俺は夢でも見てるのか!?」
??「そんなものより、もっと深刻な事態さ♥」
期待通りの反応が返ってきたことが嬉しいのか、蝶々仮面が怖気をしたたらせて笑う。
??「グッドイーブニング、我が愛弟子君♥」



375 :深く静かに闘いは始まる:04/02/10 02:24 ID:k5fApyGv
尾田「うそだああああ!!」
あり得ない出来事に遭遇し、尾田が絶叫した。
胸に手をあて、武装錬金を発動させる。
尾田「これは何かの間違いだ! あってたまるか! 俺は…信じねえぞ!!」
目の前の光景を否定するように、気炎を吐く。
槍の刀身に、飾り布を巻きつける。槍と、槍を持った尾田自身が、雷のようなエネルギーに包まれ、発光した。
尾田「エネルギー全開!! サンライトクラッシャー!!」
巨大な光弾と化した尾田が、一直線に和月めがけて、突進した。
迎え撃つ和月が、感嘆したようにつぶやいた。
尾田「布の部分は生体エネルギーを物質化。それを攻撃に転化できるのが、その突撃槍の特性!
  教えてもいないのに、よくぞそこまで体得したものだ…………だ が !!」
和月が日本刀を正眼に構え、槍の切っ先を受け止めた。
止められただけではない。あれほど槍に漲っていたエネルギーが、見る間に消滅していくのだ。
尾田「(!? エネルギーが…消える!?)」
和月の日本刀から伸びた紐から、放電するようにエネルギーが迸りでた。
和月「如何なる量のエネルギーも刀身から吸収し、下緒から放出する。
 これが武装錬金『ソ ー ド サ ム ラ イ X』の特性。
 俺にエネルギー系の攻撃は、一切通じない」
尾田「ぐ…」
和月「短期間で、ここまで武装錬金の使い方をマスターするとは、やはり君は天才だ。
   だが、武装錬金は元々、俺の能力。当然、君に教えていないことは山のようにある」
ショックを隠しきれない尾田。
信じられない、信じたくなかった。だが、どうしようもない現実!

尾田「ワヅキザァ――ン! オンドゥルルラギッタンディスカ――――ッッ!!!!」


376 :作者の都合により名無しです:04/02/10 02:30 ID:k5fApyGv
ヤバい、上のレス。台詞の前の名前を、ひとつ間違えた。

×尾田「布の部分は生体エネルギーを物質化〜〜」
○和月「布の部分は生体エネルギーを物質化〜〜」

377 :作者の都合により名無しです:04/02/10 02:32 ID:2IS6CPzP
オンドゥルー(ノ∀`)!!

378 :作者の都合により名無しです:04/02/10 04:03 ID:J072gOSQ
>「男と男のアレ以外は興味ねーっす」
安心汁
ああ見えて、実はしっかり「男と男のアレ」だw

(´-`).о〇(そういや尾田って武装錬金使えたんだよな…)

379 :作者の都合により名無しです:04/02/10 06:57 ID:UKmS/7pC
オンドゥルキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!

吹いた・・・あああ、モニタが・・・・_| ̄|○

380 :怪奇!一発芸大会in別府:04/02/10 09:10 ID:2IS6CPzP
岡野 『(くどくどくどくど)今回の交流会に至るまで様々な経緯が(くどくどくど)』
巻来 「だめだ!俺にはもう耐えられない」
草場 「腹減ったわ〜」
許斐 「まだまだだね・・・」
伯林 「もう食べちゃいましょうよ!」
真倉 「そーしろそーしろ、あれは俺にも止められねえ」
松島 「ケッ」
佐渡川「いっただきまーす」
橋口 「パンはないのかパンは」
鈴木 「そういえば藤井と旭はどこ行った?」
施川 「お風呂出てからわかりません〜」
安永 「わはは、宴会じゃのー!宴会といえば一発芸!誰ぞかましてくださらんかの」
岡村 「出たな怪人グリコーゲンX・・・」
木葉 「いやだね」
衛藤 「ボクちょっと体調が・・・」
岡野 『(くどくどくどくど)』
河合 「なんとか回復が宴会に間に合いました」
城平 「(出番がないなあ)」
福本 「この手のものは最初の勢いが肝心っ・・・!」
ゆで 「(おもむろに立ち上がり)一番!ゆでたまご!ドブ川を清流に変えます!!」
雷句 「なんと!ゆで殿!」
安西 「おー勝手にやれやれー」
椎名 「何投げやりな野次を。おまえもやるんだよ!」
森田 「その前にドブ川がねえぞ先生ー!」
ゆで 「ならばそこの温泉を真水に変えてやるまで!!」
桂  「アホですかあんた・・・」
澤井 「(・・・・・・・・誰なの!?)」
ゆで 「行くぞ!食らえフェイスフラーーーッシュ!!」
乙  「やめてくださーーい!!」
岡野 『(くどくどくどくど)』

こうしてアホな一発芸大会が始まったのであった。

381 :怪奇!一発芸大会in別府:04/02/10 09:25 ID:2IS6CPzP
安西 「・・・2番!安西信行、一世一代の芸を見せてやるぜ!!」

安西はどこからかバケツほどもある大きなスイカを取り出し、
片手で空中に放り――――獣の槍・一閃!!

スパスパスパーーー!!
ぼとぼとぼとーーーー!!

一口大に斬られたスイカが畳の上に散乱する!

 「秘技!スイカの曲芸斬りだーーー!!」


森田 「どアホぉ!スイカの下にビニールぐらい敷いておかんかい!」
橋口 「食事の最初にデザートを出すとは非常識だ!減点5!!」
安西 「審査されてるーーー!!(ガーン)」

椎名 「別のネタでリベンジしてろバカ。はい次じゃ次ー!」

382 :怪奇!一発芸大会in別府:04/02/10 09:37 ID:k5fApyGv
ここでギャグには厳しい男が、立ち上がった。

     「 ザ  ケ  ル   !! 」

岡野「びごおっ!」
いきなりの雷撃を喰らい、岡野が黒焦げになって昏倒した。
真倉「なんだァ――――ッ!?」

 ゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴン

そのときから、会場は恐怖に支配された。
さっきまで岡野が立っていた場所に現れた、巨大な玉座。
凄まじい勢いで回転する、それに世紀末覇王のごとく座するのは、異形の怪物。
まぶたのない白眼、唇のない口。
包帯で身体中を覆われ、太い釘をそこらじゅうに刺し、頭部はなんかエジプトのファラオがかぶってる頭飾りを数倍ハデにしたような。

「ああああああああああああああああああああああああ!!」
「わぁああああああああああああああああああああああ!!」

恐慌状態に陥る、各チームの面々。そんな中、怪物は宣言する。椅子の回転が止まる。

雷句『私の名前は、『リック・E・O』。とっても強い漫画家です。
 一発芸には審査員が必要です。私がそれをやりましょう』
澤井「お、おもしろいじゃないか! 俺をギャグ漫画家と知って、そんなこと言ってるんだな?」
真倉「よし、一発かましてやれよ!」
雷句『ただし、つまらなかったら、 殺   す !!』

「「わあああああああああああああああああああああああ!!」」


383 :作者の都合により名無しです:04/02/10 09:39 ID:2IS6CPzP
いきなり閣下キターヾ(゚Д゚)ノ゛ケケケー!!

384 :リック閣下のお言葉:04/02/10 09:48 ID:k5fApyGv
以後の一発芸は、全て私が採点する!
面白ければ、褒美をあげましょう。
つまらなかったら、殺   す !!
一行レス形式で進行していくので、普段ネタを書かない人も、気軽に参加してみたまえ。

 そ  れ  で  は  再  開
  ↓   ↓   ↓   ↓

385 :作者の都合により名無しです:04/02/10 10:29 ID:li4DZIQx
嫌な沈黙が満ちた。
閣下が場を支配したからでもあり
状況を打破しようと現れた勇者が実は邪神であったからでもある。
「…3番!無理矢理帰ってきた木多康昭!!」
場内が、沈黙と冷や汗に満ちた。

「吉六会奥義 奈 良 づ く し !!」

「ああああああああああああああああああああああああ!!」
「わぁああああああああああああああああああああああ!!」


386 :怪奇!一発芸大会in別府:04/02/10 10:41 ID:2IS6CPzP
          / ̄ ̄ヽ
        ,-‐!‐‐-、  |
       / 澤井 \ .|
      /   ,-、 ,-、 ヽ |
      |  l (_i lーi   | |    「4番澤井啓夫!俺も参戦させていただく!」
     /`i  `-' `-'  |`i  |
    l |   i''二ニ`i   | | |
    丶 ヽ  `ー―'  ./ ./ .lXl
     卜 ヽ       / ,イ   し
      | ヽ ヽ     / / |        /l
      |  ヽ ヽ  / /  |     ノー' `フ
      |___( ヽ/ )__|     )  ガ (
     |  | .`^^`^^. |  |       )   ッ (
     |!!!!|      |!!!!|      γ⌒^
    / `)      ('  \
    `-' ̄        ̄`-' 
          / ̄ ̄ヽ
         ,-‐!‐‐-、  |
        / 澤井 \ .| 
       /   ,-、 ,-、 ヽ |
       |  l (_i lーi   | |   「 サ ー ビ ス 」
     /´|.  `-' `-'  .|ヽ |
     / |    i''二ニ`i   | ヽlXl
    / ,|.   `ー―'   .| ヽ
    (  ,-―^^^――^^^―-、 .)
      `( .  l`^^'■■`^^l   )'  バッ
      \./  /■■  ヽ,/
    (( /  /ー-―ヽ ヽ ))    
       |  |       .|  |    ギャラリー「 木 多 と 似 た り 寄 っ た り じ ゃ ね ー か ! ! 」
      |!!!!|      |!!!!|
     / `)      ('  \
     `-' ̄        ̄`-'

387 :怪奇!一発芸大会in別府:04/02/10 13:55 ID:2IS6CPzP
真倉 「岡野〜死ぬなよ、俺まで成仏でにゃならんからなー」
岡野 「(死体)」

リック閣下の判定を待つ木多、彼と同じく留置所から脱走し、
ちゃっかり開いてる膳の前に座りメシ食ってる古谷。
彼が便所に行こうと立ち上がった時、同時に腰を上げた男がいた。
“狂犬”鈴木ダイ。右手の変形巨大バタフライナイフは出していない。
チームリーダーゆえキャラを抑えていたが、もう負けちゃったし、関係ない。
基本的に人死にイベント好きだし。

鈴木 「5番、鈴木ダイ。・・・見てな」
どこからか取り出した2丁のサブマシンガン。銃口が狙うは―――棒立ちの古谷。

 ババババババババババ!!
 ダダダダダダダダダダ!!
 PATATATATATATATATATATA!!
 DungDungDungDungDungDung!!
 KRAK!KRAK!KRAK!KRAK!

マシンガン斉射、古谷の全身にクリティカルヒット!
蜂の巣になりながら激しく、男はへたくそなタップダンスを踊る。
乱れたステップを取りながら、痙攣するように前後左右に激しく揺れる肉体。
 “ドサッ” やがて力尽き倒れ伏し、スイカの液と血が混じり凄絶な赤い沁みが畳の模様となる!
それはまるで蝶々が雄大な羽を広げたかのように―――


鈴木 「これぞ『かま○たちの夜』名物! マ シ ン ガ ン ダ ン ス だぁーーー!!」

一同 「「まだスタンガンダンスの方がマシだぁ―――――――――!!!!」」


木葉 「(チ、先を越されたか)」  まだまだいくよ〜?

388 :リック閣下の判定vol.1:04/02/10 14:30 ID:k5fApyGv
5人目の時点で、閣下が動いた。
固唾を飲んで見守る大多数の者たち。
そして、自身満々で採点を待つ、出場者たち。
さて、判定は?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

リック『素晴らしい。私は大変、満足です』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?

あまりにも意外な反応に、多くの者たちは神の奇跡を目の当たりにした気分になった。
一方、出場者たちは、当然とばかりに胸を張る。
しかし、閣下のお言葉には、続きがあった。

リック『私もやってもいいですか?』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え…

気まずい沈黙が流れたが、ここは頷く以外の選択肢などあるはずもなかった。

リック『ガ ン ズ ・ ゴ ウ ・ リ ュ ウ ガ 』

閣下の美肩から撃ち出された無数の光弾が、木多・澤井・鈴木ダイの3人を、残らずミンチにした。
会場の畳みには、美しい蝶たちが、乱舞していた。

NEXT!

389 :作者の都合により名無しです:04/02/10 15:35 ID:2IS6CPzP
ヽ('A`)ノ鈴木ダイ自爆かー!
よし次の犠牲者は誰だw

390 :怪奇! 一発芸大会in別府:04/02/10 16:16 ID:XStoYubG
 『さて、次は誰ですか?』
再び場は沈黙に包まれた。そりゃあ、誰も好き好んで死にたくはねえ。
「おーらに任せるっぺーーーーっ!!!!」
部屋の障子を突き破り侵入してきた農夫風の男。その名は――。
「6番! やまもとかず」
『デ  ィ  オ  ガ  ・  リ  ュ  ウ  ス  ド  ン  』
名乗る暇もなく、閣下の口から発射された光線で憐れ消し墨にされたやまもとかず。
閣下は類稀な速度でその男を量った。ネタを見るまでもなく――結論・カス。
誰ともなく呟いた、
「あいつは……誰だ??」

次!!

391 :怪奇!一発芸大会in別府:04/02/10 16:31 ID:2IS6CPzP
ガタガタガタ・・・
乱入者も滅され、すっかり縮み上がってしまった宴会場メンツ。
芸を見せるにも作戦が必要、うかつなネタは身を滅ぼす。
しかも面白くないと即座に細胞レベルまで破壊されかねない。
一同は企画者の安永を骨の髄まで怨む事に決めた。
肝心の男は・・・カラオケの用意をしていた。そして。

安永 「7番!安永航一郎!歌います!『 ガ メ ラ メ ド レ ー 』!!」
命知らずの出陣。

  ・・・・行くぞ空飛ぶ すごい亀 でかいぞ 身長60メートル おもいぞ 体重80トン
  怪獣仲間の大王者 ぼくらの味方 その名はガメラ ガメラ ガメラ ぼくらのガメラ・・・・

安永 「♪月光やぶる殺人音波〜マッハ怪獣いつでも来い!光ったよけたぞゴー!ゴー!ゴー!」

閣下の様子がおかしい。明らかにそわそわしている。
実はリックは知る人ぞ知る≪特撮マニア≫。
見るからにウキウキし出し、気づくと安永は閣下の椅子の隣で歌っている。
・・・さては、知っていた?さすが火星人刑事、情報網は侮れない。
安永 「さーーリック様、共に歌いましょうぞー!わーははは」
閣下 「歌いましょう!」マイク装備、サラウンド怪音波発生。

2人 「「♪つよいぞガメラ! つよいぞガメラ! つよいぞガ・メ・ラ〜〜♪」」
異様に音がでかい。しかもクソ音痴。ジャイ○ンが2人出現したかのような恐怖!

 ミシッ・・・ みしみし・・・

真倉 「なんだあ?建物から変な音がするぞ」
乙  「きょ、共振波です!!怪音波ならぬ壊音波です!!」
渡辺(保裕)「試合中止だー!!誰かこの馬鹿どもを止めろぉーー!!」
一同 「「無理!!」」
衛藤 「すごい魔法だー!次の人、一発でかいのかまして歌を止めてくれー!!」

392 :作者の都合により名無しです:04/02/10 16:58 ID:woXvhTDb
「……8番、河下水希……、ぬ、ぬぬ脱ぎますっ!!だから歌をやめてくださぁい!!」 なんだって―――!!?

393 :作者の都合により名無しです:04/02/10 19:15 ID:SfxRQBTq
「そんな事する必要ないぜ、お嬢ちゃん。」
どことなく男前な金田一が河下が服を脱ぐのを止める。
「9番、金田一連十郎。一気飲みします。」
とことこ・・・金田一が安永と閣下に近づいていく。そして・・・

バフッ!
2人を飲みました。
「げふっ!お腹いっぱい。」

394 :激闘!ゆで将軍!!:04/02/10 20:02 ID:mfG04YIK
小畑(だ……駄目だ……、もう力が入らない……。)
目が霞んでいく、小畑の目の前で佐々木は短刀をゆっくりと構えた。
佐々木「言ったはずだ。俺の『直視の魔眼』は全てを切り裂く。大人しく死ね。」
ナイフが振り下ろされる……。これで終わって……。手の全ての力をこめ動こうとするが、
全てはもう終わり……。そう思ったその瞬間であった。
突如、何者かが二人の間に割ってはいる。
??「ふっ……この程度で全てを砕くとは笑止。」
佐々木「ジャンプ黄金五聖人の一人……車田正美か……言っておくが、
      そのような鎧で俺の『直視の魔眼』を防げると思うな。」
車田「良いだろう!ならばこの技を受けてみよ!」

      ペ ガ サ ス 流 星 拳 !

捕まれた、藤崎の姿が急に消えた。
??「悪いが、読ませてもらった……何故貴様ほどの男が矢吹などにつく!!」
ゆで「全ては恩に報いる為……。邪魔をするなら貴様も倒す!!荒木飛呂彦!!!」
そう言って、ハリケーン・ミキサーの体勢に入ろうとするが、体が動かない。
荒木「言ったはずだ……『読ませてもらった』と、ついでに”荒木飛呂彦を攻撃できない”と『書いて』おいた。」
そう言われ、ゆでが自らの肩を見る。そこはまるで本のようにめくれており、
そこの一部に、きっちりと”荒木飛呂彦を攻撃できない”と書いてあった。
荒木「しばらくは、そこで大人しくしてろ。」
ゆで「フッフッフッ………荒木よ!貴様のミスは私を一撃で倒さなかった事だ!!」
荒木「何ッ!」
ゆで「まず最初に言っておこう!!私と貴様では『覚悟』に差があると言う事を!!」
そう言うとゆでは荒木に書かれたページを切り裂いた!!
ゆで「これで貴様を攻撃できない理由はなくなった……覚悟すると良い!!」

395 :怪奇!一発芸大会in別府:04/02/10 20:11 ID:2IS6CPzP
 「おお!」「神!」「いや女神様!!」やんややんやの大喝采。
 「まーまーまー」ぬいぐるみのような腕を振って歓声に応える金田一。
こーして平和なひと時を迎え、ようやっと料理に箸が伸ばされ―――

謎の声 『10番、にわのまことβ!お邪魔させていただきます』
機械っぽい声に一同が振り向くと、幹事さんことにわのが、
いつものモモマスクとなぜか黒タキシードにマント姿で立っていた。ちなみに男。

岡村 「おいおい、いつの間にか元に戻ってるぞ?よかったなー」
森田 「元に?あー顔じゅう巻いてた包帯が取れたのか」
岡村 「え?・・・いやーえーっと色々ありましてこれがゴホゴホ」
にわのβ『いえ、ボクは桜島港で看板持ってたコピーロボットです。
  役目を終えたのでこっちに飛んできました。なのでにわのβです』
技来 「やけに真面目な印象だな・・・」
にわのβ『本体が風邪引きでデータ引継ぎに失敗しましたので』
真倉 「いっその事、本人と入れ替わっちまえ。正直歓迎するぜ(笑)」
浅野 「・・・芸やるならとっととやれよオイ」

それでは・・・と取り出すシルクハット。
にわのβ『なんでも出し入れ可能な超時空シャッポでございます。
  リクエストがあったものを何でも取り出させていただきます』
椎名 「なんでもいいのかよー?なら美人で巨乳のねーちゃんひとり・・・」
裏御伽陣「「それだけはダメだーーー(絶対本体が来る)ーーーー!!!!」」
椎名 「なんでじゃー!?」
にわのβ『あのーすみません。どこか別の時空に繋がっちゃいました』
一同  「へ?」
              ゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴン

             シルクハットから雷句閣下と安永、無事に帰還!!!

一同  ((余計な事しやがってーーーー!!)) 地獄のループ・ザ・ループ!

396 :正体は企業秘密:04/02/10 20:23 ID:rbSEBBTr
>322
ドンッ!という鈍い衝撃音とともに、木城の一撃を食らった荒川は地面に叩きつけられた。
荒川「ぐはあっ!」
女性には似つかわしく無い苦痛の声をあげ、地面をのた打ち回る荒川にゆっくりと木城が歩いていく。
木城「終わりだ・・」
冷然とした、それゆえに一縷の躊躇すらないその一言に、荒川の背筋が凍りついた。
吉冨「くっ・・!」
銃による援護は効果無しと判断し、二人の元に駆け寄ろうとする吉冨。
その前に、ゆうきのグリフォンが立ちふさがる。
七月は未だサチュモドの巨体を攻めあぐねている。
そのことを理解した上で、荒川の恐怖感を煽るようにゆっくりとした動作で歩いていき、そして丁度荒川を睥睨する位置で止まった。
荒川「・・・・」
見上げる荒川の瞳には恐怖は無かった。
最後の瞬間まで諦めない。
強靭な意志を秘めた眼が語っていた。
その瞳を木城は美しいと思った。
だが、それもつかの間のこと。
木城「では、名残惜しいことですが死んでもらいましょうか、お嬢さん」
木城の凶手が荒川に迫る、その瞬間のことであった。

??「な〜っはっはっはっ ! !」

奇声が突如木城の研究室に鳴り響いた!


397 :作者の都合により名無しです:04/02/10 20:24 ID:rbSEBBTr
ゆうき「!?」
七月「!?」
木城「!?」
思わず驚愕の表情で奇声の発生地点を半数以上が振りかえる。
その隙に
荒川は膝のバネで一気に後に飛びあがり木城との間合いを開き
吉冨「間に合ったか・・」
ぼそっと呟いた吉冨もグリフィンの巨体をすり抜け、荒川と内藤の元へ駆け寄った。
木城「誰だ!?」
声の発生源――内藤の入っていたカプセルの上に佇む影に木城が叫ぶ。
それに応じるように影は高らかに名乗りを挙げる!

??「気の進まない依頼だが・・・」

       バ ッ !

??「友の頼みとあらば仕方無い」

       ザ シ ャ !

??「十六スレ目にして初登場」

       ズ ン !

「株式会社オタンコナス製作超特殊汎用パワードスーツ
    
      ド ッ コ イ ダ ー ! ! 
          
    美女の危機に颯爽と参上!!」



398 :怪奇! 一発芸大会in別府:04/02/10 20:28 ID:gwcYy99L
 『なにか酷い目に遭った気がしますが……』
余計なコトを……。その場にいたにわのβ以外の全員が「空気読め」と心の中で呟いた。
『続けましょう。次はどなたですか?』
「はひ閣下! 11番、天野こずえと冬目さん!!」
「えっ!? 何故私と……?」
それは早業だった。抵抗する間を与えずに、天野は自らの唇を冬目のそれに押し当てた。
『……私もやってみたいな』
観客達は驚く間も無く、閣下の接吻のお相手を誰がこなすのか戦々恐々とすることとなったのである。

399 :怪奇!一発芸大会in別府:04/02/10 20:49 ID:2IS6CPzP

 ジャンケンだ!!

 公正を期すためにジャンケンで決めるのだ!!

生贄・・・もといリック閣下のお相手探し。
オーラス恋人選びです(古い)。
まずは人数減らし。数が多い順抜け。
5回のジャンケンで絞られた人数は6名。

椎名 「うあぁぁ〜ついてねーよぉー!」

森  「帰りたくなってきたよ、シズヤ・・・」

衛藤 「こーゆーのは渡辺(道明)さんの役割でしょーにぃ」

ゆで 「へのつっぱりはいらんですよ」

富沢 「・・・・来ると思った!!」

小林 「なんでこうなるのじゃ?」


6人いっせいにジャンケンスタート!果たして犠牲者の栄冠は誰の手に!?

400 :怪奇! 一発芸大会in別府:04/02/10 21:09 ID:gwcYy99L
宴会とはとても思えない地味〜な勝負、最初の勝ち抜けは森であった。
「ああ……まだ生き永らえることが出来るのか………よかった」
椎名 (キャラ的に俺になりそうだぁぁ……!!)
衛藤 (いざとなったら不思議空間へ……!)
ゆで (………アメリカのせいだ。BSEのせいだ!!)
富沢 (おれか? おれなのか??)
小林 (次は勝つぶぁい!)
そして、第二戦――。

401 :作者の都合により名無しです:04/02/10 21:11 ID:2IS6CPzP
小林ゆきだってば(ノ∀`)

402 :怪奇! 一発芸大会in別府:04/02/10 21:36 ID:gwcYy99L
>>401
ごめんw次の人は修正してくれい。

403 :作者の都合により名無しです:04/02/10 22:40 ID:k5fApyGv
このままなし崩し的に復活させて乱入させちまえ、とか言ってみる

404 :戦慄!ゆで将軍!:04/02/10 23:24 ID:k5fApyGv
車田「 ペ ガ サ ス 流 星 拳 ! 」

車田が放った、マッハを遥かに超える拳の嵐。
しかし、それらの拳は、全て見えない障壁によって弾かれた。
車田「なに? 奴と俺の間に、目に見えない気流のようなものが…」
佐々木「どうした、俺には掠り傷ひとつついてないぜ、五聖人さん」
今、佐々木が使った能力の名は、空想具現化(マーブル・ファンタズム)。
佐々木が想い描いた存在を、具現化させる能力である。
この能力は、直接生命あるものに干渉することは不可能なものの、それ以外であれば、
物質だけでなく、質量のないエネルギー体のようなものでも具現化できるため、非常に汎用性が広い。
例えば、この場合は、高圧の空気の層を具現化し、障壁に利用したのだ。
車田「フッ…だがその程度で思い上がるのは、笑止というものだ。受けてみよ!」
佐々木「なにィ!?」

車田「 ラ イ ト ニ ン グ ・ プ ラ ズ マ !! 」

  バ ア ア ア ア ン !

佐々木「ぐぎゃあああああ――――――ッッ!」
銀河の星々が瞬いたように見えた瞬間、佐々木の全身を数億の煌めきが切り裂いた。
一瞬でズタズタになった佐々木が、地面に激突した。
車田「フッ…空気の壁でガードなど、かつて俺は同じ作品内で2度も描いたネタだ。
   その程度の力で、ジャンプ五聖人が砕けるものか」
そう言い放った車田が、次の瞬間、目を見張った。
車田の視界には、自分自身の影にズルズルと沈みこんでいく、佐々木の姿があった。
佐々木『フフ…まいったな。やっぱ強いね、ジャンプ黄金世代は』
完全に佐々木の姿は消え、声だけが辺りに響いていた。
車田「フッ…なるほど、少しは使えるようだが…まだやるつもりか」
佐々木『いや、今回はさすがに退くとするよ。実を言うと、“次の命令”も受けているし。だが、ひとつ忠告しておくよ』
次第に、声と気配が遠ざかっていく。
佐々木『今の“将軍”には、たとえ何人かかっても勝てはしないだろう。君達には勝てない訳があるのさ』

405 :戦慄!ゆで将軍!:04/02/10 23:45 ID:k5fApyGv
車田「フッ…何をたわけたことを」
佐々木『すぐに分かる。まあ、せいぜい頑張るといいよ。無駄だと思うけどね。……じゃあ、また』
その言葉を最後に、佐々木の気配は、完全に消えた。
そして、もうひとつ消えたものがあった。
車田「な、なんだと!?」
ようやく、その事態に気づいた車田が、冷や汗を流して呻いた。
瀕死のはずの小畑の姿が、完全にその場から、消え失せていた。




406 :戦慄!ゆで将軍!:04/02/10 23:46 ID:k5fApyGv
荒木「いいや、『覚悟』するのは、俺と闘うお前の方だぜ」
スタープラチナ発動!
荒木「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!」
時速300キロに達するであろう、凄まじいラッシュが、ゆでの身体に叩きこまれた。
とてつもない、その威力は、たとえダイヤモンドといえども――!
ビシリ!
果たして、目論み通り、ゆでの鎧にヒビが入った。
ゆで「むぐっ! バカな、この硬度10を誇るダイヤモンドボディが!!」
荒木「『ダイヤモンドは砕けない』ってのは、俺の台詞だぜ」
不敵な笑みを浮かべ、荒木は言い放つ。
藤崎「あ…荒木先生」
荒木「藤崎、あと10秒ほど待ってくんねーか…今…この野郎をブチのめしてから、おめーを治してやっからよォー」
その台詞の直後、『ククク…』とくぐもった笑い声が聴こえた。ゆでが、笑っているのだ。
ゆで「荒木飛呂彦…わたしは今…『バカな』と言ったが、それは言い間違いで…
   正しくは『バカめ』と…言い直すよ。お前は今、『誰の』身体を傷つけたのかな?」
荒木「誰の…だと」
そのとき、荒木がハッとした顔をした。
ついさっき、ページと化し、ゆで自身の手で破り捨てられた肉体の一部。
そこから、見える、金髪の少年の顔は!
荒木「な、なにィ――――ッッ!? なぜ、小畑がそこに!!」
小畑「あ…あらき……せんせい……」
弱々しげに、ゆでの体内に取り込まれた小畑が呻く。
ゆで「クックク…小畑はすでに、私の身体にとりこまれちまってるのさ。
   もし、私の身体に攻撃すれば、小畑を傷つけることになる!
   スタンドは精神の攻撃だからな……
   小畑の防御力を超えて、死に至らしめる可能性は、十分にあ・る・か・も・なァ〜〜?」
荒木「て、てめェ……」
ゆで「ククク…だから『バカめ』と言ったのさ…わざわざ死にに来たバカが!」
呵々笑いするゆでの膝が、荒木の腹にブチ込まれ、荒木がハデに吹っ飛んだ。
荒木「ぐぶっ!」
ゆで「絶望ォォォ〜〜〜に身をよじれいィィッ、『バカめ』が!!」

407 :リベンジャー:04/02/11 01:50 ID:HesZddgH

 無理なもんか。
 無理なもんか。
 今のボクにはチカラがある。
 復讐してやるんだ。
 ちょっとだけでいいんだ。
 あいつをぶっ殺せるだけのチカラ。
 ボクにもっとチカラをおくれ。
 そして戦場に連れてってくれ。

血染めのセーラー服に身を包み、外灯のない闇の中を歩く女。
変化が未だ解けない――いや解こうとしないのか。女性化したにわのは、
ふらふらと頼りなく、川原の後を追おうと必死に足を動かしている。
しかし、自分が今どこでどうしているのかも、わからなくなってきた。
と、突然曲がり角から大型トラックが高速で飛び出し――
今朝の魚市場と同じように、轢かれてしまう。
違ったのは。
ぐしゃりと潰れたのは自分ではなく、トラックの前半分だと言う事。
自分の足は地面を踏みしめ、一歩も動かなかった事。
人外の、力。理屈を超えた鋼の肉体。

 「・・・川原せんせえ・・・。
 こぉんなチカラを持っててもぉ、ボクは弱いのですかあ?
 バケモノはぁ・・・。
 バケモノにしか殺せないんでしょお・・・?」

トラックの運転手が怪我を負って車内で伏せている。
にわのは無意識に中から引きずり出したが、
自分の行動は偽善なのか、それとも実は偽悪なのか。
人である事を捨てようと思ってる身で何やってんだろなあと。
悩んだ挙句に運転手を担ぎ、元来た道を戻って行った。

408 :リベンジャー:04/02/11 01:51 ID:HesZddgH

“それがお前の限界だ”どこかで誰かが哄った気がした。

人であることを捨てた人の末路は、終わりのない闇。
生と死の狭間に生きる現代の漫画家達は、光と闇の間を垣間見ている。
闇への入口は、すぐそこにある。ただ、一歩を踏み出すだけ。
たとえどんな理由でやってこようとも。
死と闇は新しい客を待ち続けている。

宿へ帰る途中の人家に、無理やり運転手を押しつけてきたにわの。
遠くからこちらへサイレンが近づくのを確認し、そっと人家を去る。
これから自分はどうしよう。本当に自分に敵討ちなどできないのだろうか。
思い悩んでいるところに、淡い光が音を立てずに近づいてくる。それは人魂のような――鬼の生首。
 「・・・・?」闇夜に浮かぶ生首は、テレパシーで何かを伝えてくる。

  ――呑みなさい 新たなる道を拓けてあげましょう 今こそ進化するのです――

抗う理由は、なかった。

にわのがコクリと頷くと、生首はふわりと彼女の手の中に収まる。
かつて梅澤が愛用していた、とっくり。
様々な干渉により得体の知れない力を得た妖(ばけもの)器物。
意志を持ったそれを口の上で傾け、にわのは狂ったように酒を浴び続けた。
とっくり内部の鬼麹亜空間――永遠の酒を満たした空間から誘われる、呪われた液体が全身に回る。
・・・・闇への一歩を、自分の足で、踏んだ。

鬼麹亜空間の持つ“真の意味”を彼女がテレパシーで知り、
“わけのわからん”力に安易に頼ってしまった自分の浅慮さを後悔した頃には既に。
身体が飢えに乾ききっていた。闇は貪欲で、常に他者を取り込もうとする。
そして闇は甘美でもある。耐えがたいほどの欲求。ある物で言えば、それは。

麻薬だ。

409 :リベンジャー:04/02/11 01:52 ID:HesZddgH
雷句への貢物を決めるジャンケン大会が続く宴会場。
そのお陰で一部の選手たちが、トイレだとか適当な理由で、
抜け出しに成功していた。ロビーの喫煙所で何名かタバコを吸っている。
ミンチになった選手も無事治療され、全身包帯でぐったりしている。
安西が岡村や巻来と共に奥のトイレに向かった。獣の槍は置いてきた。

用を済ませ、ひんやりと冷え込む廊下をスリッパで歩く安西。
自分よりちょっとだけ先に出た岡村たちが廊下の先に見当たらず、
(さては宴会場からフケるつもりか。俺もそうするかな)と、
廊下から宿の中庭へと続く引き戸を抜けて、大きく深呼吸をした。

 鬼気。 一瞬だが、安西は背筋に不快な風を感じた。

その風に乗って、誰かの話し声が聴こえた。若い男女の声だ。
こんなところでどこのカップルがいちゃついていやがるんだ・・・と、
風の向こう側、胸ほどの高さの垣根の先の闇を、目を凝らして見つめると。
そこには岡村と・・・血塗れで狂喜の瞳を湛えた女。まるで幽霊か何かのようで。

 (・・・さん、また飲んでんのか?おっかしいなあ、わからない場所に隠したのに・・・)
 (・・・っとね、見てほしいものがあるんだけど。このお酒なんだけどさぁ・・・)
 (・・・んだよ?何も入って・・・え?中に人がいる・・・うわ!何をす・・・)
 (・・・・ごめんね・・・ごめんねぇ・・・ボクには『強者のエキス』が必要なんだよ・・・)

その時!安西の目の前で岡村が、謎の女に後頭部を掴まれ、とっくりの中に押し込まれた!
 「!!!!」
瞬間、安西の髪が総毛立ち、同時に手には獣の槍が吸い込まれていた。
 「そこのテメェ!!今いったい何をしやがったんだ!答えろォ!!」
―――しかし飛び出した先には既に、人影は残されていなかった。
ただ、気持ちの悪い酒気が付近にたゆたっていた。

 「何だったんだ今のは。バケモノとも人間ともつかねえ半端な・・・しかしそれよりも」
謎の言葉『強者のエキス』とは?岡村の身に何が?安西にはわからなかった。

410 :忍び寄る、霧:04/02/11 07:43 ID:ISU4IOM6
「……冬目さん、こんなところに居たんですか」
背後からの声に、先ほどの感触が蘇る。
聞こえないよう小さな溜息を吐き、それから顔だけを半分振り返らせた。
「……怒ってますか?」
悪戯を見つけられた子供。いや、素直に謝りに来た子供だろうか?
肩を縮ませ、不安そうな上目遣い。
窓に顔を戻して、ひととき、自分の唇に指をあてる。
「……あのね、天野さん」
「はい。」
直立不動の気配。
「……どうして、私なの?……その。『あの時』居たのは、私だけじゃなかったでしょう?」
「え、そんな。私……冬目さん以外と人前でなんて絶対嫌です!」
返ってきた答えに、疑問符を浮かべ
「……?…………………あ。いや……そっちじゃなくて。ほら……お風呂で……」
そこまで言って、俯きあい、みるみる赤くなる。
暫し沈黙の帳が降りるが、そのままだと、嫌でも思い出してしまった『それ』が脳裏で映写され続ける。
追い払いうためにも、いつまでもこうしていては埒があかない。
「だ、だからね。どうして私だけがこんな……困ったことに……なってるのかな……と」
一発芸の後、席に戻って
「幸せにな」と、花嫁の父めいて金田一に言われた時
「あ、愛には、いろんな形があっていいと思うわ」と、留美子に目を合わせて貰えなかった時
「ピ〜ピピ〜」と、ペコちゃん人形の如く明後日を見た水野に口笛で誤魔化された時(古い)
こいつら首締めてやろうかと、普通に思った。
「……やっぱり、ご迷惑だったんですね」
天野の語尾の震えに、我に返る。
胸が痛んだ、自分達のしたことに比べれば、されたことは本来なにほどものでもないのだ。
しかし、これはいい機会でもある。
ここでキチンと言えば、わからない娘ではない筈だ。

見てはいても観ていない、窓から見下ろす港の景色が、海側から這い上る霧に徐々に浸食されていることに
『なるべく傷つけない言い方』を探す冬目は全く気付かなかった。

411 :作者の都合により名無しです:04/02/11 08:57 ID:y+bD5iqQ
強者のエキスキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!
霧もキター!

412 :怪奇!一発芸大会in別府:04/02/11 09:06 ID:ISU4IOM6
「つまんないネ」
はむはむと料理を頬張る荻原の口元を拭いながら、横目でちらりとジャンケンの様子をうかがう。
なにやらえらく盛り上がっているが、ネタに『大人向け(18禁とも言う)』なものが多い為
子供達は今ひとつ楽しめないでいた。
と、そこに妙に目つきとアゴの鋭い男が現れた。
「お嬢ちゃん達にはまだ少し難しいかもな。」
猪口から日本酒をあおる。
少しばかり酔っているらしいその男は、ふむ、と尖ったアゴに手を当てて。
「…よし、お嬢ちゃんたちにも楽しめる芸を見せてあげよう。」
そう言って、歯を横一列に並べた、無気味な笑いを見せた後立ち上がった。

「おい司会・・
 ジャンケンの間、場を繋いでやるっ・・
 12番、福本伸行・・・・・『焼き土下座』っ・・!」

  ざわ・・
         ざわ・・

413 :作者の都合により名無しです:04/02/11 09:42 ID:bej70ZuE
おっさんおっさん(笑)

414 :一発芸大会に密かな潜入者:04/02/11 12:19 ID:/raUhOGW
血と、人肉の焼ける臭いのたちこめる、密かに別の意味で修羅場となりつつある宴会場を、河下はひっそりと抜け出した。
河下「どうしよ……もう帰りたい(ガタガタ)。でも、ゆきを置いてくわけにはいかないし…」
いざとなれば、ゆきの能力で脱出できるとはいえ、そのタイミングが問題だった。
河下「ああ…困ったな……ん?」
頭を抱えようとした河下の耳に、不審な物音が聴こえてきた。
??「……せ………こ…ら……して……」
河下「??」
??「……だ…せ……ここ……ら……だして……」
物音は、河下がいる廊下の、布団の収納スペースから聴こえてくる。
河下が、おそるおそる、そのフスマを開けた。そこから現れたのは――!

河下「ゆ…ゆき!?」

なんとそれは、縄で縛り上げられ、猿ぐつわを噛まされた小林ゆきだった!
河下「え…え……なんで?」
ゆき「むぐーっ、むぐーーっ」
しかし、彼女は今、宴会場で恐怖のジャンケンの真っ最中のはず!
これは一体?
河下「じゃ……じゃあ、誰なの? 今、宴会場にいるのは?」

415 :還りし変態:04/02/11 19:47 ID:509aki2X
 「よっしゃらぁぁ―――――!!!!」
じゃんけんの最後の勝負が今、終った。対峙する二人のうち、高らかに腕を突き上げたのは椎名。
「覆した――ッ!! 前評判を覆した――――!!!!」
椎名の喜び様は異常といえるものだったが、それも当然である。負ければあの閣下とキスしなければならないのである。
あの、強烈なエネルギーを口から吐き出す閣下と――。
「さあっ! 小林ゆき!! 生贄…いや、閣下のお相手をなされ!!」
「くくく……くっくく」
「気でも触れたか小林ゆき! 言っておくが、いくら俺が女好きでも今回は容赦しねえぞ!! おとなしく…」
すると、小林の姿が変わってきた。見る見る背丈が縮み、下膨れの顔になる。そう、これは――。
「おっ…お前はッ……!! 小林よしのりッ!」

416 :怪奇!一発芸大会in別府:04/02/11 19:50 ID:HesZddgH
小林 「へきゃーーーーーっしゅ!!ぽっくん大復活でしゅ〜〜」
福本 「くっ・・・!!」
土塚 「福本のおっさんが焼けてるーーーー!!」
萩原 「おじちゃん怖いよー!」
夜麻 「やっぱりつまんないヨー」
雷句 『・・・まだですか?』 
安永 「閣下!次はコンバトラーV行きますよ!?」
真倉 「行くなボケーー!!」
余湖 「出番がないじゃん!」
渡辺 「おいおい何人か帰ってこねーぞー?」
椎名 「わはははは!ジャンケン勝ち抜けたぜー!!」
橋口 「椎名のクセに」
椎名 「なんだとー!」
松江名「いや私の目では今のは遅出しだ。やり直しを要求する!」
椎名 「何ぃ!?今のは俺の実力だろうが!泣くぞコラ!」
河合 「泣くなよ・・・そんな事で・・・」
木多 「13番木多康昭!王様ゲームします!」
草場 「誰がするかぁ!!」
小林 「ともだ○んこ!」
城平 「シカトされたからってヤケ起こさないで下さい」
許斐 「椎名先生!皿を投げないでください」
水野 「衛藤先生も応戦しないでー!!」
岡野 「いいかげんにしろお前らー!!」
森   「うわーまた岡野先生が怒った〜〜」
安永 「ロープ!ロープぅぅ!」
雷句 『面白いですね。私もやっていいですか?』
乙   「やめてくださーーい!!」
真倉 「もうわけわかんねーよーー!!」

山田貴敏 「・・・みなさん、あんまりはしゃいでケガしないでくださいよ?治すの僕ですから」
にわのβ 『おつかれさまです』

417 :作者の都合により名無しです:04/02/11 20:04 ID:RDLseHSi
普通に感想として述べていいよな?
>>416 つまらん。全然面白くないわ。

418 :作者の都合により名無しです:04/02/11 20:31 ID:bej70ZuE
(・ω・)ドンマイ

419 :作者の都合により名無しです:04/02/11 21:10 ID:HesZddgH
(・ω・)ドンマイ!

420 :開幕ベル:04/02/11 22:02 ID:/raUhOGW
福岡ドーム――

プロ野球団・福岡ダイエーホークスの本拠地として、
また、日本初の開閉式ド−ムとして、あまりにも有名な建築物である。
地上7階、全高83.96m。
アリーナは、両翼100m、センター122mの規模を誇り、最大48,000人を収容する事が可能だ。
元来、野球がシーズンオフのこの時期、アリーナが満席になることは、まずない。
しかしながら――
この夜は、事情が異なった。

アリーナを埋め尽す、人、人、人、人、人、人の群れ。
どこを見渡しても、夥しい数の人間でひしめいている。
今宵、ここ福岡ドームで行われるイベントは、とあるアイドル・グループのコンサートだ。
しかも、あろうことか、デビューコンサートである。
デビューコンサートが、いきなりドーム!
常識で考えれば、客など集まるはずもない。
だが、現実には、御覧の通りである。

ドームのスィート・ルームから、その光景を見下ろす、古代中国風の鎧を身に纏った威丈夫が、ため息をついた。
山原「おまえは以前、こう言ったな…
  『昔から妄想を現実にできる人間が、紙一重の差で“天才”と呼ばれるのだ』、と……」
高級そうな皮張りの椅子に優雅に腰かけていた、白い詰襟姿の長髪の男が、頷く。
山原「なるほど妄想が現実になった……が、それでもやはり常人の発想じゃない! まさしく紙一重だよ、おまえは……」
いったい誰に想像できようか!?
                ・  ・  ・
    5  万  人  の  サ  ク  ラ  な  ど  !!


421 :開幕ベル:04/02/11 22:04 ID:/raUhOGW
蛭田「フフ……サクラは多いほど人目も集まるだろう?」
そう、会場を埋め尽す人だかりは一般客を装っているものの、その全てが『血風連』!
まるで悪い夢でも見ているような光景である。
いかな名も知れぬ新人グループとはいえ、これほどの集客を見せては、注目の的となる。
その上、今朝の時点で、このグループのCFが30秒流されただけで、民放各局に電話やFAX、インターネットによる問い合わせが殺到。
あらゆる回線が、一時、パンク状態になったという。
それもそのはず。このアイドル・グループは、ただの新人グループではない。

『傀儡の舞』
謀反起こりて時の権力替わる。謀反起こる影に『傀儡の舞』あり。
それ故、別名を『乱世の舞』!
舞による人心操作を可能とする、蛭田最大の秘伝である。
そして、このアイドル・グループは、現代風の群舞にアレンジされた『傀儡の舞』を躍るために選抜され、結成された精鋭部隊なのだ。
その名も…………

蛭田「これだから、御老人の部下はやめられない。
   あの方の絶大な権力があるからこそ、このような大規模作戦も行える。
   わずかな御奉仕で、およそ望むもの全てが手に入る。快絶と言わずして何というべきか?」
山原「――昔から、おまえはそうだった。
   食欲と物欲と色欲の為だけに生きる、欲望の権化。
   それを満たしてくれる相手なら、悪魔に仕えることも辞さない。
   いかに腕がたつとはいえ、おまえのような俗物を飼っているとは、つくづく酔狂なお方だ、横山様は」
蛭田「フフ…それはおまえもだろう。 誰よりも横山様の寝首をかきたがってるのは誰だったかな? 昔、横山様にかけられた“呪縛”はまだ解けてないんだろう?」
からかうような響きを含んだ追求に、山原が唇をかんだ。
蛭田「まもなく――開演だ♥」


422 :開幕ベル:04/02/11 22:05 ID:/raUhOGW
照明の落ちたドーム内を、幾条もの眩いレーザー光線が切り裂いた。
次々とたかれたスモークの煙が晴れると、そこに現れたのは――

    マ  リ  オ  ネ  ッ  ト  !!

『傀儡の舞』を躍るため、自らも『傀儡の舞』にかけられた6人の少女たち。
まさしく、文字通りの『マリオネット(操り人形)』である。
本人が躍っておらず、洋風の群舞にアレンジされているとはいえ、さすがは『傀儡の舞』。
瞬く間に、場内5万人を虜にした。

山原「しかし……」
蛭田「俺自身が目の前で舞うならともかく、他人によるアレンジ……
   それもメディアを通してでは、何の抵抗力も持たない一般人はともかく、
   人並外れた精神力を持つ、俺たち“漫画家”という人種には効果が薄い……と、そう言いたいわけだろう?」
言いかけた先を蛭田に見透かされ、山原が渋面を作る。
蛭田「確かに、お前の言う通りだ。特に、あの大会をここまで生き残ってきた連中だ…
   多少の影響はあるだろうが、人心操作とまではいくまい。……そう普通なら」
山原「? どういうことだ」
蛭田「『傀儡の舞』は繰り返し見た者ほど、その被暗示性が強くなる。
   たとえ強靱な精神力を持つ漫画家でも、一度でも『舞』を経験したものなら…」
そこで言葉を切り、くすり、と笑みをこぼす。
山原「なるほどな……“あの時の闘い”は、このためのものか。
   あのとき……すでに貴様は、『傀儡の舞』を“あの男”に……」
蛭田はすでに、山原の言葉を聞いてはいなかった。
とりすましたその心中には、邪悪な魂胆が渦を巻いているのだ。
今頃、別府に住む一般人たちは、ことごとく操り人形と化し、別府を火の海へと変えているだろう。
自らの想像に、蛭田は暗い愉悦をおぼえるのだった。
蛭田(何もかも皆……滅びるがいいさ♥)

別府より遠く離れた福岡の地にて、地獄の開演を告げる開幕ベルは鳴った。
   


423 :最悪の裏切り:04/02/11 22:33 ID:/raUhOGW
ぶつかり合う、肉体と肉体。
衝突する、衝撃と衝撃。
そして、爆発する、温泉。
宮下と本宮。
2人の野獣が織り成す激闘は、どのような領域にまで達するのだろうか?
と――
本宮「なんの真似だ、そりゃ?」
湯舟に着水した本宮の眼前に、差し出された大きな手。
宮下「ご無礼の段、お許しを。やはり、衰えておりませんな、お師」
男臭い笑みを浮かべ、握手を求める宮下。
宮下「この場にて、これ以上の闘いは無用というもの。
   明日に、あらためて我らはぶつかり合いもうす。
   であれば、今宵だけでも、かつての遺恨を忘れ……月見酒といきませんかな?」
いきなりの豹変に面喰らう本宮だが、宮下は昔から、気持ちの切り替えが早い、
さっぱりした気質の男であったと思い直し、同意した。
本宮「――へっ、しょうがねえ。今夜だけだぜ…」
照れくさそうにつぶやき、差し出された手を握り返す――
瞬間、本宮は掌に激痛を感じた!
本宮「うぐっ!?」
がくり、とその場に膝をつき、顔面を蒼白にして呻く。
本宮「き、貴様……」
今、宮下と握手した本宮の掌には、小さな針が刺さっていた。
宮下「ワッハハハ、バカめ! かかりおったな! その針には象をも殺す猛毒が塗ってある! もはや貴様はろくに動けまい!」
宮下の言う通り、本宮の全身はブルブルと痙攣し、指一本動かすのさえ辛い。
本来の宮下からは、到底考えられないような、卑劣極まりない手段!
別人のように邪悪な哄笑を響かせる宮下の瞳は、すでに正気ではなかった。
宮下「ハハハハ! これでただのデクノボウだな! 観念するがいい――――ッ!」
うずくまる本宮の顔面に、剛拳が炸裂した。

424 :最悪の裏切り:04/02/11 23:19 ID:/raUhOGW
松椿館内に設置された無数のTVモニターから、福岡ドームライブの映像が、一斉に流れ出した。
そして、そのうちのひとつに映る映像を、宮下の類稀なる視力はとらえてしまったのだ。
かつて、蛭田と闘ったとき、すでに『傀儡の舞』をかけられていた宮下。
重暗示による影響は、宮下の強靱な精神力さえも支配してしまった。
本宮「ぬはっ!」
鼻血を噴き出しながら、本宮が吹っ飛ぶ。猛毒のためか、踏ん張ることもできない。
宮下「ウワッハハハ、死ぬがよい!」
本宮「ぬかせ――――ッ」
ふりかぶられた左ストレートが、もろに宮下の鼻面をとらえた。しかし――
宮下「ん――? なんじゃ、このこそばゆい拳は――っ? 蚊でも刺したか――!?」
本宮の拳が顔面にめりこんだまま、宮下がにやりと笑う。
その顔面は傷ひとつついてないどころか、鼻血の一滴も流れていない。
猛毒は、本宮という巨人のあらゆる力を奪い去っていた。
宮下「これが拳じゃ――――――っ!」
特大の鉄球でブン殴られたような剛拳が、本宮の顎を撃ち上げた。
本宮「ぐふっ!」
砕けた歯と血をまき散らした本宮が、ケンカキックを放った。
だが、これも本来の威力には程遠く、軽々と宮下に掴まれてしまう。
宮下「蹴りもまるでなっておらん。これがケリじゃ―――――――っっ!」
(なぜか)鉄下駄を履いていた宮下の足が、本宮の鼻っ柱をヘシ折った。
さらに、悶絶もののボディブロー!
腹をおさえ、頭が下がったところに、延髄への肘!
宮下「とどめだ、死ねい―――――――っっっっ!」
湯煙がたちこめるなかで、宮下が10人に分裂した。
否、そう錯覚するほどに、とてつもない高速で動いているのだ!

宮下「 魍 魎 拳 奥 義   幻  瞑  十  身  剥   !! 」

刹那、数十もの、鉄さえ貫く宮下の手刀が、本宮の全身を貫いた。

425 :最悪の裏切り:04/02/11 23:35 ID:/raUhOGW
本宮「ぬぐくっ……き、貴様というやつは…………」
鋼のような肉体を、宮下の刃物のような手刀が貫いた。
全身のいたるところから、噴水のごとく血が噴出する。
ばしゃあ!
為す術もなく、“ジャンプのアトラス”は多量の出血に気を失い、水中に没した。
本宮の血で、温泉の湯が、みるみる赤く染まってゆく。
まるで、湯の中に、大輪の華が咲いたようだ。
宮下「お師よ、安らかに眠るがよい。永い間、大儀であった! ウワッハハハ――!!」
哄笑を破裂させながら、本宮の足を掴み、ずるずると引っ張ってゆく。
宮下の眼下には、暗黒の帳のごとき、海面があった。
宮下「フフフ…この高さから水面に落下しては、さしもの巨人も助かるまいて」
高度から水面に叩きつけられると、水面はコンクリートの硬さとなる。
醜悪な笑みを浮かべると、宮下が気絶した本宮の身体を、海に向かって放り投げた。
見る見るうちに、小さな点となり、落下していく本宮。
数秒後、海面で小さな水しぶきがあがった。
宮下「フッフフ……この中で一番の大御所が真っ先に死んでしまったか。
   これではもう、ワシに傷をつけられるものは誰もおらんな」
破顔し、フンドシ一丁のまま仁王立ちする宮下。
それを岩影から見ているものがいた。

松沢「た、大変だ……ね、ねえどうしよう、カムイ先生!」
カムイ「シッ! バカ、大声を出すな。とにかく、皆に知らせなければ……」
言いかけて、カムイは背骨に氷を詰め込まれたような悪寒を感じた。
宮下「覗き見とは、男子の風上にも置けんのお?」
松沢「ひいっ!」
カムイ(バ、バカな……いつの間に……!)
2人に全く気配を悟らせず、その背後に禿頭の巨人が立っていた。

426 :最悪の裏切り:04/02/12 00:02 ID:RDsi4Q33
宮下「ワシが男塾塾長 宮下あきらである――――――っ!!」
剛拳一発。
わずか一秒で、松沢は夜空の星となった。合掌。
その貴い犠牲の間に、距離をあけ、宮下と対峙するカムイ。
宮下「フフフ…見られてからには生かしてはおけんな」
カムイ(ぐく…い、いったい何がどうなっているんだ? だが!)
ここは、宮下を止めるしかない。カムイは瞬時に、覚悟を決めた。
カムイ「 イ オ ナ ズ ン ! 」
いきなり、大爆発を宮下に叩きつけた。爆炎に巻かれる宮下の肉体。だが――
カムイ「傷ひとつついていないだと…っ」
宮下「気功闘法『 堅 砦 体 功 』。瞬間、ワシの胸板は鉄板と化したっ」
気功闘法とは、人が体内に持つ“気”というエネルギーを利用し、体を硬質化、又は気を攻撃に利用する、中国拳法最大の奥義である。
宮下「どうした、もう終わりか? その大層な鎧は飾り物か――――!」
怒号に乗せた挑発に、カムイの表情が変わる。
カムイ「ぬかせっ」
気炎を吐くカムイが、両手にそれぞれ、異なる呪文を練り上げる。
カムイ必殺の、合体魔法だ。
カムイ「 氷 刃 乱 舞  マ  ヒ  ア  ロ  ス !! 」
絶対零度の吹雪と真空の刃嵐が合成され、フンドシ一丁の宮下へと襲いかかった。
だが、宮下は不敵に笑うと、激しく全身を捻転し、一気に解放した。

宮下「 大 豪 院 流 奥 義  真  空  殲  風  衝  !!!! 」  

真空の塊。カムイの呪文の数倍もの規模を誇るカマイタチの嵐が、宮下の掌から解放された。
カムイ「ぐわああっ!」 相殺しきれなかった威力が、カムイの全身を切り刻んだ。
鎧のおかげで致命傷にはいたらなかったが、かなりのダメージだ。
カムイ「つ、強すぎる……これが五聖人最強の男……!」
血まみれのカムイに、戦慄の巨人が迫る。
その背後に広がる別府の町並みは、松明を灯したように、赤く紅く、燃えていた。

427 :ご想像にお任せします。:04/02/12 12:33 ID:MDDke0dt
半ば強引にだった『こと』が終わった途端、そっぽを向いてしまった夕日子。
今更、不安が貞本の動悸を早めていた。
(くそっ…!駄目だ、またやっちまった!……全然懲りてねーじゃねえか俺!!)
背後の木に額を打ちつけたいような、自責の衝動。
行為は相手の気持ちを確かめてから。ごく当たり前のことだ。
自分の精神状態がどうあれ、そんなことは『していい理由』にはならない。
そもそも、夕日子には何の関わりもないのだ。
(……はは……こずえに嫌われるわけだ………………死にてぇ……)
海面に波紋を広げる足に目を落とす。
と、視線を感じた。
顔を上げたその先に待っていたのは
夕日子の、はにかむように頬染めた笑顔。
その瞳には、恐れていた、脅えも、嫌悪も、まるで存在していなかった。
……ああ、名前の通りだ。
まるで、最後に残った太陽。侵そうとしても侵せない、夜。
嬉しさというより、安堵で涙が滲んでしまう。
情けない泣き顔を見せたくなくて。片目だけ残し顔を逸らす。
「……ゴメンな。……その……無理矢理……。」
無言のまま、軽く首を横に振る夕日子。

428 :ご想像にお任せします。:04/02/12 12:34 ID:MDDke0dt
そのまま、二人しばらく優しい沈黙を楽しんで。おもむろに貞本は立ち上がった。
「……送ってくよ、家どこなんだい?」
夕日子に差し伸べた手が、中途で止まる。
目を細めて、遠い別府の街の灯を確かめる。
(……紅い……?)
あんな、色だったろうか?まるで一面が……。
「?!………………夕日子ちゃん!しっかり掴まって!!」
引き上げ、抱き締め、飛翔ぶ。
ジオラマのような別府が近づくにつれ、チロチロと明かりが揺れているのがわかる。
やがて、全景を見下ろす海上で急停止する貞本。
「馬鹿な……」
燃えていた、なにもかもが燃えていた。
夕日子が首に巻いた腕に力をこめてくる。
「いったい何がっ……!?」
しかし、驚愕はそれだけでは終わらない。
突如、周囲、全方位が白く染まったのだ。
「!?」
別府が、炎が、曇り硝子の向こうに沈む。

429 :第三の『鬼』:04/02/12 12:36 ID:MDDke0dt
その後方、沖合い五百メートルの海面で。
突如飛び去った貞本を追っていた牧野と岩村は、見上げた『それ』に息をすることすら忘れていた。

  ゴ―――――――――――――ン・・・

                    ゴ―――――――――――――――ン・・・

鈍い、釣鐘のような音が、『それ』の足音だ。
辛うじてそうだと理解できる『指』の一節が、大人十人でも持ち上がらないであろう岩塊で出来ている。
肩より上は、霧にけぶって眺めることすら不可能だった。
「……巨人……?」
テスタロッサにしがみ付いた岩村が、聞かれることを恐れるように囁いた。
そう、『それ』には確かに巨人という表現が相応しい。
巨大ロボットなど見慣れている筈の岩村の脅え。牧野は確信した。
(これは……そういったものとは異質な『なにか』だ……)
風が変わったのか、わずかに頭頂部の霧が切れる。
その、禍々しく威圧に満ちた顔の洞穴めいた口端が、ニタリ、と嘲ったように見えた。

    ゴ――――――――――――――――ン・・・

                            ゴ―――――――――――――――ン・・・

歩幅の為か、巨体に似合わぬ驚異的なスピードで遠ざかる巨人。
「なっ……なんなんだよ〜〜〜あれっ……!?」
「……わ わかんね〜〜……わかんね〜〜けど……」
こわばった岩村の顔。
「……これだけは確かだぜ……」
唾が喉を通る。
「……もうダメだ……別府は……」

430 :第三の『鬼』:04/02/12 12:37 ID:MDDke0dt
岩石巨人の頭部。
暗く闇に沈んだ玉座の上で、三条陸は巨人の目を通し別府の町を睥睨していた。
「なるほど……多くの異能の者の存在を感じる……
 やはり稲田が言っていたとおり…勝ち抜いた漫画家達が相当数ここに揃っているようだ……」
瞳が光芒を増す。
「神の手になる操り人形……アリどもめ…!!いぶりだし……ふみつぶしてくれるわ……!!!」
椅子の、ひじ掛けと同化した水晶が、三条の意思によってまばゆく輝く。
呼応するように歩みを再開した巨人は、飛沫と大波を引いて上陸を開始した。

431 :同時刻、稲田:04/02/12 12:39 ID:MDDke0dt
――どこにあるとも知れぬ洞窟――

ひと筋の光すらなくても明暗というものはおのずと分かたれる。黒く照り返す岩肌。そこかしこに脈打つ根のはりだし。
ゴボリ、と水泡の立ち上る音に目をやれば、有機的に入り組んだ根の先に、調整槽の形がぼんやりと浮かび上がる。
(――そろそろ……着いた頃か。)
水槽に身を浸し瞑目する男――稲田浩司――の体中には、黒く禍々しい刺青が走り、長い銀髪は泡に揺れていた。
下半身の全域と両腕は、溶液だけではなく白い結晶のようなものにも覆われている。
(三条……)
眉間の皺が陰影を増す。
(――あいつは――変わった。)

432 :稲田、回想:04/02/12 12:41 ID:MDDke0dt
「なあ三条、聞いたか?」
どういう仕組みなのか、この溶液の中では喋ったことが液に阻害されることなく伝わる。
だがその問いに相手が応じるかは、また別の問題だ。
「トーナメントは今、一時休止。慰労会とかいって奴等遊んでるらしい。」
「…………」
「別府だとさ、いい気なもんだぜ」
「…………」
「例の『アレ』でさ、滅茶苦茶にしてやりてえよ、そう――思わないか?」
「…………」
全身をローブに包んだ三条と呼ばれた男が答えることは、無い。
フードの中を暗黒に澱ませたまま、二つの光点が目とおぼしき位置に静かに輝いている。
「……おいおい、なんとか言ってくれよ。お前その格好になってから喋らな過ぎだぞ。」
沈黙の重さに耐えられなくなったのか。稲田はわざと明るくおどける。
「キャラに忠実なのもいいけど、なにも俺の前でまで」
「…………ことか?」
びくり、と震える稲田。
聞いておいてなんだが、まさか返事がかえってくるとは思わなかったのだ。
「……な、なに?」
そもそもの声の小ささもあって聞き逃したそれをもう一度訊ねる。
「妖魔王様のためにする価値のあることか?」
今度ははっきりと聞き取れた、しかし稲田の顔には哀しみの影が差す。
「我等の倒すべきは、怨敵『ゴッドハンド』ただ一つ。
 いたずらに敵を増やすことも、無駄に戦力を浪費することも、妖魔王様の御為になるとはとても思えん。
 くだらぬ遊興に思いを馳せる暇があったら、一刻も早く『超魔生物』への改造を済ませろ。」
一気にそう言い切って、三条は完全に興味を無くしたのか背を向けた。

433 :闘える:04/02/12 20:37 ID:5Kxx8rKK
宮下あきらの剛拳が眼前に迫った。
カムイは圧倒的な威圧感を持つ“それ”に体を縫い止められていた。
―――逃げないと―――
―――この状況を伝えないと―――でも動けない―――
        「思い出せ」
それは確かに聞こえた。
誰の声でもない、自分の声が呼びかけた。
        「思い出せ」
―――何を―――何のために―――
        「ココがドコかを」
―――地獄じゃない―――現実―――そして風呂―――
鼻先には拳。空気が焦げる音。足元に石鹸、手ぬぐい、洗面器。向こうに湯船。
        「忘れられた世界を」
―――思い出せ―――忘れていたコトを―――闘うために!
カムイの鎧が爆ぜた!
怯んだ心を隠すものは、もう無い。
豹を思わせる俊敏な動きで宮下の脇をすり抜けると、
膝の高さまで湯量を回復した湯船に滑り込む。
黒ビキニのみを身に纏い、右手に手ぬぐい、左手に洗面器を手にしたその構えは―――
「思い出した。俺は浴場で闘う術を知っていた。福神町を知っていた!!」
「ほほう、あえて鎧を捨て死地に飛び込むか。殊勝なことだ」
ざぶりと、宮下は湯船に足を踏み入れた。
死地に、足を踏み入れた。

434 :舞武道:04/02/12 20:38 ID:5Kxx8rKK
浴場最強の格闘技は何か?
今まで格闘好きにこんな質問がされたことはなかっただろうし
これからもこんな質問がされることはないだろう。
床は固く、滑りやすく、凶器が散乱し、湿度が異常に高いリングで
最も強い格闘技とはなにか?
レスリング?柔術?サンボ?中国拳法?それともただのステゴロ?
答は「舞武道(まいむとう)」である。
その実態は―――
びゅっと、カムイの右手が動いた。
ぴしりと、宮下の右手がはじかれ、手から毒針がこぼれ落ちた。
「!?」
その迅さと重さに、宮下は面食らう。
カムイの手ぬぐいが鞭のようにしなり、包まれた石鹸が宮下の手を打ち据えたのだった。
「この技は!!」
知っているのか宮下あきら!?
「中国拳法でも、古武道でもない!民明書房の主であるこのわしが知らんだと!?」
カムイ「舞武道はこの世の格闘技ではない。
     発条と忘却の街『福神町』で編み出された、
     浴場で美しく闘うためだけの格闘技―――征くぞ」
疾風のように、カムイが駆けた。
「ぬおおぉぉぉっ!!」
咆哮一喝!宮下の拳がカムイの顔面にめり込んで―――
(顔面を捉えた!)宮下が会心の笑みを浮かべた。

435 :稲村慈円:04/02/12 20:39 ID:5Kxx8rKK
途端、世界が一回転した!
(捉えたはず!?)
回転したのは宮下あきら!
宮下は舞武道を、浴場を甘く見ていた。
湯船の中では宮下の剛拳も正確に体重を移行できず威力は半減する。
さらにカムイは顔と拳の間に石鹸を滑り込ませる神業で打撃を完全に受け流した。
そのうえすかさず手ぬぐいを宮下の両足首に巻きつけうつ伏せに転ばせたのだった。
(逆エビ固めか?)
対応しようとした途端、宮下の視界が暗黒に包まれる。
顔を覆ったものが洗面器だとわかったときには、背骨が踏み抜かれていた。
(ボウ・アンド・アロー!?)
カムイはその予想すら覆す。
宮下の体が水面を滑走した!
体をえび反らせて、カムイを乗せてあたかもサーフボードのように滑る!
カムイは宮下ごと宙を舞い、一回転して宮下を頭から叩きつけた。
ぐしゃりとひしゃげる音。
「稲村慈円」
それが自分の意識を刈り取った技の名前であることを、宮下あきらは知る由もない。

436 :作者の都合により名無しです:04/02/12 20:48 ID:RDsi4Q33
福神町綺譚、懐かしい――――!w
にしてもカムイ、大金星だな。
戦った場所が悪かったかw

437 :渡る世間は鬼ばっかり:04/02/12 20:52 ID:7iHeM4fr
カムイが起死回生の一発を決めた頃。
ハリーこと松沢夏樹は。
夜空の星がキラキラといろんなものをまきながら地上に着地。
打ち上げ地点から100メートルは飛んだだろうか。
剥き出しの土の上にグシャリと広がる。
同時に何度目かの死亡確認モード突入。
がんばれハリー。負けるなハリー。

そこへ通りすがる謎の影。
酒とっくりを持つグラマラスなシルエットの女。
彼女は足元のお好み焼きを見て、ポンと手を鳴らす。
セーラー服に包まれた胸の谷間から取り出す携帯電話。
ピポッと動かし受信メールのログを閲覧。
幹事とチームリーダーの縁で、アドレス交換した時のもの。(蟲船内)
 カムイのひとくちメモ:
 『松沢という男はお湯かけてこねて3分待つと生き返ります。万が一の時はよろしく』

 ・・・お湯がないや。このお酒でいいや、うん。   ドボドボ。 こねこね。 チーン。


3分後
土とか混じって肌色がインド人並みに渋くなってしまった松沢ハリー復活。
スイカヘルメットの先から鬼の角が出ていやがるけど気にしない。
松沢せんせー、助けたお礼にボクの下僕になってね〜〜と。
しかし女が最後まで言葉を言い切る前に、
鬼ハリーったらパワーアップを喜んでどっかに走って行っちゃいました。

たぶん、また死ぬんだろうなぁ・・・。
セーラー服の女は頭をポリポリと掻いた。

がんばれハリー。生きろよハリー。

438 :大輪の紅い華:04/02/13 02:40 ID:PqvEyamF
超進化松沢夏樹を見送った、鬼の容姿と妖力を得たにわの。
やれやれ・・・とその場を立ち去ろうとするが、
右手数メートルの距離に不思議な槍を構えて自分を睨む影に気づく。
 「・・・ありゃ?確か君はガンガンサンデーチームの」
 「安西信行。さっきの誘拐犯はあんたか?俺たちの事を知ってるあんたは何者だ?」

対峙する戦士2人。
血にまみれ、愉悦の表情の中に別の感情が混じる不思議な瞳の女と、
目の前で起きた怪奇事件を解決すべく神経を研ぎ澄ます怒りの瞳の男。
 「何で知ってるのかーって?そうです、ボクが幹事さんなのです」
 「嘘をつけ!俺が見た幹事は顔面ミイラのでかい男だ。お前なんか知らねえ!」
 「なんでもいいからァ、邪魔しないでくれる?ボク本当は急いでるから」
女は手許のとっくりを軽くシェイクし、おもむろに飲み出す。
 「・・・うーん、まだあんまり出てないや。ヤバイなあ」
 「“出る”だって・・・?」
安西の疑問符には答えず、女はぶつぶつと、
 「んじゃあ質より量作戦にするかなぁ。でも時間がなあ」などとつぶやく。
 「出すって・・・俺は見たぜ、そのとっくりに岡村ってのが吸われたのを。まさか!?」

 「あら見たのね?ならば問いに答えませう。
 このとっくりの内部は現在、≪鬼麹亜空間≫なる無限の酒を満たした空間であり!
 そして屈強な漫画家達を、この中にブチ込みマムシのよーにエキスをしぼり出しっ!
 さらにこれをボクが飲むことによってぇー・・・」
突如女はその場から、腰のバネだけでジャンプし空中に舞った!
松椿3階のベランダにストレートで到着、イナゴのような跳躍力。
 「・・・ボクは誰にも負けない、つよーーーーいチカラを手に入れちゃうのだぁぁ!!あっはっは!!」
はじけた笑顔で全身を大きく広げながら女が叫んだ。
何か、心のもやをを吹っ切るように。

 「・・・じゃあ、中の人間はどうなっちまうんだ・・・!?」
 「・・・まだ、死んでないといいねぇ」
上方を仰ぐ安西の表情が硬化した。

439 :大輪の紅い華:04/02/13 02:41 ID:PqvEyamF
 「なんだそりゃあ!なら出せ!今すぐ外に出しやがれ!」怒りに震える安西。
しかし女は困った顔で笑いながら「うーん、出してあげたいのはやまやまだけどぉ、
 まだ“2人分”しかダシ取ってないしー。よければ君も入る?中から出れないけど」と答えた。
 「2人だって?・・・巻来か!バンチの!どうやりやがった!?」
 「企業秘密ですー♡マッキーはアマゾン暮らしが長いから世間知らずなんですゥ」
理由にならない理由を述べると、女――にわのは太腿のトンファーを抜き出し、
4階ベランダの柵にグリップを引っかけて腕力ひとつで上階に登った。
 「逃げるか!?待ちやがれ!!」安西が助走をつけ、三角飛びで一気に4階に登る。

 「しつこーい!ボクは忙しいのっ」
 「ここで黙って引き下がれるかバカ。勝負だ!」
狭いベランダでトンファーと槍が何合か打ち交わされる。柄が長い分安西が不利。
 “キィン キィン・・・” 鍛えられた鉄同士が織り成す冷たい金属音。
 (クソ、俺とした事が相手の間合いか。それにしても・・・)
焦り出す安西。彼の攻撃を左右に受け流し、隙あらば蹴りを叩き込まんとする敵の女の動き。
力押しが中心の彼の戦法は、攻撃が当たらなければダメージの与えようがない。
獣の槍が微妙に反応せず、ただの槍としてしか作用しない以上、
安西自身の戦闘センスが問われるところなのだが。“竜”も使えず、
槍をARM“バッボ”に変形させる余裕もなく、彼は徐々に後退してゆく。
――ふと背中に赤い光を見た気がした。背中には平和な別府の町並みがある、はず。
しかし横目が精一杯、振り向く余裕はない。敵の女には余裕の笑みさえ―― 
 「後ろ、見たいの?」「!?」
“なら見せてあげましょう”とばかりに、
にわのは右トンファーの一撃で槍の先を跳ね上げ、
返す左トンファーの持ち方を変えL字部分に安西の首を引っかける。
そのまま強引に首を釣り上げ、喉の部分に安西の全体重がかかってしまう!
 「げあっ・・・!?」潰れた声を出し、それでも槍を振り上げようとする安西の、
首にもう一方のトンファーがかかり、X字に交差させた中央に首が入ってしまう。
おまけに投網のようなポーズで投げられ柵を越えさせられ・・・・

440 :大輪の紅い華:04/02/13 02:43 ID:PqvEyamF
安西は首のみの支えで空中に・・・高さ10数メートルの世界に吊るし上げられた。
左右の頚動脈にグリップ部が食い込み、一気に極められてしまう。それでも槍は放さなかった。

 「ほぉら、ここからならよく見えるかい〜〜?ナントカの1丁目がさ〜〜〜アハハハ!」
酔いを超えた喜悦。にわのの心を今、鬼――まさに羅刹女――の波動が完全に支配した瞬間。

ぐいぐいと首を締めつける2本のトンファーはまさに地獄の断頭台。
ベランダからはみ出した安西の身体が風に揺れる。
霞む瞳で安西は、にわのになおも問い詰める。
 「・・・ぐが・・・あ、あんたの目的は・・・いった・・・い?」
 「だからよく外を見なさいっつーの。いい?強いけど弱ーい安西クンに忠告。
 武器にばっかり頼らない。相手の間合いに合わせない。力がなければ工夫すればいい。
 ボクは今から出かけるから、留守をきちんと・・・あれ?」
にわのの表情が曇る。今自分は何か、とても大切な事を口に出した・・・気がした。
 「・・・ま、まーいーやぁ!あはははっ!とにかく留守番頼むわ。じゃーねぇ♡」
唐突に解放された首。地上に落下するまでの数秒間――――――

安西は、見た。  遥か別府の街中が、真っ赤な炎に包まれようとする様を。

あの女はこれを見せたかった?まさか・・・  ・・・

・・・


 「だありゃあああ!!」地面に叩きつけられる寸前、
安西は槍の力を解放し落下衝撃緩衝させる。無傷で着地したが、ベランダの女は既に消えていた。
 「・・・くっ!いったい何が起こってるんだ!?とにかく皆に知らせなきゃよ!」
ふらつく頭を叩きながら、安西は玄関から入り宴会場の方へひた走る。と。
従業員たちがざわついている。表で惨殺死体が発見されたらしく警察を呼んでいるのだ。
近くにいた馬場が安西に気づき、簡単な挨拶を交わした後証言した。
 「死体のひとつが、謎の美女の知人の漫画家なんです。前髪だけが緑の女、見ませんでしたか?」
 「・・・あの女!?あいつが殺したのか!?」 混迷する状況はとどまる事を知らない。

441 :稲田、回想:04/02/13 05:28 ID:bZRhEzIc
何故――そんなことを言ったのかは、今でもわからない。
それがどんな内容であっても、三条との会話が『あの時』以来であったからか。気が付けば稲田はこう反論していた。
「だがよ、妖魔王――様も言ってたじゃねえか。
 あそこを今束ねてる横山光輝が、トーナメントの漫画家共を使って『何か』を企んでる――って」
微動だにしない三条の背中、しかしその空気が明らかに変わった。
「だったらよ、その『何か』の前にあいつら皆殺しにしちまえば、それは妖魔王様の役に立つんじゃねえか?
 死んだら死んだで何人かは『こっち側』に来る事になるんだろうしな――俺達みたいに。」
最後の台詞に幾許かの皮肉が含まれていたことに、三条はおそらく気付いていない。
振り向いた三条のその目の光は、そんなことを一顧だにせぬギラギラとしたものであったのだ。
「……いいだろう……いや、礼を言わねばならないな、稲田」
暗黒闘気が、目に見えるほどに吹き上がる。
「まさか今の貴様に妖魔王様への忠誠で劣ろうとは……フフ……わからぬモノだ……」
「お、おい」
「……別府は……私にまかせておくがいい……!」
「待てよ!俺の調整も今日中には終わる!それからでも」
「一刻も惜しい、後から来い」
希薄になる三条の存在、おそらくリリルーラでの移動の瞬間
「おい!もう一つあるんだ!ガンガン、勝ち抜いてるらしい!――カムイが居るぞっ!!」
確かに聞こえた筈なのに、朧に消えた三条の様子からは、先ほどと違って何の感動も伝わってはこなかった。

442 :稲田、回想:04/02/13 05:32 ID:bZRhEzIc
(あいつ一体、三条になにしやがった……!)
回想から抜け出て、稲田は歯噛みする。
あれほど拘っていた『真の龍は誰か』ということに、今の三条からは全くといっていいほど情熱を感じられなくなっているのだ。
ただただそれの為だけに、俺達は人の身を捨てたというのに。

(妖魔王……)
一度だけまみえたその男を、思い描く。
隻腕、片目の小柄な姿。恐ろしいまでのその威圧感とは裏腹に、あまりに弱々しい体躯。
見上げる樹の上に作られた、みすぼらしい小屋の口からぶら下げられたその足は
超魔生物でなかったあの時の自分にすらたやすくヘシ折れそうだった。
『……試してみるかい?稲田……』
今でも背筋が寒くなる。
ただ、思い。出来もせぬ拳に発散の力を込めただけなのに!
全て悟られたと知った瞬間、下草に額を擦り付けて平伏していた。
『は…ははぁ―――――ッ!!!ごっ…ご無礼をっ…!!!』
『ふふふっ、別に構わないさ。むしろ、それくらいの覇気と強さをのみを信じる心がなければ、『刀』とは言えないからね。』
絶対に勝てぬと知った。器が違いすぎる。
『いえ、私などは……!決断力も意志の強さも、全て相棒に頼るばかりです。』
特に意図あって吐いた言葉ではない。
『へぇ……そうなのかい?そいつは……キャラ設定間違えたかなぁ……?』
くつくつと笑って小首を傾げ、俺の傍らに目をやる妖魔王。
つられて横を向いたその瞬間が
俺と三条との『あの時』以来の再会だった……

443 :稲田、回想:04/02/13 05:33 ID:bZRhEzIc
最初は気にもしなかった。
元々奴は暗黒闘気での戦闘が主だったし、その姿を『堕ちた自分達』に相応しいとすら感じた。
違和感といえば、むしろ自分の姿。それもさほど長くは持たなかったが。
やがて、奇妙なことに気付いた。

喋らないのだ、徹頭徹尾。はじめの内は『なりきってるんだろう』程度にしか思わなかったそれが
さて、という段になり「カムイ・鳥山を討ちに行こう」と誘ったのにまるで無反応という事態に、さすがに疑惑が生まれた。
そして『超魔生物』への改造を半ば強引に薦められ、その際の「長持ちするだけで切れ味の悪い刀など、妖魔王様は用が無い」という
冷たく、なによりらしくない台詞によって、疑惑が確信に変わった。
『こいつは俺の知ってる三条じゃない』
だが進めた思考は、いつもそこで止まる。
わからない……?
違う。
わかるのが……怖い。
。 。。 。。 。
もしそうなら、三条の精神支配は妖魔王本人が施したとみて、まず間違いないだろう。
つまりそれは、自分はカムイや鳥山だけでなく、神亡き今比肩する者無いあの妖魔王を敵に回して
三条を取り戻さねばならないということだ。
やれるわけが無い。
絶対に無理だ。
本能で知るレベルの上下が
あらゆる者を敵に回すという未来が
そしてなにより隣に『奴』が居ないという現実が
重く重く全身にのしかかる。
諦めるしかない。
三条も……もし三条が居れば、そんなことより『龍の道』を往くことに専念しろ、と言うだろう……

444 :稲田、出陣:04/02/13 05:35 ID:bZRhEzIc
シュー……ゴボボッ
下半身に、微細な振動が伝わる。目を開けると泡立ちが激しい。
暫くすると溶液が排出されだした。いつの間にか、白い結晶体ももうない。
吸われたのか、そもそも溶液の水捌けが良いのか、拭く必要も無いほどに乾いた体。液体を留めていた筈の卵型の器も消えている。
ゆるゆると、目をやった、手を動かす。
一度だけ、目を瞑り。最早人とはまるで違うその足を踏み出す。
乱雑に脱ぎ捨てられたマントを拾い、ばさりと広げ、円を描かせ身に纏う。肩当を付け。
早くも、遅くも無い足取り。一筋の光に向かう。……出口が、見えた。

……ザッ!!

(三条――今度は――俺がお前を助ける番だ――――!!!)

445 :ディナーの時間:04/02/13 10:55 ID:PqvEyamF
「月が、欠けたな」

海の近くにある鉄骨搭・別府タワー。
地上55メートルにある展望台のさらに上。
眼下に広がる赤と黒のコントラストと、
見渡す空に仄暗く自己主張する白い三日月。
昨晩は邪界と繋がる≪赤い月≫の封印が解けかけ、
今晩はまた別の形で月に異変が起きている。
これが意味するものは果たして何なのか?
展望台の屋根に立つ2匹のけだものには、興味のないことだった。
ただ口に出しただけだ。

 「この火事は、なんだと思う?」
全身を傷痕とピアスに彩られた“変態”・山本英夫が隣の影に問う。
 「・・・俺はレアが好きなんだよ。邪魔くせえったらねえな」
剥き出しの歯茎と犬歯から嫌気を吐き出す“人狼”・真鍋譲治が愚痴で返す。
この火事に答えがあるとすれば。
自分達の他にも【おたのしみのじかん】を共有したがっている外道がいるという事。
幸先がいい。山本は目を細め、唇に手を当ててクククと笑みを漏らした。

 「なんでもいい。新鮮な肉がウェルダンにならねえうちに、俺は行くぜ」
真鍋は深く息を吸い――――先刻のように、別府の隅々に響くような遠吠えした。
生餌だ。島での食事会の続きをしようじゃないか。

事を終えると真鍋は山本を背負い、ふわりと屋根から飛び降りた。
魔法能力でゆっくりと落下する。やがて地面に降り立ち、
山本は別行動のため先に場を離れた。
おたのしみはこれからだ。
真鍋はアスファルトの上、違法駐車の車を拳一発で吹っ飛ばす。
 「・・・とびっきりの美女の肉を喰らいてえな。歯応えたっぷりなら、なおいいぜ」

狂った歯車が、奇妙な角度で、合わさった。

446 :男なら・・・・・・:04/02/13 13:14 ID:PqvEyamF
 「・・・・おまえテキか?トモダチか?」

別府に到着したバスの貨物室から、別の人の荷と間違えられ連れ出された高橋しん。
彼の入ったボストンバッグを開けたのは、当時宿に着いたばかりの島本だった。
鞄の中身から奇妙な質問を受け、豪気な男は高らかに胸を張って宣言した。
 「ああ、今から俺とお前は友達だ!そして男同士敵でもある!!」
ぽかんと口を開ける、しん。

その後、島本の巧みな話術にぽつぽつと話始めるしん。
 「オレ、昔のキオクがほとんどないんだぁ。何したらいいのかもわかんねぇんだ」 
 「そうか、少年よ。しかし男は“どうしていいかわからん”時が―――
 一番面白いっ!どうしていいか分からない時に何かをつかむためにあがく姿こそ、
 人生という男の戦いの中で最も見どころというべき場面。
 ここで男を通せなかった者は『次にとり返す』まで≪負け犬野郎≫になるのだ!!
 だ か ら こ そ 面 白 い !!」
 「ふぁー・・・なんだか、カッコいいぞ、おまえ」
 「当然だ!それにな、男の価値は『昔どうだったか』で決まるもんじゃあない。
 『今現在どういう奴か』で決まるもんよ!道がなければ、今切り拓けばいい!!」

 「ん?荷物に剣があるのか。いかんなあ少年!子供のケンカは拳でやるモンだぞ!」
 「オレ、コドモなのかあ?オレ、マンガカだぞ。あんまりキオクないけど」
 「むむ?そ、そうか。それはそれ、これはこれだ」
 「だけど、テキをコロスには剣がいいんだって。オレはたたかわなくちゃいけないから」
 「いや、人には≪心≫という美しい剣がある!たしかに俺の心も完全ではない・・・!
 サボりたいとかだらけた想いを生む、醜い部分も確かに俺の中で確実に渦をまいている!
 だがその悪の欲求と!戦い、押さえ、自らを正しめる―――それが漫画家の力ではないのか!?
 そ れ が 本 当 の 力 で は な い の か 少 年 !! 」

 「しょせん男は一人!!しかし酒と拳を交わす事はできる。強く生きろ、少年よ!!」
 「おう、またなーシマモト」
熱い握手と共にこうして別れたのが、キャノンボールが始まる前。
現在、高橋しんの行方は誰も知らない。

447 :作者の都合により名無しです:04/02/13 13:17 ID:PqvEyamF
※島本さんは無礼ド組。行先不明で放置されてたバッグを拾ったのです。ごめーん

448 :戦慄!ゆで将軍!!:04/02/13 17:19 ID:bHM8ThMN
荒木「ウォォォォォォォォッ!!!」
叫び声と共に荒木の体がショーウィンドウに叩き付けられる。
将軍「無駄よ!私と貴様では……確実にパワーが違うのだ!!」
そう言うや否や、ゆでは荒木の方へ歩き出した。

藤崎「荒木先生ィィィィィィ!」
叫び声を上げて藤崎が駆け寄ろうとするが、ゆでに一蹴される。
??(藤崎……聞こえるか?)
再び立ち上がろうとするのを、何者かの声が止める。
藤崎(その声は!荒木先生!!大丈夫ですか?)
荒木(……それほど無事とは言えないな。仙桃は残ってるか?)
藤崎(ええ、幾つか……。)
荒木(よし……ここは、まず………こうして……。)
藤崎(それより………。こうすれば……)
将軍「誰と話している?」
ゆでがゆっくりと近づいてくる。だが藤崎はあからさまににやけながら言う。
藤崎「秘密じゃよ〜〜。」
将軍「どうせ荒木と話していたようだが………。」
藤崎「……わかっているのならば話は早い!喰らえ!スーパー宝貝……。」
将軍「クフフフフフフフフフ……貴様ほどの男がこの状態を理解し取らんとはな!!」
そう言ってゆでが小畑の精神を体の外に出し盾に取る。だが……。
藤崎「……の発動は無し!!」
将軍「何ッ!!」

449 :戦慄!ゆで将軍!!:04/02/13 17:21 ID:bHM8ThMN
驚愕するゆで……攻撃しない理由が見つからない。
突如、荒木が吹き飛んだ方から何かが飛んでくる。
将軍「この状態で何を企んでいるぅ!荒木ィ!!」
そう言ってゆでがそちらを向き、飛んできた物の正体を探る。
将軍「鏡!?」
次の瞬間、鏡を覗いていたゆでの後に荒木の姿が現れる。
荒木「入れば全てが逆の世界……。『マン・イン・ザ・ミラーッ!』ゆで将軍が中にはいる事を許可するうぅぅぅぅぅぅぅぅ!
   だが小畑建は許可しない!小畑建の精神が中にはいる事は許可をしないぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
将軍「何ッ!!」
急速にゆでの体が藤崎の目の前から消え去り、後には小畑だけが残される。
藤崎「小畑殿ッ!大丈夫ですか!早くこれを!!」
仙桃を小畑に食べさせながら、藤崎は荒木の策がうまくいった事を知った。

将軍「さすがに驚いたよ……荒木飛呂彦。私をこう追いつめるとはな……。」
荒木「悪いか俺もここまでうまくいくとは思えなかったな。」
にやりと挑発をしながら荒木が言う。
将軍「言わせておけば………。まず最初に言っておこう……。体力・耐久力・スピードは私はトップクラスに位置するだろう。」
荒木は、その言葉をゆっくりと聞く。
将軍「そして、戦いにおける駆け引き、能力の数、タイプでは貴様はトップクラスに位置するだろう。」
荒木「ほう……。」
興味なさげに荒木は言う。自分の実力を高く評価されてもそれほど気にかけない様子だ。
将軍「ならばもし私の体力・耐久力・スピードと、貴様の能力、駆け引きを持つ人間がいたら?」
そう言って、ゆでが背中から巨大なカセットテープを取り出し、胸へとはめる。
将軍「見せてやろう!何故貴様等が勝てないのかを!!漫画家大全集第三巻! 荒 木 飛 呂 彦 の テ ー マ ! ! ! 」
荒木「何ぃぃぃぃぃぃぃッ!!!」
荒木の口から驚愕の声が発せられた。

450 :not alive:04/02/13 18:58 ID:GIYP90i+
「・・・・・・」
静かに、氷塊のように怨みの門の石段に座り込んでいた高橋ツトムは、わずかに虚空を見上げた後、その場から立ち上がり、門の内部に吸い込まれるように消えていった。
「?」
まだ悩んでいた小栗が顔に疑問符を浮かべた。

門の内部の一室。
祭壇のような建造物があるその場所で、高橋は足を止め、腰を下ろした。
「どういうことだ?」
祭壇のほうには体を向けず、顔だけを祭壇に向けて高橋は言った。
誰もいない祭壇。
だが、高橋の呼びかけに答えるかのように、そこに大きな光の塊が現出した。
その現われた光の中には、高橋ツトムが“あった”
何も纏わない身は、まるで生気がなく、その眼は緩く閉じられていた。
高橋ツトムは横目でその体を見ていた。
その瞳には何の疑問も驚きも無い。
なぜなら、あれ、が何なのか、何故、あんなものがあるのか
彼は全て理解しているのだから。 


451 :not alive:04/02/13 18:59 ID:GIYP90i+
光が完全な形を成したとほぼ同じくして

「久しぶりに来たと思ったら、随分いきなりだね――なんのことかな?」

声は、光の発生とともに聞えてきた。
無邪気な、子供を思わせる声であった。
奇妙なことに、その声の発生源はまるで不確かであった。
光の中から聞えてくるようでもある
光の外から聞えてくるようでもある
ただわかることは、その“声”が光とともにある事だけだった。
不気味な事このうえない状況
しかし高橋ツトムは眉一つ動かさない無表情で、言及を続けた。

「三条のことだ」
「ふむ、何か気に入らない事でもあったかなあ?」
心の底から不思議、そういう声音に
「何故、あの男の人格に干渉した?」
冷たい声で高橋は切り返した。
「ああ、なんだそのことか」
納得したような声が閑散とした境内に響いた。
「簡単なことさ、彼は“君と同じ”なんだよ」
にっこりと微笑む表情が目に浮かびそうなほど、朗らかな声が聞えてきた。


452 :not alive:04/02/13 19:00 ID:GIYP90i+
「―――」
一瞬、凄絶な気が高橋の体から噴出して、すぐに氷結した。
「・・・・・・・・・・そうか」
隠しようの無い苦渋に満ちた声を無表情で包み込み、彼は立ち上がった。

「わかっているとは思うが、ここに集まる死者達は地上の様子を見ることができる―――やりにくく  なった」
「それは不必要なことだと思うけどねえ―――頑張ってくれたまえ」
返された返答が気に入らなかったのか、それとも、光の中に浮かぶ自らの体への憐憫か、しばらくの間、じっと硝子の瞳で光に包まれた高橋ツトムを見つめた後――すっと、音もたてず高橋は踵を返した。

「高橋くん」
その背に、声が投げかけられた。
「死者の魂の道案内をして、もう何年になる?」
「10年と25日目」
振り向きもせず、背中で高橋は返答した。
「10年・・・もうそんなになるんだねえ・・・」
深い感慨の篭められたその声は、今までとは違い、年老いた老人のそれを思い起こさせた。
「10年間、君は一切私情を挟まず魂を導き、そして、三つ目の選択肢を選び、呪いを成し遂げた幾  多の怨魂を僕に捧げてきた。それはとても辛い日々だっただろう」
「・・・・・・・・・」
黙って背で聞き続ける高橋も、過去を追憶するかのようにわずかに目を伏せた。
「後、四人。僕の手足となる者を集めれば、君は解放される、それを努々忘れないよう――例え嘗て の自分と同じ職の者達を墜落させるとしても、ね」
「わかっている」
そう言って眼を開いた高橋からは、今度こそ本当に全ての表情が消え去っていた。


453 :not alive:04/02/13 19:01 ID:GIYP90i+
「うん、ならいいんだ」
そのことに満足したのか、再び聞えて来た声は、子供のようなソレに戻っていた。
「どうやら、次の魂が到着したようだね」
その言葉と共に、高橋は静かに部屋から去った。

「だーかーらーここは怨みの門って場所で、門番が三つの選択肢を提示するって言ってるだろーが!!何度も言わせるな、この褌!!」
「褌言うな!気が付いたらこんな格好だったんだ!俺のせいじゃねえ!!」
「そんなことより、一行にその門番とやらが現われませんねえ・・・もし嘘だったら、壊しますよ?」
「ぎゃー近寄るな根暗!!」
門の前では、未だ決断できずに門に残っていた小栗に、新たに現われた二人の男が事情を問い詰めていた。
その光景を一切感情の無い瞳で睥睨してから、高橋は石段を降りて、三人の前に姿を現した。
「桐山光侍にかずはじめ、だな」
「「!?」」
驚く二人と、だからいっただろうと、何故か偉そうな態度を取っている小栗に、いつもと変わらず高橋ツトムは淡々と言葉を紡いだ。
「ようこそ、ここは殺められたり不慮の事故で亡くなった人が来る怨みの門そして、俺は門番の高橋 ツトム。お前達が選べるのは三つの道から一つ
 1、このまま極楽へ逝き再生を待つ
 2、霊となって現世をさ迷い続ける
 3、妖魔王の配下として転生する――しかし転生したら最後魂は永久に妖魔王に縛られる
 時間は幾等でもある、好きな道を選ぶといい」


454 :作者の都合により名無しです:04/02/13 19:47 ID:u2Qu3tcr
すごくいい。

455 :松椿館大騒乱:04/02/13 22:23 ID:g+LDQZc8
駆け付ける警察。ざわざわと騒ぐ従業員。
成り行きで事情聴取を受ける安西と馬場。
そして、その場所には、TVモニターが。
――異変は、突然だった。
「ぶぎゃっ!?」
いきなり従業員のひとりが警官を殴り飛ばした。
「ぐひひ♥」
涎を垂らしながら笑う従業員。つい今まで、何の変哲もない中年だったはずだ。
「ケケケケ♥」
その従業員の頭に、一秒と待たず、パイプ椅子が叩きつけられ、流血する。
「ぐばっ!」
それを行った比較的若い従業員は、即座に別の女性従業員の金的蹴りを喰らった。
「死ねガキャアっ!」
「ってんなよ、タコォっ!」
「っだらァ〜〜〜!」
唐突に、大乱闘が始まった。しかも警官の目の前で。
だが、警官は誰ひとりとして止めに入らない。
なぜなら、警官達もこぞって、その乱闘に参加しているからだ。
安西「な、なんだこいつら!? 見境なくケンカおっぱじめやがった!」
馬場「……いや! これはただのケンカ騒ぎではありません!」
安西「? どういうことだ?」
いぶかしげに、まだ会ったばかりの巨漢に、質問する。
馬場「さきほどのTV中継。おそらく、あれが原因です」
安西「…あれが? ただの新人アイドル・グループのコンサートじゃねーか」
馬場「一見、そうとしか見えません。ですが、間違いありません。あれこそは伝説の『傀儡の舞』!」
安西「くぐつのまい……?」
聞き慣れない単語に、うろんな顔をする安西。
すると馬場は、真剣な面持ちの中にも、どこか恍惚を滲ませたような表情で、解説を始めた。




456 :松椿館大騒乱:04/02/13 22:23 ID:g+LDQZc8
馬場「『傀儡の舞』とは『千葉流裏舞踊』という流派最大の奥伝であり
         
            ……(中略)……
  
  洗脳された者は、理性の“たが”がはずれて闘争本能のみで動くようになります。
  そのため、通常理性で抑え込まれている身体的ブレーキがかかってない状態の、
  彼らの戦闘力は、常人のそれを遥かに超えるものです。
  たとえば、アントニオ猪木の戦闘力を、100アントニオ猪木(AI)とすると、
  それを上回る数値を洗脳された者たち全員はたたきだし、
  なんらかの武術の心得でもあろうものなら、200AIを超えるでしょう。
  要するに、とにかく今の彼らはひとりひとりが一流の猛者であり、危険極まりない暴徒ということです」
安西「……どうでもいいが、あんた、なんかうれしそーだな……」
……と、そんな会話をしていた矢先、暴徒のひとりが、安西たちに襲いかかってきた。
馬場「むんっ、……どうやら悠長に長話をしてる場合ではなさそうですね」
安西(長かったのは、あんたの話だけだがな……)
最初のひとりを馬場が蹴り飛ばしたのを皮切りに、2人は乱闘に巻き込まれた。
その巨漢からは、想像もできない速さとしなやかさで、手足を繰り出し、次々と暴徒を沈めていく馬場。
それを目の当たりにした安西が、心の中で口笛を吹く。
安西(…誰だか知らねえが、この糸目野郎、強え!)
しかし、感嘆する間もそこそこに、暴徒たちは安西にも殺到してくる。
安西(心を細くする――それが全ての戦いの基本。)
先刻のにわのとの戦いで、安西は戦闘における基本を思いだした。
かつての命がけの修行の中で会得した、『穿心』。
そして――『水の心』――。
背後からの三人がかりの奇襲を、柄を一閃させ、薙ぎ払う。
正面の敵に、膝をつきあげる。
着地様、脳天への一撃と、膝の撃ち落としで、前後の挟み撃ちを処理する。
目にも止まらぬ迅さで、槍を振り回した。


457 :松椿館大騒乱:04/02/13 22:25 ID:g+LDQZc8
馬場(ほう…すごいですね、これは。動きの速さは常人の平均値の8倍。
   力に至っては、瞬間520Lに達している……
   しかも、あの異能の槍は、作動していないというのに……
   にもかかわらずこれほどの動きを見せるとは……よほど師に恵まれたようですね)
安西「くそっ、キリがないぜ、こりゃ! それに宴会場の様子が心配だ!」
馬場「了解。止まらず、先へ進みなさい! 後方は私が受け持ちます!」
安西「……知り合ったばっかのあんたに頼むのも気がひけるが……悪いな、頼んだぜ!」
言うが早いか、安西は脇目もふらずに、宴会場へと駆け出した。
それを横目で見ながら、馬場がふっと微笑する。
馬場(ふむ……なかなか見所のありそうな男だな)
もちろん、殴りかかってくる相手に、鉄拳を見舞うのも忘れない。
乱闘の向こう側に、赤々と燃え盛る、別府の町並みがあった。
馬場「どうやら、別府のほぼ全ての住人が、暴徒と化しているようですね。……やれやれ、こいつはとんだ休暇になりそうだ」
そうつぶやきかけたとき、馬場の懐から、ヌイグルミが落ちた。
それは、ピ○チュウの人形。拾い上げる間もなく、それは暴徒に踏みつぶされた。
ワタが飛び出、無惨な姿になる、ピ○チュウ。
その光景を見た馬場の肉体から、壮絶な魔気が沸き立った。
馬場「き…きさまら……よくも…俺の……ピ…」
額の“魔眼”がまぶたを開き、全身から放電現象がほとばしる。
馬場「ピッカアアアアアアア!!」
ずらり、と馬場が、どこからともなく日本刀を抜き放った。
馬場「ダーミアーン!」
いきなり、3つの首が、すぽぽーんと宙を舞った。
馬場「愚か者共め! 俺を殺したきゃモビルスーツでも持ってきやがれ――!
   ぐゃはははサイコーだ、どいつもこいつもこの世に生を受けたものは全て死に絶えろ――――!!
   約束の刻 来れり! 犯せ! 殺せ! 呪え!
   女王ヘクバの名のもとに全てを我が生贄とするのだああああ!!!!」
もはや先刻までの紳士はどこにもおらず、悪魔憑きのキ○ガイによる、デストローイな大虐殺劇が始まった。

458 :作者の都合により名無しです:04/02/14 04:20 ID:hsCnILYt
(´-`).。oO(シリアスになった途端、レスが少なくなる…)

459 :作者の都合により名無しです:04/02/14 04:39 ID:hsCnILYt
とは言っても、原因は
「ネタよりボケ度が少ないから若干ツッコミにくい」
というだけのことですんで誤解無きよう。

全ての名も無きバトル+シリアス職人さんに
「GJ!」b( ̄ー ̄)

460 :鮮血のバレンタイン:04/02/14 22:42 ID:Lt516Jsm
 「えーもしもし?こちらまこリン。え?普段と声が違う?気にすんない♪
 久々に大量注文かましたいんだけどいいかな・・・金?例の如くツケとくじゃん!」
火事で混乱する別府の、どこかの小さな公園。
消防車や救急車のサイレンがひっきりなしに聞こえる。
約12万人と言われる別府市の人間は今宵、戦争という名の≪おまつり≫の主役。
オープニングのBGMが、夜空を絶え間なく往復する。
携帯電話でどこかへ電話をかけた“復讐鬼”にわのはイライラしながら時を待つ。
座ったベンチに転がした、とっくりから聞こえる小さな声・・・。
 (・・・おい!聞こえるか、にわのさん!何企んでるか知らねえがここから出せよ!)
 (にわの君ー、その姿じゃわからなかったよ。
 女の子が血まみれで倒れてるから、駆け寄って介抱しようとしたら・・・
 これだものなあ。一体何がしたいんだ?)
岡村と巻来だ。≪鬼麹亜空間≫に囚われた人間は、小人化して梅酒の梅状態になる。

 「岡村クン、マッキー先生、騙しちゃってごめんねぇ。
 とっとと終わらせるから頑張って最後まで・・・耐えてね」
 (だから何をやるんだよ!俺らを殺す気か!?)
岡村の叫びに返答をやる間もなく、いきなりベンチ近くのマンホールの蓋が開く。
中から大きく長細い木箱がズルズルと押し出され、領収書と共に蓋が閉まる。
にわのがスキップで駆け寄り釘打ちの木の板を素手で引っぺがし、中身を取り出す。
緩衝材に包まれた黒光りするそれらは―――大量の銃火器や手投げ弾、予備の弾倉。

いくつか手に取り操作を確認し、ニッコリ笑うにわの。
裏街道での10年は、こんな形でコネクションを形成していた。
 「・・・見てろよー真鍋譲治・・・ぜーったい、
 あの島で死ななかった事を後悔させちゃるから!」
あの獣人に銃火器が効くとは思えないのだが・・・何か秘策でもあるのだろうか?

 「よぉーーーーーし!明るく楽しい殺人ゲームの始まりじゃーい!
 あの憎ったらしいケモノ顔に、鉛色のチョコレートをリボン付きでお届けするモーーーン!!
 テンション上げっぞバカヤローーーー!!あーーーーはっはっはっは!!」
煙で星がまたたく夜空に、ケタケタと狂った笑いが響いた。

461 :作者の都合により名無しです:04/02/14 22:46 ID:Lt516Jsm
戦争じゃないや。騒乱ね>5行目
そろそろ新スレの季節だね!(・∀・)b

462 :その頃の車田:04/02/14 23:30 ID:CPDemf1w
 車田「クッ……、なにかイヤな予感がする。急がねば…。」
そう吐き捨てた車田が走り出そうとした瞬間、背後から何者かが斬り付けてきた。
 車田「なに、貴様まだ!?」
佐々木「油断したな……、『次の命令』ってのはお前を殺すことだよ。一度、退くフリをすれば油断すると思ったぜ」
車田は、佐々木のナイフをかろうじてかわし、一定の距離をとった。
しかし、その瞬間、車田の全身を覆う黄金聖衣が、バラバラになって剥がれ落ちた。
 車田「ば…、馬鹿な!!?」
佐々木「だから言ったろ、俺に『殺せ』ないものなんて、この世にはないんだよ。聖闘士ってのは聖衣さえなきゃ、ただの人なんだろ。」
 車田「フッ…、フフフ……。」
佐々木「?」 
いきなり車田が笑い出したのを見て、佐々木が首をかしげる。
佐々木「どうした、恐怖のあまり気でもふれたか。」
 車田「同人作家ごときが聖闘士の力を量れると思うな!見るがいい!!」
叫んだ瞬間、車田のむきだしの上半身を、湯気のような熱気が覆っていく。
目の錯覚か、その湯気は黄金の輝きを放っているように見えた。
やがて、湯気が車田の全身を覆いつくし、そして、その下から現れたのは!!
佐々木「な…、なに!」
なんと、それは元通りに、黄金の聖衣を纏った、車田正美!!
佐々木「馬鹿なああああ!?」 
 

463 :その頃の車田:04/02/14 23:31 ID:CPDemf1w
車田「俺の聖衣は、自己再生能力を持っていてな。
    たとえ、どんなに砕かれようとも、一握りの灰さえあれば、不死鳥のごとく甦るのだ。」
佐々木「馬鹿な、馬鹿なああああああ!!」
予想外の事態に冷静さを失い、半狂乱となった佐々木がガムシャラに斬りかかってくる。
 車田「これ以上、遊びに付き合っているヒマはない!今度こそ、塵ひとつ残さず消えるのだ!!」
刹那、車田の両手が、まばゆく白く輝く光の輪を作り出した。

 車田「 ス タ ー ラ イ ト エ ク ス テ ィ ン ク シ ョ ン !!!! 」

佐々木「ぴぎゃあああああああああああ!!!!」
断末魔は、無数の光の輪に包まれ、佐々木少年の姿は影ひとつ残さず、この世から消滅した。
 車田「『スターライトエクスティンクション』を喰らったものは、例外なくこの世から消滅する。
    たとえ、どれだけ不死身の肉体を持とうともな。
    わざわざ、俺を倒すために戻ってきたことが、お前の誤りだった。」
もはや車田の声を聞くものは、この場にはいない。
今度こそ、友の下へと駆け付けるべく、車田は走り出した。

464 :作者の都合により名無しです:04/02/14 23:36 ID:CPDemf1w
どうも不評っぽいので、責任をもって佐々木は処分させてもらいました。
もっとも、そもそもは「設定上ほぼ不死身の小畑を『殺せる』キャラ」という理由で登場させただけで、
この場面が終わればさっさと始末するつもりでした。
ゲームもやったことなくて、たまたま電撃で漫画版を読んで、初めてネタを思い付いただけだったし。
なのに、「エロゲーオタすげえうぜえ」とまで言われるとは、正直ショック・・・

しばらく、ROM専になろうかな・・・

465 :鏡の外では:04/02/14 23:45 ID:j+aSQNXn
藤崎「荒木先生、わしにはもう策はない。頼みますぞ。
小畑「藤崎……くん。
藤崎「小畑先生、大丈夫ですか?!
小畑「ああ。ちょっと血が抜けて頭がクラクラするけど。あと半ダルマ状態。
安心させようと作った小畑の笑顔は、藤崎の目にとても弱々しく映る。
小畑「この体で良かったよ。ホント、命がいくつあっても足らない。荒木先生も
    俺の事を気にせずに攻撃すればよかったのに。この体なら全然平気なのに。
    それにこの体じゃなかったら腕と足一本ずつじゃすまなかっただろうな。本当に良かった。
    あんだけ血がでても生きてるんだぜ?ほんっと、無敵だよなこの体。
    ゆで・・・・・が俺が死ぬかもって言ってたけど多分大丈夫だったと思う。この体だし。
ホントよかったよ。この体で。
藤崎「小畑先生・・・・・。
いつも以上に饒舌に喋り平気を装う小畑の姿は、彼の目から流れる一筋に涙の前には
あまりにも滑稽だった。小畑はなお「この体で良かった」と言い続ける。その言葉を
言う度に藤崎は小畑に対しての同情する気持ちが高まっていくのを抑えれなかった。
小畑「あれ?なんで俺泣いてるんだろ。無敵のこの体も目のゴミには勝てねぇのかな?
ハハハと笑いながら目を拭うが、涙は後から後から溢れてくる。
藤崎「小畑先生。わしはそんなに頼りないかのう。
その瞬間。小畑の中で何かが弾けた。

小畑「藤崎くん・・・俺、人間に戻りたい!!こんな体はもう嫌だ。腕を切られた時
    『痛み』を痛みと気づくまでに時間がかかる存在なんてもう沢山だ!!
    どんな動物だって『痛覚』を忘れやしないのに、俺は宝貝だって突きつけられる
    ようで!人間に戻りたい・・・殴られれば痛いと感じて、むかついたら相手を殴れて
    守りたい人を守りたい・・・・・・俺は確かに無力さ。でも、今の俺ははなっから守りたい人
    を守る権利さえ剥奪されてる!!もういやなんだ・・・人間に戻りたい・・・自由に・・・漫画が描きたい。」

466 :鏡の外では:04/02/14 23:47 ID:j+aSQNXn
藤崎「小畑先生、落ち着いてくだされ。ほった先生と真島と矢吹、役者が揃えばわしがちゃんと人間に戻してみせます。
その為に藤崎はここに居るのだ。自らの技術の犠牲となったほったと小畑を助ける為に、藤崎はここに居る。
それは小畑も承知のはずだ。







小畑「戻るべき肉体がこの世に存在してなくてもか?







その声は、藤崎の胸に鋭く突き刺さった。戻れない絶望と気休めをいう藤崎に対しての憎しみ・怒り。そしてそんな事を
隠せない自分自身への侮蔑が入り混じった、鋭利な刃物のような声だった。
小畑「ほったと俺はずっと人間に戻ることを考えていた。二人は役割を決めて、真島と矢吹の契約に乗じてそれを
達成するつもりだった。俺の役割は『俺達の肉体の有無と戻る方法の模索』。俺は半分だけ達成した。
    なぁ、藤崎くん。帰書文から開放された俺の魂魄は何に戻ればいいんだ?

その問いに藤崎は答えれなかった。

467 :作者の都合により名無しです:04/02/14 23:53 ID:j+aSQNXn
正直『佐々木』の文字が見えたときは被ったと思った。

>>464
気にするな。

468 :作者の都合により名無しです:04/02/15 00:24 ID:BRX9SRaO
文字では計りきれない悲しい齟齬ね(´Д⊂
(ROM注:ウゼェ発言は“したらば相談スレ”のものです)
それはともかく新スレ行きましょう。
あと一本書きますね

469 :作者の都合により名無しです:04/02/15 00:32 ID:ooJ2da2B
おろろ、佐々木もう死んじゃったか
まあ、月姫厨は本スレ以外、2chではたいてい嫌われる傾向にあるからな
落ち着いたら、また書いてくれ

470 :A hot hot hot night:04/02/15 00:53 ID:BRX9SRaO
A hot hot hot night

さっきまでいたロビーの大惨事を知らず、安西は宴会場へひた走る。
何か大変な事が起きている!皆に知らせて有事に備えなければ!
謎の女、惨殺死体、街中の大火災、“傀儡の舞”による暴動――――
繋がる一本の糸こそ見つからないが、こうも折り重なる事件が偶然だなどとはありえない!
安西は走る・・・皆の集う場所へと・・・押しつけられた運命に立ち向かうために!!
 
 「テメェらーーー!出入りだぁーーー!!そこらじゅうで事件だらけ・・・なんだぁぁ!!?」

ふすまを勢いよく両開きにした安西が見たものとは―――――――


安永 「あ♪ほーれ、一気!一気!一気!一気〜〜!!」
小林(よ)「へ、へーへへきょ?むぁさかこのファラオもどきと本当に接吻するとでしゅか?」
安永 「他に何があるとゆーのだ。ほれほれ、ブチューとやらんかブチューと」
小林 「じょーだんじゃナイッシュー!ぽっくんの清楚な唇が穢れるでしゅ」
雷句 『おや?まだでしょうか。それならばこっちから・・・・』
小林 「ぶ、ぶれいももー!あーやめて〜許してんびん!ぽっくん困ってシマウマ〜〜!!ああ〜〜っ」
安永 「わはははー!祝い酒じゃあー!さあ次の一発芸は誰が来るんかのぉ〜〜〜!」

 「っっ〜〜〜やーーーーめーーーーーんーーーーーーかぁぁーーーーーーーーーーーー!!!!」

我に返った安西の、怒りの咆哮が会場内を席巻する!!


しーん。
やっとマトモな静寂が訪れた宴会場。
槍を門番のように畳に突き立てた安西が改めて皆に宣言する。
 「宴会は一時中止だ!別府の町じゅうが災害に巻き込まれてるんだ。
 てめーらとっとと戦闘準備に入りやがれ、固羅ァ!!」
こうして温泉慰労会は新局面に突入した。果たして彼らの運命はいかに!?    ←TO BE CONTINUED

471 :作者の都合により名無しです:04/02/15 00:53 ID:BRX9SRaO
あ、スレタイまでコピーしてもうた_| ̄|○ 475kb〜

472 :作者の都合により名無しです:04/02/15 00:54 ID:BRX9SRaO
サブタイだ_| ̄|○ 自分のホストじゃ立てられないから誰かよろしく

473 :次スレ:04/02/15 02:04 ID:ooJ2da2B
【リレー小説】えなりの奇妙な冒険〜冨樫の遺産編第17部

http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1076777860/l50


初めて、スレ立てってもんを経験したぜ。……悪くない。

474 :作者の都合により名無しです:04/02/15 02:53 ID:BRX9SRaO
乙君

475 :作者の都合により名無しです:04/02/15 11:44 ID:fyykDVhr
新展開で新スレ突入か。話が大きく動きそうな予感がする第17部である。

476 :16部まとめ:04/02/17 09:09 ID:6mUBOS+s
さて諸君、まとめの時間だ。
時系列が多少前後することになるが、
今回は実験的にレス順ではなく、エピソードごとにまとめてみた。
それに伴い、複数人の書いたネタが一つに纏まってたり、
タイトルが変わってたりするが了承してくれ。
本当は同時進行するストーリーを縦二列に分けてみたかったのだが、
ゴチャゴチャしてしまうのと、編集が大変だったのもあって断念したよ。
基本的に上から順に読んでいけば、物語を把握できるようにしたつもりだ。

それでは漫画家たちの戦いの足跡を追ってみようか↓

477 :16部まとめ:04/02/17 09:10 ID:6mUBOS+s
まずはBブロック惨劇の跡、膠着状態のゴッドハンドと評議会。
窮地を脱した安西の前に現れた魔闘気を纏う男。
そして二大巨頭の激突。

【乱戦の後】
  新たなる玄武 ――――――――― >10>11(訂正>13)>15>24>26
  魔人の影 ――――――――――― >16>17>18

【デッドヒート!ヤンキー漫画二大巨頭】
  追いかけて永遠の人 ―――――― >61
  ワイルドで行こう ――――――― >89>91>97>98>99>100>101


安西の『無礼ド』帰還、荒川まさかの一時離脱。

【無礼ド組】
  安西帰還 ――――――――――― >52>53>54
  消せない罪 ―――――――――― >63>65>66>67>68>69>70>71>72
  出発と発見(キャノンボール1)― >104>105

478 :16部まとめ:04/02/17 09:14 ID:6mUBOS+s
そして、ついに始まった温泉慰労会。
平和な時間はあっという間に過ぎ、何人かのキャノンボール参加を除きメンバーは別府へ。

【慰労会・鹿児島編】
  A hot spring and the future ―― >8
  ハンティング ――――――――― >21
  神様の悪戯 ――――――――― >42
  巨星、接近遭遇〜伝説達の王 ― >44>45>95>96
  新しい友 ―――――――――― >46
  読み違える ――――――――― >47>48>49>57>58>76>77>78>79>80
  釣りッキーズな午後 ―――――― >56
  屋根の上の爆弾男 ―――――― >59
  おねがい☆師匠(ティーチャー) ―>60
  南国の青は鮮やか過ぎて ――― >85>86>87>88
  Nの提案(キャノンボール2・3・4) ―>106>107>108
  やれいけ別府進撃隊 ――――― >112>113>114>115>116
  別府八湯地獄巡り ―――――― >151>152


Nの提案により、
梅澤vs佐木の争いに便乗する形で始まった矢吹艦縦断レース

【キャノン・ボール・ラン】
  チキチキマシン超レース ―――― >200
  風を切る鉄馬 ―――――――― >204
  キャノン・ボール・ラン ――――― >213>214>215>216>217>219
  豆腐屋とチャリ ――――――― >260
  チキチキマシン超レース2 ――― >274
  コチェ・ボンバ ―――――――― >295>296>297>298>299
  嵐の乱入野郎――燃えよペン ― >300>316
  ゴッド・スピード・ユー ――――― >367>368

479 :16部まとめ:04/02/17 09:29 ID:OD5shXz1
舞台を別府に移す前に裏で蠢くものたちの動向を探ってみよう。

【湯の華 幕間】
  5つ目の怨魂 ――――――――― >90
  迷いの森 ――――――――――― >137>138
  動く城 ―――――――――――― >221
  鎌鼬の夜 ――――――――――― >195>196>197>198>199
  湯の華 幕間 ――――――――― >206>207>208>209>210>211>212
  お前なんかいらん ――――――― >311>312
  Love beer ―――――――――― >364>355>356
  男なら・・・・・・ ――――――――― >446(注釈>447)

【赤き戦場】
  前編 ――――――――――――― >110>118>119>120>136
  後編 ――――――――――――― >145>146>147>148>149>150

【サイバーシティは眠らない】
  前編 ――――――――――――― >121>122>123>124>125>126>127>128>129
  後編 ――――――――――――― >317>318>319>320>321>322
  正体は企業秘密 ―――――――― >396>397

【戦慄の刺客】
  訪れ死もの ―――――――――― >27>28>29>30>31>32>33>43>75
  「死」の恐怖 ―――――――――― >225
  不沈!ゆで将軍!! ―――――― >226>227
  約束をしたから ―――――――― >228>230
  戦慄!ゆで将軍!! ―――――― >394>404>405>406>448>449
  その頃の車田 ――――――――― >462>463
  鏡の外では ―――――――――― >465>466

(※【戦慄の刺客】荒木、車田参戦は時間的に温泉メンバー別府到着後になるだろう)

480 :16部まとめ:04/02/17 09:30 ID:OD5shXz1
温泉慰労会、舞台は別府へ。一つのルートに無数のエピソード。
読みきれるか!? この途方も無い展開の数々を!
笑いあり涙ありバトルあり、そして、エロスは程ほどにな!

【慰労会・別府温泉編その1】
  地獄の一丁目 ―――――――― >162>163>164
  湯煙に咲く華たち ――――――― >156>160>161>166>167>168
  湯煙に咽ぶ漢たち ――――――― >165>171
  出歯亀の世紀 ―――――――― >172
  裏御伽よもやま話 ――――――― >181
  ENEMY ―――――――――― >182
  ウイングマン ――――――――― >201>202>203
 【トランス・セクシャルズ】
    女で男、男で女 ―――――― >173>174
    恐るべき未来 ――――――― >192>193>194
    Bomber Boys ――――――― >246>247>248>249>250>251
    遅れてきた男 ――――――― >280>281>282>283>284>285
    炸裂!地獄のツイスター ―― >292
    苦労人の足跡 ――――――― >294
 【生と死の狭間に躍る男】
    生と死の狭間に躍る男 ――― >253>254>255>256>257
    流れ星キラリ ――――――― >263
    その間何があったのか ――― >264>265>275>276>277>278
    勇者はつらいよ ―――――― >309
    広江礼威は恋をする ―――― >310

481 :16部まとめ:04/02/17 09:30 ID:OD5shXz1
【慰労会・別府温泉編その2】
 【武井救済計画】
    前編 ――――――――――― >183>184>185>186
    中編 ――――――――――― >237>238>239>240>241
    後編 ――――――――――― >301>302>303>304>305>306
 【黒死の蝶】
    或る温泉の風景 ―――――― >234>235>236
    深く静かに闘いは始まる ―― >268>370>373>374>375(訂正>376)
 【エピソード:ザ・ペーパー】
    湯煙の中の死闘・前編 ――― >289>290>291
    湯煙の中の死闘・後編 ――― >349>350>351>352>353
 【貞本、おまえは・・・】
    超弩級さかなや戦士マキノ ― >313>314
    その転落の軌跡 ―――――― >332>333>334>335>336
    小島の再会 ―――――――― >359>360
 【鬼が来た】
    ふたりの戦士 ――――――― >323
    鬼 ―――――――――――― >324>326>327>328
    和郎の決意 ―――――――― >341
 【復讐鬼】
    夜に散歩しないかね ―――― >331
    ベップドロップス ―――――― >342
    DARK MOON ―――――― >343>344
    狂い月は人に優しくなく ―― >369>371
    リベンジャー ――――――― >407>408>409

482 :16部まとめ:04/02/17 09:31 ID:OD5shXz1
【慰労会・別府温泉編その3】
  いつになったら宴会は始まるのか >356>357>358
 【怪奇!一発芸大会in別府】
    1番 ゆでたまご ――――― >380
    2番 安西信行 ―――――― >381
    審査員リック閣下のお言葉 ― >382>384
    3番 木多康昭 ―――――― >385
    4番 澤井啓夫 ―――――― >386
    5番 鈴木ダイ ―――――― >387
    リック閣下の判定vol.1 ――― >388
    6番 やまもとかず――――― >390
    7番 安永航一郎 ――――― >391
    8番 河下水希 ―――――― >392
    9番 金田一連十郎 ―――― >393
    10番 にわのまことβ―――― >395
    11番 天野こずえと冬目景 ― >398
    リック閣下のお相手探し ―― >399>400
    忍び寄る、霧 ――――――― >410
    12番 福本伸行 ―――――― >412
    還りし変態 ―――――――― >414>415
    そして混沌へ・・・ ――――― >416


飲んで歌って馬鹿騒ぎ。しかし招かれざる客の数々に気付くものは少ない。
静かに……だが確実に訪れる悲劇の幕開けは近い。

483 :16部まとめ:04/02/17 09:32 ID:OD5shXz1
【別府温泉地獄編】
 【地獄の宴は今より始まる】
    開幕ベル ―――――――― >420>421>422
    最悪の裏切り ―――――― >423>424>425>426
    舞武道『稲村慈円』 ―――― >433>434>435
 【鬼岩城上陸】
    ご想像にお任せします。 ―― >427>428
    第三の『鬼』 ――――――― >429>430
    稲田、回想 ――――――― >431>432>441>442>443>444
    not alive ―――――――― >450>451>452>453
 【おたのしみのじかん】
    渡る世間は鬼ばっかり ―― >437
    大輪の紅い華 ―――――― >438>439>440
    鮮血のバレンタイン―――― >460
    ディナーの時間 ――――― >445
    松椿館大騒乱 ―――――― >455>456>457
    A hot hot hot night ―――― >470


ついに地獄の宴は幕を開けた!
迫り来る神の、妖魔の、夜の眷属の、そして懐中の敵!
安西は!? にわのは!? 留美子は!? 尾田は!? 武井は!?
はたして生き残ることが出来るのか!?
刮目してみよ! 彼らの熱き魂、その生き様を!

【リレー小説】えなりの奇妙な冒険〜冨樫の遺産編第17部

http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1076777860/l50

←TO BE CONTINUED

484 :作者の都合により名無しです:04/02/17 09:40 ID:otAkInuL
ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノおつー!!
今回もなかなか濃いから簡単な流れがわかってありがたいですな〜

あ、リンクミス発見しましたので受け取って♪

  Love beer ―――――――――― >364>365>366

485 :作者の都合により名無しです:04/02/17 10:39 ID:p92Ufnq+
乙、大変乙カレー。
しかし、激動のスレだったな・・・
前スレはほとんど動きがなかったというのに、一気にハジケた感じ

486 :作者の都合により名無しです:04/02/17 11:07 ID:otAkInuL
そおいや>>300はAじゃなくてDからスタートなんだよね。
訂正遅れてごめんね
あとついでに板垣vs川原戦キボンしとこ

487 :作者の都合により名無しです:04/02/17 16:29 ID:Tt+RrW1F
乙です。こういうまとめ方もいいな。

488 :作者の都合により名無しです:04/02/18 11:08 ID:CluWA9l6
しかし王子(笑)があっちに行ったって事は、
こっちの鬼はやはりカズロウが相手かな・・・ヰ`

489 :作者の都合により名無しです:04/02/19 12:46 ID:teyVu2yb
保守がてらカキコ

島以前、チームタフ登場時のゴタゴタの際に、
板垣さんと川原さんのキャラが被るから差別化を図ろうと
いう動きがありましたね。(なので岡村君が刺客になったり)

おかげで現在は同じ戦闘の鬼でも
方や底無しの戦闘狂、方や修羅の王子様(゚∀゚) <わはは
わからないものですなー

490 :作者の都合により名無しです:04/02/20 11:06 ID:K6t/jt68
どーでもいい疑問@保守がてら

あんだけ「鼻が利く」真鍋がなんでにわのの正体に気がつかないんだろうか?
・・・ひょっとして、知ってても現在の見かけが好みだから(・ε・)キニシナイ?(w

491 :作者の都合により名無しです:04/02/20 11:13 ID:SssOP8ml
知ったらげっそりだろうね(ノ∀`)
まあ島でも半分雑魚キャラだったまこリンなんか覚えてないつー事で

492 :491:04/02/21 03:33 ID:s9xY4HTk
とか言っていざ島編読んだら
けっこう頑張ってる方でした ショウジキスマンカッタ

493 :鬼岩城攻略戦@ 鬼岩城VSメカバーン:04/02/21 04:08 ID:sJnxTCAn
巨大機械竜・メカバーン
カムイが、つい先日得たスキルが。先ほど閉められたばかりの『門』に、その強靭な顎を突き立てた。
『ぐぅっ!?』
大きさは『鬼岩城』の約半分。
しかし勢いをつけたその衝撃は、無敵を誇る巨人鬼に生まれて初めての尻餅をつかせる。
また幾つかの建物が瓦礫と変わった。
『……おのれぇっ!!!』
よろけた体勢を立て直し、バン!と操作球に手をつく。
『その程度で、この鬼岩城に楯突けると思うのかっ!!』
胴体と違い、まだ岩盤に覆われた巨人の豪腕が。横殴りに機械竜の脇を貫く。
ひしゃげて割れた隙間から、複雑そうな内部が覗いた。
『……ギガデインッ!!』
雲間から突如降り注いだ白刃の轟雷、それにより繊細な配線と構造が一瞬で焼き切られる。
メカバーンの口や目や間接から、小さな爆発が相次いで、細い煙が立ちのぼった。
『…………』
ガシリと掴み上げた残骸を上空に放り上げ、クレー射撃の要領で砲撃する。
三発目で爆破・四散した鉄の破片が、別府の町中に降り注いだ。
『……ハッハッ……ハァ――――ッハッハッハッハッハ―――――ッ!!!』

「うるせえな……馬鹿笑いしやがって」
鬼岩城中央門。
僅かに歪んだ鉄扉の中ほど。突撃で開いた穴から内部に飛び込んだ椎名は、天井に向かって唸るように吐き捨てた。
メカバーンは、実は完全な捨て駒。彼等はギガデインより前に、既に『鬼岩城』に飛び移っていたのだ。
「しかしこれなんで出来てんだ?あの勢いでこんだけの穴しか開かないなんて……」
戯れに、ノックで硬度を推し量る。
「……まだ、気付かれてないんですかね?」
壁に背を預け撃鉄を起こしながら、水野が上目を遣う。
「とりあえずはな」
すらり抜き放つは『ロトの剣』
「……いや、もう見つかったようだ。」
そう言うゆでの視線の先に、鎧の兵団がゾロゾロとその姿を現した。

494 :作者の都合により名無しです:04/02/21 04:11 ID:sJnxTCAn
おもくそ誤爆・・
ゴムェン

495 :作者の都合により名無しです:04/02/22 23:11 ID:zSBgpfDw
修羅王子強いよーヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノおひょーう!

496 :作者の都合により名無しです:04/02/23 03:34 ID:o9m+/Xio
さすがに野良王子とは違うな。

497 :作者の都合により名無しです:04/02/23 12:33 ID:08dPKjBz

川原かにわのに「3種の神器」の最後一つ、『不死鳥の魂』いけるかも?

川原の場合、四門開けて生き残ったし、これだとちょーど出版社3社に分かれる。
・・・でも個人的には川原には変なギミック無しで行ってもらいたいんだけどね。
にわのの場合は、『しんでも生き返る=消して闇に染まらない魂』でどっちかと言うと呪い。
理由は、 闇に染まれないので何度でも地獄見ることになる・・・何度でも絶望の闇に
叩き落されるから(w 

ROM専のたわごとでやんした。お目汚し失礼。

498 :作者の都合により名無しです:04/02/23 13:18 ID:FdlpPQ+i
そういえば最後のひとり決まってなかったね。
えーと
ジャンプ出てからバンチに捨てられ
エロ系さまよって大真面目なネタで同人デビューして
打ち切り作品の続編を何個も根性で復活させまくる男か

やれん事もない(・∀・)

499 :作者の都合により名無しです:04/02/23 14:33 ID:ziA1GI28
強弱関係なく、さらなる不幸が約束されてるキャラって… イイ(´ω`)

500 :作者の都合により名無しです:04/02/23 14:40 ID:fJ290Ca2
『不死鳥』は平野を想定してたんだが。
まぁ、まだ決定事項じゃないしどうとでもなるか。

501 :作者の都合により名無しです:04/02/23 17:35 ID:8/DRXfGC
ははは(ノ∀`)<クロウシテンナ
不死鳥っぽい能力で岡村君生き返らせた前歴もあるし、やれん事はありませんが・・・・
いかんせんマイナー作者だしなあ・・・・


502 :作者の都合により名無しです:04/02/23 17:37 ID:8/DRXfGC
あ、川原さんに設定つけるのは確かに違うなーって感じ

503 :作者の都合により名無しです:04/02/23 18:20 ID:OeiDhYkr
おおう、何かいっぱいレスついてる('-'*)
497っす。
ホント、ロム専のたわごとなんだから
「何馬鹿言ってるもうすでに決めてるわー!」で十全だったのに
色々解釈考えてくれてありがとう。

こっちは、実は女体化にわの萌えから裏御伽ひいきに
なっちゃったんで試合負けても出番あって欲しいなーって
のがあったんですよ。
でも、書き手のノリと説得力にお任せします。こっちの予想なんぞ
ぶっちぎったって下さい!

504 :作者の都合により名無しです:04/02/23 19:38 ID:8/DRXfGC
おかしいな・・・
一発ギャグネタだったのに・・・(ノ∀`)>女体化

505 :作者の都合により名無しです:04/02/23 21:03 ID:X65zB2kS
「不死鳥の魂」はやはり黄金聖衣を砕かれても不死鳥のように蘇る
車田になるかなと予想しているですけど、実際どうなんですかね?
現在ゆで将軍と交戦中ですけどめちゃくちゃだなゆでw
ひょっとしてゴッドハンドより強いんじゃw





506 :作者の都合により名無しです:04/02/23 21:57 ID:OFYpKONM
梅さんの「突き抜ける力」はさらに強化されそうだな。

507 :作者の都合により名無しです:04/02/23 22:37 ID:8/DRXfGC
はうあ(´Д⊂

508 :ふとメモ:04/02/24 00:21 ID:N5Q5sNJv
過去ログ流れ旅をしていたら、島のテニスコートで会話するヒラマツ君とまこリンのシーンが。(10部)
それぞれの思い出話を語り合ってるほのぼの回。ヒラマツ君が板垣さんとスパーした話が・・・


373 名前:独白その4(118/350)[sage] 投稿日:03/08/13 22:06 ID:DAFlkle+
おいが目覚めたのは、それから数時間もしてからだった。
起きると、そこにはまだ、板垣先生がいたとね。
気付いた板垣先生に、じろりと一瞥されると、途端においは惨めになっとお。
「おいは弱かァ〜〜〜〜〜〜……ずっと……夢ば見てしもうたとですっっ…………」
血でずくずくになった顔面を涙と鼻水でグシャグシャにしてると、板垣先生は言ったバイ。
「お前は強くなる!特に、お前の蹴り……あれは磨けば使い物になる。
 そしてなにより…………己の弱さを知った者だけが強くなれる!!」
どん底だったおいにとって、その一言はまさに青天の霹靂だったバイ。
「プロレス漫画を描け!お前には、それを描く才能がある!
 いいか、あまり堅苦しく漫画を捉えるな。もっと大雑把に描け!
 もっとガムシャラに描け!もっとバカに描け!そして・・・・
 それらを、大マジメに描け!!
 それが出来たとき・・・・俺のライバルはお前だ!!」

「……と、まあ、この後すぐに、おいは念願のプロレス漫画『アグネス仮面』の連載をスタートさせたバイ。
 より迫力ある漫画を描く為に、実際にプロのリングに上がったりもしたバイ。
 ・・・おかげで、休載しがちなのが玉にキズやけども。
 とにかく、板垣先生がおらんかったら、今のおいはいなかったとね」

――――――――――
ああ・・・ヒラマツ【追悼】 (´Д⊂

509 :作者の都合により名無しです:04/02/24 00:53 ID:xzryBy5v
ヒラマツの死に様は、回想という形で、そのうち書くよ

510 :作者の都合により名無しです:04/02/24 01:16 ID:N5Q5sNJv
よろしくお願いします。
ところでログ見てたらカオシックな山本さんの名前が
賢次と賢二と賢治が混ざってどれが正解やら未だにわからんヽ(冫、)ノ

511 :作者の都合により名無しです:04/02/24 02:03 ID:N5Q5sNJv
そして真鍋シリーズ完結した今だから書ける!

ぶっちゃけ真鍋さんはスペオペ編(仮)用に蟲船が欲しくて船のついでに出しただけでした。
(えなり語りスレ961参考)・・・はははバチが当たったか・・・ごめんよマコリソ

512 :穴埋め企画っぽくなってるけど:04/02/24 02:30 ID:N5Q5sNJv
したらばより

1216 名前:作者取材のため、名無しにします。[sage] 投稿日:2003/09/27(土) 00:42 [ l0iBmWKc ]
そういえば、川原とにわのは、まだ一度も会話してないな
この2人、いったいどんな会話をするのやら
川原は戦ってるとき以外はのんびりした奴だから、2人でマターリしてたりするんだろうか

――――
予言・・・か?

513 :作者の都合により名無しです:04/02/24 07:33 ID:V/UELDuv
>512
色々フラグがたつまでは予測できなかった罠w
あのラストはしっとマスク物です(もしくはギップリャー)本人達にその気は無いけどなー(゚∀゚)アヒャ

・・・しかし、ついででゴカーン未遂か・・・にわの・・・不幸なww

514 :作者の都合により名無しです:04/02/25 13:47 ID:dznnr1jC
「ついで」で登場したキャラが恐ろしい奴に変貌したもんだw
あれほどまでに美点の欠片もないキャラは、登場人物が多いえなりスレでも貴重では?

515 :作者の都合により名無しです:04/02/25 14:07 ID:L6MV18D7
コテコテの悪役(しかもやられっぷりがいい)になれるキャラは貴重でしたねぇ
またなんか使えそう・使いやすそうなのを捜してこなきゃなあ・・・

んでまた幹事がエライ目に遭うと(ノ∀`)

516 :作者の都合により名無しです:04/02/25 16:19 ID:dznnr1jC
>>510
いい忘れてたけど、山賢のフルネームは、山本「賢治」が正しい。
今のところ、えなりスレ随一の外道キャラなので、注目しといてくれw

517 :作者の都合により名無しです:04/02/25 16:35 ID:L6MV18D7
オケーマスター

518 :ふと:04/02/26 12:25 ID:jHoURha4
不幸な役回りのキャラは何人かいますが、中身に結構バラつきがあって良いなと。

上司系貧乏くじ→皆川・カムイ
自業自得→安西・矢吹・久米田
雑魚下っ端→小栗・やまもと・富沢ひとし 他
空回り→にわの・桂
不運→貞本
巻き込まれ型→えなり・小畑

他には誰かいるかな?

519 :作者の都合により名無しです:04/02/26 12:32 ID:TQgMrhVT
長谷川も結構不幸だと思う。
貧乏くじ系だけど雑魚下っ端でもあるなw

520 :作者の都合により名無しです:04/02/26 12:39 ID:jHoURha4
複合型か>長谷川さん
ひとりで10年多めに年食ってるしなあ・・・

521 :作者の都合により名無しです:04/02/26 13:02 ID:TQgMrhVT
あと、不運に荒川姐さんを。
覗かれ不運w

522 :作者の都合により名無しです:04/02/26 13:06 ID:jHoURha4
あー女性キャラでは髄一の不幸人ですなあ
覗かれたり剥かれたり吸われたり死にかけたり

523 :ちょっと気になって調べてみたら:04/02/26 18:31 ID:azMq4bwu
そういや、月が今三日月と書いてあったから、調べてみると、
島編岡村VS川原(満月の下〜)
(イデオンによる月破壊)
(長谷川による月修復)
エトセトラ後編上(中空には銀月が〜)
別府決死行(三日月)
長谷川……一体満月をどうやったら三日月にできるんだ?

524 :作者の都合により名無しです:04/02/26 18:49 ID:jHoURha4
個人的には月食じゃないかなと
月の前に丸い物体がぷかぷか〜

525 :作者の都合により名無しです:04/02/26 19:04 ID:im3DfrIq
こっちの>343にも満月ってなってるね。
…菊地秀行の話に、たしか月光で強くなる敵に対しお月様が
満月を三ヶ月か新月にして弱体化させたってーのがあったな。

このスレで言えば、どこぞで"月のお姫様"がなんかしたのかも?

526 :作者の都合により名無しです:04/02/26 19:17 ID:jHoURha4
三日月になったのは貞本君が小島に流れ着いてから(>>359
さてどうなってるやら?嫁の動向も気になります

527 :作者の都合により名無しです:04/02/27 00:33 ID:QjFcC0N+
>>518
ちょっと違うが川三番地から荒川を守った末
ほかの十傑集と同じ扱いを受けお礼の言葉ももらえなかった富沢順を

528 :なる:04/02/27 00:35 ID:L3onqOvw
そもそも富沢さん、戦闘中に身体ぶっ壊されてから行方不明なんですよね・・・。
オーバーフロー後どうなっているのかガクブル

529 :作者の都合により名無しです:04/02/27 01:16 ID:QjFcC0N+
あんがい木城あたりが拾って弄くりまわしてたりw

530 :作者の都合により名無しです:04/02/27 01:29 ID:xlVFvrF9
皆川って常に中心からずれた場所にいるね。
資質的には主役張るのに十分なのに、存分に活躍できる場を与えてもらってない感じ。
まあ、こっから先どんどん中心に成って行きそうな複線も多いので別段問題は無いが。

531 :そろそろ埋まりそうなスレ:04/02/27 01:52 ID:L3onqOvw
強くても性格が地味なので微妙に扱いづらいのか隅に追いやられますね。
そこらへんがミナガーさんって感じですが(リアルでも)
「上等だよ!?大和田ァァ!!」がここ最近一番のツボだ(´A`)

>木城(((( ;゚Д゚)))

532 :作者の都合により名無しです:04/02/27 07:54 ID:SFSk7M5H
伝説編ではジャバも覚醒するだろうし、寺沢や高屋良樹も絡んでくるだろうから
一気に主役化するので心配ないと思われ。
でもそれだと斑鳩から高槻涼にキャラが変わるだろうな。
ところで原作の高槻のように一時的にヘタレるのならば、
隼人の役割でミナガーを立ち直らせるのはやはり安西なんだろうか?




533 :リンクをば:04/02/27 09:56 ID:L3onqOvw
↓容量余りまくってるので雑談の続きはこちらでしませんか?

【リレー小説】えなりの奇妙な冒険〜冨樫の遺産編第9部
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1056986536/

☆現在進行スレ
【リレー小説】えなりの奇妙な冒険〜冨樫の遺産編第17部
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1076777860/

534 :作者の都合により名無しです:04/02/27 10:07 ID:ViytNRuc
いや、ちょっと待て
ここでの雑談はあくまで埋め立てるためにしかたなくやってんだぞ
本スレ以外で雑談しまくってたら、したらば放棄の意味ないやん

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